[go: up one dir, main page]

JP4329489B2 - 二次電池および電池パック - Google Patents

二次電池および電池パック Download PDF

Info

Publication number
JP4329489B2
JP4329489B2 JP2003365856A JP2003365856A JP4329489B2 JP 4329489 B2 JP4329489 B2 JP 4329489B2 JP 2003365856 A JP2003365856 A JP 2003365856A JP 2003365856 A JP2003365856 A JP 2003365856A JP 4329489 B2 JP4329489 B2 JP 4329489B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
voltage converter
voltage
battery
exterior film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003365856A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005129441A (ja
Inventor
文哉 佐藤
一彦 高橋
浩光 仙浪
淳 仲野内
裕信 折笠
雅彦 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2003365856A priority Critical patent/JP4329489B2/ja
Publication of JP2005129441A publication Critical patent/JP2005129441A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4329489B2 publication Critical patent/JP4329489B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Mounting, Suspending (AREA)

Description

この発明は、二次電池および電池パックに関し、特に、携帯電話機やデジタルカメラなどの電子機器に使用して好適な二次電池および電池パックに関する。
携帯用の電子機器の電源として二次電池が用いられている。例えば、低電圧の電源を使用する電子機器には、ニッカド電池やニッケル水素電池などの二次電池パックが用いられ、これら電子機器に比べ高電圧の電源を使用する電子機器には、リチウムイオン電池などの二次電池パックが用いられる。
リチウムイオン電池など出力電圧が高い二次電池の電池パックを使用する電子機器は、通常、何種類かの電源電圧を必要とするために、電子機器内に複数の電圧変換器を設け、電圧変換器によって必要とする複数の電圧を発生させている。例えば、電圧変換の制御により複数電圧のマルチ出力を行う回路、装置に関しては、下記の特許文献1から特許文献8に記載されている。
特開平3−93461号公報
特開平3−40757号公報
特開2001−95238号公報
特開平2−261053号公報
特開平3−45160号公報
特開2002−291244号公報
特開平11−168876号公報
特開平9−93914号公報
リチウムイオン電池の出力電圧は、約3.0V〜4.2Vと高く、汎用の一次電池の出力電圧1.0V〜1.5Vよりかなり高く使用しにくい。そこで、この問題点を解決するために、出力電圧を変換する電圧変換器を内蔵したバッテリーパックが特許文献9に記載されている。この電池パックによれば、二次電池と出力電圧が異なった一次電池とで互換性を持たせることができる。
特開平11−185824号公報
また、特許文献10には、出力電圧に応じて複数の二次電池の接続を切り替えて電源を機器に供給する構造のバッテリーユニットが記載されている。このバッテリーユニットによれば、二次電池を複数個の乾電池の代用とした場合においても、二次電池の放電容量を十分確保することができる。
特開2001−178006号公報
また、特許文献11には、二次電池と降圧型電圧変換器等の電圧変換器とを組み合わせ、出力電圧が一定となるよう制御する構成の二次電池パックが記載されている。この二次電池パックは、さらに、二次電池の過充電、過放電を検出して充電、放電を制限する保護回路部を備えている。この二次電池パックによれば、電池パックの用途を広くすると共に、負荷機器の電源部を簡単にし、更に電圧降下による損失を少なくすることができる。
特開平7−7864号公報
また、特許文献12には、電池パック内に二次電池、充放電電流を制御する半導体スイッチ、熱保護素子とを備え、熱保護素子と半導体スイッチとが熱的に結合された構造の電池パックが記載されている。この電池パックによれば、発熱に対する安全性の確保をコンパクト化して行うことができる。
特開平11−135090号公報
特許文献13には、電池本体と電気的接続した基板との間に樹脂が充填成形され、基板上あるいは樹脂充填空間に熱感応素子が内装された構造を有する電池及び電池パックが記載されている。この電池及び電池パックによれば、電池保護機能や安全機能、温度検出による充電制御機能を備えた構成とすることができる。
特開2003−86159号公報
しかしながら、従来の二次電池および二次電池を内蔵した電池パックは、出力端子が2端子であり、出力電圧として電池電圧か、特許文献9や10に記載のような変換された単一の定電圧を出力する構成であった。したがって、電子機器本体にて電圧変換器にて必要とされる電圧を作る必要があった。
そこで、電池パック内に電圧変換器を内蔵して必要とされる電圧を作ることが考えられる。図34は、電圧変換器を備えた電池パックの回路ブロックの一例であり、図35は、電圧変換器を備えた電池パックの内部配置の一例である。
電池パック101のケース102内に、二次電池103と電圧変換器ブロック107とを収納している。また、電池パック101には、電池パック101の外部と内部とを電気的に接続可能な外部端子として、外部端子T101〜T103を設けている。外部端子T101は、電池プラス端子であり、外部端子T102は、電圧変換器プラス端子であり、外部端子T103は、電池マイナス端子である。
電圧変換器ブロック107は、電圧変換器108がマウントされた基板109で構成している。基板109に隣接して二次電池103が配置されている。電圧変換器ブロック107は、二次電池103のプラス端子104およびマイナス端子106と電気的に接続される。また、電圧変換器ブロック107は、外部端子T101〜T103と電気的に接続される。なお、図35に示す構成では、外部端子T101〜T103が図34に示す電圧変換器ブロック107の接続部をそれぞれ兼用している。
電池パック101は、基板109に配置されている電圧変換器108によって、外部端子T101とT103間と、外部端子T102とT103間とで異なる電圧値の電源を出力できる。また、図示しない保護回路を基板109に配置すれば、二次電池103の充放電を安全に行うことができる。保護回路の機能としては、過充電保護、過放電保護および過電流保護の3種類がある。
以上のことから、電池パック内に電圧変換器を設けることで、二次電池の出力電圧および二次電池の出力電圧と異なる電圧を電池パックから出力することができ、電圧変換に関連する回路を電子機器側が持たずに済み、電源回路に関する電子機器側の負担を軽減することができる。
しかしながら、従来の電池パックは、発熱やショートなどを防止する安全面の向上や、ノイズ削減などの性能面の向上までを積極的に考慮したものではなかった。
したがって、この発明の目的は、複数の出力電圧を出力することによって、電子機器本体が電圧変換器を持つことを不要とでき、さらに、外部にノイズ、熱などの影響が及ばないようにすることができる二次電池および電池パックを提供することにある。
上述した課題を達成するために、この発明は、外装ケース内に発電素子が収容された二次電池において、
外装ケースの内部に1以上の電圧変換器が配置され
電圧変換器が外装フィルムで包まれており、外装フィルムの内部と外部とを電気的に接続する配線部における外装フィルムの開口部が封止され、
外装フィルムと集電体との間に熱伝導率が高いスペーサが設けられた二次電池である
この発明は、外装ケースと、
外装ケース内に収容された発電素子と、
外装ケースの内部に1以上配置された電圧変換器と
を備え、
電圧変換器が外装フィルムで包まれており、外装フィルムの内部と外部とを電気的に接続する配線部における外装フィルムの開口部が封止され、
外装フィルムと集電体との間に熱伝導率が高いスペーサが設けられた
二次電池が内蔵されている電池パックである。
この発明に依れば、二次電池の内部に電圧変換器を有するため、電圧変換器で変換された電圧を放電できる。したがって、電池電圧とそれ以外の電圧のような、複数の出力電圧を発生し、電子機器へ供給することができる。また、電圧変換器で変換された電圧を充電できる。したがって、許容充電電圧以外の電圧でも充電用電圧に変換して充電することができる。
この発明では、二次電池の内部に電圧変換器を有するため、電子機器が複数の電圧変換器を持つ必要がなくなり、電子機器のコストを低下させることができる。また、出力電圧値等を標準化することによって、異なる電子機器例えば携帯電話等の携帯電子機器に使用できる電池パックを実現できる。ユーザは、電子機器を買い換えた時に、電池パックを購入する必要がない。
この発明では、二次電池の外装ケースの内部または封止部に電圧変換器を内蔵しているため、電圧変換器から発生する電磁波ノイズや熱が外装ケースにより吸収される。したがって、外部への影響を低減することができる。また、二次電池の外装ケースの内部または封止部に電圧変換器を内蔵しているため、密閉性が高く、二次電池(電池パック)の外部からの液体の侵入などによる電圧変換器の故障を防ぐことができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。図1は、この発明の第1の実施形態による電池パックの一例の外観を示す。電池パック1の外側は、プラスチック等の材料からなる比較的固いケース2で構成されている。図1に示す例では、ケース2を上側ケースと下側ケースとで構成している。ケース2の材料がプラスチックである場合、例えば、上側ケースと下側ケースは、超音波溶接により接合される。
ケース2の表面には、外部端子T1〜T3が設けられている。電池パック1は、これら外部端子によって充放電が可能とされている。外部端子T1は、電池パック1の電池プラス端子であり、外部端子T2は、電池パック1の電圧変換器プラス端子であり、外部端子T3は、電池パック1の電池マイナス端子である。
図2は、電池パック1の内部構造を示す。上側ケースには、外部端子用の穴として開口部が設けられている。ケース2内には、二次電池3が収納されている。二次電池3は、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケル水素電池、ニッカド電池、リチウム金属電池などである。また、二次電池3は、今後、開発される種類の二次電池でもよい。
二次電池3は、端子T4〜T6の3つの端子を有する。端子T4は、二次電池3の電池プラス端子であり、端子T5は、二次電池3の電圧変換器プラス端子であり、端子T6は、二次電池3の電池マイナス端子である。端子T4とT6間と、端子T5とT6間では、異なる電圧が出力される。
これら二次電池3の3つの端子は、開口部により、電池パック1の外部から直接電気的に接続可能とされている。したがって、この電池パック1では、二次電池3の端子がそのまま電池ケース1の外部端子となる。すなわち、端子T4〜T6がそれぞれ、外部端子T1〜T3に対応する。勿論、これら二次電池3の端子と電池パック1の外部端子とをそれぞれ別個に設け、電気配線によって、端子T4と外部端子T1、端子T5と外部端子T2、端子T6と外部端子T3とをそれぞれ電気的に接続する形態としてもよい。
ここで、電池パック1の内部構成について説明する。図3は、電池パック1の回路ブロックを示し、図4は、電池パック1の内部接続の概念を示す。
上述したように、電池パック1のケース2内には、二次電池3が内蔵されている。また、電池パック1には、二次電池3の3つの端子T4〜T6とそれぞれ接続された、電池パック1の外部と内部とを電気的に接続する外部端子T1〜T3が設けられている。
図3に示すように、二次電池3の内部には、電圧変換器ブロック7が内蔵されている。電圧変換器ブロック7は、電圧変換器8を基板9上にマウントした構成とされている。
電圧変換器8は、入力電圧と異なる値の安定化した出力電圧を生成する回路である。電圧変換器8としては、種々の構成のものを使用できる。すなわち、コンデンサとスイッチ素子を用いたチャージポンプ方式、ダイオードとインダクタとコンデンサとスイッチ素子を用いたステップアップコンバータ(ステップダウンコンバータ)、またはトランスとスイッチ素子を用いたスイッチングレギュレータを使用できる。さらに、圧電トランスを用いた圧電インバータ、またはバイポーラトランジスタ素子を用いたシリーズレギュレータを電圧変換器8として使用しても良い。チャージポンプ方式の電圧変換器、スイッチングレギュレータとして、4mm角程度の非常に小型のものが開発されており、二次電池3内に保護回路と共に電圧変換器8を内蔵するのは比較的容易である。
電圧変換器8としては、充電用電圧変換器と放電用電圧変換器の2種類がある。電圧変換器8は、第1のプラス端子、第2のプラス端子およびマイナス端子の3端子で構成されており、電圧変換器8が充電用電圧変換器である場合には、第1のプラス端子が出力端子となり、第2のプラス端子が入力端子となる。電圧変換器8が放電用電圧変換器である場合には、第1のプラス端子が入力端子となり、第2のプラス端子が出力端子となる。
したがって、充電用電圧変換器の場合、第2のプラス端子を介して外部端子T2から入力した電圧を二次電池3の許容充電電圧に変換して、第1のプラス端子から二次電池3に出力する。放電用電圧変換器は、第1のプラス端子を介して二次電池3の正電極から入力した電圧を所定の設定電圧に変換して、第2のプラス端子から外部端子T2に出力する。
図5は、電池パック1の内部配置の一例を示す。電圧変換器8と基板9は、外装フィルム10で包まれている。電圧変換器8の各端子は、電池パック1の外部端子T1〜T3にそれぞれ接続されている。なお、二次電池3は、外装ケースに発電素子部が収納された構成とされており、外装ケース上部(図5中の封止部)において、二次電池3の端子部が封止されている。
