[go: up one dir, main page]

JP4291994B2 - アクリルフィルムおよびその積層品 - Google Patents

アクリルフィルムおよびその積層品 Download PDF

Info

Publication number
JP4291994B2
JP4291994B2 JP2002300665A JP2002300665A JP4291994B2 JP 4291994 B2 JP4291994 B2 JP 4291994B2 JP 2002300665 A JP2002300665 A JP 2002300665A JP 2002300665 A JP2002300665 A JP 2002300665A JP 4291994 B2 JP4291994 B2 JP 4291994B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic
film
weight
polymer
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002300665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004137299A (ja
Inventor
高男 柴田
紀人 土井
繁美 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2002300665A priority Critical patent/JP4291994B2/ja
Priority to EP20020808028 priority patent/EP1555293B1/en
Priority to PCT/JP2002/013279 priority patent/WO2004035683A1/ja
Priority to US10/531,282 priority patent/US7195816B2/en
Priority to DE60231343T priority patent/DE60231343D1/de
Publication of JP2004137299A publication Critical patent/JP2004137299A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4291994B2 publication Critical patent/JP4291994B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のアクリルフィルム及びアクリルフィルム積層品、特に射出成形によるアクリルフィルム積層品に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック、金属製品等の表面を加飾する方法として、直刷り法や転写法がある。しかし、直刷り法は複雑な形状を有する成形品には不適であり、転写法ではコストが高いという課題があった。低コストで加飾性を付与する方法として、アクリル樹脂などのフィルムを真空成形等により予め形状を付与した、または付与しない状態で、射出成形金型にインサートし基材樹脂を射出成形するフィルムインモールド成形法がある。この用途に適したアクリル系フィルムについて種々提案されている。例えば、可塑性重合体の還元粘度、ゴム含有重合体の粒子径、ゴム含有量などを規定する方法(特許文献1)、アクリル系重合体の還元粘度、多層構造アクリル系重合体の含有量を規定する方法(特許文献2及び3)が知られている。これらのフィルムは表面硬度、透明性やフィルム成形性が優れていることが知られている。
【0003】
しかしながら、フィルムの応力白化の課題については何も記載されていない。すなわち、これらフィルムは本用途において、複雑な形状の成形品にフィルムを積層する場合、コーナー等に応力が集中するためフィルムが白化しやすくなり、商品価値を著しく低下させる。更には、真空成形等により予め形状を付与した、または付与しなかったフィルムを用いたフィルムインモールド成形法により得られたフィルム積層品に対して、仕上げ工程で端部のバリを切断する際にフィルムにクラック(割れ)が発生する等の課題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−323934号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平10−279766号公報
【0006】
【特許文献3】
特開平10−306192号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、応力白化が生じにくく、フィルム切断時にクラックが発生しにくいフィルムを開発すべく鋭意検討した結果、特定のアクリル酸エステル系ゴム状重合体を用いた多層構造アクリル系重合体とメタクリル系重合体とからなる樹脂組成物から得られるフィルムが、応力白化が少なく、表面硬度も高く、透明性に優れ、耐候性に優れ、引張破断伸びも大きく、フィルム切断時にクラックが発生しにくく、更に成形性、表面性にも優れることを見出し、本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)アクリル酸エステル系ゴム状重合体を含むアクリル系グラフト共重合体と(B)メタクリル酸メチルを80重量%以上含有するメタクリル系重合体とからなり、任意に無機又は有機系の顔料、染料、熱や光に対する安定性を更に向上させるための抗酸化剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加してもよい樹脂組成物(C)であって、
