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JP4384108B2 - 重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重合体の製造方法に関する。
重合体の製造において、モノマーを含む溶液の溶存酸素が重合反応に影響を及ぼすことが知られている。
特許文献1には、酸基の少なくとも一部が中和されていることがある酸基含有不飽和モノマーを必須とするモノマー成分を含むモノマー溶液を重合開始剤の存在下で連続的に重合させて吸水性樹脂を製造する際に、モノマー溶液を重合系に供給するまでの間、モノマー成分の重合をモノマー溶液中の溶存酸素により抑制することが開示されている。
特許文献2には、ラジカル重合性不飽和単量体を含んでなるモノマー相、水性媒体、ラジカル重合開始剤を混合し、乳化重合させることにより合成樹脂エマルジョンを製造する際に、モノマー相および水性媒体中の溶存酸素をそれぞれ膜式脱酸素装置で脱酸素し、且つラジカル重合開始剤の量をラジカル重合性不飽和単量体に対し0.001〜0.1重量%とすることが開示されている。そして、このようにすれば、水相及びモノマー相の溶存酸素を高効率にて除去することにより、ポリマー物性の低下を招来しない好適なラジカル重合開始剤の配合量での乳化重合が可能となり、耐水性等の物性に優れた合成樹脂エマルジョンを得ることができる、と記載されている。
特許文献3には、(メタ)アクリル酸系重合体を製造する際に、反応溶液中および滴下溶液中の溶存酸素濃度を20ppm以下とすることが開示されている。そして、このようにすれば、(メタ)アクリル酸系重合体を経済的に効率良く得ることができる、と記載されている。
特許文献4には、管状静止型混合器に親水性単量体水溶液と不活性ガスを、親水性単量体水溶液の供給容積1に対して不活性ガスの容積3以上、かつ管状静止型混合器の入口と出口における圧力損失が0.05MPa以上の条件で供給する親水性重合体の製造方法が開示されている。そして、これによれば、親水性単量体水溶液に溶存している酸素濃度を減少させることができる、と記載されている。
特開2005−162834号公報 特開2002−155105号公報 特開2003−226702号公報 特開2001−348403号公報
本出願の目的は、仮に、モノマーを含む溶液に接触させる不活性ガスが少量の場合であっても溶液の溶存酸素濃度を有効に下げることができる重合体の製造方法を提供することである。
上記目的を達成する本発明の重合体の製造方法は、モノマーを含む溶液と不活性ガスとを接触させて、それらを一緒に縮流させることにより該モノマーを含む溶液の溶存酸素濃度を下げた後、該溶存酸素濃度の下がった溶液中でモノマーを重合させるものである。
上記の方法によれば、モノマーを含む溶液と不活性ガスとを接触させて、それらを一緒に縮流させるので、不活性ガスによる溶存酸素濃度低減作用が適正に営まれる。そのため、仮に、モノマーを含む溶液に接触させる不活性ガスが少量の場合であっても溶液の溶存酸素濃度を有効に下げることができる。
以下、実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の重合体の製造方法は、モノマーを含む溶液と不活性ガスとを接触させて、それらを一緒に縮流させることによりモノマーを含む溶液の溶存酸素濃度を下げた後、その溶存酸素濃度の下がった溶液中でモノマーを重合させるものである。
この方法によれば、モノマーを含む溶液と不活性ガスとを合わせて縮流させることにより混合するので、それらの混合性が優れ、モノマーを含む溶液への不活性ガスの溶解等が十分になされ、不活性ガスにより酸素が置換されて溶存酸素濃度低減作用が適正に営まれる。そのため、仮に、モノマーを含む溶液に混合する不活性ガスが少量の場合であっても溶液の溶存酸素濃度を有効に下げることができる。そして、これにより、溶存酸素による重合反応の阻害が抑制され、その結果、高重合度の重合体(例えば分子量が600万以上)を製造することができる。
