JP4308622B2 - 耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスクおよびその製造方法 - Google Patents
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図1は、C:0.04mass%−Cr:12mass%−Si:0.1mass%−Mn:1.5mass%−N:0.04mass%−Nb:0.12Cr−Ni:0.1mass%−Cu:1.0mass%−Mo:0.03mass%−V:0.05mass%、残部が実質的にFeからなる低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼を、1000〜1150℃の温度に加熱し、10分間保持してから、200℃までを200℃/secの速度で水冷する焼入れ処理をした後、600〜700℃の温度に1hr保持してから空冷する焼戻し処理を施した時の、焼戻し後の硬さに及ぼす焼入れ温度の影響を示したものである。なお、硬さの測定は、焼入れ処理および焼戻し処理した鋼板表層の酸化層を除去してから、ロックウェル硬度計で表面の硬さ(HRC)を測定した。図1から、上記成分組成のステンレス鋼板は、合金元素を多量に添加していないにも拘わらず、1000℃を超える温度に加熱し、焼入れすることにより、焼入れ後の硬さがHRCで32〜38であり、さらに、650℃で1hr保持する焼戻し処理した後でも、HRC 30以上の硬さを維持していることがわかった。本発明は、上記知見に基き開発されたものである。
記
5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C<42 ・・・(1)
0.03≦{C+N−(13/93)Nb}≦0.09 ・・・(2)
記
A群;Mo:0.01〜22.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%のいずれか1種または2種
B群;Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%およびZr:0.02〜0.3mass%のうちから選ばれた1種または2種以上
C群;B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%のいずれか1種または2種
記
5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C<42 ・・・(1)
0.03≦{C+N−(13/93)Nb}≦0.09 ・・・(2)
記
A群;Mo:0.01〜2.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%のいずれか1種または2種
B群;Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%およびZr:0.02〜0.3mass%のうちから選ばれた1種または2種以上
C群;B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%のいずれか1種または2種
Cは、焼入後のブレーキディスクの硬さを決定する元素であり、焼入れ後、適正な硬さ(HRC:32〜38)を確保するためには、0.01mass%以上含有することが好ましい。しかし、0.1mass%を超えて含有すると、粗大なCr炭化物(Cr23C6)を形成して発錆の起点となり、耐食性を低下させるほか、靭性を低下させるので、Cは、0.1mass%以下とする必要がある。なお、耐食性の観点からは、0.05mass%未満とすることが好ましい。
Siは、脱酸剤として添加される元素であり、0.05mass%以上含有することが望ましい。また、Siは、フェライト相安定化元素であり、1.0mass%を超える過剰な添加は、焼入れ性を低下して、焼入れ硬さを下げるほか、靭性を劣化する。そのため、Siは、1.0mass%以下に限定する。靭性の観点からは、好ましくは0.5mass%以下である。
Mnは、高温でのδ−フェライト相の生成を抑制して焼入れ性を向上しするので、安定した焼入れ硬さを得るために有用な元素であり、0.3mass%以上含有することが望ましい。しかし、2.0mass%を超えて含有すると、Sと結合してMnSを形成し、耐食性を低下させることから、2.0mass%以下に限定する。なお、焼入れ性向上のためには、1.0mass%超えが好ましく、より好ましくは1.2mass%超えである。
Crは、ステンレス鋼の特徴である耐食性を向上させる有用な元素であり、十分な耐食性を確保するためには10.5mass%以上含有することが必要である。一方、13mass%以上含有すると、加工性、靭性の低下が著しくなる。そのため、Crは、10.5mass%以上13mass%未満の範囲に制限する。なお、耐食性の観点からは、11.5mass%超とすることが好ましい。
