JP4342650B2 - 合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法に関する。近年、合成繊維の紡績においては、生産コストの低減や生産性の向上を一層図るため、高速リング紡績や高速ローター式オープンエンド紡績等の高速紡績への転換が進んでいる。ところで、合成繊維のかかる高速紡績では、例えばアクリル系繊維の高速リング紡績では、紡績速度の高速化に伴い、いわゆる焼け玉が発生する。いわゆる焼け玉は合成繊維由来の微小溶融物であり、その発生主原因は、合成繊維がカード、練条、粗紡、精紡等の紡績各工程における種々の機材と高速で接触して通過することにより生じた合成繊維表面の損傷や毛羽が高温の糸導部位で擦過されるところにある。本発明は合成繊維の高速紡績においても該合成繊維に優れた焼け玉防止性を与える合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、合成繊維の高速紡績において生産性の向上を図る処理剤として、1)アルキル基の炭素数が18〜22のアルキルホスフェートカリウム塩を主成分とする処理剤(特開昭60−224867、特開昭60−224868、特開昭60−224869、特開平10−212664)、2)アルキル基の炭素数が14〜20のアルキルホスフェートカリウム塩と、パラフィンワックスと、カチオン性界面活性剤とを含有する処理剤(特開平6−108361)、3)アルキルホスフェート又はアルキルエーテルノニオンホスフェートをアニオン対とする第4級アンモニウム塩と、高分子量のポリオキシエチレン化合物とを含有する処理剤(特開平3−174069)、4)アルキルアミノエーテル、アルキルアミノエーテルのリン酸塩又はアルキルアミノエーテルの4級化物と、アルキルホスフェートカリウム塩又は高級脂肪酸カリウム塩とを含有する処理剤(特開平10−183469)等が提案されている。ところが、これら従来の合成繊維用処理剤にはいずれも、紡績速度を本来の高速よりも下げた場合には相応の効果があるものの、紡績速度を本来の高速まで上げた場合、紡績各工程において、特に精紡工程において焼け玉が多発するという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来の合成繊維用処理剤では、これらを高速紡績に供する合成繊維に付着させても、紡績速度を本来の高速まで上げると、紡績各工程において、特に精紡工程において焼け玉が多発する点である。実情は、かかる焼け玉の発生を防止するため、紡績速度を、特に精紡速度を本来の高速よりも下げているのであるが、これではそれだけ生産性が低下してしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記課題を解決するべく研究した結果、合成繊維用処理剤として特定のポリエーテル化合物と特定の柔軟剤とを所定割合で含有して成るものが正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、下記のポリエーテル化合物と下記の柔軟剤を、該ポリエーテル化合物/該柔軟剤=20/80〜50/50(重量比)の割合で含有して成ることを特徴とする合成繊維用処理剤及びこれを用いる合成繊維の処理方法に係る。
ポリエーテル化合物:下記の式1で示されるポリエーテル化合物及び下記の式2で示されるポリエーテル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上のポリエーテル化合物
【0006】
【式1】
R1−X1−O−Y1
【式2】
【0007】
式1及び式2において、
R1,R2:炭素数28〜60のアルキル基又は炭素数28〜60のアルカノイル基
Y1:水素、炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数1〜60のアルカノイル基
Y2:炭素数2〜10の2〜4価の脂肪族ポリカルボン酸からすべてのカルボキシル基を除いた残基
X1,X2:合計6〜60個の炭素数2又は3のオキシアルキレン基の繰り返しで構成されたポリオキシアルキレン基であって且つ該オキシアルキレン基としてオキシエチレン基を50モル%以上有するポリオキシアルキレン基
a:2〜4
【0008】
柔軟剤:下記の式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド、該ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドを酸で中和したポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩、該ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドを4級化剤で4級化したポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物、下記の式4で示される脂肪酸アミド架橋体、該脂肪酸アミド架橋体を酸で中和した脂肪酸アミド架橋体塩、該脂肪酸アミド架橋体を4級化剤で4級化した脂肪酸アミド架橋体4級化物及び下記のアミノ変性ポリオルガノシロキサンから選ばれる一つ又は二つ以上の柔軟剤
【0009】
【式3】
【式4】
【0010】
式3及び式4において、
R3,R4,R6,R7,R8,R9:炭素数8〜22の脂肪酸アミド基
R5:H又はアルキル基の炭素数が1〜3のトリアルキルシリル基
A1:合計3〜60個の炭素数2〜4のアルコキシ基の繰り返しで構成されたポリアルコキシ基
p,q,r:1〜4の整数
m,n,s,t,u,v:2又は3
B:2価の有機基
【0011】
アミノ変性ポリオルガノシロキサン:アミノ当量1000〜4000のアミノ変性ポリオルガノシロキサン
【0012】
式1で示されるポリエーテル化合物には、1)アルキル基の炭素数が28〜60であるポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテル、2)前記1)のポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルの一端が炭素数1〜22のアルキル基で封鎖されたポリエーテル化合物、3)前記1)のポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルの一端が炭素数1〜60のアルカノイル基で封鎖されたポリエーテル化合物が包含される。かかるポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、炭素数28〜60の飽和脂肪族アルコールに炭素数2又は3のアルキレンオキサイドを付加重合して得られる。
【0013】
式1で示されるポリエーテル化合物において、R1としては、1)オクタコシル基、トリアコンチル基、ドトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、テトラコンチル基、ドテトラコンチル基、ヘキサテトラコンチル基、ペンタコンチル基、ヘキサコンタニル基等の炭素数28〜60のアルキル基、2)オクタコサノイル基、トリアコンタノイル基、ドトリアコンタノイル基、テトラトリアコンタノイル基、テトラコンタノイル基、ドテトラコンタノイル基、ヘキサテトラコンタノイル基、ペンタコンタノイル基、ヘキサコンタノイル基等の炭素数28〜60のアルカノイル基が挙げられるが、なかでも炭素数28〜50のアルキル基又は炭素数28〜50のアルカノイル基が好ましく、炭素数30〜40のアルキル基がより好ましい。
【0014】
式1で示されるポリエーテル化合物において、Y1としては、1)水素、2)メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ラウリル基、ミリスチル基、ステアリル基等の炭素数1〜22のアルキル基、3)ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、オクタノイル基、ステアロイル基、ベヘノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、テトラデカノイル基、オクタコサノイル基、トリアコンタノイル基、ドトリアコンタノイル基、テトラトリアコンタノイル基、テトラコンタノイル基、ドテトラコンタノイル基、ヘキサテトラコンタノイル基、ペンタコンタノイル基、ヘキサコンタノイル基等の炭素数1〜60のアルカノイル基が挙げられるが、なかでも炭素数16〜22のアルカノイル基が好ましい。
【0015】
式1で示されるポリエーテル化合物において、X1はポリオキシアルキレン基である。かかるポリオキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン基は、オキシエチレン基又はオキシエチレン基とオキシプロピレン基である。ポリオキシアルキレン基には、1)オキシエチレン基のみの繰り返しから成るもの、2)オキシエチレン基とオキシプロピレン基との繰り返しから成るものが挙げられるが、なかでもオキシエチレン基のみの繰り返しから成るポリオキシエチレン基が好ましい。オキシエチレン基とオキシプロピレン基との繰り返しから成るポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン基とオキシプロピレン基との付加形態としてブロック型及び/又はランダム型のものがあるが、いずれの付加形態であっても、オキシエチレン基を50モル%以上有するものとする。またポリオキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン基の繰り返し数は6〜60とするが、8〜50とするのが好ましい。
