JP4332698B2 - メントール誘導体、その製法及び該メントール誘導体を有効成分とする抗菌剤又は殺菌剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メントールを糸状菌Rhizoctonia solaniにより微生物変換して得られるメントール誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大量入手が可能で安価な天然型有機化合物を微生物変換することにより、付加価値高い化合物を生産しようとする試みが盛んに行われている。
【0003】
例えば、天然有機化合物l−メントールをAspergillus Speciesで微生物変換することにより、(−)−6−ヒドロキシメントールが微量成分として得られることが、Phytochemistry. Vol.30, No.12, pp3981-3987, 1991に報告されている。
【0004】
l−メントールは、種々のハッカ油の主成分であり、爽やかな香りや味を有することから、食品、化粧品、薬の製剤等の添加剤として広く用いられている。また、l−メントールは、抗菌作用、殺菌作用等の各種生理活性を有することが知られている。
【0005】
R. solani(Rhizoctonia solani)は、各種の植物類に苗立枯病、株腐病、茎腐病、くもの巣病等を起こす糸状菌として知られていおり、32科(family)中の188種(species)からなる広い寄主(host)を有している(Manibhushanrao K et al., Phytotoxic metabolite of Rhizoctonia solani. Scientific and Industrial Research 40:602(1981))。また、R. solaniは少なくとも13の菌糸融合群(anastomosis group : AG)、つまり、AG−1からAG−12及びAG−BI、からなる複合種である。
【0006】
このR. solaniを用いた有機化合物の微生物変換反応については、例えば、芳香族有機酸のメタ位の水酸化(甲元啓介、西村正暢、広江勇:日植病報、35、p94(1969))、フェニル酢酸の水酸化(甲元啓介、西村正暢:日植病報、4、p102(1975))等が報告されているが、R. solaniを用いたl−メントールの変換反応についてはこれまで報告例がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、メントールを糸状菌R. solaniで微生物変換して得られるメントール誘導体、その製法及び該メントール誘導体を有効成分とする抗菌剤又は殺菌剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、一般式[I]:
【0009】
【化7】
【0010】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なってそれぞれ水素原子又はアルカノイル基を表す)
で示される化合物、その製法及び該化合物を有効成分とする抗菌剤又は殺菌剤を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
<6,8−ジヒドロキシメントール誘導体(化合物[I])>
本発明の化合物[I]のR1又はR2がアルカノイル基の場合、該アルカノイルとしては、例えば、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルカノイルが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状の低級アルカノイルが挙げられ、より好ましくは、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル等が挙げられる。中でも、アセチルが特に好ましい。
【0012】
本発明の化合物[I]のうち好ましい化合物としては、例えば、(1S,3R,4R,6S)体である化合物が挙げられる。
【0013】
本発明の化合物[I]のうちより好ましい化合物としては、例えば、(1S,3R,4R,6S)−6,8−ジヒドロキシメントール、(1S,3R,4R,6S)−6,8−ジヒドロキシメンチル 3,6−ジアセテートが挙げられる。
【0014】
<6−ジヒドロキシメントール誘導体(化合物[II])>
一般式[II]:
【0015】
【化8】
【0016】
(式中、R3及びR4は、同一又は異なってそれぞれ水素原子又はアルカノイル基を表す)
で示される化合物のR3又はR4がアルカノイル基の場合、該アルカノイルとしては、例えば、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルカノイルが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状の低級アルカノイルが挙げられる。より好ましくは、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル等が挙げられる。中でも、アセチルが特に好ましい。
