JP4322345B2 - 混晶組成物、それを用いた電子写真感光体、電子写真方法、及び電子写真装置 - Google Patents
混晶組成物、それを用いた電子写真感光体、電子写真方法、及び電子写真装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な有機顔料組成物及びその製造方法、それを用いた光導電体並びに電子写真方法及び電子写真装置に関し、詳しくは、チタニルフタロシアニンとアゾ顔料からなる新規な混晶組成物とその製造方法、新規な混晶組成物を用いた光導電体並びに電子写真方法及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましいものがある。特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行う光プリンターは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。このデジタル記録技術はプリンターのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。また、従来からあるアナログ複写にこのデジタル記録技術を搭載した複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予想される。
【0003】
光プリンターの光源としては現在のところ小型で安価で信頼性の高い半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が多く使われている。現在よく使われているLEDの発光波長は660nmであり、LDの発光波長域は近赤外光領域にある。このため可視光領域から近赤外光領域に高い感度を有する電子写真感光体の開発が望まれている。
【0004】
電子写真感光体の感光波長域は感光体に使用される電荷発生物質の感光波長域によってほぼ決まってしまう。そのため従来から各種アゾ顔料、多環キノン系顔料、三方晶形セレン、各種フタロシアニン顔料等多くの電荷発生物質が開発されている。それらの内、チタニルフタロシアニン(TiOPcと略記される)は600〜800nmの長波長光に対して高感度を示すため、光源がLEDやLDである電子写真プリンターやデジタル複写機用の感光体用材料として極めて重要かつ有用である。
【0005】
機能分離型の電子写真感光体の感光波長領域は、電荷発生物質によって変わる。800nm付近に高感度な電荷発生物質としては、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、アルミクロロフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン等のフタロシアニン化合物が知られている。特に、長波長に高感度なフタロシアニン化合物としては、特開昭58−182639号公報に示されるτ型及びη型無金属フタロシアニン、同61−109056号公報、同62−134651号公報、同64−17066号公報や、特開平1−172459号公報、同2−289658号公報、同3−128973号公報などに示されるチタニルフタロシアニン、特開平1−268763号公報、同3−269063号公報などに示されるバナジルフタロシアニンがある。
【0006】
また、レーザープリンター及び複写機等の高性能化に伴い、電子写真用感光体には益々の高感度が要求され、上記フタロシアニン化合物を基に種々の改良が試みられている。例えば、特開昭62−54266号公報に示されるフタロシアニン化合物、ペリレン化合物及び正孔輸送物質を結着樹脂中に分散させた感光体、同63−313165号公報に示されるフタロシアニン化合物と特定のジスアゾ化合物の混合物を電荷発生層とする感光体、特開平3−1150号公報に示される特定のペリレン化合物とチタニルフタロシアニンを電荷発生物質とし、特定のジアミン誘導体を電荷輸送物質とする感光体、同3−37661号公報に示されるチタニルフタロシアニンと多環キノン化合物を別個又は混合した層を設けた感光体、同3−157666号公報に示されるチタニルフタロシアニンと特定のフタロシアニン化合物の混合物を電荷発生物質とし、特定のヒドラゾン化合物を電荷輸送物質とする感光体、同3−196049号公報に示される特定のジスアゾ化合物とチタニルフタロシアニンを電荷発生物質とし、特定のスチルベン化合物を電荷輸送物質とする感光体等が開示されている。
【0007】
一方、カールソンプロセス及び類似プロセスにおいて繰り返し使用される電子写真感光体の条件としては、感度、受容電位、電位保持性、電位安定性、残留電位、分光特性に代表される静電特性が優れていることが要求される。とりわけ、高感度感光体については、繰り返し使用による帯電性の低下と残留電位の上昇が、感光体の寿命特性を支配することが多くの感光体で経験的に知られており、チタニルフタロシアニンもこの例外ではない。従って、チタニルフタロシアニンを用いた感光体の繰り返し使用による安定性は未だ十分とはいえず、その技術の完成が熱望されていた。
また、長期間の使用により原因は明らかではないが、画像上に白抜けや地汚れといった異常画像が発生するという問題がある。このため、支持体と感光層の間の中間層の材料が制約されたり、積層した2層の中間層が必要になっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、新規なチタニルフタロシアニン−アゾ顔料混晶体とその製造方法を提供することにある。本発明の別の目的は、該新規混晶体を使用し高感度で、繰り返し使用での電位安定性に優れた電子写真感光体を提供することにある。本発明の更に別の目的は、該新規混晶体を使用し高感度で、繰り返し使用での電位安定性に優れた電子写真方法を提供することにある。本発明の更に別の目的は、該新規混晶体を使用し高感度で、繰り返し使用での電位安定性に優れた電子写真装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
