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JP4353391B2 - 固体燃料燃焼用バーナ及び該バーナを用いる燃焼方法及び燃焼装置 - Google Patents

固体燃料燃焼用バーナ及び該バーナを用いる燃焼方法及び燃焼装置 Download PDF

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JP4353391B2 JP2001020736A JP2001020736A JP4353391B2 JP 4353391 B2 JP4353391 B2 JP 4353391B2 JP 2001020736 A JP2001020736 A JP 2001020736A JP 2001020736 A JP2001020736 A JP 2001020736A JP 4353391 B2 JP4353391 B2 JP 4353391B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、灰分20%以上及び水分30%以上の低品位の石炭を燃料として用いても、幅広い火炉負荷変化に対応できる固体燃料燃焼用バーナ及び該バーナを用いる燃焼方法及び燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在なおエネルギー需要の増大が見込まれている海外電力市場においては、水分や灰分が多く、発熱量の低い褐炭、亜炭などの低品位炭の利用が主体になると考えられる。低品位炭の中でも褐炭は埋蔵量が多いものの、瀝青炭に比べ火炎温度の低下や燃焼性の悪化等、バーナを用いて安定した燃焼をさせることが難しい石炭である。褐炭は東欧を中心に火力発電所用の燃料として使用される石炭であり、一般的に灰分20%以上、水分30%以上の若い石炭である。これまで日本国内においては、質の良い瀝青炭のみを輸入して使用してきたため、褐炭燃焼に関する技術はほとんどない。しかし、今後国内の電力需要は伸び悩むことが予測され、海外市場への進出を図るためには、褐炭を中心とした低品位炭の燃焼技術を確立することが必要不可欠である。
【0003】
まず、一般的な褐炭等の燃焼についての考え方を示す。褐炭等は安価な燃料であるが、高灰分、高水分、低発熱量という性状に基因して、その燃焼性や灰付着性に問題がある。その燃焼性に関しては、いかに着火を促進し、安定な火炎を形成するかが高効率燃焼のキーテクノロジーとなる。またバーナ構造体、火炉壁面などへの灰付着性が高い原因は融点が低いことも褐炭などの不利な性質である。褐炭等はカルシウムやナトリウム等の含有量が多い等の灰性状による問題点の他、炉内に多量に供給するため(瀝青炭に比べ、発熱量が少ないため、投入石炭量を増やす必要がある)、灰生成量が多い等、スラッギング・ファウリングに対して好ましくない条件が重なる石炭でもある。従って褐炭や亜炭などの低品位炭をバーナで使用するためには、その高効率燃焼性と灰付着性低減の両方を達成することが必要である。
【0004】
海外で用いられている一般的な褐炭燃焼の方式はタンジェンシャルファイヤリング方式とコーナファイヤリング方式である。前者は火炉側壁に燃料流路と燃焼用空気流路からなるバーナコンパートメントを設置した方式であり、後者は火炉の四隅に燃料流路と燃焼用空気流路からなるバーナコンパートメントを設置した方式である。
【0005】
これらの燃焼方式が、国内瀝青炭燃焼時によく用いられる対向する火炉壁面に対になるようにバーナ群を配置する、いわゆる対向燃焼方式と異なる点を述べる。
対向燃焼方式は各バーナ(燃料と燃焼用空気の多重管)を自己保炎方式で運用するものであるのに対し、前記褐炭燃焼の方式はバーナ出口近傍で自己保炎させるのではなく燃焼用空気の噴流に運動量を持たせ、火炉中心部又はその近傍で混合燃焼させることにより安定燃焼させる方式である。
