JP4309104B2 - ボールペン用ボール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペン用ボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールペン用ボール(以下、「ボール」という。)は、ボールペンのボールホルダーの先端に一部を外方に突出させて回転自在に抱持され、筆記面(主として、紙面)に接触してインク転写部材となるものである(例えば、特開2000−168286号公報の図8参照)。そして、このボールとして、一般に、呼び径が0.3〜1.2mmの範囲のものが用いられている。
なお、ボールの材質としては、通常、超硬合金又はセラミックス等の硬質焼結材料が用いられている。
【0003】
ところで、ボールペンでは、筆記面に接触したボールが筆圧を受けながら回転すると、ボールとボールホルダー内の円錐状のボール座との当接部分に摩擦が生じる。この摩擦によってボール座の当接部分が摩耗して、上記の特開2000−168286号公報の図13に示されるように、ボールがボールホルダー内に沈み込み(ボールペンメーカーでは、「玉落ち」又は「玉下り」と称呼されている。)、
(1)ボールの円滑な回転が阻害される。すなわち、筆記面に対して引っ掛り感があり、なめらかな書き味が得られない。
(2)インク流出量が初期の設定から変化してしまい、筆記線に「かすれ」又は「線切れ」が生じる。また、インクが急に流出して、筆記線に「ぼて」が生じる。
(3)ボール座の当接部分の摩耗が著しい場合には、筆記不能になることもある。
という問題がある。すなわち、ボール座の摩耗に起因する筆記性能の悪化という問題がある。
このため、ボールとして具備すべき第1の条件として、ボール座を摩耗させにくいことが必要とされている。
なお、後記のボール評価項目における「筆記性能」とは、主として、このボール座の摩耗の観点からの筆記性能をいう。
【0004】
次に、ボールペンでは、所定の筆記距離を走行させたときのインク消費量を基準値以下にすることが求められている。インクとボールとの「濡れ」、すなわち、インクの「のり」が過大であると、インク流出量が過多となって、所定の筆記距離を走行させたときのインク消費量が基準値を超えるという問題がある。
また、インクの「のり」が過大、すなわち、インク流出量が過多であると筆記線に「ぼて」が生じやすく、反対にインクの「のり」が過小、すなわち、インク流出量が過少であると筆記線に「かすれ」、「線切れ」又は「濃淡」が生じるという問題がある。すなわち、インクの「のり」に起因する筆記性能の悪化という問題がある。
このため、ボールとして具備すべき第2の条件として、インクの「のり」が好適であることが必要とされている。
なお、ボールは、上記の第1の条件と、この第2の条件を兼ね備えることが必要とされている。
【0005】
そこで、このような諸問題を解決するための手段として、
(1)特開平10−250280号公報には、算術平均粗さ(Ra)の値を5〜15nmに特定したボールが提案されている。
(2)特開平10−329473号公報には、算術平均粗さ(Ra)の値を4〜10nmに特定し、且つ、最大高さ(Ry)の値を150nm以下に特定したボールが提案されている。
(3)特開2002−103871号公報には、表面の少なくとも50μm×50μmの領域内の算術平均粗さ(Ra)の値を5〜25nmに特定し、且つ、最大高低差(P−V)の値を150〜250nmに特定したボールが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者は、下記の表1(本出願人製品「呼び径1mmの超硬合金製ボール」の表面粗さと、それぞれのボールに対する某ボールペンメーカーの評価結果)に示すように、上記の提案されている算術平均粗さ(Ra)だけでは前記の諸問題を解決することができないことを知った。
例示すると、
(1)製品1の算術平均粗さ(Ra)の値は、5種類の製品の中で最大となっている。このため、インクの「のり」が過大、すなわち、インク流出量が過多となり、インク消費量の評価は「×」になると予想されたが、反対の「〇」という評価になっている。
(2)製品5の算術平均粗さ(Ra)は、提案されている値の範囲内又は上限値に近似している。しかし、インク消費量の評価は「×」になっている。
なお、提案されている最大高さ(Ry)及び最大高低差(P−V)も、算術平均粗さ(Ra)と同様に、ボールの表面に対する縦断面方向のプロファイル変化量のみを表示するパラメータであるから、前記の諸問題を解決することができないと考えられる。
【0007】
【表1】
【0008】
ここで、表1における
(1)算術平均粗さ(Ra)の値は、以下のようにして求めたものである。
各製品ロットから、ランダムに5個のボールを抜き取る。非接触で3次元粗さ測定が可能な表面形状粗さ測定機(例えば、テーラーホブソン(株)製フォームタリサーフPGI)を用いて、抜き取った各ボールの表面の一箇所、すなわち、ボールの呼び径1mmの10%である0.1mmを直径とする円領域内の表面粗さを測定する。そして、カットオフ値を0.11149mmと定め、このカットオフ値を用いて3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)の値を求める。
なお、ボールの表面粗さを求める領域をボールの表面の一箇所、すなわち、呼び径の10%を直径とする円内にする意義、及び、3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)を用いる意義は後述する。