ここで、モノマーを含む溶液において、モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有するビニル系モノマーやその塩、(メタ)アクリルアミドなどの無置換又は置換(メタ)アクリルアミド類のビニル系モノマーやその塩、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類のビニル系モノマーやその塩、スチレンスルホン酸などの芳香族不飽和スルホン酸のビニル系モノマーやその塩、ビニルスルホン酸などの脂肪族不飽和スルホン酸のビニル系モノマーやその塩、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸などのスルホン酸基含有(メタ)アクリレートのビニル系モノマーやその塩、2−(メタ)アクリルアミド−2−アルキル(アルキル基の炭素数1〜4)プロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミドのビニル系モノマーやその塩、アルキル(メタ)アリルスルホコハク酸エステルやその塩等を挙げることができる。そして、モノマーとして、これらのうち1種又は2種以上を用いる。
モノマーが塩の場合、金属、アンモニウム、総炭素数1〜22のアルキルやアルケニルアンモニウム、炭素数1〜22のアルキルやアルケニル置換ピリジニウム、総炭素数1〜22のアルカノールアンモニウム、塩基性アミノ酸等の塩を挙げることができ、これらのうちナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩を用いることが好ましい。
また、高分子量体を得るには、重合性が高いことから、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のビニル系モノマーやその塩を用いることが好ましく、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸やその塩を用いることが特に好ましい。
このモノマーを含む溶液は、モノマーの濃度を10〜100%とするのが好ましく、20〜100%とするのがより好ましい。
モノマーを含む溶液の溶媒としては、例えば、水、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等を挙げることができる。そして、溶媒として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものであって、重合方法に対応して適切なものを選択して用いる。なお、重合方法によっては溶媒は不要である。
モノマーを含む溶液には、その他に例えば、重合禁止剤、架橋剤、重合開始剤、界面活性剤等を含有させてもよい。
本出願において、不活性ガスとは、モノマーを含む溶液と混合されて溶液中に含まれる溶存酸素を置換して溶存酸素濃度を下げ、しかも重合反応を阻害しないガスをいう。不活性ガスとしては、例えば、ヘリウム、ネオン、窒素ガスなどを挙げることできる。そして、不活性ガスとして、これらのうち1種又は2種以上を用いる。これらのうち、工業的な入手及び取り扱いの容易さの観点から、窒素ガスを用いることが好ましい。
モノマーを含む溶液に接触させる不活性ガスに含まれる酸素量は少ないことが好ましい。不活性ガスに含まれる酸素量は2容量%以下が好ましく、0.1容量%以下が更に好ましく、0.01容量%以下が特に好ましい。
この重合体の製造方法では、モノマーを含む溶液と不活性ガスとを接触させる前に、モノマーを含む溶液にバブリング等により酸素を溶解させる処理を施してもよい。この場合、モノマーを含む溶液に含まれる溶存酸素の濃度が非常に高くなるので、不活性ガスによる溶存酸素濃度低減が特に有効に作用する。
モノマーを含む溶液と不活性ガスとを接触させる方法としては、例えば、モノマーを含む溶液と不活性ガスとを気液接触させる方法を挙げることができる。
上記の接触は、モノマーを含む溶液を槽内に溜めた状態で行っても、モノマーを含む溶液を管内に流動させた状態で行ってもよい。
また、上記の接触は、モノマーを含む溶液に対する不活性ガスの標準状態(0℃、1気圧)における体積比が0.5以上となるように制御することが好ましく、1以上となるように制御することがより好ましい。一方、この重合体の製造方法では、不活性ガスが少量の場合であっても溶液の溶存酸素濃度を有効に下げることができるので、不活性ガスの使用量を抑える観点から、その体積比が2.5以下となるように制御することが好ましく、1.5以下となるように制御することがより好ましい。
本出願において、縮流とは、流体が広い流路から狭い流路に入る場合や小孔を通る場合に、慣性のために流線が狭い流路や小孔の断面よりも狭い断面に収縮することをいう。
モノマーを含む溶液と不活性ガスとを一緒に縮流させる方法としては、例えば、縮流・分割タイプの静止型混合器にそれらを一緒に流通させる方法が挙げられる。
上記の縮流は、モノマーを含む溶液及び不活性ガスを両方合わせたものの線速度が0.5〜50m/sとなるように制御することが好ましく、1〜30m/sとなるように制御することがより好ましい。
