JP4288951B2 - 搬送装置、光学素子の製造装置、及び光学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば成形用素材のごとく、特に非接触状態で搬送すべき搬送物のの搬送に適した搬送装置、および光学素子の製造装置並びに光学素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラス素材を用いて光学素子等のプレス成形を行う場合、プリフォームと呼ばれる略球形状の状態で個別的に成形型に供給する方式と、加熱溶融されたガラス素材を貯留し、その一部を取り出して不連続的に成形型に供給する方式の2つの供給方式がある。ここで後者の方式においては、例えば特許文献1に開示されているように溶融状態でノズルから滴下させたり、または特許文献2にあるように切断刃により適量を切断することで、任意の体積を有するガラス素材の供給を実現している。
【0003】
ここで、前者の方式のごとくプリフォームを供給する方式によれば、より高精度に整形されたガラス素材を供給できるから、高精度な光学素子を成形するには、より適しているともいえる。ところが、プリフォームは、1個1個ガラス素材を整形するものであるため、一般的には高価であり更に個別に保管するスペースも確保する必要があるという問題がある。
【0004】
すなわち低コスト化等を図るという観点からは、加熱溶融したガラス素材から、その一部を順次取り出し、プレス成形前に高精度な形状に整形しながら固化させる技術が望まれているといえる。尚、固化とは、粘度にして105pois以上を指し、完全な固体ではないがプレスにより変形できる粘度を有した状態であり、粘性流動によって自ら変形するには長時間を要する状態をいうものとする。
【特許文献1】
特開昭62−270423号公報
【特許文献2】
特開昭63−162539号公報
【特許文献3】
特開平8−133758号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した後者の方式でガラス素材を供給する場合、例えば光学素子を成形する際に、流動状態まで加熱溶融したガラス素材を、一対の成形型の間に投入する前には、適切な成形や型寿命を確保すべく、通常はガラス素材が軟化点近傍の所望の成形温度まで冷えるのを待つ必要があるが、この際に、どのようにしてガラス素材を保持するかが問題となる。
【0006】
又、ガラス素材の中心が成形型の光学転写面の中心から外れて投入されると、プレス成形された際に、光学転写面に均等にプレス圧力が働かず、光学素子の光学面が偏った形状に転写されるおそれがある。成形品が光学素子の場合に、このような不具合が起きると、成形された光学素子に非点収差やコマ収差などが発生して、高精度な光学特性を得られなくなる。このように、ガラス素材を成形型の中心に位置決めする技術は、高精度なプレス成形を行う上で非常に重要である。ところが、上述の従来例によれば、ガラス素材を成形に適した状態のまま、成形型の正確な位置に投入することができないという問題がある。例えば特許文献1には、接触式のガイドが開示されているが、かかるガイドは、滴下された溶融ガラス素材をその表面を接触転動させることで成形型中央部に投入するという機能を有するものである。しかるに、高温の溶融ガラス素材は極めて化学的に活性であり、接触した相手と結合してそこで接着を起こしたり、被接触物の剥離片等がガラス素材内に取り込まれてしまい、その結果ガラス素材が汚染したりするという問題がある。
【0007】
上述した後者の方式により切断刃で溶融状態のガラス素材を切断すると、ノズル内のガラス素材と分離した切り口部分は滑らかな面にならず、少なくとも切断直後には不連続な切断面となる。この切断面は、長時間加熱溶融状態を維持することで消失させることは可能であるが、切断後自由落下させることによってガラス素材が急速に冷却した場合、落下中に表面張力により流動変形して略球形になるための時間が与えられず、切断面を残した異形状のままの形で固化してしまう恐れがある。このような異形状のガラス素材をプレス成形すると、素材全体にわたって均一な圧力でプレスができなくなり、結果として高精度に成形型の形状を成形転写することが難しくなる。つまり、再現性の高い高精度なプレス成形を行うには、成形型へ投入された時点で、そのガラス素材の形をある程度整えておくことが望ましい。
【0008】
ところで、溶融したガラス素材を略球形に整形するためには、ガラス素材が表面張力により十分に流動変形できるほどに粘度が小さな高温状態であることと、十分な長さの流動時間とが必要である。しかし、かかる整形を自由落下中に実現しようとすると、少なくとも数mの長さの自由落下距離が必要となり、さらにガラス素材を固化して衝撃無く受けるための冷却距離・減速距離も必要となり、極めて長い縦型の円筒炉が必要となることが考えられる。そのような長い円筒炉は設置場所の制約が大きく、高温部分が円筒炉の広い範囲にわたってあるので、高低差による対流で円筒内の落下通路の温度を高精度に独立して調整することも難しくなり、現実的ではないといえる。
【0009】
一方、効率的なプレス成形を実現するという観点からは、ガラス素材の溶融から整形、更にプレス成形まで連続して行えることが理想である。特に、従来技術に関連して上述した前者の方式によるプリフォームを成形型に供給する態様では、ガラス素材を整形し冷却・固化してプリフォームを作製する工程と、このプリフォームを加熱して軟化させ、前述した粘度105から108pois程度にしてプレス成形する工程とが分かれているため、プリフォーム作製段階でわざわざ室温まで冷却したものを、また再加熱してプレス成形するということが行われ、熱的にも工程的にも無駄が多いという問題がある。
【0010】