【0017】
本発明の化合物[II]のうち好ましい化合物としては、例えば、(1S,3R,4S,6S)体である化合物が挙げられる。
【0018】
本発明の化合物[II]のうちより好ましい化合物としては、例えば、(1S,3R,4S,6S)−6−ヒドロキシメントール、(1S,3R,4S,6S)−6−ヒドロキシメンチル ジアセテートが挙げられる。
【0019】
<化合物[I]及び[II]の製法>
化合物[I]及び/又は[II]は、メントールを糸状菌R. solaniにより微生物変換し、所望により生成物の水酸基をアルカノイル化することにより製造することができる。
(i)メントールのR. solaniによる微生物変換は、例えば、次のようにして行うことができる。
【0020】
まず、前培養として、培地を調製し滅菌を行い、その後培地を冷やして菌株を摂取した後、震とう培養する。
【0021】
培地としては、公知の培地を用いればよく、例えば、リチャーズ培地(Richard's medium)(蒸留水中、5%(w/v)スクロース、0.25%(w/v)硫酸マグネシウム、1%(w/v)硝酸カリウム、0.5%(w/v)リン酸二水素カリウム、0.002%(w/v)塩化鉄(III))、ツァペックドックス培地(Czapak-Dox medium)(蒸留水中、0.2%(w/v)硝酸ナトリウム、0.05%(w/v)硫酸マグネシウム、0.1%(w/v)リン酸第二カリウム、0.05%(w/v)塩化カリウム、0.001%(w/v)硫酸第一鉄、4%(w/v)グルコース)等が挙げられる。そのうち、リチャーズ培地が好ましい。
【0022】
培地での滅菌方法は公知の方法を用いればよく、例えば、0.01M〜1MPa程度の圧力下、100〜150℃の温度で、1分〜1時間程度で行えばよい。
【0023】
用いる菌株としては、例えば、R. solani AG-1等が挙げられ、より具体的には、R. solani AG-1-IA、R. solani AG-1-IB、R. solani AG-1-IC、R. solani AG-1-ID等があげられる。特に、メントールに対する反応性の観点より、R. solani AG-1-ICが好ましく、そのうちR. solani AG-1-IC F-1、R. solani AG-1-IC F-4、R. solani AG-1-IC P-1等が好ましい。
【0024】
菌株の摂取量は、例えば、培地100mlに対し、1〜50mg程度であればよい。
【0025】
前培養の条件は、公知の条件を用いればよく、例えば、0.01M〜1MPa程度の圧力下、100〜150℃の温度で、1分〜1時間程度行えばよい。
【0026】
次に、別途調製した培地を加圧滅菌し、これに前培養した菌液を投入後培養する。培養条件は、例えば、0.01M〜1MPa程度の圧力下、100〜150℃の温度で、1分〜1時間程度行えばよい。また、回転培養を用いることが好ましい。
【0027】
これに原料のメントールを添加し変換反応を行う。原料のメントールとしては、具体的にl−メントールを用いることが好ましい。メントールの添加量としては、メントールの変換効率の観点より、培地の体積100mlに対し、1〜50mg程度が好ましい。変換反応の条件は、例えば、常圧下、25〜27℃の温度で、5〜10日程度行えばよい。反応の経時変化は、菌液を少量採取し、NaCl等で塩析させ、有機溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム)で抽出してTLC、GC、GC-MS分析を行うことにより確認する。
【0028】
上記変換反応により得られる抽出物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(例えば、溶出液:n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物[I−a]:
【0029】
【化9】
【0030】
及び化合物[II−a]:
【0031】
【化10】
【0032】
を得る。具体的には、l−メントールを原料として用いた場合、化合物[I−a]としては、例えば、(1S,3R,4R,6S)−6,8−ジヒドロキシメントールが、化合物[II−a]としては、例えば、(1S,3R,4S,6S)−6−ヒドロキシメントールが得られる。
(ii)生成物の水酸基のアルカノイル化
化合物[I]のうちR1及び/又はR2がアルカノイル基である化合物、又は化合物[II]のうちR3及び/又はR4がアルカノイル基である化合物は、溶媒中、塩基の存在下又は非存在下、上記(i)で得られる化合物[I−a]又は[II−a]とアルカノイルハライド又はアルカン酸無水物とを反応させることにより製造することができる。
【0033】
溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。また、塩基は溶媒として用いることもできる。塩基の使用量は、酸無水物との反応の場合は触媒量でよく、アルカノイルハライドとの反応の場合は、例えば、化合物[I−a]又は[II−a]に対して、2〜3等量程度であればよい。反応温度は、例えば、50〜120℃程度であればよく、反応時間は、例えば、5分〜1時間程度であればよい。
【0034】
該アルカノイルハライドのアルカノイルとしては、例えば、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルカノイルが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状の低級アルカノイルが挙げられる。より好ましくは、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル等が挙げられる。中でも、アセチルが特に好ましい。該アルカノイルハライドのハライドとしては、クロライド、ブロマイド等が挙げられる。
【0035】
該アルカン酸無水物としては、例えば、無水酢酸、プロパン酸無水物、n−ブタン酸無水物等が挙げられる。
【0036】
化合物[I−a]のアルカノイル化反応では、立体障害の影響により3つの水酸基のうち、8位の3級水酸基はアルカノイル化されにくく、3位及び6位の2級水酸基の双方あるいは一方が選択的にアルカノイル化される。
【0037】
本発明の化合物[I]及び[II]は、シクロヘキサン環上に不斉炭素を有する場合その不斉炭素に基づく複数の立体異性体(ジアステレオマー異性体、光学異性体)として存在しうるが、本発明はこれらのうちいずれか1個の立体異性体又はそれらの混合物のいずれをも含むものである。
【0038】
本発明の化合物[I]及び[II]は、遊離の形でも溶媒和物(エタノール、水等)をいずれも含むものである。
【0039】
<化合物[I]及び化合物[II]の用途>
本発明の化合物[I]及び[II]は、病原菌(雪腐病菌:Micronectriella nivalis 305031)に対し、公知の抗菌作用を有する8−ハイドロキシキノリン銅と同等又はそれ以上の溶菌活性を示すことから、化合物[I]及び/又は[II]は、抗菌剤又は殺菌剤として用いることができる。
【0040】
具体的には、化合物[I]及び/又は[II]は、人体、動物、及び魚類用の抗菌剤又は殺菌剤として用いることができる。
【0041】
本発明の人体、動物、及び魚類用の抗菌剤又は殺菌剤は、注射、経直腸、点眼等の非経口投与、固形もしくは液体形態での経口投与等のための製薬上許容しうる担体とともに組成物として処方することができる。
【0042】
注射剤としての本発明の組成物の形態としては、例えば、製薬上許容しうる無菌水もしくは非水溶液、懸濁液もしくは乳濁液が挙げられる。適当な非水担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルとしては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油等)等が挙げられる。このような組成物は、補助剤を含んでいてもよく、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤等を挙げることができる。これらの組成物は、例えば、細菌保持フィルターによるろ過により、又は使用直前に滅菌水を混入することにより滅菌することができる。点眼投与のための製剤としては、例えば、溶解補助剤、保存剤、等張化剤、増粘剤等を加えてもよい。
【0043】
経口投与のための固形製剤としては、例えば、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤等が挙げられる。この固形製剤は、例えば、化合物[I]及び/又は[II]に少なくとも1種の不活性希釈剤(例えば、スクロース、乳糖、でんぷん等)を混和して調製することができる。この製剤はまた、通常の製剤化において、不活性希釈剤以外に滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)等を含んでいても良い。カプセル剤、錠剤、又は丸剤の場合には、緩衝剤を含んでいても良い。これらの固形製剤には、さらに腸溶解性被膜を施すこともできる。
【0044】
経口投与のための液体製剤には、当業者間で普通に使用される不活性希釈剤(例えば、水を含む製薬上許容しうる乳剤、溶液、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等)が含まれていても良い。かかる不活性希釈剤に加えて、補助剤(例えば、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、調味剤、香味剤等)等を配合することができる。経直腸投与のための製剤は、好ましくは化合物[I]及び/又は[II]に加えて、賦形剤(例えば、カカオ脂、坐剤ワックス等)等を含んでいても良い。