また、上記の縮流は、加圧系条件下で行われることが好ましく、具体的には、縮流部分での圧力損失が0.01〜2MPaとなるように制御することが好ましく、0.01〜1MPaとなるように制御することがより好ましく、0.01〜0.8MPaとなるように制御することがさらに好ましい。
溶存酸素濃度の下がった溶液中におけるモノマーの重合方法としては、塊状重合、溶液重合、乳化重合、及び、懸濁重合を挙げることができる。
モノマーの重合に用いるラジカル重合開始剤としては、アゾ系ラジカル開始剤類、過酸化物系ラジカル開始剤等を挙げることができる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、重合度の大きい高分子量の重合体を得る観点から、モノマー全量に基づいて、0.005質量%以上とすることが好ましく、0.03質量%以上とすることがより好ましい。また、1.0質量%以下とすることが好ましく、0.5質量%以下とすることがより好ましい。
ラジカル重合開始剤は、溶液にして添加することが好ましく、添加場所は、上記の縮流の前であっても、また、後であってもいずれでもよいが、均一混合の観点から縮流の前が好ましい。
上記の重合は、反応不活性な不活性ガスや窒素ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。上記の重合は、圧力0.1〜300kPaの条件下で行うことが好ましく、1〜300kPaの条件下で行うことがより好ましく、10〜101.3kPaの条件下で行うことがさらに好ましい。上記の重合は、温度20〜200℃の条件下で行うことが好ましく、20〜150℃の条件下で行うことがより好ましく、40〜100℃の条件下で行うことがさらに好ましい。
次に、逆相懸濁重合の場合について詳細に説明する。
逆相懸濁重合の場合、モノマーを水に溶解させた水溶液を溶媒に滴下するが、その溶媒としては、製造時の取り扱い易さの観点から、脂肪族炭化水素、或いは、脂環式炭化水素を用いることが好ましい。具体的には、脂肪族炭化水素としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−デカン等、また、脂環式炭化水素としては、シクロヘキサン、メチルシクロへキサン等をそれぞれ挙げることができる。そして、モノマー水溶液を滴下する溶媒として、これらのうち1種又は2種以上を混合したものを用いる。
この溶媒の量は、モノマー液滴が融着・凝集しない粒子を得る観点から、全モノマー水溶液の質量の0.5倍以上とするのが好ましく、0.7倍以上とするのがより好ましく、0.9倍以上とするのが最も好ましい。一方、生産性の観点から、6倍以下とするのが好ましく、4倍以下とするのがより好ましく、2倍以下とするのが最も好ましい。
また、この場合、モノマー水溶液を滴下する溶媒に予め分散剤を含有させておくことが好ましい。そのような分散剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、セルロースエステルなどのカルボキシル基含有高分子、及び、ポリエーテル変性シリコーンなどの変性シリコーン等を挙げることができる。そして、分散剤として、これらのうち1種又は2種以上を用いる。
分散剤の使用量は、分散安定性の観点から、モノマー水溶液全量に対して0.01質量%以上とするのが好ましく、0.1質量%以上とするのがさらに好ましく、0.5質量%以上とするのが特に好ましい。また、10質量%以下とするのが好ましく、5質量%以下とするのがさらに好ましく、2質量%以下とするのが特に好ましい。
モノマー水溶液を滴下する溶媒には、その他に例えば、分散剤、界面活性剤、架橋剤、重合開始剤等を含有させてもよい。
モノマー水溶液の滴下終了後は、槽内温度を所定温度に保ったまま所定時間の熟成を行ない、熟成終了後に水のみを分離する。そして、重合体の含水率が所定濃度まで低下したところで冷却し、得られた重合体粒子含有スラリーを減圧乾燥して重合体の粒子を製造する。
以下、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリムをモノマーとするのモノマー水溶液及び窒素ガスを不活性ガスとして逆相懸濁重合を行った試験評価の実施例について説明する。
図1は、本実施例で用いた重合体製造装置10を示す。
この重合体製造装置10は、攪拌装置、温度計及び冷却装置を具備したモノマー水溶液調整用の第1反応槽11と、同じく、攪拌装置、温度計及び冷却装置を具備した重合反応用の第2反応槽12と開始剤水溶液調製用の開始剤水溶液貯槽13とを備えている。
