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JP4344143B2 - 風味の良いgaba高含有乳酸菌発酵飲食品及び調味食品の製造法 - Google Patents

風味の良いgaba高含有乳酸菌発酵飲食品及び調味食品の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、果実や野菜、果汁や野菜汁、或いは豆乳や麦芽汁等を原料とする各種の飲食品や調味食品の製造において、その飲食品中にγ−アミノ酪酸を高含有させ、且つ、風味の良い飲食品又は調味食品、或いはそれらの素材を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
γ−アミノ酪酸(γ−amino butyric acid 、以下「GABA」と略す)は、生物界に広く分布する非タンパク質アミノ酸で、生体内では抑制性の神経伝達物質として機能していることが知られている(上野義栄他、京都M&T総合センター情報、1999.6 研究報告)。また、GABAは、いろいろな生理機能を有することが知られてきており、血圧降下作用(日本食品科学工学会誌、49、409−415、2002)を始め、動脈硬化予防、肝機能改善、腎機能向上、精神安定等の作用が報告されている(大阪生物環境科学研究所レポート「GABA高濃度発酵エキス」(2002);上野義栄他、京都M&T総合センター情報、2001.6 研究報告)。
【0003】
食品では、このGABAは玄米、紅麹、茶、一部の野菜や果実等の食品に含まれている自然のアミノ酸の一種であるが、これらは微量しか存在せず(大阪生物環境科学研究所レポート「GABA高濃度発酵エキス」(2002))、元来の生理機能を発現するのに有効な含量のGABAを含有する食品ではなかった。そこで、食品中のGABA含量を増加する方法が種々検討された。これらに対応する方法として、大きく2種類の方法がこれまで報告されている。一つは、GABA或いはエキス化したGABAを食品に添加する方法と、もう一つは、乳酸菌を当該の食品で発酵させるか或いはグルタミン酸と酵素を作用させGABAを生産する方法が提案された。
【0004】
前者の方法については、GABAの生産方法として、合成による方法或いは天然素材の培地で、選抜或いは育種した、高濃度にGABAを生産する乳酸菌を発酵させる方法(大阪生物環境科学研究所レポート「GABA高濃度発酵エキス」(2002);早川 潔他、京都M&T総合センター情報、1991.1 研究報告;特開2000−210075号公報)、及び、グルタミン酸或いはこれを含む原料に酵素(グルタミン酸脱炭酸酵素)を反応させ、高濃度にGABAを生産する方法が提案された。
これらは既存の食品に、後からGABAを添加するという形態をとるため、化学物質の添加物を加えるというイメージの悪さと、工業的製造工程としては、加える当該食品や飲料等の製造操作が増えるという問題を生起すると共に、且つ製造のための培地由来の香味原因物質が、添加の際、食品に移行し、食品本来の香味を損なったり、さらには微生物汚染が発生するなどの懸念を生じた。したがって、食品製造における製造面及び品質面での不自然さを生じることとなった。
【0005】
一方、後者の乳酸菌を当該の食品で発酵させるか或いはグルタミン酸と酵素を作用させ、GABAを生産する方法では(特開平3−236763号公報)、食品によって、必ずしも当該の食品中で乳酸菌が発酵するとは限らず、また、発酵しても乳酸菌がGABAを生産するとは限らないという問題があった。また、場合によっては、乳酸菌の発酵により当該食品の香味が損なわれる可能性も非常に高く、各種飲食品によって、その食品における乳酸菌発酵の条件を満たす乳酸菌株は非常に限定されてしまうという制約があった。これまで、GABA生産能の非常に高い乳酸菌としてはキムチや漬物から単離されたり、これを育種した株についての報告があるが、これらの菌株については必ずしもその菌株の性質や安全性等については充分な考慮がなされておらず、例えば、先述のように、この種の菌株を食品の発酵に用いた場合に、例えば漬物臭やダイアセチル臭のような不快な香味を、食品に付加するようなことも考えられた。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−210075号公報。
【特許文献2】