(1)アクリル酸エステル系ゴム状重合体の含有量が20重量%を超えて30重量%以下、
(2)アクリル酸エステル系ゴム状重合体の平均粒子径が50〜200nm、
(3)上記アクリル酸エステル系ゴム状重合体の平均粒子径d(nm)とアクリル酸エステル系ゴム状重合体に用いられる架橋剤アリルメタクリレート(AIMA)の量w(重量%)との関係が次式を満たし、
0.02d≦w≦0.05d
(4)アクリル系グラフト共重合体(A)のグラフト率が30〜200%、かつ
(5)樹脂組成物(C)のメチルエチルケトン可溶分の還元粘度が0.2〜0.8dl/g
である樹脂組成物を成形してなるアクリルフィルムである。
本発明の積層品は、前記アクリルフィルムを積層したものである。前記積層品は射出成形により製造されたアクリルフィルム積層品である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる樹脂組成物(C)は、アクリル酸エステル系ゴム状重合体を含むアクリル系グラフト共重合体(A)とメタクリル酸メチルを80重量%以上含有するメタクリル系重合体(B)とかなるものであり、アクリル系グラフト共重合体(A)とメタクリル系重合体(B)をそれぞれ重合してこれを混合して得ることができるが、製造に際しては同一の反応機でアクリル系グラフト共重合体(A)を製造した後、メタクリル系重合体(B)を続けて製造することも出来る。混合する方法としてはラテックス状あるいはパウダー、ビーズ、ペレット等で混合が可能である。
【0010】
本発明に用いるアクリル系グラフト共重合体(A)はアクリル酸エステル系ゴム状重合体(アクリル酸エステルを主成分とした架橋ゴム状重合体)の存在下に(メタ)クリル酸エステル単量体を重合して得られる。
【0011】
本発明で用いられるアクリル酸エステル系ゴム状重合体はアクリル酸エステル60〜99重量%、共重合可能な他のビニル系単量体0〜30重量%および特定量の共重合可能な架橋剤からなる単量体混合物を重合させてなるものである。単量体を全部混合して使用してもよく、また単量体組成を変化させて2段以上で使用してもよい。
【0012】
ここで用いられるアクリル酸エステルとしては、重合性やコストの点よりアルキル基の炭素数1〜12のものを用いることができる。その具体例としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル等があげられ、これらの単量体は2種以上併してもよい。アクリル酸エステル量は60〜99重量%が好ましく、70〜99重量%がより好ましく、80〜99重量%が最も好ましい。60重量%以下では耐衝撃性が低下し、引張破断時の伸びが低下し、フィルム切断時にクラックが発生しやすくなるため好ましくない。
【0013】
共重合可能な他のビニル系単量体としては、耐候性、透明性の点より、メタクリル酸エステル類が特に好ましく、その具体例としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等があげられる。また、芳香族ビニル類も好ましく、その具体例としてはスチレン、メチルスチレン等があげられ、シアン化ビニル類も好ましく、その具体例としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリル等があげられる。
【0014】
共重合可能な架橋剤の量は、アクリル酸エステル系ゴム状重合体の平均粒子径と共に応力白化、引張破断時の伸びあるいは透明性に大きく影響する。すなわち、アクリル酸エステル系ゴム状重合体の平均粒子径d(nm)と架橋剤量w(重量%)が次式を満たすことが重要である。
【0015】
0.02d≦w≦0.05
ゴム状重合体の平均粒子径は、50〜200nmであり、好ましくは50〜160nm、より好ましくは50〜120nm、最も好ましくは60〜120nmである。50nm以下では耐衝撃性等が低下し、引張破断時の伸びが低下しフィルム切断時にクラックが発生しやすくなるため好ましくなく、200nm以上では応力白化が発生しやすく、透明性が低下し、更に真空成形後の透明性が低下するため好ましくない。
【0016】
架橋剤の量は、上記式に示される範囲が好ましく、この範囲外では応力白化が発生し、耐衝撃性や透明性が低下し、引張破断時の伸びが低下し、フィルム切断時にクラックが発生しやすく、フィルムの成形性が悪化するため好ましくない。この目的で用いられる架橋剤は通常使用されるものでよく、例えばアリルメタクリレート、アリルアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジビニルアジペート、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチルロールプロパントリメタクリレート、テトメチロールメタンテトラメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレートおよびこれらのアクリレート類などを使用することができる。これらの架橋剤は2種以上使用してもよい。
【0017】
本発明で用いられるアクリル系グラフト共重合体(A)は、前記ゴム状重合体にメタクリル酸エステルを主成分とする単量体混合体を重合させて得られる。好ましくは、前記アクリル酸エステル系ゴム状重合体5〜75重量部の存在下にメタクリル酸エステルを主成分とする単量体混合物95〜25重量部を少なくとも1段階以上で重合させることより得られる。グラフト共重合組成(単量体混合物)中のメタクリル酸エステルは50重量%以上が好ましい。50重量%以下では得られるフィルムの硬度、剛性が低下するため好ましくない。グラフト共重合に用いられる単量体としては、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルであり、具体例としては前記アクリル酸エステル系ゴム状重合体に使用したものが使用可能である。