【0006】
図9と図10はそれぞれタンジェンシャルファイヤリング方式、コーナファイヤリング方式におけるバーナコンパートメント22の一例を火炉側から見た正面図である。燃焼用空気はその役割により流速が異なり、たとえば中心空気24は排ガスで供給される燃料流路25’からの燃料25と速やかに混合し、酸素濃度を高めることにより燃焼を促進するのが目的であり、最外側空気26は50m/s以上の貫通力のある噴流で火炉中心部からその近傍にかけて燃焼の安定化をはかるのが目的である。バーナコンパートメント22は図9に示すように燃料と燃焼用空気だけで構成されるものもあるが、図10に示すように起動用油バーナ27と助燃用の油バーナ28を備え付けたものものある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来ほとんど経験のなかった褐炭を主とした低品位炭の燃焼分野において、海外市場で優位性を持つために必要不可欠な技術は、電力の需要増減に応じた負荷対応運用技術である。東欧では電力需要に対して、時に30%の部分負荷でボイラを運転することが望まれる。これに対し、従来技術には次のような問題点があった。
【0008】
先に述べたように、褐炭燃焼に関する従来技術(タンジェンシャルファイヤリング方式又はコーナファイヤリング方式)で重要なのは、燃料と燃焼用空気の混合流体の噴流に貫通力を持たせ、火炉内での安定燃焼を行うことである。火炉の負荷を下げていくとバーナコンパートメント22からの前記噴流の運動量が少なくなるため、火炎が不安になる。図11はコーナファイヤリング方式における火炉11の負荷が高負荷から低負荷に下がる時の火炎形状の変化を例として示す火炉11内の水平断面図である。図11(a)に示す高負荷時にはバーナコンパートメント22からの前記噴流はバーナの根元付近で吹き飛び部29を形成し、火炉11中央部からその近傍にかけて安定した燃焼領域を形成し、効率良い燃焼が行われる。
【0009】
しかし、低負荷時にはバーナコンパートメント22からの各噴流の流速が下がり、運動量が減少するため、図11(a)に示す安定した燃焼領域が形成されず、燃焼が不安定になる(図11(b)に示すように火炉11全体が薄暗くなる。)。低負荷時における失火防止の安全対策上、火炉11内に安定した燃焼領域が形成されているかどうかの目安として、図12(a)、図12(b)の火炉11側断面図に示すように、火炉11上部に火炎検知器30が設置されているが、図12(b)に示すように火炉11内の輝度が下がると、失火判定を出す。
【0010】
このような理由により、火炉内での安定した燃焼領域の形成が各噴流からの運動量に左右される従来の方式では、低負荷時での運用は困難である。なお、図12(a)、図12(b)には火炉11下部にバーナコンパートメント22を設けており、バーナコンパートメント22からの燃料と燃焼用空気の混合流体の噴流がアフターエアポート47からの燃焼用空気の供給により火炎が形成させる。
【0011】
本発明の課題は、褐炭、亜炭などの低品位炭を用いるバーナであっても負荷下げが困難なタンジェンシャルファイヤリングおよびコーナファイヤリング方式の固体燃料燃焼用バーナを用いる火炉において、その高負荷域、低負荷域の両方において安定燃焼を可能とし、幅広い火炉負荷変化に対応できる褐炭等の低品位炭の燃焼技術を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、次の構成により解決される。