特開平3−236763号公報。
【非特許文献1】
上野義栄他、京都M&T総合センター情報、1999.6 研究報告。
【非特許文献2】
日本食品科学工学会誌、49、409−415(2002)。
【非特許文献3】
大阪生物環境科学研究所レポート「GABA高濃度発酵エキス」(2002)。
【非特許文献4】
上野義栄他、京都M&T総合センター情報、2001.6 研究報告。
【非特許文献5】
早川 潔他、京都M&T総合センター情報、1991.1 研究報告。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、果実や野菜、果汁や野菜汁、或いは豆乳や麦芽汁等を原料とする各種の飲食品や調味食品の製造において、その飲食品中にGABAを高含有させ、且つ、風味の良い飲食品又は調味食品、或いはそれらの素材を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意研究した結果、飲食品又は調味食品の原料に、グルタミン酸又はグルタミン酸含有物と、γ−アミノ酪酸生産能を有する乳酸菌株とを添加して乳酸菌発酵を行うことにより、GABA含量の高い、しかも、風味が良い高い品質の飲食品又は調味食品を製造することができることを見い出し、更に、この方法が、各種飲食品及び調味食品に適用できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の方法は、果実や野菜、果汁や野菜汁、或いは豆乳や麦芽汁等を原料とする各種の飲食品や調味食品の製造に適用することができ、その飲食品中にGABAを高含有させ、しかも、上記のように風味が良く、なおかつ、発酵によりダイアセチル臭を始めとした不快な臭味を呈し当該食品の香味が損なわれる可能性が殆どない飲食品や調味食品の製造方法を提供するものである。また、本発明の方法は、果実や野菜を処理したものを主原料とした抽出液、ペーストなど様々の形態の加工物においても、グルタミン酸或いはその含有物の添加により、本発明の方法を適用できるものであり、更に、本来トマトのようにグルタミン酸を含有していても乳酸菌によりGABAが生産されない素材でも、乳酸菌の優れた発酵性と増殖速度の速さを示して高濃度にGABAを生産することが可能となる。本発明の方法は、飲食品や調味食品の素材に対しても適用することが可能である。
【0010】
すなわち具体的には本発明は、果汁、野菜汁及び麦芽汁のうち少なくとも1種以上に、グルタミン酸又はグルタミン酸含有物と、ラクトバチルス ブレビスIFO3345株、ラクトバチルス ブレビスIFO3960株、ラクトバチルス ブレビスIFO12005株、ラクトバチルス ブレビスIFO12520株、ラクトバチルス ブレビスIFO13109株、ラクトバチルス ブレビスIFO13110株のいずれか1種又は2種以上の菌株の組み合わせからなるラクトバチルス ブレビスに属する乳酸菌株とを添加して乳酸菌発酵を行うことを特徴とするγ−アミノ酪酸高含有乳酸菌発酵飲料の製造法(請求項1)や、果汁、野菜汁及び麦芽汁のうち少なくとも1種以上からなる乳酸菌発酵飲料原料に対して、グルタミン酸又はグルタミン酸含有物を、グルタミン酸換算濃度として、0.01〜10.0W/W%添加したことを特徴とする請求項1記載のγ−アミノ酪酸高含有乳酸菌発酵飲料の製造法(請求項2)からなる。
【0011】
また本発明は、請求項1又は2のいずれか記載の製造法によって製造されたγ−アミノ酪酸高含有乳酸菌発酵飲料に関する
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、飲食品又は調味食品原料に、グルタミン酸又はグルタミン酸含有物と、γ−アミノ酪酸生産能を有する乳酸菌株とを添加して乳酸菌発酵を行うことにより、GABAを高含有し、しかも風味が良い乳酸菌発酵飲食品又は調味食品を製造することよりなる。
本発明の方法で用いられる乳酸菌、原料、原料の調製法、発酵方法等について、以下に詳述する。
【0013】
1.乳酸菌
