JP4352420B2 - 田植機の植付部位置制御機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、田植機の主変速レバーの後進操作時の植付操作レバーの制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、植付部の昇降や植付動作のON・OFF等のように植付作業に必要な操作は、運転席の前方下方または横下方のパネル上に配設した植付操作部において行っており、実作業においては、該植付操作部に設けた植付操作レバー等を、所定の操作モードに対応する位置(以下「操作位置」という)まで移動又は回動させることにより、各操作に移行するようにしていた。
【0003】
また、植付作業中に畦際で旋回すべく後進する場合などにおいては、主変速部の主変速レバーを「後進位置」にすると同時に、前記植付操作部の植付クラッチも切れて植付部が最上位置まで上昇し保持される、いわゆるバック連動が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の植付操作レバーでは、所定の操作位置まで移動又は回動させて手を放すと中立位置に戻る方式があり、この場合、植付操作レバーの位置を視認しただけでは現在の操作モードが不明であり、迅速かつ確実な作業への移行が難しい、という問題があった。
【0005】
また、主変速レバーと植付クラッチとの連結は機械的になされており、後進走行中は植付操作レバーを操作しても、植付部の高さを任意位置に変更できないため、植付部を適正高さに下ろして後方を確認しながら後進走行することができない、という問題があった。
【0006】
そして、機械的な連結構造自体も複雑であり、その構成部品の数は多く、種類も多種に渡るため、部品コストや組立コストが高くなる、という問題もあった。
【0007】
さらに、主変速レバーを「後進位置」に回動させる際に、前記の機械的な連結が抵抗となって、主変速レバーの回動に必要な力を増大させ、操作性を悪化させる、という問題もあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
請求項1においては、植付操作部(51)に植付操作レバー(52)を配置し、該植付操作レバー(52)の回動保持と解除が可能な保持機構(61)を設け、該保持機構(61)はデテント解除用アクチュエータ(63)により保持・解除をする構成とし、該植付操作レバー(52)は、植付部(15)を上昇させる「上位置」(52a)、該植付部(15)を下降させる「下位置」(52b)、該植付部(15)を昇降中に任意高さへ固定する「中立位置」(52d)、該植付部(15)を下降させた後に植付作業を開始する「植付位置」(52c)、及び収納されている左右の線引きマーカを解除して圃場上にセットする「マーカ解除位置」(52e・52f)の、各操作位置へ回動操作して保持可能とし、主変速部には主変速レバー(5)を設け、該主変速レバー(5)の後進への切替を検知する後進検出スイッチ(46)を設け、該後進検出スイッチ(46)と前記デテント解除用アクチュエータ(63)とを連結連動し、該主変速レバー(5)を「後進位置」にすると、該後進検出スイッチ(46)と接続されたコントローラ(30)が、前記デテント解除用アクチュエータ(63)を作動させて保持機構(61)を解除し、該保持機構(61)の解除と共に、該植付操作レバー(52)を操作レバー戻しバネ(69)により、前記「上位置」(52a)に回動操作し、該植付部(15)を上昇させ、前記保持機構(61)の解除状態を設定時間継続するようにし、該設定時間は、該保持機構(61)の解除後に植付操作レバー(52)を「上位置」(52a)まで回動するのに要する時間とし、前記設定時間が経過すると、該デテント解除用アクチュエータ(63)により、該植付操作レバー(52)を該保持機構(61)により保持し、該植付操作レバー(52)を操作可能な状態とするものである。
【0010】
