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JP4344155B2 - 表面処理亜鉛めっき鋼板および表面処理液 - Google Patents

表面処理亜鉛めっき鋼板および表面処理液 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理亜鉛めっき鋼板および亜鉛めっき鋼板の表面処理液に関する技術分野に属し、特には、亜鉛めっき鋼板の耐食性を向上するための表面処理液、及び、この表面処理液を亜鉛めっき鋼板に塗布した表面処理亜鉛めっき鋼板に関する技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛めっき鋼板等の金属板は保管時に大気中の水分などと反応し、表面に白錆が発生して外観を著しく損なうという問題を抱えている。このため、亜鉛めっき鋼板等の金属板の耐食性向上のために従来はクロメート処理が施されてきた。
【0003】
クロメート処理は処理液中に環境に有害なフッ化物イオン、クロム酸イオン等を含むため、環境負荷が大きく、また、皮膜中に含まれる6価クロムイオンの溶出が避けられないため、人体への有害性も懸念されている。このため、有害なイオンを含まない処理浴を用いて表面処理を行い、耐食性を有している新規なノンクロメート処理方法が切望されている。
【0004】
このようなノンクロメート処理については多数の報告がある。これらの中、リン酸マグネシウム塩とコロイダルシリカを主体とした発明としては、特開2000−79370号公報(特許文献1)、特開2000−144444号公報(特許文献2)、特開平11−315386号公報(特許文献3)に記載されたものなどがある。しかし、これらの発明においてはモリブデン酸の添加については言及されていないか、されていても実施例はなく、基本的には重リン酸マグネシウムとコロイダルシリカの組合せによるものであり、この組合せによるのでは耐食性が不十分であることが本発明者らの研究によって確認されている。更に、特開昭52−90435号公報(特許文献4)においては、ケイ酸を含む水溶液に、さらにリン酸イオン、モリブデン酸イオンなどを添加した処理液を用いる処理法が報告されているが、やはりこの処理液によるのでは耐食性は不十分であることが本発明者らの研究によって確認されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−79370号公報
【特許文献2】
特開2000−144444号公報
【特許文献3】
特開平11−315386号公報
【特許文献4】
特開昭52−90435号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、白錆発生等に対する耐食性を向上することができるノンクロメート処理技術、即ち、ノンクロメート処理液であって亜鉛めっき鋼板の耐食性を向上させることができる表面処理液、及び、ノンクロメート処理液による処理で得られると共に優れた耐食性を有する表面処理亜鉛めっき鋼板を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板および表面処理液は、請求項1記載の表面処理亜鉛めっき鋼板、請求項2記載の表面処理液としており、それは次のような構成としたものである。
【0008】
即ち、請求項1記載の表面処理亜鉛めっき鋼板は、亜鉛とマグネシウムのリン酸塩に、コロイダルシリカとモリブデン酸を含有し、それぞれの含有量が原子分率で、
2.0mMol/m2 ≦P≦8.0mMol/m2
1.0mMol/m2 ≦Zn≦6.0mMol/m2
0.5mMol/m2 ≦Mg≦2.0mMol/m2
0.5mMol/m2 ≦Si≦2.0mMol/m2
0.2mMol/m2 ≦Mo≦0.5mMol/m2
である皮膜が表面に形成されていることを特徴とする表面処理亜鉛めっき鋼板である。
【0009】
