JP4393232B2 - 反射防止フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献6には、少なくとも(メタ)アクリロイルオキシ基を分子内に有する化合物を含む活性エネルギー線硬化型樹脂と、平均粒径0.5〜200nmの中空粒子からなる低屈折率コーティング剤および反射防止フィルムが開示されている。しかし、このような薄膜の系においては、膜の硬化時における雰囲気の酸素濃度が大気(酸素濃度:約20体積%)に近い領域では、硬化阻害により膜の反応性基が十分に反応しないため、耐擦傷性が不十分となる問題が残る。また、本特許文献6の低屈折率層には防汚性が付与されていないため、指紋や水跡等の汚れが付着しやすい、さらに付着した後に拭取りにくいといった問題が残る。特に近年、テレビやモニター等のアプリケーションにおいては、高い耐擦傷性と防汚性が要求されるようになった。
従って、本発明の目的は、十分な反射防止性、耐擦傷性、防汚性および高い生産性を兼ね備えた反射防止フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記性能を有する反射防止フィルムを備えた偏光板、及び該偏光板を具備する液晶表示装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記構成の反射防止フィルムの製造方法により、上記目的を達成したものである。
1.透明支持体上に屈折率が1.30〜1.55の範囲にある低屈折率層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、該低屈折率層を、下記紫外線硬化性組成物を塗布、100℃以下かつ塗布組成物に含有される溶剤以外の成分の揮発が始まる温度以下の温風で乾燥の後に、酸素濃度が15体積%以下の雰囲気下で、10mJ/cm2〜1000mJ/cm2の紫外線照射により硬化することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
紫外線硬化性組成物:
下記(A)乃至(D)成分を含有する紫外線硬化性組成物。
(A)(A−1)多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび(A−2)フッ素原子を35〜80質量%の範囲で含み且つ架橋性若しくは重合性の官能基を含む含フッ素ポリマー
(ただし、該含フッ素ポリマーは、(i)含フッ素ビニルモノマー重合単位と、側鎖に該官能基としての(メタ)アクリロイル基またはグリシジル基を有する重合単位とを含み、(ii)主鎖が炭素原子のみからなる共重合体である。)
(ただし、該紫外線硬化性組成物は、該含フッ素ポリマーを主としてなる。)
(B)平均粒径が低屈折率層の厚みの30%以上150%以下で、かつ屈折率が1.17〜1.40である無機中空微粒子
(C)紫外線によりラジカルを発生する重合開始剤
(D)上記(A)〜(C)の各成分を溶解または分散可能な溶剤
2.低屈折率層が、酸素濃度1体積%以下の雰囲気下で硬化して形成されることを特徴とする上記1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
ここで、図1は、本発明の反射防止フィルムの好ましい一つの実施形態を模式的に示す断面図である。本実施形態は、防眩性反射防止フィルムの好ましい例であり、耐擦傷性に優れると同時に、特に高精細ディスプレイに適用した際のギラツキ防止性に優れる。
図1に示す本実施形態の反射防止フィルム1は、透明支持体2と、透明支持体2上に形成された光散乱層3と、そして光散乱層3上に形成された低屈折率層4とからなる。
光散乱層3は、透光性樹脂と透光性樹脂中に分散された透光性粒子5とからなる。
本実施形態においては、C光源下での反射光の色味がa*値−2〜2、b*値−3〜3、380nm〜780nmの範囲内での反射率の最小値と最大値の比0.5〜0.99とするのが、反射光の色味がニュートラルとなるので、好ましい。またC光源下での透過光のb*値を0〜3とすると、表示装置に適用した際の白表示の黄色味が低減され、好ましい。また、面光源上と本発明の反射防止フィルムの間に120μm×40μmの格子を挿入してフイルム上で輝度分布を測定した際の輝度分布の標準偏差を20以下とすると、高精細パネルに本発明のフィルムを適用したときのギラツキが低減され、好ましい。
図2に示す本実施形態の反射防止フィルム6は、透明支持体7と、透明支持体7上に形成されたハードコート層8と、そしてハードコート層8上に形成された中屈折率層9、高屈折率層10、低屈折率層11とからなる。
[低屈折率層]
本発明の反射防止フィルムにおける低屈折率層の屈折率は、1.30〜1.55であり、好ましくは1.35〜1.40の範囲である。
屈折率が1.30未満であると、反射防止性能は向上するが、膜の機械強度が低下し、1.55を超えると、反射防止性能が著しく悪化してしまう。
さらに、低屈折率層は下記数式(I)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
数式(I):(m/4)×0.7<n1×d1<(m/4)×1.3
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
なお、前記数式(I)を満たすとは、前記波長の範囲において数式(I)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
該低屈折率層は、下記硬化性組成物を硬化して形成される。
該硬化性組成物は、下記(A)乃至(D)成分を各々につき少なくとも1種含有する。
(A)架橋性若しくは重合性の官能基を含有する硬化性物質
(B)平均粒径が低屈折率層の厚みの30%以上150%以下で、かつ屈折率が1.17〜1.40である無機中空微粒子
(C)電離放射線及によりラジカルを発生する重合開始剤び熱によりラジカルを発生する重合開始剤の少なくともいずれか一方の重合開始剤
(D)上記(A)〜(C)の各成分を溶解または分散可能な溶剤
低屈折率層の形成に用いることのできる硬化性組成物について説明する。
硬化性組成物は、架橋性若しくは重合性の官能基を含有する硬化性物質を含むことが必須であり、架橋または重合した後に飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーが生成することが好ましい。
架橋または重合した後に飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーを生成する化合物としては、
(1)二個以上のエチレン性不飽和基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマー、及び
(2)フッ素原子を35〜80質量%の範囲で含みかつ架橋性若しくは重合性の官能基を含む含フッ素ポリマーであり、含フッ素ビニルモノマー(含フッ素モノマー)重合単位および架橋性付与のための基を有する構成単位、好ましくは側鎖に(メタ)アクリロイル基またはグリシジル基を有する構成単位を含み、主鎖が炭素原子のみからなる共重合体、
が好ましく挙げられる。これらは単独でまたは併用して用いられる。
含フッ素モノマーの具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、パーフルオロオクチルエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリル酸又はメタクリル酸」を表す。
好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**,*−(CH2)2−NH−**,*−(CH2)4−O−**,*−(CH2)6−O−**,*−(CH2)2−O−(CH2)2−O−**,*−CONH−(CH2)3−O−**,*−CH2CH(OH)CH2−O−**,*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表わす。
nは2≦n≦10の整数を表し、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を単位を表し、単一組成であっても複数の組成によって構成されていても良い。例としては、前記一般式1におけるAの例として説明したものが当てはまる。
z1およびz2はそれぞれの繰返し単位のmol%を表し、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たす値を表す。それぞれ0≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。