【0045】
本発明の化合物[I]及び/又は[II]の投与量は、投与される化合物の性状、投与経路、所望の処置時間、その他の要因によって左右されるが、一般に、一日あたり約0.1から1000mg/kg、特に約0.1から100mg/kgが好ましい。また、所望によりこの一日量を2〜4回に分割して投与することもできる。
【0046】
また、化合物[I]及び/又は[II]は、農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤として用いることもできる。
【0047】
本発明の農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤は、例えば、イネのいもち病、ごま葉枯病、苗立枯病;ムギ類の赤かび病、赤さび病、黄さび病、黒さび病、うどんこ病;甘薯の黒斑病等の植物病害に防除効果を有する。また、例えば、ソラマメ(さび病等)、エンドウ(うどんこ病等)、ホウレンソウ(立枯病等)、セロリ(葉枯病等)、キュウリ(うどんこ病等)、イチゴ(うどんこ病等)、ホップ(灰色かび病等)、リンゴ(赤星病等)、ナシ(黒星病等)、モモ(黒星病等)、カキ(うどんこ病等)、バラ(うどんこ病等)等の農業用植物の各種病原菌を防除対象とすることもできる。防除対象となる植物病原菌は、上記例示したものに限定されることはない。
【0048】
本発明の化合物[I]及び/又は[II]は、それ自体で農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤として用いることができるが、公知の農薬補助剤を含んだ組成物の形態で農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤として用いることが好ましい。その形態は、例えば、乳剤、水和剤、水溶剤、懸濁剤(フロアブル剤)、油剤等の液剤;粉剤、微粒剤、粒剤、錠剤、マイクロカプセル剤等の固形剤;くん煙剤;くん蒸剤等の形態の組成物が好適である。農薬用補助剤は、例えば、効果の向上、安定化、分散性の向上等の目的で使用することができ、具体的には、担体(希釈剤)、展着剤、乳化剤、湿展剤、分散剤、崩壊剤等を挙げることができる。
【0049】
液体担体としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ブタノール、グリコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、メチルナフタレン、シクロヘキサン、動植物油、脂肪酸等を挙げることができる。
【0050】
固体担体としては、例えば、クレー、カオリン、タルク、珪藻土、シリカ、炭酸カルシウム、モンモリナイト、ベントナイト、長石、石英、アルミナ、鋸屑、ニトロセルロース、でんぷん、アラビアゴム等を用いることができる。
【0051】
乳化剤、分散剤としては、通常の界面活性剤を使用することができ、例えば、高級アルコール硫酸ナトリウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等の展着剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルスルホサクシネート等の湿展剤;カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の固着剤;リグニンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の崩壊剤を用いることができる。
【0052】
農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤に配合される化合物[I]及び/又は[II]の含有量は、特に限定されず、農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤の形態、使用の目的及び使用方法等の条件に応じて適宜選択することが可能である。例えば、粉剤、水和剤及び乳化剤等では、農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤の全重量に対して、0.001〜20重量%の範囲から選択することができる。
【0053】
農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤の形態、製造方法、並びに使用方法は、公知の方法に基づき当業者が適宜選択可能である。
【0054】
本発明の農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤は、有効成分である化合物[I]及び/又は[II]以外に、他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、昆虫生育調製剤、肥料、土壌改良剤等の有効成分を任意に配合してもよい。
【0055】