【0016】
本発明は式1で示されるポリエーテル化合物の合成方法を特に制限するものではなく、これには公知の合成方法、例えば特公昭49−14841号公報に記載されているような合成方法が適用できる。
【0017】
式2で示されるポリエーテル化合物には、1)ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテル2モルと脂肪族ジカルボン酸1モルとを反応させて得られるポリエーテル化合物、2)ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテル3モルと脂肪族トリカルボン酸1モルとを反応させて得られるポリエーテル化合物、3)ポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテル4モルと脂肪族テトラカルボン酸1モルとを反応させて得られるポリエーテル化合物が包含される。いずれの場合も、脂肪族ジ〜テトラカルボン酸と反応させるポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、同時に同一又は異なるものを使用できる。かかるポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、式1で示されるポリエーテル化合物について、前記したポリオキシアルキレングリコールモノアルキルエーテルと同様の方法で得られる。
【0018】
式2で示されるポリエーテル化合物において、R2は、式1で示されるポリエーテル化合物について前記したR1と同様である。また式2で示されるポリエーテル化合物において、X2は、式1で示されるポリエーテル化合物について前記したX1と同様である。
【0019】
式2で示されるポリエーテル化合物において、Y2は、炭素数2〜10の2〜4価の脂肪族ポリカルボン酸からすべてのカルボキシル基を除いた残基である。かかる脂肪族ポリカルボン酸としては、1)シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等の炭素数2〜10の脂肪族ジカルボン酸、2)1,2,3−ブタントリカルボン酸、2,3,5−ヘキサントリカルボン酸、3−(カルボキシメチル)ヘプタンジカルボン酸等の炭素数2〜10の脂肪族トリカルボン酸、3)1,2,3,5−ヘプタンテトラカルボン酸等の炭素数2〜10の脂肪族テトラカルボン酸が挙げられる。なかでも炭素数2〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
【0020】
本発明は式2で示されるポリエーテル化合物の合成方法を特に制限するものではなく、これには公知の合成方法、例えば特公昭49−14841号公報に記載されているような合成方法が適用できる。
【0021】
本発明の合成繊維用処理剤は、以上説明したポリエーテル化合物と柔軟剤とを含有するものである。かかる柔軟剤は、1)式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド、2)該ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドを酸で中和したポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩、3)該ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドを4級化剤で4級化したポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物、4)式4で示される脂肪酸アミド架橋体、5)該脂肪酸アミド架橋体を酸で中和した脂肪酸アミド架橋体塩、6)該脂肪酸アミド架橋体を4級化剤で4級化した脂肪酸アミド架橋体4級化物、及び/又は7)アミノ当量1000〜4000のアミノ変性ポリオルガノシロキサンである。
【0022】
柔軟剤として用いる式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドは、分子中に少なくとも1個の脂肪酸アミド基と少なくとも1個のポリオキシアルキレン基とを有する化合物である。かかるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドは、ポリアルキレンポリアミンと脂肪酸とをアミド化反応させたポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドのアミノ基に対し、アルキレンオキサイドを逐次開環付加重合させて、ポリオキシアルキレン基を形成させることにより得ることができる。
【0023】
式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドにおいて、合成に供するポリアルキレンポリアミンは、分子中に2〜5個の炭素数2又は3のアルキレン基と3〜6個のアミノ基とを有する直鎖のポリアルキレンポリアミンである。これには例えば、1)ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリエチレンポリアミン、2)ジプロピレントリアミン、テトラプロピレンペンタミン等のポリプロピレンポリアミン等が挙げられるが、なかでもジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンが好ましい。
【0024】
式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドにおいて、合成に供する脂肪酸としては、1)カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、2ーエチルヘキサノイック酸、イソステアリン酸等の炭素数8〜22の飽和脂肪酸、2)カプロレイン酸、ミリストレイン酸、オレイン酸、エルシン酸等の炭素数8〜22の不飽和脂肪酸が挙げられるが、なかでも炭素数18〜22の飽和脂肪酸、炭素数18〜22の不飽和脂肪酸が好ましい。
【0025】
式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドにおいて、合成に供するポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドは上記のポリアルキレンポリアミンと脂肪酸とのアミド化反応により得られるものであるが、かかるアミド化反応において、ポリアルキレンポリアミンと脂肪酸との割合はポリアルキレンポリアミンの末端アミノ基を少なくとも1個アミド化するに必要な割合とするが、ポリアルキレンポリアミンの両末端のアミノ基がアミド化される割合とするのが好ましい。
【0026】
式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドは、前記したポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドのアミノ基にアルキレンオキサイドを逐次付加重合してポリオキシアルキレン基を形成させることにより得ることができる。かかるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の炭素数2〜4のアルキレンオキサイドである。ポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドにアルキレンオキサイドを付加する形態としてはランダム型、ブロック型及びそれらの混合型があるが、ブロック型が好ましく、なかでも最初にエチレンオキサイドを付加し、次いでプロピレンオキサイドを付加したポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック型がより好ましい。かかるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック型のポリオキシアルキレン基において、オキシエチレン基/オキシプロピレン基=25/75〜50/50(モル比)の割合とするのが特に好ましい。
【0027】
式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドにおいて、アミノ基1個当たりのアルキレンオキサイドの付加モル数は3〜60とするが、3〜30とするのが好ましい。
【0028】
式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドは、以上説明したように、ポリアルキレンポリアミンと脂肪酸とのアミド化反応によりポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドとし、これにアルキレンオキサイドを塩基性触媒存在下に逐次付加重合してポリオキシアルキレン基を形成させたものであるが、本発明はアミド化反応や逐次付加重合の方法を限定するものではなく、これには公知の方法が適用できる。
【0029】