請求項2においては、植付操作部(51)に植付操作レバー(52)を配置し、該植付操作レバー(52)の回動保持と解除が可能な保持機構(61)を設け、該保持機構(61)はデテント解除用アクチュエータ(63)により保持・解除をする構成とし、該植付操作レバー(52)は、植付部(15)を上昇させる「上位置」(52a)、該植付部(15)を下降させる「下位置」(52b)、該植付部(15)を昇降中に任意高さへ固定する「中立位置」(52d)、該植付部(15)を下降させた後に植付作業を開始する「植付位置」(52c)、及び収納されている左右の線引きマーカを解除して圃場上にセットする「マーカ解除位置」(52e・52f)の、各操作位置へ回動操作して保持可能とし、主変速部には主変速レバー(5)を設け、該主変速レバー(5)の後進への切替を検知する後進検出スイッチ(46)を設け、該後進検出スイッチ(46)と前記デテント解除用アクチュエータ(63)とを連結連動し、該主変速レバー(5)を「後進位置」にすると、該後進検出スイッチ(46)と接続されたコントローラ(30)が、前記デテント解除用アクチュエータ(63)を作動させて保持機構(61)を解除し、該保持機構(61)の解除と共に、該植付操作レバー(52)を操作レバー戻しバネ(69)により、前記「上位置」(52a)に回動操作し、該植付部(15)を上昇させ、前記保持機構(61)の解除状態を設定時間継続するようにし、該設定時間は、前記主変速レバー(5)を後進に切り換えた時の、該植付部(15)の高さを算出し、該高さを基準高さとしてメモリーに記憶し、次に該植付部(15)が上昇し、前記記憶した植付部(15)の基準高さよりも、該植付部(15)が高くなるまでの時間とし、前記設定時間が経過すると、該保持機構(61)を再作動させ、該植付操作レバー(52)を該保持機構(61)により保持し、該植付操作レバー(52)を操作可能な状態とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は乗用田植機の全体側面図、図2は本発明に係わる植付操作部を有する機体前部の斜視図、図3は植付操作部の取付け構成を示す機体前部の側面一部断面図、図4は植付操作部の正面図、図5は同じく平面図、図6は同じくガイド溝の形状を示す平面図、図7は同じく植付操作レバーの位置と操作モードとの対応を示す平面図、図8は保持機構を示す側面一部断面図、図9は同じく正面一部断面図、図10は植付操作制御手段を示す制御ブロック図、図11は植付部高さ制御のフローチャート図、図12は別形態の植付部高さ制御のフローチャート図である。
【0012】
まず、本発明に係わる乗用田植機の全体構成について、図1により説明する。1は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン2を車体フレーム3前部上方に搭載させ、ミッションケース4前方にフロントアクスルケースを介して走行用前輪6を支持させると共に、前記ミッションケース4の後部にリヤアクスルケースを連接し、該リヤアクスルケースに走行用後輪8を支持させる。
【0013】
そして、前記エンジン2等をボンネット9で覆うと共に、ステップ11を介して作業者が搭乗する車体カバー12上部に運転席13を取付け、該運転席13の左方には主変速レバー5を配設し、運転席13前方で前記ボンネット9後部には操向ハンドル14を立設している。更に、該操向ハンドル14の右方には、本発明に係わる植付操作部51を配設している。
【0014】
また、15は、苗載台16並びに複数の植付爪17などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台16を、下部レール18及びガイドレール19を介して植付ケース20に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転するロータリケース21を前記植付ケース20に支持させ、該ロータリケース21の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、該爪ケース22・22先端に前記植付爪17・17を取り付ける。
【0015】
そして、前記植付ケース20の前側には図示せぬローリング支点軸を介して支持フレーム24を設け、該支持フレーム24は、トップリンク25及びロワーリンク26を含むリンク機構27を介して走行車1後側に連結させており、該リンク機構27においては、植付部15を昇降させる昇降シリンダ28がロワーリンク26に連結され、さらに植付部15への動力はPTO伝動軸40を介して入力されるようにしている。