本発明の方法において用いることのできる乳酸菌は、GABA生産能を有する乳酸菌、すなわち、本来GABAを高生産でき、果実や野菜の加工物中で増殖可能かつ増殖速度が速いことが必須となる。そしてダイアセチル臭を始めとした不快な臭味を呈さないことも乳酸菌の具備すべき重要な性質である。このような乳酸菌として、ラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis)が適している。本発明の方法に適合できる好ましい乳酸菌株としては、ラクトバチルス ブレビスIFO3345株、ラクトバチルス ブレビスIFO3960株、ラクトバチルス ブレビスIFO12005株、ラクトバチルス ブレビスIFO12520株、ラクトバチルス ブレビスIFO13109株、ラクトバチルス ブレビスIFO13110株を挙げることができる。該菌株は、IFOの微生物保存機関から、同IFO菌株番号として入手することができる。本発明において、これらの乳酸菌株を用いる場合は、単独で用いてもよいし、複数の乳酸菌株を適宜組合わせて用いてもよい。添加したグルタミン酸を完全にGABAに変換することが必要な場合には、やや過剰な乳酸菌を添加することも可能である。
【0014】
2.原料
本発明で使用する原料としての果実や野菜は、果実は例えばりんご、ミカン、いちご、もも、あんず、バナナ、メロン、ラフランス、すいか、かき、ぶどう、いちじくなど、野菜は例えばキャベツ、トマト、にんじん、はくさい、きゅうり、ほうれんそう、レタス、セロリ、はくさい、大根、たまねぎ、えんどう、なす、しいたけ、まいたけ、しめじ、えのきだけなど、また、果汁や野菜汁は上記各種果実や野菜の水抽出物であり、さらには豆乳、麦芽汁(麦芽或いは麦芽と穀類、澱粉などの混合物を粉砕糖化、又は麦芽エキス或いは麦芽エキスと穀類、澱粉などの混合物を溶解した水溶物)など上記乳酸菌が増殖可能でない限り全て利用できる。麦芽汁の調製法は所定の目的に合うならば特に限定されないが、1例を挙げると、300gの麦芽をミルで粉砕し、これに45℃の水1.8Lを加え、1分間に1℃の速度で加温し、70℃になった時点で30分間これを維持する。その後これをろ過し、その上澄液を回収し、目的とする糖濃度(Brix換算)(例えば実施例では10°)になるように水を加えて調整する。これら原料とする果実、野菜、果汁、野菜汁、豆乳、麦芽汁等は、単独或いはいろいろな組み合わせによって利用することが可能である。これら原料とする果実、野菜、果汁、野菜汁、豆乳、麦芽汁等は固形物濃度として1〜40W/W%が良く、好ましくは5〜25W/W%が良い。また、麦芽汁は0.1〜20W/W%が良く、好ましくは0.1〜15W/W%が良い。
【0015】
3.原料の調製法
果実や野菜、果汁、野菜汁、豆乳、麦芽汁等の原料は洗浄、選別後、切断、微細化或いは破砕など任意の方法で処理し、さらに目的に応じて抽出、搾汁、濃縮、加熱殺菌或いは薬剤殺菌などの任意の調製を行なえば良い。また、必要に応じてpH調整、加糖、香料、香辛料などの添加が行なわれる。なお原料の水分含量は目的に応じて任意の量をとることが可能である。ここで添加するグルタミン酸量は、本来原料中に含まれているグルタミン酸が利用できる場合はそのまま利用し、不足する量を添加して補うことができる。グルタミン酸の添加は、香味付与に適した量のグルタミン酸そのままを添加することができるが、場合によりグルタミン酸ナトリウムのような調味料や酵母エキス(酵母抽出物:酵母菌体の自己消化物を抽出した水溶性抽出物)などのようにこれを含有する調味料の形で加えることもできる。酵母エキスは市販品(DIFCO社等)或いは自家調製何れでも構わない。例えばグルタミン酸換算濃度として、0.01〜10.0W/W%が良く、好ましくは0.1〜1.0W/W%が良い。
【0016】
4.発酵
発酵に際しては、予め原料の一部に、必要により培地成分を添加して,前培養を行っておくのが良い。用いる乳酸菌株としては、単独或いは複数の混合状態で用いることができる。
原料培地に上記乳酸菌の単独或いは複数の混合状態での前培養液を、割合として0.1〜20.0W/W%、好ましく0.1〜10.0W/W%添加し、通常20〜40℃で、発酵時間12〜120時間、好ましくは12〜72時間発酵する。発酵は、撹拌しながら発酵させるのが好ましい。撹拌や通気は最終的な発酵産物内での乳酸菌菌数や増殖量に影響がある。目的の品質に応じて、最適な発酵条件を適宜採用すれば良い。
【0017】
5.発酵物の評価