式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドは、前記したようにポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドのアミノ基に対しアルキレンオキサイドを逐次開環付加重合させてポリオキシアルキレン基を形成することにより得ることができるが、更にかかるポリオキシアルキレン基の末端水酸基の一部若しくは全部をトリアルキルシリル化して該ポリオキシアルキレン基の末端にトリアルキルシリル基を導入することにより得ることもできる。かかるトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、ジメチルエチルシリル基等の炭素数1〜3のアルキル基を有するトリアルキルシリル基が挙げられるが、なかでもトリメチルシリル基が好ましい。
【0030】
本発明はトリアルキルシリル化の方法を特に制限するものではなく、これには公知のシリル化剤を用いる方法が適用できる。かかるシリル化剤としては、トリメチルクロルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエキシシラン、ジメチルエチルメトキシシラン等が挙げられる。ポリオキシアルキレン基の末端水酸基のトリアルキルシリル化の割合は特に制限されないが、該末端水酸基の50モル%以上をトリアルキルシリル化するのが好ましく、70モル%以上をトリアルキルシリル化するのが更に好ましい。
【0031】
柔軟剤として用いるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩は、以上説明したような式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド中のアミノ基の一部若しくは全部を有機酸又は無機酸で中和したものである。中和に用いる有機酸としては、1)酢酸、プロピオン酸、カプロン酸等の炭素数2〜6の脂肪族モノカルボン酸、2)グルコール酸、乳酸、リンゴ酸等の炭素数2〜4の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、3)メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸等の炭素数8〜12のアルキルスルホン酸、4)ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、5)トルエンスルホン酸、ドデシルベンセンスルホン酸等の炭素数2〜9のアルキル基で置換された置換芳香族スルホン酸、6)メチル酸性リン酸エステル、ブチル酸性リン酸エステル、ラウリル酸性リン酸エステル等の炭素数2〜12のアルキル酸性リン酸エステルが挙げられる。また中和に用いる無機酸としては、塩酸、リン酸、亜リン酸、ホウ酸等が挙げられる。これらのなかでも、中和に用いる酸としては、炭素数2〜6の脂肪族モノカルボン酸、炭素数2〜4の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸及び炭素数2〜12のアルキル酸性リン酸エステルが好ましい。
【0032】
本発明はポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドのアミノ基に対する酸による中和度を特に制限するものではないが、通常該脂肪酸アミド基含有ポリエーテル中のアミノ基を50モル%以上中和したものが有利に使用できる。
【0033】
柔軟剤として用いるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物は、前記したような式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド中の3級アミノ基の一部若しくは全部を4級化剤で4級化したものである。4級化するのに用いる4級化剤としては、1)メチルクロライド、エチルブロマイド、ブチルアイオダイド、ベンジルクロライド等の炭素数1〜8のモノハロゲン化炭化水素、2)ジメチルサルフェート、ジエチルサルフェート等のアルキル基の炭素数1〜3のジアルキルサルフェート、3)トリメチルホスフェート、トリブチルホスフェート等のアルキル基の炭素数1〜8のトリアルキルホスフェート、4)エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが挙げられるが、なかでも炭素数1〜3のジアルキルサルフェート、炭素数4〜8のトリアルキルホスフェートが好ましい。
【0034】
本発明はポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド中の3級アミノ基に対する4級化剤による4級化率を特に制限するものではないが、通常該ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド中の3級アミノ基を50モル%以上4級化したものが有利に使用できる。
【0035】
以上説明したようなポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド、その塩、その4級化物は、公知の合成方法で合成できる。これには例えば、1)ポリアルキレンポリアミンと脂肪酸とをアミド化反応によりポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドとし、次いで該ポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドのアミノ基に塩基性触媒存在下でアルキレンオキサイドを逐次開環付加重合させることによりポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドとする方法、2)前記1)で得られたものを更にトリアルキルシリル化剤でトリアルキルシリル変性する方法、3)前記1)又は2)で得られたものを更に水性媒体に分散又は溶解し、これに酸を加えて中和することによりポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩とする方法、4)前記1)又は2)で得られたものを更にそのまま溶融するか又は不活性媒体中に溶解し、これに4級化剤を加えて4級化反応することによりポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物とする方法が挙げられる。
【0036】
柔軟剤として用いる式4で示される脂肪酸アミド架橋体は、ポリアルキレンポリアミンと脂肪酸とのアミド化反応により得られるポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミド及び該ポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドのアミノ基に対してアルキレンオキサイドを逐次開環付加重合させたポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドから選ばれる2分子を架橋剤と反応させることにより得ることができる。
【0037】
式4で示される脂肪酸アミド架橋体において、合成に供するポリアルキレンポリアミンは、前記した式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドの場合と同じポリアルキレンポリアミンが使用できる。
【0038】
式4で示される脂肪酸アミド架橋体において、合成に供する脂肪酸としては、前記した式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドの場合と同じ脂肪酸が使用できるが、なかでも炭素数18〜22の飽和脂肪酸、炭素数18〜22の不飽和脂肪酸が好ましい。
【0039】
式4で示される脂肪酸アミド架橋体において、合成に供するポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドは上記のポリアルキレンポリアミンと脂肪酸とのアミド化反応により得られるものであるが、かかるアミド化反応において、ポリアルキレンポリアミンと脂肪酸との割合はポリアルキレンポリアミンの末端アミノ基を少なくとも1個アミド化するに必要な割合とするが、ポリアルキレンポリアミンの両末端のアミノ基がアミド化される割合とするのが好ましい。
【0040】
式4で示される脂肪酸アミド架橋体において、合成に供するポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドは、前記したポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドのアミノ基に対してアルキレンオキサイドを逐次開環付加重合させたものである。かかるポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドにおいて、アルキレンオキサイドの種類、アルキレンオキサイドの付加形態は、式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドの場合と同じであり、付加形態はブロック型が好ましく、なかでも最初にエチレンオキサイドを付加し、次いでプロピレンオキサイドを付加したポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック型がより好ましい。かかるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック型のポリオキシアルキレン基において、オキシエチレン基/オキシプロピレン基=25/75〜50/50(モル比)の割合とするのが特に好ましい。
【0041】