(1)空気を噴出する中心空気ノズルと、該中心空気ノズルの外側に配置された固体燃料とその搬送気体を噴出する燃料ノズルと、該燃料ノズルの外側に配置された一以上の燃焼用空気を噴出する外側空気ノズルとを有し、前記中心空気ノズルと一以上の外側空気ノズルには、該ノズル内を流れる流体を旋回させることができる旋回器をそれぞれ配置した1以上の単一バーナとそれぞれの単一バーナの前記外側空気ノズルよりさらに外側に、閉塞部を含む間隔をあけて配置した最外側空気ノズルを備えた固体燃料燃焼用バーナである。
また、それぞれの単一バーナの前記外側空気ノズルよりさらに外側に閉塞部を含む間隔をあけて配置した最外側空気ノズルは、前記1以上の単一バーナの外側空気ノズルの上側及び下側に配置されることができる。
さらに前記固体燃料燃焼用バーナの最も外側に配置される外側空気ノズル出口には該ノズルから噴出する燃焼用空気の一部をバーナを設置した壁面に沿って流れるようなガイドを設けることができる。
【0013】
(2)前記(1)記載の固体燃料燃焼用バーナを用いる燃焼方法であって、低負荷時には外側空気ノズルの旋回器を作動させて外側空気に旋回をかけて噴出し、高負荷域では前記旋回器を作動させないで外側空気に旋回をかけずに噴出する固体燃料燃焼用バーナを用いる燃焼方法。
【0014】
(3)前記(1)記載の固体燃料燃焼用バーナを用いる燃焼方法であって、低負荷時には中心空気ノズルの旋回器を作動させて中心空気に旋回をかけて噴出し、高負荷域では前記旋回器を作動させないで中心空気に旋回をかけずに噴出する固体燃料燃焼用バーナを用いる燃焼方法。
【0015】
(4)前記(1)記載の固体燃料燃焼用バーナを一ユニットとして、その複数基を四隅(コーナファイヤリング方式)あるいは対向する側壁面(タンジェンシャルファイヤリング方式)にそれぞれ対に成るように配置した燃焼装置(火炉)。
【0016】
(5)前記(4)記載の燃焼装置を用いる燃焼装置の運用方法であって、高負荷域では、燃料噴流をバーナの根元から着火させず(以下この状態を「吹き飛び」と称す)、燃焼装置中心部からその近傍にかけて混合させて火炎を形成させる燃焼させる方式で運用し、低負荷域では、燃料噴流をバーナ根元から着火させ、燃料噴流出口に個々の火炎を形成させる方式(以下「自己保炎方式」を称する)で運用する燃焼装置の運用方法。
【0017】
前記高負荷域と低負荷域を見分ける方法として、負荷下げ時に、燃焼装置中心部の火炎を目視及び燃焼装置上部に設置した火炎検知器で検知し、その検知限界より燃焼装置負荷の高い領域を高負荷域とし、検知限界より燃焼装置負荷の低い領域を低負荷域とすることができる。
【0018】
また、バーナの燃焼用空気流量配分として、高負荷域では最外側空気ノズルから噴出する燃焼用空気流量を最も多くし、低負荷域では外側空気ノズルから噴出する燃焼用空気流量を最も多くした運用を行うことが望ましい。
【0019】
【作用】
本発明は従来、火炉の低負荷での運用が困難なタンジェンシャルファイヤリング又はコーナファイヤリング燃焼方式のバーナを、高負荷域においては火炉内の中心部からその近傍にかけて安定した火炎の燃焼領域を形成させる方式で運用し、低負荷域では自己保炎型方式で運用するものである。前記燃焼方式を用いることにより、褐炭、亜炭などの低品位炭を燃料として用いる火炉でも電力需要に応じた幅広い火炉の負荷変化(具体的には30%〜100%)に対応できる。
【0020】
具体的には、高負荷域ではバーナの燃料噴流根元に吹き飛び部を形成させ、低負荷域ではバーナの燃料噴流の根元から燃焼させ、自己保炎型とするバーナの運用を行う。使用するバーナの燃焼用空気(外側空気及び最外側空気)の空気の流量配分を調整すること、及び/又はバーナの外側空気ノズルに設けた旋回器を用いて燃焼用空気の旋回力を調整することによって、バーナの燃料噴流根元の吹き飛び、あるいは着火を制御する。
【0021】
本発明により、電力需要に対応した運用ができるため、ボイラ火炉では電力用蒸気を必要以上に発生させることがなく、効率的な運用ができ、バーナの運用上大幅なコストダウンが図れる。
【0022】