【0009】
(2)筆記性能及びインク消費量に関する「〇」,「×」の2段階の評価は、それぞれ、以下の基準に基づいている。
▲1▼ 筆記性能
筆記面に対して引っ掛り感がなく、なめらかな書き味が得られる。また、筆記線に「かすれ」、「線切れ」、「ぼて」及び「濃淡」が生じない。・・・・「〇」
筆記面に対して引っ掛り感があり、なめらかな書き味が得られない。また、筆記線に「かすれ」、「線切れ」、「ぼて」又は「濃淡」が生じる。・・・・「×」
▲2▼ インク消費量
インクの「のり」が好適、すなわち、インクの流出量が好適で、所定の筆記距離を走行させたときのインク消費量が基準値以下になる。・・・・「〇」
インクの「のり」が過大、すなわち、インクの流出量が過多で、所定の筆記距離を走行させたときのインク消費量が基準値を超える。・・・・「×」
【0010】
そこで、本発明者は、粗さパラメータの一である算術平均粗さ(Ra)の他に、スキューネス(Rsk)、クルトシス(Rku)及び局部山頂の平均間隔(S)に着目して鋭意研究した結果、
(1)カットオフ値を特定したとき(具体的には、後記の0.00132mmとしたとき)、3次元パラメータのスキューネス(Rsk)の値とクルトシス(Rku)の値との積、すなわち、Rsk×Rku の値と筆記性能には相関関係がある。
(2)3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)の値と2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)の値との比、すなわち、Ra/S の値とインク消費量(インク流出量)には相関関係がある。
ことを見出し、本発明に至った。
【0011】
本発明は、ボールホルダー内のボール座を摩耗させにくくして、当初の良好な筆記性能を維持することができ、且つ、インクの「のり」を好適、すなわち、インク流出量を好適にして、所定の筆記距離を走行させたときのインク消費量を基準値以下にすることができるボールを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のボールは、ボールペン用ボールの表面粗さを、前記ボールの表面の一箇所であって前記ボールの呼び径の10%を直径とする円領域内における値で代表させたとき、0.00132mmをカットオフ値と定め、該カットオフ値を用いて求めた3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)、スキューネス(Rsk)及びクルトシス(Rku)、並びに2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)のそれぞれの値が、−2.5<Rsk×Rku<−1.2 及び 0.005<Ra/S<0.012 の関係を満足することを特徴とする。
【0013】
上記のように構成されたボールは、0.00132mmをカットオフ値と定め、このカットオフ値を用いて求めた
(1)3次元パラメータのスキューネス(Rsk)の値とクルトシス(Rku)の値との積が −2.5<Rsk×Rku<−1.2 の関係を満足するようにしたから、ボールホルダー内のボール座を摩耗させにくくなり、当初の良好な筆記性能を維持することができる。
(2)3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)の値と2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)の値との比が 0.005<Ra/S<0.012 の関係を満足するようにしたから、インクの「のり」が好適、すなわち、インク流出量が好適となり、所定の筆記距離を走行させたときのインク消費量を基準値以下にすることができる。また、前記のインクの「のり」の観点からの筆記性能を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、ボールペンのボールホルダー先端の構成は、前記の特開2000−168286号公報の図8に示されているように周知であるので、その図示は省略する。
【0015】
冒頭に、本発明における「ボールペン用ボールの表面粗さを、前記ボールの表面の一箇所であって前記ボールの呼び径の10%を直径とする円領域内における値で代表させたとき、」という文言、「3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)」という文言、「3次元パラメータのスキューネス(Rsk)」という文言、「3次元パラメータのクルトシス(Rku)」という文言及び「2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)」という文言のそれぞれの意義を説明する。
なお、2次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)、スキューネス(Rsk)、クルトシス(Rku)及び局部山頂の平均間隔(S)のそれぞれの意義は、前記の表面形状粗さ測定機の説明書等に記載されているから、その説明は簡単に留める。また、局部山頂の平均間隔(S)は、後記の文言の定義から、2次元パラメータのみである。
【0016】
(1)「ボールペン用ボールの表面粗さを、前記ボールの表面の一箇所であって前記ボールの呼び径の10%を直径とする円領域内における値で代表させたとき、」という文言の意義。