本発明の農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤の施用対象及び施用形態は、特に限定されないが、例えば、茎葉処理(液剤散布、粉剤散布、煙霧等)、種子処理(浸漬、粉衣、塗抹等)、土壌処理(粉剤散布、灌注、混和、くん蒸等)、水面施用(粒剤散布等)等のいずれでもよい。例えば、茎葉散布の場合、1〜1000ppm程度の溶液を1アールあたり10〜100L程度の施用量で用いればよく、水面施用の場合は、通常、有効成分が1〜20%程度の粒剤では、1アールあたり0.1〜1kg程度であればよい。
【0056】
更に、本発明の化合物[I]及び[II]は、人体、動物、及び魚類用の抗菌剤又は殺菌剤として使用しうる濃度範囲、或いは農業用抗菌剤又は農業用殺菌剤として使用しうる濃度の範囲では、人体への悪影響を及ぼすことがなく低毒性であり、安全性が高いという特長をも有する。また、本発明の化合物[I]及び[II]はともに無色であり、メントールより臭気は小さい。
【0057】
【実施例】
以下、本発明の具体例(実施例及び実験例)を示すが、これにより本発明が限定されるものではない。
【0058】
実施例
(1)前培養
500mlの坂口フラスコに200mlのリチャーズ培地(Richard's medium)(蒸留水中、5%(w/v:(質量g/培地の体積ml))スクロース、0.25%(w/v)硫酸マグネシウム、1%(w/v)硝酸カリウム、0.5%(w/v)リン酸二水素カリウム、0.002%(w/v)塩化鉄(III))を調整し、121℃で15分加圧滅菌を行った。その後、培地を冷やしスラントから菌株を約30mg摂取した後、25℃で7日間震盪培養を行った。菌株は、岐阜大学の百町満朗博士より入手した、R. solani AG-1-IC F-1(MAFF305909)又はR. solani AG-1-IC F-4を用いた。
(2)経時変化
200mlフラスコにリチャーズ培地100mlを調整した後、加圧滅菌を行い、先の前培養した菌液を5ml投入後、27℃で7日間回転培養を行った。7日後、基質であるl-メントール(和光純薬工業製)を30mg添加し、その後5日間変換反応を行った。毎日菌液を10ml回収し、NaClで塩析させ、ジクロロメタンにより変換生成物の抽出を行った。抽出物をGC、GC-MSで分析することにより変換生成物の経時的変化を追跡した。培養液中の各成分の経時変化を、図1(菌株R. solani AG-1-IC F-1の場合)、及び図2(菌株R. solani AG-1-IC F-4の場合)に示す。
【0059】
変換反応で得られた生成物の全量(%)を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
(3)大量変換
1Lの大量培養槽に800mlのリチャーズ培地を調整し加圧滅菌する。その後、前培養した菌液を投入し、27℃で7日間回転培養を行った。7日後、基質であるl-メントールを240mg添加し、その後5日間変換反応を行った。5日後、菌液を全量回収し、NaClで塩析させジクロロメタンにより変換生成物の抽出を行った。
(4)変換生成物の単離
大量培養により得られた抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン−酢酸エチル)により分画をくり返し行うことにより、下記の変換生成物を得た。
【0062】
(−)−(1S,3R,4S,6S)−6−ヒドロキシメントール:
結晶; [α]D 25:-42.0°(CHCl3;c0.4); HR-MS m/z:172.1465; EI-MS m/z(相対強度):154(15), 139(48), 121(13), 111(15), 97(40), 95(17), 83(33), 69(37), 67(10), 55(67), 43(100); IRνmax cm-1:3264, 1450, 1343, 1029; 13C-NMR:δ15.9(C-9), δ18.1(C-10), δ20.9(C-8), δ25.7(C-7), δ32.4(C-5), δ38.3(C-1), δ42.5(C-2), δ48.5(C-4), δ70.6(C-3), δ75.9(C-6); 1H-NMR (500.00MHz, CDCl3, TMS内部標準) δppm:0.82(3H, d, J=7.0Hz), 0.99(3H, d, J=7.1Hz), 1.03(3H, d, J=7.2Hz), 1.09(1H, ddd, J=12.9, 11.3, 11.2Hz), 1.12(1H, ddd, J=13.0, 11.1, 10.6Hz), 1.26 (1H, brs), 1.50(1H, dddd, J=11.3, 10.5, 4.2, 3.0Hz), 1.61(1H, dddd, J=11.1, 11.0, 7.0, 4.0Hz), 1.76(1H, ddd, J=12.9, 4.2, 3.9Hz), 1.96(1H, ddd, J=13.0, 4.0, 3.9Hz), 2.04 (1H, brs), 2.15(1H, ddd, J=7.2, 7.1, 3.0Hz), 3.19(1H, ddd, J=11.2, 11.0, 3.9Hz), 3.45(1H, ddd, J=10.6, 10.5, 3.8Hz)。
