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JP4289059B2 - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御装置 Download PDF

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JP4289059B2 JP2003270301A JP2003270301A JP4289059B2 JP 4289059 B2 JP4289059 B2 JP 4289059B2 JP 2003270301 A JP2003270301 A JP 2003270301A JP 2003270301 A JP2003270301 A JP 2003270301A JP 4289059 B2 JP4289059 B2 JP 4289059B2
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Description

本発明は車両用自動変速機の油圧制御装置に係り、特に、運転者のスイッチ操作などに従って電気的に前後進を切り換える油圧制御装置に関するものである。
前進用油圧によって前進変速段が成立させられるとともに後進用油圧によって後進変速段が成立させられる車両用自動変速機の油圧制御装置が広く用いられており、一般に、運転者のシフトレバー操作に従ってマニュアルバルブが機械的に移動させられることにより、油圧回路が切り換えられて上記前進変速段や後進変速段、動力伝達を遮断するニュートラルなどが成立させられるようになっている。これに対し、近年、運転者のスイッチ操作に従って電気的に自動変速機の前後進を切り換えることが提案されており、例えば特許文献1では、2本のソレノイドバルブ(S3、S4)と3本の切換バルブを用いて、前進変速段、後進変速段、およびニュートラルを切り換えるようになっている。すなわち、同文献の図4に示されているように、ソレノイドバルブS3およびS4が共にONの時に後進変速段が成立させられ、共にOFFの時にニュートラルが成立させられ、S3がONでS4がOFFの時に前進変速段が成立させられる。
特開平5−209683号公報
ところで、このような従来の油圧制御装置においては、ソレノイドバルブS4が断線などでOFFフェールすると、後進変速段が前進変速段に変化するため、後進走行用スイッチが選択操作された時に前進しないように、例えばソレノイドバルブS4のフェール時に後進走行用スイッチが選択操作された場合にはソレノイドバルブS3もOFFにしてニュートラルにするなどのフェールセーフを電気的に達成する必要があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、ソレノイドバルブ等の切換装置のフェールによって前後進が変化しないようにすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、前進用油圧によって前進変速段が成立させられるとともに後進用油圧によって後進変速段が成立させられる車両用自動変速機の油圧制御装置において、(a) 前記前進用油圧の出力、出力停止を切り換える前進用バルブと、(b) 前記後進用油圧の出力、出力停止を切り換える後進用バルブと、(c) 前進切換信号のONまたはOFFで前進切換油圧を出力することにより、前記前進用バルブを出力状態に切り換える前進切換装置と、(d) 後進切換信号のONまたはOFFで後進切換油圧を出力することにより、前記後進用バルブを出力状態に切り換える後進切換装置と、を有し、且つ、(e) 前記前進用バルブは、前記後進切換油圧が出力された時には前記前進切換油圧の有無に拘らず前記前進用油圧の出力停止状態に保持され、前記後進用バルブは、前記前進切換油圧が出力された時には前記後進切換油圧の有無に拘らず前記後進用油圧の出力停止状態に保持されるもので、(f) 前記前進切換油圧が出力され且つ前記後進切換油圧が出力停止されることにより、前記前進用バルブから前記前進用油圧が出力されて前記前進変速段が成立させられ、(g) 前記後進切換油圧が出力され且つ前記前進切換油圧が出力停止されることにより、前記後進用バルブから前記後進用油圧が出力されて前記後進変速段が成立させられ、(h) 前記前進切換油圧および前記後進切換油圧が共に出力停止されることにより、前記前進用油圧および前記後進用油圧が共に出力停止状態となり、動力伝達を遮断するニュートラルが成立させられ、(i) 前記前進切換油圧および前記後進切換油圧が共に出力される場合も、前記前進用油圧および前記後進用油圧が共に出力停止状態となって前記ニュートラルが成立させられることを特徴とする。