Niは、耐食性を向上し、また、650℃を超える高温でのCr炭化物の析出を遅らせて、過飽和にCを含むマルテンサイト組織の硬さの低下を抑制し、耐焼戻し軟化性の向上に寄与する。さらに、ステンレス鋼の特徴である耐食性を向上すると共に、靭性の改善にも寄与する。それらの効果は、0.01mass%以上の添加で認められる。一方、2.0mass%を超えて添加しても、耐焼戻し軟化性の向上効果は飽和し、含有量に見合う効果が得られなくなるため、2.0mass%以下に限定する。なお、0.5mass%を超えるNiの添加は、Crの拡散速度を低下するため、熱延鋼板の焼鈍時間の大幅な延長を必要とするため、生産性の観点からは、0.5mass%以下として焼鈍時間を10時間程度に抑えることが好ましい。
Cuは、焼戻しを受けた際にε−Cuとして微細に析出し、耐焼戻し軟化性を向上する元素であり、0.5mass%超え添加する。しかし、2.15mass%を超えて添加すると、靭性の劣化を招く。よって、耐焼戻し軟化性を向上するためには0.5mass%超2.15mass%以下の範囲で添加する。なお、靭性の観点からは、1.5mass%未満で含有することが好ましい。
Nbは、焼入後、650℃程度の高温に保持された際に、析出物を形成して析出硬化することにより、耐焼戻し軟化性を改善する元素である。その効果を得るためには、0.02mass%以上添加する必要がある。しかし、0.6mass%を超えて添加すると靭性が低下する。そのため、Nbは0.02〜0.6mass%の範囲に限定する。なお、耐焼戻し軟化性の観点からは、0.08mass%超え、また、靭性の観点からは0.3mass%以下にすることが好ましい。
Nは、Cと同様に、焼入後の鋼の硬さを高める元素である。特に、Nは、500〜700℃の温度範囲で微細なCr窒化物(Cr2N)を形成し、その析出硬化作用により耐焼戻し軟化性を向上させる。このような効果を得るためには、Nを0.03mass%超え含有させる。一方、Nの過度の添加は、靭性の低下を招くので、0.1mass%以下に限定する必要がある。
5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C < 42 ・・・(1)
0.03 ≦ {C+N−(13/93)Nb} ≦ 0.09 ・・・(2)
ここで、Cr,Si,Mo,Nb,Ni,Mn,Cu,NおよびCは、各合金成分の含有量(mass%)
を満たして含有する必要がある。なお、(1)式の左辺、(2)式の中間項の値を計算するに当たっては、Cu:0.01mass%未満、Nb:0.02mass%未満、Mo:0.01mass%未満、Ni:0.01mass%未満の場合には、各元素の含有量は0(ゼロ)として行うものとする。
(1)式は、優れた焼入安定性を確保するための条件を示すものである。ここで「優れた焼入れ安定性」とは、焼入れ加熱時にオーステナイト(γ)相が80vol%以上生成し、空冷以上の速い速度で冷却する焼入れを行った際に、オーステナイト相がマルテンサイト相に変態して所定の焼入れ硬さが安定して確保でき、かつ、オーステナイト領域が広く、焼入れ温度範囲が広いことを意味する。(1)式の左辺の値が42以上では、焼入れ加熱した際に、オーステナイト相が80vol%以上生成しないか、あるいは生成する温度範囲が極端に狭くなり、安定した焼入れ硬さを確保できなくなる。そのため、安定した焼入性を得るためには、(1)式の左辺の値は42未満に規制する必要がある。
(2)式は、焼入れ硬さを所定の適正範囲内とするための条件を示すものである。焼入れ硬さは、C,Nの量と強い相関がある。しかし、Nbと結合し、炭窒化物を形成したC,Nは硬さには寄与しなくなる。そのため、焼入れ後の硬さは、鋼中のC,N量から析出物として消費されたC,N量を差し引いた、(2)式の中間項{C+N−(13/93)Nb}で考える必要がある。(2)式の中間項の値が、0.03未満では焼入れ後の硬さがHRC 32を下回り、一方、0.09を超えると硬さがHRC 38を上回るようになる。従って、焼入後のブレーキディスクの硬さを適正な硬さ(HRC 32〜38)とするためには、(1)式の中間項を0.03〜0.09の範囲に制限する必要がある。
P:0.04mass%以下
Pは、熱間加工性を低下させる元素であり、できる限り低減することが好ましい。しかし、過剰な低減は、製鋼コストの上昇を招くため0.04mass%を上限とすることが好ましい。熱間圧延性の観点からは、含有量を0.03mass%以下にすることがより好ましい。
Sは、Pと同様に、熱間加工性を低下するため低いほど好ましいが、製鋼での脱S処理コストとの兼ね合いから、0.010mass%以下とするのが好ましい。熱間加工性の観点からは、含有量を0.005mass%以下にすることがより好ましい。
Alは、脱酸剤として添加する元素であるが、不純物として過剰に残留していると、耐食性、靭性および表面性状を低下させる。そのため、Alは0.2mass%以下に制限することが好ましく、十分な耐食性を得るためには、0.05mass%以下がより好ましい。
Mo:0.01〜2.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%のうちの1種または2種
