JP4313058B2 - シートトラックスライド装置におけるメモリ付きウォークインロック機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシートトラックスライド装置において、シートを初期位置から移動させた後に再びシートを初期位置に自動的に戻すことができるメモリ付きウォークインロック機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シートトラックスライド装置のメモリ付きウォークインロック機構は例えば下記特許文献1で開示されている。
【0003】
同特許文献1の図面に示すように、ロックレバー13とオープンレバー15とキープレバー22とがアッパレール5に支持されているとともに、メモリレバー8がオープンレバー15に組み付けられた状態でロアレール3に支持されている。アッパレール5をロアレール3に対し移動させると、ロックレバー13やオープンレバー15やキープレバー22も移動する同時に、メモリレバー8もアッパレール5の移動方向へオープンレバー15とともに移動する。
【0004】
シート4の初期位置でシートバック4aを起こした通常ロック状態では、オープンレバー15が回動してロックレバー13がロック状態になるとともに、メモリレバー8が係止解除状態になる。その場合、ハンドル12によりロックレバー13をロック解除状態にしてシート4の初期位置を再調節することができる。
【0005】
前記通常ロック状態でシートバック4aを倒してオープン状態にすると、オープンレバー15が回動してロックレバー13がロック解除状態になるとともに、メモリレバー8が係止状態になり、そのオープン状態がキープレバー22により保持される。
【0006】
前記オープン状態でシート4を初期位置から前方へ移動させたメモリ状態では、アッパレール5とともにロックレバー13やオープンレバー15やキープレバー22が移動してメモリレバー8から離れる。その場合、メモリレバー8はシート4の初期位置に残る。
【0007】
その後、前記メモリ状態でシート4を後方へ移動させて初期位置に戻すと、メモリレバー8によりキープレバー22による保持が解除されて前記通常ロック状態に戻る。
【0008】
【特許文献1】
特公平6−47353号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1では、シートバック4aを起こしたり倒したりする動きにメモリ部材8がオープンレバー15を介して連動して係止解除状態となったり係止状態となったりする。そのため、メモリレバー8とオープンレバー15との間で連動部19,20を必要とし、シートバック4aとオープンレバー15とキープレバー22とメモリレバー8との間の連動機構がメモリ付きウォークインロック機構の構造を複雑にする原因の一つになっていた。
【0010】
この発明は、シートバックとオープン部材(オープンレバー15に該当)とキープ部材(キープレバー22に該当)とメモリ部材(メモリレバー8に該当)との間の連動機構を改良して、特許文献1とは別視点からなされた設計思想の基で簡略化したメモリ付きウォークインロック機構を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
後記実施形態の図面(図1〜10)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかるシートトラックスライド装置のメモリ付きウォークインロック機構は、下記のように構成されている。
【0012】
シートトラックスライド装置のメモリ付きウォークインロック機構は、車体のフロア(2)に固定されるロアレール(3)と、シート(5)に固定されるとともにロアレール(3)に対し移動可能に支持したアッパレール(4)と、ロアレール(3)に対するアッパレール(4)の移動を阻止するロック状態(R)と許容するロック解除状態(S)とを取り得るようにアッパレール(4)に対し移動可能に支持したロック部材(16)と、シ−ト(5)のシ−トバック(5a)を起こしたときロック部材(16)をロック状態(R)にするとともにシ−トバック(5a)を倒したときロック部材(16)をロック解除状態(S)にするようにアッパレール(4)側で移動可能に支持したオープン部材(23)と、シ−トバック(5a)を倒した状態でオープン部材(23)に係合してロック部材(16)及びオープン部材(23)の移動位置を保持する保持状態(K)を取り得るようにアッパレール(4)側で移動可能に支持したキープ部材(25)と、ロアレール(3)側でアッパレール(4)の移動方向(X)に沿って移動可能に支持したメモリ部材(28)とを備えている。