上記各種条件で得られた発酵物は、以下に示す手法によって評価する。その概略は以下の通りである。GABAは、得られた発酵物を遠心分離処理(10000rpm×5分)及び樹脂フィルター(0.2μm、ミリポア製)で除タンパク処理後に、液体クロマトグラフィー(システムインスツルメンツアミノアナライザー24型、カラム;強酸性陽イオン交換樹脂カラム(システムインスツルメンツ)、バッファー組成;塩化リチウム−クエン酸−チオジエタノール等の水溶液混合物(システムインスツルメンツ)、流量;0.45ml/min)によるアミノ酸分析(上野義栄他、「乳酸菌の生理活性作用の利用」けいはんなRSP事業可能性試験報告書、63−68(2001))により、発酵物重量100g当たりのmgとして算出する。また官能評価は、ヒトパネルを用いた採点評価により実施する。
【0018】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例1.各種原料を用いた発酵物の製造及び該発酵物中のGABA濃度
固形物濃度10%に調製したトマト、にんじん、セロリ、豆乳及びBrix10°に調製した麦芽汁(300gの麦芽をミルで粉砕し、これに45℃の水1.8Lを加え、1分間に1℃の速度で加温し、70℃になった時点で30分間これを維持する、その後これをろ過し、その上澄液を回収し、目的とする糖濃度(Brix換算)(例えば実施例では10°)になるよう水を加えて調整したもの)を対照とし、これにグルタミン酸0.3W/W%添加区と酵母エキス(DIFCO社)0.5W/W%添加区を調製したものにL.brevis IFO3345株、同IFO12005株、同IFO3960株並びに同IFO12520株をそれぞれ接種し、30℃72時間培養後発酵液を得た。各発酵は1バッチで行った。各株の各果実や野菜の発酵液のGABA濃度は図1〜4に示す様になった。
【0019】
その結果、特にトマトのように本来グルタミン酸を含む素材でGABAの生産が行われなかったものでもGABAが生産されるようになった。その最高値として、L.brevis IFO3345株ではトマトにグルタミン酸を添加した区で240mg/100gのGABAが(図1)、同IFO12005株ではセロリにグルタミン酸を添加した区で175mg/100gのGABAが(図2)、同IFO3960株ではセロリにグルタミン酸を添加した区で110mg/100gのGABAが(図3)、同IFO12520株ではセロリにグルタミン酸を添加した区で75mg/100gのGABAが(図4)、それぞれ生産されるようになった。
また酵母エキス添加区では、その最高値として、L.brevis IFO3345株ではトマトで180mg/100gのGABAが(図1)、同IFO12005株ではセロリで135mg/100gのGABAが(図2)、同IFO3960株ではセロリで85mg/100gのGABAが(図3)、同IFO12520株ではセロリで58mg/100gのGABAが(図4)、それぞれ生産されるようになった。
【0020】
実施例2.トマト、豆乳及び麦芽汁を用いた発酵物の製造及び該発酵物中のGABA濃度
固形物濃度10%に調製したトマト、豆乳及びBrix10°に調製した麦芽汁(調製法は実施例1に従った。)にグルタミン酸をそれぞれ無添加、0.1、0.3、0.5、1.0W/W%添加したもの及び酵母エキス(DIFCO社)をそれぞれ無添加、0.1、0.3、0.5W/W%添加したものにL.brevis IFO3345株(図5:グルタミン酸添加、図6:酵母エキス添加)及び同IFO12005株(図7:グルタミン酸添加、図8:酵母エキス添加)を接種して30℃72時間培養後発酵液を得た。各発酵は1バッチで行った。各株の発酵液のGABA濃度は図5〜図8に示す様になった。その結果、その最高値として、L.brevis IFO3345株ではトマトにグルタミン酸を1%W/W添加した区で1030mg/100gのGABAが生産されるようになった(図5)。
【0021】
実施例3.トマト、豆乳及び麦芽汁を用いた発酵物の官能評価
実施例2で調製したトマト及び麦芽汁の各発酵液をパネル数16名で官能検査を行い官能評価として、−2(非常に悪い)、−1(悪い)、0(どちらでもない)、+1(良い)及び+2(非常に良い)の5段階で評価した。以上の結果を平均値として表1及び表2に示す。その結果、最高値として、L.brevis IFO3345株では、トマトにグルタミン酸0.1%W/W添加して発酵させ得られた発酵物での官能評価値が1.76で、味はすっきり、酸味よい、マイルドであった(表1)。また同IFO12005株では、トマトにグルタミン酸0.3%W/W添加して発酵させ得られた発酵物での官能評価値が1.12で、味はすっきり、酸味よい、マイルドであった(表2)。また同IFO12005株では、麦芽汁に酵母エキス0.5%W/W添加して発酵させ得られた発酵物での官能評価値が1.18で、味はすっきり、マイルドであった(表2)。