第1反応槽11から第2反応層12に向かってモノマー水溶液供給管14が延びており、それに静止型混合器20(株式会社フジキン社製 商品名:分散君15D)が介設されている。
この静止型混合器20は、縮流・分割タイプのものであって、2枚の円盤状の第1及び第2エレメント21,22で構成されたユニットが5ユニット繋がれたものである。第1エレメント21には、図2(a)に示すように、中央部分に、2×2の正方配置された4つの流路孔23が形成されており、一方、第2エレメント22には、図2(b)に示すように、中央部分に、中心に1つとそれを囲うように2×2の正方配置された4つとの合計5つの流路孔23が形成されている。第1及び第2エレメント21,22の各流路孔23は、図3に示すように、中央部分が流路内径の小さい円筒孔の縮流部を有し、その両側のそれぞれが開口部に向かって円錐台形状に拡径した形状に形成されている。図3において、開孔径はエレメントの最大孔径d1を、縮流部流路内径はエレメントの最小孔径d2をそれぞれ表す。これらの第1及び第2エレメント21,22は、位置決め部24により位置決めされて、第1エレメント21の各流路孔23と第2エレメント22の3つの流路孔23とが連通し、各々の正方配置された4つの流路孔23を頂点とする正方形の対角線が45°ずれた状態となるように重ね合わされている。この静止型混合器20では、これにより、第1エレメント21の1つの流路孔23で縮流されて流通した流体が、図4に示すように、第2エレメント22で分割されて別々の流路孔23に流れ、第2エレメント22では、各流路孔23に第1エレメント21の複数の流路孔23からの流体が流れ込んで混合されると共に縮流されて流通し、それが続いて次のユニットの第1エレメント21に供給され、流体が分割と縮流とを繰り返して流動するようになっている。
開始剤水溶液貯槽13からは開始剤水溶液供給管15が延びており、それが静止型混合器20よりも上流側のモノマー水溶液供給管14に結合している。また、開始剤水溶液供給管15には、窒素ガス供給管16が結合している。
モノマー水溶液供給管14及び開始剤水溶液供給管15には、水溶液を流動させるための図示しないポンプが介設されている。
以上の構成により、この重合体製造装置10では、第1反応槽11からのモノマー水溶液と開始剤水溶液供給管15からの開始剤水溶液及び窒素ガスとが合流接触して静止型混合器20に供給された後に第2反応槽12に滴下されるようになっている。
なお、以下の実施例1及び2では、第2反応槽12の容積が300Lで且つ静止型混合器20の流路孔23の開口径が6mm、縮流部の流路内径が1mmである重合体製造装置10を用い、実施例3〜4及び比較例1では、第2反応槽12の容積が3m3で且つ静止型混合器20の流路孔23の開口径が6mm、縮流部の流路内径が3mmである重合体製造装置10を用いた。
本発明における線速度とは、静止型混合器20の縮流部の線速度である。また、図2に示すように、第1エレメント21と第2エレメント22とでは、縮流部の流路孔23の個数が異なっているので、線速度の計算においては、第1エレメント21の流路孔数と第2エレメント22の流路孔数との平均値を用いた。つまり、本実施例においては、第1エレメント21の流路孔数が4孔及び第2エレメント22の流路孔数が5孔であるので、線速度の計算における流路孔数を4.5孔とした。
−実施例1−
第1反応槽11に、モノマーの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリムの水溶液(濃度50質量%)を93.2kg仕込み、これに2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸29.9kg、48質量%水酸化ナトリウム12.0kg、及び、アクリル酸1.56kgをそれぞれ加えてモノマー水溶液の調整を行い、このモノマー水溶液に酸素ガスでバブリングを行って酸素を溶解させてモノマーの重合を抑制した。
また、開始剤水溶液貯槽13で、イオン交換水3kgにラジカル開始剤の2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミダイン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業株式会社製 商品名:V−50)を0.19kg溶解させて開始剤水溶液の調整を行なった。