【0063】
(+)−(1S,3R,4R,6S)−6,8−ジヒドロキシメントール:
オイル;[α]D 25:+5.2°(CHCl3;c1.0); HR-MS m/z;188.1413; EI-MS m/z(相対強度):173(1), 155(1), 137(3), 116(22), 94(80), 83(10), 79(30), 70(11), 58(100), 53(4), 43(47); IRνmax cm-1:3332, 1369, 1159, 1022; 13C-NMR:δ17.9(C-7), δ23.7(C-9), δ30.1(C-10), δ36.1(C-5), δ38.1(C-1), δ42.2(C-2), δ51.8(C-4), δ72.0(C-3), δ74.8(C-8), δ75.6(C-6); 1H-NMR (500.00MHz, CDCl3, TMS内部標準) δppm:0.94(1H, ddd, J=13.1, 10.5, 10.4Hz), 1.01 (1H, brs), 1.02(3H, d, J=7.0Hz), 1.08(1H, brs), 1.16(1H, ddd, J=13.0, 4.1, 4.0Hz), 1.22(3H, s), 1.24(3H, s), 1.41(1H, dddd, J=10.2, 10.0, 7.0, 4.0Hz), 1.56(1H, ddd, J=10.4, 10.3, 4.2Hz), 1.88(1H, ddd, J=13.1, 4.3, 4.2Hz), 1.94(1H, ddd, J=13.0, 10.1, 10.0Hz), 2.03(1H, brs), 3.21(1H, ddd, J=10.5, 10.2, 4.3Hz), 3.77(1H, ddd, J=10.3, 10.1, 4.1Hz)。
(5)アセチル化反応
上記(4)で得られた(−)−(1S,3R,4S,6S)−6−ヒドロキシメントール30mgの酢酸エチル溶液30mlに、室温下ピリジン28ml及び塩化アセチル27mgを加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、5%塩酸、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製することにより、(−)−(1S,3R,4S,6S)−6−ヒドロキシメンチル ジアセテート44.5mgを得た。
オイル;[α]D 25:-82.2°(CHCl3;c1.0); EI-MS m/z(相対強度):154(3), 136(30), 121(21), 107(5), 93(40), 81(8), 69(8), 55(10), 43(100); IRνmax cm-1:2359, 2340, 1736, 1457, 1370, 1242, 1026; 13C-NMR:δ16.2(C-9), δ17.8(C-10), δ20.5(C-7), δ21.1及びδ21.2(CH3CO), δ26.2(C-8), δ29.0(C-5), δ35.4(C-1), δ38.1(C-2), δ45.2(C-4), δ77.1(C-6), δ170.6及びδ170.8(CH3CO); 1H-NMR (500.00MHz, CDCl3, TMS内部標準) δppm:0.75(3H, d, J=7.1Hz), 0.85(3H, d, J=7.0Hz), 0.91(3H, d, J=7.2Hz), 1.11(1H, ddd, J=12.9, 11.3, 11.2Hz), 1.16(1H, ddd, J=13.0, 11.1, 10.6Hz), 1.61(1H, dddd, J=11.3, 10.5, 4.2, 3.0Hz), 1.67(1H, dddd, J=11.1, 11.0, 7.0, 4.0Hz), 1.86(1H, ddd, J=7.2, 7.1, 3.0Hz), 1.92(1H, ddd, J=12.9, 4.2, 3.9Hz), 2.02(1H, ddd, J=13.0, 4.0, 3.9Hz), 2.04(3H, s), 2.06(3H, s), 4.45(1H, ddd, J=11.2, 11.0, 3.9Hz), 4.67(1H, ddd, J=10.6, 10.5, 3.8Hz)。
【0064】
上記(4)で得られた(+)−(1S,3R,4R,6S)−6,8−ジヒドロキシメントール30mgを、上記と同様に処理することにより、(−)−(1S,3R,4R,6S)−6,8−ジヒドロキシメンチル 3,6−ジアセテート43.4mgを得た。
【0065】