請求項2記載の表面処理液は、モリブデン酸イオン:0.02〜0.08Mol/L、マグネシウムイオン:0.15〜0.5Mol/L、リン酸イオンまたは重リン酸イオン:0.4〜1Mol/L、コロイダルシリカ:0.15〜0.5Mol/Lを含有し、pHが2〜3.5の水溶液である亜鉛めっき鋼板の表面処理液である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は例えば次のようにして実施する。
モリブデン酸イオン:0.02〜0.08Mol/L、Mgイオン(マグネシウムイオン):0.15〜0.5Mol/L、リン酸イオン又は重リン酸イオン:0.4〜1Mol/L、コロイダルシリカ:0.15〜0.5Mol/Lを含有し、pHが2〜3.5の水溶液を調製して準備する。この水溶液は、本発明に係る亜鉛めっき鋼板の表面処理液に相当する。
【0011】
上記水溶液(表面処理液)を亜鉛めっき鋼板に塗布した後、乾燥させる。そうすると、亜鉛めっき鋼板表面に皮膜が形成され、本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板が得られる。
【0012】
このような形態で本発明が実施される。以下、本発明について主にその作用効果を説明する。
【0013】
本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板は、前述のように、亜鉛とマグネシウムのリン酸塩に、コロイダルシリカとモリブデン酸を含有し、それぞれの含有量が原子分率で、
2.0mMol/m2 ≦P≦8.0mMol/m2
1.0mMol/m2 ≦Zn≦6.0mMol/m2
0.5mMol/m2 ≦Mg≦2.0mMol/m2
0.5mMol/m2 ≦Si≦2.0mMol/m2
0.2mMol/m2 ≦Mo≦0.5mMol/m2
である皮膜が表面に形成されている。
【0014】
この皮膜は、本発明に係る亜鉛めっき鋼板の表面処理液を塗布し乾燥することにより形成することができる。この表面処理液はノンクロメート処理液である。この皮膜は防食機能に優れており、このため、この皮膜が形成された本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板は、優れた耐食性を有する。
【0015】
従って、本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板は、ノンクロメート処理液による処理で得られると共に優れた耐食性を有する。
【0016】
本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板における組成物の作用効果とその含有量の影響等について、以下、説明する。
【0017】
コロイダルシリカについては、腐食環境中で亜鉛が腐食する場合にカソードでシリカが溶出し該溶出シリカがアノードで溶出亜鉛と不溶性化合物を形成することにより、亜鉛の溶出を抑制する作用効果がある。Siの原子分率で、Si<0.5mMol/m2 とした場合では、前記効果は不十分であり、一方、Si>2.0mMol/m2 とした場合では、皮膜に微細なクラックが発生して耐食性がかえって低下する。
【0018】
モリブデン酸については、リン酸マグネシウム−リン酸亜鉛混合皮膜を補強する働きを持ち、また、亜鉛の溶解に対するインヒビターとして働く。更に、リン酸イオンおよびマグネシウムイオンと反応し、Mg3[P(Mo12O40)2]に代表される水溶性のヘテロポリモリブデン酸塩を皮膜中に形成する。このイオンは、湿潤環境などの腐食環境で溶解して移動できるため、腐食が生ずるとアノード領域で溶解した亜鉛イオンと反応して不溶性のZnMoO4を形成することにより、亜鉛イオンを皮膜中に固定化して白錆の発生を抑制することができる。Moの原子分率で、Mo<0.2mMol/m2 とした場合では、前記のような効果は不十分であり、Mo>0.5mMol/m2 とした場合では、前記のような効果は飽和する。
【0019】