フタロシアニンとアゾ顔料の混合物を電子写真感光体に使用する文献としては、例えば特開平3−37666号公報、特開平7−239561号公報などが挙げられる。しかしながら、チタニルフタロシアニンとアゾ顔料による新規な混晶化合物の製造とその製造方法、並びに該混晶材料を用いた電子写真感光体の導電性、即ち電子写真特性との関係における検討はなされていなかった。
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく新材料に関して混晶化合物という観点から鋭意検討を行い、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、第一に、下記一般式(1)で表されるビスアゾ顔料の少なくとも一種を含有するアゾ顔料分散/懸濁液と、水との混合物である無定形のチタニルフタロシアニンを混合した後、該混合物を有機溶媒中で攪拌することにより製造され、CuKαのX線回折スペクトルがブラッグ角2θにおいて少なくとも5.8°±0.2°、7.5°±0.2°及び27.2°±0.2°にピークを有し、かつ14.2°±0.2°、17.8°±0.2°、21.3°±0.2°、26.5°±0.2°にピークを有しないことを特徴とする混晶組成物が提供される。
【化2】
(式中、R1、R2は、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、p、qは、0〜3の整数を表す。Cpは、カップラー残基を表し、同じでも異なってもよい。)
【0011】
第二に、導電性支持体上に、少なくとも上記第一に記載の混晶組成物を含有する感光層を設けたことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
【0012】
第三に、電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰り返し行う電子写真方法において、該電子写真感光体が上記第二に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真方法が提供される。
【0013】
第四に、少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段及び電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、該電子写真感光体が上記第二に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明で、混晶化合物を得るために用いられるチタニルフタロシアニン顔料(TiOPc)の基本構造は、次の一般式(2)で表される。
【化5】
(式中、X1、X2、X3、X4は各々独立に各種ハロゲン原子を表し、n、m、l、kは各々独立的に0〜4の数字を表す)
【0015】
TiOPcには種々の結晶形が知られており、特開昭59−49544号公報、特開昭59−166959号公報、特開昭61−239248号公報、特開昭62−67094号公報、特開昭63−366号公報、特開昭63−116158号公報、特開昭63−196067号公報、特開昭64−17066号公報等に各々結晶形の異なるTiOPcが開示されている。
【0016】
本発明に使用されるチタニルフタロアシアニンは、公知の結晶形(無定型も含む)ものすべてが使用でき、公知の合成方法、洗浄・精製方法により準備することができる。
【0017】
本発明では、混晶化合物を得るために下記一般式(1)で表されるビスアゾ顔料が用いられる。
【化6】
(式中、R1、R2は、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、p、qは、0〜3の整数を表す。Cpは、カップラー残基を表し、同じでも異なってもよい。)
【0018】
上記一般式(1)でのCpとしては、下記一般式(K1)〜(K10)で表されるカップラー残基が挙げられる。
【化7】
(R1及びR2は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、R1、R2はそれらに結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。R3はハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、nは0〜5の整数を表す。)
【0019】
【化8】
(R1及びR2は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のスチリル基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、R1、R2はそれらに結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。R3はハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、nは0〜5の整数を表す。)
【0020】
【化9】
(R1及びR2は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、R1、R2は、それらに結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。R3はハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、またR3は環を形成してもよい。nは0〜4の整数を表す。)
【0021】
【化10】
(R1及びR2は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のスチリル基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、R1、R2は、それらに結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。R3はハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、またR3は環を形成してもよい。nは0〜4の整数を表す。)