発明は、第発明の車両用自動変速機の油圧制御装置において、(a) 前記前進切換装置は、前記前進切換信号がOFFの時に前記前進切換油圧を出力するもので、(b) 前記後進切換装置は、前記後進切換信号がONの時に前記後進切換油圧を出力するものであることを特徴とする。
第1発明の油圧制御装置においては、前進変速段と後進変速段とで前進切換装置および後進切換装置の作動状態が何れも異なるため、前進切換信号または後進切換信号の電気的フェール(断線やショート)などでそれ等の前進切換装置および後進切換装置の何れか一つがフェールしただけでは、前後進が変化する恐れがなく、フェールセーフ対策が容易になる。また、本発明では2つの切換装置と2つのバルブによって前後進を切り換えることができるため、装置が簡単で安価に構成される。
また、前進切換装置および後進切換装置の何れか一つがフェールしても、運転者のスイッチ操作などで他方の切換装置の作動状態が切り換えられることにより、前後進の何れか一方の走行状態とニュートラルが成立させられるため、リンプホーム等の必要最小限の走行を確保することができる。更に、前進切換装置から前進切換油圧が出力されると後進用バルブは出力停止状態になり、後進切換装置から後進切換油圧が出力されると前進用バルブは出力停止状態になるため、何らかのフェールで前進用油圧および後進用油圧が共に出力されて自動変速機がロック状態になる恐れがない。
発明では、車両の使用頻度が最も高い前進走行時に、前進切換信号がOFFとされて前進切換装置から前進切換油圧が出力されるとともに、後進切換信号がOFFとされて後進切換油圧が出力停止されることにより、前進用バルブから前進用油圧が出力されるため、前進切換信号および後進切換信号が何れもOFFで消費電流が低減され、燃費が向上する。また、故障の中で最も可能性が高いのは、断線や接触不良により通電が遮断される場合であるが、本発明では前進切換信号または後進切換信号が電気的フェールでOFFになった場合、後進走行は不可であるが前進走行およびニュートラルが可能であるため、後進走行が可能な場合に比較してリンプホーム等の非常時の走行が容易である。
本発明は、例えばクラッチやブレーキ等の油圧式摩擦係合装置の係合、解放によって変速が行われる遊星歯車式の自動変速機に好適に適用されるが、油圧に基づいて前後進が切り換えられる種々の自動変速機に適用され得る。一般に、前進変速段では変速比が異なる複数の変速段が成立させられるが、少なくとも前後進が切り換えられるようになっておれば良く、複数の前進変速段は必ずしも必要ないとともに、変速比を変化させる有段変速機や無段変速機が別に設けられても良い。
前進切換装置および後進切換装置は、例えば前進切換信号、後進切換信号としての励磁電流によりソレノイドが励磁されることにより油路を開閉するソレノイドバルブなどで、その場合は、励磁電流の通電によるソレノイドの励磁が前進切換信号、後進切換信号のONを意味し、励磁電流の非通電によるソレノイドの非励磁が前進切換信号、後進切換信号のOFFを意味する。前進切換信号および後進切換信号は、例えば前進走行レンジ、後進走行レンジ、およびニュートラルを選択できるレンジ選択スイッチの選択操作に応じて出力されるように構成される。
また、前進用バルブおよび後進用バルブは、例えば通常はスプリングや油圧等の付勢手段により出力停止状態に保持され、その付勢手段と反対方向に前進切換油圧、後進切換油圧等が作用させられることより、スプール等の弁体が移動して出力状態に切り換えられるように構成される。更に、例えば上記付勢手段と同じ方向へ弁体を付勢するように、前進用バルブには後進切換油圧が導入され、後進用バルブには前進切換油圧が導入されるように構成される。
また、前進切換油圧および後進切換油圧が共に出力停止の場合、および前進切換油圧および後進切換油圧が共に出力の場合に、何れもニュートラルが成立させられるが、何れか一方を通常時のニュートラルとして設定し、フェールによって通常時のニュートラルが不可の場合に他方のニュートラルを成立させるように構成することが望ましい。