リン酸、マグネシウム、亜鉛については、処理浴中のマグネシウムと、亜鉛めっきが溶解されて生ずる亜鉛イオンが反応して、不溶性のリン酸塩化合物を形成し、その際にコロイダルシリカを皮膜中に固定化する。更に、前記のように(モリブデン酸の作用効果の説明の個所で述べたように)、マグネシウムイオンは皮膜中でヘテロポリモリブデン酸塩を安定に存在させるために必要不可欠であり、また、これらの組合せにより従来技術(従来のノンクロメート処理技術)の場合よりも優れた耐食性を発揮する。P、Mg、Znの原子分率で、P<2.0mMol/m2 、Mg<0.5mMol/m2 、Zn<1.0mMol/m2 の1種以上とした場合では、コロイダルシリカを保持するための十分な皮膜が得られない。P>8.0mMol/m2 、Mg>2.0mMol/m2 、Zn>6.0mMol/m2 の1種以上とした場合では、下記の理由により耐食性が悪化する。
【0020】
リン酸の場合については、皮膜中に易溶解成分が増加するため耐食性が悪化する。マグネシウムの場合については、皮膜中にリン酸マグネシウムではなく水酸化マグネシウムなどのリン酸塩よりも溶解度が大きな塩が形成されるため、耐食性が悪化する。亜鉛の場合については、リン酸亜鉛の結晶が成長してコロイダルシリカの保持性が低下するとともに、皮膜全体が粗となるため、耐食性が悪化する。
【0021】
なお、金属イオンについては、含有されるモリブデン酸、Mgの金属イオンの含有量以下の含有量である。
【0022】
前記の作用効果は表面処理皮膜の表面にさらに有機樹脂皮膜が形成されても有効である。このような場合は、例えば以下に示す方法などにより、その皮膜成分を求めることができる。
【0023】
即ち、有機皮膜が形成されたままの試料を酸などで溶解して溶出したリン酸、モリブデン酸、マグネシウムの単位面積当りのモル分率〔それぞれM(P),M(Mo),M(Mg),M(Si)〕を求める。
【0024】
皮膜に含まれる亜鉛の量(Zn)は亜鉛めっき鋼板からの溶出量と区別するため、次の方法で求める。有機溶媒などにより有機皮膜を除去し、XPS(X線光電子分光)測定により、亜鉛のピークが金属亜鉛に相当するピークとなるまで、表面から酸素、亜鉛、モリブデン、リン、マグネシウム、シリコンの原子濃度プロファイルを求める。表面処理皮膜の厚さは、モリブデン、リン、マグネシウムまたはシリコンの原子濃度がそれぞれの最大値の1/2となる深さのうち最大のものとする。モリブデンの原子濃度プロファイルを深さ方向に積分して、皮膜中に含まれるモリブデン濃度C(Mo)を求める。同様に表面から皮膜厚さまでの範囲で亜鉛の原子濃度プロファイルを積分した値をC(Zn)とし、下記式にしたがって亜鉛の量M(Zn)を算出する。
M(Zn)=C(Zn)/C(Mo)×M(Mo)
【0025】
皮膜中のシリカの量M(SiO2 )は上記XPSにおいてシリコンのピークをピーク分離することにより全Si量に対するSiO2 に相当するシリコンの割合わ求め、上記M(Si)に乗ずることにより求める。
【0026】
本発明に係る亜鉛めっき鋼板の表面処理液は、前述のように、モリブデン酸イオン:0.02〜0.08Mol/L、Mgイオン(マグネシウムイオン):0.15〜0.5Mol/L、リン酸イオンまたは重リン酸イオン:0.4〜1Mol/L、コロイダルシリカ:0.15〜0.5Mol/Lを含有し、pHが2〜3.5の水溶液である。この表面処理液によれば、前述の本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板を得ることができる。即ち、この表面処理液を亜鉛めっき鋼板に塗布し乾燥することにより、本発明の表面処理亜鉛めっき鋼板に係る皮膜を表面に形成することができ、それにより、本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板が得られる。
【0027】
本発明に係る亜鉛めっき鋼板の表面処理液における組成物等の数値限定理由と組成物含有量の影響等について、以下、説明する。
【0028】
