JP4337440B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の制御技術に関し、特に、複数の摩擦係合要素を有する歯車式の自動変速機における多重変速時の過渡制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される自動変速機には、有段式と無段式の変速機があり、有段式の自動変速機は、トルクコンバータなどの流体継手と歯車式変速機構とから構成される。
【0003】
この有段式の自動変速機は、エンジンと、トルクコンバータ等の流体継手を介して接続される。有段式の自動変速機は、複数の動力伝達経路を有してなる変速機構(遊星歯車式変速機構)から構成され、たとえば、アクセル開度および車速に基づいて自動的に動力伝達経路の切換えを行なう、すなわち自動的に変速比(走行速度段)の切換えを行なうように構成される。有段式の自動変速機においては、摩擦係合要素である、クラッチ要素やブレーキ要素やワンウェイクラッチ要素が、所定の状態に係合および解放されることにより、ギヤ段が決定される。
【0004】
このような自動変速機において、一般的に、自動変速機を有した車両には運転者により操作されるシフトレバーが設けられ、シフトレバー操作に基づいて変速ポジション(たとえば、後進走行ポジション、ニュートラルポジション、前進走行ポジション)が設定されている。
【0005】
このような構成における前進走行ポジションにおいては、複数のギヤ段(たとえば、5速自動変速機であれば5つのギヤ段、6速自動変速機であれば6つのギヤ段)が設定されている。それぞれのギヤ段に対応させて、どのクラッチ要素やブレーキ要素を係合するのか解放するのかが定められている。ECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU(Electronic Control Unit)とよばれるコンピュータが、予め定められた変速マップ(車速とスロットル開度とによりアップシフト線とダウンシフト線とを規定したマップ)に基づいて、油圧回路のソレノイドバルブやリニアソレノイドバルブに制御信号を出力して、所望のギヤ段を構成するように、適正なタイミングでクラッチ要素やブレーキ要素を係合させたり解放させたりしている。
【0006】
また、このような油圧回路においては、変速時のショックの発生やタービン吹き(エンジン回転数の不必要な上昇)をできる限り抑制するために、作動油の供給や排出のタイミングおよびその速度を制御するようにしている。作動油の供給や排出の速度を制御するために、油圧回路にアキュームレータやオリフィスを設けたり、作動油の油圧をリニアソレノイドバルブを用いて直接にコントロール(直接圧制御、直圧制御、ダイレクトクラッチ制御等という)したりしている。
【0007】
ところで、このような構成を有する自動変速機において、運転状態の変化などにより、第1の変速指令に基づく第1の変速段への変速動作の途中に第2の変速指令に基づく第2の変速段への指令が出力されて、多重変速が発生する場合がある。たとえば、アクセルペダルを踏んで加速後にアクセルペダルを戻して蛇行すると、2速→3速→4速のアクセルオフでアップシフト変速が行なわれる。このアップシフト変速中に、再加速するために運転者がアクセルペダルを踏む込むと、2速から4速への変速途中で3速へダウンシフトされる。
【0008】
特開平8−277925号公報(特許文献1)は、クラッチ・ツウ・クラッチ変速中の多重変速を変速の遅れやショックを悪化させずに実行する自動変速機の制御装置を開示する。この自動変速機の制御装置は、第1の摩擦係合装置を解放するとともに第2の摩擦係合装置を係合させることにより所定の変速を実行する自動変速機の制御装置であって、変速の実行中であることを判断するクラッチ・ツウ・クラッチ変速判断手段と、変速の実行中に他の変速を実行するべき状態の成立を判断する多重変速判断手段と、変速の実行中における第2の摩擦係合装置の係合開始を判断する係合開始判断手段と、変速の実行中における第2の摩擦係合装置の係合の終了を判断する係合終了判断手段と、多重変速判断手段による他の変速の判断時点が、係合開始判断手段による第2の摩擦係合装置の係合開始の判断の成立の前後あるいは係合終了判断手段による第2の摩擦係合装置の係合終了の判断の成立の前後であることに応じて互いに異なる変速指示を出力する変速指示手段とを備える。
【0009】
この自動変速機の制御装置によると、第1の摩擦係合装置を解放しかつ第2の摩擦係合装置を係合させる変速が実行されていると、これをクラッチ・ツウ・クラッチ変速判断手段が判断する。またその変速中における第2の摩擦係合装置の係合状態が検出されており、その摩擦係合装置が係合を開始すれば、これを係合開始判断手段が判断し、またその摩擦係合装置の係合が終了すれば、これを係合終了判断手段が判断する。一方、この変速中に他の変速段を設定するべき状態が生じると、その変速を多重変速判断手段が判断する。多重変速判断手段による変速判断が行なわれた場合に、その変速判断による変速段への変速を最終的には実行するが、多重変速判断手段による判断が、この係合開始手段による係合の開始の判断以前もしくは以降、あるいは係合終了判断手段による係合終了の判断以前あるいは以降のいずれの時点で行なわれたかによって異なる変速指示を変速指示手段が出力する。したがって、いわゆる多重変速の場合には、最初の変速の進行状況を細分化して判断し、それぞれの状況に応じた変速制御を実行するから、変速遅れや変速ショックの悪化などが防止される。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−277925号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された自動変速機の制御装置では、以下のような問題点がある。