【0016】
このような構成により、前記前後輪6・8を操向駆動して走行移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台16から一株分の苗を植付爪17によって取出し、連続的に植付作業を行うようにしている。
【0017】
次に、植付部高さの制御を行う本発明に係わる、前記植付操作部51の各種構成について説明する。まず、植付操作部51の配置及び取付け構成について、図2乃至図5により説明する。図2、図3に示すように、前記ボンネット9の後部に固設されたステアリングコラム34にはステアリングシャフト35が軸支され、該ステアリングシャフト35上端部に操向ハンドル14が連結固定される一方、ボンネット9の右側部からは、前記エンジン2の回転数を調節するための側面視く字状のアクセルレバー31が突設されている。
【0018】
さらに、ボンネット9の後上部には、モニタースイッチやライトスイッチ等を設けた操作パネル部32が配設され、該操作パネル部32の側方で、前記アクセルレバー31よりも内方に、本発明に係わる植付操作部51が配設され、該植付操作部51から上方に突設された植付操作レバー52は、前記操向ハンドル14よりも下方に近接して設けられている。
【0019】
このように、植付操作レバー52を、操向ハンドル14よりも下方で、該操向ハンドル15とアクセルレバー31との間に設けた配置構成とすることにより、たとえ走行と植付の操作を同時に行う必要のある植付作業においても、視線を前方に向け操向ハンドル14に両手を添えたままで、指を用いて植付操作レバー52を簡単に操作できるため、植付操作性が大きく改善される構成としている。
【0020】
また、図3乃至図5に示すように、前記植付操作部52の周囲はケース53で覆われ、該ケース53の前面は、固定板54aを介して支持ステー54の上端に固定され、該支持ステー54の下端は、チルトハンドル操作レバー33等を連結したフロントフレーム38の下辺に、締結固定されている。そして、該フロントフレーム38の後部は、前記ステアリングコラム34から側方に延設された、右側板34aの前部に固定されると共に、フロントフレーム38の下辺と前端は、側面視Y字状の補強部材36を形成する二本の上パイプ36a・36bの上端に連結され、該補強部材36の下パイプ36cの下端は、車体フレーム3に突設された支持部材3aに固定されている。
【0021】
この際、前記ケース53の左側面にも、固定板55aを介して支持ステー55の上端が固定されており、該支持ステー55の下端も、前記下パイプ36c下端とともに、支持部材3a側面にボルト39によって共締め固定される構成となっている。
【0022】
このように、植付操作部52の側方は車体フレーム3により、前方は車体フレーム3とステアリングコラム34の両構成部材により、横と前の二方向から支持される構造であるため、植付操作部52を適正位置に確実に取り付けることができ、しかも、必要に応じて前記ボルト39等の締結具を緩めたり締め付けたりすることにより、前記植付操作レバー52の配置構成を微調整することができ、作業者の体格や癖などを考慮した配置構成に設定することができるようにしている。
【0023】
次に、植付操作部51の操作及び内部構成について、図3、図6乃至図9により説明する。図3、図6に示すように、植付操作部51の上面には植付操作レバー52を案内するガイド板56が作業者側に低く傾斜状に設けられ、該ガイド板56には、植付操作レバー52を内挿して所定の操作位置まで案内するガイド溝57を開口し、該ガイド溝57は、前後に直線状に開口した主溝57aと、該主溝57aの前後途中部から右方に延出した切欠き状の副溝57bと、主溝57a前部から左右に延出した副溝57cとから構成されている。
【0024】
そして、図7に示すように、前記ガイド溝57には、植付部15を上昇させる上位置52a、植付部15を下降させる下位置52b、植付部15を昇降中に任意高さへ固定する中立位置52d、植付部15を下降させた後に植付作業を開始(作業ON)する植付位置52c、及び収納されている左右の線引きマーカを解除して圃場上にセットするマーカ解除位置52e・52fとを設け、各操作位置まで前記植付操作レバー52を回動できるようにしている。
