JP4376468B2 - 高分子分散液およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デンプンとモノマー類の共重合体を含む、デンプンを主体とする高分子の分散液に関する。また本発明は、該分散液の製造方法および該分散液の製紙における用途、特に紙の表面サイジング用添加剤および抄紙機のウェットエンド(wet end)に添加される湿潤および乾燥紙力増強剤としての用途にも関する。本発明において「紙」という用語は、下級(wood-containing)パルプ、化学処理繊維(chemically processed fibre)、リサイクル繊維(recycled fibre)またはそれらの混合物から得られる紙および板紙の両者を指す。これらの紙には、上級紙(fine paper)、LWC紙(LWC paper)、SC紙(SC paper)、新聞用紙、胴貼用板紙(packing board)、折畳み箱用板紙(folding box board)などが含まれる。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第4,301,017号明細書(スタンダード社(Standard Brand Inc.))には、少なくとも1種のビニルモノマーを、加水分解/分解(thinned/degraded)したデンプン誘導体の水溶液中で共重合させることによって製造される水性高分子分散液が開示されている。デンプン誘導体としては、ジエチルアミノ誘導体、アセチル誘導体、シアノエチル誘導体またはカルバモエチル(carbamoethyl)誘導体が用いられる。
【0003】
このような誘導体は、pH値が中性のときにはイオン性はわずかしかなく、その機能が最大となるのは、このような誘導体が部分的にイオン化するような、低いpH値(pH<6)のときのみである。今日では、製紙工程は中性条件下で行われることが多いので、上記の高分子もまたpH値が6〜9の範囲、好ましくは7〜8.5の範囲で機能を発揮すべきである。
【0004】
上記の特許において用いられ、上記のような置換基を有するデンプンにおける置換度は、0.05またはそれ以上であるべきである。上記の共重合を行う前に、デンプンを酵素で加水分解し、好ましくは固有粘度が0.12〜0.28dl/gとなるようにしている。また、重合用の触媒(開始剤)としてCe(IV)塩が用いられている。
【0005】
ドイツ国特許第DE 3,702,712号明細書(米国特許第4,835,212号明細書に対応)(BASF AG)には、固有粘度0.04〜0.12dl/gのデンプンからの高分子分散液の調製について記載されている。
【0006】
この公報において用いられているデンプンもまた、重合を行う前に、酵素で加水分解されている。実施例においては、若干陽イオン性を有し、置換度が最大で0.07である市販のデンプンが用いられている。
【0007】
またこの公報においては、モノマー類として、高分子の全重量に対し40〜140重量部のモノマー成分が用いられている。このモノマー成分は、20〜65重量%のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル、80〜35重量%のアクリル酸エステル類および0〜10重量%のこれらと共重合可能な他のモノマーを含む。重合用の触媒(開始剤)としては過酸化物が用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、新規な組成を有し、従来公知の分散液に比して改善された反応性を有し、且つ歩留まり(retention)および紙繊維に対する接着性の良好な分散液を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の分散液は、紙の表面サイジング用添加剤や、抄紙機のウェットエンドに添加される、湿潤および乾燥紙力増強剤として用いることができる。
本発明はまた、該分散液の製造方法にも関する。
【0010】
紙の表面サイジングにおいては、印刷適性(printability)を向上することを目的として、表面サイジング用デンプンに種々の高分子を添加することが一般的である。そのような高分子として、スチレンと、マレイン酸やアクリル酸エステル類などとの共重合体が用いられることがある。
【0011】
しかしこのような場合、この共重合体がデンプンに対し完全な相互混和性を有しておらず(共重合体とデンプンにおける熱力学的溶解度係数が互いにかけ離れている)、その結果これらを乾燥させても、相互に完全に混和した高分子の網目構造(相互侵入網目)を形成しないので、添加された高価な高分子の効果が十分に発揮されない。