【0012】
第1に、この制御装置では、多重変速時における制御を第1の変速出力および第2の変速出力とタービン回転数の変化とに基づいて変速指令を切換える制御を実行し、変速指令を出力する前のギヤ段がどのギヤ段であるかによって、制御を切換える必要がある。このため、複雑な多重変速の場合には、多くの場合分けが発生してしまい制御が複雑になってしまう。
【0013】
第2に、この制御装置では、変速判断の開始、回転数変化の開始、回転数変化の終了、タイマを用いて、変速過程を4つのフェーズに分類しているに過ぎない。また、現実に変速指令を出力できるか否かを本質的に判断するために必要な各摩擦係合要素のトルク容量に着目して、変速過程を分類していない。このため、大略的な制御しか実行することができないので、変速ショックやタービン吹き(エンジン回転数上昇)を回避できない場合がある。
【0014】
第3に、この制御装置では、変速過程を4つのフェーズに分けて、変速指令の出力タイミングを変更するに過ぎず、係合対象の摩擦係合要素および解放対象の摩擦係合要素の係合圧を直接的に制御するものではない。このため、変速指令の出力タイミングを早めたり遅らせたりするのみでは、変速フィーリングの向上に限界がある。
【0015】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、多重変速時において、変速ショックを生じさせることなく、変速時間を短くすることができる、自動変速機の変速制御装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る自動変速機の変速制御装置は、変速指示が出力された際に、目標ギヤ段に基づいて、制御対象となる摩擦係合要素を特定するための特定手段と、特定された摩擦係合要素のトルク容量を推定するための推定手段と、推定されたトルク容量と自動変速機への入力トルクとに基づいて、制御対象となる摩擦係合要素の係合圧を制御するための制御手段とを含む。
【0017】
第1の発明によると、たとえば、第1のギヤ段から第2のギヤ段を経由して第3のギヤ段への変速中に、第2のギヤ段への変速指令が発生したとする。このような多重変速時においては、係合から解放される摩擦係合要素および解放から係合される摩擦係合要素が複数存在する。このような場合には、特定手段により、目標ギヤ段(ここでは最終的な第2のギヤ段)に基づいて、複数の摩擦係合要素の中から制御対象として、解放状態から係合状態にされる摩擦係合要素が特定され、推定手段によりこの摩擦係合要素についてこの時のトルク容量が推定される。このトルク容量が自動変速機の入力トルク(通常はエンジンと変速機構との間に流体継手として設置されるトルクコンバータの出力軸トルクであるタービントルク)よりも、大きいとその状態を維持するように制御され、小さいとトルク容量を増大させる。制御手段は、この摩擦係合要素の係合圧を制御するための(すなわち、この摩擦係合要素の係合圧を高めるための)ソレノイドパターンを油圧回路に出力する。このようにすると、摩擦係合要素のトルク容量が入力トルクに対して十分であるか十分でないかに基づいて制御するので、摩擦係合要素が伝達できるトルクは十分であるので、タービン吹きや変速ショックが発生することはない。その結果、多重変速時において、変速ショックを生じさせることなく、変速時間を短くすることができる、自動変速機の変速制御装置を提供することができる。
【0018】
第2の発明に係る自動変速機の変速制御装置は、変速指示が出力された際に、実際に形成されている現ギヤ段を算出するための算出手段と、算出された現ギヤ段と目標ギヤ段とに基づいて、制御対象となる摩擦係合要素を特定するための特定手段と、特定された摩擦係合要素のトルク容量を推定するための推定手段と、推定されたトルク容量と自動変速機への入力トルクとに基づいて、制御対象となる摩擦係合要素の係合圧を制御するための制御手段とを含む。
【0019】
第2の発明によると、たとえば、第1のギヤ段から第2のギヤ段を経由して第3のギヤ段への変速中に、第2のギヤ段への変速指令が発生したとする。このような多重変速時においては、係合から解放される摩擦係合要素および解放から係合される摩擦係合要素が複数存在する。さらに、このような多重変速時においては、それぞれの摩擦係合要素がどのような状態(係合状態であるのか、係合から解放状態に移行しているのか、解放状態から係合状態に移行しているのか、解放状態であるのか)が明確には把握できない。そのため、算出手段により実際に形成されているギヤ段を、たとえば自動変速機の入力軸回転数と出力軸回転数とギヤ比とに基づいて算出する。特定手段により、現ギヤ段から目標ギヤ段(ここでは最終的な第2のギヤ段)に移行するために最も適切な摩擦係合要素が、複数の摩擦係合要素の中から制御対象として特定される。推定手段によりこの摩擦係合要素についてこの時のトルク容量が推定される。このトルク容量が自動変速機の入力トルク(通常はエンジンと変速機構との間に流体継手として設置されるトルクコンバータの出力軸トルクであるタービントルク)よりも、大きいとその状態を維持するように制御され、小さいとトルク容量を増大させる。制御手段は、この摩擦係合要素の係合圧を制御するための(すなわち、この摩擦係合要素の係合圧を高めるための)ソレノイドパターンを油圧回路に出力する。このようにすると、摩擦係合要素のトルク容量が入力トルクに対して十分あるか十分でないかに基づいて制御するので、摩擦係合要素が伝達できるトルクは十分であるので、タービン吹きや変速ショックが発生することはない。その結果、多重変速時において、変速ショックを生じさせることなく、変速時間を短くすることができる、自動変速機の変速制御装置を提供することができる。