【0025】
このように、ガイド板56を作業者側が低くなるように傾斜状に配設して、操作モードを確認しやすくし、また、植付部15を任意高さに固定するための中立位置52dを、切欠き状の副溝57b内に配置するようにしたため、植付部15を所定高さに確実に保持することができ、路上走行や本発明のように後進走行を行う場合であっても、誤操作しないようにしている。
【0026】
また、植付操作部51の内部には、各操作位置まで回動した前記植付操作レバー52を弾性的に保持するためのデテント機構や、この保持を解除するためのデテント解除用アクチュエータ等が配設されている。
【0027】
これらのうち、まずデテント機構61について説明する。図8、図9に示すように、前記植付操作レバー52の下端部は、前記ケース53に枢支された操作レバー軸74に固定ピン77で固定され、該操作レバー軸74には、後辺に多数の凹部65aを設けたデテントカム65の前部が外嵌固定されており、該デテントカム65が植付操作レバー52の回動とともに回動できるようにしている。一方、ケース53には、レバー軸73を介してデテントレバー66の下端が枢支され、該デテントレバー66の上端はデテントばね70によりケース53に弾装されており、デテントレバー66途中部に設けた側面視波状のデテント板72を前記デテントカム65の方向に付勢して、デテントカム65の凹部65aにデテント板72の凸部を係合させ、植付操作レバー52を各操作位置に保持できるようにしている。
【0028】
すなわち、植付操作レバー52を各操作位置に保持できるようにしたため、植付操作レバー52の位置を視認しただけで現在の操作モードを把握でき、各操作モード間を迅速かつ確実に移行することができるのである。
【0029】
そして、前記デテントレバー66はレバー軸73を介して解除アーム71の後端に連結され、該解除アーム71の前端は係止部材68に開口された長孔68aに係合されており、該係止部材68はデテント解除用アクチュエータ63を構成するモータ軸63aに固設された回動アーム67に上下動可能に連結されている。一方、植付操作レバー52は、その上下途中部に一端を連結した操作レバー戻しバネ69を介し、前記ケース53内壁に弾装されている。
【0030】
このような構成において、デテント解除用アクチュエータ63を作動させると、係止部材68が引き上げられ、レバー軸73を中心にしてデテントレバー66が反時計方向に回動され、その結果、前記凹部65aとデテント板72の凸部との係合が外れてデテント機構61が解除されると共に、植付操作レバー52が前記操作レバー戻しバネ69の弾性によって前記上位置52aまで回動するようにしている。
【0031】
また、前記操作レバー軸74からは位置指示アーム75が垂設される一方、ケース53下部に配設したポテンショメータ式の操作位置検出センサ62からは、側面視二股状のセンシングアーム62aが延出され、該センシングアーム62aは、前記位置指示アーム75の下端から突設させた係止ピン76と係合されており、前記植付操作レバー52を回動するとセンシングアーム62aも回動し、操作位置検出センサ62が現在の操作位置を検出できるようにしている。
【0032】
また、図7乃至図9に示すように、ガイド板56の下方には左右マーカ解除用スイッチ43・44が配設されており、植付位置52cにおいて、植付操作レバー52を左右どちらかに傾動させることにより、左右いずれかのスイッチアーム43a・44aが押され、マーカ解除用スイッチ43・44が入る。これにより、植付操作レバー52が、植付位置52cにおいて、左右どちらに傾動されたかを検出できるようにしている。
【0033】