図6は、電圧変換器ブロック7の構成の一例であり、図7はその断面を示す。ランドL1〜L3は、基板9上に設けられた接合用ランドである。金属板11〜13は、外装フィルム10で包まれた電圧変換器ブロック7の内部と外部とを電気的に接続する配線手段である。これら金属板は、板状の金属に限らず、他の構造や他の導電体材料で構成してもよい。
基板9の上に電圧変換器8がマウントされている。ランドL1は、基板9上の電気配線によって電圧変換器8の第1のプラス端子と電気的に接続されている。ランドL2は、基板9上の電気配線によって電圧変換器8の第2のプラス端子と電気的に接続されている。ランドL3は、基板9上の電気配線によって電圧変換器8のマイナス端子と電気的に接続されている。
金属板11の一端がランドL1と接合されており、他端が二次電池3の正電極と電気的に接続される。金属板12の一端がランドL2と接合されており、他端が二次電池3の端子T5と電気的に接続される。金属板13の一端がランドL3と接合されており、他端が二次電池3の負電極と電気的に接続される。これら金属板と接合用ランドとの接合は、それぞれ半田付け、電気抵抗溶接、超音波溶接などによってなされる。
外装フィルム10は、電圧変換器ブロック7を金属箔などからなる外装フィルム材料で挟んだサンドイッチ構造を有している。図7に示すように、電圧変換器ブロック7の上部と下部は、この外装フィルム材料で完全に密閉された状態とされており、電圧変換器ブロック7の内部に二次電池3の電解質が流入しない構造とされている。外装フィルム10は、金属箔などからなる薄い金属ラミネートの他、金属ケースなどで構成してもよい。
外装フィルム10は、金属板11〜13を挿入するための開口部を有する。この開口部の金属板11〜13は、それぞれ上下両面から外装フィルム10を構成する外装フィルム材料で挟まれており、封止されている。この挿入部分の封止部は、金属板11〜13をそれぞれ、例えば、数mm以上の長さのプラスチック板と薄い金属板などの外装フィルム材料で挟む構成とされている。これにより、封止部での電圧変換器ブロック7への電解質の流入の防止と、金属板11〜13のそれぞれと外装フィルム10とのショートの防止とを実現できる。
すなわち、電圧変換器8と金属板11〜13は、外装フィルム10の開口部を介してそれぞれ二次電池3の正電極、二次電池3の端子T5、二次電池3の負電極と接続されており、外装フィルム10の開口部において、それぞれプラスチックなどの絶縁体で挟まれている。このプラスチックなどの絶縁体によって、二次電池3の電解質が電圧変換器ブロック7の内部に侵入することを防止し、外装フィルム10と金属板11〜13との絶縁を保つ。これにより、二次電池3の電解質が電圧変換器8に付着することを防止している。
具体的には、外装フィルム10は、1枚の薄い金属板と2枚の薄いプラスチック板を貼り合わせた複合板(ラミネート)で構成される。プラスチック板は、例えば薄いフィルムであり、材質は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドなどである。金属板は、例えばアルミニウムである。外装フィルム10の全体の厚さは、例えば、約0.01mm〜約1.0mmの範囲である。外装フィルム10の全体の厚さは、約0.1mmの厚さが好ましい。
外装フィルム10は、例えば、角形電池の場合、電圧変換器8と基板9とを挟み込む形で2枚の角形の外装フィルム材料を重ね、その外装フィルム材料の四隅周囲を加熱と加圧により溶着し、封止することで電圧変換器ブロック7を密閉する。外装フィルム10は、1枚の角形の外装フィルム材料で電圧変換器8と基板9とを挟み込む形で折り重ね、折り重ね箇所以外の三隅周囲を溶着することで封止して電圧変換器ブロック7を密閉してもよい。外装フィルム10は、金属板11〜13を挟んだ状態でプラスチックなどの絶縁体を加熱、加圧することにより、金属板11〜13の挿入部分の封止部を隙間無く溶着される。
ここで、二次電池3の内部構成について説明する。図8は、二次電池3の詳細な構成の一例を示し、図9は、その断面の一例を示す。図8および図9に示すように、二次電池3の内部の中央に電圧変換器ブロック7が配置されている。電圧変換器ブロック7の厚さは、例えば、約0.5mm〜10.0mmの範囲である。具体的には、約1.0mmである。
二次電池3の正極15は、金属板などからなる正極集電体と、当該正極集電体の例えば上下両面に塗布された電極膜とで構成される。電極材料は、リチウム、コバルト、マンガン、ニッケル、カドミウム、黒鉛グラファイトなどの電池起電力を発生させる物質を含む。電極膜の厚さは、例えば、約5μm〜1mmの範囲である。具体的には、約50μmである。
二次電池3の負極16は、金属板などからなる負極集電体と、当該負極集電体の例えば上下両面に塗布された電極膜とで構成される。電極材料は、電池起電力を発生させる物質を含む。
図8に示すように、正極集電体の端部に設けられた接合部19および負極集電体の端部に設けられた接合部20の部分は、金属板11、金属板13をそれぞれ溶接するため、電極膜が塗布されていない。
電圧変換器8には、二次電池3の正極15と負極16とが接続されている。図8に示す例では、金属板11は、T字形の構成とされており、二次電池3の正極15と電圧変換器8と二次電池3の端子T4の3箇所を電気的に接続している。すなわち、金属板11の一端を二次電池3の外装ケース14から突出して二次電池3の外部端子である端子T4とし、他端を接合部19と接合することで、二次電池3の正極15と端子T4とを電気的に接続するとともに、接合部19と端子T4との間を基板9のランドL1と接合することで、電圧変換器8の第1のプラス端子と金属板11とを電気的に接続している。
また、金属板13は、T字形の構成とされており、二次電池3の負極16と電圧変換器8と二次電池3の端子T6の3箇所を電気的に接続している。すなわち、金属板13の一端を二次電池3の外装ケース14から突出して二次電池3の外部端子である端子T6とし、他端を接合部20と接合することで二次電池3の負極16と端子T6とを電気的に接続するとともに、接合部20と端子T6との間を基板9のランドL3と接合することで、電圧変換器8のマイナス端子と金属板13とを電気的に接続している。
また、電圧変換器8の第2のプラス端子には、金属板12が電気的に接続され、二次電池3の外部端子である端子T5と電気的に接続されている。すなわち、金属板12の一端を二次電池3の外装ケース14から突出して端子T5とし、他端を基板9のランドL2と接合することで、電圧変換器8の第2のプラス端子と二次電池3の端子T5とを電気的に接続している。これら金属板11と接合部19、金属板13と接合部20の接合は、それぞれ、電気抵抗溶接、超音波溶接などによってなされる。
上述したように、二次電池3の電圧変換器ブロック7は、外装フィルム10で包まれた構成をしており、電圧変換器8の上部と下部には、外装フィルム材料が配置される。すなわち、電圧変換器8は、金属製のケースまたは金属ラミネートなどで構成される外装フィルム10で包まれている。
図9に示すように、電圧変換器ブロック7の上部と下部には、絶縁板17が配置されており、電圧変換器ブロック7と電池正極である正極15、電圧変換器ブロック7と電池負極である負極16との間をそれぞれ電気的に絶縁している。絶縁板17は、例えば薄いプラスチックフィルムで構成される。プラスチックフィルムの材質は、具体的には、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドなどである。絶縁板17は、プラスチックフィルムに限らず、繊維状の不織布などで構成してもよい。
また、電池正極である正極15の上下両側には、セパレータ18が配置されている。セパレータ18は、例えば、無数の小さな穴が開いた薄い多孔質プラスチックフィルムである。セパレータ18の厚さは、例えば、約5μm〜1mmの範囲である。具体的には、約20μmである。セパレータ18は、二次電池3の正極15と負極16との間を電気的に絶縁すると共に、起電力を有するイオン化物質(分子)が正極15と負極16との間を自由に移動できるような構成とされている。
図9に示す断面は簡略化してあって、二次電池3の正極15と負極16は、それぞれほぼ1周しかされていないが、エネルギー密度を上げるため、実際は、二次電池3の正極15と負極16をそれぞれ約3回以上巻くことが好ましい。
図10は、二次電池3の断面の別の例を示す。捲回電極24は、例えば、セパレータ−二次電池正極−セパレータ−二次電池負極の4層といった電極の積層構造を1本の線で表現したものである。したがって、図10に示す二次電池3は、正極15と負極16とが、それぞれ約4回巻かれた構成とされている。このように、実際の二次電池3においては、電池正極である正極15と電池負極である負極16とをそれぞれ数回以上周回した構造とすることで、エネルギー密度を上げている。なお、捲回電極24以外の構成は、図9で説明したものと同様であり、ここでは一部図示および説明を省略する。
二次電池3の外装ケース14は、金属板または薄い複合板(ラミネート)で構成される。外装ケース14が複合板の場合には、複合板の厚さは、例えば、約50μm〜0.3mmの範囲である。具体的には、約1.0mmである。複合板は、例えば、第1の薄いプラスチック板と薄い金属板と第2の薄いプラスチック板とを順に貼り合わせたものである。第1および第2の薄いプラスチック板の材質は、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンなどである。薄い金属板の材質は、アルミニウム、銅、ニッケルなどである。
より具体的に、外装ケース14を薄い金属ラミネートで構成する場合には、例えば、金属ラミネートとして2枚のプラスチックフィルムの間に1枚の金属フィルムが貼り合わされたものを用いる。プラスチックフィルムの材質は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリイミド、ポリアミドなどである。例えば、リチウムイオンポリマ電池の封止部の正極・負極の金属板は、一般的にポリプロピレンの板で挟まれている。
外装ケース14が金属板の場合には、金属板の厚さは、例えば、約0.2mm〜1.0mmの範囲である。具体的には、約0.3mmである。金属板は、鉄、鉄合金、アルミニウム、ニッケルなどである。例えば、一般的な角形電池であれば鉄合金が使用され、ポリマー電池ならばアルミニウムが使用される。
上述したように、二次電池3の正極15と二次電池3の負極16は、金属板などからなる集電体と電極膜とで構成されている。したがって、電圧変換器ブロック7は、金属板などからなる数枚以上の集電体に巻かれていることになる。電圧変換器ブロック7から発生する電磁波ノイズは、これら集電体で吸収される。また、電圧変換器ブロック7から発生する発熱による高温は、これら集電体に伝わり、二次電池3の外装ケース14に放熱される。
つまり、電圧変換器8は、金属板や金属フィルムなどから構成される二次電池3の外装ケース14と電極集電体に囲まれている。電圧変換器8は、通常、10kHz〜2MHz程度の高周波数で、スイッチ素子をオン・オフ制御することにより、電圧を変換して出力している。このため、電圧変換器8からは、電磁波ノイズが発生する。この電圧変換器8から発生する電磁波ノイズは、外装ケース14と集電体で減衰する。したがって、二次電池3の外部に漏れる電磁波ノイズは減少する。
また、電圧変換器8のエネルギー変換効率が70%〜95%程度だとすると、二次電池3の放電エネルギーの約5%〜30%の熱が発生する。この発熱は、二次電池3の外装ケース14と電極集電体に伝わるため、効率的に放熱される。したがって、電圧変換器8の温度上昇が抑えられる。
ここでは、二次電池3の正極15と二次電池3の負極16とを捲回した構造を示したが、ポリマー電池などにおいては、積み重ねや折り曲げなどによって二次電池正極と二次電池負極とを構成することも可能である。
図8に示すように、二次電池3の外部端子、すなわち端子T4〜T6が設けられる外装ケース14の上部に位置する金属板11〜13の部分には、絶縁板21〜23がそれぞれ配置されている。絶縁板21〜23は、それぞれ金属板11〜13と密着していて、二次電池3の外部からの水分の侵入と、二次電池3の内部からの電解質の流出とを防止する。絶縁板21〜23の材質は、ポリエチレン、ポリエステルなどの加熱により軟化し変形するプラスチック材料である。
この二次電池3の外部端子が設けられる外装ケース14の上部の金属板11〜13のそれぞれの部分は、外装ケース−絶縁板−金属板−絶縁板−外装ケースというように、金属板11〜13をそれぞれ絶縁板21〜23で挟み、さらに、外装ケース14を挟んだ状態で接合し、加熱および加圧などにより貼り合わせされている。これにより、二次電池3の外部端子が設けられる上部を封止し、二次電池3の内部と外部とを遮断するとともに、金属板11〜13のそれぞれと外装ケース14とを電気的に絶縁する。
図11は、二次電池3の断面のさらに別の例を示す。図11に示す二次電池3は、図9に示したものと比較して、電圧変換器ブロック7とその上下の絶縁板17との間にそれぞれスペーサ25が配置されている。すなわち、スペーサ25は、外装フィルム10と集電体との間に設けられている。
スペーサ25は、電圧変換器ブロック7と二次電池3の正極15および二次電池3の負極16との間の距離を離す働きを有する。さらに、スペーサ25は、電圧変換器ブロック7の凹凸を吸収し、二次電池3の正極15と二次電池3の負極16を破ったり傷めたりしないようにする働きを有する。
スペーサ25の厚さは、例えば、約0.1mm〜10.0mmの範囲であり、約0.5mmとすることが好ましい。また、スペーサ25は、電気抵抗および熱伝導率が高いことが好ましい。スペーサ25は、シリコン樹脂などを材質とするゲル状の板、接着剤、不織布などである。通常、熱伝導性のシリコーン接着剤には、小さなアルミニウム粉が含まれており、熱伝導性の接着剤には、細かな金属粉を含有させることが好ましい。
例えば、東レ・シリコーン・ダウコーニング株式会社製の放熱用各種シリコーンをスペーサ25として使用することができる。表1は、この放熱用各種シリコーンの分類とその特徴を示す。これら放熱用シリコーンは、通常のシリコーン熱伝導率を改良し、「熱放散性」を向上させたものであり、熱伝導率が高いという特徴がある。これら放熱用シリコーンは、パワートランジスタやサーミスタなどの熱源と、基板ないしは放熱板との間隔に設置することで、電子機器の熱放散を大きく向上させ、これら機器の軽薄短小化を可能にする。放熱用シリコーンは、ゴムタイプ、ゲルタイプ、オイルコンパウンドタイプの3種類がある。
Figure 0004329489