【0020】
第3の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、制御手段は、トルク容量が入力トルクに対して十分であるか否かを判定し、不十分であると判定されたときに制御対象となる摩擦係合要素を係合状態に変化させるように係合圧を制御するための手段を含む。
【0021】
第3の発明によると、制御手段は、制御対象であって、トルク容量が十分でない摩擦係合要素を係合状態に変化させるための油路を形成するようなソレノイドパターンを出力して、係合圧を高めてトルク容量を十分な状態にすることができる。
【0022】
第4の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第3の発明の構成に加えて、制御手段は、制御対象となる摩擦係合要素を係合状態に変化させるように、変速指示を出力するための手段を含む。
【0023】
第4の発明によると、制御手段は、制御対象であって、トルク容量が十分でない摩擦係合要素を係合状態に変化させるようなギヤ段への変速指示を出力して、係合圧を高めてトルク容量を十分な状態にすることができる。
【0024】
第5の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、制御手段は、トルク容量が入力トルクに対して十分であるか否かを判定し、十分であると判定されたときに制御対象となる摩擦係合要素の係合状態が維持されるように係合圧を制御するための手段を含む。
【0025】
第5の発明によると、制御手段は、制御対象であって、トルク容量が十分である摩擦係合要素の係合状態が変化しないように油路を維持するようなソレノイドパターンを出力して、係合圧を保持してトルク容量を十分な状態に維持することができる。
【0026】
第6の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第4の発明の構成に加えて、制御手段は、制御対象となる摩擦係合要素の係合状態が維持されるように、変速指示を出力するための手段を含む。
【0027】
第6の発明によると、制御手段は、制御対象であって、トルク容量が十分である摩擦係合要素を係合状態が変化しないようなギヤ段への変速指示を出力したり、現状の変速指示を維持したりして、係合圧を保持してトルク容量を十分な状態に維持することができる。
【0028】
第7の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、制御対象となる摩擦係合要素は、変速指示前のギヤ段から目標ギヤ段への変速に伴い、解放状態から係合状態に切換わる摩擦係合要素である。
【0029】
第7の発明によると、制御手段は、多重変速時において、変速指示前のギヤ段から目標ギヤ段への変速に伴い、解放状態から係合状態に切換わる摩擦係合要素におけるトルク容量に基づいて変速制御を行なうことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0031】
本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECU1000により実現される。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手としてトルクコンバータを備えた、遊星歯車式減速機構を有する自動変速機として説明する。
【0032】
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、より詳しくは、図1に示すECU1000の中のECT_ECU1020により実現される。
【0033】
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、ECU1000とから構成される。
【0034】
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサ400により検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
【0035】
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ210と、入力軸側のポンプ羽根車220と、出力軸側のタービン羽根車230と、ワンウェイクラッチ250を有するトルク増幅機能を発現するステータ240とから構成される。トルクコンバータ200と自動変速機300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサ410により検知される。自動変速機300の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサ420により検知される。
【0036】
ロックアップクラッチ210は、油圧を供給するロックアップリレーバルブによって油圧の供給/排出が係合側と解放側とで切換えられて作動させられ、ロックアップピストンが軸方向に移動することによって、ロックアップピストンとフロントカバーとが摩擦材を介して接離される。また、ロックアップクラッチ210によってトルクコンバータ内が区画され、ロックアップピストンとフロントカバーとの間に、ロックアップクラッチ210を解放するための解放側油室が、ロックアップピストンとタービンランナとの間にロックアップクラッチ210を係合させるための係合側油室がそれぞれ形成され、解放側油室および係合側油室に、バルブボディ内の油圧回路から油圧が供給されるようになっている。
【0037】
図2(A)に自動変速機300の作動表の全体を、図2(B)にその一部を示す。
【0038】