次に、以上のような構成よりなる植付操作部51を主体とした植付操作制御手段47について、図1、図7、10により説明する。図10に示すように、植付操作制御手段47はスイッチ・センサー部47aと駆動部47bとから構成され、いずれもコントローラ30と接続されている。そのうちのスイッチ・センサー部47aは、前記操作位置検出センサ62、前記左右マーカ解除用スイッチ43・44、後進検出スイッチ46、及び植付部高さを検出する昇降センサ45により構成され、駆動部47bは、前記昇降シリンダ28と該昇降シリンダ28への圧油の送油を切り換えるための電磁バルブ28a、植付クラッチ42と該植付クラッチ42を入切するためのリレー42a、マーカ解除用アクチュエータ41a、及び前記デテント解除用アクチュエータ63により構成されている。
【0034】
図7、図10に示すように、前記植付操作レバー52を上位置52a又は下位置52bまで回動すると、コントローラ30が、前記位置検出センサ62の検出結果をもとに、植付操作レバー52が保持されている現在の操作位置を認識し、前記電磁バルブ28aのソレノイドを操作して昇降シリンダ28を伸縮させ、植付部15を昇降するようにしている。そして、所定高さに達したところで、植付操作レバー52を中立位置52dまで回動すると、昇降シリンダ28の伸縮が停止し、植付部15はその高さに保持固定される。そして、前記植付操作レバー52を下位置52bよりも更に前方に回動して植付位置52cに保持すると、コントローラ30はリレー42aを操作して植付クラッチ42を入にして植付作業を開始できるようにしている。
【0035】
該植付位置52cにおいて、植付操作レバー52を左右どちらかに傾動させてマーカ解除位置52e・52fのいずれかに保持すると、コントローラ30は、植付部15の左右略中央部に配設した図1に示すマーカ解除装置41内にあるマーカ解除用アクチュエータ41aを作動させる。これにより、マーカ解除用アクチュエータ41aを構成するモータが作動し、一方の側のマーカ解除用ワイヤが摺動され、該マーカ解除ワイヤに対応した側の線引きマーカの係止が解除されるのである。
【0036】
また、前記主変速レバー5を設けた主変速部には、図1に示す後進検出スイッチ46が配設されており、該後進検出スイッチ46は、主変速レバー5が後進位置まで回動されると「入」になるように構成され、該「入」信号に基づいてコントローラ30は、モータ、ソレノイド等からなる前記デテント解除用アクチュエータ63を作動させる。これにより、前述した如くデテント機構61が解除されると、操作レバー戻しバネ69の弾性により植付操作レバー52が上位置52aまで回動するようにしている。
【0037】
すなわち、主変速レバー5を「後進位置」にするとデテント機構61が解除されて植付操作レバー52が上位置52aまで回動し、それに伴い、植付部15も上昇して、従来のいわゆるバック連動と同じ動作を行うことができる。しかも、主変速レバー5とデテント機構61の間は機械的でなく電気的に連結されているため、連結構造は至ってシンプルであり、部品点数も少なく、部品コストや組立コストが低くて済み、また、主変速レバー5等の操作力も小さくて済み、操作性が大きく向上するのである。
【0038】
また、植付部15の高さはポテンショメータ式の前記昇降センサ45により検出されるが、該昇降センサ45は、図1に示すように、前記ロワーリンク26に連結して配設されており、ロワーリンク26の変位量を検出する。この検出されたロワーリンク26の変位量に基づいて、コントローラ30が植付部15の高さを算出し、後述する基準高さ等の設定を行うようにしている。
【0039】
以上のような構成よりなる植付操作制御手段47よる後進時の植付部高さ制御について、フローチャートを中心に、図10乃至図12により説明する。図11に示すように、主変速レバー5を「後進位置」にして前記後進検出スイッチ46が「入」にされると(S1)、該後進検出スイッチ46と接続されたコントローラ30が「入」を検出し、前記デテント解除用アクチュエータ63を作動させ、デテント機構61を解除する(S2)。
【0040】
そして、デテント機構61解除後からの経過時間(以下「解除継続時間」とする)が基準時間を経過したものとコントローラ30が判断した場合には(S3)、前記デテント解除用アクチュエータ63を作動させ、デテント板72をデテントカム65に係合するようにして、植付操作レバー52が各操作位置に保持できるようにする(S4)。
【0041】