スペーサ25として、具体的には、2液加熱硬化型放熱用シリコーンゲル(SE4445CV A/B)を使用すると好適である。このシリコーンゲルの熱伝導率は、1.26w/m・kであり優れている。また、このシリコーンゲルは、電気絶縁性に優れている、弾性に富んでいるため各種クリアランスに対応できるなどの特徴を有する。このシリコーンゲルを型に流し込んで長時間加熱して硬化し、板形状のゲルシートを製作する。製作した硬化物のゲルシートは、密着性、追随性、粘着性に優れた難燃タイプである。このゲルシートをスペーサ25として使用する。
また、例えば、東レ・シリコーン・ダウコーニング株式会社製の速乾・非腐食性シリコーン接着剤(SE9184 WHITE RTV)をスペーサ25として使用することができる。この接着剤は、1成分形室温硬化型シリコーン接着剤である。熱伝導率は、0.84W/m・Kと高く、体積抵抗率は、1.0×1015Ω・cmであり、放熱性にも優れているなどの特徴を有する。
また、例えば、GE東芝シリコーン株式会社製の難燃性・半流動性一般工業用接着シール材(TSE3843−W)をスペーサ25として使用することができる。このシール材は、1成分オキシム型の液状シリコーンゴムである。このシール材は、チューブまたはカートリッジから押し出すだけで常温で硬化し、ゴム状弾性体となる。したがって、塗布後に乾燥させることで固体化する。熱伝導率は、0.8W/m・Kと高く、体積抵抗率は、2.0×1015Ω・cmであり、放熱性にも優れているなどの特徴を有する。
また、例えば、株式会社ジェルテック製のラムダゲル(λGEL)をスペーサ25として使用することができる。このラムダゲルは、ゲル状なので凹凸部品の隙間を埋め密着する。また、接触面に空気層が形成されず、電気絶縁性を有している。熱伝導率は、1.8W/m・kと高く、体積抵抗率は、3.4×1012Ω・cmであり、放熱性にも優れているなどの特徴を有する。
また、スペーサ25として使用する不織布の材質としては、例えば、ガラス、黒鉛、ポリエステルやポリエチレン等のプラスチック材料などがある。
スペーサ25は、これらシリコン樹脂などを材質とする材料を金属ラミネートで包んだものでもよい。金属ラミネートで包むことにより、シリコン樹脂などを材質とする材料が二次電池3の電解質に溶解することを防止できる。なお、スペーサ25以外の構成は、図9で説明したものと同様であり、ここでは説明を省略する。
ここでは、電圧変換器ブロック7の上下にスペーサ25を設けたが、電圧変換器8を包み込むようにスペーサ25に使用される材料を電圧変換器8と外装フィルム10との間に配置してもよい。すなわち電圧変換器8の上下に、電気抵抗値の高い例えば板状の絶縁体を配置してもよい。絶縁体は、熱伝導性のゲル状板が好ましい。さらに、絶縁体は、熱伝導率が高く、電気抵抗値が大きいことが望ましい。絶縁体を配置していることで、電圧変換器8の内部の電磁トランスの磁界変化による電圧変換器8近傍の磁界変化により、外装ケース14と電極集電体に電磁誘導で無効電流が流れ、熱損失が発生することを防止する。この絶縁体を設けることで、電圧変換器8の変換効率の低下を防止できる。
図12は、電池パック1の一例の回路構成を示す。図12は、電圧変換器8が放電用電圧変換器である場合の回路である。二次電池3の正極と外部端子T1が接続され、その負極と外部端子T3が接続される。外部端子T1およびT3間には、二次電池3の電池電圧が直接出力される。例えば二次電池3の電池電圧は、2.5V〜4.3Vが適正状態の電圧値、すなわち、過放電および過充電の何れでもない状態の電圧値と設定されている。
電圧変換器8の一方の電源端子が二次電池3の正極と接続され、その他方の電源端子が二次電池3の負極と接続される。電圧変換器8の出力端子が外部端子T2として導出される。外部端子T2およびT3間には、電圧変換器8によって定電圧制御され、電池電圧と異なる値の出力電圧が取り出される。
図13は、電池パック1の別の例の回路構成を示す。図13は、電圧変換器8が充電用電圧変換器である場合の回路である。二次電池3の正極と外部端子T1が接続され、その負極と外部端子T3が接続される。外部端子T1およびT3間には、二次電池3の電池電圧が直接出力される。例えば二次電池3の電池電圧は、2.5V〜4.3Vが適正状態の電圧値、すなわち、過放電および過充電の何れでもない状態の電圧値と設定されている。
電圧変換器8の一方の電源端子が二次電池3の正極と接続され、その他方の電源端子が二次電池3の負極と接続される。電圧変換器8の入力端子が外部端子T2として導出される。外部端子T2およびT3間の電圧は、電圧変換器8によって充電に適した電圧に定電圧制御され、二次電池3に出力される。
以上説明したように、この発明の第1の実施形態による電池パック1および二次電池3によれば、以下のような効果を有する。
電圧変換器8を二次電池3の内部に備え、二次電池3の正極15と接続された端子T4と、電圧変換器8の出力端子と接続された端子T5と、二次電池3の負極16と接続された端子T6とを備えているので、異なる複数の電源電圧を出力することができる。すなわち、電圧変換器8を内蔵しているため、電圧変換器8が放電用電圧の変換を行う機能を有する場合には、端子T4から出力される電池電圧以外に、電池電圧と異なる電圧をプラス端子T5から出力することができる。
また、電圧変換器8が充電用電圧の変換を行う機能を有する場合には、端子T5から許容充電電圧以外の電圧が入力された場合でも、許容充電電圧に変換して充電することができる。
電圧変換器ブロック7を外装フィルム10で包み、電圧変換器ブロック7と外部とを接続する金属板11〜13の開口部を封止し、外装フィルム10内を密閉構造としていることにより、電圧変換器ブロック7を外装ケース14内に内蔵しても、電圧変換器ブロック7内、つまり外装フィルム10内への二次電池3の電解質の流入を防ぐことができる。また、外部からの水分が電圧変換器ブロック7、つまり外装フィルム10内に侵入することを防ぐことができる。よって、電池パック1や二次電池3の外部から水・ジュース・醤油が付着した場合などでも、電圧変換器8、つまり外装フィルム10内の機器が故障しない。したがって、電圧変換器8、つまり外装フィルム10内の機器を安全に動作させることができる。
電圧変換器ブロック7を外装ケース14の内部中央に配置することで、電圧変換器8から発生する電磁波ノイズを外装ケース14および集電体などの外装ケース14内の内容物により吸収させることができる。これにより、外部に放射される電磁波ノイズを小さくすることができる。このため、電子機器本体+電池パック1による電磁波ノイズEMI(Electro-Magnetic Interference)試験を合格し易い。同様に、電圧変換器8から発生する熱を外装ケース14および集電体などの外装ケース14内の内容物により吸収させることができる。これにより、電圧変換器8による温度上昇を抑えることができる。
例えば、電子機器内に電圧変換器を配置する場合には、アナログ回路の周辺に電磁波ノイズ防止用のシールド板を設けたり、電圧変換器にアルミニウム製などのヒートシンクを取り付けたりする必要があったが、この実施形態での電圧変換器8は、このようなシールド板や専用の放熱器を必要としないため、コストを削減することができる。また、アナログ回路を設置する場所の自由度を高めることができる。
さらに、電圧変換器ブロック7を包む外装フィルム10を金属板とプラスチック板の複合板で構成し、金属板11〜13をプラスチック板が接する向きで挟む構成とすることで、金属板11〜13と外装フィルム10とのショートを防ぐとともに、電圧変換器8から発生する電磁波ノイズおよび熱を外装フィルム10により吸収させることができる。これにより、外部に放射される電磁波ノイズおよび熱をさらに小さくすることができる。
また、外装ケース14の内部に配置した電圧変換器ブロック7の上下にスペーサ25を設けた場合には、電圧変換器ブロック7から正極15および負極16を離すことができるとともに、これら正極15や負極16などが電圧変換器ブロック7によって傷つくことを防止することができる。また、電圧変換器ブロック7の電磁波ノイズおよび熱をスペーサ25に吸収させることができる。これにより、外部に放射される電磁波ノイズおよび熱をさらに小さくすることができる。
また、電圧変換器8を包み込むようにスペーサ25に使用される材料を電圧変換器8と外装フィルム10との隙間に配置した場合には、電圧変換器8および外装フィルム10を保護することができるとともに、電圧変換器8の電磁波ノイズおよび熱を配置した材料および外装フィルム10に吸収させることができる。これにより、外部に放射される電磁波ノイズおよび熱をさらに小さくすることができる。
また、電池パック2の材料がプラスチックであり、上側ケースと下側ケースとを超音波溶接により接合するような場合でも、電圧変換器8は、二次電池3の内部に配置されており電極材料に巻かれているため、超音波振動による損傷を受けにくい。すなわち、電圧変換器8の超音波振動による故障を防ぐことができる。
また、この発明の第1の実施形態による電池パック1を使用する電子機器においては、電源電圧の変換を行う回路を備えなくてもよくなり、電子機器の開発や製造などにかかるコストを低減することができる。また、電圧変換器8による電磁波ノイズ、発熱などの影響がほとんどないため、これら影響に対する対策の負担が軽くなるという効果を有する。例えば、デジタルカメラでは、CCD(Charge Coupled Device)画像データのアナログ処理部のノイズを低減できるため、画像の品質を向上することができる。
また、電池パック1を使用する電子機器では、複数の電源電圧を電池パック1から得られるので、使い勝手が向上する。例えば、デジタルスチルカメラの内部には、通常以下に示す2個の電源電圧が存在しているため、デジタルスチルカメラ内部に1個の電圧変換器を有していた。
電圧1:2.9V〜4.2V:ストロボ用電源
電圧2:3V:マイコン電源、CCD用電源
第1の実施形態による電池パック1をデジタルスチルカメラの電源に使用することで、デジタルスチルカメラ内部に配置されていた電圧変換器を省略することができる。
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、上述した第1の実施形態による電池パック1に内蔵される二次電池3の構成を変えたものであり、第1の実施形態で説明したものと同一の符号を付した構成要素および電池断面の構成については説明を省略する。また、第2〜第4の実施形態による電池パックでは、回路構成についても第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図14は、第2の実施形態による電圧変換器ブロックの構成の一例を示し、図15はその断面を示す。電圧変換器ブロック7aは、上述した図6および図7に示す第1の実施形態での電圧変換器ブロック7と比較して、外装フィルム10への金属板11〜13の挿入部の両面に絶縁板28〜30をそれぞれ配置している。
すなわち、図15に示すように、金属板11を絶縁板28で挟み、さらにその外側を外装フィルム10を構成する外装フィルム材料で挟む構造としている。また、金属板13を絶縁板30で挟み、さらにその外側を外装フィルム10を構成する外装フィルム材料で挟む構造としている。図15では図示していないが、金属板12についても絶縁板29で挟み、さらにその外側を外装フィルム10を構成する外装フィルム材料で挟む構造とされている。
このように、外装フィルム10への金属板11〜13の挿入部は、それぞれ外装フィルム10と絶縁板28〜30で挟まれ、封止されている。絶縁板28〜30の材質は、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンなどのプラスチック材料である。
絶縁板28〜30は、電圧変換器ブロック7aを完全に封止するためと、金属箔などからなる外装フィルム10と二次電池30の電極に接続された金属板11〜13とのそれぞれの間を完全に絶縁するために設けられている。
図16は、第2の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す。二次電池3aは、電圧変換器ブロック7aを内蔵したものである。すなわち、二次電池3aは、上述した図8に示す第1の実施形態での二次電池3と比較して、外装フィルム10への金属板11〜13の各挿入部分において、金属板11〜13の各両面に絶縁板28〜30をそれぞれ配置している。金属板11〜13は、絶縁板28〜30によって、外装フィルム10と完全に絶縁されている。
これら絶縁板は、実際にリチウムイオンポリマ電池の上部、すなわち、正極電極金属板と負極電極金属板の封止部に用いられているものと同じ仕組みで構成されている。
金属板12の上下両面は、金属板12を挟むように絶縁板29が電圧変換器ブロック7aの挿入部と二次電池3aの上部の封止部との2箇所にまたがって設けられている。すなわち、外装フィルム10の金属板12の封止部と外装ケース10の金属板12の封止部は、絶縁板29によって封止されている。したがって、電圧変換器ブロック7aの入力端子または外部端子である金属板12は、二次電池3aの電解質から完全に絶縁されている。
以上説明したように、この発明の第2の実施形態によれば、上述した第1の実施形態での効果に加え、さらに以下のような効果を有する。
第2の実施形態による二次電池3aおよび二次電池3aを備えた電池パックによれば、絶縁板28〜30をそれぞれ金属板11〜13の上下に挟む状態で外装フィルム10の封止部に設けているため、外装フィルム10内の電圧変換器ブロック7aの密閉性を極めて良くすることができる。よって、水分や非水液体が電圧変換器ブロック7aの内部に侵入することを、より防止することができる。
また、絶縁板28〜30は、緩衝性を有しているため、外装フィルム10に圧力が加わっても外装フィルム10が破れにくいという効果を有する。
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。図17は、第3の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す。二次電池3bは、上述した図16に示す第2の実施形態での二次電池3aと比較して、電圧変換器ブロック7bからの全ての金属板、すなわち金属板31〜33の各挿入部分が外装ケース14bの上部にある封止部側に配置されていて、電圧変換器ブロック7bを包む外装フィルム10bの封止部と二次電池3bの外装ケース14bの封止部とが一体化された構造となっている。
ランドL4〜L6は、基板9bの上側、すなわち封止部側に設けられた接続用ランドである。金属板31〜33は、外装フィルム10bで包まれた電圧変換器ブロック7bの内部と外部とを電気的に接続する配線手段である。これら金属板は、板状の金属に限らず、他の構造や他の導電体材料で構成してもよい。