このメモリ部材(28)は、ロアレール(3)側に設けた係止部(39)に対し係止状態(P)と係止解除状態(Q)とを取り得る係止部(40)を有している。このオープン部材(23)と連動してアッパレール(4)側に設けた第一連動押接部(32a)と、アッパレール(4)に取着した押圧部材(27)に設けた第二連動押接部(43)とをメモリ部材(28)の移動方向(X)に沿って並べている。この第一連動押接部(32a)は、シ−トバック(5a)を起こした状態でアッパレール(4)の移動方向(X)の両向き(XF,XB)のうち一方の向き(XF)へのアッパレール(4)の移動に伴いメモリ部材(28)をオープン部材(23)及びキープ部材(25)とともに一方の向き(XF)へ移動させるようにメモリ部材(28)の移動軌跡範囲内に位置してメモリ部材(28)を押え、シ−トバック(5a)を倒した状態でロック部材(16)とオープン部材(23)とキープ部材(25)とがアッパレール(4)の移動に伴いメモリ部材(28)から離れるのを許容するようにメモリ部材(28)の移動軌跡範囲外に位置している。この第二連動押接部(43)は、シ−トバック(5a)を起こした状態でアッパレール(4)の移動方向(X)の両向き(XF,XB)のうち他方の向き(XB)へのアッパレール(4)の移動に伴いメモリ部材(28)をオープン部材(23)及びキープ部材(25)とともに他方の向き(XB)へ移動させるようにメモリ部材(28)の移動軌跡範囲内に位置してメモリ部材(28)を押え、シ−トバック(5a)を倒した状態でロック部材(16)とオープン部材(23)とキープ部材(25)とがアッパレール(4)の移動に伴いメモリ部材(28)から離れるのを許容するようにメモリ部材(28)の移動軌跡範囲内でメモリ部材(28)から離れる。このキープ部材(25)の保持状態(K)でアッパレール(4)の移動に伴いキープ部材(25)がメモリ部材(28)に当接してオープン部材(23)とロック部材(16)とをシ−トバック(5a)を起こした状態に戻す。このメモリ部材(28)がこの第一連動押接部(32a)と第二連動押接部(43)との間に位置する状態でメモリ部材(28)の係止部(40)を係止解除状態(Q)に保持する解除押接部(42)をアッパレール(4)に取着している。
【0013】
ここに、「アッパレール(4)の移動に伴いメモリ部材(28)の係止部(40)を係止状態(P)から係止解除状態(Q)にして」とは、解除押接部(42)により強制的に係止解除状態(Q)で保持してメモリ部材(28)の円滑な追従移動を許容することであって、「係止状態(P)」と「係止解除状態(Q)」とはメモリ部材(28)の移動抵抗の程度の差により決まり、係止状態(P)での移動抵抗は係止解除状態(Q)での移動抵抗よりも大きくなるように設定され、係止状態(P)ではメモリ部材(28)が初期位置を確実に記憶し得るために各種力に対して不用意な移動が阻止される程度の抵抗を持つとともに、係止解除状態(Q)ではメモリ部材(28)が円滑に追従移動し得る程度の抵抗を持つことが必要である。
【0015】
請求項1の発明では、シートバック(5a)を起こしたり倒したりする動きにメモリ部材(28)が連動しない。そのため、シート(5)の初期位置でロック部材(16)をロック解除状態(S)にした通常ロック解除状態においてシート(5)の初期位置を再調節する場合にメモリ部材(28)をオープン部材(23)及びキープ部材(25)に連動して移動させるメモリ部材追従手段として、連動押接部(32a,43)や解除押接部(42)を付設するだけでよく、シートバック(5a)とオープン部材(23)とキープ部材(25)とメモリ部材(28)との連動機構を簡略化することができる。従って、メモリ付きウォークインロック機構の構造を簡単にすることができる。
【0020】
また、請求項1の発明では、シート(5)の初期位置を再調節するためにメモリ部材(28)をオープン部材(23)及びキープ部材(25)に連動して移動させる場合、メモリ部材(28)の係止部(40)が解除押接部(42)により係止解除状態(Q)にあるので、メモリ部材(28)の追従移動を円滑に行うことができる。
【0021】
請求項2の発明は請求項1の発明を前提として下記のように構成されている。
前記ロアレール(3)側の係止部は、メモリ部材(28)の移動方向(前後方向X)に沿って並設された複数の係止凹部(39)である。前記メモリ部材(28)の係止部は、この係止凹部(39)に対し係脱し得る係止ばね(40)であって、弾性力により係入される係止状態(P)と、弾性力に抗して離脱される係止解除状態(Q)とを取り得る。例えば、この係止ばね(40)は片持ち梁状または両持ち梁状の板ばねである。