この状態で作業者が植付操作レバー52を各操作位置まで回動すると、コントローラ30が、前記位置検出センサ62の検出結果をもとにして昇降シリンダ28を伸縮させ、植付部15を昇降させることができる(S5)。なお、前記基準時間とは、デテント機構61解除後に植付操作レバー52が上位置52aまで回動するのに要する時間であり、解除継続時間経過の判断基準とするものであり、一定時間に設定される。
【0042】
すなわち、主変速レバー5を「後進位置」にすると、デテント機構61が解除され、植付操作レバー52が上位置52aに回動して植付部15が上昇するが、前記基準時間を経過すると直ちにデテント機構61が再作動して植付操作レバー52が使用可能な状態となり、該植付操作レバー52を操作して植付部15を適正な任意高さに設定し、後方を確認しながらの後進走行が迅速に行えるようにしている。
【0043】
また、解除継続時間を別の基準から求めた別形態の実施例について、図12により説明する。主変速レバー5を「後進位置」にして前記後進検出スイッチ46が「入」にされると(S6)、該後進検出スイッチ46に接続されたコントローラ30が「入」を検出して、前記昇降センサ45の検出したロワーリンク26の変位量に基づいて植付部15の高さを算出し、この時の植付部15の高さを基準高さとしてメモリーに記憶する(S7)。そして、前記デテント解除用アクチュエータ63を作動させて、デテント機構61を解除する(S8)。
【0044】
そして、前記操作レバー戻しバネ69により植付操作レバー52が上位置52aまで回動し、コントローラ30が、位置検出センサ62の検出結果をもとにし植付部15を上昇させるように指令を発する共に、メモリーから前記基準高さを読み出して植付部15の高さ(以下「植付高さ」とする)と比較し、該植付高さが基準高さよりも高い位置まで上昇したかを判断する(S9)。
【0045】
コントローラ30が、植付高さが基準高さよりも高い位置に上昇したと判断した場合には、前記デテント解除用アクチュエータ63を作動させてデテント板72をデテントカム65に係合するようにし、植付操作レバー52が各操作位置に保持できるようにする(S10)のである。
【0046】
すなわち、植付部15が実際に上昇状態にあることを確認してから初めて植付操作レバー52を使用できるようにしているため、前記基準時間が経過したにもかかわらず、昇降シリンダ28の性能等のばらつきにより植付部15が上昇状態にない場合であっても、植付部15が植付操作レバー52の誤操作により下降や植付動作して破損する等というトラブルを完全に防止することができる。また、このような構成とすることにより、植付部15が上昇状態に移行するまでの時間を最短時間に設定できるため、より迅速に植付高さの調整に取りかかることができるのである。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、次に示すような効果を奏する。
請求項1に記載の如く、植付操作部(51)に植付操作レバー(52)を配置し、該植付操作レバー(52)の回動保持と解除が可能な保持機構(61)を設け、該保持機構(61)はデテント解除用アクチュエータ(63)により保持・解除をする構成とし、該植付操作レバー(52)は、植付部(15)を上昇させる「上位置」(52a)、該植付部(15)を下降させる「下位置」(52b)、該植付部(15)を昇降中に任意高さへ固定する「中立位置」(52d)、該植付部(15)を下降させた後に植付作業を開始する「植付位置」(52c)、及び収納されている左右の線引きマーカを解除して圃場上にセットする「マーカ解除位置」(52e・52f)の、各操作位置へ回動操作して保持可能とし、主変速部には主変速レバー(5)を設け、該主変速レバー(5)の後進への切替を検知する後進検出スイッチ(46)を設け、該後進検出スイッチ(46)と前記デテント解除用アクチュエータ(63)とを連結連動し、該主変速レバー(5)を「後進位置」にすると、該後進検出スイッチ(46)と接続されたコントローラ(30)が、前記デテント解除用アクチュエータ(63)を作動させて保持機構(61)を解除し、該保持機構(61)の解除と共に、該植付操作レバー(52)を操作レバー戻しバネ(69)により、前記「上位置」(52a