【0018】
この際、アクリル酸エステル系ゴム状重合体にグラフト反応せずに未グラフトの重合体となる成分が生じる。この成分は共重合体(B)の一部または全部を構成する。グラフト共重合体はメチルエチルケトンに不溶となる。アクリル酸エステル系ゴム状重合体に対するグラフト率は30〜200%であり、より好ましくは50〜200%、最も好ましくは80〜200%の範囲である。グラフト率が30%以下では透明性が低下し、引張破断時の伸びが低下しフィルム切断時にクラックが発生しやすくなるため好ましくなく、200%以上ではフィルム成形時の溶融粘度が高くなりフィルムの成形性が低下するため好ましくない。
【0019】
本発明で用いられるメタクリル系重合体(B)は、メタクリル酸メチルを80重量%以上含有するもの、より好ましくは90重量%以上含有するもの、最も好ましくは92重量%以上含有するものである。メタクリル酸メチルが80重量%以下では、得られるフィルムの硬度、剛性が低下するため好ましくない。
【0020】
本発明で用いられる樹脂組成物(C)中のアクリル酸エステル系ゴム状重合体の含有量は20重量%を超えて30重量%以下が好ましく、20重量%を超えて25重量%以下がより好ましい。20重量%以下では得られるフィルムの引張破断時の伸びが低下しフィルムを切断する際にクラックが発生しやすく、また応力白化が発生しやすくなるため好ましくない。30重量%以上では得られるフィルムの硬度、剛性が低下するため好ましくない。
【0021】
本発明で用いられる樹脂組成物(C)のメチルエチルケトン可溶分の還元粘度は0.2〜0.8dl/gである。0.2dl/g以下では得られるフィルムの引張破断時の伸びが低下しフィルムを切断する際にクラックが発生しやすく、また耐溶剤性が低下するため好ましくなく、0.8dl/g以上ではフィルムの成形性が低下するため好ましくない。
【0022】
本発明で用いられる樹脂組成物(C)のアクリル系グラフト共重合体(A)とメタクリル系重合体(B)の製造方法は特に限定されたものではなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等が適用可能である。
【0023】
乳化重合法においては、通常の重合開始剤が使用される。具体例としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの無機過酸化物や、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、更にアゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性開始剤も使用される。これらは単独又は2種以上組合せ用いられる。これらの開始剤は亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒド、スルフォキシレート、アスコロビン酸、硫酸第一鉄などの還元剤と組み合わせた通常のレドックス型重合開始剤として使用してもよい。前記乳化重合に使用される界面活性剤にも特に制限はなく、通常の乳化重合用の界面活性剤であれば使用することが出来る。例えば、アルキル硫酸ソーダ、アルキルスルフォン酸ソーダ、アルキルベンデンスルフォン酸ソーダ、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリン酸ソーダなどの陰イオン性界面活性剤や、アルキルフェノール類とエチレンオキサイドとの反応生成物などの非イオン性界面活性剤などが示される。これらの界面滑性剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。このように得られる共重合体ラテックスから、通常の凝固と洗浄により、またはスプレー乾燥、凍結乾燥などによる処理により樹脂組成物が分離、回収される。
【0024】
本発明で得られる樹脂組成物(C)は特にフィルムとして有効であり、例えば通常の溶融押出法であるインフレーション法やTダイ押出法、あるいはカレンダー法、更には溶剤キャスト法等により良好に加工される。フィルムの厚みは、30〜500μm程度が適当であり、50〜300μmがより好ましい。また、必要に応じ、樹脂組成物(C)からフィルムを成形する際、フィルム両面をロールまたは金属ベルトに同時に接触させることにより、特にガラス転移温度以上の温度に加熱したロールまたは金属ベルトに同時に接触させることにより、表面性のより優れたフィルムを得ることも可能である。
【0025】
本発明の樹脂組成物(C)には、着色のため無機又は有機系の顔料、染料、熱や光に対する安定性を更に向上させるための抗酸化剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤などを単独又は2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0026】
本発明のフィルムを用いた積層品の製造法は特に制限されるものではないが、特公昭63−6339号、特公平4−9647号、特開平7−9484号、特開平8−323934号、特開平10−279766号等に記載の方法と同様な、フィルムインモールド成形法により製造することが好ましい。すなわち、真空成形等により予め形状を付与した、または付与しなかったフィルムを、射出成形金型間に挿入し、フィルムを挟んだ状態で金型を閉じ型締めし、基材樹脂の射出成形を行うことにより、射出された基材樹脂成形体の表面にフィルムを溶融一体化させることが好ましい。その際、樹脂温度、射出圧力等の射出成形条件は、基材樹脂の種類等を勘案して適宜設定される。