基板9b上に電圧変換器8がマウントされている。ランドL4は、基板9b上の電気配線によって電圧変換器8の第1のプラス端子と電気的に接続されている。ランドL5は、基板9b上の電気配線によって電圧変換器8の第2のプラス端子と電気的に接続されている。ランドL6は、基板9b上の電気配線によって電圧変換器8のマイナス端子と電気的に接続されている。
図17に示すように、第3の実施形態では、正極集電体の接合部19、負極集電体の接合部20には、それぞれ金属板31、金属板32が溶接される。この溶接は、電気抵抗溶接、超音波溶接によってなされる。
電圧変換器8には、二次電池3bの正極15と負極16とが接続されている。図17に示す例では、金属板31は、長方形とL字形とを組み合わせたような構成とされており、二次電池3bの正極15と電圧変換器8と二次電池3bの端子T4の3箇所を電気的に接続している。電池正極の金属板31は、長方形の一端を二次電池3bの外装ケース14bから突出して二次電池3bの外部端子である端子T4とし、長方形の他端を接合部19と接合することで、二次電池3bの正極15と端子T4とを電気的に接続するとともに、接合部19と端子T4との間を、長方形に接合されたL字板によって、外装ケース14bの封止部側から基板9bのランドL4と接合することで、電圧変換器8の第1のプラス端子と金属板31とを電気的に接続している。
また、金属板33は、長方形とL字形を組み合わせたような構成とされており、二次電池3bの負極16と電圧変換器8と二次電池3bの端子T6の3箇所を電気的に接続している。電池負極の金属板33は、長方形の一端を二次電池3bの外装ケース14bから突出して二次電池3bの外部端子である端子T6とし、長方形の他端を接合部20と接合することで、二次電池3bの負極16と端子T6とを電気的に接続するとともに、接合部20と端子T6との間を、長方形に接合されたL字板によって、外装ケース14bの封止部側から基板9bのランドL6と接合することで、電圧変換器8のマイナス端子と金属板33とを電気的に接続している。
また、電圧変換器8の第2のプラス端子には、金属板32が電気的に接続され、二次電池3bの外部端子である端子T5と電気的に接続されている。すなわち、金属板32の一端を二次電池3bの外装ケース14bから突出して端子T5とし、他端を基板9bのランドL5と接合することで、電圧変換器8の第2のプラス端子と二次電池3bの端子T5とを電気的に接続している。なお、これら金属板と接合用ランドとの接合は、それぞれ半田付け、電気抵抗溶接、超音波溶接などによってなされる。
図17に示すように、二次電池3bでは、正電極と接続する金属板31、負電極と接続する金属板33、および端子T5と接続する金属板32は、すべて基板9b、すなわち電圧変換器ブロック7bの上部(外装ケース14bの封止部側)から引き出している。
金属板31および33は、それぞれ一体化されていて、予め切断して形成される。または、金属板31および33は、それぞれ3つの長方形の金属板を溶接し、繋ぎ合わせて形成してもよい。さらには、金属板31および33は、それぞれ2つの長方形の金属板を溶接し、繋ぎ合わせた後、横方向の1つの長方形をL字形に折り曲げて形成してもよい。金属板31、金属板33を溶接により繋ぎ合わせ、その接合部に凹凸が形成されても、絶縁板34による封止部に凹凸が位置するため、外装ケース14bおよび外装フィルム10bの密閉性には問題がない。
電圧変換器8と基板9bは、外装フィルム10bで包まれている。外装フィルム10bは、電圧変換器ブロック7bを金属箔などからなる外装フィルム材料で挟んだサンドイッチ構造を有している。電圧変換器ブロック7bの上部と下部は、この外装フィルム材料で完全に密閉された状態とされており、電圧変換器ブロック7bの内部に二次電池3bの電解質が流入しない構造とされている。外装フィルム10bは、金属箔などの薄い金属ラミネートの他、金属ケースなどで構成してもよい。
外装フィルム10bは、金属板31〜33を挿入するための開口部を有する。この開口部の金属板31〜33は、それぞれ上下両面から外装フィルム10bを構成する外装フィルム材料で挟まれており、封止されている。
外装フィルム10bの上端の封止部から外装ケース14bの上端の封止部にかけての金属板31〜33の上下部には、それぞれの金属板を挟むように、絶縁板34が設けられている。電圧変換器ブロック7bの上部の外装フィルム10bの封止部と二次電池3bの外装ケース14bの封止部とが絶縁板34により封止されている。絶縁板34の材質は、上述した第2の実施形態における絶縁板28〜30と同じものである。これにより、外装フィルム10bの封止部での電圧変換器ブロック7bへの電解質の流入の防止と、金属板31〜33のそれぞれと外装フィルム10bとのショートの防止とを実現できる。また、外装ケース14bの封止部での外部への電解質の流出の防止と、外部からの液体や気体の侵入の防止とを実現できる。なお、外装フィルム10b、外装ケース14bの形成および詳細な構造については、それぞれ上述した第1の実施形態での外装フィルム10、外装ケース14と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上説明したように、この発明の第3の実施形態によれば、上述した第1および第2の実施形態での効果に加え、さらに以下のような効果を有する。
第3の実施形態による二次電池3bおよび二次電池3bを備える電池パックによれば、外装ケース14bと外装フィルム10bの封止部とが一体化されているため、加熱と加圧等による封止工程を1回で済ませることができる。
一般的に、外装ラミネート構造の場合、このような金属板の封止部は、外部の液体や気体が侵入し易い。これは、金属板が曲がったときに金属板の上下において、絶縁板と金属板との間が乖離し、小さな隙間が発生するからである。しかしながら、二次電池3bは、電圧変換器ブロック7bの上部の封止部の距離が長いため、密閉性が高く、外部の液体や気体が二次電池3bの内部および電圧変換器ブロック7bの内部に侵入しにくいという効果を有する。また、電圧変換器ブロック7bの上部方向には、二次電池3bの電解質が存在しないため、電圧変換器ブロック7bの内部は密閉性が高く、二次電池3bの電解質が電圧変換器ブロック7bの内部に流入することを防ぐことができる。
次に、この発明の第4の実施形態について説明する。図18は、第4の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す。二次電池3cは、上述した図17に示す第3の実施形態での二次電池3bと比較して、電池の正極15、負極16が、それぞれ電圧変換器ブロック7cを介してから二次電池36の外部端子である端子T4、T6に接続された構造とされている。すなわち、二次電池3cの発電素子による電池電圧を出力する正極と負極の配線が外装フィルム10cを介して外装ケース14cの封止部側から端子T4、T6にそれぞれ接続されている。
ランドL7〜L11は、基板9c上に設けられた接合用ランドである。ランドL9〜L11は、基板9cの上側、すなわち封止部側に設けられている。金属板35〜39は、電圧変換器ブロック7cの内部と外部とを電気的に接続する配線手段である。これら金属板は、板状の金属に限らず、他の構造や他の導電体材料で構成してもよい。
基板9c上に電圧変換器8がマウントされている。電圧変換器8の第1のプラス端子は、基板9c上の電気配線によってランドL7およびL10と電気的に接続されている。電圧変換器8のマイナス端子は、基板9上の電気配線によってランドL8およびL11と電気的に接続されている。電圧変換器8の第2のプラス端子は、基板9c上の電気配線によってランドL10と電気的に接続されている。
図18に示すように、第4の実施形態では、正極集電体の接合部19、負極集電体の接合部20の部分には、それぞれ金属板35、金属板36が溶接される。この溶接は、電気抵抗溶接、超音波溶接によってなされる。
電圧変換器8には、二次電池3cの正極15と負極16とが接続されている。すなわち、金属板35の一端がランドL7と接合されており、他端が接合部19を介して二次電池3cの正極15と電気的に接続されている。金属板36の一端がランドL8と接合されており、他端が接合部20を介して二次電池3の負極16と電気的に接続されている。
また、金属板37の一端をランドL9と接合し、他端を二次電池3cの外装ケース14cから突出して端子T4とすることで、端子T4とランドL9とを電気的に接続している。金属板38の一端をランドL10と接合し、他端を二次電池3cの外装ケース14cから突出して端子T5とすることで、端子T5とランドL10とを電気的に接続している。金属板39の一端をランドL11と接合し、他端を二次電池3cの外装ケース14cから突出して端子T6とすることで、端子T6とランドL11とを電気的に接続される。これら金属板と接合用ランドとの接合は、それぞれ半田付け、電気抵抗溶接、超音波溶接などによってなされる。
図18に示すように、電圧変換器ブロック7cと二次電池3cの正極15、負極16との接続は、それぞれ金属板35、金属板36によってランドL7、ランドL11の横部、すなわち電圧変換器ブロック7cの横側でなされている。また、二次電池3cの正極15、負極16は、それぞれ電圧変換器ブロック7cを介して、二次電池3cの外部端子である端子T4、端子T6に電気的に接続されている。
電圧変換器8と基板9cは、外装フィルム10cで包まれている。外装フィルム10cは、電圧変換器ブロック7cを金属箔などからなる外装フィルム材料で挟んだサンドイッチ構造を有している。電圧変換器ブロック7cの上部と下部は、この外装フィルム材料で完全に密閉された状態とされており、電圧変換器ブロック7cの内部に二次電池3cの電解質が流入しない構造とされている。外装フィルム10cは、金属箔などの薄い金属ラミネートの他、金属ケースなどで構成してもよい。
外装フィルム10cは、金属板35〜39を挿入するための開口部を有する。この開口部の金属板35〜39は、それぞれ上下両面から外装フィルム10cを構成する外装フィルム材料で挟まれており、封止されている。外装フィルム10cの金属板35および36の上下両面には、それぞれの金属板を挟むように、絶縁板40および41が設けられている。
また、二次電池3cの外部端子として用いる全ての金属板の挿入部分が上部の外装ケース14cの封止部側に配置されている。電圧変換器ブロック7cの上部の外装フィルム10cの封止部と二次電池3cの外装ケース14cの封止部とが絶縁板42により封止されている。絶縁板42は、上述した第3の実施形態での絶縁板34に相当する。二次電池3cは、例えば、予め全ての金属板と絶縁板を接合しておいた電圧変換器ブロック7cを二次電池3cの集電体の上に配置し、電圧変換器ブロック7cの金属板と二次電池3cの集電体とを接合すればよい。最後に、二次電池3cの上部の絶縁板42を加熱と加圧することで、外装フィルム10cと外装ケース14cを封止する。
絶縁板40〜42によって、外装フィルム10cの封止部での電圧変換器ブロック7cへの電解質の流入の防止と、金属板35〜39のそれぞれと外装フィルム10cとのショートの防止とを実現できる。また、外装ケース14cの封止部での外部への電解質の流出の防止と、外部からの液体や気体の侵入の防止とを実現できる。なお、外装フィルム10c、外装ケース14cの形成および詳細な構造については、それぞれ上述した第1の実施形態での外装フィルム10、外装ケース14と同様であるため、ここでは説明を省略する。
以上説明したように、この発明の第4の実施形態よれば、上述した第1〜第3の実施形態での効果に加え、さらに以下のような効果を有する。
第4の実施形態による二次電池3cおよび二次電池3cを備える電池パックによれば、二次電池3cの正極15と端子T4および二次電池3cの負極16と端子T6とを、それぞれ電圧変換器ブロック7cを介して電気的に接続しているため、二次電池3cの外部端子である端子T4〜T6を纏めて近くに配置することができる。また、比較的構造が単純であるため、二次電池3cの最終の組み立て工程が簡素化できる。
上述した第1から第4の実施形態では、電圧変換器ブロックを包む外装フィルムの中に電圧変換器8を配置した。以下に説明する実施形態は、電圧変換器ブロックを包む外装フィルムの中に電圧変換器8と他の機器を配置するものである。
以下、この発明の第5の実施形態について説明する。図19は、第5の実施形態による二次電池の回路ブロックの一例の構成を示す。二次電池3dは、内部に電圧変換器ブロック7dと二次電池3dを保護する保護回路43とを有する。保護回路43は、過充電保護機能および過放電保護機能を有する。二次電池3dの正極15は、保護回路43を介して、電圧変換器ブロック7dと二次電池3dの外部端子である端子T4に接続されている。二次電池3dの負極16は、保護回路43と電圧変換器ブロック7dを介して、二次電池3dの外部端子である端子T6に接続されている。また、電圧変換器ブロック7dと二次電池3dの外部端子である端子T5とが接続されている。
図20は、二次電池3dの詳細な構成の一例を示す。二次電池3dは、上述した図18に示す第4の実施形態での二次電池3cと比較して、外装フィルム10d内に電圧変換器8と保護回路43を内蔵した構成とされている。なお、電圧変換器8と保護回路43は、基板9d上に載置されている。電圧変換器8、保護回路43および基板9dは、外装フィルム10dで包まれている。なお、外装フィルム10dおよび外装ケース14dは、それぞれ上述した第4の実施形態での外装フィルム10c、外装フィルム14cと同様な構成なのでここでは説明を省略する。
二次電池3dの金属板などからなる集電体と保護回路43とが基板9d上の電気配線によって電気的に接続されている。保護回路43と電圧変換器8とが基板9d上の電気配線によって電気的に接続されている。電圧変換器8と二次電池3dの外部端子とが基板9d上の電気配線によって電気的に接続されている。他の接続の詳細は、第4の実施形態を参照のこと。
ここで、第5の実施形態による電池パックの詳細な回路構成について説明する。図21は、二次電池3dを備えた電池パックの回路構成の一例を示す。外部端子T1〜T3、二次電池3dおよび電圧変換器8を除く機器が保護回路43である。二次電池3dの正極と外部端子T1が接続され、その負極と外部端子T3が放電電流用スイッチ45および充電電流用スイッチ46を介して接続される。外部端子T1およびT2間には、二次電池3dの電池電圧が直接出力される。例えば二次電池3dの電池電圧は、2.5V〜4.3Vが適正状態の電圧値、すなわち、過放電および過充電の何れでもない状態の電圧値と設定されている。