ポンプを駆動し、第1反応槽11から静止型混合器20にモノマー水溶液を52.2L/hの流量で連続的に供給すると共に、開始剤水溶液貯槽13及び窒素ガス供給管16から静止型混合器20に開始剤水溶液を1.2L/h及び窒素ガス(窒素ガス中の酸素濃度0.001容量%以下)を36L/hの流量で連続的に供給し、つまり、標準状態における供給モノマー水溶液量に対する供給窒素ガス量の体積比(供給窒素ガス量/供給モノマー水溶液量、以下「ガス液比」という。)を0.7とし、静止型混合器20にモノマー水溶液等を流通させた。このとき、静止型混合器20内での液体及び気体混相流の線速度は7.0m/s、また、液体だけの線速度は4.2m/sであった。これを実施例1とした。
−実施例2−
窒素ガスの供給流量を60L/hとした、つまり、ガス液比を1.1としたことを除いて実施例1と同一条件で静止型混合器20にモノマー水溶液等を流通させた。このとき、静止型混合器20内での液体及び気体混相流の線速度は8.9m/s、また、液体だけの線速度は4.2m/sであった。これを実施例2とした。
−実施例3−
第1反応槽11から静止型混合器20へのモノマー水溶液の供給流量を432L/hとし、開始剤水溶液貯槽13及び窒素ガス供給管16から静止型混合器20への開始剤水溶液の供給流量を11L/h及び窒素ガスの供給流量を500L/hとした、つまり、ガス液比を1.1としたことを除いて実施例1と同一条件で静止型混合器20にモノマー水溶液等を流通させた。このとき、静止型混合器20内での液体及び気体混相流の線速度は8.2m/s、また、液体だけの線速度は3.9m/sであった。さらに、圧力損失は0.38MPaであった。これを実施例3とした。
−実施例4−
窒素ガスの供給流量を1000L/hとした、つまり、ガス液比を2.3としたことを除いて実施例3と同一条件で静止型混合器20にモノマー水溶液等を流通させた。このとき、静止型混合器20内での液体及び気体混相流の線速度は12.6m/s、液体だけの線速度は3.9m/sであった。これを実施例4とした。
−比較例1−
第1反応槽11から静止型混合器20へのモノマー水溶液の供給流量を450L/hとし、窒素ガスを供給しなかった、つまり、ガス液比を0としたことを除いて実施例3と同一条件で静止型混合器20にモノマー水溶液等を流通させた。このとき、静止型混合器20内での液体の線速度は3.9m/sであった。これを比較例1とした。
(試験評価方法)
−溶存酸素減少率−
実施例1〜4及び比較例1のそれぞれについて、静止型混合器20の上流側及び下流側のそれぞれでモノマー水溶液をサンプリングし、溶存酸素計を用いて溶存酸素量を計測した。なお、溶存酸素量は、その絶対値の計測が温度依存性等の影響により困難であるので、酸素で飽和した温度20℃の水の溶存酸素量を100%としたときの百分率として求めた。
そして、溶存酸素量の減量を静止型混合器20の上流側での溶存酸素量で除して溶存酸素減少率を算出した。また、窒素による溶存酸素の置換を行わなかった比較例1の溶存酸素量を100%としたときの溶存酸素量の百分率も算出した。
−重合体の製造−
実施例2及び3、並びに、比較例1のそれぞれについて、静止型混合器20を出たモノマー水溶液を第2反応槽12に供給して重合体を製造した。
具体的には、第2反応槽12で、シュガーエステル(三菱化学フーズ株式会社製 商品名:S−770)0.37kgをシクロヘキサン109.5kgに溶解させ、第2反応槽12内を、窒素雰囲気、圧力71.3kPa、温度62〜63℃及びシクロヘキサン還流下とし、そこに静止型混合器20からのモノマー水溶液を滴下して重合させた。モノマー水溶液の滴下速度は、実施例2で53.4L/h、実施例3で443L/h、比較例1で450L/hであった。滴下中は槽内温度を62〜63℃に制御し、それによって安定して重合反応を進行させた。
滴下終了後は、槽内温度を62〜63℃に保ったまま30分間の熟成を行ない、熟成終了後にシクロヘキサン−水の共沸還流液から水のみを分離した。そして、重合体の含水率が20質量%まで低下したところで冷却し、得られた重合体粒子含有スラリーを減圧乾燥して無色粒状の重合体の粒子を製造した。
(試験評価結果)
試験評価の結果を表1に示す。
Figure 0004384108
表1によれば、モノマー水溶液と窒素ガスとを一緒に静止型混合器20に流通させて縮流させた実施例1〜4では、溶存酸素減少率が40〜55%程度であり、一方、モノマー水溶液のみを静止型混合器20に流通させて縮流させた比較例1では、溶存酸素減少率が0%程度であることが分かる。これは、モノマー水溶液中の溶存酸素が窒素に置換されたためであると考えられる。