発明では、前進切換信号がOFFの時に前進切換油圧が出力されるとともに、後進切換信号がONの時に後進切換油圧が出力されるが、第発明の実施に際しては、この他に(a) 前進切換信号がONの時に前進切換油圧が出力されるとともに、後進切換信号がONの時に後進切換油圧が出力されるようにする、(b) 前進切換信号がOFFの時に前進切換油圧が出力されるとともに、後進切換信号がOFFの時に後進切換油圧が出力されるようにする、或いは(c) 前進切換信号がONの時に前進切換油圧が出力されるとともに、後進切換信号がOFFの時に後進切換油圧が出力されるようにする、の3つの組合せが可能である。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1の(a) は、本発明が適用された車両用自動変速機10の骨子図で、(b) は複数の変速段を成立させる際の係合要素を説明する作動表である。この車両用自動変速機10は、FF車両などの横置き用のもので、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16およびダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18を主体として構成されている第2変速部20とを同軸線上に有し、入力軸22の回転を変速して出力歯車24から出力する。入力軸22は入力部材に相当するもので、走行用駆動源としてのエンジン48(図2参照)によって回転駆動されるトルクコンバータのタービン軸などであり、出力歯車24は出力部材に相当するもので、差動歯車装置を介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、この車両用自動変速機10は中心線に対して略対称的に構成されており、図1(a) では中心線の下半分が省略されている。
上記第1変速部14を構成している第1遊星歯車装置12は、サンギヤS1、プラネタリキャリアCA1、およびリングギヤR1の3つの回転要素を備えており、サンギヤS1が入力軸22に連結されて回転駆動されるとともに、リングギヤR1が第3ブレーキB3を介して回転不能にケース26に固定されることにより、プラネタリキャリアCA1が中間出力部材として入力軸22に対して減速回転させられて出力する。また、第2変速部20を構成している第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18は、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM1〜RM4が構成されており、具体的には、第3遊星歯車装置18のサンギヤS3によって第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置16のリングギヤR2および第3遊星歯車装置18のリングギヤR3が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成され、第2遊星歯車装置16のプラネタリキャリアCA2および第3遊星歯車装置18のプラネタリキャリアCA3が互いに連結されて第3回転要素RM3が構成され、第2遊星歯車装置16のサンギヤS2によって第4回転要素RM4が構成されている。上記第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18は、プラネタリキャリアCA2およびCA3が共通の部材にて構成されているとともに、リングギヤR2およびR3が共通の部材にて構成されており、且つ第2遊星歯車装置16のプラネタリギヤが第3遊星歯車装置18の第2プラネタリギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
上記第1回転要素RM1(サンギヤS3)は第1ブレーキB1によって選択的にケース26に連結されて回転停止させられ、第2回転要素RM2(リングギヤR2、R3)は第2ブレーキB2によって選択的にケース26に連結されて回転停止させられ、第4回転要素RM4(サンギヤS2)は第1クラッチC1を介して選択的に前記入力軸22に連結され、第2回転要素RM2(リングギヤR2、R3)は第2クラッチC2を介して選択的に入力軸22に連結され、第1回転要素RM1(サンギヤS3)は中間出力部材である前記第1遊星歯車装置12のプラネタリキャリアCA1に一体的に連結され、第3回転要素RM3(プラネタリキャリアCA2、CA3)は前記出力歯車24に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。第1ブレーキB1〜第3ブレーキB3、第1クラッチC1、第2クラッチC2は、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる多板式の油圧式摩擦係合装置である。