【0012】
本発明の一つの目的は、表面の構造が表面サイジング用のデンプンのそれと類似している高分子の粒子を製造することにある。このことにより、両者は完全な相互侵入網目を形成する。これは、表面サイズ剤中のデンプンそれ自体と同じか、または化学的に類似した構造を有するデンプンを、高分子の中間体および出発バッチ(starting batch)として用いることにより達成される。このようにすると、重合によって形成される高分子の粒子はデンプンの皮膜中にとどまり、乾燥しても両者が分離することはない。
【0013】
重合の前にデンプンが加水分解されている場合には、デンプン自体の他に、乳化剤や水溶性モノマーなど、高分子を安定化させる手段が必要となる。その場合、得られる高分子の表面の構造はもはや表面サイジング用デンプンのそれとは類似していない。
【0014】
デンプン誘導体の陽電荷量(cationic value)およびその他の特性を、各々の抄紙機のウェットエンド系(wet end system)に合わせて調節する(customizing)ことにより、抄紙機においてパルプに添加するのに好適な共重合体(高分子)を調製することができる。ここでもまた、指針となる原則は、その共重合体(高分子)粒子の表面構造を、そのウェットエンドにおいて使用されるデンプン(またはデンプンを主体とする)紙力増強剤の分子構造(分子量、陽電荷量、分岐の状態など)に可能な限り類似したものとするということである。そのようにすると、共重合体(高分子)は乾燥してもデンプン基剤から分離せず、完全な相互侵入網目が形成される。
【0015】
上記した2つの従来法とは異なり、本発明においては全く分解していない(non-degraded)、またはわずかに酸化した(例えば、過酸化物や次亜塩素酸塩によって酸化した)デンプンを用いて共重合体を製造することができる。
【0016】
デンプンは、例えばバレイショデンプン、トウモロコシデンプン、オオムギデンプン、コムギデンプン、タピオカ(キャッサバデンプン)(tapioca starch)などを用いることができ、これらのうちバレイショデンプンおよびトウモロコシデンプンを用いることが好ましい。
【0017】
このデンプンは、重合反応の前に酵素による加水分解をせずに用いる。このことに伴いこのデンプンの固有粘度は1.0dl/gより大であり、好ましくは1.5〜15dl/gであり、最も好ましくは3〜15dl/gである。
【0018】
本発明の高分子分散液は安定であり、その調製段階において粘度が極度に上昇することはない。酸化されたデンプンを用いると、酸化によって生じたカルボキシル基をも高分子の安定化に利用することができる。使用するデンプンの分子量が高いことにより、粒子が立体安定化される。更に、酸化および陽イオン化により生じたイオン性の基により粒子が安定化されるので、重合の際、粒子を安定化させるための水溶性モノマーは不要である。デンプンを酵素処理してもそのような粒子を安定化させる基が生じることはなく、その上立体安定化作用が消失してしまうので、乳化剤を用いることが必要となる。しかし、乳化剤を用いると一般にサイズ度が低下することが知られている。同時に、紙の強度特性も著しく低下する。
【0019】
本発明の高分子分散液の調製の際、その使用目的に応じ、適当な陽イオン化剤(cationizing chemical)を用いてデンプンを陽イオン化することが好ましい。本発明の高分子分散液を表面サイズ剤として使用する場合には、置換度を0.01〜1.0、好ましくは0.01〜0.08とする。本発明の高分子分散液をパルプに添加するためのサイズ剤として使用する場合には、置換度を0.05〜1.0、好ましくは0.08〜1.0、より好ましくは0.1〜0.5とする。しかし、未反応(native)のデンプンや、陰イオン化したデンプンを用いることもできる。
【0020】
デンプンを陽イオン化する場合、陽イオン化剤として適切なものは、4級窒素原子を含む陽イオン化剤であり、例えば1,3−エポキシ誘導体や、1,3−塩酸塩を挙げることができる。塩化(2,3−エポキシプロピル)トリメチルアンモニウムは、好ましい陽イオン化剤である。陽イオン化は、デンプンがアルカリ性(pH>7、好ましくはpHが9〜11)の水溶液に可溶な状態で行う。このようにすると、デンプン水溶液は、60℃を超える温度、好ましくは75〜90℃において、固形分が50%未満、好ましくは10〜30%となる。
【0021】
天然のデンプンの酸化と陽イオン化を同時に行うこともできる。しかし、陽イオン化は、未処理のデンプンが糊化するために酸化の方が先に起こってしまうような温度またはそれ以上の高温において行われることが好ましいので、陽イオン化の前に酸化を行う方が好ましい。
【0022】
本発明者らは、従来知られている方法とは違い高い分子量を有する(即ち、高い固有粘度を示す)デンプンに、陽イオン性および/または陰イオン性置換基を適切な置換度となるように導入したものを用い、且つモノマーの組成を適切なものとしたとき、共重合において最も良好な結果が得られることを見出した。
【0023】
本発明においては、モノマーの組成が適切であるため、−50〜200℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜70℃、更に好ましくは10〜50℃、最も好ましくは20〜50℃の範囲にある最低皮膜形成温度(MFT)においても良好な皮膜形成能を有する共重合体(高分子)が得られる。
【0024】
本発明においては、2種以上の重合性モノマーを含み、該重合性モノマーのうち少なくとも1種がビニルモノマーである混合物を用いることが最も好ましい。
【0025】
デンプンの陽イオン化度または陰イオン化度が、高分子の皮膜形成温度に影響を及ぼすことに注目すべきである。例えば、デンプンの陽イオン性が高いほど、高分子分散液の皮膜形成温度が低下する。デンプンは、重合開始の時点から加えておくことが好ましいが、デンプンの一部は、それより後の、重合の成長段階(propagation step)として知られる段階において添加してもよい。
【0026】
使用するモノマーの例としては、スチレン、アルファ−メチルスチレン、アクリル酸エステル類、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを挙げることができる。2種のモノマーを含むモノマー成分を用い、そのうち少なくとも1種がスチレンのような疎水性モノマーであることが好ましい。
【0027】
従って本発明は、少なくとも下記成分a)〜c):
a)陽イオン性または陰イオン性置換基により置換され、置換度が0.01〜1であり、陽イオン化または陰イオン化した状態での固有粘度が1.0dl/gより大であるデンプン、
b)少なくとも1種のビニルモノマーを含むモノマー成分、および
c)水
から形成される高分子分散液であって、
該デンプンa)の量が、該高分子分散液の固形分の5〜50%、好ましくは5〜40%であり、
該モノマー成分b)の量が、該高分子分散液の固形分の50〜95%、好ましくは60〜95%であり、
該デンプンa)および該モノマー成分b)から形成される高分子の皮膜形成温度が−50〜200℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜70℃、最も好ましくは10〜50℃であることを特徴とする高分子分散液に関する。
【0028】
デンプンが上記の範囲の置換度を有するようにするために用いられる置換基は陽イオン性の置換基であることが好ましく、これに加えて陰イオン性の置換基を有していてもよい。同様に、陰イオン性の置換基がデンプンの上記の範囲の置換度を有するようにするために用いられ、これに加えて陽イオン性の置換基が用いられていてもよい。
【0029】
上記高分子分散液中のデンプンの置換度、特に陽イオン性が0.04〜1であり、固有粘度が1.5〜15dl/gであることが好ましい。また上記モノマー成分は、40〜70%のアクリル酸エステル類と、30〜60%のスチレンよりなることが好ましい。
【0030】
本発明はまた、上記デンプンa)、アクリロニトリル、アクリル酸エステル類、スチレンおよび水から形成される高分子分散液であって、上記デンプンa)の量が、該高分子分散液の固形分の5〜50%、好ましくは5〜40%、アクリロニトリルの量が、該高分子分散液の固形分の0〜19%、アクリル酸エステル類の量が、該高分子分散液の固形分の10〜60%、スチレンの量が、該高分子分散液の固形分の10〜60%である高分子分散液に関する。
【0031】
本発明において好ましい高分子分散液は、上記デンプンa)、アクリロニトリル、アクリル酸エステル類、スチレンおよび水から形成される高分子分散液であって、上記デンプンa)の量が、該高分子分散液の固形分の15〜40%、好ましくは15〜35%、アクリロニトリルの量が、該高分子分散液の固形分の5〜19%、アクリル酸エステル類の量が、該高分子分散液の固形分の20〜50%、スチレンの量が、該高分子分散液の固形分の20〜40%である高分子分散液である。
【0032】
本発明において特に好ましい高分子分散液は、置換度が約0.05であり、固有粘度が3〜15dl/gである上記デンプンa)、アクリロニトリル、アクリル酸エステル類、スチレンおよび水から形成される高分子分散液であって、上記デンプンa)の量が、該高分子分散液の固形分の20%、アクリロニトリルの量が、該高分子分散液の固形分の19%、アクリル酸エステル類の量が、該高分子分散液の固形分の30%、スチレンの量が、該高分子分散液の固形分の31%である高分子分散液である。
【0033】
直ちに使用することのできる水性高分子分散液における固形分は、例えば10〜60%とすることができ、好ましくは20〜50%、より好ましくは25〜40%、最も好ましくは25〜35%である。
【0034】
本発明の方法においては、上記の高分子分散液を調製するために、少なくとも1種のビニルモノマーを含む上記モノマー成分b)を、デンプンの水溶液中で共重合反応に付す。この共重合反応により形成される高分子の皮膜形成温度は−0〜200℃、好ましくは0〜70℃である。デンプンへのモノマーの共重合は、それぞれのモノマーを別々に反応混合物に添加し、次のモノマー反応混合物に添加する前にデンプンに共重合させる段階を逐次的に行うことにより行うことができる。
【0035】
本発明において有利な点の一つは、分子量が高くとも、重合反応時に粘度が過度に上昇することがない点である。更に、イオン性置換基によるデンプンの置換度をやや高くすることにより、特にアクリロニトリルの使用量を19%未満にまで減らすことができると考えられる。
【0036】
この重合の場合には、明らかに沈殿重合として知られている機構により重合が進行することが見出されている。この重合機構では、完全に水に溶解しているデンプンの分子に疎水性の置換基が結合し、デンプン分子を水相から分離させようとする。このことによって、デンプン分子鎖が一次粒子(initial particles)として沈殿する。この段階を「第1重合段階」と称する。ここでは、重合の開始は水溶液中で起こる。
【0037】
使用する重合開始剤は、重合開始剤として知られているもの、例えば過硫酸アンモニウムまたはカリウム、過酸化物などを使用すればよく、好ましくは硫酸銅−過酸化水素酸化還元対(redox pair)である。重合温度は70〜90℃、好ましくは75〜80℃とし、pHは7未満、好ましくは3〜5℃とする。デンプンの添加量は、モノマー成分の乾燥重量に対し2〜200%、好ましくは10〜100%、より好ましくは10〜60%、最も好ましくは10〜50%とする。
【0038】
形成された初期段階の重合体(polymer embryos)が成長し、成長中の一次粒子中に移行したモノマーの量が多くなると、第2の重合段階が開始される。この段階は、重合の成長段階(propagation step)として知られている。形成された一次粒子が凝集し、生じた凝集粒子がイオン性置換基により安定化されるまでその凝集が継続する。このDLVO理論に基づく安定化によって、安定化された凝集粒子の量とその粒子径は、コロイド化学の分野において知られている様式によって決まる、エネルギー的に安定な範囲に含まれるものとなる。こうして形成された凝集粒子が、成長中の重合体(高分子)粒子の一次粒子として機能する。
【0039】
この場合、この機構は界面活性剤が存在していなくても機能する。ドイツ国特許第DE 3,702,712号明細書では界面活性剤が必要であり、このことは、この場合には重合は古典的ハーキンスモデル(classical Harkins' model)(W. D. Harkins, J. Am. Chem. Soc., 69(1947) 1428)に従って進行することを示すものである。古典的ハーキンスモデルでは、モノマーは初めミセル中に存在していて、そこで重合が開始されるとされている。
【0040】
遊離のモノマーが消費され、高分子粒子中に存在するもののみになると、第3の重合段階が開始される。これは停止段階として知られるものである。ここまでの段階で、重合体粒子の量、粒子径および表面電荷は決まっている。
【0041】
本発明の方法を用いると、新規な組成と適切な長さの合成ポリマー鎖からなる分枝を有する、強度の高い重合体が得られる。上記の合成ポリマー鎖を生じた重合は、互いに適当な距離を置いて起こる。驚くべきことに、この方法によって生じるホモポリマーの量は非常に少ない。
【0042】
この重合方法を用いると、良好な接着性・粘着力を有する重合体が得られる。その上、製紙の工程において、この重合体は良好な歩留まりと繊維への接着性を示し、また初期湿潤紙力(initial wet strength)を向上させる。初期湿潤紙力は、特にシュー・プレス(shoe press)など新型の高速ギャップフォーマー(gap former machine)において要求される特性である。
【0043】
この手順によって製造された重合体に関して明らかに認められるその他の特性として、従来の合成ポリマーに比して、抄紙機のシリンダーを汚染しないことが挙げられる。本発明の重合体の表面の構造は、粒子や繊維との間で水素結合を形成しやすいと推定されるが、本発明の重合体は洗浄により容易に抄紙機の部品上から除去される。
【0044】
上記の重合体は、製紙用パルプ添加用、表面サイジング用のいずれのサイズ剤としての適用においても、パルプや表面サイジング用デンプンに対する相溶性は十分に高く、重合体を乾燥しても分離が起こらない。
【0045】
表面サイジング用サイズ剤としての適用においては、上記の重合体の使用量は、通常表面サイジング用デンプンの量の1〜10%である。そして、通常上記の重合体と表面サイジング用デンプンの混合物をサイズプレス(size press)を用いて紙の表面に添加する。重合体を表面サイジング用デンプンと完全に混合させると、特に上級紙に適用した際に、印刷適正をより均一にすることができる。また、紙のインクジェット特性も改善される。即ち、紙の特性がインクジェット型プリンターによるカラー印刷に適したものとなる。重合体の安定化において利用される陽イオン性を若干高めることにより、紙の繊維に対する重合体の接着性を更に高めることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0047】
以下の実施例において、デンプン1は、過酸化物を用いて酸化された固有粘度9dl/gのバレイショデンプン、デンプン2は、次亜塩素酸塩を用いて酸化された固有粘度1.5dl/gのバレイショデンプン、デンプン3は、次亜塩素酸塩を用いて酸化された固有粘度9dl/gのバレイショデンプンである。いずれのデンプンにおいても、固形分は82%である。
【0048】
【実施例1】
61.2部のデンプン1を487部の水に分散させてスラリーを得る。得られたスラリーに10部の10%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物を80℃に加熱し、12.2部の陽イオン化剤(74%)を加えて5時間反応させる。この段階において、デンプンの陽イオン化度(置換度)は0.15であり、固有粘度は10dl/gである。
【0049】
得られた反応混合物に9.1部の5%塩酸を加えてpHを低下させ、10部の0.5%硫酸銅(II)水溶液を添加する。得られた混合物に対し、38.1部のアクリロニトリル、100.3部のアクリル酸ブチルおよび62.2部のスチレンからなるモノマー成分と、5%の過酸化物溶液(110.6部)とを同時に添加し始め、モノマー成分は5時間、過酸化物溶液は5.5時間かけて添加する。その後、更に1時間反応を行う。得られる最終生成物は、固形分28%の分散液となる。
【0050】
【実施例2】
140.6部のデンプン2を378部の水に分散させてスラリーを得る。得られたスラリーに24部の0.5%硫酸銅(II)水溶液を添加し、得られた混合物を80℃に加熱し、その温度で約30分間攪拌してデンプンを十分溶解する。
【0051】
得られた混合物に対し、115.3部のアクリル酸2−エチルヘキシルおよび115.3部のスチレンからなるモノマー成分と、5%の過酸化物溶液(230.5部)とを同時に添加し始め、モノマー成分は4時間、過酸化物溶液は4.5時間かけて添加する。その後、更に1時間反応を行う。得られる最終生成物は、固形分34%の分散液となる。
【0052】
【実施例3】
61.1部の未処理のバレイショデンプンと、0.05部の硫酸銅(II)を554.8部の水と混合する。得られた混合物に10部の10%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物を45℃に加熱し、10部の5%過酸化水素水を30分かけて添加し、得られた混合物をその後更に1時間45℃で攪拌する。得られた反応混合物に12.2部の陽イオン化剤(74%)を加え、得られた混合物を80℃に加熱し、4時間反応させる。この段階において、デンプンの陽イオン化度(置換度)は0.15であり、優勢な(prevailing)反応条件下における固有粘度は約5dl/gである。
【0053】
得られた反応混合物に9.1部の5%塩酸を加えてpHを低下させ、得られた混合物に対し、38.1部のアクリロニトリル、100.3部のアクリル酸ブチルおよび62.2部のスチレンからなるモノマー成分と、5%の過酸化物溶液(110.6部)とを同時に添加し始め、モノマー成分は5時間、過酸化物溶液は5.5時間かけて添加する。その後、更に1時間反応を行う。得られた最終生成物は、固形分28%の分散液となる。
【0054】
【実施例4】
61.2部のデンプン3を487部の水に分散させてスラリーを得る。得られたスラリーに10部の10%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物を80℃に加熱し、4.1部の陽イオン化剤を加えて5時間反応させる。この段階において、デンプンの陽イオン化度(置換度)は0.05であり、固有粘度は10dl/gである。
【0055】
得られた反応混合物に9.1部の5%塩酸を加えてpHを低下させ、10部の0.5%硫酸銅(II)水溶液を添加する。得られた混合物に対し、38.1部のアクリロニトリル、100.3部のアクリル酸ブチルおよび62.2部のスチレンからなるモノマー成分と、5%の過酸化物溶液(110.6部)とを同時に添加し始め、モノマー成分は5時間、過酸化物溶液は5.5時間かけて添加する。その後、更に1時間反応を行う。得られる最終生成物は、固形分28%の分散液となる。
【0056】
【実施例5】
・AKD(アルキルケテンダイマー)とポリマーサイズ剤の、乾燥紙力増強効果の比較
パイロット抄紙機(pilot paper machine)を用い、紙匹幅(web width)1m、速度80m/min.の条件で紙(80g/m2)を製造した。
セルロースとして、ろ水率(freeness)が25〜30°SRとなるまで叩解したカンバ(birch)とマツ(pine)のセルロースの混合物(60/40)を使用した。
【0057】
これに加えて、合計パルプ量に対し25%の填料(軽質炭酸カルシウム(PCC)と重質炭酸カルシウム(GCC)の混合物)、0.8%の、陽イオン性(DS、置換度)0.045のパルプ添加用デンプン(pulp starch)および歩留まり向上剤(retention agent)を使用した。
【0058】
【表1】
【0059】
いずれの試料においてもサイズ度は同じで、Cobb60値(Cobb60 value)が約28g/m2であった。
【0060】
【実施例6】
・離層強さの測定
シート製造機(sheet former)を用い、実験室内にて紙(300g/m2)を製造した。
【0061】
使用したパルプの組成は、褐色リサイクルパルプ(brown recycled pulp)60%、混合リサイクルパルプ(mixed recycled pulp)20%および未選パルプ(semipulp)20%である。
これに加えて、陽イオン性(DS)0.015のパルプ添加用デンプン2%を使用した。
【0062】
【表2】
【0063】
いずれの試料においてもサイズ度は同程度で、Cobb60値が約27〜29g/m2であった。
【0064】
【実施例7】
・湿潤引張り強度の測定
パイロット抄紙機を用い、紙匹幅1m、速度100m/min.の条件で紙(80g/m2)を製造した。試料は紙が濡れているうちに第1乾燥部(first drying section)から取り、直ちに測定した。
【0065】
パルプは、新聞用紙の製造に用いられる、ろ水率が66〜68°SRとなるまで叩解した典型的なメカニカルパルプを使用した。
これに加えて、合計パルプ量に対し15%の填料、0.4%の、陽イオン性(DS)0.2のパルプ添加用デンプンおよび歩留まり向上剤を使用した。
【0066】
【表3】
【0067】
紙の灰分は紙力に影響するので、湿潤引張り強度2では灰分を考慮している。
【0068】
実施例5〜7より明らかなように、本発明の高分子分散液は乾燥および湿潤紙力増強剤として機能する。本発明の高分子分散液は陽イオン性保護コロイドとしての特性を有するので、これに含まれる高分子は、陰イオン性の繊維中に保持されている。試験データより、本発明の高分子分散液は紙の疎水性を向上し、また従来のサイズ剤(抄紙機のウェットエンドに添加されるタイプ)と異なり、紙の強度を向上すると結論づけることができる。
【0069】
【実施例8】
・表面サイズ度試験
基材となる紙を次のようにして製造した。
セルロースとして、ろ水率が約25°SRとなるまで叩解したカンバとマツのセルロースの混合物(60/40)を使用した。これに加えて、合計パルプ量に対し25%の填料(軽質炭酸カルシウム(PCC))、0.8%の、陽イオン性(DS)0.035のパルプ添加用デンプンおよび歩留まり向上剤を使用した。
【0070】
パイロット抄紙機を用い、紙匹幅1m、速度80m/min.の条件で紙(80g/m2)を製造した。
得られた紙を、10%陽イオン性デンプン(DS 0.015)溶液に、本発明の分散液を乾燥して得られる高分子(デンプンの乾燥重量の5%)を加えたものを用い、サイズプレスで表面サイジングした。
ゼロ点の試験では、デンプン溶液に高分子を添加せずに用いた。
【0071】
表面サイジングした紙のHST(ハーキュレスサイズ度試験)(Hercules Sizing Test)を、アクロス(Acros)社製ナフトールグリーンを、濃度が2%となるよう1%ギ酸に溶解した溶液を用いて行った。
【0072】
【表4】
【0073】
比較例1では、ドイツ国特許第DE 3,702,712号明細書の実施例5の記載に従って紙を製造した。また比較例2では、ヒドロキシプロピルスターチに代えて実施例2で用いたものと同様の酸化デンプンを用いる以外は、国際出願公開公報WO95/13194号明細書の実施例4の記載に従って紙を製造した。
【0074】
【比較例1】
42.4部の、次亜塩素酸塩を用いて酸化されたバレイショデンプン(陽イオン化度(置換度)0.035)を142部の水と混合し、得られた混合物を80℃に加熱し、26部の10%酢酸カリウム水溶液を添加し、更に18部の1%アルファ−アミラーゼ水溶液を添加して20分間反応させた後、7.5部の氷酢酸を添加した。
【0075】
得られた反応混合物に、9部の1%硫酸銅水溶液と、1.75部の30%過酸化水素溶液を添加して20分間反応させた。この反応の後、固有粘度は0.07dl/gとなった。
【0076】
得られた反応混合物に、1.8gの30%過酸化水素水を添加し、その後更に、93.7部のアクリロニトリル、76.4部のアクリル酸ブチル、0.8部の直鎖状ドデシルベンゼンスルホン酸25%ナトリウム塩(市販)および50部の水からなる乳濁液と、3.12%の過酸化物溶液(50部)とを同時に添加し始め、乳濁液は1時間、過酸化物溶液は1.75時間かけて添加した。過酸化物溶液を添加し終わった後、直ちに温度を85℃に上げて更に15分間反応を行った。得られた最終生成物は、固形分43%の分散液であった。
【0077】
【比較例2】
49.5部のデンプン2、0.07部のアルファ−アミラーゼおよび0.07部の酢酸カリウムを446.20部の水と混合し、得られた混合物を80℃に加熱し、0.07部のアルファ−アミラーゼを更に添加して20分間反応させた。
【0078】
得られた反応混合物に、8.22部の氷酢酸、11部の1%硫酸銅水溶液および1.14部の30%過酸化水素水を添加し、20分間攪拌した。この反応の後、固有粘度は0.05dl/gとなった。
【0079】
得られた反応混合物に、27.4部の塩化メタクリルアミドプロピルメチルアンモニウム(methacrylic amidopropylmethyl ammonium chloride)、4.1部のアクリル酸および0.91部の30%過酸化水素水を添加し、次いで41.1部のスチレンおよび41.1部のアクリル酸ブチルからなるモノマー成分と、2.1%の過酸化物溶液(58.4部)とを同時に添加し始め、モノマー成分は2時間、過酸化物溶液は2.25時間かけて添加した。過酸化物溶液を添加し終わった後、直ちに温度を85℃に上げて更に1時間反応を行った。得られた最終生成物は、固形分16%の分散液であった。
【0080】
比較例2における合成は完全には成功しなかった。固形分は予想よりも低く、また本発明の他の実施例では未反応モノマーの量が300〜1500ppmであったのに対し、比較例2では未反応モノマーの量が40000ppmであった。
【0081】
このように合成が不成功であったことの原因は、原特許では、用いられているヒドロキシプロピルスターチのヒドロキシプロピル基によって分散液が安定化される(これに対し、比較例2ではこのような安定化が起こらない)ためと考えられる。
【0082】
本発明の方法では、安定化は使用するデンプンの高い分子量に基づくものである。国際出願公開公報WO95/13194号明細書の方法に従いデンプンを酵素によって加水分解すると、このような安定化作用は消失する。それでもかなり良好なサイズ度が得られるのは、分散液中に残余している疎水性モノマーの量が多いことによる。この疎水性モノマーが紙に吸収されると、紙の疎水性が高まる。しかし、これらの物質は有害かつ匂いの強い物質であるから、そのような物質が高濃度に含まれていることは望ましくない。
【0083】
表面サイジングに関する試験結果に基づき、本発明の高分子分散液を用いると、従来公知の高分子分散液や、本願の比較例において用いた高分子分散液に比して、紙の耐インク性を大幅に向上することができるといえる。
【0084】
本発明者らが別途検討したところ、紙の耐インク性(HST)は紙の耐水性およびインクジェット特性と相関しており、紙の耐インク性が向上すると、紙の耐水性およびインクジェット特性も向上する。
Claims (15)
- 少なくとも下記成分a)〜c):
a)陽イオン性または陰イオン性置換基により置換され、置換度が0.01〜1であり、陽イオン化または陰イオン化した状態での固有粘度が1.0dl/gより大であるデンプン、
b)少なくとも1種のビニルモノマーを含むモノマー成分、および
c)水
から形成される高分子分散液であって、
該デンプンa)の量が、該高分子分散液の固形分の5〜50%であり、
該モノマー成分b)の量が、該高分子分散液の固形分の50〜95%であり、
該デンプンa)および該モノマー成分b)から形成される高分子の皮膜形成温度が−50〜200℃であることを特徴とする高分子分散液。 - 該デンプンa)の置換度が0.04〜1であり、固有粘度が1.5〜15dl/gであることを特徴とする、請求項1に記載の高分子分散液。
- 該モノマー成分b)から形成される高分子の皮膜形成温度が10〜50℃であることを特徴とする、請求項1または2に記載の高分子分散液。
- 該モノマー成分b)が、40〜70%のアクリル酸エステル類と、30〜60%のスチレンよりなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高分子分散液。
- 5〜50%の該デンプンa)、
0〜19%のアクリロニトリル、
10〜60%のアクリル酸エステル類、
10〜60%のスチレン、および
水
から形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高分子分散液。 - 15〜40%の該デンプンa)、
5〜19%のアクリロニトリル、
20〜50%のアクリル酸エステル類、
20〜40%のスチレン、および
水
から形成されることを特徴とする、請求項5に記載の高分子分散液。 - 20%の、置換度が0.05であり、固有粘度が3〜15dl/gである該デンプンa)、
19%のアクリロニトリル、
30%のアクリル酸エステル類、
31%のスチレン、および
水
から形成されることを特徴とする、請求項1に記載の高分子分散液。 - 少なくとも1種のビニルモノマーを含む該モノマー成分b)を、該デンプンa)の水溶液中で共重合反応に付すことを含む、請求項1に記載の高分子分散液の製造方法であって、
該共重合反応により形成される高分子の皮膜形成温度が−50〜200℃であることを特徴とする方法。 - 該デンプンa)の水溶液を、該デンプンa)を60℃を超える温度でアルカリ水溶液に溶解させることによって得ることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- 該共重合反応の際の温度が70〜90℃であり、pHが7より低いことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- 陽イオン化または陰イオン化したデンプンを用いることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子分散液の、製紙における使用。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子分散液の、紙の表面サイジング用添加剤としての使用。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子分散液の、抄紙機のウェットエンドに添加される、湿潤および乾燥紙力増強剤としての使用。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子分散液の、パルプ用サイズ剤としての使用。
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