【0022】
請求項2の発明では、メモリ部材(28)を位置決めするとともにメモリ部材(28)の移動を許容するための係止手段を簡略化することができる。従って、メモリ付きウォークインロック機構の構造をより一層簡単にすることができる。また、メモリ部材(28)の係止ばね(40)がロアレール(3)側の各係止凹部(39)から離れた係止解除状態(Q)で、メモリ部材(28)が追従移動するので、係止ばね(40)が各係止凹部(39)に対し擦れる摩擦音の発生を防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかるシートトラックスライド装置について図1〜10を参照して説明する。
【0024】
図2で概略的に示すように、シートトラック1として、車体のフロア2には図1に示す左右方向Y(車両の前進側と後退側とを結ぶ水平な前後方向Xに対し直交する水平方向)の両側でロアレール3が固定され、左右両側のアッパレール4がシート5に固定されて左右両ロアレール3に支持されている。
【0025】
図4,6,10に示すように、前記左右両ロアレール3内にはスライド溝6が前後方向Xに沿って形成されている。この左右両ロアレール3上でスライド溝6には上下方向Z(水平な前後方向Xに対し直交する鉛直方向)へ開放された開口6aが形成されている。この左右両ロアレール3の内側壁3aには複数のロック孔7(ロック部)が前後方向Xに沿って並設されている。
【0026】
前記左右両アッパレール4において、その下端部には左右両ロアレール3のスライド溝6に挿入される案内支持部8が形成され、前記シート5に固定される取付壁部9が案内支持部8から開口6aを通して上方へ突出している。この左右両アッパレール4は、スライド溝6において案内支持部8でガイド10上に載置され、左右両ロアレール3に対し前後方向Xへ移動可能に支持されている。
【0027】
前記左右両アッパレール4の取付壁部9の内側にはロックレバー回動支持機構Mが取り付けられている。左側のロアレール3及びアッパレール4と右側のロアレール3及びアッパレール4とは同一構造をなし、左右両ロックレバー回動支持機構Mはコ字形状のハンドル11により互いに連動するようになっている。この左右両アッパレール4及びシート5は左右両ロアレール3に対し前後方向Xへ移動する。図1には一方のロアレール3及びアッパレール4のみを図示する。
【0028】
前記ハンドル11は、左右両アッパレール4の取付壁部9の内側に対し回動可能に支持された左右両ハンドルレバー12と、この左右両ハンドルレバー12に連結されたコ字形状のハンドル棒13とを備えている。この左右両ハンドルレバー12は、前記ロックレバー回動支持機構Mに連動し得る押圧部14を有している。この押圧部14はねじりコイルばね(図示せず)の弾性力により上方へ付勢されている。このハンドル棒13をねじりコイルばね(図示せず)の弾性力に抗して上方へ持ち上げると、この左右両ハンドルレバー12が回動し、押圧部14が下方へ移動する。
【0029】
前記ロックレバー回動支持機構Mは、ロックブラケット15とロックレバー16(ロック部材)と棒状ばね17とを備えている。このロックブラケット15は、左右両ロアレール3の上方で左右両アッパレール4の取付壁部9の内側に取着され、左右両ロアレール3の各ロック孔7に対向し得る透孔18を有しているとともに、ロックレバー16を支持し得る前後両支持板部19を有している。このロックレバー16は、その前後両支持板部20でロックブラケット15の前後両支持板部19に対し回動可能に支持され、左右両ロアレール3の各ロック孔7に係脱されるロック爪21を有しているとともに、ハンドルレバー12の押圧部14に係合し得る連動部22を有している。棒状ばね17はロックブラケット15とロックレバー16とに掛止めされ、この棒状ばね17の弾性力によりロックレバー16が付勢されてロック状態Rになる。このロック状態Rでロックレバー16のロック爪21が左右両ロアレール3の各ロック孔7に係入される。このロック状態Rでロック位置11Rにあるハンドル11をねじりコイルばね(図示せず)の弾性力に抗して上方へ持ち上げてロック解除位置11Sにすると、ハンドルレバー12の押圧部14がロックレバー16の連動部22を下方へ押さえてロックレバー16が棒状ばね17の弾性力に抗して回動する。その回動に伴い、ロックレバー16のロック爪21が左右両アッパレール4の透孔8a、左右両ロアレール3のロック孔7及びロックブラケット15の透孔18から離脱してロック解除状態Sになる。
【0030】