【0027】
本発明で得られるアクリル積層品を構成する基材樹脂は、アクリルフィルムと溶融接着可能なものであることが必要であり、例えばABS樹脂、AS樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、あるいはこれらを主成分とする樹脂が挙げられる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例、比較例により本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例にある「部」は重量部、「%」は重量%を表す。また略号はそれぞれ下記の物質を表す。
【0029】
OSA:ソジウムジオクチルスルホサクネシート
BA:アクリル酸ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
AlMA:アリルメタクリレート
CHP:キュメンハイドロパーオキサイド
tDM:ターシャリードデシルメルカプタン
EA:アクリル酸エチル
特性、評価は次の方法、条件に従った。
(アクリル酸エステル系ゴム状重合体の平均粒子径)
フィルムをルテニウム染色し、透過型電子顕微鏡で観察し、500個の粒子径を測定した。
(グラフト率G)
参考例で製造したパウダーを、メチルエチルケトンに溶解させ、不溶分と可溶分に分離し、不溶分をグラフト分として次式より求めた(単位:%)。
G=(不溶分の重量−ゴム状重合体の重量)/ゴム状重合体の重量×100
(還元粘度)
フィルムをメチルエチルケトンに溶解させ、可溶分を0.3%、N,N−ジメチルホルムアミドで30℃で測定した(単位:dl/g)。
(引張強度、破断時の伸び)
フィルムをJIS号型ダンベルに打抜き、23℃でオートグラフ(株式会社島津製作所製)を用いて引張スピード50mm/分のスピードで測定した(単位:引張強度はMPa、引張破断時の伸びは%)。
(透明性)
フィルムを用い曇値をJIS K 6714に従って測定した(単位:%)。
(鉛筆硬度)
フィルムを用いJIS K 5400に従って測定した。
(フィルムの成形性)
フィルム成形を3時間行い、状況を観察し次の評価をした。
○:フィルムの厚みが均一で、切れずに成形できる。
×:フィルムの厚みが不均一またはフィルム切れが発生する。
(フィルムの表面性)
1m2広さのフィルムの表面を観察し次の評価をした。
○:フィッシュアイ、ダイライン、ヤケが殆ど認められない。
△:フィッシュアイ、ダイライン、ヤケのいずれかが認められる。
×:フィッシュアイ、ダイライン、ヤケのいずれかが著しい。
(応力白化)
フィルムを23℃で180度折り曲げて、白化状態を観察し次の評価をした。
○:白化が認められない。
△:白化がわずか認められる。
×:白化が著しい。
(フィルムの加工性)
フィルムをカッターナイフを用い切断し、次の評価をした。
○:切断面にクラック発生が認められない
△:切断面にクラック発生が認められる
×:切断面にクラック発生が著しく認められる
(参考例1)
撹拌機付き8L重合機に次の物質を仕込んだ。
水 200部
ソジウムオクチルスルホサクシネート 0.2部
エチレンジアミン・2Na 0.001部
硫酸第一鉄 0.00025部
ソジウムホルムアルデヒドスルフォキシレート 0.15部
脱酸素後、内温を60℃にした後、表1に示した単量体混合物(a)を10部/時間の割合で連続的に滴下し、その後30分間後重合を行いアクリル酸エスエル系ゴム状重合体を得た。重合転化率は99.5%であった。その後、ソジウムオクチルスルホサクシネート0.2部を仕込んだ後、表1に示した単量体混合物(b)を12部/時間の割合で連続的に滴下し、その後1時間後重合を行い、アクリル系グラフト共重合体(A)を得た。重合転化率は99.0%、グラフト率は135%、メチルエチルケトン可溶分の還元粘度は0.35dl/gであった。得られたラテックスを酢酸カルシウムで塩析凝固し、水洗、乾燥して樹脂粉末を得た。還元粘度、グラフト率を測定し表1に示した。
【0030】
(参考例2〜9)
参考例2、3、4、5、6、7、8及び9も表1に示す処方で参考例1と同様にして製造した。還元粘度、グラフト率を測定し表1に示した。
【0031】
(参考例10)
同様に乳化重合でMMA92%、BA8%の単量体混合物を用い共重合体を製造した。得られたメタクリル酸エスエル系共重合体の還元粘度は0.36dl/gであった。
【0032】
(参考例11)
懸濁重合で製造したMMA−EA共重合体(住友化学株式会社製スミペックスEX:MMA約95%、EA約5%からなる共重合体、還元粘度0.30dl/g)を用いた。
【0033】
【表1】
Figure 0004291994
(実施例1)
参考例1で得られた重合体100部に対し、紫外線吸収剤としてチヌビン1577(チバスペシャルケミカル社製)1.5部及び酸化防止剤としてスミライザーGM(住友化学社製)0.3部を混合し、ベント式押出機で220℃で押出ペレットを得た。得られたペレットをTダイ押出機でダイス温度240℃で成形し、100μm厚みのフィルムを得た。このフィルムを用いて種々の物性を評価した。結果を表2に示した。
【0034】
(実施例2〜6及び比較例1〜5)
実施例2、3、4、5、6及び比較例1、2、3、4、5も実施例1と同様、表2に示す処方でフィルムを得た。得られたフィルムを用い、種々の物性を評価した。結果を表2に示した。
【0035】
【表2】
Figure 0004291994
【0036】
【発明の効果】
本発明のフィルムは、応力白化がなく、表面硬度も高く、透明性に優れ且つ加熱後の透明性にも優れ、引張破断時の伸びが高く、フィルム成形性、表面性および加工性(フィルム切断時にクラックが発生しにくい)に優れていることがわかる。