【0022】
【表1】
Figure 0004344143
【0023】
【表2】
Figure 0004344143
【0024】
【発明の効果】
本発明により、種々の生理的機能を有するGABAを高含有する飲食品又は調味食品を製造することができる。本発明の方法で製造される飲食品及び調味食品は、その飲食品中にGABAを高含有させ、しかも、風味が良く爽快な酸味を有し、なおかつ、発酵によりダイアセチル臭を始めとした不快な臭味を呈し当該食品の香味が損なわれる可能性が殆どない飲食品や調味食品となる。本発明の方法は、果実や野菜、果汁や野菜汁、或いは豆乳や麦芽汁等を原料とする各種の飲食品や調味食品の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、各素材の無添加区、グルタミン酸0.3W/W%添加区及び酵母エキス0.5W/W%添加区を調製し、L.brevis IFO3345株により発酵させた場合の各発酵液のGABA生産濃度(mg/100g 発酵物)を示す図である。
【図2】本発明の実施例において、各素材の無添加区、グルタミン酸0.3W/W%添加区及び酵母エキス0.5W/W%添加区を調製し、L.brevis IFO12005株により発酵させた場合の各発酵液のGABA生産濃度(mg/100g 発酵物)を示す図である。
【図3】本発明の実施例において、各素材の無添加区、グルタミン酸0.3W/W%添加区及び酵母エキス0.5W/W%添加区を調製し、L.brevis IFO3960株により発酵させた場合の各発酵液のGABA生産濃度(mg/100g 発酵物)を示す図である。
【図4】本発明の実施例において、各素材の無添加区、グルタミン酸0.3W/W%添加区及び酵母エキス0.5W/W%添加区を調製し、L.brevis IFO12520株により発酵させた場合の各発酵液のGABA生産濃度(mg/100g 発酵物)を示す図である。
【図5】本発明の実施例において、トマト果汁、豆乳及び麦芽汁にグルタミン酸を0、0.1、0.3、0.5及び1.0W/W%の各添加区で調製し、L.brevis IFO3345株で発酵させた場合の各発酵液のGABA生産濃度(mg/100g 発酵物)を示す図である。
【図6】本発明の実施例において、トマト果汁、豆乳及び麦芽汁に酵母エキスを0、0.1、0.3、及び0.5W/W%の各添加区で調製し、L.brevis IFO3345株で発酵させた場合の各発酵液のGABA生産濃度(mg/100g 発酵物)を示す図である。
【図7】本発明の実施例において、トマト果汁、豆乳及び麦芽汁にグルタミン酸を0、0.1、0.3、0.5及び1.0W/W%の各添加区で調製し、L.brevis IFO12005株で発酵させた場合の各発酵液のGABA生産濃度(mg/100g 発酵物)を示す図である。
【図8】本発明の実施例において、トマト果汁、豆乳及び麦芽汁に酵母エキスを0、0.1、0.3、及び0.5W/W%の各添加区で調製し、L.brevis IFO12005株で発酵させた場合の各発酵液のGABA生産濃度(mg/100g 発酵物)を示す図である。

Claims (2)

  1. 果汁、野菜汁及び麦芽汁のうち少なくとも1種以上に、グルタミン酸又はグルタミン酸含有物と、ラクトバチルス ブレビスIFO3345株、ラクトバチルス ブレビスIFO3960株、ラクトバチルス ブレビスIFO12005株、ラクトバチルス ブレビスIFO12520株、ラクトバチルス ブレビスIFO13109株、ラクトバチルス ブレビスIFO13110株のいずれか1種又は2種以上の菌株の組み合わせからなるラクトバチルス ブレビスに属する乳酸菌株とを添加して乳酸菌発酵を行うことを特徴とするγ−アミノ酪酸高含有乳酸菌発酵飲料の製造法。
  2. 果汁、野菜汁及び麦芽汁のうち少なくとも1種以上からなる乳酸菌発酵飲料原料に対して、グルタミン酸又はグルタミン酸含有物を、グルタミン酸換算濃度として、0.01〜10.0W/W%添加したことを特徴とする請求項1記載のγ−アミノ酪酸高含有乳酸菌発酵飲料の製造法。
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