)に回動操作し、該植付部(15)を上昇させ、前記保持機構(61)の解除状態を設定時間継続するようにし、該設定時間は、該保持機構(61)の解除後に植付操作レバー(52)を「上位置」(52a)まで回動するのに要する時間とし、前記設定時間が経過すると、該デテント解除用アクチュエータ(63)により、該植付操作レバー(52)を該保持機構(61)により保持し、該植付操作レバー(52)を操作可能な状態とするので、植付操作レバーを各操作位置に保持でき、従来の植付操作レバーのように操作モード変更後は直ちに中立位置に復帰して操作モードが分かりにくくなるようなことはないため、植付操作レバーの位置を視認しただけで現在の操作モードを把握でき、各操作モード間を迅速かつ確実に移行することができる。
【0048】
更に、畦際等で方向転換等のために後進走行するような場合であっても、後進開始と同時に保持機構を解除して植付部を上昇状態にすると共に、植付操作レバーにより植付部の高さを簡単かつ迅速に調節できるため、植付部に視界が邪魔されることがない。後方を確認しながらの後進走行を行うことができ、運転操作性を大幅に向上させることができる。
また、この際の後進開始と植付部上昇との連結連動機構は電気的に制御しているため、従来の機械的連結に比べ、構成部品の数や種類は少なく部品コストや組立コストを低く抑えることができ、操作力も小さくできて植付操作性は向上し、更には、各装置もコンパクトな構成にして機体の小型化を促進することができるのである。
即ち、主変速レバー5とデテント機構61の間は機械的でなく電気的に連結されているため、連結構造は至ってシンプルであり、部品点数も少なく、部品コストや組立コストが低くて済み、また、主変速レバー5等の操作力も小さくて済み、操作性が大きく向上するのである。
【0049】
また、前記保持機構の解除を設定時間継続するようにしたので、植付部が上昇状態に移行してから植付操作レバーを操作できるようにしているため、後進走行中に植付部が下降や植付動作して破損する等のトラブルを防止することができる。
【0050】
請求項2のように、保持機構の解除継続設定時間は、前記主変速レバー(5)を後進に切り換えた時の、該植付部(15)の高さを算出し、該高さを基準高さとしてメモリーに記憶し、次に該植付部(15)が上昇し、前記記憶した植付部(15)の基準高さよりも、該植付部(15)が高くなるまでの時間とし、主変速を後進に切り換えた時の植付部の高さよりも、植付部が高くなるまでの時間に設定したので、植付部が実際に上昇するのを昇降センサ45で確認した場合に植付操作レバーを操作できるようにしているため、解除継続時間を最短時間に設定でき、より迅速に植付高さの調整に取りかかることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乗用田植機の全体側面図である。
【図2】 本発明に係わる植付操作部を有する機体前部の斜視図である。
【図3】 植付操作部の取付け構成を示す機体前部の側面一部断面図である。
【図4】 植付操作部の正面図である。
【図5】 同じく平面図である。
【図6】 同じくガイド溝の形状を示す平面図である。
【図7】 同じく植付操作レバーの位置と操作モードとの対応を示す平面図である。
【図8】 保持機構を示す側面一部断面図である。
【図9】 同じく正面一部断面図である。
【図10】 植付操作制御手段を示す制御ブロック図である。
【図11】 植付部高さ制御のフローチャート図である。
【図12】 別形態の植付部高さ制御のフローチャート図である。
【符号の説明】
15 植付部
51 植付操作部
52 植付操作レバー
52a 「上位置」
52b 「下位置」
52c 「植付位置」
52d 「中立位置」
52e・52f 「マーカ解除位置」
61 保持機構
62 後進検出手段
Claims (2)