リン酸イオン(または重リン酸イオン):0.4Mol/L未満とした場合には、皮膜が形成されない。マグネシウムイオン:0.15Mol/L未満とした場合にも、同様に皮膜が形成されない。モリブデン酸イオン:0.02Mol/L未満とした場合にも、同様に皮膜が形成されない。一方、リン酸イオン(または重リン酸イオン):1Mol/L超、マグネシウムイオン:0.5Mol/L超、モリブデン酸イオン:0.08Mol/L超の1種以上とした場合には、リン酸イオン、マグネシウムイオン、モリブデン酸イオンなどが反応して沈殿が生じて、処理浴とならない。
【0029】
コロイダルシリカについては、0.15Mol/L未満とした場合には、得られる皮膜のコロイダルシリカの含有量がSiの原子分率で0.5mMol/m2 未満となり、本発明の表面処理亜鉛めっき鋼板に係る組成の皮膜が得られない。コロイダルシリカ:0.5Mol/L超とした場合には、皮膜中に含有されるコロイダルシリカ量がSiの原子分率で2.0mMol/m2 を超え、皮膜中にクラックが生じて耐食性が低下する。
【0030】
pHについては、pH2未満とした場合には、亜鉛が過剰に溶解され、リン酸亜鉛主体の皮膜となり、このため耐食性が低下する。pH3.5超とした場合には、反応性が低下し、皮膜中の亜鉛が不足し、かつ、水酸化マグネシウムが生じて、耐食性が低下する。
【0031】
本発明において、リン酸イオンはリン酸基を含むイオンの総称であり、リン酸イオンとしては通常のリン酸イオンの他、重リン酸イオンやポリリン酸イオンでもよい。
【0032】
亜鉛めっき鋼板(表面処理亜鉛めっき鋼板の母材、即ち、表面処理液が塗布される前の亜鉛めっき鋼板)としては、純亜鉛めっき鋼板すなわち非合金系亜鉛めっき鋼板(めっき層:亜鉛)の他、合金亜鉛めっき鋼板(めっき層:亜鉛合金)を用いることができる。合金亜鉛めっき鋼板としては、Zn−Al合金めっき鋼板等を挙げることができる。
【0033】
本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板の皮膜において、前述の組成物の他に、不可避的に、S等のカルコゲナイド、Cl等のハロゲンの量がPを超えない範囲で含まれてもよい。また、Zn、Mg、Mo以外の金属については、0.2mMol/m2 以下の量で含まれてもよく、また、皮膜中のZn、Mg、Moの含有量の最小値を超えない範囲で含まれてもよい。
【0034】
mMol/m2 は、表面処理亜鉛めっき鋼板1m2 あたり(即ち、皮膜の表面積1m2 あたり)の原子分率(mMol)である。例えば、皮膜中のモリブデン酸の含有量が、Moの原子分率で、0.2mMol/m2 ≦Mo≦0.5mMol/m2 の場合、皮膜の表面積1m2 あたり(即ち、表面処理亜鉛めっき鋼板1m2 あたり)のMo量が0.2mMol以上、0.5mMol以下であることを意味する。
【0035】
【実施例】
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0036】
モリブデン酸アンモニウム、リン酸Mg第二・三水和物を水に添加して溶解した後、コロイダルシリカ(日産化学社製「ST-O」)を添加し、しかる後、リン酸水溶液またはアンモニア水溶液を添加してpH調整を行い、これにより、亜鉛めっき鋼板の表面処理液を得た。このとき、リン酸水溶液は、リン酸(和光純薬工業株式会社製、特級)に水を混合して調製した。
【0037】
電気亜鉛めっき鋼板(純亜鉛めっき鋼板すなわち非合金系亜鉛めっき鋼板)をファインクリーナー(日本ペイント製)により脱脂した後、前記表面処理液をスプレーし、次いでローラーで余分な表面処理液を絞って除去した後、100℃で乾燥して皮膜を形成した。これにより、表面処理亜鉛めっき鋼板を得た。
【0038】
このようにして得られた表面処理亜鉛めっき鋼板から試料を採取し、その試料のSi付着量を島津製の蛍光X線測定装置にて評価し、表面処理液の濃度を調整して目的の付着量とした。コロイダルシリカによるSi量は、XPSによりSiO2中のSiと計算中のSiの比を求め、これと蛍光X線から得られたSi量から求めた。ただし、Si付着量を変化させるNo.15 〜18についてはNo.1の希釈率を適用した。組成については同様に蛍光X線により評価した。