ボールは、周知のラッピング(例えば、田中義信、津和秀夫 共著,「精密工作法 下巻」,初版16刷,共立出版(株),昭和49年4月10日,p.352参照)によって均一な表面に仕上げられている。このため、ボールの表面の一箇所における値で、そのボールの表面粗さを代表させることができる。
次に、前記の表面形状粗さ測定機を用いて、非接触でボールの表面粗さを求める場合(ボールは静止したままの状態に置かれる。)を考える。
そうすると、図1に模式的に示すように、ボール1は頂点Pを中心にして周囲へ広がるにつれ低くなるから、測定領域を広げていくと、求める値の信頼性が損なわれることになる。
そこで、本発明者は、種々試みた結果、ボール1の表面粗さを求める領域を呼び径Dの10%を直径とする円内にすれば、呼び径Dが異なったとしても、信頼性のある値が得られるとの判断に至った。
【0017】
(2)「3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)」という文言の意義。
2次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)とは、JIS B0601−1994にも定義されているように、平均線から絶対値偏差の平均値をいう。
ボールとしては、前記の特開平10−250280号公報等に示されているように、ボールホルダー内のボール座を摩耗させにくくする観点から、算術平均粗さ(Ra)の値は小さいことが好ましいと考えられる。但し、算術平均粗さ(Ra)の値が小さすぎると、
▲1▼ 前記のように、インクの「のり」が過小、すなわち、インク流出量が過少になって、筆記線に「かすれ」、「線切れ」又は「濃淡」が生じる。
▲2▼ 筆記面との摩擦が過小になって、筆記面に対してボールが転がらない、すなわち、ボールが滑る。
という問題がある。
ところで、本発明者は、種々のボールの算術平均粗さ(Ra)について、2次元パラメータの値と3次元パラメータの値を比較検討した。その結果、両者は僅差であるため、下記の3次元パラメータのスキューネス(Rsk)及びクルトシス(Rku)と整合させる観点から、3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)を採用した。
【0018】
(3)「3次元パラメータのスキューネス(Rsk)」という文言の意義。
2次元パラメータのスキューネス(Rsk)とは、平均線に対するプロファイル高さの対称性の程度を定量的に表す値をいう。このスキューネス(Rsk)は、下記の表2に示すように、分布が下へ偏ったときに負の値となり、反対に分布が上へ偏ったときに正の値となる。また、スキューネス(Rsk)が負の値のとき、後記のクルトシス(Rku)の値は大きくなる。
ボールとしては、インクの「のり」を好適にする観点から、スキューネス(Rsk)は負の値であることが好ましいと考えられる。
ところで、本発明者は、種々のボールのスキューネス(Rsk)について、2次元パラメータの値と3次元パラメータの値を比較検討した。その結果、2次元パラメータの値は離散して定性的な傾向がない反面、3次元パラメータの値には定性的な傾向があることがわかった。そこで、3次元パラメータのスキューネス(Rsk)の値を採用することにした。
【0019】
【表2】
【0020】
(4)「3次元パラメータのクルトシス(Rku)」という文言の意義。
2次元パラメータのクルトシス(Rku)とは、ADF(変調密度関数)曲線及び表面の「先の尖った状態」の鋭さを定量的に表す値をいう。先の尖った状態は、個々の山及び谷の鋭さを意味しない。ADF曲線が鋭ければ鋭い程、クルトシス(Rku)の値は大きくなる(0〜8の範囲の値をとる。)。
また、上記の表2に示すように、クルトシス(Rku)はプロファイル高さの不揃いの度合いも示し、完全に不揃いな表面の値は3になる。
ボールとしては、ボールホルダー内のボール座を摩耗させにくくする観点から、山が尖っていないこと、すなわち、クルトシス(Rku)の値は大きいことが好ましいと考えられる。
ところで、本発明者は、種々のボールのクルトシス(Rku)について、2次元パラメータの値と3次元パラメータの値を比較検討したところ、前記のスキューネス(Rsk)の場合と同様な結果が得られた。そこで、3次元パラメータのクルトシス(Rku)の値を採用することにした。
【0021】
(5)「2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)」という文言の意義。
2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)とは、前記のJIS B0601−1994にも定義されているように、評価長全体にわたる多数の隣接するローカルピーク(2つの隣接する最小値間の最高点)の平均間隔をいう。
ボールとしては、インクの「のり」を好適にする観点から、局部山頂の平均間隔(S)の値は小さいことが好ましいと考えられる。なお、このように考える理由は、ミクロ的に見たとき、局部山頂の平均間隔(S)の値が小さいものは大きいものに対してボールの表面積が大きくなるからである。
【0022】
ここで、前記の表面形状粗さ測定機を用いて、「呼び径1mmの超硬合金製ボール」の表面粗さを測定した結果の一例を示す。
図2は3次元パラメータとして表示したものであり、図3は図2に示される円の3−3線断面プロファイル、すなわち、2次元パラメータとして表示したものである。
なお、図2中“ Size X 0.10 mm ”という表示は、測定領域がボールの表面の一箇所、すなわち、呼び径1mmの10%である0.1mmを直径とする円内であることを意味する。また、同図中“ Filter Low Wavelen: 0.00132mm ”という表示は、カットオフ値が0.00132mmであることを意味する。