図3,8に示すように、一方のアッパレール4の取付壁部9の外側には、オープン部材23が支軸24を中心に回動可能に支持されているとともに、このオープン部材23の前方でキープ部材25が支軸26を中心に回動可能に支持され、さらにこのキープ部材25の前方で押圧部材27が取着されている。また、前記左右両ロアレール3のうち一方のロアレール3の外側壁3bには、これらの部材23,25,27の下方でメモリ部材28がアッパレール4の移動方向(前後方向X)へ移動可能に支持されているとともに、係止部材29がこのメモリ部材28の移動方向(前後方向X)に沿って延びるように取着されている。
【0031】
前記オープン部材23においては、ねじりコイルばね30が巻装された支軸24から前側の係止レバー31と後側の押接レバー32とが延設されている。この係止レバー31には、前記シート5のシートバック5aに連結された連動ロッド33が連結されているとともに、前記ロックレバー16の連動部22に係合し得る連動ピン34(連動部)が取着されている。前記キープ部材25においては、ねじりコイルばね35が巻装された支軸26から前側の解除レバー36と後側の係止レバー37とが延設され、この係止レバー37と前記オープン部材23の係止レバー31とが前後両側で互いに隣接している。このオープン部材23とキープ部材25とは、それらの係止レバー31,37が互いに接近する回動向き(矢印向き)へねじりコイルばね30,35により付勢され、それらの係止レバー31,37には互いに係合し得る係止部31a,37aが形成されている。
【0032】
前記係止部材29においては、多数の係止凹部39が前記メモリ部材28の移動方向(前後方向X)に沿って並設されている。このメモリ部材28においては、片持ち梁状の係止ばね40(板ばね)が取着され、この係止ばね40の自由端部40aが各係止凹部39に向けて延設されている。前記押圧部材27においては、腕部41が前記キープ部材25の係止レバー37及びオープン部材23の係止レバー31の下方まで後方へ向けて延設されている。この腕部41の先端部にはこれらの係止レバー31,37の下方に位置するメモリ部材28の係止ばね40に当接し得る解除押接部42が形成されている。この解除押接部42が係止ばね40に当接すると、係止ばね40がその弾性に抗して撓んで係止部材29の係止凹部39から離脱する係止解除状態Qになる。この解除押接部42が係止ばね40から離れると、係止ばね40がその弾性により復帰して係止部材29の係止凹部39に係入される係止状態Pになる。この腕部41において解除押接部42よりも前方で連動押接部43が形成されている。
【0033】
このように構成されたシートトラックスライド装置においてメモリ付きウォークインロック機構は、下記*のように作動する。
* 図3(a)及び図4,5に示す通常ロック状態
この通常ロック状態では、図2(a)に示すように、シート5のシートバック5aが起こされた状態で、アッパレール4がロアレール3に対しシート5とともに初期位置に移動調節されている。ハンドル11がロック位置11Rにあるため、ハンドルレバー12の押圧部14が上動位置にある。シートバック5aに連結された連動ロッド33によりオープン部材23が引かれていないため、オープン部材23の係止レバー31が上方へ回動し、オープン部材23の連動ピン34及び係止部31aも上動位置にある。ロックレバー16の連動部22がこの押圧部14及び連動ピン34のうちいずれかのものにより下方へ押されず上動位置にあるため、ロックレバー16がロック状態Rにある。メモリ部材28はオープン部材23の押接レバー32とキープ部材25の解除レバー36との間に位置している。キープ部材25はその係止レバー37がオープン部材23の係止レバー31に当接したところで停止している。オープン部材23における係止レバー31の係止部31aとキープ部材25における係止レバー37の係止部37aとは互いに離間している。オープン部材23における押接レバー32の下端部に形成された連動押接部32aは、メモリ部材28の後方近接位置でメモリ部材28の移動軌跡範囲内に位置する。キープ部材25における解除レバー36の下端部に形成された当接部36aは、メモリ部材28の前方でメモリ部材28の移動軌跡範囲外に位置する。押圧部材27の連動押接部43はメモリ部材28の前方近接位置でメモリ部材28の移動軌跡範囲内に位置する。押圧部材27の解除押接部42がメモリ部材28の係止ばね40を圧接しているため、係止ばね40が係止解除状態Qにある。
【0034】
* 図3(b)及び図6,7に示すオープン状態