Claims (3)

  1. (A)アクリル酸エステル系ゴム状重合体を含むアクリル系グラフト共重合体と(B)メタクリル酸メチルを80重量%以上含有するメタクリル系重合体とからなり、任意に無機又は有機系の顔料、染料、熱や光に対する安定性を更に向上させるための抗酸化剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加してもよい樹脂組成物(C)であって、
    (1)アクリル酸エステル系ゴム状重合体の含有量が20重量%を超えて30重量%以下、
    (2)アクリル酸エステル系ゴム状重合体の平均粒子径が50〜200nm、
    (3)上記アクリル酸エステル系ゴム状重合体の平均粒子径d(nm)とアクリル酸エステル系ゴム状重合体に用いられる架橋剤アリルメタクリレート(AIMA)の量w(重量%)との関係が次式を満たし、
    0.02d≦w≦0.05d
    (4)アクリル系グラフト共重合体(A)のグラフト率が30〜200%、かつ
    (5)樹脂組成物(C)のメチルエチルケトン可溶分の還元粘度が0.2〜0.8dl/g
    である樹脂組成物を成形してなるアクリルフィルム。
  2. 請求項1に記載のアクリルフィルムを積層した積層品。
  3. 請求項2に記載の積層品が射出成形により製造されたものであるアクリルフィルム積層品。
JP2002300665A 2002-10-15 2002-10-15 アクリルフィルムおよびその積層品 Expired - Lifetime JP4291994B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002300665A JP4291994B2 (ja) 2002-10-15 2002-10-15 アクリルフィルムおよびその積層品
EP20020808028 EP1555293B1 (en) 2002-10-15 2002-12-19 Acrylic film and laminates comprising the same
PCT/JP2002/013279 WO2004035683A1 (ja) 2002-10-15 2002-12-19 アクリルフィルムおよびその積層品
US10/531,282 US7195816B2 (en) 2002-10-15 2002-12-19 Acrylic film and laminates comprising the same
DE60231343T DE60231343D1 (de) 2002-10-15 2002-12-19 Acrylfolie und diese enthaltende laminate

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002300665A JP4291994B2 (ja) 2002-10-15 2002-10-15 アクリルフィルムおよびその積層品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004137299A JP2004137299A (ja) 2004-05-13
JP4291994B2 true JP4291994B2 (ja) 2009-07-08

Family

ID=32449288

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002300665A Expired - Lifetime JP4291994B2 (ja) 2002-10-15 2002-10-15 アクリルフィルムおよびその積層品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4291994B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013051239A1 (ja) 2011-10-05 2013-04-11 株式会社カネカ 耐折曲げ白化性および割れ性に優れたアクリル樹脂フィルム
WO2014041803A1 (ja) 2012-09-13 2014-03-20 株式会社カネカ アクリル系樹脂フィルム
WO2019181752A1 (ja) * 2018-03-22 2019-09-26 株式会社カネカ アクリル系樹脂フィルム、積層フィルム、積層フィルムの製造方法、及び成形品