Mo,Coは、いずれも耐食性の向上に有効な成分であり、必要に応じて0.01mass%以上添加することができる。特に、Moは、炭窒化物の析出を抑制し、耐焼戻し軟化性を向上する効果も有しており、この効果を安定して得るためには、0.02mass%以上添加することがより好ましい。なお、Moの耐焼戻し軟化性の向上効果は、0.05mass%未満の添加でも十分に得ることができる。一方、Moが2.0mass%、Coが1.0mass%を超えて含有しても、それら元素の耐食性向上効果、あるいはMoの耐焼戻し軟化性の向上効果が飽和し、含有量に見合う効果が得られなくなる。そのため、Moは2.0mass%、Coは1.0mass%を上限とするのが好ましい。
Ti,VおよびZrはいずれも、Nbと同様に、炭窒化物を形成して析出し、耐焼戻し軟化性を向上する元素であり、必要に応じて添加することができる。この耐焼戻し軟化性を向上する効果は、Ti,VおよびZrの各元素とも、0.02mass%以上の添加で得ることができる。特に、Vの効果は大きいので、Vを0.05mass%以上添加することが好ましい。一方、Ti,VおよびZrの各元素の添加量が0.3mass%を超えると靭性の低下が著しくなる。そのため、Ti,VおよびZrは、Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%の範囲で添加することが好ましい。
B,Caは、微量の添加で、鋼の焼入れ性、靭性を高める効果があり、必要に応じてそれぞれ0.0005mass%以上添加することができる。しかしながら、0.0050mass%を超えて添加しても、効果が飽和するばかりでなく、耐食性を低下させるため、0.0050mass%を上限とするのが好ましい。
ステンレス鋼板の製造方法は、特に限定する必要はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、上記成分組成を有する溶鋼を、転炉あるいは電気炉等で溶製し、さらにその溶鋼を、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization)あるいはAOD(Argon Oxygen Decarburization)等で2次精錬し、公知の鋳造方法で鋼素材とする。鋳造方法としては、生産性および品質面からは、連続鋳造法が好ましい。鋼素材は、その後、1100〜1200℃に加熱し、熱間圧延して所定の板厚の熱延鋼帯(鋼板)とする。なお、ブレーキディスク用の素材には、一般に、板厚3〜8mm程度の熱延鋼板が用いられている。この熱延鋼板に、必要に応じて、バッチ式炉で650〜800℃の温度で10hr程度保持する熱延板焼鈍を施し、ディスク素材とするのが好ましい。さらに必要に応じて、酸洗やショットブラスト等を行い脱スケールを行ってもよい。なお、自転車用ブレーキディスクは、その厚さが2mm程度であるため、上記熱延鋼帯を、さらに冷間圧延したのち、600〜800℃の焼鈍と、必要に応じて酸洗処理を行い、ディスク素材としてもよい。
上記のようにして製造したマルテンサイト系ステンレス鋼板を、打ち抜き加工等により所定の寸法のディスク形状に加工し、さらに、制動時に発生する摩擦熱を逃がし制動性を高めるのに効果がある冷却穴等を加工した後、ブレーキパッドが当たる部分である摩擦部を高周波誘導加熱等により所定の焼入れ温度まで加熱し冷却する焼入れ処理を施し、所望の硬さに調整する。次いで、焼入れ処理により表面に生成したスケールをショットブラスト等により除去し、さらに必要に応じて、摩擦部以外の部分や打抜き剪断面に塗装を施し、最後に、機械的精度を出すために上記摩擦部を機械研削して製品(ブレーキディスク)とするのが一般的である
焼入れ温度:1000℃超え
焼入れ温度(焼入れ前の鋼板の加熱温度)は、γ領域内の温度、特に、1000℃超えの温度とすることが重要である。ここで、γ領域とは、オーステナイト相の分率が80vol%以上生成する温度領域を言う。焼入れ温度を1000℃超えとすることにより、適正な焼入れ硬さを確保できると共に、650℃を超える高温に保持された場合でも、硬さ低下が抑制され、耐焼戻し軟化性が著しく向上する。一方、焼入れ温度が1000℃以下では、650℃を超える高温で容易に焼戻されて、硬さの低下が大きくなる。耐焼戻し軟化性の観点からは、焼入れ温度は、好ましくは1050℃超え、より好ましくは1100℃超えとするのがよい。なお、焼入れ温度が1200℃を超えると、δ−フェライトの生成量が多くなり、80vol%以上のオーステナイト(γ)相を得ることができなくなる場合があるため、焼入れ温度は1200℃以下とすることが好ましい。焼入れ安定性の観点からは、1150℃以下がより好ましい。なお、焼入れ温度での保持時間は、フェライト相からオーステナイト相への変態を十分に行う観点から30sec以上とすることが望ましい。また、焼入れのための加熱方法は、特に限定されないが、生産性の観点からは高周波誘導加熱であることが好ましい。
