JP4376513B2 - プレーナー型電磁アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ローレンツ力を利用するプレーナー型電磁アクチュエータに関し、特に、静磁界発生手段による静磁界が駆動コイルに効率よく作用するようにしたプレーナー型電磁アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプレーナー型電磁アクチュエータには、例えば、図9に示すように、可動部1が一対のトーションバー2,2により回動可能に軸支され、該可動部1の周縁部に沿って設けられた駆動コイル3に静磁界を作用させてローレンツ力により上記可動部1を回動させるようにした一次元のプレーナー型電磁アクチュエータがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、図10に示すように、トーションバー2,2により回動可能に軸支された可動部1と、トーションバー2,2に対して直交方向に形成された外側トーションバー5,5により回動可能に軸支されると共に、上記トーションバー2,2を保持する枠部6と、により構成されており、上記可動部1の周縁部に沿って設けられた駆動コイル3及び上記枠部6に沿って設けられた外側駆動コイル8にそれぞれ静磁界を作用させてローレンツ力により上記可動部1及び枠部6を回動させるようにした二次元のプレーナー型電磁アクチュエータがある。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−131685号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のプレーナー型電磁アクチュエータにおいては、いずれも、静磁界は、一次元の場合は静磁界発生手段9により枠部6の外方から駆動コイル3に、また二次元の場合は静磁界発生手段9,10により外側枠部11の四方の外方から駆動コイル3及び外側駆動コイル8に対して付与されている。したがって、駆動コイル3及び外側駆動コイル8と静磁界発生手段9,10との距離が離れることになる。一般に、磁場の強度は距離の2乗に反比例することから、駆動コイル3及び外側駆動コイル8と静磁界発生手段9,10との距離が離れることにより駆動コイル3及び外側駆動コイル8における磁場が弱くなり、効率が悪い。そのため、従来のプレーナー型電磁アクチュエータでは、十分な駆動トルクを得ようとすれば、静磁界発生手段9,10を大きくして磁力を増す必要があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に着目してなされたもので、静磁界発生手段による静磁界が駆動コイルに効率よく作用するようにしたプレーナー型電磁アクチュエータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このために、請求項1の発明は、枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動部と、該可動部の周縁部に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルと、前記トーションバーの軸方向に平行な前記可動部の対辺部の駆動コイルに静磁界を与える静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナー型電磁アクチュエータにおいて、前記トーションバーの軸方向に平行な前記可動部の対辺部に位置する駆動コイルを間にして、前記枠部と前記可動部との間に形成された開口部、及び前記可動部内に形成された別の開口部に前記静磁界発生手段を互いに反対磁極を対向させて配置する構成としものである。
【0008】
このような構成では、トーションバーの軸方向に平行な前記可動部の対辺部に位置する駆動コイルを間にして、枠部と可動部との間に形成された開口部、及び可動部内に形成された別の開口部に反対磁極を対向させて配置された静磁界発生手段により、トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺部の駆動コイルに静磁界を与える。これにより、駆動コイルに近接させた位置で静磁界発生手段から駆動コイルに、可動部の面に平行であり、上記対辺部の駆動コイルに直交する磁界成分を作用させ、静磁界の利用効率が向上する。
【0009】
具体的には、上記静磁界発生手段は、請求項2のように前記トーションバーの軸方向に平行な前記可動部の一方の対辺部に位置する前記駆動コイルを間にして配置されるとよい。または、請求項3のように、前記トーションバーの軸方向に平行な前記可動部の両対辺部に位置する前記駆動コイルを間にして、各対辺部に互いに反対向きのローレンツ力が発生するように配置されてもよい。
【0010】