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4685426B2 (ja) * 2004-12-10 2011-05-18 三菱レイヨン株式会社 耐衝撃性樹脂組成物
US7413624B2 (en) * 2005-04-21 2008-08-19 Sabic Innovative Plastics Ip B.V. Method for making multilayer articles having special visual effects
WO2006134973A1 (ja) * 2005-06-14 2006-12-21 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 被覆用樹脂組成物及びそれを用いた積層成形品
JP2009024112A (ja) * 2007-07-20 2009-02-05 Kaneka Corp メタクリル系樹脂組成物
JP5220500B2 (ja) * 2008-07-11 2013-06-26 株式会社カネカ 外観意匠性を改善したアクリル系樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2010037386A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Asahi Kasei Chemicals Corp 耐衝撃性メタクリル系樹脂キャスト板及びその製造方法
JP2011153291A (ja) * 2009-12-28 2011-08-11 Sumitomo Chemical Co Ltd 多層重合体粒子
JP5711575B2 (ja) * 2011-03-11 2015-05-07 株式会社カネカ アクリル樹脂フィルム
CN114502646B (zh) * 2020-07-20 2024-04-02 株式会社Lg化学 热塑性树脂及其制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013051239A1 (ja) 2011-10-05 2013-04-11 株式会社カネカ 耐折曲げ白化性および割れ性に優れたアクリル樹脂フィルム
US10253175B2 (en) 2011-10-05 2019-04-09 Kaneka Corporation Acrylic resin film having excellent resistance to whitening on bending and excellent cracking resistance
WO2014041803A1 (ja) 2012-09-13 2014-03-20 株式会社カネカ アクリル系樹脂フィルム
WO2019181752A1 (ja) * 2018-03-22 2019-09-26 株式会社カネカ アクリル系樹脂フィルム、積層フィルム、積層フィルムの製造方法、及び成形品
US11760855B2 (en) 2018-03-22 2023-09-19 Kaneka Corporation Acrylic resin film, laminated film, production method for laminated film, and molded article

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004137299A (ja) 2004-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1908797B1 (en) Methacrylic resin composition
JP3433892B2 (ja) 加工性良好なアクリルフィルム、およびそのアクリルフィルムを積層した成形品
JP4958552B2 (ja) フッ化ビニリデン系樹脂フィルム
JP3664575B2 (ja) メタクリル酸エステル系樹脂組成物及びそれを成形してなるフィルム
JP4291994B2 (ja) アクリルフィルムおよびその積層品
JP5052128B2 (ja) メタクリル系樹脂組成物、メタクリル系樹脂フィルムおよび該フィルム積層塩化ビニル系成形体
JP4291993B2 (ja) アクリルフィルムおよびその積層品
EP2518093B1 (en) Acrylic resin composition and molded article of acrylic resin
JP5534650B2 (ja) 外観意匠性を改善したアクリル系樹脂フィルム
JP6666835B2 (ja) メタクリル系樹脂組成物
US7195816B2 (en) Acrylic film and laminates comprising the same
JP4836362B2 (ja) アクリルフィルムおよびその積層品
CN100482703C (zh) 甲基丙烯酸系树脂组合物、甲基丙烯酸系树脂薄膜与该薄膜层合氯乙烯系成型体
JP3686525B2 (ja) 耐折曲白化性に優れた艶消し熱可塑性樹脂組成物及びフィルム
JP4923501B2 (ja) メタクリル系樹脂組成物からなる成形品
JP2001081266A (ja) 艶消し熱可塑性樹脂フィルム
JP3946979B2 (ja) 低温加工特性、耐擦り傷性に優れるメタクリル系樹脂組成物
JP2008013660A (ja) 熱分解を抑制したメタクリル系樹脂組成物
JP2004331866A (ja) 低温加工特性および耐擦り傷性に優れる熱可塑性樹脂組成物
JP2003327633A (ja) メタクリル系樹脂組成物
JP2009024112A (ja) メタクリル系樹脂組成物
JP2009035636A (ja) メタクリル系樹脂組成物
JP2004204188A (ja) 低温加工特性、耐擦り傷性に優れるメタクリル系樹脂組成物
JP2019189849A (ja) アクリル樹脂組成物及びフィルム、並びに積層体
JP5702617B2 (ja) メタクリル系樹脂フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080617

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080724

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081031

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090310

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4291994

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120410

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130410

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140410

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term