図2の原本はカラー表示であり、中央値は黄色、プラスがわは赤、マイナスがわは青の色相で、それぞれ表示されている。しかし、特許図面はカラー表示できないので、ここに添付の図2は正確なものではないことを注記する。
【0023】
次に、本発明者がラッピング条件を変えて製作した種々の「呼び径1mmの超硬合金製ボール」の表面粗さと、それぞれのボールに対する某ボールペンメーカーの評価について説明する。
下記の表3及び表4は、それぞれ、同一のボールに対してカットオフ値を0.00132mm及び0.05626mmとしたときの粗さパラメータの値とその評価結果を示したものである。なお、
(1)本発明に該当するものを実施例とし、そうではないものを比較例とした。
(2)0.00132mm及び0.05626mmは、前記の表面形状粗さ測定機の解析ソフトウェアに組込まれているカットオフ値の中から選択した。
(3)表面粗さの値は、各製造ロットからランダムに5個のボールを抜き取って測定した平均値を示している。
(4)評価の基準は前記の表1と同様であるので、その説明は省略する。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
上記の表3及び表4から、
(1)カットオフ値を0.00132mmに特定したとき、3次元パラメータのスキューネス(Rsk)の値とクルトシス(Rku)の値との積、すなわち、Rsk×Rku の値と筆記性能には相関関係があることがわかる。具体的には、筆記性能の評価が「〇」になったボールは、−2.5<Rsk×Rku<−1.2 の関係を満足していることがわかる。
(2)3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)の値と2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)の値との比、すなわち、Ra/S の値とインク消費量(インク流出量)には相関関係があることがわかる。具体的には、インク消費量の評価が「〇」になったボールは、0.005<Ra/S<0.012 の関係を満足していることがわかる。
【0027】
そうすると、筆記性能とインク消費量の評価が両者とも「〇」になるボール、すなわち、前記のボールホルダー内のボール座を摩耗させにくいという第1の条件と、インクの「のり」が好適であるという第2の条件を兼ね備えたボールを得るためには、0.00132mmをカットオフ値と定め、このカットオフ値を用いて求めた3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)、スキューネス(Rsk)及びクルトシス(Rku)、並びに2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)のそれぞれの値が、−2.5<Rsk×Rku<−1.2 及び 0.005<Ra/S<0.012 の関係を満足するようにすればよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明のボールは、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
0.00132mmをカットオフ値と定め、このカットオフ値を用いて求めた(1)3次元パラメータのスキューネス(Rsk)の値とクルトシス(Rku)の値との積が −2.5<Rsk×Rku<−1.2 の関係を満足するようにしたから、ボールホルダー内のボール座を摩耗させにくくなり、当初の良好な筆記性能を維持することができる。
(2)3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)の値と2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)の値との比が 0.005<Ra/S<0.012 の関係を満足するようにしたから、インクの「のり」が好適、すなわち、インク流出量が好適となり、所定の筆記距離を走行させたときのインク消費量を基準値以下にすることができる。また、前記のインクの「のり」の観点からの筆記性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ボールペン用ボールの表面粗さを求める領域を呼び径の10%を直径とする円内にする意義を説明するための模式図。
【図2】 表面形状粗さ測定機を用いて「呼び径1mmの超硬合金製ボールペン用ボール」の表面粗さを測定した結果の一例を示し、3次元パラメータとして表示したもの。
【図3】 図2に示される円の3−3線断面プロファイル、すなわち、2次元パラメータとして表示したもの。
【符号の説明】
1 ボールペン用ボール
D ボールペン用ボールの呼び径
Claims (1)
- ボールペン用ボールの表面粗さを、前記ボールの表面の一箇所であって前記ボールの呼び径の10%を直径とする円領域内における値で代表させたとき、0.00132mmをカットオフ値と定め、該カットオフ値を用いて求めた3次元パラメータの算術平均粗さ(Ra)、スキューネス(Rsk)及びクルトシス(Rku)、並びに2次元パラメータの局部山頂の平均間隔(S)のそれぞれの値が、−2.5<Rsk×Rku<−1.2 及び 0.005<Ra/S<0.012 の関係を満足することを特徴とする、
ボールペン用ボール。
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