また、実施例1〜4では、ガス液比が0.7〜2.3と、窒素ガスの割合がそれほど多くないが、これは、モノマー水溶液と窒素ガスとを一緒に縮流させることにより、モノマー水溶液中への窒素ガスの溶解がスムーズに行われ、溶存酸素の窒素による置換が効果的に営まれるためであると考えられる。
さらに、ガス液比が0.7である実施例1では、溶存酸素率が39.1%で有るのに対し、ガス液比が1.1である実施例2及び3並びにガス液比が2.3である実施例4がいずれも溶存酸素率が約54%であって大差がない。これは、窒素ガスの割合が一定値を超えると、溶存酸素の窒素による置換効果が飽和するためであると考えられる。本実施例の結果によれば、ガス液比を0.5以上とすることが好ましく、1以上とすることがより好ましい。一方、不活性ガスをセーブする観点から、ガス液比を2.5以下とすることが好ましく、1.5以下とすることがより好ましい。
モノマー水溶液と窒素ガスとを一緒に静止型混合器20に流通させて縮流させた実施例2及び3では、溶存酸素による重合反応の阻害が抑制され、温度制御が不安定になることなく、粒径の大きい高重合度の重合体の粒子を得ることができたが、一方、モノマー水溶液のみを静止型混合器20に流通させて縮流させた比較例1では、温度制御が不安定となって、実施例2及び3で得られたような重合体を得ることはできなかった。
本発明は、重合体の製造方法について有用である。
重合体製造装置の構成を示す図である。 (a)は静止型混合器の1ユニットの第1エレメントの平面図であり、(b)は第2エレメントの平面図である。 流路孔の形状を示す図である。 静止型混合器内での流体の縮流及び分割を示す説明図である。
符号の説明
10 重合体製造装置
11 第1反応槽
12 第2反応槽
13 開始剤水溶液貯槽
14 モノマー水溶液供給管
15 開始剤水溶液供給管
16 窒素ガス供給管
20 静止型混合器
21 第1エレメント
22 第2エレメント
23 流路孔
24 位置決め部

Claims (7)

  1. モノマーを含む溶液と不活性ガスとを、それらを一緒に縮流・拡径・分割タイプの静止型混合器に流通させることにより接触させて、該モノマーを含む溶液の溶存酸素濃度を下げた後、該溶存酸素濃度の下がった溶液中でモノマーを重合させる重合体の製造方法であって、
    上記縮流・拡径・分割タイプの静止型混合器は、
    流体流動方向に連設され、各々、流体流動方向に延びる複数の流路孔がそれぞれに形成された複数のエレメントを備え、
    上記複数のエレメントのうち任意の上流側エレメント及びその下流側に隣接して設けられた下流側エレメントにおいて、
    上記上流側エレメントの複数の流路孔のそれぞれが上記下流側エレメントの2以上の流路孔に連通していることにより、該上流側エレメントの各流路孔からの流体をそれに対応する該下流側エレメントの2以上の流路孔に分割すると共に、
    上記下流側エレメントの複数の流路孔のそれぞれが上記上流側エレメントの2以上の流路孔に連通していることにより、該下流側エレメントの各流路孔においてそれに対応する該上流側エレメントの2以上の流路孔からの流体を合流させ、
    且つ上記上流側エレメント及び上記下流側エレメントに含まれる各流路孔の流路中間部分が縮流部に構成され、また、該上流側エレメントの流路孔と該下流側エレメントの流路孔との結合部が拡径部及び分割部に構成されている重合体の製造方法。
  2. 上記モノマーを含む溶液と不活性ガスとの接触を、モノマーを含む溶液に対する不活性ガスの標準状態における体積比が0.5〜2.5となるように制御する請求項1に記載の重合体の製造方法。
  3. 上記モノマーを含む溶液及び不活性ガスを一緒に縮流させることにより該モノマーを含む溶液に該不活性ガスを溶解させる請求項1に記載の重合体の製造方法。
  4. 重合体の製造がラジカル重合反応によるものであり、ラジカル重合開始剤の使用量がモノマー全量に対して0.005〜1.0質量%である請求項1に記載の重合体の製造方法。
  5. 上記モノマーを含む溶液及び不活性ガスの縮流を、それらの線速度が0.5〜50m/sとなるように制御する請求項1に記載の重合体の製造方法。
  6. 上記モノマーを含む溶液及び不活性ガスの縮流を、縮流部分での圧力損失が0.01〜2MPaとなるように制御する請求項1に記載の重合体の製造方法。
  7. 上記モノマーを含む溶液と不活性ガスとを接触させる前に、モノマーを含む溶液に酸素を溶解させる処理を施す請求項1に記載の重合体の製造方法。
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