式4で示される脂肪酸アミド架橋体において、アミノ基1個当たりのアルキレンオキサイドの付加モル数は3〜60とするが、5〜50とするのが好ましい。更に、以上説明したポリオキシアルキレン基の末端水酸基の一部若しくは全部をトリアルキルシリル化する場合も、式2で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドの場合と同じである。
【0042】
式4で示される脂肪酸アミド架橋体は、以上説明したポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミド及びポリオキシアルキレン基を有するポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドから選ばれる2分子を架橋剤と反応させることにより得られるが、かかる架橋剤としては、前記の2分子を架橋するものであれば特に制限するものではない。これには例えば、1)エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル化合物、2)各種のトリレンジイソシアネート、メチレン−ビス−(4−フェニルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート、3)尿素、ジエチル炭酸エステル、ジプロピル炭酸エステル等の縮合的架橋剤、4)エピクロルヒドリン、等が挙げられるが、なかでも尿素、エピクロルヒドリンが好ましい。
【0043】
柔軟剤として用いる脂肪酸アミド架橋体塩は、以上説明したような式4で示される脂肪酸アミド架橋体中のアミノ基の一部若しくは全部を有機酸又は無機酸で中和したものである。中和に用いる有機酸としては、式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドの塩を得る場合に用いたものと同じものが利用できる。なかでも、中和に用いる酸としては、炭素数2〜6の脂肪族モノカルボン酸、炭素数2〜4の脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸及び炭素数2〜12のアルキル酸性リン酸エステルが好ましい。
【0044】
本発明は脂肪酸アミド架橋体のアミノ基に対する酸による中和度を特に制限するものではないが、通常該脂肪酸アミド基含有ポリエーテル中のアミノ基を50モル%以上中和したものが有利に使用できる。
【0045】
柔軟剤として用いる脂肪酸アミド架橋体4級化物は、前記したような式4で示される脂肪酸アミド架橋体中の3級アミノ基の一部若しくは全部を4級化剤で4級化したものである。4級化するのに用いる4級化剤としては、式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドの4級化物を得るのに用いたものと同じものが利用できる。なかでも炭素数1〜3のジアルキルサルフェート、炭素数4〜8のトリアルキルホスフェートが好ましい。
【0046】
本発明は脂肪酸アミド架橋体中の3級アミノ基に対する4級化剤による4級化率を特に制限するものではないが、通常該脂肪酸アミド架橋体中の3級アミノ基を50モル%以上4級化したものが有利に使用できる。
【0047】
以上説明したような脂肪酸アミド架橋体、その塩、その4級化物は、公知の合成方法で合成できる。これには例えば、1)ポリアルキレンポリアミンと脂肪酸とのアミド化反応により得られたポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミド2モルを架橋剤1モルで架橋反応させることにより脂肪酸アミド架橋体とする方法、2)前記1)のポリアルキレン(ポリ)アミン・(ポリ)脂肪酸アミドのアミノ基に塩基性触媒存在下でアルキレンオキサイドを逐次開環付加重合させることにより得られたポリオキシアルキレン基を有する脂肪酸アミド2モルを架橋剤1モルで架橋反応させることにより脂肪酸アミド架橋体とする方法、3)前記2)で得られた脂肪酸アミド架橋体を更にトリアルキルシリル化剤でトリアルキルシリル変性する方法、4)前記1)、2)又は3)で得られた脂肪酸アミド架橋体を更に水性媒体に分散又は溶解し、これに酸を加えて中和することにより脂肪酸アミド架橋体塩とする方法、5)前記1)、2)又は3)で得られた脂肪酸アミド架橋体を更にそのまま溶融するか又は不活性媒体中に溶解し、これに4級化剤を加えて4級化反応することにより脂肪酸アミド架橋体4級化物とする方法が挙げられる。
【0048】
柔軟剤として用いるアミノ変性ポリオルガノポリシロキサンはアミノ当量が1000〜4000のものとするが、好ましくは1500〜3000のものとする。かかるアミノ変性ポリオルガノシロキサンは、分子中に必須の構成基としてジメチルシロキサン基と、アミノ変性基を有するシロキサン基とを有する線状ポリオルガノシロキサンである。ここでアミノ変性基としては、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチル基等が挙げられるが、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基が有利に適用できる。
【0049】
本発明の合成繊維用処理剤は、以上説明したような式1で示されるポリエーテル化合物及び/又は式2で示されるポリエーテル化合物と柔軟剤とを、該ポリエーテル化合物/該柔軟剤=20/80〜50/50(重量比)の割合で含有するものであるが、30/70〜45/55(重量比)の割合で含有するものとするのが好ましい。本発明の合成繊維用処理剤はポリエーテル化合物と柔軟剤との含有割合を特に制限するものではないが、通常50〜85重量%とし、好ましくは60〜80重量%とする。
【0050】
本発明の合成繊維用処理剤は、乳化性、繊維製造工程での制電性、潤滑性の点から界面活性剤、潤滑剤を含有することができる。かかる界面活性剤としては公知のものが適用できる。これには例えば、1)いずれもオキシアルキレン基がオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基からなる、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油等の、ポリオキシアルキレン基を有する非イオン性界面活性剤、2)ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリンジラウレート等の、多価アルコール部分エステル型の非イオン性界面活性剤、3)いずれもオキシアルキレン基がオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基からなる、長鎖アルキル基含有ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル、2〜4個のポリオキシアルキレンアミノエーテル基を有するポリエーテルポリアミン等の、ポリオキシアルキレン基を有するアミノエーテル型非イオン性界面活性剤、3)脂肪族サルフェート塩、脂肪族スルフォネート塩、脂肪族フォスフェート塩、脂肪族カルボン酸塩等のアニオン性界面活性剤、4)長鎖アルキルアミンの酸中和物、ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテルの酸中和物等のアミン塩部位を有するカチオン性界面活性剤、5)テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩、テトラアルキルホスホニウム塩等の4級化部位を有するカチオン性界面活性剤、5)長鎖アルキルジメチルベタイン、アルキルイミダゾリンのベタイン化合物、長鎖アルキルアミノ酸等の両性界面活性剤等が挙げられる。
【0051】
また潤滑剤としても公知のものが適用できる。これには例えば、1)鉱物油、2)脂肪族モノカルボン酸と脂肪族1価アルコールとのエステル化合物、3)脂肪族モノカルボン酸と脂肪族多価アルコールとの完全エステル化合物、4)脂肪族ポリカルボン酸と脂肪族1価アルコールとの完全エステル化合物、5)ポリエーテル(ポリ)オール、6)シリコーン化合物等が挙げられる。
【0052】
本発明は、合成繊維用処理剤中における以上説明した界面活性剤及び潤滑剤の含有割合を特に制限するものではないが、界面活性剤は通常10〜45重量%の含有割合とし、また潤滑剤は通常5〜20重量%の含有割合とする。
【0053】
次に本発明の処理方法について説明する。本発明の合成繊維用処理剤を合成繊維に付着させる際の該合成繊維用処理剤の形態としては、ニート、有機溶剤溶液又は水性液等、公知の形態が適用でき、合成繊維に本発明の合成繊維用処理剤を付着させる工程としては、紡糸工程、延伸工程、更には延伸後の各工程等が挙げられるが、なかでも1)本発明の合成繊維用処理剤を5〜30重量%の水性液となし、該水性液を2500〜7500m/分の速度で巻き取られる乾式紡糸工程の合成繊維に対し合成繊維用処理剤として0.05〜3重量%となるよう付着させる方法、2)本発明の合成繊維用処理剤の水性液を湿式紡糸して延伸工程、水洗工程後のゲル膨潤状態にある合成繊維束に対し合成繊維用処理剤として0.05〜3重量%となるよう付着させる方法が好ましい。合成繊維用処理剤を合成繊維に付着させるには、ローラー給油法、計量ポンプを用いたガイド給油法、浸漬給油法、スプレー給油法等、公知の給油方法が適用できる。
【0054】
本発明は合成繊維用処理剤の水性液の調製方法を限定するものではなく、これにはホモミキサー、ホモジナイザー等を用いた公知の機械的撹拌方法が適用できる。調製される水性液の処理剤濃度は通常1〜30重量%とし、好ましくは5〜25重量%とする。また合成繊維用処理剤を合成繊維へ付着させるに際しては、合目的的に他の成分、例えば酸化防止剤、防錆剤、抗菌剤等を併用することもできるが、その使用量は可及的に少量とするのが好ましい。
【0055】
本発明の合成繊維用処理剤及び合成繊維の処理方法を適用する合成繊維としては、1)エチレンテレフタレートを主たる構成基とするエステル繊維、2)ナイロン6、ナイロン66等のアミド繊維、3)アクリル繊維、4)塩化ビニル、塩化ビニリデン等の含ハロゲン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとを共重合したモダアクリル繊維、5)ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン繊維、6)ウレタン繊維等が挙げられるが、アクリル繊維及びモダアクリル繊維等のアクリル系繊維に適用する場合に本発明の効果の発現が著しい。
【0056】
【発明の実施の形態】
本発明に係る合成繊維用処理剤の実施形態としては、次の1)〜12)が挙げられる。
1)下記のポリエーテル化合物(PE−1)30重量%、下記のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1)40重量%、及びビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド/ステアリン酸アミドエチルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート/ポリオキシエチレン(n=20)ステアリルエーテル=40/40/20(重量比)の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−1)30重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−1)。
ポリエーテル化合物(PE−1):式1において、R1がトリアコンチル基、Y1がベヘノイル基、X1が35個のオキシエチレン基の繰り返しで構成されたポリオキシエチレン基である場合のポリエーテル化合物
ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1):式3において、R3,R4がステアリン酸アミド基、R5が水素、A1が7個のエトキシ基の繰り返しで構成されたポリエトキシ基、m,nが2、pが1である場合のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド
【0057】
2)下記のポリエーテル化合物(PE−6)20重量%、下記のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩(PA−6)40重量%、及び前記の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−1)40重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−6)。
ポリエーテル化合物(PE−6):式2において、R2がテトラコンチル基、Y2が琥珀酸残基、X2が15個のオキシエチレン基の繰り返しで構成されたポリオキシエチレン基、aが2である場合のポリエーテル化合物
ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩(PA−6):前記のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1)を酢酸で中和した(中和度80%)ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩
【0058】
3)前記のポリエーテル化合物(PE−6)30重量%、下記のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物(PA−10)40重量%、及びビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド/ポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテルホスフェートカリウム塩/ポリオキシエチレン(n=12)セチルエーテル=40/40/20(重量比)の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−2)30重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−10)。
ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物(PA−10):前記のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1)をジエチル硫酸で4級化した(4級化率93%)ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物
【0059】
4)前記のポリエーテル化合物(PE−6)25重量%、下記の脂肪酸アミド架橋体(PD−1)45重量%、及び前記の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−1)30重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−14)。
脂肪酸アミド架橋体(PD−1):式4において、R6,R7,R8,R9がステアリン酸アミド基、s,t,u,vが2、q,rが1、Bが2−ヒドロキシトリメチレン基である場合の脂肪酸アミド架橋体
【0060】
5)前記のポリエーテル化合物(PE−1)20重量%、下記の脂肪酸アミド架橋体(PD−2)40重量%、及びソルビタンモノステアレート/ポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテルホスフェートカリウム塩/ポリオキシエチレン(n=12)セチルエーテル=40/40/20(重量比)の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−3)40重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−15)。
脂肪酸アミド架橋体(PD−2):式4において、R6,R7,R8,R9がベヘニン酸アミド基、s,t,u,vが2、q,rが1、Bが−CH2CH(OH)CH2O(CH2CH2O)3CH2CH(OH)CH2−で示される有機基である場合の脂肪酸アミド架橋体
【0061】
6)下記のポリエーテル化合物(PE−2)20重量%、下記の脂肪酸アミド架橋体塩(PD−5)40重量%、及び前記の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−2)40重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−18)。
ポリエーテル化合物(PE−2):式1において、R1がテトラコンチル基、Y1がステアロイル基、X1が15個のオキシエチレン基の繰り返しで構成されたポリオキシエチレン基である場合のポリエーテル化合物
脂肪酸アミド架橋体塩(PD−5):前記の脂肪酸アミド架橋体(PD−1)を酢酸で中和した(中和度43%)脂肪酸アミド架橋体塩
【0062】
7)下記のポリエーテル化合物(PE−5)30重量%、下記の脂肪酸アミド架橋体塩(PD−6)40重量%、及びオキシエチレン基/オキシプロピレン基=70/30(モル比)のプルロニック型ポリエーテル(数平均分子量15000)/ポリオキシエチレン(n=20)ステアリルエーテルホスフェートカリウム塩/ポリオキシエチレン(n=12)セチルエーテル=40/20/40(重量比)の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−4)30重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−19)。
ポリエーテル化合物(PE−5):式2において、R2がトリアコンチル基、Y2がアジピン酸残基、X2が35個のオキシエチレン基の繰り返しで構成されたポリオキシエチレン基、aが2である場合のポリエーテル化合物
脂肪酸アミド架橋体塩(PD−6):前記の脂肪酸アミド架橋体(PD−2)を乳酸で中和した(中和度82%)脂肪酸アミド架橋体塩
【0063】
8)前記のポリエーテル化合物(PE−1)20重量%、下記の脂肪酸アミド架橋体4級化物(PD−8)40重量%、及び前記の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−1)40重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−21)。
脂肪酸アミド架橋体4級化物(PD−8):前記の脂肪酸アミド架橋体(PD−1)をジエチル硫酸で4級化した(4級化率93%)脂肪酸アミド架橋体4級化物
【0064】
9)前記のポリエーテル化合物(PE−2)30重量%、下記のアミノ変性ポリオルガノシロキサン(AM−2)40重量%、及び前記の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−2)30重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−25)。
アミノ変性ポリオルガノシロキサン(AM−2):アミノ当量が1500であり、アミノ変性基がN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基であるアミノ変性ポリオルガノシロキサン
【0065】
10)前記のポリエーテル化合物(PE−1)30重量%、前記の脂肪酸アミド架橋体(PD−1)20重量%、下記のアミノ変性ポリオルガノシロキサン(AM−1)20重量%、及び前記の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−1)30重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−27)。
アミノ変性ポリオルガノシロキサン(AM−1):アミノ当量が1200であり、アミノ変性基が2−アミノエチル基であるアミノ変性ポリオルガノシロキサン
【0066】
11)前記のポリエーテル化合物(PE−2)30重量%、前記の脂肪酸アミド架橋体塩(PD−5)15重量%、前記のアミノ変性ポリオルガノシロキサン(AM−2)25重量%、及び前記の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−4)30重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−28)。
【0067】
12)前記のポリエーテル化合物(PE−6)30重量、前記の脂肪酸アミド架橋体塩(PD−6)25重量%、下記のアミノ変性ポリオルガノシロキサン(AM−3)15重量%、及び前記の界面活性剤・潤滑剤混合物(E−1)30重量%を含有して成る合成繊維用処理剤(T−29)。
アミノ変性ポリオルガノシロキサン(AM−3):アミノ当量が2000であり、アミノ変性基が3−アミノプロピル基であるアミノ変性ポリオルガノシロキサン
【0068】
また本発明に係る合成繊維の処理方法としては、下記の13)、14)が挙げられる。
13)前記1)〜12)の合成繊維用処理剤をモダアクリル合成繊維に対し0.05〜3重量%となるよう付着させる合成繊維の処理方法。
【0069】
14)前記1)〜12)の合成繊維用処理剤をゲル膨潤状態のアクリル合成繊維に対し0.05〜3重量%となるよう付着させる合成繊維の処理方法。
【0070】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
【0071】
【実施例】
試験区分1(ポリエーテル化合物の合成)
・ポリエーテル化合物(PE−1)の合成
トリアコンチルアルコール439g(1モル)及び水酸化カリウム20gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、120℃に加温し、エチレンオキサイド1540g(35モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物1979g(1モル)とベヘニン酸メチル354g(1モル)とナトリウムメトキサイド54gとをフラスコに仕込み、撹拌しながら反応温度を100〜110℃とし、減圧下に脱メタノールして、エステル化反応を行った。得られた反応物を分析したところ、式1中のR1がトリアコンチル基、X1が35個のオキシエチレン基の繰り返しで構成されたポリオキシエチレン基、Y1がベヘノイル基であるポリエーテル化合物(PE−1)であった。
【0072】
・ポリエーテル化合物(PE−2)、(PE−5)〜(PE−8)及び(pe−4)の合成
ポリエーテル化合物(PE−1)の場合と同様にして、ポリエーテル化合物(PE−2)、(PE−5)〜(PE−8)及び(pe−4)を合成した。
【0073】
・ポリエーテル化合物(PE−3)の合成
ペンタコンチルアルコール718g(1モル)及び水酸化カリウム20gをオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、120℃に加温し、エチレンオキサイド880g(20モル)を圧入して、反応させた。同温度で1時間の熟成反応後、プロピレンオキサイド290g(5モル)を圧入して、反応させた。触媒を吸着剤処理により除去し、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、式1中のR1がペンタコンチル基、X1が20個のオキシエチレン基の繰り返し及び5個のオキシプロピレン基の繰り返しで構成されたポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基、Y1が水素であるポリエーテル化合物(PE−3)であった。
【0074】
・ポリエーテル化合物(pe−1)〜(pe−3)の合成
ポリエーテル化合物(PE−3)の場合と同様にして、ポリエーテル化合物(pe−1)〜(pe−3)を合成した。
【0075】
・ポリエーテル化合物(PE−4)の合成
ポリオキシエチレングリコール(オキシエチレン基の繰り返し数が15)テトラコンタン酸モノエステル1065g(1モル)と無水酢酸153g(1.5モル)とピリジン1500gとをフラスコに仕込み、撹拌しながら反応温度を100〜110℃とし、エステル化反応を行った。反応物をアセトンにより再結晶し、生成物を得た。これを分析したところ、式1中のR1がテトラコンタノイル基、X1が15個のオキシエチレン基の繰り返しで構成されたポリオキシエチレン基、Y1がアセチル基であるポリエーテル化合物(PE−4)であった。以上で合成した各ポリエーテル化合物の内容を表1及び表2にまとめて示した。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
表1及び表2において、
*1,*2:ポリオキシアルキレン基を構成するオキシアルキレン基の繰り返し数
【0079】
試験区分2(ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドの合成)
・ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1)の合成
ステアリン酸573g(2.04モル)及びジエチレントリアミン103g(1.0モル)をフラスコに仕込み、180℃に保持して、生成する水を窒素気流により留去しながら4時間反応を行い、中間体としてジエチレントリアミンのジステアリン酸アミド(PP−1)を得た。このジエチレントリアミンのジステアリン酸アミド(PP−1)640g(1.0モル)及び水酸化カリウム13gをオートクレーブに仕込み、窒素ガスでパージ後、120℃に加温し、エチレンオキサイド308g(7モル)を圧入して、反応させた。1時間の熟成反応後、反応物を得た。得られた反応物を分析したところ、式2中の、R3,R4がステアリン酸アミド基、R5が水素、m,nが2、pが1、A1が7個のエトキシ基の繰り返しで構成されたポリエトキシ基である場合のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1)であった。
【0080】
・ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−2)〜(PA−4)の合成
ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1)と同様にして、ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−2)〜(PA−4)を得た。
【0081】
・ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−5)の合成
表3に記載のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−2)222g(0.1モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら、塩化トリメチルシラン11.5g(0.1モル)を20分間かけて滴下し、反応温度を50〜60℃に維持して反応させた。更に同温度で1時間熟成して、ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−2)のポリオキシアルキレン基の末端をトリメチル化した。得られた末端トリメチル化物を分析したところ、ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−2)のポリオキシアルキレン基の末端OH基の97%がトリメチル基に置換されたポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−5)であった。以上で合成した各ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドの内容を表3にまとめて示した。
【0082】
【表3】
【0083】
表3において、
*3:ポリアルコキシ基を構成するアルコキシ基の繰り返し数
*4:トリメチルシリル化率は97%
【0084】
試験区分3(ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩の合成)
・ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩(PA−6)の合成
酢酸1.0g(0.017モル)と水228.4gとをフラスコに仕込み、酢酸水溶液とした。そこへ溶融状態とした前記のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1)97g(0.02モル)を撹拌しながら注入し、ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド酢酸塩(PA−6)の30%水溶液を得た。得られた酢酸塩水溶液を分析したところ、アミン価は8.7(固形分換算)であり、中和度は80%であった。
【0085】
・ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩(PA−7)〜(PA−9)の合成
ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩(PA−6)と同様にして、ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩(PA−7)〜(PA−9)を得た。以上で合成した各ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩の内容を表4にまとめて示した。
【0086】
【表4】
【0087】
試験区分4(ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物の合成)
・ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物(PA−10)の合成
前記のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1)199g(0.21モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、ジエチル硫酸31g(0.2モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で1時間熟成して、脂肪酸アミド基含有ポリエーテルのジエチル硫酸による4級化物(PA−10)を得た。得られた4級化物を分析したところ、アミン価は10.3であり、4級化率は93%であった。
【0088】
・ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物(PA−11)〜(PA−13)の合成
ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物(PA−10)と同様にして、ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物(PA−11)〜(PA−13)を得た。以上で合成した各ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物の内容を表5にまとめて示した。
【0089】
【表5】
【0090】
試験区分5(脂肪酸アミド架橋体の合成)
・脂肪酸アミド架橋体(PD−1)の合成
試験区分2で中間体として得たジエチレントリアミンのジステアリン酸アミド(PP−1)1270g(1モル)を90〜110℃で溶融状態とし、これにエピクロルヒドリン185g(2モル)を滴下して、90〜110℃で架橋反応を6時間行った後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧留去して反応物を得た。この反応物をイソプロピルアルコールに溶解して、水酸化ナトリウムで中和し、脱塩、精製した。精製物を分析したところ、式3中のR6,R7,R8,R9がステアリン酸アミド基、s,t,u,vが2、q,rが1、Bが2−ヒドロキシトリメチレン基である場合の脂肪酸アミド架橋体(PD−1)であった。
【0091】
・脂肪酸アミド架橋体(PD−2)の合成
脂肪酸アミド架橋体(PD−1)と同様にして、ジエチレントリアミンのジベヘニン酸アミド1494g(2モル)を溶融状態とし、これにトリエチレングリコールジグリシジルエーテル262g(1モル)を滴下して、架橋反応を行ない、脂肪酸アミド架橋体(PD−2)を得た。
【0092】
・脂肪酸アミド架橋体(PD−4)の合成
ジエチレントリアミンのジステアリン酸アミド(PP−1)1270g(2モル)及び尿素60g(1モル)をフラスコに仕込み、180℃に保持して、生成するアンモニアを窒素気流により留去しながら4時間反応を行ない、脂肪酸アミド架橋体(PD−4)を得た。以上で合成した各脂肪酸アミド架橋体の内容を表6にまとめて示した。
【0093】
【表6】
【0094】
表6において、
b−1:2−ヒドロキシトリメチレン基
b−2:−CH2CH(OH)CH2O(CH2CH2O)3CH2CH(OH)CH2−で示される有機基
b−3:−CH2CH(OH)CH2OCH2CH2OCH2CH(OH)CH2−で示される有機基
b−4:カルボニル基
【0095】
試験区分6(脂肪酸アミド架橋体塩の合成)
・脂肪酸アミド架橋体塩(PD−5)の合成
酢酸10g(0.17モル)と水1085gとをフラスコに仕込み、酢酸水溶液とした。そこへ前記の脂肪酸アミド架橋体(PD−1)265g(0.2モル)を撹拌しながら注入して、脂肪酸アミド架橋体(PD−1)を酢酸で部分中和した脂肪酸アミド架橋体塩(PD−5)の20%水溶液を得た。
【0096】
・脂肪酸アミド架橋体塩(PD−6)の合成
脂肪酸アミド架橋体塩(PD−5)と同様にして、脂肪酸アミド架橋体塩(PD−6)を得た。以上で合成した各脂肪酸アミド架橋体塩の内容を表7にまとめて示した。
【0097】
【表7】
【0098】
試験区分7(脂肪酸アミド架橋体4級化物の合成)
・脂肪酸アミド架橋体4級化物(PD−8)の合成
前記の脂肪酸アミド架橋体(PD−1)132.6g(0.1モル)をフラスコに仕込み、窒素雰囲気下に撹拌しながら80℃に加温し、ジエチル硫酸15.4g(0.1モル)を10分間かけて滴下し、反応温度を80〜85℃に維持して反応させた。更に同温度で1時間熟成し、反応物として脂肪酸アミド架橋体(PD−1)のジエチル硫酸による4級化物である脂肪酸アミド架橋体4級化物(PD−8)を得た。
【0099】
・脂肪酸アミド架橋体4級化物(PD−9)の合成
脂肪酸アミド架橋体4級化物(PD−8)と同様にして、脂肪酸アミド架橋体4級化物(PD−9)を得た。以上で合成した各脂肪酸アミド架橋体4級化物の内容を表8にまとめて示した。
【0100】
【表8】
【0101】
試験区分8(合成繊維用処理剤の調製)
・合成繊維用処理剤(T−1)の20%水性液の調製
ポリエーテル化合物(PE−1)30部、ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド(PA−1)40部及びビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド/ステアリン酸アミドエチルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート/ポリオキシエチレン(n=20)ステアリルエーテル=40/40/20(重量比)から成る界面活性剤・潤滑剤混合物(E−1)30部に、水400部を加え、60℃に加温して激しく撹拌した後、ホモジナイザーに供して、合成繊維用処理剤(T−1)の20%水性液を調製した。
【0102】
・合成繊維用処理剤(T−2)〜(T−29)、(R−1)〜(R−6)の20%水性液の調製
合成繊維用処理剤(T−1)の20%水性液と同様にして、合成繊維用処理剤(T−1)〜(T−29)、(R−1)〜(R−6)の20%水性液を調製した。以上で調製した各水性液について、水を除く各合成繊維用処理剤の内容を表9〜表12にまとめて示した。
【0103】
試験区分9(評価用試料綿の作製と焼き玉防止性の評価)
・アクリル繊維綿の作製
アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メチルアクリレート/p−スチレンスルホン酸ナトリウム=90/5/4/1(重量%)の割合で共重合したアクリル共重合体を濃度25%になるようジメチルホルムアミドに溶解し、紡糸原液とした。この紡糸原液を25000ホールの口金を通し、ジメチルホルムアミド/水=55/45(重量%)の20℃の凝固浴に紡出して、5.5倍延伸した後、水洗してゲル膨潤状態の繊維を得た。得られた繊維に試験区分8で調製した合成繊維用処理剤の20%水性液を表9〜表12に記載の付着量となるようスプレー給油法で付着させ、表面温度140℃のローラー式乾燥機で緻密化した。そして、緻密化した繊維に公知の一般的な紡績用2次油剤を0.05%となるよう付着させた後、クリンプ、カット、乾燥を行ない、合成繊維用処理剤を付着させた2d×51mmのアクリル繊維綿を得た。
【0104】
・モダアクリル繊維綿の作製
試験区分8で調製した各合成繊維用処理剤の20%水性液を更に水で希釈して、1%水性液とした。この1%水性液を、脱脂した繊度2デニールで繊維長51mmのモダアクリル短繊維{アクリロニトリル/塩化ビニル/メタリルスルホン酸ナトリウム=65/34.5/0.5(重量%)の割合で共重合したアクリル共重合体}に、表9〜表12に記載の付着量となるようスプレー給油法で付着させた後、70℃の熱風乾燥機に60分間入れて乾燥し、合成繊維用処理剤を付着させたモダアクリル繊維綿を得た。
【0105】
・精紡工程における焼け玉防止性の評価
上記で得たアクリル繊維綿及びモダアクリル繊維綿を用いて、250ゲレン/30ヤード、撚数0.5回/インチの各々アクリル繊維粗糸及びモダアクリル繊維粗糸を得た。得られた粗糸を下記の精紡工程に供し、精紡工程における焼け玉防止性を評価した。結果を表9〜表12にまとめて示した。
【0106】
精紡工程条件
TWL型精紡機(トヨダ自動織機社製)の20錘を使用し、30℃×60%RHの雰囲気下、スピンドル回転数=14000rpm、トラベラーがOY−HN=2/0、紡出番手=綿番30番手、リング径=47mm、トータルドラフト=30倍、撚数=19.6回/インチの条件で回転数を10000rpmから徐々に上げ3時間運転を行ない、トラベラーの慣らしを終えた。その後各試料につき2錘づつ2時間紡出して紡績糸を得た。
【0107】
焼け玉防止性の評価
上記で得た紡績糸からランダムに100mづつ10点を評価用紡績糸として採取し、合計10点の各評価用紡績糸100mを白色板上にセリプレンで巻き、紡績糸表面の焼け玉の数、及びごく軽度の毛羽焼け症状を示す薄茶色点状物の数を目視で数えて、以下の基準で焼け玉防止性を評価した。点数が高いほど焼け玉防止性に優れている。
評価基準
5:焼け玉なし、薄茶色点状物なし、焼け玉防止性は極めて優秀
4:焼け玉なし、薄茶色点状物1〜10点あり、焼け玉防止性は非常に良好
3:焼け玉なし、薄茶色点状物11〜20点あり、焼け玉防止性は良好
2:焼け玉1〜10点あり、焼け玉防止性は不良
1:焼け玉11点以上あり、焼け玉防止性は著しく不良
【0108】
【表9】
【0109】
【表10】
【0110】
【表11】
【0111】
【表12】
【0112】
表9〜表12において、
付着量:アクリル繊維綿又はモダアクリル繊維綿に対する合成繊維用処理剤としての付着%
焼け玉防止性1:アクリル紡績糸についての評価
焼け玉防止性2:モダアクリル紡績糸についての評価
【0113】
PE−1〜PE−8,pe−1〜pe−4:表1,表2に記載のポリエーテル化合物
PA−1〜PA−5:表3に記載のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド
PA−6〜PA−9:表4に記載のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩
PA−10〜PA−13:表5に記載のポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物
PD−1〜PD−4:表6に記載の脂肪酸アミド架橋体
PD−5,PD−6:表7に記載の脂肪酸アミド架橋体塩
PD−8,PD−9:表8に記載の脂肪酸アミド架橋体4級化物
【0114】
AM−1:アミノ当量が1200であり、アミノ変性基が2−アミノエチル基であるアミノ変性ポリオルガノシロキサン
AM−2:アミノ当量が1500であり、アミノ変性基がN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基であるアミノ変性ポリオルガノシロキサン
AM−3:アミノ当量が2000であり、アミノ変性基が3−アミノプロピル基であるアミノ変性ポリオルガノシロキサン
【0115】
E−1:ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド/ステアリン酸アミドエチルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート/ポリオキシエチレン(n=20)ステアリルエーテル=40/40/20(重量比)から成る界面活性剤・潤滑剤混合物
E−2:ビス(2−ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド/ポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテルホスフェートカリウム塩/ポリオキシエチレン(n=12)セチルエーテル=40/40/20(重量比)から成る界面活性剤・潤滑剤混合物
E−3:ソルビタンモノステアレート/ポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテルホスフェートカリウム塩/ポリオキシエチレン(n=12)セチルエーテル=40/40/20(重量比)から成る界面活性剤・潤滑剤混合物
E−4:オキシエチレン基/オキシプロピレン基=70/30(モル比)のプルロニック型ポリエーテル(数平均分子量15000)/ポリオキシエチレン(n=20)ステアリルエーテルホスフェートカリウム塩/ポリオキシエチレン(n=12)セチルエーテル=40/20/40(重量比)から成る界面活性剤・潤滑剤混合物
【0116】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、高速下の紡績各工程において、特に高速下の精紡工程において、焼け玉の発生を抑制できるという効果がある。
Claims (11)
- 下記のポリエーテル化合物と下記の柔軟剤を、該ポリエーテル化合物/該柔軟剤=20/80〜50/50(重量比)の割合で含有して成ることを特徴とする合成繊維用処理剤。
ポリエーテル化合物:下記の式1で示されるポリエーテル化合物及び下記の式2で示されるポリエーテル化合物から選ばれる一つ又は二つ以上のポリエーテル化合物
【式1】
R1−X1−O−Y1
【式2】
(式1及び式2において、
R1,R2:炭素数28〜60のアルキル基又は炭素数28〜60のアルカノイル基
Y1:水素、炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数1〜60のアルカノイル基
Y2:炭素数2〜10の2〜4価の脂肪族ポリカルボン酸からすべてのカルボキシル基を除いた残基
X1,X2:合計6〜60個の炭素数2又は3のオキシアルキレン基の繰り返しで構成されたポリオキシアルキレン基であって且つ該オキシアルキレン基としてオキシエチレン基を50モル%以上有するポリオキシアルキレン基
a:2〜4)
柔軟剤:下記の式3で示されるポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド、該ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドを酸で中和したポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド塩、該ポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミドを4級化剤で4級化したポリオキシアルキレン変性脂肪酸アミド4級化物、下記の式4で示される脂肪酸アミド架橋体、該脂肪酸アミド架橋体を酸で中和した脂肪酸アミド架橋体塩、該脂肪酸アミド架橋体を4級化剤で4級化した脂肪酸アミド架橋体4級化物及び下記のアミノ変性ポリオルガノシロキサンから選ばれる一つ又は二つ以上の柔軟剤
【式3】
【式4】
(式3及び式4において、
R3,R4,R6,R7,R8,R9:炭素数8〜22の脂肪酸アミド基
R5:H又はアルキル基の炭素数が1〜3のトリアルキルシリル基
A1:合計3〜60個の炭素数2〜4のアルコキシ基の繰り返しで構成されたポリアルコキシ基
p,q,r:1〜4の整数
m,n,s,t,u,v:2又は3
B:2価の有機基)
アミノ変性ポリオルガノシロキサン:アミノ当量1000〜4000のアミノ変性ポリオルガノシロキサン - 式1で示されるポリエーテル化合物が、式1中のX1が8〜50個のオキシエチレン基の繰り返しで構成されたポリオキシエチレン基である場合のものである請求項1記載の合成繊維用処理剤。
- 式1で示されるポリエーテル化合物が、式1中のR1が炭素数28〜50のアルキル基又は炭素数28〜50のアルカノイル基であって、Y1が炭素数16〜22のアルカノイル基である場合のものである請求項1又は2記載の合成繊維用処理剤。
- 式2で示されるポリエーテル化合物が、式2中のX2が8〜50個のオキシエチレン基の繰り返しで構成されたポリオキシエチレン基である場合のものである請求項1、2又は3記載の合成繊維用処理剤。
- 式2で示されるポリエーテル化合物が、式2中のR2が炭素数28〜50のアルキル基又は炭素数28〜50のアルカノイル基であって、Y2が炭素数2〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸からすべてのカルボキシル基を除いた残基である場合のものである請求項1、2、3又は4記載の合成繊維用処理剤。
- 柔軟剤が式4で示される脂肪酸アミド架橋体及び/又は該脂肪酸アミド架橋体を酸で中和した脂肪酸アミド架橋体塩であって、ポリエーテル化合物/該柔軟剤=30/70〜45/55(重量比)の割合で含有して成る請求項1、2、3、4又は5記載の合成繊維用処理剤。
- 柔軟剤が式4で示される脂肪酸アミド架橋体及び/又は該脂肪酸アミド架橋体を酸で中和した脂肪酸アミド架橋体塩であって、式4中のR6,R7,R8,R9が炭素数18〜22の脂肪酸アミド基、q,rが1、s,t,u,vが2又は3、Bが−CH2CH(OH)CH2−で示される有機基である場合のものである請求項1、2、3、4、5又は6記載の合成繊維用処理剤。
- 柔軟剤がアミノ変性ポリオルガノシロキサンであって、ポリエーテル化合物/該柔軟剤=30/70〜45/55(重量比)の割合で含有して成る請求項1、2、3、4又は5記載の合成繊維用処理剤。
- アミノ変性ポリオルガノシロキサンがアミノ当量1500〜3000のものである請求項1、2、3、4、5又は8記載の合成繊維用処理剤。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の合成繊維用処理剤を合成繊維に対し0.05〜3重量%となるよう付着させることを特徴とする合成繊維の処理方法。
- 合成繊維がアクリル繊維である請求項10記載の合成繊維の処理方法。
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