JP3891513B2 - 筆記具用又は塗布具用チップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筆記具の筆記先端部として、または塗布具の塗布先端部として、ボールをチップ先端部に回転可能に抱持した筆記具用又は塗布具用チップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ボールをチップ先端部に回転可能に抱持した筆記具用又は塗布具用チップとして、チップ本体にボール抱持室を形成し、該ボール抱持室にボールを回転可能に抱持した、あるいは細管の先端内部にボールを回転可能に抱持した細管式の構造のものは知られている。
【0003】
筆記具用又は塗布具用チップに関しては、ボールペンや塗布具として装着して筆記または塗布した際に、筆跡に線かすれや線切れまたは塗布むらが起きないように、良好なインキ性能(インキ流出量)が得られるようにと、その形状などについて、従来より多数の提案がなされている。例えば、実開平7−31382号の公報により、ボールペンチップのボールハウス径とボール径との関係を特定した「ボールペン」や、特開平8−207482号の公報により、インク誘導孔径とボール径の関係、インク誘導孔長さとインク誘導孔径との関係を特定した「ボールペン用金属チップ」等がある。
【0004】
ところで、ボールについては、ボールの摩耗を対策として、あるいは筆感を向上するなどの目的からボールの材質に関する提案はなされているが、それ以外ではボール自体に関する提案はなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、外径が1.2mm未満のボールを用いて多数のボールペンチップを製造し、それらを装着してボールペン等として多数提供してきている。そうした中で、現実問題として、同構造・同寸法のボールペンチップを装着したボールペンにおいて、筆跡に線かすれや線切れまたはぼて等が発生するものが出現するという問題があった。
【0006】
本発明者達は、こうした問題を解明すべく検討した。ボールに着目し、良好な筆跡が得られたボールペンチップのボールと、筆跡に線かすれや線切れ等が生じたボールペンチップのボールについて、種々検討したところ、ボールへのインキの乗りすなわちボールのインキに対する濡れ性にバラツキがあることを知見した。ボールのインキに対する濡れ性は、ボールの表面粗さに左右され、ボールの表面粗さを特定することにより前記問題を解決できることが判り、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題を解消するために、油性インキに用いる筆記具用又は塗布具用チップにおいて、外径が1.2mm未満で、算術平均粗さ(Ra)が0.004μm〜0.010μmであって、最大高さ(Ry)が0.15μmを越えない表面粗さであるタングステンカーバイト系超硬材で形成したボールを、チップ先端部に回転可能に抱持するものである。
【0008】
算術平均粗さ(Ra)とは、表面粗さ測定機(Rank Taylor Hobson社製の機種名:Form-Talysurf-S1F-50)により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
【0009】
【式1】
【0010】
最大高さ(Ry)とは、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から最も高い山頂までの高さ(Yp)と最も低い谷底までの深さ(Yv)との和である。
Ry=Yp+Yv
【0011】
タングステンカーバイト系超硬材で形成したボールの筆記用又は塗布用の油性インキ(以下、単に「インキ」と言う。)に対する濡れ性は、算術平均粗さ(Ra)を特定することによりほぼ決まるが、その値が0.010μmより大きいと、ボールへのインキの濡れ性が大きすぎインキの付着量が多くなる傾向となり、筆跡にぼてが生じやすくなる。また、0.004μm以下では、筆記具においてはボールに対するインキの濡れ性が不十分となり、筆記時に筆跡が線かすれや線切れが生じやすくなり、算術平均粗さ(Ra)は、0.004μm〜0.010μmが好適となる。
【0012】
ところで、いくら算術平均粗さ(Ra)が前記範囲内にはいっていても、最大高さ(Ry)の値が大きい場合には、他の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値の合計が低い場合があり、ボールのインキに対する濡れ性が良いとは言えない場合がある。また、値が大きすぎる場合は、傷であり許されるべきものではない。従って、最大高さ(Ry)の値は、0.15μmを越えてはならない。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、算術平均粗さ(Ra)が0.004μm〜0.010μmであって、最大高さ(Ry)が0.15μmを越えない表面粗さである、外径が1.2mm未満のタングステンカーバイト系超硬材で形成したボールを、チップ本体にボール抱持室とボール座を形成したチップ先端部に回転可能に抱持して、油性インキに用いる筆記具用又は塗布具用チップを形成する。
【0014】
チップ先端部の構造としては、ボール座を有さず、ボールをスプリングで直接にまたは可動子を介してチップ先端縁部側に押圧した構造であっても良い。また、チップ本体をパイプで構成し、ボールの後端を繊維束等の棒状体や針体で保持した、あるいはパイプの壁面を半径方向に凹ませて得られる突起部により保持したチップ構造であっても良い。
【0015】
【実施例】
ボール径(D)が0.7mmで、算術平均粗さ(Ra)および最大高さ(Ry)が表1に示すような値のボールを用いて、前述した実施の形態に基づいて各ボールペンチップを作製した。本発明の寸法関係に該当するものを実施例とし、そうでないものを比較例として通し番号を付した。
【0016】
【表1】
【0017】
各ボールペンチップを、当社で市販している油性インキボールペンのレフィールに挿着し、油性インキボールペンとして作製し、この各油性インキボールペンを、走行試験機により、次の要領で試験及び評価をおこなった。
【0018】
試験方法:筆記角度70度、荷重200g、筆記速度4m/min の諸条件下
で、100mのらせん書きを行ない、筆跡状態を目視観察した。
評価:筆跡に線かすれや線切れおよびぼてがないもの・・・・・・・・・○
筆跡に線かすれや線切れ、またはぼてがあるもの・・・・・・・・×
【0019】
その結果は、表1に示すとおりである。
【0020】
比較例1に示すように、ボールの算術平均粗さ(Ra)の値が低すぎるものは、筆跡に線かすれが生じた。
【0021】
比較例2に示すように、ボールの算術平均粗さ(Ra)の値が高すぎるものは、筆跡にぼてが生じた。
【0022】
【発明の効果】
本発明の筆記具用又は塗布具用チップは前述したような構成なので、同構造・同寸法のチップを装着したボールペンや塗布具においては、筆跡に線かすれや線切れやぼてがなく、または塗布むらがなく、全てのものがほぼ同様の安定したインキ出性能を確保することができる。
Claims (1)
- 外径が1.2mm未満で、算術平均粗さ(Ra)が0.004μm〜0.010μmであって、最大高さ(Ry)が0.15μmを越えない表面粗さであるタングステンカーバイト系超硬材で形成したボールを、チップ先端部に回転可能に抱持したことを特徴とする、油性インキに用いる筆記具用又は塗布具用チップ。
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JP16052297A JP3891513B2 (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 筆記具用又は塗布具用チップ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP16052297A JP3891513B2 (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 筆記具用又は塗布具用チップ |
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Publication Number | Publication Date |
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JP16052297A Expired - Fee Related JP3891513B2 (ja) | 1997-06-03 | 1997-06-03 | 筆記具用又は塗布具用チップ |
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1997
- 1997-06-03 JP JP16052297A patent/JP3891513B2/ja not_active Expired - Fee Related
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