そして、運転者によって選択されるシフトレンジR、N、Dに応じてソレノイドバルブSR、SD(図2参照)の励磁、非励磁が切り換えられることにより、前進走行用のDレンジ圧PD、後進走行用のRレンジ圧PRの出力がON、OFFされ、前記クラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3が図1(b) に示すように係合、解放されて、後進変速段や前進変速段、ニュートラルが成立させられる。Dレンジの前進変速段ではまた、ソレノイドバルブSL1〜SL5(図2参照)の励磁、非励磁が切り換えられることにより、クラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3の係合、解放状態が変更され、変速比が異なる第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」の各変速段が成立させられる。図1(b) の作動表の「○」は係合、「×」は解放を表しており、各変速段の変速比は、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、および第3遊星歯車装置18の各ギヤ比ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。
図2は、図1の自動変速機10やエンジン48などを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図で、アクセルペダル50の操作量ACCがアクセル操作量センサ51により検出されるようになっている。アクセルペダル50は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるもので、アクセル操作部材に相当し、アクセルペダル操作量ACCは出力要求量に相当する。エンジン48の吸気配管には、スロットルアクチュエータ54によってアクセルペダル操作量ACCに応じた開き角(開度)θTHとされる電子スロットル弁56が設けられている。また、アイドル回転速度制御のために上記電子スロットル弁56をバイパスさせるバイパス通路52には、エンジン48のアイドル回転速度NEIDL を制御するために電子スロットル弁56の全閉時の吸気量を制御するISC(アイドル回転速度制御)バルブ53が設けられている。この他、エンジン48の回転速度NEを検出するためのエンジン回転速度センサ58、エンジン48の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ60、吸入空気の温度TA を検出するための吸入空気温度センサ62、上記電子スロットル弁56の全閉状態(アイドル状態)およびその開度θTHを検出するためのアイドルスイッチ付スロットルセンサ64、車速V(出力歯車24の回転速度NOUT に対応)を検出するための車速センサ66、エンジン48の冷却水温TW を検出するための冷却水温センサ68、ブレーキの作動を検出するためのブレーキスイッチ70、運転者によって選択操作されるレンジ選択スイッチ74、タービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度NIN)を検出するためのタービン回転速度センサ76、油圧制御回路98内の作動油の温度であるAT油温TOIL を検出するためのAT油温センサ78などが設けられており、それらのセンサから、エンジン回転速度NE、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロットル弁開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの作動状態BK、選択されたシフトレンジPSH、タービン回転速度NT、AT油温TOIL などを表す信号が電子制御装置90に供給されるようになっている。レンジ選択スイッチ74は、前進変速段を成立させるDレンジ、後進変速段を成立させるRレンジ、または動力伝達を遮断するNレンジの何れかを電気的に選択するもので、シフトレバーに相当するものである。