スイッチ45および46は、例えばNチャンネル型のFETにより構成され、スイッチ45および46と並列に寄生ダイオード47および48が接続される。スイッチ45および46が保護制御回路44からの放電制御信号49および充電制御信号50によってそれぞれ制御される。
保護制御回路44は、一般的な回路構成であり、保護制御回路44によってスイッチ45および46が制御され、過充電保護、過放電保護および過電流保護がなされる。電池電圧が設定電圧範囲内の通常状態であれば、放電制御信号49および充電制御信号50が共に"1"(論理的なレベルを意味する)となり、スイッチ45および46がオン状態とされる。したがって、二次電池3dから負荷への放電と、充電器から二次電池3dへの充電が自由に行える。
電池電圧が設定電圧範囲より低いと、放電制御信号49が"0"(論理的なレベルを意味する)となり、スイッチ45がオフとされ、放電電流が流れることを禁止する。その後充電器を接続すると、ダイオード47を介して充電がなされる。
設定電圧範囲より電池電圧が高いと、充電制御信号50が"0"となり、スイッチ46がオフとされ、充電が禁止される。負荷への放電は、ダイオード48を介して行われる。
さらに、外部端子T1およびT3間が短絡されると、過大放電電流が流れ、FETが破壊される可能性があるので、放電電流が所定の電流値に達すると、放電制御信号49が"0"となり、スイッチ45がオフとされ、放電電流が流れることを禁止する。
以上説明したように、この発明の第5の実施形態によれば、上述した第1〜第4の実施形態での効果に加え、さらに以下のような効果を有する。
第5の実施形態による二次電池3dおよび二次電池3dを備える電池パックによれば、基板9d上に配置された電圧変換器8と保護回路43の配線が短いため、配線抵抗による電圧降下を極めて小さくすることができる。このため、充電電流が大きい場合においても、正確な定格充電電圧で充電することができる。したがって、二次電池3dは、定格充電電圧になっている時間が長いため、充電時間を短縮することができる。これは、充電電圧が高い方が、より大きな充電電流が流れるため、時間あたりの充電量が増大するためである。
一般的に、保護回路43のスイッチング素子には、電界効果トランジスタ(FET)が用いられる。FETは、大電流が流れると高温になり、抵抗が増大する特性を有する。第5の実施形態による二次電池3dおよび電池パックでは、FETの発熱が効率的に、二次電池3dの内部に放熱されるため、FETの温度上昇が小さく、抵抗の増大が小さい。このため、二次電池3dの大電流放電時において、FET抵抗による電圧降下が小さいため、外部端子電圧がより高くなる。よって、負荷となる電子機器側に取り出せるエネルギー量が大きくなる。これは、本体の持続時間の増大に繋がる。また、FETの温度上昇が小さいため、より小型のFETを使用することが可能になる。これは、コストダウンになる。
次に、この発明の第6の実施形態について説明する。図22は、第6の実施形態による二次電池の回路ブロックの一例の構成を示す。二次電池3eは、内部に電圧変換器ブロック7eと温度保護素子51とを有する。二次電池3eの正極15は、温度保護素子51を介して、電圧変換器ブロック7eと二次電池3eの外部端子である端子T4とに接続されている。二次電池3eの負極16は、電圧変換器ブロック7eと、二次電池3eの外部端子である端子T6に接続されている。また、電圧変換器ブロック7eと二次電池3eの外部端子である端子T5とが接続されている。
図23は、二次電池3eの詳細な構成の一例を示す。二次電池3eは、上述した図18に示す第4の実施形態での二次電池3cと比較して、外装フィルム10e内に電圧変換器8と温度保護素子51を内蔵した構成とされている。電圧変換器8は、基板9e上に載置されている。金属板35は、温度保護素子51を介してランドL7と二次電池3eの正極15とを接続している。電圧変換器8、温度保護素子51および基板9eは、外装フィルム10eで包まれている。なお、外装フィルム10eおよび外装ケース14eは、それぞれ上述した第4の実施形態での外装フィルム10c、外装フィルム14cと同様な構成なのでここでは説明を省略する。また、他の接続の詳細は、第4の実施形態を参照のこと。
ここで、第6の実施形態による電池パックの詳細な回路構成について説明する。図24は、二次電池3eを備えた電池パックの回路構成の一例を示す。二次電池3eの正極と外部端子T1が温度保護素子51を介して接続され、その負極と外部端子T3が接続される。外部端子T1およびT2間には、二次電池3eの電池電圧が直接出力される。例えば二次電池3eの電池電圧は、2.5V〜4.3Vが適正状態の電圧値、すなわち、過放電および過充電の何れでもない状態の電圧値と設定されている。
電圧変換器8の一方の電源端子が温度保護素子51を介した二次電池3eの正極と接続され、その他方の電源端子が二次電池3の負極と接続される。
温度保護素子51は、二次電池3eと電圧変換器ブロック7eの両方の温度異常を検出し、保護する働きを有する。二次電池3eが外部から物理的な損傷を受けるなどして、二次電池3eが異常状態となり、温度が上昇した場合、温度保護素子51は溶断し、放電電流と充電電流を遮断する。また、電圧変換器ブロック7eが故障して内部で短絡などの異常が発生し、異常発熱した場合、温度保護素子51は溶断する。
温度保護素子51として、温度ヒューズ、正特性サーミスタ(PTC)、サーモスタットなどを適用することができる。温度ヒューズは、棒形状の低融点金属で構成されており、この低融点金属が高温時に溶断する。低融点金属の周囲には、フラックスが付着している。二次電池用の温度ヒューズの溶断温度は、約90℃、約100℃、約130℃などである。
正特性サーミスタ(PTC)は、グラファイト、金属粉などの導体と樹脂とが混ざった構成をしており、温度が高温になると樹脂が膨張し、導体の接合密度が低くなり抵抗値が増大するものである。例えば、正特性サーミスタ(PTC)の温度が23℃からトリップ温度以上の130℃になると、抵抗値が20mΩから20Ωと約1000倍以上になる。正特性サーミスタ(PTC)の抵抗値が上昇するトリップ温度は、約100℃〜約130℃である。
以上説明したように、この発明の第6の実施形態によれば、上述した第1〜第4の実施形態での効果に加え、さらに以下のような効果を有する。
第6の実施形態による二次電池3eおよび二次電池3eを備える電池パックによれば、温度保護素子51を備えているため、二次電池3eの安全性が向上する。また、温度保護素子51は、外装フィルム10eに包まれているため、温度保護素子51に二次電池3eの電解質等が付着して故障することを防止することができる。
次に、この発明の第7の実施形態について説明する。図25は、第7の実施形態による二次電池の回路ブロックの一例の構成を示す。二次電池3fは、内部に電圧変換器ブロック7fと二次電池3fを保護する保護回路43、および温度保護素子51とを有する。二次電池3fの正極15は、温度保護素子51と保護回路43を介して、電圧変換器ブロック7fと二次電池3fの外部端子である端子T4に接続されている。二次電池3fの負極16は、保護回路43と電圧変換器ブロック7fを介して、二次電池3fの外部端子である端子T6に接続されている。また、電圧変換器ブロック7fと二次電池3fの外部端子である端子T5とが接続されている。
図26は、二次電池3fの詳細な構成の一例を示す。二次電池3fは、上述した図18に示す第4の実施形態での二次電池3cと比較して、外装フィルム10f内に電圧変換器8と保護回路43と温度保護素子51とを内蔵した構成とされている。すなわち、上述した第5の実施形態と第6の実施形態とを組み合わせた構成とされている。なお、電圧変換器8と保護回路43は、基板9f上に載置されている。金属板35は、温度保護素子51を介してランドL7と二次電池3fの正極15とを接続している。
電圧変換器8、保護回路43、基板9fおよび温度保護素子51は、外装フィルム10fで包まれている。なお、電圧変換器ブロック7f、外装フィルム10fおよび外装ケース14fは、それぞれ上述した第5の実施形態での電圧変換器ブロック7d、外装フィルム10d、外装フィルム14dと同様な構成なのでここでは説明を省略する。
二次電池3fの金属板などからなる集電体と保護回路43とが基板9f上の電気配線によって電気的に接続されている。なお、正極側は、温度保護素子51を介して接続されている。保護回路43と電圧変換器8とが基板9f上の電気配線によって電気的に接続されている。電圧変換器8と二次電池3fの外部端子とが基板9f上の電気配線によって電気的に接続されている。他の接続の詳細は、第5の実施形態を参照のこと。
図27は、二次電池3fを備えた電池パックの一例の回路構成を示す。図27に示す回路は、図21に示した回路と図24に示した回路を組み合わせたものであり、ここでは、詳しい回路構成の説明を省略する。
以上説明したように、この発明の第7の実施形態によれば、上述した第5の実施形態と第6の実施形態を組み合わせているため、上述した第1〜第6の実施形態での効果を有する。
上述した第1〜第7の実施形態では、二次電池の外装ケースの内部に電圧変換器等の電子機器を配置した。以下に説明する実施形態は、二次電池の外装ケースの封止部に電圧変換器等の電子機器を配置するものである。
まず、この発明の第8の実施形態について説明する。図28は、第8の実施形態による二次電池の一例の構成を示す。図28Aは、二次電池3gの横面図を示す。図28Aに示す左側の大きな凸形状は、二次電池3gの充電と放電の機能を有する発電素子部52である。上述した第1〜第7の実施形態では、電圧変換器8を発電素子部52内に配置していたが第8の実施形態では、二次電池3gのテラス部(第1の実施形態における図5に示すところの封止部)53に配置している。テラス部53は、二次電池3gの外装ケースにおいて、加熱、加圧などによって封止された端部のテラス状の部分をいう。
テラス部53の電圧変換器8を配置した部分が凸状に膨らんでいる。テラス部53に電圧変換器8を配置することで、電圧変換器8は、二次電池3gの外部と二次電池3gの電解質から完全に封止された構造とされている。
図28Bは、二次電池3gの上面図を示す。電圧変換器8は、二次電池3gのプラス電極およびマイナス電極、二次電池3gの端子T4、端子T5およびT6に接続されている。なお、回路の詳細については、上述した第1の実施形態で図12および図13を参照して説明したのでここでは省略する。
以上説明したように、この発明の第8の実施形態によれば、電圧変換器8を二次電池3gのテラス部53に備え、二次電池3gの正電極と接続された端子T4と、電圧変換器8の出力端子と接続された端子T5と、二次電池3の負電極と接続された端子T6とを備えているので、異なる複数の電源電圧を出力することができる。すなわち、電圧変換器8を内蔵しているため、電圧変換器8が放電用電圧の変換を行う機能を有する場合には、端子T4から出力される電池電圧以外に、電池電圧と異なる電圧を端子T5から出力することができる。
また、電圧変換器8が充電用電圧の変換を行う機能を有する場合には、端子T5から許容充電電圧以外の電圧が入力された場合でも、許容充電電圧に変換して充電することができる。
電圧変換器8をテラス部53に配置することで、二次電池3gの外部や二次電池3gの電解質から電圧変換器8、つまりテラス部53内を完全に封止することができ、例えば、誤って外部からかけられたジュースや水などが電圧変換器8、つまりテラス部53内に付着することを防止できる。したがって、電圧変換器8、つまりテラス部53内の機器は、故障し難く安全に動作させることができる。
電圧変換器8をテラス部53に配置することで、電圧変換器8から発生する電磁波ノイズを二次電池3gの外装ケースにより吸収させることができる。これにより、外部に放射される電磁波ノイズを小さくすることができる。これにより、電子機器本体+電池パックによる電磁波ノイズEMI試験を合格し易い。同様に、電圧変換器8から発生する熱を二次電池3gの外装ケースにより吸収させることができる。これにより、電圧変換器8による温度上昇を抑えることができる。
例えば、電子機器内に電圧変換器を配置する場合には、アナログ回路の周辺に電磁波ノイズ防止用のシールド板を設けたり、電圧変換器にアルミニウム製などのヒートシンクを取り付けたりする必要があったが、この実施形態での電圧変換器8は、このようなシールド板や専用の放熱器を必要としないため、コストを削減することができる。また、アナログ回路を設置する場所の自由度を高めることができる。
また、この発明の第8の実施形態による電池パックを使用する電子機器においては、電源電圧の変換を行う回路を備えなくてもよくなり、電子機器の開発や製造などにかかるコストを低減することができる。また、電圧変換器8による電磁波ノイズ、発熱などの影響がほとんどないため、これら影響に対する対策の負担が軽くなるという効果を有する。例えば、デジタルカメラでは、CCD画像データのアナログ処理部のノイズを低減できるため、画像の品質を向上することができる。例えば、第8の実施形態による電池パックをデジタルスチルカメラの電源に使用することで、デジタルスチルカメラ内部に配置されていた電圧変換器を省略することができる。
次に、この発明の第9の実施形態について説明する。図29は、第9の実施形態による二次電池の一例の構成を示す。図29Aは、二次電池3hの横面図を示す。上述した第5の実施形態では、電圧変換器8と保護回路43を発電素子部52内に配置していたが第9の実施形態では、二次電池3hのテラス部(封止部)53に配置している。
テラス部53の電圧変換器8と保護回路43を配置した部分が凸状に膨らんでいる。テラス部53に電圧変換器8および保護回路43を配置することで、電圧変換器8と保護回路43は、二次電池3hの外部と二次電池3hの電解質から完全に封止された構造とされている。
図29Bは、二次電池3hの上面図を示す。電圧変換器8は、二次電池3hのプラス電極およびマイナス電極、二次電池3hの端子T4およびT5に接続されている。保護回路43は、二次電池3hのプラス電極およびマイナス電極、二次電池3hの端子T6に接続されている。なお、回路の詳細については、上述した第5の実施形態で図21を参照して説明したのでここでは省略する。
以上説明したように、この発明の第9の実施形態によれば、上述した第8の実施形態での効果に加え、さらに以下のような効果を有する。
第9の実施形態による二次電池3hおよび二次電池3hを備える電池パックによれば、テラス部53に配置された電圧変換器8と保護回路43の配線が短いため、配線抵抗による電圧降下を極めて小さくすることができる。このため、充電電流が大きい場合においても、正確な定格充電電圧で充電することができる。したがって、二次電池3hは、定格充電電圧になっている時間が長いため、充電時間を短縮することができる。これは、充電電圧が高い方が、より大きな充電電流が流れるため、時間あたりの充電量が増大するためである。