上記静磁界発生手段は、請求項4のように、一対の永久磁石であり、この場合、請求項5のように、互いにヨーク部で接続するとよい。または、請求項6のように、断面が略U字形状若しくは略コ字形状の永久磁石で形成してもよい。上記永久磁石は、請求項7のように、互いに対向する側面部が上記可動部の回動軌跡に沿った曲面形状に形成するとよい。
【0011】
プレーナー型電磁アクチュエータは、請求項8のように、前記枠部の外側に前記トーションバーに対して直交方向に設けられ、前記枠部を回動可能に軸支する他のトーションバーと、前記枠部の周縁部に敷設されて通電により磁界を発生する別の駆動コイルと、前記他のトーションバーの軸方向に平行な前記枠部の対辺部に位置する前記別の駆動コイルを間にして、前記枠部の外側、及び該枠部と前記可動部との間に形成された開口部に別の静磁界発生手段を互いに反対磁極を対向させて配置する構成としてもよい。
【0012】
より具体的には、上記別に静磁界発生手段は、請求項9のように、前記他のトーションバーの軸方向に平行な前記枠部の一方の対辺部に位置する前記別の駆動コイルを間にして配置されてもよく、請求項10のように、前記他のトーションバーの軸方向に平行な前記枠部の両対辺部に位置する前記別の駆動コイルを間にして、各対辺部に互いに反対向きのローレンツ力が発生するように配置されてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第1実施形態の平面図を示す。
図1において、本第1実施形態のプレーナー型電磁アクチュエータは、一対のトーションバーに軸支された可動部に対し静磁界の作用によりローレンツ力を付与して回動させ、例えば光偏向を行うものであり、可動部1と、トーションバー2と、駆動コイル3と、静磁界発生手段9とを備えている。
【0014】
上記可動部1は、回動して光の偏向をさせるものであり、図1に示すように、矩形状を成し、その中央部に光を反射する円形の反射部12を設けている。該反射部12は、可動部1に対して対角線状に設けられた4本の梁部13によって、反射部12の外方に枠状に設けられた可動部1の周縁部14に対して保持されている。そして、可動部1は、上記反射部12、梁部13及び周縁部14に囲まれた部位に貫通する開口部15を形成している。なお、反射部12は、円形状に限られず、四角形状、三角形状またはひし形等どのような形状であってもよい。
【0015】
上記可動部1の図1中上下に位置する両側部には、一対のトーションバー2,2が設けられている。このトーションバー2,2は可動部1を回動可能に軸支するものであり、該可動部1の外方を周回して設けられた枠部6に可動部1とは反対側の端部を接続して保持されている。そして、上記トーションバー2,2の軸方向に平行な可動部1の各対辺部と枠部6とに囲まれた部位に貫通する開口部16を形成している。なお、上記可動部1とトーションバー2,2と枠部6とは、シリコン基板を異方性エッチングして一体的に形成される。
【0016】
上記可動部1の周縁部14に沿って、駆動コイル3が敷設されている。この駆動コイル3は、該駆動コイル3を流れる電流に後述の静磁界発生手段9,9が発生する静磁界を作用させてローレンツ力を得、可動部1を回動させるものである。そして、駆動コイル3の両端部はトーションバー2,2の上面を経由して枠部6の上面に設けられた電極部17に接続されて図示省略の駆動回路に接続できるようになっている。
【0017】
また、上記枠部6の内側の上記開口部15及び16には、静磁界発生手段9,9が配置されている。この静磁界発生手段9,9は、トーションバー2,2の軸方向に平行な可動部1の対辺部に位置する駆動コイル3の二つの辺部3a,3bを横切るように静磁界を作用させて該辺部3a,3bにローレンツ力を発生させるものであり、一対の永久磁石9a、9bからなる。そして、永久磁石9aは開口部16に、また永久磁石9bは開口部15に配置されており、例えば、図1中矢印A,B方向の磁界が発生するようにそれぞれ着磁され、駆動コイル3の上記辺部3a,3bにのみ静磁界が作用するように、駆動コイル3を間にして互いに反対磁極を対向させて駆動コイル3に近づけて配設されている。
【0018】
なお、上記静磁界発生手段9は、ブロック状の永久磁石9a、9bをそれぞれ独立に固定して対向配置したものであってもよいが、図2(a)、(b)に示すように、永久磁石9a、9bの後端部をヨーク部20で接続した構成とするとよい。これにより、駆動コイル3に静磁界を効率よく作用させることができる。さらに、同図(b)に示すように、永久磁石9a、9bの互いに対向する側面部を可動部1の回動軌跡に沿った曲面形状に形成してもよい。これにより、可動部1の回動中に駆動コイル3を横切る静磁界を一定にすることができ、プレーナー型電磁アクチュエータの動作を安定にすることができる。
【0019】
次に、本発明の第1実施形態によるプレーナー型電磁アクチュエータの動作について説明する。