電子制御装置90は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン48の出力制御や自動変速機10の変速制御などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と変速制御用とに分けて構成される。
図3の(a) は、前記レンジ選択スイッチ74の選択操作に従って前記車両用自動変速機10を前進変速段、後進変速段、および動力伝達を遮断するニュートラルに切り換えるための油圧回路図で、前記電子制御装置90、ソレノイドバルブSR、SDの他、後進用油圧としてのRレンジ圧PRを出力する後進用バルブ100、および前進用油圧としてのDレンジ圧PDを出力する前進用バルブ102を備えている。ソレノイドバルブSRは後進切換装置に相当するもので、本実施例ではノーマリークローズ(N/C)タイプが用いられており、電子制御装置90から後進切換信号として励磁電流SSRが供給されることにより後進切換油圧PSRを出力するとともに、励磁電流SSRの供給が停止すると後進切換油圧PSRの出力を停止する。ソレノイドバルブSDは前進切換装置に相当するもので、本実施例ではノーマリーオープン(N/O)タイプが用いられており、電子制御装置90から前進切換信号として励磁電流SSDが供給されることにより前進切換油圧PSDの出力を停止するとともに、励磁電流SSDの供給が停止すると前進切換油圧PSDを出力する。
後進用バルブ100は、通常はスプリング104によりRレンジ圧PRの出力を停止する出力停止状態に保持されるが、前記ソレノイドバルブSRから後進切換油圧PSRが供給されることにより、スプリング104の付勢力に抗してスプールが移動させられ、ライン油圧PLをRレンジ圧PRとして出力する出力状態に切り換えられる。後進用バルブ100にはまた、前記ソレノイドバルブSDから出力された前進切換油圧PSDが油路106を介して導入され、スプリング104の付勢方向と同じ方向へスプールが付勢されることにより、後進切換油圧PSRの有無に拘らずRレンジ圧PRの出力を停止する出力停止状態に保持される。
前進用バルブ102も上記後進用バルブ100と同様に構成されており、通常はスプリング108によりDレンジ圧PDの出力を停止する出力停止状態に保持されるが、前記ソレノイドバルブSDから前進切換油圧PSDが供給されることにより、スプリング108の付勢力に抗してスプールが移動させられ、ライン油圧PLをDレンジ圧PDとして出力する出力状態に切り換えられる。また、前記ソレノイドバルブSRから出力された後進切換油圧PSRが油路110を介して導入され、スプリング108の付勢方向と同じ方向へスプールが付勢されることにより、前進切換油圧PSDの有無に拘らずDレンジ圧PDの出力を停止する出力停止状態に保持される。
図3の(b) は、レンジ選択スイッチ74による選択レンジと上記ソレノイドバルブSR、SDの励磁「○」、非励磁「×」、後進切換油圧PSRおよび前進切換油圧PSDの出力「○」、出力停止「×」、およびRレンジ圧PR、Dレンジ圧PDの出力状態をまとめて示したもので、ソレノイドバルブSR、SDの励磁、非励磁は、前記レンジ選択スイッチ74によって選択されたシフトレンジに応じて電子制御装置90から供給される励磁電流SSR、SSDのON(通電)、OFF(非通電)によって切り換えられる。なお、図3(b) の最下段の「N(フェール」は、断線やショートなどのフェールで通常時のニュートラル「N」が不可の場合に成立させるもので、具体的にはソレノイドバルブSRがONフェールして非励磁にできない場合、或いはソレノイドバルブSDがOFFフェールして励磁できない場合に成立させられる。
図4〜図7は、各シフトレンジおよびN(フェール)について具体的に説明する図で、それぞれ点線は出力停止状態を表している。図4は、レンジ選択スイッチ74によりRレンジが選択された場合で、電子制御装置90は、励磁電流SSRを出力してソレノイドバルブSRを励磁するとともに、励磁電流SSDを出力してソレノイドバルブSDを励磁する。これにより、後進切換油圧PSRが出力されるとともに前進切換油圧PSDの出力が停止され、後進切換油圧PSRによって後進用バルブ100が出力状態に切り換えられることにより、Rレンジ圧PRが出力されて自動変速機10は後進変速段が成立させられる。
図5は、レンジ選択スイッチ74によりNレンジが選択された場合で、電子制御装置90は、励磁電流SSRの出力を停止してソレノイドバルブSRを非励磁にするとともに、励磁電流SSDを出力してソレノイドバルブSDを励磁する。これにより、後進切換油圧PSRおよび前進切換油圧PSDが何れも出力停止させられ、後進用バルブ100および前進用バルブ102が何れも出力停止状態に保持されてRレンジ圧PR、Dレンジ圧PDが何れも出力されず、自動変速機10は動力伝達を遮断するニュートラルとされる。