一般式[A]:(R10)m−Si(X)4-m
(式中、R10はアルキル基を表す。Xは水酸基または加水分解可能な基を表す。mは1〜3の整数を表す。)
上記オルガノシラン化合物またはそのゾル成分は、上記多官能(メタ)アクリレートモノマーと併用すると耐擦傷性の点で、特に反射防止能と耐擦傷性とを両立させる点で、好ましい。
このオルガノシラン化合物またはそのゾル成分は、硬化性組成物を塗布後、乾燥、電離放射線照射または加熱により、あるいは両者を併用して重合または縮合し、硬化して形成された低屈折率層のバインダーとして機能する。上記多官能(メタ)アクリレートモノマーと併用した場合には、共架橋することで、さらに硬度が向上する。
Xは、水酸基または加水分解可能な基を表し、例えばアルコキシ基(炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR2COO(R2は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C2H5COO等が挙げられる)で表される基が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
mは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
一般式[A]で表されるオルガノシラン化合物の中でも、下記一般式[B]で表されるビニル重合性の置換基を有するオルガノシラン化合物が好ましい。
Yは、単結合もしくは *−COO−** ,*−CONH−** 又は *−O−** を表し、単結合、*−COO−** および *−CONH−** が好ましく、単結合および *−COO−** が更に好ましく、*−COO−** が特に好ましい。* は=C(R1)−に結合する位置を、** はLに結合する位置を表す。
R10は一般式[A]と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
Xは一般式[A]と同義であり、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ-n-ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
前記オルガノシラン化合物のままで低屈折率層に添加すると、溶剤の乾燥中にオルガノシラン化合物の一部が同時に揮発することがあるため、比較的多量に添加する必要がある。一方、ゾル成分として添加する場合には、比較的添加量を減量でき、屈折率等の特性の制御がしやすく、好ましい。
電離放射線によりラジカルを発生する重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の電離放射線開裂型の電離放射線ラジカル重合開始剤としては、日本チバガイギー(株)製のイルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
電離放射線重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
電離放射線重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンおよびチオキサントンを挙げることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
本発明の低屈折率層に用いる無機微粒子は、平均粒径が本発明の低屈折率層の厚みの30%以上150%以下でかつ中空構造を有する。屈折率は1.17〜1.40、より好ましくは1.17〜1.35、さらに好ましくは1.17〜1.30である。ここでの屈折率は粒子全体としての屈折率を表し、中空構造の無機微粒子の場合に外殻の無機質のみの屈折率を表すものではない。この時、粒子内の空腔の半径をa、粒子外殻の半径をbとすると、下記数式(II)で表される空隙率xは、好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。
(数式II):x=(4πa3/3)/(4πb3/3)×100
中空の無機微粒子の屈折率をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚みが薄くなり、粒子の強度としては弱くなるため、耐擦傷性の観点からは屈折率1.17未満の低屈折率の粒子は成り立たない。
なお、無機微粒子の屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定を行い測定した。
無機微粒子の粒径が上記範囲であれば、耐擦傷性に優れ、かつ低屈折率層表面に微細な凹凸に基づく黒の締まりといった外観や積分反射率の悪化がない。
ここで、無機微粒子の平均粒径はコールターカウンターにより測定される。
小サイズ無機微粒子は、大サイズ無機微粒子同士の隙間に存在することができるため、大サイズ無機微粒子の保持剤として寄与することができる。
小サイズ無機微粒子の平均粒径は、低屈折率層が100nmの場合、1nm以上20nm以下が好ましく、5nm以上15nm以下が更に好ましく、10nm以上15nm以下が特に好ましい。このような無機微粒子を用いると、保持剤効果の点で好ましく、特に中空構造でないものを用いればコストの点でも好ましい。
前記カップリング剤は、低屈折率層の無機微粒子の表面処理剤として該層塗布液調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられるが、該層塗布液調製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させることが好ましい。
無機微粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが表面処理の負荷軽減のために好ましい。
本発明の低屈折率層を形成するための塗布組成物に用いられる溶剤としては、各成分を溶解または分散可能であること、塗布工程、乾燥工程において均一な面状となり易いこと、液保存性が確保できること、適度な飽和蒸気圧を有すること、等の観点で選ばれる各種の溶剤が使用できる。
特に、図1に示すような防眩性ハードコート層の上に低屈折率層を直接塗布する場合においては、沸点が100℃以下の低沸点溶剤のみを用いた塗布液を用いることにより、あるいは高沸点溶剤を含んでもよいが、低沸点溶剤を多く含む塗布液を用いることにより、そうでない場合と比較して反射防止性に優れたものが得られる。これは、防眩性ハードコート層の表面凹凸上にウエット塗布してから溶剤の乾燥が進んで膜の流動性が失われるまでの間に、凸部から凹部への流動が起こり、膜厚ムラが発生するのをある程度まで防止できるためと推測される。沸点が100℃以下の溶剤としては、例えば、ヘキサン(沸点68.7℃)、ヘプタン(98.4℃)、シクロヘキサン(80.7℃)、ベンゼン(80.1℃)などの炭化水素類、ジクロロメタン(39.8℃)、クロロホルム(61.2℃)、四塩化炭素(76.8℃)、1,2−ジクロロエタン(83.5℃)、トリクロロエチレン(87.2℃)などのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル(34.6℃)、ジイソプロピルエーテル(68.5℃)、ジプロピルエーテル (90.5℃)、テトラヒドロフラン(66℃)などのエーテル類、ギ酸エチル(54.2℃)、酢酸メチル(57.8℃)、酢酸エチル(77.1℃)、酢酸イソプロピル(89℃)などのエステル類、アセトン(56.1℃)、2−ブタノン(メチルエチルケトンと同じ、79.6℃)などのケトン類、メタノール(64.5℃)、エタノール(78.3℃)、2−プロパノール(82.4℃)、1−プロパノール(97.2℃)などのアルコール類、アセトニトリル(81.6℃)、プロピオニトリル(97.4℃)などのシアノ化合物類、二硫化炭素(46.2℃)などがある。このうちケトン類、エステル類が好ましく、特に好ましくはケトン類である。ケトン類の中では2−ブタノンが特に好ましい。
沸点が100℃を以上の溶剤としては、例えば、オクタン(125.7℃)、トルエン(110.6℃)、キシレン(138℃)、テトラクロロエチレン(121.2℃)、クロロベンゼン(131.7℃)、ジオキサン(101.3℃)、ジブチルエーテル(142.4℃)、酢酸イソブチル(118℃)、シクロヘキサノン(155.7℃)、2−メチル−4−ペンタノン(MIBKと同じ、115.9℃)、1−ブタノール(117.7℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(153℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(166℃)、ジメチルスルホキシド(189℃)などがある。好ましくは、シクロヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノンである。