- 植付操作部(51)に植付操作レバー(52)を配置し、該植付操作レバー(52)の回動保持と解除が可能な保持機構(61)を設け、該保持機構(61)はデテント解除用アクチュエータ(63)により保持・解除をする構成とし、該植付操作レバー(52)は、植付部(15)を上昇させる「上位置」(52a)、該植付部(15)を下降させる「下位置」(52b)、該植付部(15)を昇降中に任意高さへ固定する「中立位置」(52d)、該植付部(15)を下降させた後に植付作業を開始する「植付位置」(52c)、及び収納されている左右の線引きマーカを解除して圃場上にセットする「マーカ解除位置」(52e・52f)の、各操作位置へ回動操作して保持可能とし、主変速部には主変速レバー(5)を設け、該主変速レバー(5)の後進への切替を検知する後進検出スイッチ(46)を設け、該後進検出スイッチ(46)と前記デテント解除用アクチュエータ(63)とを連結連動し、該主変速レバー(5)を「後進位置」にすると、該後進検出スイッチ(46)と接続されたコントローラ(30)が、前記デテント解除用アクチュエータ(63)を作動させて保持機構(61)を解除し、該保持機構(61)の解除と共に、該植付操作レバー(52)を操作レバー戻しバネ(69)により、前記「上位置」(52a)に回動操作し、該植付部(15)を上昇させ、前記保持機構(61)の解除状態を設定時間継続するようにし、該設定時間は、該保持機構(61)の解除後に植付操作レバー(52)を「上位置」(52a)まで回動するのに要する時間とし、前記設定時間が経過すると、該デテント解除用アクチュエータ(63)により、該植付操作レバー(52)を該保持機構(61)により保持し、該植付操作レバー(52)を操作可能な状態とすることを特徴とする田植機の植付部位置制御機構。
- 植付操作部(51)に植付操作レバー(52)を配置し、該植付操作レバー(52)の回動保持と解除が可能な保持機構(61)を設け、該保持機構(61)はデテント解除用アクチュエータ(63)により保持・解除をする構成とし、該植付操作レバー(52)は、植付部(15)を上昇させる「上位置」(52a)、該植付部(15)を下降させる「下位置」(52b)、該植付部(15)を昇降中に任意高さへ固定する「中立位置」(52d)、該植付部(15)を下降させた後に植付作業を開始する「植付位置」(52c)、及び収納されている左右の線引きマーカを解除して圃場上にセットする「マーカ解除位置」(52e・52f)の、各操作位置へ回動操作して保持可能とし、主変速部には主変速レバー(5)を設け、該主変速レバー(5)の後進への切替を検知する後進検出スイッチ(46)を設け、該後進検出スイッチ(46)と前記デテント解除用アクチュエータ(63)とを連結連動し、該主変速レバー(5)を「後進位置」にすると、該後進検出スイッチ(46)と接続されたコントローラ(30)が、前記デテント解除用アクチュエータ(63)を作動させて保持機構(61)を解除し、該保持機構(61)の解除と共に、該植付操作レバー(52)を操作レバー戻しバネ(69)により、前記「上位置」(52a)に回動操作し、該植付部(15)を上昇させ、前記保持機構(61)の解除状態を設定時間継続するようにし、該設定時間は、前記主変速レバー(5)を後進に切り換えた時の、該植付部(15)の高さを算出し、該高さを基準高さとしてメモリーに記憶し、次に該植付部(15)が上昇し、前記記憶した植付部(15)の基準高さよりも、該植付部(15)が高くなるまでの時間とし、前記設定時間が経過すると、該保持機構(61)を再作動させ、該植付操作レバー(52)を該保持機構(61)により保持し、該植付操作レバー(52)を操作可能な状態とすることを特徴とする田植機の植付部位置制御機構。
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JP31733399A JP4352420B2 (ja) | 1999-11-08 | 1999-11-08 | 田植機の植付部位置制御機構 |
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-
1999
- 1999-11-08 JP JP31733399A patent/JP4352420B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2001128518A (ja) | 2001-05-15 |
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