【0039】
含有成分については直径25.4mmの範囲を5点測定し、さらにコロイダルシリカについてはXPSにより直径5mmの部分を測定してSiO2成分の割合を求めた。
【0040】
前記表面処理亜鉛めっき鋼板から採取した試料を用いて、SST試験(塩水濃度:5%、35℃の塩水噴霧試験)を行った。耐食性は、SST試験において白錆発生率が5%となる時間で評価し、12時間以下を×(耐食性不良)、12〜24時間を△(×よりは良いものの耐食性不充分)、24時間以上を○(耐食性良好)、48時間以上を◎(優:○よりも優れる)とした。
【0041】
上記耐食性試験(SST試験)の結果を、表面処理液の組成および表面処理亜鉛めっき鋼板の皮膜の組成とともに表1〜3に示す。
【0042】
リン酸イオン、Mgイオン、モリブデン酸イオンの1種以上が本発明に係る亜鉛めっき鋼板の表面処理液の組成の上限値を超えている場合は、表面処理液(処理浴)に沈殿が生じて処理できなかった。即ち、リン酸イオン:1Mol/L超、Mgイオン:0.5Mol/L超、モリブデン酸イオン:0.08Mol/L超のいずれかの場合、または、2種以上の場合には、表面処理液に沈殿が生じて処理できなかった。
【0043】
その他の比較例においては、このようなことがなく、処理はできたが、耐食性が×(耐食性不良)または△(×よりは良いものの耐食性不充分)であった。特に、Mgイオン、モリブデン酸イオンが不足する場合、即ち、Mgイオン:0.15Mol/L未満、及び/又は、モリブデン酸イオン:0.02Mol/L未満の場合には、著しい耐食性の劣化が生じ、耐食性が悪い。なお、No.23 のものは、特開昭52−90435号公報(特許文献4)に記載されたノンクロメート処理方法によるものの一例に相当する。No.25 〜26のものは、特開2000−144444号公報(特許文献2)に記載されたノンクロメート処理方法によるものの一例に相当する。
【0044】
これに対して、本発明の実施例の場合には、耐食性が○(耐食性良好)または◎(優:○よりも優れる)であった。
【0045】
【表1】
Figure 0004344155
【0046】
【表2】
Figure 0004344155
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る表面処理亜鉛めっき鋼板は、ノンクロメート処理液による処理で得られると共に優れた耐食性を有し、このため、その製造に際して環境負荷を小さくすることができ、また、6価クロムイオンの溶出がなく、それによる有害性を改善することができるという効果を奏する。
【0048】
本発明に係る亜鉛めっき鋼板の表面処理液はノンクロメート処理液であって、この表面処理液によれば、ノンクロメート処理によって亜鉛めっき鋼板の耐食性を向上させることができ、優れた耐食性を有する表面処理亜鉛めっき鋼板を得ることができる。

Claims (2)

  1. 亜鉛とマグネシウムのリン酸塩に、コロイダルシリカとモリブデン酸を含有し、それぞれの含有量が原子分率で、
    2.0mMol/m2 ≦P≦8.0mMol/m2
    1.0mMol/m2 ≦Zn≦6.0mMol/m2
    0.5mMol/m2 ≦Mg≦2.0mMol/m2
    0.5mMol/m2 ≦Si≦2.0mMol/m2
    0.2mMol/m2 ≦Mo≦0.5mMol/m2
    である皮膜が表面に形成されていることを特徴とする表面処理亜鉛めっき鋼板。
  2. モリブデン酸イオン:0.02〜0.08Mol/L、マグネシウムイオン:0.15〜0.5Mol/L、リン酸イオンまたは重リン酸イオン:0.4〜1Mol/L、コロイダルシリカ:0.15〜0.5Mol/Lを含有し、pHが2〜3.5の水溶液である亜鉛めっき鋼板の表面処理液。
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