前記通常ロック状態で、シート5のシートバック5aを図2(b)に示すように倒すと、シートバック5aに連結された連動ロッド33によりオープン部材23が引かれるため、オープン部材23の係止レバー31が下方へ回動し、オープン部材23の連動ピン34及び係止部31aが下動位置になる。ロックレバー16の連動部22がこの連動ピン34により下方ヘ押されるため、ロックレバー16がロック解除状態Sになる。オープン部材23の押接レバー32の連動押接部32aは、メモリ部材28の後方でメモリ部材28の移動軌跡範囲外に位置する。オープン部材23の係止レバー31の回動に伴い、キープ部材25の解除レバー36の当接部36aがメモリ部材28の前端部28aに当接するまで、キープ部材25の係止レバー37が回動し、オープン部材23の係止レバー31の係止部31aとキープ部材25の係止レバー37の係止部37aとが互いに面する。
【0035】
* 図8(a)及び図9に示すメモリ状態
前記オープン状態で、アッパレール4をロアレール3に対しシート5とともに図2(c)に示すように前方向きXFへ移動させると、ハンドル11とロックレバー16とオープン部材23とキープ部材25と押圧部材27もアッパレール4とともに移動する。メモリ部材28は移動せず、押圧部材27の解除押接部42がメモリ部材28の係止ばね40から前方向きXFへ離れるため、係止ばね40が復帰して係止部材29の係止凹部39に係入され、メモリ部材28が前記通常ロック状態及びオープン状態の位置で保持されてメモリ部材28の初期位置が設定される。キープ部材25の解除レバー36の当接部36aがメモリ部材28の前端部28aから前方向きXFへ離間するため、キープ部材25の係止レバー37が回動し、オープン部材23の係止レバー31の係止部31aにキープ部材25の係止レバー37の係止部37aが係入されてキープ部材25が保持状態Kになる。オープン部材23における押接レバー32の連動押接部32aはメモリ部材28の上方を前方向きXFへ通過する。押圧部材27の連動押接部43はメモリ部材28の前端部28aから前方向きXFへ離れる。なお、図示しないが、前記オープン状態で、アッパレール4をロアレール3に対しシート5とともに後方向きXBへ移動させると、メモリ部材28も押圧部材27の連動押接部43に押されて移動し、メモリ部材28の初期位置が変更される。
【0036】
* 図8(b)に示すメモリ状態
前記メモリ状態で、シート5のシートバック5aを図2(d)に示すように起こすかまたは倒したまま、アッパレール4をロアレール3に対しシート5とともに後方向きXBへ移動させると、ハンドル11とロックレバー16とオープン部材23とキープ部材25と押圧部材27もアッパレール4とともに移動する。キープ部材25の解除レバー36の当接部36aがメモリ部材28の前端部28aに当接すると、キープ部材25の係止レバー37が回動し、オープン部材23の係止レバー31の係止部31aからキープ部材25の係止レバー37の係止部37aが離脱して、図3(a)及び図4,5に示す通常ロック状態に戻る。
【0037】
* 図10に示す通常ロック解除状態
図3(a)及び図4,5に示す通常ロック状態で、ハンドル11をロック解除位置11Sにすると、ハンドルレバー12の押圧部14が下動位置になり、ロックレバー16の連動部22がこの押圧部14により下方ヘ押されるため、ロックレバー16がロック解除状態Sになる。そのロック解除状態Sでアッパレール4をロアレール3に対しシート5とともに後方向きXBへ移動させると、ハンドル11とロックレバー16とオープン部材23とキープ部材25と押圧部材27も移動すると同時に、メモリ部材28もその前端部28aで押圧部材27の連動押接部43に押されて移動する。ロック解除状態Sでアッパレール4をロアレール3に対しシート5とともに前方向きXFへ移動させると、ハンドル11とロックレバー16とオープン部材23とキープ部材25と押圧部材27も移動すると同時に、メモリ部材28もその後端部28bで押接レバー32の連動押接部32aに押されて移動する。シート5の移動調節位置で、ハンドル11をロック位置11Rにすると、図3(a)及び図4,5に示す通常ロック状態に戻る。
【0038】
なお、前記メモリ部材28を位置決めするとともにメモリ部材28の移動を許容するための係止手段としては、前記係止ばね40(板ばね)以外に、例えば、鋼球を圧縮コイルばねにより付勢してその鋼球を係止部材29の各係止凹部39に係脱させるようにしてもよい。また、この係止部材29における各係止凹部39の機能を前記ロアレール3の各ロック孔7により兼用させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態にかかるシートトラックスライド装置の通常ロック状態においてシートの外側から見て概略的に示す斜視図である。
【図2】 (a)(b)(c)(d)はそれぞれシートの各移動状態を示す作用説明図である。