また、火炉の低負荷域においては、バーナ燃料噴流の根元から着火させるため、バーナ噴流出口の壁面に灰が付着することが懸念されるが、外側空気ノズルに火炉壁面に沿って燃焼用空気が流れるように外側空気ノズル出口にガイドを設けることにより、バーナ噴流根元付近の火炉壁面及びバーナ先端に灰が付着することを防止できる。
【0023】
火炉内の燃料の燃焼状態を監視するために、高負荷運用時には火炉上部に設置した火炎検知器により炉内の燃焼状態を監視し、低負荷時には燃料噴流とほぼ同じ高さの火炉位置に設置した火炎検知器により、各燃料噴流根元の火炎を監視することにより、従来の火炉中心部の監視だけによる方法に比べて、負荷を大幅に変化させることができ、なお、かつ安全な運用が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図4に一般的な褐炭焚きボイラ火炉11の構成を示す。図4(a)はタンジェンシャルファイヤリング方式の褐炭焚きボイラ火炉11の側面図であり、図4(b)は図4(a)の火炉11の水平断面図である。
【0025】
褐炭焚きボイラでは通常、火炉11上部より排ガスダクト32を用いて燃焼ガス(約1000℃)を火炉11内から引き出し、ファンミル33で石炭バンカ34から供給された褐炭の乾燥・粉砕を同時に行う。火炉11内部の上部には伝熱管35が配置される。コーナファイヤリング及びタンジェンシャルファイヤリング方式のバーナではバーナコンパートメント22(図9、図10参照)毎に1台のファンミル33を設置する。
【0026】
図1に本発明の第1の実施の形態のコーナファイヤリング方式のバーナを備えた火炉11の水平断面図を示す。
コーナファイヤリング方式のバーナにおいては通常、火炉11四隅にバーナコンパートメント22を設置するための水平部を設けてある。図1(a)に示す火炉11の高負荷時にはバーナコンパートメント22の各バーナからの噴流はバーナ根元に吹き飛び部29を形成し、火炉11内に安定した燃焼領域を形成する。
【0027】
図1に示すコーナファイヤリング方式のバーナの運用の一例として、例えば、火炉内の安定した燃焼領域の形成に寄与する最外側空気26(図6、図7参照)の流速は50m/s以上、排ガスで供給される燃料25の流速は5m/s〜30m/s、燃料の着火を促進する中心空気24の流速は5m/s〜20m/sである。図1(b)に示す火炉11が低負荷条件下にあるときには後で燃焼用空気の配分や旋回を変化させ、各バーナから自己保炎型火炎36(図6、図7参照)を形成させる。図2は火炉11の各側壁に設けた4つのバーナコンパートメント22から燃料を火炉11内に供給した場合の一実施の形態を示し、図3は火炉11の各側壁に設けた6つのバーナコンパートメント22から燃料を火炉11内に投入する場合の一実施の形態である。
【0028】
火炉11が低負荷時で運用されている場合には火炎を自己保炎させるためのバーナコンパートメント22の改造例を図5に示す。図5(b)は既存のバーナコンパートメント22を示し、図5(a)には火炉11壁面に設けられる水壁部には改造を加えずに燃料ノズルと複数の燃焼用空気ノズルを同心円状に配置した多重管構造に改造したコンパートメント22の火炉11内側から見た正面図を示す。改造後のコンパートメント22は多重管構造のバーナ37と燃焼用空気(最外側空気26)だけの流路26’から構成される。バーナ37は中心空気24の流路24’と燃料25の流路25’及び外側空気流路(二次外側空気38の流路38’、三次外側空気39の流路39’)が同心円状に構成されている。中心空気24は従来同様、排ガスで搬送される褐炭等の低位品位炭から成る燃料が着火しやすいように酸素濃度をあげるために燃料流路25内に供給される。また、外側空気流路38’、39’に供給される空気(二次外側空気38、三次外側空気39)は自己保炎型火炎36(図6、図7参照)を形成するためのものである。灰付着防止ガイド40については後で述べる。