図6は、レンジ選択スイッチ74によりDレンジが選択された場合で、電子制御装置90は、励磁電流SSRおよびSSDの出力を何れも停止してソレノイドバルブSRおよびSDを何れも非励磁にする。これにより、後進切換油圧PSRの出力が停止されるとともに前進切換油圧PSDが出力され、前進切換油圧PSDによって前進用バルブ102が出力状態に切り換えられることにより、Dレンジ圧PDが出力されて自動変速機10は前進変速段が成立させられる。
図7は、ソレノイドバルブSRがONフェールして非励磁にできないか、またはソレノイドバルブSDがOFFフェールして励磁できない時に、自動変速機10をニュートラルにする場合で、電子制御装置90は、ソレノイドバルブSRがONフェールの時には他方の励磁電流SSDの出力を停止する一方、ソレノイドバルブSDがOFFフェールの時には他方の励磁電流SSRを出力する。これにより、何れの場合もソレノイドバルブSRが励磁されるとともにソレノイドバルブSDが非励磁とされ、後進切換油圧PSRおよび前進切換油圧PSDが何れも出力されて、後進用バルブ100、前進用バルブ102が何れも出力停止状態に保持され、Rレンジ圧PR、Dレンジ圧PDが何れも出力されずに自動変速機10がニュートラルとされる。
このように、本実施例の油圧制御装置においては、前進変速段を成立させるDレンジと後進変速段を成立させるRレンジとで、ソレノイドバルブSRおよびSDの作動状態すなわち励磁電流SSDおよびSSRの出力状態が何れも相違する。すなわち、DレンジではソレノイドバルブSRおよびSDが何れも非励磁とされる一方、RレンジではソレノイドバルブSRおよびSDが何れも励磁される。このため、断線やショートなどで何れか一方がフェールしただけでは、出力油圧PR、PDが変化して前後進が切り換わる恐れがなく、フェールセーフ対策が容易になる。
また、DレンジとRレンジとでソレノイドバルブSRおよびSDの作動状態が何れも異なることから、ソレノイドバルブSRおよびSDの何れか一方がフェールしても、レンジ選択スイッチ74の操作などで他方のソレノイドバルブSDまたはSRの作動状態が切り換えられることにより、前後進の何れか一方の変速段が成立させられるとともに、ニュートラルNまたはN(フェール)が可能であるため、リンプホーム等の必要最小限の走行を確保することができる。特に、故障の中で最も可能性が高いのは、断線や接触不良によりソレノイドバルブSR、SDがOFFフェール(非励磁)する場合であるが、本実施例ではDレンジではソレノイドバルブSR、SDが何れも元々非励磁であるため、何れか一方がOFFフェールしてもDレンジで前進変速段が成立させられ、前進走行によりリンプホーム等の非常時の走行を容易に行うことができる。
また、車両の使用頻度が最も高い前進走行のDレンジでソレノイドバルブSRおよびSDが何れも非励磁とされるため、消費電流が低減されて燃費が向上する。
また、後進用バルブ100は、前進用のソレノイドバルブSDから前進切換油圧PSDが出力されると後進切換油圧PSRの有無に拘らずRレンジ圧PRの出力を停止する出力停止状態に保持され、前進用バルブ102は、後進用のソレノイドバルブSRから後進切換油圧PSRが出力されると前進切換油圧PSDの有無に拘らずDレンジ圧PDの出力を停止する出力停止状態に保持されるため、何らかのフェールでRレンジ圧PRおよびDレンジ圧PDが共に出力されて自動変速機10がロック状態になる恐れがない。
また、2つのソレノイドバルブSR、SDと後進用バルブ100および前進用バルブ102の計4本のバルブで前後進を切り換えることができるため、装置が簡単で安価に構成される。
なお、上記実施例ではソレノイドバルブSRとしてノーマリークローズタイプが用いられ、ソレノイドバルブSDとしてノーマリーオープンタイプが用いられるため、DレンジでソレノイドバルブSRおよびSDが何れも非励磁とされるが、基本的にはDレンジとRレンジとでソレノイドバルブSRおよびSDの作動状態が何れも相違するようになっておれば良く、図8の(a) 〜(c) のように構成することも可能である。すなわち、図8の(a) は、励磁電流SSRがONの時に後進切換油圧PSRを出力するノーマリークローズ(N/C)タイプのソレノイドバルブSR、および励磁電流SSDがONの時に前進切換油圧PSDを出力するノーマリークローズ(N/C)タイプのソレノイドバルブSDが用いられた場合で、(b) は、励磁電流SSRがOFFの時に後進切換油圧PSRを出力するノーマリーオープン(N/O)タイプのソレノイドバルブSR、および励磁電流SSDがOFFの時に前進切換油圧PSDを出力するノーマリーオープン(N/O)タイプのソレノイドバルブSDが用いられた場合で、(c) は、励磁電流SSRがOFFの時に後進切換油圧PSRを出力するノーマリーオープン(N/O)タイプのソレノイドバルブSR、および励磁電流SSDがONの時に前進切換油圧PSDを出力するノーマリークローズ(N/C)タイプのソレノイドバルブSDが用いられた場合である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例である油圧制御装置を備えている車両用自動変速機を説明する図で、(a) は骨子図、(b) は各変速段を成立させるための作動表である。 図1の自動変速機を含む車両駆動装置の制御系統を説明するブロック線図である。 図1の自動変速機の前後進を切り換えるための油圧制御装置を説明する図で、(a) は油圧回路図、(b) は各シフトレンジにおける各部の作動状態を説明する図で 図3において、Rレンジが選択された場合の各部の作動状態を具体的に説明する図である。 図3において、Nレンジが選択された場合の各部の作動状態を具体的に説明する図である。 図3において、Dレンジが選択された場合の各部の作動状態を具体的に説明する図である。 図3において、フェール時に成立させられるニュートラル「N(フェール)」の各部の作動状態を具体的に説明する図である。 本発明の他の実施例を説明する図で、図3の(b) に相当する図である。
符号の説明
10:自動変速機 90:電子制御装置 100:後進用バルブ 102:前進用バルブ SR:ソレノイドバルブ(後進切換装置) SD:ソレノイドバルブ(前進切換装置) SSR:励磁電流(後進切換信号) SSD:励磁電流(前進切換信号) PSR:後進切換油圧 PSD:前進切換油圧 PR:Rレンジ圧(後進用油圧) PD:Dレンジ圧(前進用油圧)

Claims (2)

  1. 前進用油圧によって前進変速段が成立させられるとともに後進用油圧によって後進変速段が成立させられる車両用自動変速機の油圧制御装置において、
    前記前進用油圧の出力、出力停止を切り換える前進用バルブと、
    前記後進用油圧の出力、出力停止を切り換える後進用バルブと、
    前進切換信号のONまたはOFFで前進切換油圧を出力することにより、前記前進用バルブを出力状態に切り換える前進切換装置と、
    後進切換信号のONまたはOFFで後進切換油圧を出力することにより、前記後進用バルブを出力状態に切り換える後進切換装置と、
    を有し、且つ、前記前進用バルブは、前記後進切換油圧が出力された時には前記前進切換油圧の有無に拘らず前記前進用油圧の出力停止状態に保持され、前記後進用バルブは、前記前進切換油圧が出力された時には前記後進切換油圧の有無に拘らず前記後進用油圧の出力停止状態に保持されるもので、
    前記前進切換油圧が出力され且つ前記後進切換油圧が出力停止されることにより、前記前進用バルブから前記前進用油圧が出力されて前記前進変速段が成立させられ、
    前記後進切換油圧が出力され且つ前記前進切換油圧が出力停止されることにより、前記後進用バルブから前記後進用油圧が出力されて前記後進変速段が成立させられ、
    前記前進切換油圧および前記後進切換油圧が共に出力停止されることにより、前記前進用油圧および前記後進用油圧が共に出力停止状態となり、動力伝達を遮断するニュートラルが成立させられ、
    前記前進切換油圧および前記後進切換油圧が共に出力される場合も、前記前進用油圧および前記後進用油圧が共に出力停止状態となって前記ニュートラルが成立させられる
    ことを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記前進切換装置は、前記前進切換信号がOFFの時に前記前進切換油圧を出力するもので、
    前記後進切換装置は、前記後進切換信号がONの時に前記後進切換油圧を出力するものである
    ことを特徴とする請求項に記載の車両用自動変速機の油圧制御装置。
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