一般的に、保護回路43のスイッチング素子には、電界効果トランジスタ(FET)が用いられる。第9の実施形態による二次電池3hおよび電池パックでは、FETの発熱が効率的に、二次電池3hの外装ケースに放熱されるため、FETの温度上昇が小さく、抵抗の増大が小さい。このため、二次電池3hの大電流放電時において、FET抵抗による電圧降下が小さいため、外部端子電圧がより高くなる。よって、負荷となる電子機器側に取り出せるエネルギー量が大きくなる。これは、本体の持続時間の増大に繋がる。また、FETの温度上昇が小さいため、より小型のFETを使用することが可能になる。これは、コストダウンになる。
次に、この発明の第10の実施形態について説明する。図30は、第10の実施形態による二次電池の一例の構成を示す。図30Aは、二次電池3iの横面図を示す。上述した第7の実施形態では、電圧変換器8と保護回路43と温度保護素子51とを発電素子部52内に配置していたが第10の実施形態では、二次電池3iのテラス部(封止部)53に配置している。
テラス部53の電圧変換器8、保護回路43および温度保護素子51を配置した部分が凸状に膨らんでいる。テラス部53に電圧変換器8、保護回路43および温度保護素子51とを配置することで、電圧変換器8、保護回路43および温度保護素子51は、二次電池3iの外部と二次電池3iの電解質から完全に封止された構造とされている。
図30Bは、二次電池3iの上面図を示す。電圧変換器8は、二次電池3iのプラス電極およびマイナス電極、二次電池3iの端子T4およびT5に接続されている。保護回路43は、二次電池3iのプラス電極およびマイナス電極、二次電池3iの端子T6に接続されている。温度保護素子51は、二次電池3iのプラス電極と端子T5と電圧変換器8に接続されている。なお、回路の詳細については、上述した第7の実施形態で図27を参照して説明したのでここでは省略する。
二次電池3iの温度が例えば約92℃に上昇し、温度保護素子51が溶断した場合、二次電池3iの発電素子部52のプラス部が切り離される。その後、二次電池3iは、外部に対する放電、外部からの充電ができなくなる。
以上説明したように、この発明の第10の実施形態によれば、上述した第8および第9の実施形態での効果に加え、さらに以下のような効果を有する。
第10の実施形態による二次電池3iおよび二次電池3iを備える電池パックによれば、温度保護素子51を備えているため、二次電池3iの安全性が向上する。また、温度保護素子51は、二次電池3iの外径ケースに包まれているため、温度保護素子51に二次電池3iの電解質等が付着して故障することを防止することができる。
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、電池パックに内蔵する電圧変換器の個数は、1個に限らず、2個以上であっても良い。また、1個の電圧変換器であっても、複数の互いに相違する電圧を出力(放電用電圧変換器の場合)/入力(充電用電圧変換器の場合)する構成の電圧変換器を使用しても良い。
また、携帯電話内部には、下記に示すような5個の電源電圧が存在しているため、二次電池の出力電圧の他に、4個の電圧変換器を有していた。
電圧1:2.9V〜4.2V:アンテナ電波発生器用電源
電圧2:3.0V:マイコン電源
電源3:5.0V:デジタルカメラCCD素子用電源・スピーカ駆動用電源
電源4:15V:液晶ディスプレイ用電源1
電源5:−10V:液晶ディスプレイ用電源2
例えば、二次電池の内部に4個の電圧変換器を有し、5個の電源電圧を出力する構成とすることにより、携帯電話内部の電圧変換機器を省略することができる。携帯電話の電池パックにこの発明を適用すれば、携帯電話本体と電圧変換器8との距離が長くなるため、携帯電話本体内部の回路が電気ノイズを受け難いという効果を有する。また、電池パックの電源電圧や形状などを標準化すれば、異なる型式の携帯電話でも互換性を持たすことができ、電池パックを接続することができる。このように互換性を有する場合には、例えば、新しい携帯電話が発売されたときに、ユーザは、携帯電話本体だけを購入すればよく、二次電池および電池パックを購入する必要がなくなる。携帯電話には、電圧変換器を内蔵する必要がないので、本体のコストが安く済む。
また、上述した第1の実施形態で説明したスペーサ25と同じ材質の絶縁体を、他の実施形態の保護回路43や温度保護素子51の上下に配置してもよい。これにより、保護回路43や温度保護素子51の放熱や保護を行うことができる。また、二次電池の外装ケース内やテラス部には、電圧変換器8、保護回路43、温度保護素子51以外の機器を配置することも可能である。
また、回路構成については、各実施形態において説明したものに限定されるものではない。図31に示す回路は、図12に示す回路と比較して、電源制御器54と電圧変換器電源スイッチ55とを追加したものである。
二次電池3の正極と外部端子T1が接続され、その負極と外部端子T3が接続される。外部端子T1およびT3間には、二次電池3の電池電圧が直接出力される。例えば二次電池3の電池電圧は、2.5V〜4.3Vが適正状態の電圧値、すなわち、過放電および過充電の何れでもない状態の電圧値と設定されている。
電圧変換器11の一方の電源端子が電圧変換器電源スイッチ55を介して二次電池3の正極と接続され、その他方の電源端子が二次電池3の負極と接続される。電圧変換器8の出力端子が外部端子T2として導出される。外部端子T2およびT3間には、電圧変換器8によって定電圧制御され、電池電圧と異なる値の出力電圧が取り出される。電源スイッチ55は、具体的には、半導体スイッチ、リレー接点等で構成される。
さらに、電圧変換器電源スイッチ55を制御する電源制御信号56を発生する電源制御器54が設けられている。電源制御器54は、外部端子T1およびT3間に現れる電池電圧が設定電圧範囲内(2.5V〜4.3V)の通常時では、電源スイッチ55をオンにし、設定電圧範囲外(2.49V以下、または4.31V以上)のときに、電源スイッチ55をオフに切り替える。
したがって、図31に示す回路構成で電池パックを構成することで、二次電池3の電圧が所定値よりも低い場合には、放電を停止し、二次電池3の劣化を防ぐことができる。二次電池3の電圧が異常に高いなど所定値より高い場合には、充電を停止し、電源制御器54など機器の故障を防止することができる。また、電源スイッチ55を設けることにより、電池の残放電容量が小さいときの電圧変換器8による消費電流を低減することができる。よって、電池の残放電容量が小さいときの残放電容量を抑制する効果がある。
図32は、図31に示す回路と比較して、二次電池3の保護回路を追加したものである。二次電池3の正極と外部端子T1が接続され、その負極と外部端子T38が放電電流用スイッチ45および充電電流用スイッチ46を介して接続される。外部端子T1およびT2間には、二次電池3の電池電圧が直接出力される。例えば二次電池3の電池電圧は、2.5V〜4.3Vが適正状態の電圧値、すなわち、過放電および過充電の何れでもない状態の電圧値と設定されている。
スイッチ45および46は、例えばNチャンネル型のFETにより構成され、スイッチ45および46と並列に寄生ダイオード47および48が接続される。スイッチ45および46が保護制御回路44からの放電制御信号49および充電制御信号50によってそれぞれ制御される。
保護制御回路44は、一般的な回路構成であり、保護制御回路44によってスイッチ45および46が制御され、過充電保護、過放電保護および過電流保護がなされる。電池電圧が設定電圧範囲内の通常状態であれば、放電制御信号49および充電制御信号50が共に"1"(論理的なレベルを意味する)となり、スイッチ45および46がオン状態とされる。したがって、二次電池3から負荷への放電と、充電器から二次電池3への充電が自由に行える。
電池電圧が設定電圧範囲より低いと、放電制御信号49が"0"(論理的なレベルを意味する)となり、スイッチ45がオフとされ、放電電流が流れることを禁止する。その後充電器を接続すると、ダイオード47を介して充電がなされる。
設定電圧範囲より電池電圧が高いと、充電制御信号50が"0"となり、スイッチ46がオフとされ、充電が禁止される。負荷への放電は、ダイオード48を介して行われる。
さらに、外部端子T1およびT3間が短絡されると、過大放電電流が流れ、FETが破壊される可能性があるので、放電電流が所定の電流値に達すると、放電制御信号49が"0"となり、スイッチ45がオフとされ、放電電流が流れることを禁止する。
電圧変換器8の一方の電源端子が電圧変換器電源スイッチ55を介して二次電池3の正極と接続され、その他方の電源端子がスイッチ45および46を介して二次電池3の負極と接続される。電圧変換器8の出力端子が外部端子T2として導出される。外部端子T2およびT3間には、電圧変換器8によって定電圧制御され、電池電圧と異なる値の出力電圧が取り出される。電源スイッチ55は、具体的には、半導体スイッチ、リレー接点等で構成される。
さらに、電圧変換器電源スイッチ55を制御する電源制御信号56を発生する電源制御器54が設けられている。電源制御器54は、外部端子T1およびT3間に現れる電池電圧が設定電圧範囲内(2.5V〜4.3V)の通常時では、電源スイッチ55をオンにし、設定電圧範囲外(2.49V以下、または4.31V以上)のときに、電源スイッチ55をオフに切り替える。電源スイッチ55を設けることにより、電池の残放電容量が小さいときの電圧変換器8による消費電流を低減することができる。よって、電池の残放電容量が小さいときの残放電容量を抑制する効果がある。
図33は、図32に示す回路と比較して、電源制御器54に論理積演算機能を備えさせたものである。参照符号57で示す論理積演算器(例えばANDゲート)が設けられ、論理積演算器57によって電圧変換器電源スイッチ55を制御する電源制御信号56を発生する構成とされている。
論理積演算器57に対して保護制御回路44から出力される放電制御信号49および充電制御信号50が供給される。上述したように、通常動作時には、これらの制御信号が共に"1"であり、スイッチ12および13が共にオンとされる。保護機能が働く時には、何れか一方の制御信号が"0"となる。したがって、論理積演算器57は、放電制御信号49および充電制御信号50が共に"1"である場合に、電源スイッチ19をオンとする"1"の電源制御信号56を発生する。
なお、放電電流用スイッチ45および充電電流用スイッチ46は、二次電池3fの正極側に接続され、PチャンネルFETが使用される場合がある。その場合には、通常動作時に放電制御信号49および充電制御信号50が共に"0"とされ、保護機能が働く場合には、一方の制御信号が"1"とされる。したがって、電圧変換器電源スイッチをオンとする制御信号は、NORゲートによって放電制御信号49および充電制御信号50が共に"0"の場合にのみ生成される。電圧変換器電源スイッチ55を設けることにより、電池の残放電容量が小さいときの電圧変換器の消費電流を低減することができる。
この発明の第1の実施形態による電池パックの一例の外観を示す略線図である。 第1の実施形態による電池パックの内部構造を示す略線図である。 第1の実施形態による電池パックの回路ブロックを示す略線図である。 第1の実施形態による電池パックの内部接続の概念を示す略線図である。 第1の実施形態による電池パックの内部配置の一例を示す略線図である。 第1の実施形態による電圧変換器ブロックの構成の一例を示す略線図である。 第1の実施形態による電圧変換器ブロックの断面を示す略線図である。 第1の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す略線図である。 二次電池の断面の一例を示す略線図である。 二次電池の断面の別の例を示す略線図である。 二次電池の断面のさらに別の例を示す略線図である。 第1の実施形態による電池パックの一例の回路構成を示す略線図である。 第1の実施形態による電池パックの別の例の回路構成を示す略線図である。 第2の実施形態による電圧変換器ブロックの構成の一例を示す略線図である。 第2の実施形態による電圧変換器ブロックの断面を示す略線図である。 第2の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す略線図である。 第3の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す略線図である。 第4の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す略線図である。 第5の実施形態による二次電池の回路ブロックの一例の構成を示す略線図である。 第5の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す略線図である。 第5の実施形態による二次電池を備えた電池パックの回路構成の一例を示す略線図である。 第6の実施形態による二次電池の回路ブロックの一例の構成を示す略線図である。 第6の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す略線図である。 第6の実施形態による二次電池を備えた電池パックの回路構成の一例を示す略線図である。 第7の実施形態による二次電池の回路ブロックの一例の構成を示す略線図である。 第7の実施形態による二次電池の詳細な構成の一例を示す略線図である。 第7の実施形態による二次電池3fを備えた電池パックの回路構成の一例を示す略線図である。 第8の実施形態による二次電池の一例の構成を示す略線図である。 第9の実施形態による二次電池の一例の構成を示す略線図である。 第10の実施形態による二次電池の一例の構成を示す略線図である。 この発明の電池パックに適用可能な回路構成の応用例を示す略線図である。 この発明の電池パックに適用可能な回路構成の別の応用例を示す略線図である。 この発明の電池パックに適用可能な回路構成のさらに別の応用例を示す略線図である。 電圧変換器を備えた電池パックの回路ブロックの一例を示す略線図である。 電圧変換器を備えた電池パックの内部配置の一例を示す略線図である。
符号の説明
1 電池パック
3,3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h,3i 二次電池
7,7a,7b,7c,7d,7e,7f 電圧変換器ブロック
8 電圧変換器
9,9b,9c,9d,9e,9f 基板
10,10b,10c,10e,10f 外装フィルム
15 正極
16 負極
25 スペーサ
43 保護回路
51 温度保護素子
53 テラス部(封止部)
T1,T2,T3 外部端子
T4,T5,T6 端子