【0029】
図6は図4(a)の改造後バーナコンパートメント22の一部の詳細断面図であり、火炉11低負荷時の運用例を示したものである。火炉11が低負荷で運用されている場合には燃焼用空気の大部分をバーナ37から火炉11内に供給してシールエア41として用いる。このときバーナ37の外側から投入する最外側空気26の流量は若干量とする(流速:〜3m/s)。燃焼用空気の流量配分は外側空気(二次外側空気38+三次外側空気39)>中心空気24>>シールエア41、最外側空気26とする。
【0030】
中心空気流路24’にはスワラ42を設け、中心空気に旋回をかけることにより、排ガスで搬送された褐炭などの微粉炭燃料との混合を良くし、酸素濃度をあげ、着火しやすい状態とする。二次外側空気38、三次外側空気39の流路38’、39’にはそれぞれベーン45、46を設け、火炉11の低負荷運用時にはベーン45、46により、二次外側空気38と三次外側空気39の旋回を強めた設定とし、バーナ37の根元まで高温ガスを循環させることにより、バーナ37の根元から保炎する自己保炎型の火炎36を形成させる。自己保炎型火炎36で最も懸念されるのが、火炎がバーナ根元に近づくことにより、バーナ37近傍の火炉11壁面などへ灰が付着することである。これに対しては、最外側空気26を火炉壁面に相当する閉塞部43に沿って流すような灰付着防止ガイド40を三次外側空気流路39’の出口に設置することにより、燃焼ガスの一部をシールエア41として閉塞部43の表面に流すことにより、閉塞部43に灰が付着することを防止できる。
【0031】
図7は火炉11の高負荷時の運用例を示したものである。火炉11の高負荷運用時には燃焼用空気の大半をバーナ37内側の中心空気24と、バーナ外側の最外側空気26に配分する。火炎の吹き飛び部29を形成にするには、高温ガスのバーナ37の根元への巻き戻りを防ぐため、二次外側空気38、三次外側空気39の流量を若干量とし、旋回はかけない。また中心空気24の流量は低負荷時に比べ、約8割以下に落とすのが望ましい。
【0032】
以上の設定により、バーナ37の根元では酸素濃度が低く、高温ガスの循環などの熱源もないため、燃料は着火せず、吹き飛び部29を形成する。火炉11の中央部でその他のバーナ37から噴流及び最外側空気26と混合し、安定した燃焼領域を形成することによって初めて安定燃焼する。高負荷での運用おける最外側空気26の役割は従来と同様、火炉内の燃焼領域の形成の安定化であり、例えば流速は50m/s以上が望ましい。
【0033】
すなわち、本発明では、従来のコーナファイヤリング及びタンジェンシャルファイヤリング方式の火炉11において、高負荷時には燃料噴流のバーナ37の根元に吹き飛び部29を形成し、火炉11内に安定した燃焼領域を形成する方式、低負荷時には燃料噴流のバーナ37の根元から保炎させる自己保炎方式をそれぞれ用いることによって、幅広い火炉11の負荷変化までの負荷変化に対応可能とするものである。
【0034】
具体的な方法として、各火炉壁面の水壁構造を改造せず、バーナコンパートメント22の一部を燃料と複数の燃焼用空気流路からなるバーナ構造に改造し、各燃焼用空気の配分、燃料と燃焼用空気の噴流の旋回の有無により、火炉の低負荷及び高負荷での運用を制御するものである。
【0035】
また、ここでは、水壁を改造せず、バーナコンパートメント22の一部を改造する方式のみを示しているが、新設されるボイラにおいて隣接する二つのバーナ37の間に水壁構造を設ける場合にも本発明は適用できる。この場合は図5、図6に示した閉塞部43が水壁構造になる。隣接する二つのバーナ37の間に水壁構造を設ける際も、最外側空気26の流路26’は別途設ける必要がある。本発明の実施の形態では最外側空気26の流路断面積の形状は角型であるが、断面積の形状に制限はなく、円形でも楕円形でも良い。