オイル;[α]D 25:-35.8°(CHCl3;c1.0); EI-MS m/z(相対強度):197(1), 152(2), 138(1), 134(6), 109(3), 100(2), 94(77), 79(29), 69(3), 59(21), 55(7), 43(100); IRνmax cm-1:3472, 1737, 1457, 1371, 1242, 1114, 1026, 757; 13C-NMR:δ17.7(C-7), δ21.1及びδ21.5(CH3CO), δ22.7(C-9), δ28.3(C-10), δ35.3(C-1), δ36.1(C-5), δ38.1(C-2), δ49.6(C-4), δ72.5(C-3), δ74.1(C-8), 76.5(C-6), δ170.0及びδ170.7(CH3CO); 1H-NMR (500.00MHz, CDCl3, TMS内部標準) δppm:0.91(3H, d, J=7.0Hz), 1.12(1H, ddd, J=13.1, 10.5, 10.4Hz), 1.15(3H, s), 1.16(3H, s), 2.06(3H, s), 2.07(1H, s), 2.11(1H, ddd, J=13.1, 4.3, 4.2Hz), 2.16(1H, ddd, J=13.0, 10.1, 10.0Hz), 2.52(1H, brs), 4.46(1H, ddd, J=10.5, 10.2, 4.3Hz), 4.84(1H, dddd, J=10.3, 10.1, 4.1Hz)。
【0066】
実験例(溶菌活性試験)
試験対象である病原菌(雪腐病菌:Micronectriella nivalis 305031)を、あらかじめ25℃で7日間PDA(potato dextrose agar)培地上で伸長させる。伸長させた病原菌の菌そう先端部を直径3mmのコルクボーラーで打ち抜き、2%グルコース素寒天培地上に7mm四方のセロファンを敷き、含菌寒天の半分がセロファンにかかるように置床する(図3参照)。その後、25℃で1〜2日セロファン上に菌糸を伸長させる(セロファンから菌糸先端がでない程度)。
【0067】
マルチディッシュ中にサンプル濃度を調製した滅菌水300μLを入れ、菌糸を伸長させたセロファンを滅菌水中に浮かべ3℃で48時間静置する。その後、セロファンをスライドグラス上に取り出し、0.05%コットン ブルー(Cotton Blue)で菌糸の細胞質を染色し光学顕微鏡で観察する(図4参照)。
【0068】
溶菌活性の評価の値は、図4に示した3種類の菌糸状態(溶菌なし、不完全溶菌、完全溶菌)の割合を下記式にあてはめ、溶菌率として求めた。
【0069】
【式1】
【0070】
溶菌活性試験の結果を下記の表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】
本発明の具体例である上記実施例で得られた化合物((-)-(1S,3R,4S,6S)-6-ヒドロキシメントール、(-)-(1S,3R,4S,6S)-6-ヒドロキシメントール ジアセテート、(+)-(1S,3R,4R,6S)-6,8-ジヒドロキシメントール、(-)-(1S,3R,4R,6S)-6,8-ジヒドロキシメントール 3,6-ジアセテート)は、病原菌(雪腐病菌:Micronectriella nivalis 305031)に対し、8−ハイドロキシキノリン銅と同等又はそれ以上の溶菌活性を示すことが分かった。
【0073】
【発明の効果】
l−メントールをR. solaniを用いて変換することにより、(−)−(1S,3R,4S,6S)−6−ヒドロキシメントール及び(+)−(1S,3R,4R,6S)−6,8−ジヒドロキシメントールを効率的に製造する方法を見い出した。
【0074】
l−メントールから上記生物変換反応により得られ、所望により該生成物の水酸基をアルカノイル化して得られる化合物[I]及び[II]は、高い溶菌作用を有し、かつ低毒性であることから抗菌剤又は殺菌剤として用いうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 R. solani AG-1-IC F-1によるl−メントールの微生物変換で生じた化合物の相対濃度の経時変化を示す図である。
【図2】 R. solani AG-1-IC F-4によるl−メントールの微生物変換で生じた化合物の相対濃度の経時変化を示す図である。
【図3】 溶菌活性試験における2%グルコース素寒天培地の模式図である。
【図4】 0.05%コットン ブルーで菌糸の細胞質を染色したときの光学顕微鏡での観察図である。
Claims (8)
- (1S,3R,4R,6S)体である請求項1に記載の化合物。
- メントールをRhizoctonia solaniにより微生物変換し、所望により生成物の水酸基をアルカノイル化することを特徴とする請求項1に記載の化合物の製法。
- メントールがl−メントールであり、Rhizoctonia solaniがRhizoctonia solani AG-1-ICである請求項3に記載の製法。
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