上記焼入れ温度に加熱後、1℃/sec以上の冷却速度でMs点以下、望ましくは200℃以下まで冷却する。冷却速度が1℃/sec未満では、焼入れ温度で生成したオーステナイト相の一部が、フェライト相に変態し、マルテンサイト相の生成量が低下して、適正範囲内の焼入れ硬さを得ることができなくなる。好ましい冷却速度は、5〜500℃/secであるが、安定した焼入れ硬さを得るためには、100℃/sec以上の冷却速度がより好ましい。
上記焼入れ後の試験片を酸洗し、表面のスケールを除去してから、JIS Z 2245に準拠してロックウェル硬度計で試験片表面の硬さ(HRC)を各5点ずつ測定し、その平均値を焼入れ硬さとし、この硬さがHRC 32〜38の範囲内ならば、十分な焼入れ安定性を具えていると評価した。
上記焼入れ後の試験片を、さらに表2に示す条件で、加熱、保持し、空冷する焼戻し処理を施し、この試験片を酸洗して表面のスケールを除去してから、JIS Z 2245に準拠してロックウェル硬度計で試験片表面の硬さ(HRC)を各5点ずつ測定し、その平均値の値を求め、その硬さがHRC 30以上ならば、十分な耐焼戻し軟化性を具えていると評価した。
Claims (7)
- C:0.1mass%以下、
Si:1.0mass%以下、
Mn:2.0mass%以下、
Cr:10.5mass%以上13mass%未満、
Ni:2.0mass%以下、
Cu:0.5mass%超2.15mass%以下、
Nb:0.02〜0.6mass%、
N:0.03mass%超0.1mass%以下を含有し、さらに、
C,N,Nb,Cr,Si,Ni,Mn,MoおよびCuが、下記(1)および(2)式を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有すると共に、1000℃超えの温度から1℃/sec以上で冷却する焼入れ処理後の硬さがHRC32〜38であることを特徴とする耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスク。
記
5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C<42 ・・・(1)
0.03≦{C+N−(13/93)Nb}≦0.09 ・・・(2) - 上記焼入れ処理後のブレーキディスクは、650℃で1hr保持する焼戻し処理後の硬さがHRC30以上であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキディスク。
- 上記成分組成に加えてさらに、Mo:0.01〜2.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%の中から選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキディスク。
- 上記成分組成に加えてさらに、Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキディスク。
- 上記成分組成に加えてさらに、B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のブレーキディスク。
- C:0.1mass%以下、
Si:1.0mass%以下、
Mn:2.0mass%以下、
Cr:10.5mass%以上13mass%未満、
Ni:2.0mass%以下、
Cu:0.5mass%超2.15mass%以下、
Nb:0.02〜0.6mass%、
N:0.03mass%超0.1mass%以下を含有し、さらに、
C,N,Nb,Cr,Si,Ni,Mn,MoおよびCuが下記(1)および(2)式を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するステンレス鋼板を円盤形状に加工し、その後、1000℃超えの温度に加熱してから1℃/sec以上で冷却する焼入れ処理を行うことを特徴とする耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスクの製造方法。
記
5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C<42 ・・・(1)
0.03≦{C+N−(13/93)Nb}≦0.09 ・・・(2) - 上記成分組成に加えてさらに、下記A〜C群のうちの少なくとも1群の成分を含有することを特徴とする請求項6に記載のブレーキディスクの製造方法。
記
A群;Mo:0.01〜2.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%のいずれか1種または2種
B群;Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%およびZr:0.02〜0.3mass%のうちから選ばれた1種または2種以上
C群;B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%のいずれか1種または2種
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