【0022】
【化11】
(R1及びR2は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、R1、R2は、それらに結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。R3はハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、nは0〜6の整数を表す。)
【0023】
【化12】
(R1及びR2は、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、又は置換若しくは無置換のヘテロ環基を表し、R1、R2は、それらに結合する窒素原子とともに環を形成してもよい。Xは複素環又はその置換体を表す。)
【0024】
【化13】
(R1は置換若しくは無置換のアルキル基、カルバモイル基、カルボキシル基、又たはそのエステルを表し、Ar1は炭化水素環基又はその置換体を表す。)
【0025】
【化14】
(R1は置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。)
【0026】
【化15】
(Yは芳香族炭化水素の2価の基、又は窒素原子を環内に含むヘテロ環の2価の基を表す。)
【0027】
【化16】
(R1及びR2は、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、m及びnは0〜5の整数を表す。)
【0028】
次に、これらのチタニルフタロシアニンとアゾ顔料を用いて製造される新規な混晶化合物について述べる。
本発明の新規な組成物は、チタニルフタロシアニンと前記一般式(1)のビスアゾ顔料の一種を含有してなる組成物であって、該組成物のCuKαのX線回折スペクトルがブラッグ角2θにおいて少なくとも5.8°±0.2°及び27.2°±0.2°にピークを有することを特徴とする。詳しくは、該組成物は、チタニルフタロシアニンと前記一般式(1)のビスアゾ顔料の一種を含有してなる組成物であって、該組成物のCuKαのX線回折スペクトルがブラッグ角2θにおいて少なくとも5.8°±0.2°、7.5°±0.2°及び27.2°±0.2°にピークを有することを特徴とする。更に詳しくは、該組成物は、チタニルフタロシアニンと前記一般式(1)のビスアゾ顔料の一種を含有してなる組成物であって、該組成物のCuKαのX線回折スペクトルがブラッグ角2θにおいて少なくとも5.8°±0.2°及び27.2°±0.2°にピークを有し、かつ26.5°±0.2°にピークを有しないことを特徴とする。更に詳しくは、該組成物は、チタニルフタロシアニンと前記一般式(1)のビスアゾ顔料の一種を含有してなる組成物であって、該組成物のCuKαのX線回折スペクトルがブラッグ角2θにおいて少なくとも5.8°±0.2°、7.5°±0.2°及び27.2°±0.2°にピークを有し、かつ14.2°±0.2°、17.8°±0.2°、21.3°±0.2°、26.5°±0.2°にピークを有しないことを特徴とする。
【0029】
次に、これらのチタニルフタロシアニンとアゾ顔料を用いて製造される新規な混晶化合物の製造方法について述べる。
まず、アゾ顔料を分散/懸濁する有機溶媒には、公知のものが広く使用できる。とりわけ、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が好ましく使用できる。これらの溶媒は、単独で又は混合して用いられる。アゾ顔料を有機溶媒に分散/懸濁する方法としては、超音波分散、ボールミル、アトライター、サンドミル、振動ミル、円盤振動ミル、ペイントシエーカー、ジェットミルなどの公知の方法が挙げられるが、単に両者を撹拌するだけでも構わない。
【0030】
このようにして製造したアゾ顔料分散/懸濁液をチタニルフタロシアニンと混合するが、このときのチタニルフタロシアニンは、粉体、ケーキ、スラリー、分散/懸濁状態のいずれの状態でも構わない。ただし、チタニルフタロシアニン合成・生成過程で得られるウェットケーキ、水系スラリーを用いると、工程の簡素化につながり、経済的である、本発明に使用されるTiOPcと前記一般式(1)のアゾ顔料の比は、TiOPcが1に対して、一般式(1)のアゾ顔料が0.01〜100であり、好ましくは0.1〜90である。
アゾ顔料分散/懸濁液とチタニルフタロシアニンを混合する場合の順番は、前者に後者を添加してもよいし、逆に後者に前者を添加してもよいし、更には別の容器に再者を同時に投入してもよい。
【0031】
上記のように前記一般式(1)のビスアゾ顔料とチタニルフタロシアニンを混合したあとは、混合液を撹枠混合すればよく、この操作の後、濾過、遠心分離、フリーズドライ、乾燥などの公知の分離工程を経て目的とする混晶組成物を液体成分から分離して得ることができる。
【0032】
以下、本発明を図面に沿って説明する。
図1は、本発明に用いられる有機光導電層を表す模式断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生材料と電荷輸送材料を主成分とする単層感光層33が設けられている。図2及び図3は本発明に用いられる有機光導電層の別の構成例を示す模式断面図であり、電荷発生材料を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送材料を主成分とする電荷輸送層37とが、積層された構成をとっている。かかる構成の有機光導電層は、このままの状態で電子写真用有機感光体として用いることができるほか、導電性支持体31に対して対向電極(図示せず)を設けて、光センサー、光電池などに用いることもできる。
【0033】
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状若しくは円筒状のプラスチックや紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0034】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
【0035】
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロンなどの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0036】
次に、感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、説明の都合上、先ず電荷発生層35と電荷輸送層37で構成される場合から述べる。
【0037】
電荷発生層35は、電荷発生材料として上述したTiOPcと前記一般式(1)のアゾ顔料からなる混晶組成物を主成分とする層である。
電荷発生層35は、前記電荷発生材料を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中に分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
【0038】
混晶組成物を分散するための分散媒としての非水溶媒には、公知のものが広く使用できる。具体的には、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が好ましく使用できる。これらの溶媒は、単独でまたは混合して用いられる。これらの溶媒は最初から混合して使用してよいし、またこれらの溶媒を用いてTiOPc及び/又は一般式(1)のアゾ顔料を分散した後に希釈溶媒を混合してもよい。
【0039】
また、適宜使用してもよいバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
【0040】
バインダー樹脂と顔料との比率(重量割合)は、0/3〜3/1が好ましく、より好ましくは0/2〜2/1である。バインダー樹脂は、分散前に添加してもよいし、あるいは、混晶組成物を溶媒のみで分散した後に添加してもよい。また、分散の途中で添加することも可能である。
【0041】
湿式分散時のメディアの材質としては、ジルコニア、ガラス、アルミナ、非酸化物、金属などが挙げられる。
湿式分散によって分散液を得るための分散手段としては、ボールミル、アトライター、サンドミル、振動ミル、円盤振動ミル、ペイントシエーカー、ジェットミルなどの公知の方法が挙げられる。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
【0042】
電荷発生層35には、上記のTiOPcと一般式(1)のアゾ顔料の他に、その他の電荷発生材料を併用することも可能であり、その代表として、アゾ系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられる。
電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0043】
電荷輸送層37は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0044】
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2-b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0045】
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−ガルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラジン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、又は2種以上混合して用いられる。
【0046】
結着樹脂としてはポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0047】
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜100μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
【0048】
本発明において電荷輸送層37中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂に対して0〜30重量%程度が適当である、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は結着樹脂に対して0〜1重量%が適当である。
【0049】
次に感光層が単層構成33の場合について述べる。上述したTiOPcと前記一般式(1)のアゾ顔料を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。単層感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。更に、この感光層には上述した電荷輸送材料を添加した機能分離タイプとしても良く、良好に使用できる。また、必要により、可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0050】
結着樹脂としては、先に電荷輸送層37で挙げた結着樹脂をそのまま用いるほかに、電荷発生層35で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、更に好ましくは50〜150重量部である。単層感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を必要ならば電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコートなどで塗工して形成できる。単層感光層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
【0051】
本発明の電子写真感光体には、導電性支持体31と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0052】
これらの下引き層は前述の感光層の如く適当な溶媒、塗工法を用いて形成することができる。更に、本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、A12O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2,SnO2,TiO2,ITO,CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0053】
本発明の電子写真感光体には、感光層保護の目的で、保護層が感光層の上に設けられることもある。保護層に使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。保護層の形成法としては、通常の塗布法が採用される。なお、保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。また、以上のほかに真空薄膜作成法にて形成したa−C,a−SiCなど公知の材料を保護層として用いることができる。
【0054】
本発明においては、感光層と保護層との間に中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0055】
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法並びに電子写真装置を詳しく説明する。
【0056】
図4は、本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
【0057】
図4において、この電子写真装置は、ドラム状の感光体1の上面に近接し、かつ円周に沿って反時計方向に、除電露光部2、帯電チャージャ3、イレーサ4、画像露光部5、現像ユニット6、転写前チャージャ7、転写チャージャ10、分離チャージャ11、分離爪12、クリーニング前チャージャ13、ファーブラシ14、クリーニングブレード15を順次付設してなる。更に、転写紙9を感光体1と転写チャージャ10及び分離チャージャ11との間に送り込むためのレジストローラ8を付設している。感光体1はドラム状の導電性支持体とその上面に密着した感光層からなり、反時計方向に回転する。
【0058】
上記の電子写真装置を使用した電子写真方法においては、感光体1は、反時計方向に回転して、帯電チャージャ3で負(または正)に帯電され、画像露光部5から露光によって、静電潜像を感光体1上に形成する。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャと分離チャージャを併用したものが効果的である。
【0059】
また、画像露光部5、除電ランプ2等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物を使用することができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。かかる光源等は、図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
【0060】
現像ユニット6において、感光体1上にトナーを付着させて静電潜像を現像し、転写前チャージャ7によって、トナー像の帯電状態を調整した後、転写チャージャ10により転写紙9にトナー像を転写し分離チャージャ11によって感光体1と転写紙9との静電的付着状態を解消し、分離爪12によって転写紙9を感光体1から分離する。転写紙9の分離後、クリーニング前チャージャ13、ファーブラシ14及びクリーニングブレード15により感光体1表面を清掃する。このクリーニングは、クリーニングブレード15だけで、残存するトナーを除去することにより行うこともできる。
【0061】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。
これを負(正)極性のトナーで現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0062】
この例においては導電性支持体はドラム状のものとして示されているが、シート状、エンドレスベルト状のものを使用することができる。クリーニング前チャージャとしては、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラなどをはじめとする公知の帯電手段を用いることができる。また、転写チャージャ及び分離チャージャには、通常上記の帯電手段を使用することができるが、図4に示すように転写チャージャと分離チャージャを一体化した帯電器は効率的で好ましい。クリーニング部材には、ブレード、ファーブラシ、マグファーブラシなどをはじめとする公知のものを使用することができる。
【0063】
図5は、本発明の電子写真プロセスの別の例を説明する概略図を示す。この例において、ベルト状の感光体21は、混晶組成物を含有する感光層を有しており、駆動ローラ22a又は22bにより駆動され、帯電チャージャ23による帯電、像露光源24による画像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ25による転写、クリーニング前露光部26によるクリーニング前露光、クリーニングブラシ27によるクリーニング、除電光源28による除電からなる一連の作像が繰り返し行われる。なお、この場合クリーニング前露光部の露光は、感光体21の導電性支持体側より行われる。勿論この場合、導電性支持体は透光性である。
【0064】
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、図5において支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、画像露光、除電露光の照射を支持体側から行ってもよい。
【0065】
一方、光照射工程は、画像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、画像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行なうこともできる。
【0066】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図6に示すものが挙げられる。図6に示されるプロセスカートリッジは、感光体16の周辺に配置された帯電チャージャ17、クリーニングブラシ18、画像露光部19、現像ローラ20等からなるコンパクトな構造を有する。
【0067】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例により制約を受けるものではない。なお、部はすべて重量部である。
【0068】
まず、実施例に用いるチタニルフタロシアニン顔料の具体的な合成例を述べる。
合成例1
フタロジニトリル52.5部と1−クロロナフタレン400部を撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン19部を滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇温し、反応温度を190℃〜210℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷し130℃になったところで熱時ろ過し、ついで1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後、乾燥し42.2部の粗チタニルフタロシアニン顔料を得た。得られた熱水洗浄処理した粗チタニルフタロシアニン顔料のうち6部を96%硫酸100gに3〜5℃下撹拌、溶解し、ろ過した。得られた硫酸溶液を氷水3.5リットル中撹拌にしながら滴下し、析出した結晶をろ過、次いで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキを得た(固形分濃度10重量%)。
なお、このウェットケーキを真空乾燥し、後述のX線回折スペクトルを測定した結果、無定形(アモルファス)であることが判った。
【0069】
実施例1
下記構造式(A)で示される一般式(1)のアゾ顔料3部を、200部の2−ブタノンに投入し、超音波分散器にかけ、5時間分散した後、撹拌器でよく撹拌した。この中に、合成例1で製造したチタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(固形分濃度10重量%)50部を投入し、8時間よく撹拌した。次いで、メタノール800部を投入し、2時間撹拌した、この液状物を1μmのフロロポアフィルタを用いて濾過し、分離された固形物を70℃で20時間乾燥したところ、7.9部の乾燥固体を得た。
【0070】
【化17】
【0071】
内容積0.3リットルのボールミルポットにジルコニア・ボールを充填し、上で得たチタニルフタロシアニン−アゾ顔料と次に示す各素材を投入後、常温で48時間転動分散し、分散液を得た。
TiOPc/アゾ顔料粉末 2部
ポリビニルブチラール 1部
テトラヒドロフラン 100部
【0072】
実施例2
内容積0.3リットルのボールミルポットにジルコニア・ボールを充填し、実施例1で使用したテトラヒドロフランの代わりにシクロヘキサノンを用いた以外は、実施例1と同様にして分散液を得た。
【0073】
比較例1
200部の2−ブタノンに合成例1で製造したチタニルフタロシアニン顔のウェットケーキ(固形分濃度10重量%)50部を投入し、8時間よく撹拌した。次いで、メタノール800部を投入し、2時間撹拌した。この液状物を1μmのフロロポアフィルタを用いて濾過し、分離された固形物を70℃で20時間乾燥したところ、4.9部の乾燥固体を得た。
【0074】
内容積0.3リットルのボールミルポットにジルコニア・ボールを充填し、上で得たチタニルフタロシアニン顔料粉末と次に示す各素材を投入後、常温で48時間転動分散し、分散液を得た。
TiOPc顔料粉末 2部
ポリビニルブチラール 1部
テトラヒドロフラン 100部
【0075】
比較例2
内容積0.3リットルのボールミルポットにジルコニア・ボールを充填し、比較例1で使用したテトラヒドロフランの代わりにシクロヘキサノンを用いた以外は、比較例1と同様にして分散液を得た。
【0076】
比較例3
内容積0.3リットルのボールミルポットにジルコニア・ボールを充填し、次に示す各素材を投入後、常温で48時間転動分散し、分散液を得た。
実施例1で用いた一般式(1)のアゾ顔料 2部
ポリビニルブチラール 1部
テトラヒドロフラン 100部
【0077】
実施例3
下記構造式(B)で示される一般式(1)のアゾ顔料4部を、200部の2−ブタノンに投入し、超音波分散器にかけ、5時間分散した後、撹拌器でよく撹拌した。この中に、合成例1で製造したチタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(固形分濃度10重量%)40部を投入し、8時間よく撹拌した。次いで、メタノール800部を投入し、2時間撹拌した、この液状物を1μmのフロロポアフィルタを用いて濾過し、分離された固形物を70℃で20時間乾燥したところ、7.9部の乾燥固体を得た。
【0078】
【化18】
【0079】
内容積0.3リットルのボールミルポットにジルコニア・ポールを充填し、上で得たチタニルフタロシアニンーアゾ顔料と次に示す各素材を投入後、常温で48時間転動分散し、分散液を得た。
TiOPc/アゾ顔料粉末 2部
ポリビニルブチラール 1部
テトラヒドロフラン 100部
【0080】
実施例4
内容積0.3リットルのボールミルポットにジルコニア・ボールを充填し、実施例3で使用したテトラヒドロフランの代わりにシクロヘキサノンを用いた以外は、実施例3と同様にして分散液を得た。
【0081】
以上のように作製した実施例1〜4及び比較例1〜3の各分散液の一部を常温・大気下で乾燥して顔料粉末を得た。得られた顔料粉末について、X線粉末回折スペクトルを以下に示す条件で測定した。実施例1、実施例2及び比較例1〜3の各分散液の顔料X線回折スペクトルを夫々図7〜図11に示す。
X線管球 Cu
電圧 40kV
電流 20mA
走査速度 1°/分
走査範囲 3°〜40°
時定数 2秒
【0082】
実施例1と比較例1、及び実施例2と比較例2を各々比べると、異なる回折角にピークが観測され結晶型が異なるものであることが分かる。更に、実施例1並びに実施例2を比較例3と比べると、実施例1、2では比較例3で観測された17.8°±0.2°、21.3°±0.2°、26.5°±0.2°のピークが消失していることが分かる。一方、実施例1、2には比較例1、2で観測されない5.8°±0.2°及び27.2°±0.2°にピークを有している。以上の結果から、実施例1及び2のチタニルフタロシアニン−アゾ顔料は、混晶組成を形成していることが明らかである。
また、実施例3の測定結果は実施例1と、実施例4の測定結果は実施例2と、同じ回折ピーク角を示すことから、実施例3及び4のチタニルフタロシアニン−アゾ顔料も、同様に混晶組成を形成していることが分かる。
【0083】
次に、アルミニウムシリンダ−上に下記組成の下引き層塗工液、上記の実施例1〜4及び比較例1〜3の顔料分散液、並びに下記組成の電荷輸送塗工液を、順次塗布・乾燥し、乾燥膜厚が各々2.5μmの下引き層、0.3μmの電荷発生層、22μmの電荷輸送層を設け、積層感光体を作製した。これらを、上記の実施例1〜4及び比較例1〜3の感光体と称することにする。
【0084】
〈下引き層塗工液〉
二酸化チタン粉末 15部
ポリビニルブチラール 2部
エポキシ樹脂 2部
2−ブタノン 130部
〈電荷輸送層塗工液〉
ポリカーボネート 10部
下記構造式の電荷輸送物質 6部
【化19】
塩化メチレン 75部
【0085】
以上の各感光体を、特開昭60−100167号公報に開示されている評価装置で、次のような測定を行なった。コロナ放電電圧−5.7[kV]で帯電20秒後の電位Vm[V]、暗減衰20秒後の電位Vo[V]、500nm及び780nmの単色光を強度0.5μw/cm2で照射し、電位Voを1/5に減衰させるのに必要な露光量E1/5[lx・s]を測定した。電位保持率を次のように定義する。
電位保持率=Vo/Vm
また、上記の各電子写真感光体を図4に示す電子写真プロセスに装着し(ただし、画像露光光源を780nmに発光を持つLDとした)、連続して五千枚の印刷を行い、その時の印刷画像を評価した。
【0086】
以上の結果を表1に示す。表1の結果から明らかなように、本発明の電子写真感光体は多数の印刷でも良質の画像品質を維持するものである。
【0087】
【表1】
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、チタニルフタロシアニンと特定の化学構造を有するアゾ顔料からなる新規な有機顔料混晶物及びその製造方法が提供される。また、本発明によれば、該有機顔料混晶物を用いることにより、可視域から近赤外域にわたって高感度を示し、とりわけ近赤外域における感度が混晶物を形成しない場合よりも高い感度を示す光導電体とりわけ電子写真感光体を形成できる。更に本発明によれば、チタニルフタロシアニンと特定の化学構造を有するアゾ顔料からなる光導電層を有する電子写真感光体を含む電子写真方法並びに電子写真装置が提供されるため、異常画像の発生しない高品質の印字システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる電子写真感光体の模式断面図である。
【図2】本発明で用いられる別の電子写真感光体の模式断面図である。
【図3】本発明で用いられる更に別の電子写真感光体の模式断面図である。
【図4】本発明の電子写真装置を説明するための概略図である。
【図5】本発明の電子写真装置を説明するための概略図である。
【図6】本発明の代表的な電子写真装置を説明するための概略図である。
【図7】実施例1で得られた分散液の顔料X線回折スペクトル図である。
【図8】実施例2で得られた分散液の顔料X線回折スペクトル図である。
【図9】比較例1で得られた分散液の顔料X線回折スペクトル図である。
【図10】比較例2で得られた分散液の顔料X線回折スペクトル図である。
【図11】比較例3で得られた分散液の顔料X線回折スペクトル図である。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表されるビスアゾ顔料の少なくとも一種を含有するアゾ顔料分散/懸濁液と、水との混合物である無定形のチタニルフタロシアニンを混合した後、該混合物を有機溶媒中で攪拌することにより製造され、CuKαのX線回折スペクトルがブラッグ角2θにおいて少なくとも5.8°±0.2°、7.5°±0.2°及び27.2°±0.2°にピークを有し、かつ14.2°±0.2°、17.8°±0.2°、21.3°±0.2°、26.5°±0.2°にピークを有しないことを特徴とする混晶組成物。
- 導電性支持体上に、少なくとも請求項1に記載の混晶組成物を含有する感光層を設けたことを特徴とする電子写真感光体。
- 電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写、クリーニング、除電を繰り返し行う電子写真方法において、該電子写真感光体が請求項2に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真方法。
- 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段及び電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、該電子写真感光体が請求項2に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
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