【図3】 (a)は上記シートトラックスライド装置において通常ロック状態を示す側面図であり、(b)は同じくオープン状態を示す側面図である。
【図4】 上記シートトラックスライド装置において通常ロック状態を示す断面図である。
【図5】 図4の部分平面図である。
【図6】 上記シートトラックスライド装置においてオープン状態を示す断面図である。
【図7】 図6の部分平面図である。
【図8】 (a)は上記シートトラックスライド装置においてメモリ状態を示す側面図であり、(b)は同じくメモリ状態を示す側面図である。
【図9】 図8(a)の部分平面図である。
【図10】 上記シートトラックスライド装置において通常ロック解除状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2…フロア、3…ロアレール、4…アッパレール、5…シート、5a…シートバック、7…ロアレールのロック孔(ロック部)、16…ロックレバー(ロック部材)、23…オープン部材、25…キープ部材、27…押圧部材、28…メモリ部材、29…係止部材、32…オープン部材の押接レバー、32a…第一連動押接部、36…キープ部材の解除レバー、39…係止部材の係止凹部(係止部)、40…メモリ部材の係止ばね(係止部)、42…押圧部材の解除押接部、43…押圧部材の第二連動押接部、X…前後方向(アッパレール移動方向、メモリ移動方向)、XF…前方向き、XB…後方向き、R…ロック状態、S…ロック解除状態、P…係止ばねの係止状態、Q…係止ばねの係止解除状態、K…キープ部材の保持状態。
Claims (2)
- 車体のフロアに固定されるロアレールと、シートに固定されるとともにロアレールに対し移動可能に支持したアッパレールと、
ロアレールに対するアッパレールの移動を阻止するロック状態と許容するロック解除状態とを取り得るようにアッパレールに対し移動可能に支持したロック部材と、
シ−トのシ−トバックを起こしたときロック部材をロック状態にするとともにシ−トバックを倒したときロック部材をロック解除状態にするようにアッパレール側で移動可能に支持したオープン部材と、
シ−トバックを倒した状態でオープン部材に係合してロック部材及びオープン部材の移動位置を保持する保持状態を取り得るようにアッパレール側で移動可能に支持したキープ部材と、
ロアレール側でアッパレールの移動方向に沿って移動可能に支持したメモリ部材とを備え、
このメモリ部材はロアレール側に設けた係止部に対し係止状態と係止解除状態とを取り得る係止部を有し、オープン部材と連動してアッパレール側に設けた第一連動押接部と、アッパレールに取着した押圧部材に設けた第二連動押接部とをメモリ部材の移動方向に沿って並べ、
この第一連動押接部は、シ−トバックを起こした状態でアッパレールの移動方向の両向きのうち一方の向きへのアッパレールの移動に伴いメモリ部材をオープン部材及びキープ部材とともに一方の向きへ移動させるようにメモリ部材の移動軌跡範囲内に位置してメモリ部材を押え、シ−トバックを倒した状態でロック部材とオープン部材とキープ部材とがアッパレールの移動に伴いメモリ部材から離れるのを許容するようにメモリ部材の移動軌跡範囲外に位置し、
この第二連動押接部は、シ−トバックを起こした状態でアッパレールの移動方向の両向きのうち他方の向きへのアッパレールの移動に伴いメモリ部材をオープン部材及びキープ部材とともに他方の向きへ移動させるようにメモリ部材の移動軌跡範囲内に位置してメモリ部材を押え、シ−トバックを倒した状態でロック部材とオープン部材とキープ部材とがアッパレールの移動に伴いメモリ部材から離れるのを許容するようにメモリ部材の移動軌跡範囲内でメモリ部材から離れ、
このキープ部材の保持状態でアッパレールの移動に伴いキープ部材がメモリ部材に当接してオープン部材とロック部材とをシ−トバックを起こした状態に戻し、
このメモリ部材がこの第一連動押接部と第二連動押接部との間に位置する状態でメモリ部材の係止部を係止解除状態に保持する解除押接部をアッパレールに取着した
ことを特徴とするシートトラックスライド装置におけるメモリ付きウォークインロック機構。 - 前記ロアレール側の係止部はメモリ部材の移動方向に沿って並設された複数の係止凹部であり、前記メモリ部材の係止部は、この係止凹部に対し係脱し得る係止ばねであって、弾性力により係入される係止状態と弾性力に抗して離脱される係止解除状態とを取り得ることを特徴とする請求項1に記載のシートトラックスライド装置におけるメモリ付きウォークインロック機構。
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