【0036】
また、本発明はのバーナは火炉の負荷に応じて、燃焼方式を変更する(高負荷では火炉中心部からその近傍にかけての安定した燃焼領域を形成する方式、低負荷では自己保炎型火炎を形成する方式)方法に重きを置いたものであるが、本方式で火炉11を安全に運転するために重要なのが火炎の監視方法である。従来は図12に示すように火炉中心部のみを火炎検知器30で監視するものであったため、火炉11内の上部に設置されていたが、本発明の実施の形態に示す運用方法においては、負荷によって燃焼方式が異なるため、図8に示すようにバーナと同じ高さに個々の火炎を監視する火炎検知器31を設置する必要がある。図8に示す火炎検知器31により高負荷時には火炉中心部を、低負荷時には個々の火炎を監視することにより、本方式を用いたバーナの安全運転が可能となる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によって得られる効果をまとめると、以下のようになる。
(1)低品位炭を用いるバーナでも電力需要に応じた負荷でボイラ火炉を運用できるため、無駄な電力の発生を防ぎ、大幅なコストダウンが可能となる
(2)燃料噴流が噴出するバーナ根元から燃料を燃焼させた場合も、ボイラ火炉壁面に沿ってシールエアを流すことにより、火炉壁面への灰付着を防止できる。
【0038】
(3)火炉の高負荷時には、火炉上部に設置した火炎検知器により火炉中心部の安定燃焼領域を監視し、火炉の低負荷時には燃料噴流と同し高さに設置した火炎検知器により各燃料噴流が噴出するバーナ根元の火炎を監視することにより、従来前者のみで行われていた監視方法に比べ、幅広い負荷運用に対応でき、なおかつ安全な運用を提供できる。
(4)タンジェンシャルファイヤリング、コーナファイヤリングいずれの方式のバーナコンパートメントも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の火炉内でのバーナ(コーナファイヤリング方式)配置による火炎の形成状態を示す火炉水平断面図である(図1(a)は高負荷時、図1(b)は低負荷時)。
【図2】 本発明の第2の実施の形態の火炉内でのバーナ(タンジェンシャルファイヤリング方式)配置によ火炎の形成状態を示す火炉水平断面図である(図2(a)は高負荷時、図2(b)は低負荷時)。
【図3】 本発明の第3の実施の形態の火炉内でのバーナ(タンジェンシャルファイヤリング方式)配置によ火炎の形成状態を示す火炉水平断面図である(図3(a)は高負荷時、図3(b)は低負荷時)。
【図4】 一般的な褐炭焚きボイラの構成図である(図4(a)は側面図、図4(b)は火炉水平断面図)。
【図5】 低負荷時自己保炎させるためのバーナコンパートメントの火炉側から見た正面図(図5(a)は本発明の実施の形態、図5(b)は従来例)。
【図6】 図5(a)の自己保炎型バーナの低負荷時の運用例を示すバーナ断面の一部詳細図である。
【図7】 図5(a)の自己保炎型バーナの高負荷時の運用例を示すバーナ断面の一部詳細図である。
【図8】 本発明における火炎検知器の配置位置を示す火炉縦断面図である。
【図9】 従来技術におけるバーナコンパートメントの一例を示す火炉側から見た正面図である。
【図10】 従来技術におけるバーナコンパートメントの一例を示す火炉側から見た正面図である。
【図11】 バーナのコーナファイヤリング燃焼方式における負荷下げ時の火炉内の燃焼領域の変化を示す火炉水平断面図である(図11(a)は高負荷時、図11(b)は低負荷時)。
【図12】 火炉中心部を監視する炉内用火炎検知器の配置位置を示す火炉縦断面図である。
【符号の説明】
11 ボイラ火炉 22 バーナコンパートメント
24 中心空気 24’ 中心空気流路