Claims (14)

  1. 外装ケース内に発電素子が収容された二次電池において、
    上記外装ケースの内部に1以上の電圧変換器が配置され
    上記電圧変換器が外装フィルムで包まれており、上記外装フィルムの内部と外部とを電気的に接続する配線部における外装フィルムの開口部が封止され、
    上記外装フィルムと集電体との間に熱伝導率が高いスペーサが設けられた二次電池。
  2. 請求項1において、
    上記二次電池が、
    上記集電体と、
    該集電体の少なくとも一方の面に形成された電極膜とで構成される正極および負極と
    を備える二次電池
  3. 請求項において、
    上記電圧変換器と上記外装フィルムとの間に熱伝導率が高い絶縁体が設けられている二次電池。
  4. 請求項において、
    上記外装フィルムが金属板とプラスチック板の複合板で構成されている二次電池。
  5. 請求項において、
    上記外装フィルムの内部と外部とを電気的に接続する配線が絶縁体により上記外装フィルムと絶縁されている二次電池。
  6. 請求項において、
    上記外装フィルムの封止部と上記外装ケースの封止部とが同じ絶縁体によって封止されている二次電池。
  7. 請求項において、
    上記外装フィルムの内部と外部とを電気的に接続する配線が全て上記外装ケースの封止部側に設けられている二次電池。
  8. 請求項において、
    上記発電素子による電池電圧を出力する配線が上記外装フィルムを介して上記外装ケースの封止部側から上記外部端子に接続されている二次電池。
  9. 請求項において、
    上記外装フィルムの内部に、さらに保護回路が配置された二次電池。
  10. 請求項において、
    上記保護回路と上記外装フィルムとの間に熱伝導率が高い絶縁体が設けられている二次電池。
  11. 請求項において、
    上記外装フィルムの内部に、さらに温度保護素子が配置された二次電池。
  12. 請求項において、
    上記温度保護素子と上記外装フィルムとの間に熱伝導率が高い絶縁体が設けられている二次電池。
  13. 外装ケースと、
    上記外装ケース内に収容された発電素子と、
    上記外装ケースの内部に1以上配置された電圧変換器と
    を備え、
    上記電圧変換器が外装フィルムで包まれており、上記外装フィルムの内部と外部とを電気的に接続する配線部における外装フィルムの開口部が封止され、
    上記外装フィルムと集電体との間に熱伝導率が高いスペーサが設けられた
    二次電池が内蔵されている電池パック。
  14. 請求項13において、
    上記二次電池が、
    上記集電体と、
    該集電体の少なくとも一方の面に形成された電極膜とで構成される正極および負極と
    を備える二次電池が内蔵されている電池パック。
JP2003365856A 2003-10-27 2003-10-27 二次電池および電池パック Expired - Fee Related JP4329489B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003365856A JP4329489B2 (ja) 2003-10-27 2003-10-27 二次電池および電池パック