図示省略の駆動回路から電極部17を経て駆動コイル3に交番電流が供給されると、トーションバー2,2の軸方向に平行な駆動コイル3の辺部3a,3bには、そこを流れる電流に対して静磁界発生手段9,9の静磁界が作用し、フレミングの左手の法則に従ってローレンツ力が発生する。そして、可動部1がトーションバー2,2を中心として回動する。
【0020】
より具体的には、上記静磁界発生手段9,9の永久磁石9a、9bが、駆動コイル3を間にして対向して配置されており、図1中矢印A,B方向の磁界が発生するようにそれぞれ着磁されている場合、駆動コイル3に同図中右回りの電流が流れたときは、駆動コイル3の辺部3aには同図の裏面方向のローレンツ力が発生し、駆動コイル3の辺部3bには表面方向のローレンツ力が発生することとなり、可動部1はトーションバー2,2を中心として同図中下方から見て反時計方向に回動する。
【0021】
また、駆動コイル3に図1中左回りの電流が供給されたときは、上述とは逆のローレンツ力が発生し、可動部1はトーションバー2,2を中心として同図中下方から見て時計方向に回動する。このようにして、駆動コイル3を流れる交番電流に応じて可動部1は揺動し、可動部1の中央部に設けられた反射部12により光ビームを偏向させる。
【0022】
上記第1実施形態によれば、永久磁石9a、9bをトーションバー2,2の軸方向に平行な駆動コイル3の辺部3a,3bの両側方に形成された開口部15,16に配置することにより静磁界発生手段9,9を駆動コイル3に近づけて配設したので、トーションバー2,2の軸方向に平行な駆動コイル3の辺部3a,3bだけに、可動部1の面に平行で、該辺部3a,3bに直交する磁界成分を作用させることができる。これにより、静磁界の利用効率を向上することができる。また、永久磁石9a、9bと駆動コイル3とを接近させることができるため、駆動コイル3に作用する静磁界強度を増すことができる。これにより、従来と同等以上の静磁界強度を小さな磁石で得ることができ、プレーナー型電磁アクチュエータの小型化及び軽量化を図ることができる。
【0023】
なお、静磁界の利用効率が向上することから、静磁界発生手段9は、トーションバー2,2の軸方向に平行な駆動コイル3の辺部3a,3bのいずれか一方の側に一つだけ設けてもよい。これにより、プレーナー型電磁アクチュエータの製造コストを低減することができる。また、枠部6を備えているため、ハンドリングが容易となり、プレーナー型電磁アクチュエータが半導体プロセスにより作製できた時点の、永久磁石9a,9bを実装する前の状態で動作試験装置に搭載して動作確認を行うことができる。
【0024】
図3は、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第2実施形態を示す平面図である。ここでは、図1の第1実施形態と同一の要素には同一の符号を用いて示し、異なる部分について説明する。
このプレーナー型電磁アクチュエータは、可動部1の中央部に設けられた円形状の反射部12を支持する4本の梁部13が、トーションバー2,2の軸方向及びこれと直交する方向の双方に設けられており、トーションバー2,2の軸方向に平行な可動部1の対辺部で周縁部14の内側の開口部15及び外側の開口部16に静磁界発生手段9,9を駆動コイル3に近づけて配置している。
【0025】
この静磁界発生手段9,9は、開口部16に配置された永久磁石9aと開口部15に配置された永久磁石9bで構成されている。そして、永久磁石9aは1本の長い磁石であり、その長辺を駆動コイル3の辺部3aに沿わせて配置されており、一方、永久磁石9bは、梁部13を間にして2つに分離されて永久磁石9aと対向して配置されている。そして、図3中矢印C,D,E,F方向の静磁界が発生するようにそれぞれ着磁されている。これにより、第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0026】
なお、上記静磁界発生手段9は、ブロック状の永久磁石9a、9bをそれぞれ独立に固定して対向配置したものであってもよいが、図4(a)、(b)に示すように、永久磁石9a、9bの後端部をヨーク部20で接続した構成とするとよい。さらに、同図(b)に示すように、永久磁石9a、9bの互いに対向する側面部を可動部1の回動軌跡に沿った曲面形状に形成してもよい。
【0027】
図5は、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。ここでは、図1の第1実施形態と同一の要素には同一の符号を用いて示し、異なる部分について説明する。
このプレーナー型電磁アクチュエータは、可動部1が、略全面を反射部12とされ、該可動部1の周縁部に沿って駆動コイル3を敷設している。また、トーションバー2,2の軸方向に平行する可動部1の対辺部と枠部6に囲まれて設けられた開口部16に、静磁界発生手段9,9を配置して駆動コイル3に近づけて配設している。この静磁界発生手段9は、永久磁石9a、9bからなり、永久磁石9aを図5中左側の開口部16に、永久磁石9bを右側の開口部16に、可動部1を間にして互いに反対磁極を対向させて配置したものであり、同図中矢印G方向の静磁界が発生するようにそれぞれ着磁されている。これにより、第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。なお、永久磁石9a,9bは、図2と同様にして、ヨーク部20で接続するとよく、また、対向する側面を可動部1の回動軌跡に沿った曲面形状に形成してもよい。
【0028】
図6は、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第4実施形態を示す平面図である。ここでは、図1の第1実施形態と同一の要素には同一の符号を用いて示し、異なる部分について説明する。
このプレーナー型電磁アクチュエータは、枠部6の外側にトーションバー2,2に対して直交方向に設けられ、枠部6を回動可能に軸支する他のトーションバーとしての外側トーションバー5,5と、枠部6の周縁部に敷設されており通電により磁界を発生する別の駆動コイルとしての外側駆動コイル8と、外側トーションバー5,5の軸方向に平行な枠部6の対辺部に位置する外側駆動コイル8を間にして、枠部6の外側、及び該枠部6と可動部1との間に形成された開口部16に別の静磁界発生手段としての静磁界発生手段10,10を互いに反対磁極を対向させて配置したものである。そして、枠部6の外方には、外側トーションバー5,5を保持する外側枠部11が設けられている。ここで、より具体的には、静磁界発生手段10は、外側トーションバー5,5の軸方向に平行する枠部6の対辺部と外側枠部11とに囲まれて設けられた開口部19及び上記開口部16に外側駆動コイル8に近づけて配置されている。
【0029】
この静磁界発生手段10は、永久磁石10a,10bを対向させて構成されており、永久磁石10aを開口部19に、永久磁石10bをトーションバー2を間にして二つに分離して開口部16に配置したものであり、図6中矢印H,I,J,K方向の静磁界が発生するようにそれぞれ着磁されている。
【0030】
このように構成された第4実施形態のプレーナー型電磁アクチュエータの駆動コイル3及び外側駆動コイル8にそれぞれ交番電流を供給すると、可動部1及び枠部6が交番電流に応じて互いに干渉されることなく独立して揺動し、可動部1に形成された反射部12で光ビームを二次元方向に偏向する。
【0031】
このように、第4実施形態によれば、駆動コイル3及び外側駆動コイル8には、強い静磁界が作用し、トーションバー2,2の軸方向に平行な駆動コイル3の辺部3a,3b及び外側トーションバー5,5の軸方向に平行な外側駆動コイル8の辺部8a,8bだけに、可動部1の面に平行で、各駆動コイルの辺部3a,3b及び辺部8a,8bに直交する磁界成分を作用させることができる。したがって、静磁界発生手段9,10の静磁界が互いに干渉することがなく、二次元のプレーナー型電磁アクチュエータを安定に駆動することができる。
【0032】
なお、第4実施形態においても、静磁界発生手段9または10を駆動コイル3の辺部3a,3bまたは外側駆動コイル8の辺部8a,8bのいずれか一方の側に一つだけ設けてもよい。これにより、プレーナー型電磁アクチュエータの製造コストを低減することができる。また、外側枠部11を備えているため、ハンドリングが容易となり、プレーナー型電磁アクチュエータが半導体プロセスにより作製できた時点の、永久磁石9a,9b,10a,10bを実装する前の状態で動作試験装置に搭載して動作確認を行うことができる。また、図2または図4と同様にして、永久磁石9a,9bまたは永久磁石10a,10bは、ヨーク部20で接続するとよく、さらに、対向する側面を可動部1の回動軌跡に沿った曲面形状に形成してもよい。
【0033】
図7は、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第5実施形態を示す平面図である。ここでは、図6の第4実施形態と同一の要素には同一の符号を用いて示し、異なる部分について説明する。
このプレーナー型電磁アクチュエータは、可動部1の中央部に設けられた円形状の反射部12を支持する4本の梁部13が、トーションバー2,2の軸方向及びこれと直交する方向の双方に設けられており、トーションバー2,2の軸方向に平行な可動部1の対辺部で周縁部14の内側の開口部15及び外側の開口部16に静磁界発生手段9,9を駆動コイル3に近づけて配置している。
【0034】
また、静磁界発生手段9,9について、トーションバー2,2に平行な駆動コイル3の辺部3a,3bの外側に形成された開口部16内に永久磁石9aが、該辺部3a,3bの内側で可動部1に形成された開口部15内に永久磁石9bが梁部13を間にして二つに分割されて駆動コイル3に近づけて配設されている。そして、静磁界発生手段9は図7中矢印L,M,N,O方向の静磁界が発生するように着磁して形成されている。
【0035】
これにより、第4実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。なお、第5実施形態においても、静磁界発生手段9または10を駆動コイル3の辺部3a,3bまたは外側駆動コイル8の辺部8a,8bのいずれか一方の側に一つだけ設けてもよい。また、図4と同様にして、永久磁石9a,9bまたは永久磁石10a,10bは、ヨーク部20で接続するとよく、さらに、対向する側面を可動部1の回動軌跡に沿った曲面形状に形成してもよい。
【0036】
図8は、本発明に係るプレーナー型電磁アクチュエータの第6実施形態を示す平面図である。ここでは、図6の第4実施形態と同一の要素には同一の符号を用いて示し、異なる部分について説明する。
このプレーナー型電磁アクチュエータは、可動部1が略全面を反射部12とし、該可動部1の周縁部に沿って駆動コイル3を敷設しており、外側トーションバー5,5を第4実施形態のような外側枠部11ではなく、固定部21に保持させている。
【0037】
また、静磁界発生手段9は、トーションバー2,2の軸方向に平行な可動部1の対辺部の外側で可動部1と枠部6との間に形成された開口部16に配置されて駆動コイル3に近づけて配設されており、永久磁石9a、9bを、可動部1を間にして互いに反対磁極を対向させて配置して構成したものである。さらに、静磁界発生手段10は、外側トーションバー5,5の軸方向に平行な枠部6の対辺部の外側に外側駆動コイル8に近づけて配置されており、永久磁石10a,10bを、枠部6を間にして互いに反対磁極を対向させて配置して構成したものである。そして、上記静磁界発生手段9,10は、それぞれ図8中矢印P,Q方向の静磁界が発生するように着磁して形成されている。
【0038】
これにより、静磁界発生手段9,10を駆動コイル3及び外側駆動コイル8に近づけて配置することができるので、駆動コイル3及び外側駆動コイル8の必要部分に作用する静磁界強度を増すことができる。なお、永久磁石9a,9bまたは10a、10bは、図2と同様にして、ヨーク部20で接続するとよく、また、対向する側面を可動部1または枠部6の回動軌跡に沿った曲面形状に形成してもよい。
【0039】
なお、上記第1〜6実施形態のいずれにおいても、静磁界発生手段9または10は、断面が略U字形状若しくは略コ字形状に形成した一つの永久磁石で構成してもよい。また、本発明のプレーナー型電磁アクチュエータは、上述の光偏向を行うガルバノミラーに限られず、ローレンツ力を利用して可動部を駆動する構造のものであればいかなるものにも適用できる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプレーナー型電磁アクチュエータによれば、トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺部に位置する駆動コイルを間にして、枠部と可動部との間に形成された開口部、及び可動部内に形成された別の開口部に反対磁極を対向させて配置した静磁界発生手段により、可動部の面に平行で且つ駆動コイルに直交する磁界成分を上記対辺部に位置する駆動コイルに効率よく作用させることができる。したがって、静磁界の利用効率を向上することができる。また、駆動コイルに作用する静磁界強度を増すことができるので、静磁界発生手段を小さくすることができ、プレーナー型電磁アクチュエータの小型化及び軽量化を図ることができる。
【0041】
また、駆動コイルに作用する静磁界強度を増すことができるので、静磁界発生手段を駆動コイルのトーションバーの軸方向に平行な二つの辺部のいずれか一方の側に該駆動コイルの辺部を間にして一つだけ設けても十分な駆動力を得ることができ、静磁界発生手段の部品数を減らしてプレーナー型電磁アクチュエータの製造コストを低減することができる。
【0042】
また、トーションバーの軸方向に平行な可動部の対辺部及び他のトーションバーの軸方向に平行な枠部の対辺部に位置する別の駆動コイルを間にして、枠部の外側、及び該枠部と可動部との間に形成された開口部に別の静磁界発生手段を互いに反対磁極を対向させて配置する構成としたことにより、二次元のプレーナー型電磁アクチュエータの各駆動コイルの回動に必要な部分のみに静磁界を作用させることができる。したがって、二次元のプレーナー型電磁アクチュエータを安定に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第1の実施形態を示す平面図である。
【図2】 上記プレーナー型電磁アクチュエータに用いられる静磁界発生手段の構成例を示す説明図である。
【図3】 本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第2の実施形態を示す平面図である。
【図4】 上記プレーナー型電磁アクチュエータに用いられる静磁界発生手段の構成例を示す説明図である。
【図5】 本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第3の実施形態を示す平面図である。
【図6】 本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第4の実施形態を示す平面図である。
【図7】 本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第5の実施形態を示す平面図である。
【図8】 本発明によるプレーナー型電磁アクチュエータの第6の実施形態を示す平面図である。
【図9】 従来の一次元のプレーナー型電磁アクチュエータの構成を示す平面図である。
【図10】 従来の二次元のプレーナー型電磁アクチュエータの構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1…可動部
2…トーションバー
3…駆動コイル
3a,3b,8a,8b…辺部
5…外側トーションバー(他のトーションバー)
8…外側駆動コイル(別の駆動コイル)
9,10…静磁界発生手段
9a,9b,10a,10b…永久磁石
15…開口部(別の開口部)
16…開口部
20…ヨーク部
Claims (10)
- 枠部と、該枠部に対してトーションバーにより回動可能に軸支された可動部と、該可動部の周縁部に敷設されて通電により磁界を発生する駆動コイルと、前記トーションバーの軸方向に平行な前記可動部の対辺部の駆動コイルに静磁界を与える静磁界発生手段とを備えて構成したプレーナー型電磁アクチュエータにおいて、
前記トーションバーの軸方向に平行な前記可動部の対辺部に位置する駆動コイルを間にして、前記枠部と前記可動部との間に形成された開口部、及び前記可動部内に形成された別の開口部に前記静磁界発生手段を互いに反対磁極を対向させて配置する構成としたことを特徴とするプレーナー型電磁アクチュエータ。 - 前記静磁界発生手段は、前記トーションバーの軸方向に平行な前記可動部の一方の対辺部に位置する前記駆動コイルを間にして配置されたことを特徴とする請求項1に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
- 前記静磁界発生手段は、前記トーションバーの軸方向に平行な前記可動部の両対辺部に位置する前記駆動コイルを間にして、各対辺部に互いに反対向きのローレンツ力が発生するように配置されたことを特徴とする請求項1に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
- 前記静磁界発生手段は、一対の永久磁石であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
- 前記一対の永久磁石は、互いにヨーク部で接続したことを特徴する請求項4に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
- 前記静磁界発生手段は、断面が略U字形状若しくは略コ字形状の永久磁石で形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
- 前記永久磁石は、互いに対向する側面部が前記可動部の回動軌跡に沿った曲面形状に形成されたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
- 前記枠部の外側に前記トーションバーに対して直交方向に設けられ、前記枠部を回動可能に軸支する他のトーションバーと、前記枠部の周縁部に敷設されて通電により磁界を発生する別の駆動コイルと、前記他のトーションバーの軸方向に平行な前記枠部の対辺部に位置する前記別の駆動コイルを間にして、前記枠部の外側、及び該枠部と前記可動部との間に形成された開口部に別の静磁界発生手段を互いに反対磁極を対向させて配置する構成とした請求項1〜7のいずれか一つに記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
- 前記別の静磁界発生手段は、前記他のトーションバーの軸方向に平行な前記枠部の一方の対辺部に位置する前記別の駆動コイルを間にして配置されたことを特徴とする請求項8に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
- 前記別の静磁界発生手段は、前記他のトーションバーの軸方向に平行な前記枠部の両対辺部に位置する前記別の駆動コイルを間にして、各対辺部に互いに反対向きのローレンツ力が発生するように配置されたことを特徴とする請求項8に記載のプレーナー型電磁アクチュエータ。
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