25 燃料 25’ 燃料流路
26 最外側空気 26’ 最外側空気流路
29 吹き飛び部 32 排ガスダクト
33 ファンミル 30、31 火炎検知器
34 石炭バンカ 35 伝熱管
36 自己保炎型火炎 37 バーナ
38 二次外側空気 38’ 二次外側空気流路
39 三次外側空気 39’三次外側空気流路
40 灰付着防止ガイド 41 シールエア
42 スワラ 43 閉塞部
45、46 ベーン

Claims (10)

  1. 空気を噴出する中心空気ノズルと、
    該中心空気ノズルの外側に配置された固体燃料とその搬送気体の混合流体を噴出する燃料ノズルと、
    該燃料ノズルの外側に配置された燃焼用空気を噴出する一以上の外側空気ノズルとを有し、
    前記中心空気ノズルと一以上の外側空気ノズルには、該ノズル内を流れる流体を旋回させることができる旋回器をそれぞれ配置した1以上の単一バーナと
    それぞれの単一バーナの前記外側空気ノズルよりさらに外側に、閉塞部を含む間隔をあけて配置した最外側空気ノズル
    備えたことを特徴とする固体燃料燃焼用バーナ。
  2. それぞれの単一バーナの前記外側空気ノズルよりさらに外側に閉塞部を含む間隔をあけて配置される最外側空気ノズルは、前記1以上の単一バーナの外側空気ノズルの上側及び下側に配置されることを特徴とする請求項1記載の固体燃料燃焼用バーナ。
  3. 前記閉塞部を含む間隔に燃焼ガスの一部をシールエアとして閉塞部の表面に沿って流すガイドを設けたことを特徴とする請求項1記載の固体燃料燃焼用バーナ。
  4. 請求項1記載の固体燃料燃焼用バーナを用いる燃焼方法であって、低負荷時には外側空気ノズルの旋回器を作動させて外側空気に旋回をかけて噴出し、高負荷域では前記旋回器を作動させないで外側空気に旋回をかけずに噴出することを特徴とする固体燃料燃焼用バーナを用いる燃焼方法。
  5. 請求項1記載の固体燃料燃焼用バーナを用いる燃焼方法であって、低負荷時には中心空気ノズルの旋回器を作動させて中心空気に旋回をかけて噴出し、高負荷域では前記旋回器を作動させないで中心空気に旋回をかけずに噴出することを特徴とする固体燃料燃焼用バーナを用いる燃焼方法。
  6. 請求項記載の固体燃料燃焼用バーナを一ユニットとして、その複数ユニットを四隅あるいは対向する火炉の側壁面にそれぞれ対に成るように配置した火炉を備えたことを特徴とする燃焼装置。
  7. 燃焼装置内で形成される火炎を検知するための火炎検知器を固体燃料燃焼用バーナが設置された壁面より上方にある火炉上部と、固体燃料燃焼用バーナが設置された壁面近傍にそれぞれ配置したことを特徴とする請求項記載の燃焼装置。
  8. 請求項記載の燃焼装置を用いる燃焼装置の運用方法であって、高負荷域では、燃料噴流をバーナの根元から着火させず、燃焼装置中心部で混合させて火炎を形成して燃焼させる方式で運用し、低負荷域では、燃料噴流をバーナ根元から着火させ、燃料噴流出口に個々の火炎を形成させる方式で運用することを特徴とする燃焼装置の運用方法。
  9. 請求項記載の燃焼装置を用いる燃焼装置の運用方法であって、高負荷域と低負荷域を見分ける方法として、負荷下げ時に、燃焼装置中心部の火炎を目視及び燃焼装置上部に設置した火炎検知器で検知し、その検知限界より燃焼装置負荷の高い領域を高負荷域とし、検知限界より燃焼装置負荷の低い領域を低負荷域とすることを特徴とする燃焼装置の運用方法。
  10. バーナの燃焼用空気流量配分として、高負荷域では最外側空気ノズルから噴出する燃焼用空気流量を最も多くし、低負荷域では外側空気ノズルから噴出する燃焼用空気流量を最も多くした運用を行うことを特徴とする請求項記載の燃焼装置の運用方法。
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