図2(A)に示す作動表によると、摩擦要素であるクラッチ要素(図中のC1〜C4)や、ブレーキ要素(B1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(F0〜F3)が、どのギヤ段の場合に係合および解放されるかを示している。たとえば、車両の発進時に使用される1速時には、クラッチ要素(C1)、ワンウェイクラッチ要素(F0、F3)が係合する。
【0039】
図2(B)に示すように、本実施の形態にかかる制御装置が制御する自動変速機においては、以下のような場合に、制御対象の摩擦係合要素であるクラッチ要素やブレーキ要素を特定して、係合状態にするために作動油を供給したり、解放状態にするために作動油を排出したりする制御を行なう。
【0040】
たとえば、第1の場合として、2nd→3rd→4thの変速中であって、3rd形成クラッチ要素(クラッチ要素C3)のトルク容量が不十分なときに、目標ギヤ段を3rdとする多重変速になった場合である。第2の場合として、4th→3rd→2ndの変速中であって、実際のギヤ段が4thと3rdとの間にあるときに、目標ギヤ段を3rdとする多重変速になった場合である。
【0041】
さらに、この自動変速機においては、1速(1st)から4速(4th)までは、ライン圧を用いたアキューム制御が実行され、5速(5th)と6速(6th)とは、直接圧制御が実行される。なお、これらのクラッチ要素やブレーキ要素に関連する油圧回路の詳細については、後述する。
【0042】
これらのパワートレーンを制御するECU1000は、エンジン100を制御するエンジンECU1010と、自動変速機300を制御するECT_ECU1020と、VSC(Vehicle Stability Control)_ECU1030とを含む。
【0043】
ECT_ECU1020には、タービン回転数センサ410からタービン回転数NTを表わす信号が、出力軸回転数センサ420から出力軸回転数NOUTを表わす信号が入力される。また、ECT_ECU1020には、エンジンECU1010から、エンジン回転数センサ400にて検知されたエンジン回転数NEを表わす信号と、スロットルポジションセンサにて検知されたスロットル開度を表わす信号とが入力される。
【0044】
これら回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
【0045】
さらに、ECT_ECU1020には、VSC_ECU1030から、Gセンサにて検知された車両加速度を表わす信号と、ブレーキがオン状態であることを表わす信号とが入力される。VSC_ECU1030は、ECT_ECU1020からブレーキ制御信号が入力され、車両のブレーキを制御する。VSC_ECU1030からECT_ECU1020にアクセル開度信号が送信される。
【0046】
ECT_ECU1020は、自動変速機300の油圧回路のリニアソレノイド(SL1、SL2、SLT、SLU)や、オンオフソレノイドに、制御信号を出力する。これらの制御信号に基づいて、図2に示す所望の摩擦係合要素が係合されたり、解放されたりする。また、作動油の供給油路や排出油路が切換えられたり、さらに直接圧制御とライン圧制御(ライン圧が供給される制御)とが切換えられたりする。なお、ライン圧制御とは、直接圧制御を用いてリニアソレノイドバルブで調圧された油圧ではなく、ライン圧が摩擦係合要素に供給される場合の制御の状態を指し示し、以下の説明においては、このライン圧制御をライン圧供給とも記載する。
【0047】
ECT_ECU1020には、自動変速機300から作動油の油温を表わす信号が入力されるとともに、エンジンECU1010からエンジン100の出力トルクを表わす信号が入力される。エンジンECU1010は、エンジン回転数NEおよび吸入空気量毎にエンジントルクを予め計測して記憶しておいて、エンジンECU1010は、現在のエンジンの状態からエンジントルクを逐次推定する。
【0048】
このとき、エンジンECU1010は、エアコンディショナのコンプレッサなどのエンジン100の負荷を考慮してエンジントルクを補正する。ECT_ECU1020は、エンジンECU1010から入力されたエンジントルクにトルクコンバータ200のトルク比ηを乗算してタービントルクを算出する。なお、トルクコンバータ200のトルク比ηは、トルクコンバータ200の速度比e(=タービン回転数NT/エンジン回転数NE)から算出することができる。
【0049】
図3を参照して、本実施の形態に係る制御装置により制御されるクラッチ要素C2、クラッチ要素C3、ブレーキ要素B3に関連する油圧回路について説明する。図3に示す油圧回路は、全体の油圧回路の一部である。
【0050】
クラッチ要素C2は、アキューム制御領域において、4thで係合状態に、それ以外で解放状態に制御される。クラッチ要素C3は、アキューム制御領域において、3rdおよび4thで係合状態に、それ以外で解放状態に制御される。
【0051】
ブレーキ要素B3は、2nd、3rdおよび4thで係合状態に、それ以外で解放状態に制御される。
【0052】
クラッチ要素C2は、プライマリレギュレータバルブに接続されS3ソレノイドバルブにより制御される3−4シフトバルブを介してライン圧が供給される。クラッチ要素C2は、S3シフトバルブがオフからオンになると3−4シフトバルブが切換わり、作動油が供給される状態から作動油が排出される状態に切換わる。
【0053】
クラッチ要素C2への作動油の供給および排出については、クラッチ要素C2への油路にC2アキュームレータが接続され、C2アキュームレータの背圧として、アキュームレータコントロールバルブを介して、リニアソノイドバルブSLTにより調圧された作動油が供給される。これにより、クラッチ要素C2のライン圧制御における作動油の供給速度および作動油の排出速度が制御される。
【0054】
さらに、クラッチ要素C2への作動油の供給および排出については、クラッチ要素C2への油路にC2アプライオリフィスおよびC2ドレンオリフィスが設けられている。C2ドレンオリフィスとして、C2ドレンオリフィス(大)とC2ドレンオリフィス(小)とが設けられる。これは、S5ソレノイドバルブのオンオフにより切換えられる。S5ソレノイドバルブが、オン状態のときにC2ドレンオリフィス(小)となり、オフ状態のときにC2ドレンオリフィス(大)となる。
【0055】
クラッチ要素C3は、プライマリレギュレータバルブに接続されS2ソレノイドバルブにより制御される2−3、5−6シフトバルブを介して作動油が供給される。このクラッチ要素C3は、1速(1st)から4速(4th)までにおいては、開口径の小さなオリフィスを有する油路を用いたライン圧制御が、5速(5th)と6速(6th)とにおいては、開口径の大きなオリフィスを有する油路を用いた直接圧制御が行なわれる。クラッチ要素C3は、S2シフトバルブがオンからオフになると2−3、5−6シフトバルブが切換わり、直接圧制御からライン圧制御に切換わる。クラッチ要素C3は、S4シフトバルブがオンからオフになると4−5シフトバルブが切換わり、SL1による直接圧制御から、C3アキュームレータの背圧制御に切換わる。
【0056】
図3に示すように、クラッチ要素C3がライン圧制御される時には小オリフィスを備えた油路が選択され、クラッチ要素C3が直接圧制御される時には大オリフィスを備えた油路が選択される。
【0057】
また、クラッチ要素C3がライン圧制御される時の作動油の供給および排出については、クラッチ要素C3への油路にC3アキュームレータが接続され、C3アキュームレータの背圧として、アキュームレータコントロールバルブを介して、リニアソノイドバルブSLTにより調圧された作動油が供給される。これにより、クラッチ要素C3のライン圧制御における作動油の供給速度および作動油の排出速度が制御される。
【0058】
ブレーキ要素B3がライン圧制御される時の作動油の供給および排出については、ブレーキ要素B3への油路にB3アキュームレータが接続され、B3アキュームレータの背圧として、アキュームレータコントロールバルブを介して、リニアソノイドバルブSLTにより調圧された作動油が供給される。これにより、ブレーキ要素B3のライン圧制御における作動油の供給速度および作動油の排出速度が制御される。
【0059】
図4〜図6を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECU1020の内部メモリに記憶されるマップについて説明する。
【0060】
図4は、2nd、3rdおよび4th時に係合されるブレーキ要素B3のトルク容量を、ブレーキ要素B3のアキュームストローク量(%)とクラッチ要素C3のアキュームストローク量(%)とに基づいて算出するために用いられるマップである。以降、このマップをマップ(X)という。
【0061】
図5は、3rdおよび4th時に係合されるクラッチ要素C3のトルク容量を、クラッチ要素C3のアキュームストローク量(%)とクラッチ要素C2のアキュームストローク量(%)とに基づいて算出するために用いられるマップである。以降、このマップをマップ(Y)という。
【0062】
図6を参照して、マップ(Y)において、クラッチ要素C3のトルク容量を算出するときに他のクラッチ要素であるクラッチ要素C2のアキュームストローク量(%)が関係することについて説明する。
【0063】
図6に示すように、クラッチ要素C2がトルク容量を有している場合には、クラッチ要素C3がトルク容量を必要とするまでに時間的な余裕ができる。すなわち、ケース(A)は、ケース(B)に比べて、クラッチ要素C2のトルク容量が大きいのでクラッチ要素C3がトルク容量を有さない時間があっても3rd同期回転数に到達するまでの時間が長く、この間にクラッチ要素C3のトルク容量が増えることになる。このため、クラッチ要素C3がトルク容量を必要とするときには、現状よりアキュームレータのストローク量が増えているので、より大きな入力トルクを伝達することができることになる。このため、図5に示すように、クラッチ要素C3のトルク容量を算出するためのマップに、他のクラッチ要素C2のアキュームストローク量(%)が関係するのである。マップ(X)についても同じであるので、ここでは、マップ(X)についての詳細な説明は繰り返さない。
【0064】
図7を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECU1020の内部メモリに記憶されるマップについて説明する。このマップは、変速過渡制御時における制御対象の摩擦係合要素(クラッチ要素、ブレーキ要素)を特定するとともに、アプライ中心の制御またはドレン中心制御のいずれを実行するのかを定めるためのマップである。
【0065】
このマップにおいて、縦軸は、現在のギヤ段を示す。横軸は、目標のギヤ段を示す。縦軸である現在のギヤ段は、タービン回転数NTにより判断する。たとえば、2速同期回転数〜3速同期回転数の間にタービン回転数NTがあれば現在のギヤ段は2ndとなる。同期回転数は、自動変速機300の出力軸回転数NOUT×ギヤ比)で算出される。したがって、出力軸回転数NOUT×2速のギヤ比と出力軸回転数NOUT×3速のギヤ比との間にタービン回転数NTがあれば、現在のギヤ段は2ndとなる。
【0066】
なお、回転数センサの誤差を考慮して、実際には、2速同期回転数−50rpm以上かつ3速同期回転数−50rpmを現在のギヤ段が2ndと判断している。
【0067】
図7に示すように、現在のギヤ段と目標ギヤ段とに基づいてどのような制御が実行されるかが決定されるわけであるが、その際に、クラッチ要素やブレーキ要素のトルク容量の状態が十分であるか不十分であるかによって場合を分けて制御方法を変更している。
【0068】
たとえば、現在のギヤ段が2ndであって目標のギヤ段が2ndである場合に、ブレーキ要素B3のトルク容量が不十分である場合には、「UP12」という制御が実行され、ブレーキ要素B3のトルク容量が十分である場合には「DW32」という制御が実行される。
【0069】
また、現在のギヤ段が3rdであって目標ギヤ段が2ndである場合に、ブレーキ要素B3のトルク容量が不十分である場合には「UP12」という制御が、ブレーキ要素B3のトルク容量が十分である場合には「DW32」という制御が行なわれる。
【0070】
また、現在のギヤ段が3rdで目標ギヤ段が3rdである場合において、クラッチ要素C3のトルク容量が不十分である場合には「UP23」という制御が、クラッチ要素C3のトルク容量が十分である場合には「DW43」という制御が行なわれる。
【0071】
図7に示すマップにおける、「DW21」という制御は、ブレーキ要素B3解放中心の制御を実行する。「DW32」という制御は、クラッチ要素C3解放中心の制御を実行する。「DW43」という制御は、クラッチ要素C2解放中心の制御を実行する。「UP12」という制御は、ブレーキ要素B3係合中心の制御を実行する。「UP23」という制御は、クラッチ要素C3係合中心の制御を実行する。「UP34」という制御は、クラッチ要素C2係合中心の制御を実行する。
【0072】
このように、制御を区別して行なう(制御を変更する)のは、目標ギヤ段と現在実際に形成している実ギヤ段から制御対象となるクラッチ要素やブレーキ要素を判定するためである。この場合、制御対象となるクラッチとして係合側のクラッチと解放側のクラッチの2つが存在する。アキューム変速の場合、基本的には油圧は、供給圧と背圧とで制御されるが、制御中の全クラッチに同じ供給圧、同じ背圧が供給されるので、どのクラッチを中心に制御を行なうのかを決める必要がある。残りのクラッチは、成り行きで油圧が変化することになるが、成り行きの場合であっても、緩衝機構としてのアキュームレータが設けられているため、油圧は滑らかに変化する。ただし、そのクラッチ要素に対して、最適な係合圧や背圧により制御されているとは限らない。
【0073】
また、係合側のトルク容量が十分である場合には解放側のクラッチの制御を中心に行なう。係合側のトルク容量が十分でないとタービン吹きが発生することを回避するためである。これは、係合側が伝達トルクのヒューズとなっているためである。すなわち、係合側のトルク容量が不足するときには、係合クラッチ中心に制御を行なう。よって、解放側のクラッチは成り行きであっても、アウトプットトルクに大きく影響は及ぼさない。しかし、係合側が十分なトルク容量を持っている場合には、係合側は滑らないため、解放側がヒューズとなる。つまり、アウトプットトルクが解放側のトルク容量に影響を受けるということになる。そこで、解放側中心に制御することで、変速ショックを低減させることができる。
【0074】
図8を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECU1020により実行される目標ギヤ段切換処理のプログラムの制御構造について説明する。
【0075】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECT_ECU1020は、現在の形成ギヤ段を算出する。このときn速同期回転数≦タービン回転数NT<(n+1)速同期回転数であると、現在の形成ギヤ段をn段として算出する。
【0076】
S110にて、ECT_ECU1020は、許容入力トルク算出マップを選択する。目標ギヤ段と現在の形成ギヤ段(n)により、図4に示すマップ(X)および図5に示すマップ(Y)のいずれかを選択する。目標ギヤ段が2ndである場合には、ブレーキ要素B3とクラッチ要素C3とから算出される、マップ(X)が選択される。また、目標ギヤ段が3rdである場合には、クラッチ要素C3とクラッチ要素C2から算出される、マップ(Y)が選択される。
【0077】
S120にて、ECT_ECU1020は、選択したマップにより許容入力トルクを算出する。推定されたブレーキ要素B3、クラッチ要素C3およびクラッチ要素C2のアキュームストローク量(%)と、選択したマップとにより許容入力トルクを算出する。このとき、図4および図5のいずれかのマップが使用される。
【0078】
S130にて、ECT_ECU1020は、許容トルク容量がタービントルクよりも大きいか否かを判断する。タービントルクは、エンジンECU1010にて算出されたエンジントルクにトルクコンバータ200のトルク比ηを乗算することにより算出される。許容トルク容量は、図4または図5のマップを用いて算出したトルク容量である。許容トルク容量がタービントルク容量も大きいと(S130にてYES)、処理はS140へ移される。もしそうでないと(S130にてNO)、処理はS150へ移される。このとき、図7に示すマップが用いられる。図7中の「トルク容量十分」とは、「トルク容量(入力トルク換算)>タービントルク」と判断された場合であり、図7中の「トルク容量不十分」とは、「トルク容量(入力トルク換算)≦タービントルク」と判断された場合である。
【0079】
S140にて、ECT_ECU1020は、変速パターンを選出する。図7のマップに基づく判断の結果、目標ギヤ段が2ndである場合にはクラッチ要素C3ドレン中心の制御が行なわれ、目標ギヤ段が3rdである場合にはクラッチ要素C2ドレン中心の制御が行なわれる。
【0080】
S150にて、ECT_ECU1020は、変速パターンを選出する。図7のマップに基づく判断の結果、目標ギヤ段が2ndである場合にはブレーキ要素B3アプライ中心の制御が行なわれ、目標ギヤ段が3rdである場合にはブレーキ要素B3アプライ中心の制御が行なわれる。
【0081】
S160にて、ECT_ECU1020は、ソレノイド切換えのためのソレノイドパターンを出力する。目標ギヤ段が、2ndである場合にはS1ソレノイドをオン、S2ソレノイドをオン、S3ソレノイドをオン、S4ソレノイドをオフ、S5ソレノイドをオフとして、ブレーキ要素B3をアプライ状態に、クラッチ要素C3をドレン状態に、クラッチ要素C2をドレン状態の大オリフィスの状態とする。また、目標ギヤ段が3rdの場合には、S1ソレノイドバルブをオン、S2ソレノイドバルブをオフ、S3ソレノイドバルブをオン、S4ソレノイドバルブをオフ、S5ソレノイドバルブをオフの状態とし、ブレーキ要素B3はアプライ状態に、クラッチ要素C3をアプライ状態に、クラッチ要素C2をドレン状態の大オリフィスの状態とする。
【0082】
なお、S5ソレノイドバルブのオンオフにより、クラッチ要素C2のドレンが大オリフィスであるか小オリフィスであるかを切換えることができる。このC2ドレンオリフィスの切換えについては、変速時間を重視する場合には大オリフィスを選択するように、変速ショックの軽減を重視する場合には小オリフィスを選択するようにする。
【0083】
S170にて、ECT_ECU1020は、ソレノイド切換えのためのソレノイドパターンを出力する。このとき目標ギヤ段が2ndである場合にはS1ソレノイドバルブをオン、S2ソレノイドバルブをオン、S3ソレノイドバルブをオン、S4ソレノイドバルブをオフ、S5ソレノイドバルブをオン状態とし、ブレーキ要素B3をアプライ状態に、クラッチ要素C3をドレン状態に、クラッチ要素C2をドレン状態の小オリフィスの状態とする。また、目標ギヤ段が3rdの場合にはS1ソレノイドバルブをオン、S2ソレノイドバルブをオフ、S3ソレノイドバルブをオン、S4ソレノイドバルブをオフ、S5ソレノイドバルブをオンとし、ブレーキ要素B3をアプライ状態に、クラッチ要素C3をアプライ状態に、クラッチ要素C2をドレン状態であって小オリフィスの状態とする。
【0084】
S180にて、ECT_ECU1020は、ライン圧および背圧制御を実行する。このとき、目標ギヤ段が2ndである場合には、ECT_ECU1020は、リニアソレノイドバルブSLTに対してクラッチ要素C3ドレン用のライン圧を設定する信号を出力し、リニアソレノイドバルブSL1に背圧を設定する制御信号を出力する。また、目標ギヤ段が3rdの場合には、ECT_ECU1020は、リニアソレノイドバルブSLTにクラッチ要素C2ドレン用のライン圧を設定する制御信号を、リニアソレノイドバルブSL1に背圧を設定する制御信号を出力する。
【0085】
S190にて、ECT_ECU1020は、ライン圧および背圧制御を実行する。このとき、目標ギヤ段が2ndである場合には、ECT_ECU1020は、リニアソレノイドバルブSLTにブレーキ要素B3アプライ用のライン圧を設定する制御信号を出力し、リニアソレノイドバルブSL1に背圧を設定する制御信号を出力する。また、目標ギヤ段が3rdである場合には、リニアソレノイドバルブSLTに、クラッチ要素C3アプライ用のライン圧を設定する制御信号を、リニアソレノイドバルブSL1に背圧を設定する制御信号を出力する。S180およびS190の後、処理はS200へ移される。S200にて、変速出力判断を終了する。
【0086】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECU1020を搭載した車両の動作について説明する。この説明のため、図9にタイミングチャートを示す。
【0087】
図9は、2nd→3rd→4thオフアップ中に、パワーオン3rdダウンが発生した場合の各種状態の時間変化を表わすタイミングチャートである。図9に、目標ギヤ段、アウトプットトルク、アクセル開度、タービン回転数、アキュームレータ背圧指令値およびクラッチ係合圧を示す。また、図9のタイミングチャートにおいて、実線が本発明に係る制御を行なった場合を示し、点線が従来の制御を行なった場合を示す。
【0088】
目標ギヤ段切換え処理が実行されると、現在の形成ギヤ段が算出される(S100)。目標ギヤ段と現在のギヤ段とに基づいて、マップ(X)(図4)またはマップ(Y)(図5)のいずれかが選択される(S110)。このとき、目標ギヤ段が2ndの場合にはマップ(X)が、目標ギヤ段が3rdの場合にはマップ(Y)が選択される。
【0089】
図4または図5に示すマップを用いて、許容入力トルクが算出される(S120)。このとき、ブレーキ要素B3、クラッチ要素C3およびクラッチ要素C2において推定されたアキュームストローク量に基づいて図4または図5に示すマップを用いて許容入力トルクが算出される(S120)。図7に示すマップを用いて、許容入力トルク(図7のトルク容量)とタービントルクとの関係から、どの制御が実行されるのかが選出される。
【0090】
許容入力トルクがタービントルクよりも大きいと(S130にてYES)、変速パターンが選出され(S140)、ソレノイド切換え処理が実行される(S160)。さらに、ライン圧および背圧の制御が実行される(S180)。
【0091】
一方、許容トルク容量がタービントルク以下であると(S130にてNO)、変速パターンの選出が行なわれ(S150)、ソレノイド切換えが行なわれ(S170)、ライン圧および背圧の制御が実行される(S190)。
【0092】