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003365856A JP4329489B2 (ja) 2003-10-27 2003-10-27 二次電池および電池パック

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005129441A JP2005129441A (ja) 2005-05-19
JP4329489B2 true JP4329489B2 (ja) 2009-09-09

Family

ID=34644388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003365856A Expired - Fee Related JP4329489B2 (ja) 2003-10-27 2003-10-27 二次電池および電池パック

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4329489B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8478053B2 (en) 2009-07-15 2013-07-02 Nikon Corporation Image sorting apparatus

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4812529B2 (ja) * 2006-06-14 2011-11-09 トヨタ自動車株式会社 電源装置および車両
JP7163182B2 (ja) * 2015-12-22 2022-10-31 イノビオ ファーマシューティカルズ,インコーポレイティド 電源スイッチを備えたバッテリーパックを有するエレクトロポレーション装置
CN111173975A (zh) * 2020-01-06 2020-05-19 王晓华 一种基于锂电池的防爆阀
CN112563680B (zh) * 2020-11-13 2023-06-23 安克创新科技股份有限公司 一种电池及其封装方法、电子装置
CN215603208U (zh) * 2021-05-26 2022-01-25 深圳麦克韦尔科技有限公司 电池组件以及电子雾化装置
WO2024246682A1 (ja) * 2023-05-30 2024-12-05 株式会社半導体エネルギー研究所 電池モジュール

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8478053B2 (en) 2009-07-15 2013-07-02 Nikon Corporation Image sorting apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005129441A (ja) 2005-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101076953B1 (ko) 전지팩
JP5504193B2 (ja) 二次電池パック及び二次電池パック用保護回路モジュール
KR100959871B1 (ko) 보호회로기판 및 이를 구비하는 배터리 팩
JP5186529B2 (ja) リチウム二次電池
US9041403B2 (en) Electrical storage module
CN101431168B (zh) 电池组和使用该电池组的电子装置
US9130221B2 (en) Squeeze pin and secondary battery using the same
US8228033B2 (en) Protective circuit board having groove and battery pack using the same
TW201330360A (zh) 次電池組
TW201308715A (zh) 新結構之二次電池包
JP7034413B2 (ja) バッテリーパック及びこの製造方法
JP2014526129A (ja) 二次電池パック
KR101318531B1 (ko) 이차전지
US20130280558A1 (en) Rechargeable battery
JP3498538B2 (ja) 二次電池及び二次電池用組立封口板
KR100646528B1 (ko) 파우치형 이차 전지 및 이를 이용한 제조 방법
JP2016171063A (ja) バッテリーパック
KR20150019728A (ko) 전지 팩
JPH1126029A (ja) 電 池
JP4329489B2 (ja) 二次電池および電池パック
JP2007305323A (ja) 電池
JP4114592B2 (ja) 電池パック
US7652860B2 (en) Polymer PTC device
JP2009527885A (ja) 高出力電池用安全装置
JP3797357B2 (ja) 電池パック

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090526

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090608

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees