JP4317016B2 - Cmp用研磨パッド、それを用いた基板の研磨方法及びcmp用研磨パッドの製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子製造技術に使用される化学機械研磨(CMP)方法、及びハードディスク製造技術における研磨方法などにおいて使用されるCMP用研磨パッド、この研磨パッドを使用した基板の研磨方法及び研磨パッドの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の超々大規模集積回路では、実装密度を高める傾向にあり、種々の微細加工技術が研究、開発されている。既に、デザインルールは、サブハーフミクロンのオーダーになっている。このような厳しい微細化の要求を満足するために開発されている技術の一つにCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)技術がある。この技術は、半導体装置の製造工程において、露光を施す層を完全に平坦化し、露光技術の負担を軽減し、歩留まりを安定させることができるため、例えば、層間絶縁膜、BPSG膜の平坦化、シャロー・トレンチ分離等を行う際に必須となる技術である。
【0003】
従来、半導体装置の製造工程において、プラズマ−CVD(Chemical Vapor Deposition、化学的蒸着法)、低圧−CVD等の方法で形成される酸化珪素絶縁膜等の無機絶縁膜層を平坦化するための研磨方法としては、研磨する膜を形成した基板を研磨パッドに押しあて加圧し、研磨剤を研磨膜と研磨パッドとの間に供給しながら、基板もしくは研磨パッドを動かして行っている。
【0004】
この際、研磨パッドとしては発泡ポリウレタン系が一般的に用いられているが、無機絶縁膜の研磨において十分な研磨速度をもたず、また、同時に研磨中における研磨粒子などによる酸化膜表面の研磨傷の発生も大きな問題である。通常用いられる発泡もしくは非発泡樹脂によるパッドの場合、研磨傷を低減するためには、パッド表面の硬度を低くくすることが、効果的であるが、硬度の低い材料の場合、半導体デバイス作製のための凹凸の平坦化を効率よく行うには問題があった。そのため、パッドの材料は研磨傷の低減と平坦性の向上のために両者が妥協される硬度の材質が採用されているが、研磨傷を解消するには十分でなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体素子製造工程における層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜などを平坦化するCMP技術において、酸化珪素膜等の被研磨物の凹凸の平坦化を効率的かつ、高速に行い、同時に基板上の研磨傷の発生を低減できる研磨パッド及び基板の研磨方法を提供するものである。また、本発明は、前記研磨パッドの製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弾性体表面に極薄の繊維層を有するCMP研磨剤用パッドが、層間絶縁膜、BPSG膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜を平坦化するCMP技術において、酸化珪素膜の研磨を高速に行い、かつ研磨傷の発生を低減することを見出したことによりなされたものである。
【0007】
即ち、本発明は、基板又は基板上に形成された薄膜を研磨するための研磨パッドにおいて、表面に有機繊維が露出した状態であることを特徴とする研磨パッドに関する。
【0008】
また、本発明は、上記の研磨パッドに弾性率の異なる層を積層し、多層構造としたことを特徴とする研磨パッドに関する。
【0009】
また、本発明は、本発明の研磨パッドの製造に好適に用いられる研磨パッド材であって、繊維が樹脂により固定された板状体からなり、少なくとも一方の表面層が、有機繊維が樹脂により固定され実質的に多孔質でない層からなっていることを特徴とする研磨パッド材に関する。
【0010】
また、本発明は、上記研磨パッドを構成するために有利な研磨パッドの製造法に関する。
【0011】
すなわち、本発明は、繊維が樹脂により固定された板状体からなり、少なくとも一方の表面層が、有機繊維が樹脂により固定され実質的に多孔質でない層からなっている研磨パッド材を用い、この表面層の表面を機械的に研磨することにより、この表面層の表面に有機繊維を露出した状態で存在させることを特徴とする研磨パッドの製造法(第一の製造法)に関する。
【0012】
また、本発明は、樹脂含浸シート状繊維基材と樹脂未含浸シート状繊維基材を用い、少なくとも一方の表面には樹脂未含浸シート状繊維基材が配置されるように前記基材を積層し、前記表面の樹脂未含浸シート状繊維基材を有機繊維で構成されるものとして、これらを加熱加圧成形により一体化する。これにより、研磨パッドの少なくとも一方の表面に、有機繊維を露出した状態で存在させることを特徴とする研磨パッドの製造法(第二の製造法)に関する。
【0013】
また、本発明は、樹脂含浸シート状繊維基材と樹脂未含浸シート状繊維基材を用い、少なくとも一方の表面には樹脂未含浸シート状繊維基材が配置されるように前記基材を積層し、前記表面の樹脂未含浸シート状繊維基材を有機繊維で構成されるものとして、これらを加熱加圧成形により一体化して、表面に有機繊維の露出していない研磨パッド材を成形し、研磨パッド材の樹脂未含浸シート状基材を配置した側の表面を機械的に研磨して有機繊維を露出させることを特徴とする研磨パッドの製造法(第三の製造法)に関する。
【0014】
また、本発明は、所定の基板を本発明の研磨パッドの有機繊維が露出した表面に押し当て、研磨剤を基板と研磨パッドとの間に供給しながら、基板と研磨パッドとを相対的に摺動させて研磨する基板の研磨方法に関する。
【0015】
本発明の表面に有機繊維の繊維露出層を形成した研磨パッドを用いて半導体基板を研磨すれば、高い研磨速度での平坦化の進行と、研磨傷の低減を図ることが可能となる。これは以下のように推定される。研磨速度の高さについては研磨粒子がパッドの表面の繊維間及び、繊維表面に効率的よく保持され、被研磨面との接触頻度が高まるためと考えられる。また、被研磨物の傷発生の低減に関しては、傷の発生の要因と考えられる異物や研磨粒子の中で極大なものが被研磨物表面と有機繊維露出層の間にはさまれたとき、繊維の束の間に、これら異物や粒子が沈み込み、被研磨物との高い応力での接触を免れるためと推測される。
【0016】
本発明の第二の製造法により製造した研磨パッドは、樹脂未含浸のシート状繊維基材(有機繊維で構成される)を表面に配置して成形したので、表面には、成形時に下層からしみ出してきた樹脂が一部保持されているものの、表面の樹脂含有量は少なくなっており、表面に有機繊維の良好な露出層が設けられることになる。前記表面にしみ出してきた樹脂は、有機繊維の基部を確実に固定し、有機繊維の露出層を長期にわたって維持する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において、研磨パッドの表面に有機繊維が露出した状態とは、弾性体等からなる下地層の少なくとも一方の表面から、有機繊維が突出して露出している状態を意味する。
【0018】
本発明の一態様である弾性体表面に極薄の繊維露出層を形成したパッドについて、図1を用いて説明する。図1はこの本発明の研磨パッドの断面を示した模式図である。樹脂もしくはFRP(繊維強化プラスチック)からなる弾性体層1の上に有機繊維が露出し、極薄の繊維露出層2を形成している。
【0019】
本発明の研磨パッドの構造は、少なくとも使用時に被研磨物に当接する表面に有機繊維が露出しているものであれば、特に制限はない。例えば、有機繊維を含有する樹脂からなる構造が好ましい。表面に露出する有機繊維の長さは1cm以下のものが使用できるが、3mm以下であることがのぞましい。例えば、有機繊維の表面に露出した部分の繊維長は、10μm〜1cmであることが好ましく、10μm〜3mmであることがより好ましく、50〜500μmであることが更に好ましい。また表面に露出した有機繊維の繊維径は1mm以下であることが好ましく、例えば好ましくは1μm〜1mm、より好ましくは10〜50μmである。研磨パッド全体の厚みは0.1〜5mmであることが好ましく、0.5〜2mmであることがより好ましい。
【0020】
研磨パッドの表面の有機繊維の露出の程度は、上記の長さの露出する有機繊維が、パッド表面に、平均1本/mm2以上存在することが好ましいが、多いほどより好ましい。また、上記の好ましい露出長さを超える露出長さの繊維が研磨パッド表面上に少数、例えば平均1本/cm2以下程度混ざっていても問題ない。表面に露出する有機繊維の直径は、後述する材料の有機繊維の直径によって定まるが、有機繊維をよりあわせた束がほつれて、より細い状態で存在していてもよい。
【0021】
有機繊維は、アラミド、ポリエステル、ポリイミド等の材質の有機繊維である。研磨パッドが有機繊維を含有する樹脂からなる構造である場合、下地層中では、有機繊維の単繊維を所定長に切断したチョップやチョップを叩解したパルプが個々に独立した状態のまま樹脂中に存在してもよいし、織布や不織布の形態で樹脂中に存在してもよい。但し、研磨パッドの少なくとも一方の表面では、有機繊維が下地層から突出して露出している必要がある。不織布形態の有機繊維は、樹脂によりしっかりと固定され、表面に露出した部分は研磨パッド表面で良好な毛羽立ち状態を呈する。研磨パッド表面に織り目が現れないのも好ましい。
【0022】
有機繊維として、アラミド繊維の選択(単独で用いるか又は主たる繊維として用いる)は好ましいものである。その理由は、アラミド繊維は一般的な有機繊維に比べて剪断強度が高く、研磨パッド材表面を機械的に研磨したときに良好な繊維露出状態を得やすいからである。また、引張り強度が高く、研磨パッドの耐久性を向上させ使用寿命を延ばすこともできる。さらに、アラミド繊維にはパラ系とメタ系があり、パラ系アラミド繊維はメタ系アラミド繊維より繊維自体の力学的物性値(引張り強度など)が高いので、パラ系アラミド繊維の選択は研磨パッドの摩耗消耗を抑制して寿命を延ばす上で好適である。パラ系アラミド繊維は、メタ系アラミド繊維より吸湿性も小さいので、水分のある研磨環境に好適である。パラ系アラミド繊維としてはポリp−フェニレンテレフタラミド繊維とポリp−フェニレンジフェニルエーテルテレフタラミド繊維が市販されており、これらを使用することができる。
【0023】
また、繊維露出層(表面に露出した有機繊維の層)の下地層は、弾性率の高い樹脂基板等の弾性体層であることがのぞましく、弾性率の低い樹脂のみで形成されたパッドや、弾性率の低い樹脂基板の表面に有機繊維を癒着させて形成したパッドと比較して、凹凸の平坦化の効率を高めることができる。さらに、下地層である弾性体層を、表面に露出した有機繊維と同じ有機繊維を含有する樹脂、即ちFRPで作製した場合、研磨による磨耗や研磨装置に付属するダイヤモンド砥石等を用いてパッド表面をあらすドレッシング処理により消失した露出繊維は、下層の樹脂中の繊維があらたに露出することにより再生され、表面の繊維露出層は維持される。これにより、研磨傷と平坦性を両立し、なおかつ、生産性上、十分な耐久性、安定性を有したCMP研磨パッドを提供することができる。弾性率の低い樹脂としては、ポリウレタン、ポリエチレン等が挙げられ、弾性率の高い樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン等が挙げられる。
【0024】
また、弾性率の異なる樹脂又はFRP層を積層して、下地層を多層構造としてもよい。例えば、弾性率の高い層の表面に有機繊維の繊維露出層を形成し、その層の下の層を弾性率の低い層とすることにより、被研磨物の基板の面内での研磨速度の分布を安定させる効果が得られる。。
【0025】
本発明に用いられる研磨パッドの材質として、表面に露出する有機繊維には上記したようにアラミド、ポリエステル、ポリイミドなどの有機繊維、樹脂としてはエポキシ樹脂をはじめとして板状に成形できるものを用いることができる。本発明の研磨パッドの作製方法として、繊維と熱硬化性樹脂をあらかじめ組み合わせたプリプレグとし、必要に応じた枚数のプリプレグを加熱加圧成形(熱プレス硬化)により板状に成形し、成形と同時に表面に有機繊維を露出させるか、又は、成形後、ドレッシング処理等の機械的研磨により露出させることがのぞましい。材料として用いる有機繊維の繊維径(直径)は1mm以下のものが使用できるが、50μm以下であることがのぞましい。有機繊維の繊維径は好ましくは1μm〜1mm、より好ましくは10〜50μmである。有機繊維を研磨パッド表面に露出させるために用いられる表面のプリプレグ以外のプリプレグに用いられる繊維としては、ガラス繊維等の無機繊維を使用してもよい。この場合、無機繊維は、単繊維を所定長に切断したチョップやチョップを叩解したパルプであってもよく、織布や不織布の形態であってもよい。熱硬化性樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が好ましく、中でもエポキシ樹脂が好ましい。
【0026】
上記のようにして加熱加圧成形によって得られた有機繊維を含有した樹脂からなる研磨パッド材を用い、この研磨パッド材の表面を機械的に研磨して有機繊維を表面に露出させて繊維露出層を形成することにより、本発明の研磨パッドを製造することができる。
【0027】
例えば、本発明の第一の製法に用いられる研磨パッド材は、繊維が樹脂により固定された板状体からなり、少なくとも一方の表面層が有機繊維が樹脂により固定され実質的に多孔質でない層からなっている。この研磨パッド材は、表面層のみだけでなく、研磨パッド材全体が有機繊維が樹脂により固定され、実質的に多孔質でないものであってもよい。表面層(又は研磨パッド材全体中)の有機繊維が材質、形状、繊維径、繊維長の少なくとも一つが異なる2種類以上の有機繊維の組合せからなる研磨用パッドは、その繊維の組合せ方を選択することによって特有の効果を奏する。同じ繊維材質で、相対的に太い繊維(径:1.5デニール前後、例えば径:8〜16μm)と相対的に細い繊維(径:0.1デニール前後、例えば径:0.5〜1.5μm)の組合せは、両繊維の相互作用により、研磨速度と研磨の平坦度の両特性確保に有効である。前者の繊維は研磨速度の向上に寄与し、後者の繊維は平坦度の確保に寄与する。例えば、パラ系アラミド繊維のチョップとパルプの組合せである。相対的に長い繊維(長さ:5mm前後、例えば3〜8mm)と相対的に短い繊維(長さ:1mm前後、例えば0.5〜2mm)の組合せもよい。前記のような異なる有機繊維の組合せは、当該種類の異なる有機繊維を混抄して得られる不織布形態の採用により実現可能である。また、研磨パッド材の厚さ方向で繊維の種類を変えた場合、その繊維の組合せ方を選択することによって特有の効果を奏する。例えば、表面層には弾性率の高い繊維(例えばアラミド繊維)を使用し、前記表面層の裏打ち層に弾性率の低い繊維(例えばポリエステル繊維)を使用した研磨パッド材を用い、機械的研磨により表面層から弾性率の高い繊維を露出させた場合、研磨時の応力が高くなる場合に使用すると、弾性率の高い表面層は変形しにくく、弾性率の低い裏打ち層で応力を吸収して、研磨面内各箇所の研磨速度を一様にすることができる。有機繊維を固定するための樹脂としては、種々の樹脂を選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂であるアクリル樹脂やABS樹脂等、熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂やエポキシ樹脂やポリイミドなどが挙げられる。熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂に比べ弾性率が高いため、研磨やドレッシングによる摩耗が少なく、耐久性に優れるため、好ましい。特に接着性の高いエポキシ樹脂が好ましい。なお、表面層中の有機繊維の含有率は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%〜90重量%である。このようにすることにより、表面層を研磨して繊維露出層を形成した時に、研磨パッドの表面に露出する有機繊維量が多くなり、研磨傷の発生を低減する効果が高くなる。
【0028】
本発明の第一の製造法に用いられる研磨パッド材の表面層に使用する有機繊維は、上述したように、不織布の形態が好ましい。有機繊維不織布をはじめとするシート形態の有機繊維基材を使用した研磨パッド材は、当該有機繊維基材に樹脂を含浸し加熱乾燥して得たプリプレグの層を加熱加圧成形して製造する。電気絶縁用積層板の成形と同様に実施することができ、例えば、有機繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸し乾燥して得たプリプレグの層を離型フィルムで被覆して金属製鏡面板に挟みこみ、プレス熱盤間で加熱加圧成形する。プリプレグの層は、プリプレグ1枚であってもよいし複数枚であってもよい。シリコンウエハなど被研磨物の種類や研磨条件により、プリプレグの使用枚数を変えたり、他の繊維基材のプリプレグを適宜選択して組合せる。組合せの例は、表面層をアラミド繊維基材プリプレグで構成し、裏打ち層をポリエステル繊維基材プリプレグで構成する研磨用パッドが挙げられる。
【0029】
上記の研磨パッド材の表面層を機械的に研磨して繊維露出層を形成する方法としては、事前にセラミックロール、サンドブラストなどを用いて研磨パッド材表面を研磨して毛羽立ててもよいが、基板の研磨装置に装着後、前述のドレッシング処理、すなわち、ダイヤモンド砥石を用いて、前記の板材からなるパッド表面の樹脂を削り取り、繊維を露出する方法がある。ダイヤモンド砥石の代わりにワイヤーブラシ、メタルスクレーバー、樹脂製ブラシ、ガラスあるいはアルミナセラッミクスプレート等を用いても良い。
【0030】
ドレッシング処理の条件は、例えばダイヤモンド砥石を用いる場合は、ダイヤモンド砥石に付着するダイヤモンドの粒子はJIS−B−4130で定める粒子径の♯60番手以上、♯400番手以下が好ましく、より好ましくは♯100番手以上、♯320番手以下である。ドレッシング処理の際の圧力は、用いる研磨機及び研磨パッド材料によって定める必要があるが、通常、1〜20kPaである。ドレッシング処理の際の回転数は、用いる研磨機に依存することになるが、例えばAMAT社のMirra機(定盤径:50cm)の場合、10〜100rpm程度で用いると、効率がよい。
【0031】
ドレッシング処理による表面に有機繊維が露出した状態の形成は、基板の研磨操作の前に予め行なっていてもよいし、基板の研磨毎に行なってもよい。また、ドレッシング処理なしで研磨パッド材を基板の研磨に用い、基板の研磨と同時に進行する研磨パッド表面の磨耗により、繊維露出層を形成してもよい。
【0032】
本発明の研磨パッドは、有機繊維及び樹脂を含有する成形材料を加熱加圧する際に、加熱加圧後に研磨パッド表面に有機繊維が露出するように成形材料を構成して製造することもできる。この方法によれば、ドレッシング処理等の機械的研磨なしに、研磨パッド表面に有機繊維を露出させることができる。例えば、樹脂又はプリプレグ等のFRP材料等の成形材料のプレスなどによる板状体への成形時に、成形材料の表面に不織布形態等の有機繊維を押しつけて成形する方法で、有機繊維を転写しても良い。本発明の第二の製造法も、この製造法の好ましい一態様である。
【0033】
本発明の第二の製造法では、樹脂含浸シート状繊維基材と樹脂未含浸シート状繊維基材を用い、少なくとも一方の表面には樹脂未含浸シート状繊維基材が配置されるように前記基材を積層し、これらを加熱加圧成形により一体化する。このとき、前記表面の樹脂未含浸シート状繊維基材を有機繊維で構成されるものとする。これにより、表面に有機繊維を露出した状態で存在させる。
【0034】
この製造法に用いられる樹脂含浸シート状繊維基材と樹脂未含浸シート状基材の各々の枚数は特に制限はなく、目的とする研磨パッドの厚みに応じて適宜選択される。また、有機繊維で構成される樹脂未含浸シートが一方の表面に位置するように積層する限り、これらシート状繊維基材の積層順序にも特に制限はない。例えば、樹脂含浸シート状繊維基材を複数積層した上に樹脂未含浸シート状繊維基材を少なくとも1枚、好ましくは1〜3枚を積層してもよいし、複数枚の樹脂含浸シート状繊維基材と複数枚の樹脂未含浸シート状繊維基材とを交互に積層してもよい。
【0035】
表面の有機繊維で構成された樹脂未含浸シート状繊維基材の下層には、樹脂の含浸、未含浸にかかわらず、シート状ガラス繊維基材等、有機繊維以外の繊維のシート状繊維基材を用いてもよいが、さらに好ましくは、下層に用いる樹脂含浸又は未含浸シート状繊維基材も、有機繊維で構成されるものとする。この場合、研磨による磨耗や表面をあらすドレッシングにより消失した有機繊維の露出は、下層の樹脂中の有機繊維があらたに露出することにより再生され、表面の有機繊維の露出層は維持される。
【0036】
樹脂未含浸シート状繊維基材は、繊維自身の融着力によって繊維同士が接合して形成されたものであってもよく、また、接着剤を用いて繊維同士が接合して形成されたものであってもよい。接着剤としては、水溶性エポキシ樹脂バインダー等のエポキシ樹脂などからなる接着剤を使用することができる。接着剤を用いる場合、その量に特に制限はないが、繊維100重量部に対して3〜20重量部とすることが好ましく、5〜15重量部とすることがより好ましい。また、樹脂未含浸シート状繊維基材の単位重量は、36〜100g/m2であることが好ましく、55〜72g/m2であることがより好ましい。
【0037】
樹脂含浸シート状繊維基材は、樹脂未含浸シート状繊維基材に樹脂を含浸させたものである。樹脂含浸シート状繊維基材中の繊維基材の量は、樹脂及び接着剤の合計100重量部に対して60〜140重量部であることが好ましく、90〜120重量部であることがより好ましい。
【0038】
また、樹脂未含浸シート状繊維基材の全体に占める使用割合は、研磨パッドにおける繊維の含有率、殊に、被研磨物に押し当てることになる表面層の有機繊維含有率を考慮しながら決定する。この方法によれば、研磨パッドの繊維含有率を変えるために、プリプレグ製造時の樹脂含浸量を変更する必要はなく、樹脂未含浸のシート状繊維基材の使用割合を変えることより、研磨パッドの繊維含有率変更に対応が可能となる。
【0039】
加熱加圧成形において、加熱温度は通常150〜200℃であり、160〜180℃が好ましく、圧力は通常50〜500kPaであり、200〜400kPaが好ましい。
【0040】
なお、第二の製造法によれば、機械的研磨をおこなわなくても、表面に有機繊維が露出した状態が形成されるが、必要に応じてドレッシング処理等の研磨を行なって有機繊維の露出状態を調整してもよい。
【0041】
また、第二の製造法の工程を繊維含有量の調整のみに用いるように変更して、表面に繊維の露出しない研磨パッド材を製造し、この表面に前述の機械的な研磨を行ない、有機繊維の露出状態を形成してもよい。この方法が第三の製造法であり、まず、樹脂含浸シート状繊維基材と樹脂未含浸シート状繊維基材を用い、少なくとも一方の表面には樹脂未含浸シート状繊維基材が配置されるように前記基材を積層し、前記表面の樹脂未含浸シート状繊維基材を有機繊維で構成されるものとして、これらを加熱加圧成形により一体化して、表面に有機繊維の露出していない研磨パッド材を成形する。次いで、得られた研磨パッド材の樹脂未含浸シート状基材を配置した側の表面を機械的に研磨して有機繊維を露出させ、本発明の研磨パッドを得る。
【0042】
本発明の基板の研磨方法では、基板の被研磨面に本発明の研磨パッドの有機繊維が露出した表面に押し当て、研磨剤(CMP研磨剤)を基板と研磨パッドとの間に供給しながら、基板と研磨パッドとを相対的に摺動させて研磨する。
【0043】
本発明に使用するCMP研磨剤は、特に定めないが、例えば、酸化セリウム粒子と分散剤と水からなる組成物を分散させ、さらに添加剤を添加することによって得られる酸化セリウム粒子含有量が0.5重量%以上20重量%以下の範囲のものが望ましい。酸化セリウム粒子は、その製造方法を限定するものではないが、CMP研磨剤中の酸化セリウム粒子の平均粒径は、0.01μm〜1.0μmであることが好ましい。酸化セリウム粒子の平均粒径が0.01μm未満であると研磨速度が低くなりすぎ、1.0μmを超えると研磨する膜に傷がつきやすくなるからである。
【0044】
基板として、半導体基板すなわち回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板上に酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層が形成された基板が使用できる。このような半導体基板上に形成された酸化珪素膜層あるいは窒化珪素膜層を上記CMP研磨剤で研磨することによって、酸化珪素膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。また、シャロー・トレンチ分離にも使用できる。
【0045】
研磨する装置に制限はなく、円盤型研磨装置、リニア型研磨装置、ウェヴ型研磨装置で用いることができる。一例としては半導体基板を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一般的な円盤型研磨装置がある。研磨条件に特に制限はないが、研磨対象に合わせ最適化を図ることが好ましい。研磨している間、研磨パッドにはスラリーをポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常にスラリーで覆われていることが好ましい。
【0046】
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
【0047】
本発明の研磨パッドは、半導体基板に形成された酸化珪素膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス或いはアルミ基板、磁気ヘッド等を研磨することができる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0049】
実施例
実施例1〜2並びに比較例1〜3
(パッドの作製)
材料の有機繊維として、以下のものを準備した。
[アラミド繊維基材1]
パラ系アラミド繊維チョップ(繊維径:12.5μm、繊維長:5mm、帝人製「テクノーラ」)とメタ系アラミド繊維チョップ(繊維径25μm、繊維長:6mm、軟化温度280℃、未延伸、帝人(株)製「コーネックス」)を混抄し、水溶性エポキシ樹脂バインダ(ガラス転移温度110℃、大日本インキ化学(株)製、商品名:Vコート)の20重量%水溶液をスプレーして加熱乾燥(150℃、3分)により単位重量70g/m2の不織布とした。パラ系アラミド繊維/メタ系アラミド繊維/樹脂バインダの配合重量比は、85/5/10である。さらに、この不織布を一対の熱ロール間(温度300℃、線圧力196kN/m)に通すことにより加熱圧縮し、メタ系アラミド繊維をパラ系アラミド繊維に熱融着した不織布であるアラミド繊維基材1を得た。前記パラ系アラミド繊維は、具体的には、ポリp−フェニレン3,4−ジフェニルエーテルテレフタラミド繊維である。
【0050】
材料の樹脂として以下のものを準備した。
[樹脂1]
先ず、硬化剤としてジシアンジアミドを、また、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールを配合したビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル(株)製、商品名:EP−828SK)ワニス(A)を準備した。ワニス(A)の調製には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対し、硬化剤を20重量部、硬化促進剤を0.1重量部、溶剤としてメチルエチルケトンを40重量部用いた。
繊維と樹脂材料を組み合わせて積層用のプリプレグシートを作製した。
【0051】
[プリプレグ1]
ワニス(A)をアラミド繊維基材1に含浸し、加熱乾燥(170℃、5分)してプリプレグとした。加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整した。繊維の含有率は50重量%である。
【0052】
実施例1
プリプレグ1を15枚重ねたプリプレグの層の両表面に離型フィルム(50μm厚のポリプロピレンフィルム)を配置しこれを鏡面板に挟み込み、クラフト紙層からなる厚さ10mmのクッション材を介してプレス熱盤間で加熱加圧成形(温度175℃、圧力400kPa、時間120分)し、厚さ1.5mmの積層板を得た。この積層板を研磨機の定盤に貼り付け、#70番手のダイヤモンド砥石を用いて、圧力8820Pa(90g/cm2)、回転38rpmで10分間ドレッシング処理を行い、表面にアラミド繊維の露出した極薄層を形成し、研磨パッドを得た。表面に露出したアラミド繊維の繊維長は1mmであり、繊維径は12.5μmであった。
【0053】
実施例2
実施例1と同じく作製した積層板を研磨機の定盤に貼り付け、#150番手のダイヤモンド砥石を用いて、圧力8820Pa(90g/cm2)、回転38rpmで10分間ドレッシング処理を行い、表面にアラミド繊維の露出した極薄層を形成し、研磨パッドを得た。このとき、露出した繊維の繊維長は500μmであり、実施例1より短く、繊維径は12.5μmであった。
【0054】
比較例1
プリプレグ1を15枚重ねたプリプレグの両側に表面粗化(35μm)した銅箔を重ね、これを離型フィルム(50μm厚のポリプロピレンフィルム)を介して鏡面板に挟み込み、クラフト紙層からなる厚さ10mmのクッション材を介してプレス熱盤間で実施例1と同じ条件で加熱加圧成形し、厚さ1.5mmの積層板を得た。この積層板を過硫酸アンモニウム水溶液にて銅箔をエッチング除去し、表面に中心線平均あらさRa0.9μmの凹凸を与えたパッドを作製した。この基板は研磨機の定盤に貼り付け後、ダイヤモンド砥石によるドレッシングなどを行なわず、表面に繊維の露出を作らない。パッド表面に中心線平均あらさRa0.9μmを与えたのはCMP研磨中に研磨粒子を維持させるためである。
【0055】
比較例2
発泡ポリウレタン系樹脂からなる既存の研磨パッド(ロデール社製、IC−1000)を用い、研磨機の定盤に貼り付け、#70番手のダイヤモンド砥石を用いて、圧力8820Pa(90g/cm2)、回転38rpmで10分間ドレッシング処理を行なった。
【0056】
比較例3
ポリエステル繊維の束からなる不織布に低弾性の発泡ポリウレタン樹脂を含浸したパッドを、研磨機の定盤に貼り付け後、ダイヤモンド砥石によるドレッシングなどを行なわず、使用した。このパッドでは、繊維は表面に露出していなかった。また、後述の研磨特性の評価のための研磨後にも、繊維は表面に露出していなかった。
【0057】
これら、実施例及び比較例のパッドの研磨特性を以下の方法で評価した。
(酸化セリウムスラリーの作製)
研磨剤として以下の方法でCMPスラリーを準備した。
炭酸セリウム水和物2kgを白金製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより得た酸化セリウム粉末1kgにジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。これにポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40重量%)23gと脱イオン水8977gを混合し、攪拌しながら超音波分散を10分間施した。得られたスラリーを1ミクロンフィルターでろ過をし、さらに脱イオン水を加えることにより5wt.%スラリーを得た。スラリーpHは8.3であった。スラリー粒子をレーザ回折式粒度分布計で測定するために、適当な濃度に希釈して測定した結果、粒子径のD99%が0.99μmであった。
【0058】
(絶縁膜基板(研磨対象)の準備)
φ127mmSi基板上にTEOS−プラズマCVD法で酸化珪素膜を2000nm形成したブランケットウエハとφ200mmSi基板上にアルミ配線を、0.1mm幅、1mm厚み、0.1mm間隔等のパターンで設け、この上にTEOS−プラズマCVD法で酸化珪素膜を2000nm形成したテストウエハを研磨対象として準備した。
【0059】
(研磨方法と研磨特性の評価)
ウェハ基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記ウエハをセットし、上記作製した研磨パッドを貼り付けたφ380mmの定盤上に絶縁膜面を下にしてホルダーを載せ、さらに加工荷重を300gf/cm2(3.04×104Pa)に設定した。定盤上に上記の酸化セリウム研磨剤(固形分:1重量%)を150cc/minの速度で滴下しながら、定盤及びウエハを38rpmで2分間回転させ、絶縁膜を研磨した。研磨後のウエハを純水で良く洗浄後、乾燥した。光干渉式膜厚測定装置を用いて、研磨前後の膜厚差を測定し、研磨速度を計算した。研磨傷評価については、研磨後のウェハ表面を顕微鏡で暗視野にて観察を行い、ウェハ表面に存在する研磨に起因する傷を数えた。
また、平坦性の評価については、TEGウエハの凸部と凹部間の段差1μmを、けずっていき、凸部のアルミが露出する前の最終的な段差を測定した。
【0060】
実施例及び比較例として作製した研磨パッドのこれら評価結果を表1に示す。これから、表面に有機繊維を露出した本発明の実施例が、比較例(従来)と比較して高い研磨速度を持ち、なおかつ研磨傷が少なく、合わせて平坦性を確保できていることが分る。実施例の1と2の結果から、表面に露出した繊維が長いと、研磨傷が少なく、短いと、平坦性が良くなる傾向にあり、繊維長の調整により、目的に見合った研磨特性を得ることができる。
【0061】
【表1】
【0062】
実施例3〜7
(パッドの作製)
材料の有機繊維として、以下のものを準備した。
[ポリエステル繊維基材1]
繊維径12.5μm、繊維長5mmのポリエステル繊維からなる単位質量70g/m2の不織布(日本バイリーン(株)製「EPM−4070TE」)
【0063】
[アラミド繊維基材2]
パラ系アラミド繊維チョップ(繊維径:12.5μm、繊維長:5mm、デュポン製「ケブラー」)とパラ系アラミド繊維パルプ(繊維径:0.83μm、繊維長:1mm、デュポン製「ケブラー」)とメタ系アラミド繊維チョップ(繊維径:25μm、繊維長:6mm、軟化温度280℃、帝人製「コーネックス」)を混抄し、水溶性エポキシ樹脂バインダ(ガラス転移温度110℃、大日本インキ化学(株)製、商品名:Vコート)の20重量%水溶液をスプレーして加熱乾燥(150℃、3分)し、さらに、一対の熱ロール間に通すことにより加熱圧縮(温度300℃、線圧力196kN/m)し、メタ系アラミド繊維チョップをパラ系アラミド繊維チョップに熱融着した不織布であるアラミド繊維基材2を得た。このアラミド繊維基材2は、単位質量70g/m2、パラ系アラミド繊維チョップ/パラ系アラミド繊維パルプ/メタ系アラミド繊維チョップ/エポキシ樹脂バインダの配合質量比58/17/8/17である。前記パラ系アラミド繊維は、具体的には、ポリp−フェニレンテレフタラミド繊維である。
繊維と樹脂材料を組み合わせて積層用のプリプレグシートを作製した。
【0064】
[プリプレグ2]
ワニス(A)をポリエステル繊維基材1に含浸し加熱乾燥(170℃、5分)してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のポリエステル繊維含有率は50重量%である。
【0065】
[プリプレグ3]
ワニス(A)をアラミド繊維基材2に含浸し、プリプレグ2と同条件で加熱乾燥してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のアラミド繊維含有率は50重量%である。
【0066】
[プリプレグ4]
ワニス(A)をガラス繊維織布(単位重量:107g/m2、旭シュエーベル製「GC−216」)に含浸し、プリプレグ2と同条件で加熱乾燥してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のガラス繊維含有率は60重量%である。
【0067】
実施例3
プリプレグ2と樹脂未含浸のポリエステル繊維基材1を交互に1枚ずつ重ね合わせ、全体でプリプレグ2を10枚、樹脂未含浸のポリエステル繊維基材1を10枚使用して実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。積層板全体の繊維含有率は67重量%である。この積層板の表面(樹脂未含浸のポリエステル繊維基材1で構成した面)を実施例2に準じてドレッシング処理を行い、表面にポリエステル繊維の露出した極薄層(露出したポリエステル繊維の繊維長500μm、繊維径12.5μm)を形成し、研磨パッドを得た。
【0068】
実施例4
プリプレグ3と樹脂未含浸のアラミド繊維基材2を交互に1枚ずつ重ね合わせ、全体でプリプレグ3を10枚、樹脂未含浸のアラミド繊維基材2を10枚使用して実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。積層板全体の繊維含有率は67重量%である。この積層板の表面(樹脂未含浸の繊維基材2で構成した面)を実施例2に準じてドレッシング処理を行い、表面にアラミド繊維の露出した極薄層(露出したアラミド繊維の繊維長500μm、繊維径12.5μm)を形成し、研磨パッドを得た。
【0069】
実施例5
実施例4において、積層板の表面にドレッシング処理を行わずに研磨パッドとした。この場合においても、樹脂未含浸のアラミド繊維基材2で構成した面には、実施例4ほどではないが、表面にアラミド繊維の露出した極薄層(露出したアラミド繊維の繊維長2mm、繊維径12.5μm)が形成されている。
【0070】
実施例6
プリプレグ3を14枚重ねた表面上に樹脂未含浸のアラミド繊維基材2を2枚を重ね合わせ、実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。積層板表面層(樹脂未含浸のアラミド繊維基材2と、成形時に下層からしみだしてきて樹脂未含浸のアラミド繊維基材2中に部分的に保持されている樹脂で構成された層)の繊維含有率は67重量%である。この積層板の表面(樹脂未含浸の繊維基材2で構成した面)を実施例2に準じてドレッシング処理を行い、表面にアラミド繊維の露出した極薄層(露出したアラミド繊維の繊維長500μm、繊維径12.5μm)を形成し、研磨パッドを得た。
【0071】
実施例7
プリプレグ4を14枚重ねた表面上に樹脂未含浸のアラミド繊維基材2を2枚を重ね合わせ、実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。積層板表面層の繊維含有率は67重量%である。この積層板の表面(樹脂未含浸の繊維基材2で構成した面)を実施例2に準じてドレッシング処理を行い、表面にアラミド繊維の露出した極薄層(露出したアラミド繊維の繊維長500μm、繊維径12.5μm)を形成し、研磨パッドを得た。
【0072】
比較例4
プリプレグ3を15枚重ね、実施例1と同様に加熱加圧成形し、表面にドレッシング処理を行なわずに厚さ1.5mmの積層板からなる研磨パッドを得た。積層板全体の繊維含有率は50重量%である。研磨パッド表面にはエポキシ樹脂のみが観察され、繊維の露出はなかった。また、後述の研磨特性の評価における研磨後にも、繊維の露出はなかった。
【0073】
実施例3〜7及び比較例4の研磨パッドの研磨特性を、上述した方法と同様の方法で評価し、その結果を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
実施例8〜12
(研磨パッドの作製)
有機繊維として、以下のものを準備した。
[アラミド繊維基材3]
パラ系アラミド繊維を、ポリp−フェニレン3,4−ジフェニルエーテルテレフタラミド繊維チョップからポリp−フェニレンテレフタラミド繊維チョップ(繊維径:1.5デニール(12.5μm)、繊維長:5mm、デュポン製「ケブラー」)に置き換えた以外は、アラミド繊維基材1の製造と同様の操作を行ない、不織布であるアラミド繊維基材3を作製した。
【0076】
[アラミド繊維基材4]
パラ系アラミド繊維チョップを使用せず、メタ系アラミド繊維チョップ(繊維径:3デニール(25μm)、繊維長:6mm、軟化温度280℃、帝人製「コーネックス」)だけを使用し、アラミド繊維基材1の製造と同様の操作を行ない、不織布であるアラミド繊維基材4を作製した。
【0077】
[ポリエステル繊維基材2]
織密度たて48本/よこ48本、単位質量130g/m2、繊維径3.0デニール(25μm)(旭化成製「BKEポプリン」)の織布である。
プリプレグとして、以下のものを準備した。
【0078】
[プリプレグ5]
ワニス(A)をアラミド繊維基材3に含浸し加熱乾燥(170℃、5分、以下同様)してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のアラミド繊維含有率は50質量%である。
【0079】
[プリプレグ6]
ワニス(A)をアラミド繊維基材4に含浸し加熱乾燥してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のアラミド繊維含有率は50質量%である。
【0080】
[プリプレグ7]
ワニス(A)をポリエステル繊維基材2に含浸し加熱乾燥してプリプレグとした。このプリプレグは、加熱加圧成形後の厚さが0.1mmになるように樹脂付着量を調整したものであり、加熱加圧成形後のポリエステル繊維含有率は50質量%である。
【0081】
実施例8
プリプレグ3を15枚使用し、実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。
【0082】
実施例9
プリプレグ5を15枚使用し、実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。
【0083】
実施例10
プリプレグ6を15枚使用し、実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。
【0084】
実施例11
プリプレグ1を7枚使用して表面層用に積層し、その下にプリプレグ7を8枚使用して裏打ち層用に積層し、この組合せで実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。
【0085】
実施例12
プリプレグ3を7枚使用して表面層用に積層し、その下にプリプレグ7を8枚使用して裏打ち層用に積層し、この組合せで実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。
【0086】
比較例5
【0087】
プリプレグ4を15枚使用し、実施例1と同様に加熱加圧成形し厚さ1.5mmの積層板を得た。
【0088】
実施例8〜12及び比較例5で得られた積層板を研磨パッド材として用い、実施例2に準じてドレッシング処理を行い、研磨パッドを得た。これら研磨パッドの研磨特性を、表3に示す。研磨特性中、研磨傷数、研磨速度及び平坦性は、上述した方法と同様の方法で評価した。研磨均一性は、シリコンウエハ面内各箇所の酸化珪素膜の研磨速度を測定し、標準偏差(1δ)を求めることによって評価し、平均研磨速度の%で示した。研磨パッドの耐久性は、従来の研磨パッドである比較例2の発泡ポリウレタン系樹脂からなる研磨パッド(ロデール社製、IC−1000)の使用寿命を100とした指数で評価した結果を表3に示す。
【0089】
【表3】
【0090】
実施例8と実施例2の比較から、相対的に太い繊維に細い繊維を組み合わせることにより、基板の研磨面の平坦性の向上に効果があることがわかる。また、実施例9と実施例10の比較から、メタ系アラミド繊維に代えて、パラ系アラミド繊維を用いると、研磨パッドの耐久性の向上に効果があることがわかる。また、実施例11及び実施例12の結果から、表面層の下に、表面層の繊維よりも弾性率の低い繊維を用いた裏打ち層を設けることにより、研磨均一性が向上することが確認できる。
【0091】
【発明の効果】
本発明の樹脂で形成された弾性体の表面に有機繊維を露出させたCMP用研磨パッド及び、このパッドを用いた基板の研磨方法により層間絶縁膜、BPSG(ボロン、リンをドープした二酸化珪素膜)膜の平坦化工程、シャロー・トレンチ分離の形成工程を効率的に行うことができ、同時に、基板上に発生する傷を低減することができる。
【0092】
本発明の製造法によれば、表面に有機繊維を露出した状態で存在させた研磨パッドの製造が容易であり、研磨パッドに占める有機繊維の含有量の変更も、研磨パッドの使用目的に応じて容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一態様の研磨パッドの断面図である。
【符号の説明】
1 弾性体層
2 繊維露出層
Claims (21)
- 基板又は基板上に形成された薄膜を研磨するための研磨パッドにおいて、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維又はパラ系アラミド繊維若しくはメタ系アラミド繊維を主成分とする有機繊維が、多孔質でない表面層の表面から突出して研磨パッド表面に露出した状態であることを特徴とする研磨パッド。
- 研磨パッド表面に露出する繊維の長さが1cm以下であることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
- 研磨パッド表面に露出する繊維の径が1mm以下であることを特徴とする請求項1記載の研磨パッド。
- パラ系アラミド繊維がポリp−フェニレンジフェニルエーテルテレフタラミド繊維である請求項1記載の研磨パッド。
- 研磨パッドが有機繊維を含有した樹脂からなる研磨パッド材を用いて製造されたものであり、研磨パッド表面に有機繊維が露出した状態が、この研磨パッド材の表面を機械的に研磨して有機繊維を露出させたものである請求項1記載の研磨パッド。
- 研磨パッド表面に有機繊維が露出した状態が、研磨パッド材の表面を研磨装置付属のドレッサーを用いて機械的に研磨して有機繊維を露出させたものである請求項5記載の研磨パッド。
- 研磨パッドが、樹脂含浸シート状繊維基材と樹脂未含浸シート状繊維基材を用い、少なくとも一方の表面には樹脂未含浸シート状繊維基材が配置されるように前記基材を積層し、前記表面の樹脂未含浸シート状繊維基材を有機繊維で構成されるものとして、これらを加熱加圧成形により一体化することにより製造されたものであり、研磨パッド表面の有機繊維が露出した状態が、この研磨パッドの加熱加圧による成形時に構成されたものである請求項1記載の研磨パッド。
- 請求項1〜7いずれかに記載の研磨パッドの表面層の他方の表面に、表面層よりも低弾性の裏打ち層を積層し、多層構造としたことを特徴とする研磨パッド。
- 繊維が樹脂により固定された板状体からなり、少なくとも一方の表面層が、有機繊維が樹脂により固定され多孔質でない層からなっている研磨パッド材の、有機繊維が樹脂により固定され多孔質でない層からなっている表面層の表面を機械的に研磨することにより、この表面層の表面に有機繊維を露出した状態で存在させることを特徴とする研磨パッドの製造法。
- 研磨パッド材の表面層中の有機繊維が不織布の状態で存在する請求項9記載の研磨パッドの製造法。
- 有機繊維がパラ系アラミド繊維又はパラ系アラミド繊維を主成分とするものである請求項9記載の研磨パッドの製造法。
- パラ系アラミド繊維がポリp−フェニレンジフェニルエーテルテレフタラミド繊維である請求項11記載の研磨パッドの製造法。
- 有機繊維がメタ系アラミド繊維又はメタ系アラミド繊維を主成分とするものである請求項9記載の研磨パッドの製造法。
- 少なくとも研磨パッド材の表面層における有機繊維が、材質、形状、繊維径、繊維長の少なくとも一つが異なる2種類以上の有機繊維の組み合わせからなる請求項9記載の研磨パッドの製造法。
- 有機繊維の組み合わせが、相対的に繊維径の太い有機繊維と細い有機繊維の組み合わせからなる請求項14記載の研磨パッドの製造法。
- 研磨パッド材が、有機繊維が樹脂により固定され多孔質でない層からなっている裏打ち層と、裏打ち層の一方の表面上の表面層からなり、裏打ち層中の有機繊維が、表面層中の有機繊維より低弾性であるものである請求項9記載の研磨パッドの製造法。
- 樹脂含浸シート状繊維基材と樹脂未含浸シート状繊維基材を用い、少なくとも一方の表面には樹脂未含浸シート状繊維基材が配置されるように前記基材を積層し、前記表面の樹脂未含浸シート状繊維基材を有機繊維で構成されるものとして、これらを加熱加圧成形により一体化し、少なくとも一方の表面には有機繊維を露出した状態で存在させることを特徴とする研磨パッドの製造法。
- 表面の樹脂未含浸シート状繊維基材を構成する有機繊維が、繊維長が1cm以下、繊維径が1mm以下のものである請求項17記載の研磨パッドの製造法。
- 樹脂含浸シート状繊維基材と樹脂未含浸シート状繊維基材を用い、少なくとも一方の表面には樹脂未含浸シート状繊維基材が配置されるように前記基材を積層し、前記表面の樹脂未含浸シート状繊維基材を有機繊維で構成されるものとして、これらを加熱加圧成形により一体化して、表面に有機繊維の露出していない研磨パッド材を成形し、研磨パッド材の樹脂未含浸シート状基材を配置した側の表面を機械的に研磨して有機繊維を露出させることを特徴とする研磨パッドの製造法。
- 表面の樹脂未含浸シート状繊維基材を構成する有機繊維が、繊維長が1cm以下、繊維径が1mm以下のものである請求項19記載の研磨パッドの製造法。
- 所定の基板を請求項1〜8いずれかに記載の研磨パッドの有機繊維が露出した表面に押し当て、研磨剤を基板と研磨パッドとの間に供給しながら、基板と研磨パッドとを相対的に摺動させて研磨する基板の研磨方法。
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