許容入力トルクがタービントルクよりも大きい場合に(S130にてYES)、目標ギヤ段が2ndの場合にはクラッチ要素C3ドレン中心の制御が、目標ギヤ段が3rdの場合にはクラッチ要素C2ドレン中心の制御が実行される(S140)。一方、許容トルク容量がタービントルク以下である場合には(S130にてNO)、目標ギヤ段が2ndの場合にはブレーキ要素B3アプライ中心の制御が実行され、目標ギヤ段が3rdの場合にはブレーキ要素B3アプライ中心の制御が行なわれる(S150)。
【0093】
以上のようにして、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECUによると、実際に自動変速機が形成しているギヤ段を求め、そのギヤ段より制御対象となるクラッチ(解放側と係合側と)を求める。対象クラッチのトルク容量(入力トルク換算)が目標ギヤ段を形成する上で十分なトルク容量を有しているか否かを現在の入力トルクと比較して判定する。
【0094】
係合側のトルク容量が不十分な場合には係合側のクラッチの制御(アプライ制御)を行ない、係合側のクラッチ容量が十分な場合には解放側のクラッチの制御(ドレン制御)を実行する。
【0095】
このように制御するため、図9に示すように従来の場合と異なりアキュームレータ背圧指令値が目標ギヤ段がパワーオン3rdダウンに対応して高く設定され、3rd係合クラッチがより早く係合する。これにより、タービン回転数がより早く3rd同期回転数に到達し変速時間が短くなるとともに、アウトプットトルクの変動が小さくなる。その結果、変速時間を短くし、タービン吹きや変速ショックの発生を回避することができる。
【0096】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御ブロック図である。
【図2】 図1に示す自動変速機の作動表である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る自動変速機の油圧回路を示す図である。
【図4】 図1のECT_ECUの内部に記憶されるマップを示す図(その1)である。
【図5】 図1のECT_ECUの内部に記憶されるマップを示す図(その2)である。
【図6】 クラッチ要素C2のトルク容量とクラッチ要素C3のトルク容量との関係を示す図である。
【図7】 図1のECT_ECUの内部に記憶されるマップを示す図(その3)である。
【図8】 本発明の実施の形態に係るECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】 本発明の実施の形態に係る自動変速機が搭載された車両の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
100 エンジン、200 トルクコンバータ、210 ロックアップクラッチ、220 ポンプ羽根車、230 タービン羽根車、240 ステータ、250 ワンウェイクラッチ、300 自動変速機、310 入力クラッチ、400エンジン回転数センサ、410 タービン回転数センサ、420 出力軸回転数センサ、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU。
Claims (2)
- 複数の摩擦係合要素を有する自動変速機の変速制御装置であって、
変速指示が出力された際に、目標ギヤ段に基づいて、制御対象となる摩擦係合要素を特定するための特定手段と、
前記特定された摩擦係合要素のトルク容量を推定するための推定手段とを含み、
前記特定された摩擦係合要素は、
前記目標ギヤ段および前記目標ギヤ段に隣接する一方のギヤ段の各々を達成させる場合に係合される一方で、前記目標ギヤ段に隣接する他方のギヤ段を達成させる場合に解放されるように構成された第1の摩擦係合要素と、
前記目標ギヤ段および前記他方のギヤ段の各々を構成させる場合に解放される一方で、前記一方のギヤ段を達させる場合に係合されるように構成された第2の摩擦係合要素とを含み、
前記推定手段は、前記第1の摩擦係合要素のトルク容量を推定し、
前記推定されたトルク容量が前記自動変速機への入力トルクを前記自動変速機の出力軸へ伝達するのに十分であるか否かを判定するとともに、不十分であると判定された場合には、前記他方のギヤ段から前記目標ギヤ段への変速指示を出力する一方で、十分であると判定された場合には、前記一方のギヤ段から前記目標ギヤ段への変速指示を出力する制御手段をさらに含む、自動変速機の変速制御装置。 - 複数の摩擦係合要素を有する自動変速機の変速制御装置であって、
変速指示が出力された際に、実際に形成されている現ギヤ段を算出するための算出手段と、
前記算出された現ギヤ段と目標ギヤ段とに基づいて、制御対象となる摩擦係合要素を特定するための特定手段と、
前記特定された摩擦係合要素のトルク容量を推定するための推定手段とを含み、
前記特定された摩擦係合要素は、
前記目標ギヤ段および前記目標ギヤ段に隣接する一方のギヤ段の各々を達成させる場合に係合される一方で、前記目標ギヤ段に隣接する他方のギヤ段を達成させる場合に解放されるように構成された第1の摩擦係合要素と、
前記目標ギヤ段および前記他方のギヤ段の各々を構成させる場合に解放される一方で、前記一方のギヤ段を達させる場合に係合されるように構成された第2の摩擦係合要素とを含み、
前記推定手段は、前記第1の摩擦係合要素のトルク容量を推定し、
前記推定されたトルク容量が前記自動変速機への入力トルクを前記自動変速機の出力軸へ伝達するのに十分であるか否かを判定するとともに、不十分であると判定された場合には、前記他方のギヤ段から前記目標ギヤ段への変速指示を出力する一方で、十分であると判定された場合には、前記一方のギヤ段から前記目標ギヤ段への変速指示を出力する制御手段をさらに含む、自動変速機の変速制御装置。
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