表面自由エネルギーを低下させる化合物としては公知のシリコーン系化合物、フッ素系化合物、あるいはフルオロアルキルシリコーン系化合物を用いることができる。これらを添加する場合には、低屈折率層全固形分の0.01〜20質量%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲で添加する場合であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の場合である。
フッ素系化合物は、さらに低屈折率層皮膜との結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。フッ素系化合物はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はない。フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限は無いが20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。好ましいフッ素系化合物の例としてはダイキン化学工業(株)製、R−2020、M−2020、R−3833、M−3833(以上商品名)、大日本インキ(株)製、メガファックF−171、F−172、F−179A、ディフェンサMCF−300(以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明の低屈折率層は、前述の素材に加えて、低屈折率層と直接接する下層との界面密着性等の観点から、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、アミノプラスト、多塩基酸またはその無水物等の硬化剤を少量添加することもできる。これらを添加する場合には、低屈折率層皮膜の全固形分に対して30質量%以下の範囲とすることが好ましく、20質量%以下の範囲とすることがより好ましく、10質量%以下の範囲とすることが特に好ましい。
次に、本発明の低屈折率層の硬化手段について説明する。
本発明の低屈折率層は、塗布組成物を下層となる層上に塗布、溶剤の乾燥の後に、所定の温度の雰囲気中または所定の膜面温度で、酸素濃度が好ましくは15体積%以下の雰囲気で、電離放射線または熱により、或いは両者の手段を併用して、硬化して形成される。本発明において、電離放射線とは、通常用いられている意味で用いており、物質中を通過するときに励起やイオン化を引き起こす放射線、すなわち単に放射線とも呼んでいる粒子線及び電磁波を指しており、具体的にはα線、β線、γ線、高エネルギー粒子、中性子、電子線、光線(紫外線及び可視光線)などである。特に本発明に好ましい電離放射線は、紫外線及び可視光線である。
[光散乱層]
光散乱層は、表面散乱および内部散乱の少なくともいずれかの散乱による光拡散性と、フィルムの耐擦傷性を向上するためのハードコート性をフィルムに寄与する目的で形成される。従って、ハードコート性を付与するため透光性樹脂、及び光拡散性を付与するための透光性粒子を含有することが好ましく、更に必要に応じて高屈折率化、架橋収縮防止、高強度化のための無機フィラーを含有する。
飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。
バインダーポリマーを高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含む高屈折率モノマーを選択することもできる。
従って、前記光散乱層は、上述のエチレン性不飽和モノマー等の透光性樹脂形成用のモノマー、電離放射線または熱によりラジカルを発生する開始剤、透光性粒子および必要に応じて無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化させることにより形成することができる。
従って、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、透光性粒子および無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化して光拡散層を形成することができる。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
前記透光性粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、メタクリル粒子、架橋メタクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、架橋アクリルスチレン粒子、シリカ粒子が好ましい。
透光性粒子の形状は、球状あるいは不定形のいずれも使用できる。
また、透光性粒子の密度は、好ましくは10〜1000mg/m2、より好ましくは100〜700mg/m2である。
透光性粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。
また逆に、透光性粒子との屈折率差を大きくするために、高屈折率透光性粒子を用いた光散乱層では層の屈折率を低目に保つためにケイ素の酸化物を用いることも好ましい。好ましい粒径は前述の無機フィラーと同じである。
光散乱層に用いられる無機フィラーの具体例としては、TiO2、ZrO2、Al2O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、ITOとSiO2等が挙げられる。TiO2およびZrO2が高屈折率化の点で特に好ましい。該無機フィラーは表面をシランカップリング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、フィラー表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの無機フィラーを用いる場合、その添加量は、光散乱層の全質量の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは20〜80%であり、特に好ましくは30〜75%である。
なお、このような無機フィラーは、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダーポリマーに該フィラーが分散した分散体は光学的に均一な物質として振舞う。
また、光散乱層にも上述のオルガノシラン化合物およびそのゾル成分の少なくともいずれかを用いることができる。
低屈折率層以外の層へのゾル成分の添加量は、含有層(添加層)の全固形分の0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.05〜10質量%が更に好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。光散乱層の場合には、前記オルガノシラン化合物またはそのゾル成分の添加量に対する制約が低屈折率層ほど厳しくないため、前記オルガノシラン化合物が好ましく用いられる。
また、本発明においては、透光性樹脂と透光性粒子との屈折率の差(透光性粒子の屈折率−透光性樹脂の屈折率)が0.02〜0.2が好ましく、より好ましくは0.05〜0.15である。この差が上記範囲であると、内部散乱の効果が十分であり、ギラツキが発生せず、しかもフィルム表面が白濁することもない。
また、前記透光性樹脂の屈折率は、1.45〜2.00であるのが好ましく、1.48〜1.70であるのが更に好ましい。
また、前記透光性粒子の屈折率は、1.40〜1.80であるのが好ましく、1.45〜1.70であるのが更に好ましい。
ここで、透光性樹脂の屈折率は、アッベ屈折計で直接測定するか、分光反射スペクトルや分光エリプソメトリーを測定するなどして定量評価できる。
面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることが目的である。
一般式3中のmは、1以上6以下の整数が好ましく、2が特に好ましい。
一般式3中のnは1〜3であって、1〜3の混合物を用いてもよい。
R14は置換基を有しても良い炭素数4以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基を表す。R14のアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。炭素数4以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基としては、直鎖及び分岐してもよいブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等、また、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基及びビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基、等の多環シクロアルキル基が好適に用いられる。
更に、光散乱層に用いられるフッ素系ポリマーの好ましい添加量は、光散乱層を形成するための塗布液に対して、好ましくは0.001〜5質量%の範囲であり、より好ましくは0.005〜3質量%の範囲であり、更に好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。フッ素系ポリマーの添加量が上記範囲であれば、効果の点からは十分であり、かつ塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、塗膜としての性能(例えば反射率、耐擦傷性)に悪影響を及ぼすこともない。
上層を形成する溶剤に抽出されるようなフッ素系ポリマーの例として、下記一般式5で表されるモノマーの単独重合体、及び一般式5で表されるモノマーと一般式6で表されるモノマーの共重合体が挙げられる。
一般式5中のmは1〜6の整数を表し、1〜3の整数がより好ましく、1であることが更に好ましい。
一般式5中のnは1〜18の整数を表し、4〜12の整数がより好ましく、6〜8の整数が更に好ましい。
またフッ素系ポリマー中に一般式5で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーが2種類以上構成成分として含まれていても良い。
R19は置換基を有しても良い炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、ポリ(アルキレンオキシ)基を含むアルキル基、置換基を有していても良い芳香族基(例えば、フェニル基またはナフチル基)を表す。炭素数1〜12の直鎖、分岐、または環状のアルキル基、または総炭素数6〜18の芳香族基がより好ましく、炭素数1〜8の直鎖、分岐、または環状のアルキル基が更に好ましい。
散乱光プロファイルは、作成した光散乱フィルムについて、(株)村上色彩技術研究所製の自動変角光度計GP−5型を用いて測定できる。
本発明の反射防止フィルムでは、より良い反射防止能を付与するために、高屈折率層や中屈折率層を設けることができる。
高屈折率層の屈折率は屈折率1.55〜2.40であり、この範囲内の層があれば、本発明における高屈折率層が存在するといえる。この屈折率の範囲は、いわゆる高屈折率層あるいは中屈折率層といわれる範囲であるが、以下の本明細書では、これらの層を総称して高屈折率層と呼ぶことがある。
また、高屈折率層と中屈折率層とが混在する場合、屈折率が支持体、光散乱層、中屈折率層よりも高い層を高屈折率層といい、屈折率が支持体、光散乱層よりも高く高屈折率層より低い層を中屈折率層という。屈折率は、添加する無機微粒子やバインダーの使用量などを調節することにより適宜調節できる。
高屈折率層及び/又は中屈折率層には、コバルト、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの元素を含有する二酸化チタンを主成分とする無機微粒子が含有される。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。
本発明における二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、屈折率が1.90〜2.80であることが好ましく、2.20〜2.80であることが最も好ましい。一次粒子の質量平均径は1〜200nmであることが好ましく、さらに好ましくは2〜100nm、特に好ましくは2〜80nmである。
本発明に用いる二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は表面処理してもよい。表面処理は、コバルトを含有する無機化合物、Al(OH)3、Zr(OH)4のような無機化合物または、シランカップリング剤のような有機化合物を用いて実施する。本発明の二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、表面処理により特開2001−166104号公報記載のごとく、コア/シェル構造を有していても良い。
高屈折率層及び/又は中屈折率層に含有される二酸化チタンを主成分とする無機微粒子の形状は、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることが好ましく、特に好ましくは不定形状、紡錘形状である。
前記無機微粒子の分散には、分散剤を用いることができる。分散には、アニオン性基を有する分散剤を用いることが特に好ましい。
アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホン酸基(及びスルホ基)、リン酸基(及びホスホノ基)、スルホンアミド基等の酸性プロトンを有する基、またはその塩が有効であり、特にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基及びその塩が好ましく、カルボキシル基及びリン酸基が特に好ましい。1分子当たりの分散剤に含有されるアニオン性基の数は、1個以上含有されていればよいが、平均で2個以上であることが好ましく、より好ましくは5個以上、特に好ましくは10個以上である。アニオン性基は、1分子中に複数種類が含有されていてもよい。さらに、分散剤は架橋又は重合性官能基を含有することが好ましい。
高屈折率層及び/又は中屈折率層に用いる二酸化チタンを主成分とする無機微粒子は、分散物の状態で高屈折率層の形成に使用する。
無機微粒子の分散において、前記の分散剤の存在下で、分散媒体中に分散する。
分散媒体は、沸点が60〜170℃の液体を用いることが好ましい。分散媒体の例には、水、アルコール、ケトン、エステル、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、アミド、エーテル、エーテルアルコールが含まれる。トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびブタノールが好ましい。
特に好ましい分散媒体は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。
無機微粒子分散物は、分散媒体中でなるべく微細化されていることが好ましく、質量平均径は1〜200nmである。好ましくは5〜150nmであり、さらに好ましくは10〜100nm、特に好ましくは10〜80nmである。
無機微粒子を200nm以下に微細化することで透明性を損なわない高屈折率層を形成できる。
シラノール基は、例えば架橋又は重合性官能基を有する化合物を前記の高屈折率層形成用の塗布組成物に添加し、塗布組成物を透明支持体上に塗布して前記の分散剤、多官能モノマーや多官能オリゴマー等を架橋反応、又は、重合反応させることによりバインダーに導入することができる。
高屈折率層における無機微粒子の含有量は、高屈折率層の質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜80質量%、特に好ましくは15〜75質量%である。無機微粒子は高屈折率層内で二種類以上を併用してもよい。
高屈折率層の上に低屈折率層を有する場合、高屈折率層の屈折率は透明支持体の屈折率より高いことが好ましい。
高屈折率層に、芳香環を含む電離放射線硬化性化合物、フッ素以外のハロゲン化元素(例えば、Br,I,Cl等)を含む電離放射線硬化性化合物、S,N,P等の原子を含む電離放射線硬化性化合物などの架橋又は重合反応で得られるバインダーも好ましく用いることができる。
高屈折率層の上に低屈折率層を構築して、反射防止フィルムを作製するためには、高屈折率層の屈折率は1.55〜2.40であることが好ましく、より好ましくは1.60〜2.20、更に好ましくは、1.65〜2.10、最も好ましくは1.80〜2.00である。
高屈折率層及び/又は中屈折率層の膜厚は用途により適切に設計することができる。高屈折率層及び/又は中屈折率層を後述する光学干渉層として用いる場合、30〜200nmが好ましく、より好ましくは50〜170nm、特に好ましくは60〜150nmである。
本発明の反射防止フィルムの透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士写真フイルム社製TAC−TD80U,TD80UFなど)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ノルボルネン系樹脂、非晶質ポリオレフィンが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
トリアセチルセルロースは、単層または複数の層からなる。単層のトリアセチルセルロースは、特開平7−11055号公報等で開示されているドラム流延、あるいはバンド流延等により作成され、後者の複数の層からなるトリアセチルセルロースは、公開特許公報の特開昭61−94725号、特公昭62−43846号等で開示されている、いわゆる共流延法により作成される。すなわち、原料フレークをハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン等、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)等の溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段(ダイと称する)により流延する際、単層ならば単一のドープを単層流延し、複数の層ならば高濃度のセルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流延し、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
透明支持体と本発明の光散乱層の間に設けても良い他の層として、帯電防止層(ディスプレイ側からの表面抵抗値を下げる等の要求がある場合、表面等へのゴミつきが問題となる場合)、ハードコート層(光散乱層が不要な場合)、防湿層、密着改良層、虹ムラ(干渉ムラ)防止層等が挙げられる。
これらの層は、公知の方法にて形成することができる。
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。その際、溶剤の揮発量を最小限に抑制することにより、塗布液中の含水率の上昇を抑制できる。塗布液中の含水率は5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。溶剤の揮発量の抑制は、各素材をタンクに投入後の攪拌時の密閉性を向上すること、移液作業時の塗布液の空気接触面積を最小化すること等で達成される。また、塗布中、或いはその前後に塗布液中の含水率を低減する手段を設けてもよい。
次に、光散乱層或いはハードコート層等、直接支持体上の塗布する層を形成するための塗布液を、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書参照)により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥する。その後、光照射および加熱の少なくともいずれかの手段で、硬化する。これにより光散乱層、或いはハードコート層等が形成される。
ここで、必要であれば光散乱層を複数層とし、光散乱層塗布の前に同様な方法で平滑な光散乱層塗布および硬化を行うことができる。
次に、同様にして低屈折率層を形成するための塗布液を光散乱層上に塗布し、溶剤を乾燥した後に光照射および加熱の少なくともいずれかの手段で低屈折率層が形成される。このようにして、本発明の反射防止フィルムが得られる。
また、各層の塗布組成物を基材フィルム上に塗布した後、乾燥ゾーン内で基材フィルムの塗布面とは反対の面に接触する搬送ロールと基材フィルムとの温度差が0℃〜20℃以内とすると、搬送ロール上での伝熱ムラによる乾燥ムラが防止でき、好ましい。
(1)アルカリ液に浸漬する法
アルカリ液の中に反射防止フィルムを適切な条件で浸漬して、フイルム全表面のアルカリと反応性を有する全ての面を鹸化処理する手法であり、特別な設備を必要としないため、コストの観点で好ましい。アルカリ液は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3mol/Lであり、特に好ましくは1〜2mol/Lである。好ましいアルカリ液の液温は30〜75℃、特に好ましくは40〜60℃である。
前記の鹸化条件の組合せは比較的穏和な条件同士の組合せであることが好ましいが、反射防止フィルムの素材や構成、目標とする接触角によって設定することができる。
アルカリ液に浸漬した後は、フィルムの中にアルカリ成分が残留しないように、水で十分に水洗したり、希薄な酸に浸漬してアルカリ成分を中和することが好ましい。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする接着層との接着性を改良するのに有効である。
鹸化処理は、低屈折率層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の水に対する接触角が低いほど、偏光膜との接着性の観点では好ましいが、一方、浸漬法では同時に低屈折率層を有する表面から内部の光散乱層までアルカリによるダメージを受ける為、必要最小限の反応条件とすることが重要となる。アルカリによる反射防止層の受けるダメージの指標として反対側の表面の透明支持体の水に対する接触角を用いた場合、特に透明支持体がトリアセチルセルロースであれば、ダメージを受けずに接着性が改善される範囲は、好ましくは10度〜50度、より好ましくは30度〜50度、さらに好ましくは40度〜50度である。50度以上では、偏光膜との接着性に問題が生じるため好ましくない。一方、10度未満では、反射防止膜の受けるダメージが大きすぎるため、物理強度を損ない、好ましくない。
上述の浸漬法における反射防止膜へのダメージを回避する手段として、適切な条件でアルカリ液を反射防止膜を有する表面と反対側の表面のみに塗布、加熱、水洗、乾燥するアルカリ液塗布法が好ましく用いられる。なお、この場合の塗布とは、鹸化を行う面に対してのみアルカリ液などを接触させることを意味し、塗布以外にも噴霧、液を含んだベルト等に接触させる、などによって行われることも含む。これらの方法を採ることにより、別途、アルカリ液を塗布する設備、工程が必要となるため、コストの観点では(1)の浸漬法に劣る。一方で、鹸化処理を施す面にのみアルカリ液が接触するため、反対側の面にはアルカリ液に弱い素材を用いた層を有することができる。例えば、蒸着膜やゾル−ゲル膜では、アルカリ液によって、腐食、溶解、剥離など様々な影響が起こるため、浸漬法では設けることが望ましくないが、この塗布法では液と接触しないため問題なく使用することが可能である。
前記(2)と同様に、光散乱層および低屈折率層の少なくともいずれかの層がアルカリ液に対する耐性が不足している場合に、低屈折率層まで形成した後に低屈折率層を形成した面にラミネートフィルムを貼り合せてからアルカリ液に浸漬することで低屈折率層を形成した面とは反対側のトリアセチルセルロース面だけを親水化し、然る後にラミネートフィルムを剥離することができる。この方法でも、光散乱層、低屈折率層へのダメージなしに偏光板保護フィルムとして必要なだけの親水化処理をトリアセチルセルロースフィルムの反射防止層を形成した面とは反対の面だけに施すことができる。前記(2)の方法と比較して、ラミネートフィルムが廃棄物として発生する半面、特別なアルカリ液を塗布する装置が不要である利点がある。
光散乱層まではアルカリ液に対する耐性があるが、低屈折率層がアルカリ液に対する耐性不足である場合には、光散乱層まで形成後にアルカリ液に浸漬して両面を親水化処理し、然る後に光散乱層上に低屈折率層を形成することもできる。製造工程が煩雑になるが、特に低屈折率層がフッ素含有ゾル−ゲル膜等、親水基を有する場合には光散乱層と低屈折率層との層間密着性が向上する利点がある。
トリアセチルセルロースフィルムを予めアルカリ液に浸漬するなどして鹸化し、何れか一方の面に直接または他の層を介して光散乱層、低屈折率層を形成してもよい。アルカリ液に浸漬して鹸化する場合には、光散乱層または他の層と鹸化により親水化されたトリアセチルセルロース面との層間密着性が悪化することがある。そのような場合には、鹸化後、光散乱層または他の層を形成する面だけにコロナ放電、グロー放電等の処理をすることで親水化面を除去してから光散乱層または他の層を形成することで対処できる。また、光散乱層または他の層が親水性基を有する場合には層間密着が良好なこともある。
[偏光板]
本発明の好ましい偏光板は、偏光膜の保護フィルム(偏光板用保護フィルム)の少なくとも一方として、本発明の反射防止フィルムを有する。偏光板用保護フィルムは、前記のように、反射防止構造を有する側とは反対側の透明支持体の表面、すなわち偏光膜と貼り合わせる側の表面の水に対する接触角が10度〜50度の範囲にあることが好ましい。
本発明の反射防止フィルムを偏光板用保護フィルムとして用いることにより、物理強度、耐光性に優れた反射防止機能を有する偏光板が作製でき、大幅なコスト削減、表示装置の薄手化が可能となる。
また、本発明の反射防止フィルムを偏光板用保護フィルムの一方に、後述する光学異方性のある光学補償フィルムを偏光膜の保護フィルムのもう一方に用いた偏光板を作製することにより、さらに、液晶表示装置の明室でのコントラストを改良し、上下左右の視野角が非常に広げることができる偏光板を作製できる。
偏光板には光学補償層(位相差層)を設けることにより、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
光学補償層としては、公知のものを用いることができるが、視野角を広げるという点では、特開2001−100042号公報に記載されているディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方性を有する層を有し、該ディスコティック化合物と透明支持体とのなす角度が透明支持体からの距離に伴って変化している光学補償層が好ましい。
該角度は光学異方性層の透明支持体面側からの距離の増加とともに増加していることが好ましい。
光学補償層を偏光膜の保護フィルムとして用いる場合、偏光膜と貼り合わせる側の表面が鹸化処理されていることが好ましく、前記の鹸化処理に従って実施することが好ましい。
また、光学異方性層が更にセルロースエステルを含んでいる態様、光学異方性層と透明支持体との間に配向層が形成されている態様、該光学異方性層を有する光学補償層の透明支持体が、光学的に負の一軸性を有し、且つ該透明支持体面の法線方向に光軸を有し、更に下記数式の条件を満足する態様も好ましい。
偏光膜としては公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作成される。
即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
本発明の反射防止フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。本発明の反射防止フィルムは透明支持体を有しているので、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して用いられる。
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学工業(株)製)100部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3部を加え混合したのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、オルガノシランゾル液を得た。質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(PET−30、日本化薬(株)製)50gをトルエン38.5gで希釈した。更に、重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を2g添加し、混合攪拌した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.51であった。
さらにこの溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.61、SX−350、綜研化学(株)製)の30%トルエン分散液を1.7gおよび平均粒径3.5μmの架橋アクリル−スチレン粒子(屈折率1.55、綜研化学(株)製)の30%トルエン分散液を13.3g加え、最後に、フッ素系表面改質剤(FP−13)0.75g、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学工業(株)製)を10g加え、混合液(完成液)とした。
この混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光散乱層の塗布液Aを調製した。
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7404、JSR(株)製、固形分濃度約61%、固形分中ZrO2含率約70%、重合性モノマー、重合開始剤含有)285g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)85gを混合し、更に、メチルイソブチルケトン60g、メチルエチルケトン17gで希釈した。更に、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学(株)製)28gを混合攪拌した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に平均粒径3.0μmの分級強化架橋PMMA粒子(屈折率1.49、MXS−300、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散した分散液を35g加え、次いで、平均粒径1.5μmのシリカ粒子(屈折率1.46、シーホスタKE−P150、日本触媒(株)製)の30%メチルエチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分間分散した分散液を90g加え、最後に、フッ素系表面改質剤(P−2)0.12gを混合攪拌し、混合液(完成液)とした。
この混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光散乱層の塗布液Bを調製した。
・ビスコート290、大阪有機化学(株)製 300質量部
・ビスコート190、大阪有機化学(株)製 300質量部
・メチルエチルケトン 360質量部
・シクロヘキサノン 40質量部
・イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製 18質量部
上記の混合物を攪拌した後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過した。
市販のATO分散ハードコート剤(日本ぺルノックス(株)製、固形分:45%、商品名:ペルトロンC−4456−S7)100gに、シクロヘキサノン30g、メチルエチルケトン10g、シランカップリング剤3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBM−5103)1.5gを添加し、攪拌した後、孔径10μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して帯電防止層用塗布液を調製した。
市販のジルコニア超微粒子分散ハードコート剤(JSR(株)製、固形分:50%、硬化物の屈折率:1.69、商品名:Z−7401)に、導電性粒子(金およびニッケルでメッキしたベンゾグアナミン・メラニン・ホルムアルデヒド縮合物球状粉体、日本化学工業(株)製、商品名:ブライト20GNR4.6−EH)を0.1質量%分散し、孔径10μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して導電性ハードコート層用塗布液を調製した。
・MPT−129C、石原産業(株)製(TiO2:Co3O4:Al2O3:ZrO2=90.5:3.0:4.0:0.5質量比) 257.1g
・下記分散剤 38.6g
・シクロヘキサノン 704.3g
上記の混合物を、ダイノミルにより質量平均径70nmになるまで分散した。
・上記の二酸化チタン分散液 88.9g
・DPHA、日本化薬(株)製 58.4g
・イルガキュア907、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製)3.1g
・カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製 1.1g
・メチルエチルケトン 482.4g
・シクロヘキサノン 1869.8g
上記の混合物を攪拌した後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過した。
・上記の二酸化チタン分散液 586.8g
・DPHA、日本化薬(株)製 47.9g
・イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製 4.0g
・カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製 1.3g
・メチルエチルケトン 455.8g
・シクロヘキサノン 1427.8g
上記の混合物を攪拌した後、孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過した。
中空シリカ微粒子ゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、触媒化成工業(株)製CS60−IPA、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20%、シリカ粒子の屈折率1.31)500部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製、KBM−5103)30部、およびジイソプロポキシアルミニウムエチルアセテート1.5部加え混合した後に、イオン交換水を9部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8部を添加し、中空シリカ分散液を得た。得られた中空シリカ分散液の固形分濃度は18質量%、溶剤乾燥後の屈折率は1.31であった。
DPHA(5官能、6官能アクリレートの混合物) 1.4g
パーフルオロオレフィン共重合体(1)(側鎖アクリレート含有) 5.6g
中空シリカ分散液 20.0g
RMS−033(シリコーン系化合物、チッソ(株)製) 0.7g
イルガキュア907 0.2g
オルガノシランゾル液 6.2g
MEK 315.9g
上記塗布液を塗布、乾燥、硬化した被膜の屈折率は1.43であった。
DPHA(5官能、6官能アクリレートの混合物) 3.6g
中空シリカ分散液 20.0g
RMS−033 0.7g
イルガキュア907 0.2g
オルガノシランゾル液 8.0g
MEK 276.0g
上記塗布液を塗布、乾燥、硬化した被膜の屈折率は1.41であった。
ペンタエリスリトールトリアクリレート 90.0g
中空シリカ分散液 20.0g
オクタフルオロペンチルメタクリレート 10.0g
上記塗布液を塗布、乾燥、硬化した被膜の屈折率は1.48であった。
(1)光散乱層の塗設
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、光散乱層用塗布液Aを線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度30m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージにより酸素濃度0.005体積%の雰囲気で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度100mW/cm2、照射量60mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、屈折率1.51、厚さ6μmの光散乱層を形成し、巻き取った。
光散乱層を塗設したトリアセチルセルロースフィルムを再び巻き出して、前記低屈折率層用塗布液Aを線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度15m/分の条件で塗布し、90℃で150秒乾燥の後、窒素パージ下で酸素濃度0.1体積%の雰囲気中で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量900mJ/cm2の紫外線を照射して硬化し、屈折率1.43、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、巻き取った。
(3)反射防止フィルムの鹸化処理
製膜後、前記フィルムについて、以下の処理を行った。
1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.005mol/Lの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。作製した反射防止フィルムを前記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した
その後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、前記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。 最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
このようにして、鹸化処理済み反射防止フィルムを作製した。これを実施例1試料1とする。
得られたフィルムについて、以下の項目の評価を行った。結果を表1に示す。
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの積分球平均反射率を用いた。
ラビングテスターを用いて、以下の条件でこすりテストをおこなった。
評価環境条件:25℃、60%RH
こすり材:試料と接触するテスターのこすり先端部(1cm×1cm)にスチールウール(日本スチールウール(株)製、ゲレードNo.0000)を巻いて、動かないようバンド固定した。
移動距離(片道):13cm、こすり速度:13cm/秒、荷重:0.049MPa(500g/cm2)、先端部接触面積:1cm×1cm、こすり回数:10往復。
こすり終えた試料の裏側に油性黒インキを塗り、反射光で目視観察して、こすり部分の傷を、以下の基準で評価した。
◎:非常に注意深く見ても、全く傷が見えない。
○:非常に注意深く見ると僅かに弱い傷が見える。
○△:弱い傷が見える。
△:中程度の傷が見える。
△×〜×:一目見ただけで分かる傷がある。
ラビングテスターのこすり先端部に綿棒を固定し、平滑皿中で試料の上下をクリップで固定し、室温25℃で、試料と綿棒を25℃の水に浸し、綿棒に500gの荷重をかけて、こすり回数を変えてこすりテストを行った。こすり条件は以下のとおり。
こすり距離(片道):1cm、 こすり速度:約2往復/秒
こすり終えた試料を観察して、膜剥がれが起こった回数で、こすり耐性を以下のように評価した。
0〜10往復で膜剥がれ :×
10〜30往復で膜剥がれ :×△
30〜50往復で膜剥がれ :△
50〜100往復で膜剥がれ :○△
100〜150往復で膜剥がれ:○
150往復でも膜剥がれなし :◎
ラビングテスターのこすり先端部に消しゴム(MONO、(株)トンボ鉛筆製)を固定し、平滑皿中で試料の上下をクリップで固定し、室温25℃で、消しゴムに250gの荷重をかけて(面圧:0.049MPa(500g/cm2))、こすり回数を変えてこすりテストを行った。こすり条件は以下のとおり。
こすり距離(片道):1cm、 こすり速度:約1往復/秒
こすり終えた試料を観察して、膜剥がれが起こった回数で、こすり耐性を以下
のように評価した。
0〜10往復で膜剥がれ :×
10〜30往復で膜剥がれ :×△
30〜50往復で膜剥がれ :△
50〜100往復で膜剥がれ :○△
100〜150往復で膜剥がれ :○
200往復でも膜剥がれなし :◎
ZEBRAのマッキー(黒)にて反射防止フィルム表面に直径5mmの円を描き、3秒後にティッシュペーパーで拭取れなくなる回数で、防汚性を以下のように評価した。
0〜2回で拭取れない :×
3〜10回で拭取れない :△
11〜15回で拭取れない :○
15回で拭取れる :◎
表1の記載の通りに、実施例1試料1において、光散乱層用塗布液を光散乱層用塗布液(B)に、あるいは低屈折率層用塗布液を低屈折率層用塗布液(B)または(C)に、あるいは該低屈折率層用塗布液を塗布、溶剤乾燥の後の硬化時の雰囲気の酸素濃度を表2の記載のように変える以外は、実施例1試料1と同様にして作製、評価を行った。結果を表1に示した。
なお、光散乱層用塗布液Bを用いた時の光散乱層の乾燥後の膜厚は、3.4μmとした。また、試料9のみ、光散乱層を形成した後に試料1と同様にして鹸化処理し、続いて低屈折率層を形成した。
表1に示される結果より、以下のことが明らかである。
本発明の反射防止フィルムにおいて、低屈折率層の硬化時にUV照射により発生したラジカルにより重合性の官能基を含む硬化性組成物が重合する際、酸素濃度が15体積%以下の雰囲気の下であるため、酸素による重合阻害が抑制され、その結果、スチールウール、水綿棒、消しゴムによる擦り試験に代表される耐擦傷性が良好な低屈折率層が得られる。
また、平均粒径が該低屈折率層の厚みの30%以上150%以下で且つ中空構造からなる屈折率が1.17〜1.40である無機微粒子を用いることで、低屈折率層の屈折率が低く抑えられるため、反射率の低い反射防止フィルムが得られる。
以上のように、本発明により優れた反射防止特性と高い耐擦傷性を持つ反射防止膜が得られる。
(1)ハードコート層/3層反射防止層の塗設、鹸化処理
膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TD−80UF、富士写真フイルム(株)製)上に前記ハードコート層用塗布液を下記表2の記載のとおりに塗布、溶剤の乾燥、UV照射により硬化してハードコート層(HC)を形成し、続いてその上に同様にして前記中屈折率層用塗布液、高屈折率層用塗布液、低屈折率層用塗布液Aを用いて順次、中屈折率層(Mn)、高屈折率層(Hn)、低屈折率層(Ln)をこの順番に形成してハードコート層/3層反射防止層を形成したフィルムを得、実施例1と同様に鹸化処理することで、実施例2試料1を作製した。
表3に示される結果より、実施例1と同様、3層反射防止フィルムにおいても、酸素濃度が15体積%以下の雰囲気の下であるため、耐擦傷性が良好な低屈折率層が得られ、且つ、中空構造からなる屈折率が1.17〜1.40である無機微粒子を用いることで、低屈折率層の屈折率が低く抑えられるため、反射率の低い反射防止フィルムが得られることが明らかである。
(1)帯電防止性ハードコートフィルムの作製
調製した帯電防止層用塗布液をトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フイルム社製、商品名:TD−80U、厚み:80μm)上に塗布し、70℃にて1分間乾燥させた後、紫外線照射(100mJ/cm2)により硬化処理して、厚さ約0.2μmの帯電防止性フィルムを作製した。次いで、この帯電防止層の上に、調製した導電性ハードコート層用塗布液を塗布し、70℃にて1分間乾燥させた後、窒素パージ下で紫外線照射(120mJ/cm2)により硬化処理して、厚さ約5μmの帯電防止性ハードコートフィルムを作製した。性能を表4に示す。
PVAフィルムをヨウ素2.0g/l、ヨウ化カリウム4.0g/lの水溶液に25℃にて240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/lの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、特開2002−86554号公報に記載の図2の形態のテンター延伸機に導入し、5.3倍に延伸し、テンターを延伸方向に対し該公報の図2の如く屈曲させ、以降幅を一定に保った。80℃雰囲気で乾燥させた後テンターから離脱した。左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満であり、導入されるフィルムの中心線と次工程に送られるフィルムの中心線のなす角は、46゜であった。ここで|L1−L2|は0.7m、Wは0.7mであり、|L1−L2|=Wの関係にあった。テンター出口における実質延伸方向Ax−Cxは、次工程へ送られるフィルムの中心線22に対し45゜傾斜していた。テンター出口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。
さらに、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真フィルム(株)製フジタック(セルローストリアセテート、レターデーション値3.0nm)と貼り合わせ、さらに80℃で乾燥して有効幅650mmの偏光板を得た。得られた偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対し45゜傾斜していた。この偏光板の550nmにおける透過率は43.7%、偏光度は99.97%であった。さらに図2の如く310×233mmサイズに裁断したところ、91.5%の面積効率で辺に対し45゜吸収軸が傾斜した偏光板を得た。
次に、実施例1試料1、実施例2試料1(何れも鹸化処理済み)のフィルムを前記偏光板と貼り合わせて防眩性反射防止付き偏光板を作製した。この偏光板を用いて反射防止層を最表層に配置した液晶表示装置を作製したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。特に実施例2試料1のフィルムを用いた場合には、反射率が低いためコントラストに優れた表示装置が得られた。
1.5mol/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗した、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)と、実施例1試料1および実施例2試料1の鹸化処理済みトリアセチルセルロースフィルムを、ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した公知の偏光子の両面に接着、保護して偏光板を作製した。このようにして作製した偏光板を、反射防止膜側が最表面となるように透過型TN液晶表示装置搭載のノートパソコンの液晶表示装置(偏光選択層を有する偏光分離フィルムである住友3M(株)製のD−BEFをバックライトと液晶セルとの間に有する)の視認側の偏光板と貼り代えたところ、背景の映りこみが極めて少なく、表示品位の非常に高い表示装置が得られた。
実施例1試料1および実施例1試料7のフィルムを貼りつけた透過型TN液晶セルの視認側の偏光板の液晶セル側の保護フィルム、およびバックライト側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムとして、ディスコティック構造単位の円盤面が透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している光学補償層を有する視野角拡大フィルム(ワイドビューフィルムSA 12B、富士写真フイルム(株)製)を用いたところ、明室でのコントラストに優れ、且つ上下左右の視野角が非常に広く、極めて視認性に優れ、表示品位の高い液晶表示装置が得られた。また、実施例1試料7(防眩性ハードコート液B使用)は、出射角0°に対する30°の散乱光強度比が0.06%であり、この光拡散性により、特に下方向の視野角アップ、左右方向の黄色味が改善され、非常に良好な液晶表示装置であった。比較として、実施例2試料1のフィルム(クリアー3層反射防止フィルム)では、出射角0°に対する30°の散乱光強度が実質0%であり、下方向視野角アップ、黄色味改善効果は全く得られなかった。
実施例2試料1を用いて、片面反射防止フィルム付き偏光板を作製し、偏光板の反射防止膜を有している側の反対面にλ/4板を張り合わせ、有機EL表示装置の表示面側の最表面に貼り付けたところ、表面反射および、表面ガラスの内部からの反射がカットされ、極めて視認性の高い表示が得られた。
2 透明支持体
3 光散乱層
4 低屈折率層
5 透光性粒子
6 多層反射防止フィルム
7 透明支持体
8 ハードコート層
9 中屈折率層
10 高屈折率層
11 低屈折率層
Claims (2)
- 透明支持体上に屈折率が1.30〜1.55の範囲にある低屈折率層を有する反射防止フィルムの製造方法であって、該低屈折率層を、下記紫外線硬化性組成物を塗布、100℃以下かつ塗布組成物に含有される溶剤以外の成分の揮発が始まる温度以下の温風で乾燥の後に、酸素濃度が15体積%以下の雰囲気下で、10mJ/cm2〜1000mJ/cm2の紫外線照射により硬化することを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
紫外線硬化性組成物:
下記(A)乃至(D)成分を含有する紫外線硬化性組成物。
(A)(A−1)多官能(メタ)アクリレートモノマーおよび(A−2)フッ素原子を35〜80質量%の範囲で含み且つ架橋性若しくは重合性の官能基を含む含フッ素ポリマー
(ただし、該含フッ素ポリマーは、(i)含フッ素ビニルモノマー重合単位と、側鎖に該官能基としての(メタ)アクリロイル基またはグリシジル基を有する重合単位とを含み、(ii)主鎖が炭素原子のみからなる共重合体である。)
(ただし、該紫外線硬化性組成物は、該含フッ素ポリマーを主としてなる。)
(B)平均粒径が低屈折率層の厚みの30%以上150%以下で、かつ屈折率が1.17〜1.40である無機中空微粒子
(C)紫外線によりラジカルを発生する重合開始剤
(D)上記(A)〜(C)の各成分を溶解または分散可能な溶剤 - 低屈折率層が、酸素濃度1体積%以下の雰囲気下で硬化して形成されることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
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