以上の観点から、溶融したガラス素材を、その溶融炉から成形型ヘ投入し、効率よく成形品を得るための技術について考察する。溶融状態でノズルから滴下するには、ガラス素材で100から104poisの粘度で溶融している必要があり、これを満たす温度は、一般的な光学素子用のガラス素材では、800℃から1000℃近くになる。しかし、このような高温で光学素子などの形状にプレス成形を行うと、流動性が良過ぎてガラス素材が成形型内で流れてしまうので、成形型の光学転写面にガラス素材を高圧で押し付けることができず、成形転写性が著しく悪くなる。更に、流動状態から冷却硬化する間での温度差が大きいので、ガラス素材の冷却収縮量が大きく、ひけや皺などが成形された光学面に発生したりする。また、高温のガラス素材がプレス成形する成形型の光学転写面に触れると、成形型の光学転写面は高熱により荒れたり、ガラス素材と融着して、成形型の寿命を著しく縮め、さらに成形転写された光学素子の光学面も、鏡面性が失われたり微小な表面の剥離が無数に発生して、その光学特性が著しく損なわれる。したがって、プレス成形に際しては、成形転写性や成形型の寿命、融着防止などからガラス素材の温度はできる限り低いことが好ましく、またプレス圧力により無理なくガラス素材を変形でき、光学素子の光学面が高精度に成形転写される粘度となる温度であることが重要で、さらにその粘度を成形時に再現性良く確保することが望ましい。このプレス成形時の粘度は、前述したように105pois以上108pois程度となるが、ガラス素材の粘度と温度は密に対応しているので、この粘度を満たすガラス素材の温度は、おおよそ軟化点近傍ということになる。つまり、滴下されるときは1000℃近くあるガラス素材を受けて保持しながら形状整形を行い、その整形されたガラス素材を成形型に投入するには、軟化点近傍の所望の成形温度まで冷却することが望ましい。しかも、ガラス素材は熱伝導率がきわめて低い材料であるから、その冷却勾配を最適化しないと、その表面の温度と内の温度が異なり、言い換えれば表面の粘度と内の粘度が異なるために、プレス成形が均一に進まずに成形転写性を劣化させることがある。したがって、冷却勾配を高精度に制御できることは、光学素子の製造技術において非常に重要であるといえる。
【0011】
このように、溶融したガラス素材を、その溶融炉から成形型ヘ投入して、連続的に高精度な成形品を得る方法では、いくつかの留意すべき課題がある。
【0012】
例えば直径が5mm以下の小径の光学素子などを成形する場合では、液状に滴下されるガラス素材も小体積となり、それを滴下するためのノズルの径も小さくなり、従って適切に滴下させるには、一般的にノズル近傍の溶融したガラス素材の粘度が十分小さくなるよう高温に維持しなければならない。また、滴下されたガラス素材は、小体積で熱容量が小さいので外部環境の影響を受けて温度が変化しやすく、再現性の高い安定した温度制御が難しいという実状もある。ガラス素材の温度が安定しないと、プレス成形においては、成形型との接触部位の温度が安定しないことにより、成形型の光学転写面と溶融ガラス素材の融着などを招来し、単に成形された光学素子の形状精度を低下させるだけでなく、成形型の寿命を縮めることにもなり、成形型交換による工程停止や成形型コストの増大などを招いて、生産工程に重大な影響を与えることが考えられる。また、溶融したガラス素材の温度は粘度に密に影響するが、その温度の安定性や再現性の低さが、プレス成形時のプレス条件の安定性や再現性を低下させるので、高精度で高収率なプレス成形を実現する上では、大きな障害となる。
【0013】
以上からわかるとおり、例えば小径光学素子用の小体積液状溶融ガラス素材は、体積が大きい通常の光学素子の場合よりも、より厳密により高精度にその温度制御を行うことが、安定した高精度高収率なプレス成形を実現する上で望ましい。
【0014】
ガラス転移点Tgが400℃以下である低Tgガラスでは、ガラス転移点Tgが低くなることによって軟化点(Softening Point)との温度差も小さくなり、結局、軟化点近傍で行うプレス成形の成形温度の許容範囲を狭くする。したがって、低Tgガラスを素材とする場合は、通常のガラスを素材とする場合よりも、より高精度にガラス素材の温度管理を行ってプレス成形する必要があり、安定した高精度高収率なプレス成形を実現する上でこの点も非常に重要となる。
【0015】
以上から、液滴状の溶融ガラス素材の温度制御に、特に高精度を要求されるのは小体積の場合と低Tgガラスの場合であり、特にこの両方の条件を満たす小体積で低Tgガラスを用いた場合では、更に高精度が要求される。従来技術では、到底安定した再現性のあるプレス成形は困難であった。
【0016】
本発明は、従来とは異なる視点から搬送技術及び製造技術を見直し、流動体状又は半流動体状のガラス素材を流体を用いて保持しつつ、正確な位置に投入可能な搬送装置、光学素子の製造装置、及び光学素子の成型方法を提供することを目的とする。
【0017】
更に、本発明は、例えば1000℃前後の極めて高温の溶融したガラス素材を保持しながら、成形に適した温度まで冷却することができる搬送装置、光学素子の製造装置、及び光学素子の成型方法を提供することを目的とする。
【0018】
更に、本発明は、安定したプレス成形条件を実現し、高精度高効率なプレス成形により高品質で低コストなプレス製品の生産を可能とする搬送装置及び光学素子の製造装置並びに光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の搬送装置は、重力方向上方から下方へと貫通し内周に供給通路を連通した孔を有し、流動体状又は半流動体状となったガラス素材が、前記孔の重力方向上方から投入されたときに、前記ガラス素材を保持するための保持手段と、前記供給通路を介して前記孔の内部に流体を供給するための供給手段と、前記孔の内部に流体を供給する部位より重力方向下方側に配置され、前記孔の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽位置と、前記孔を開放する開放位置との間で変位可能なシャッター部材と、を有し、前記シャッター部材を前記遮蔽位置に変位させたとき、前記供給手段から供給された流体により、前記保持手段に対して非接触の状態で前記ガラス素材を重力に抗して保持すると共に、前記供給手段から流体の供給を続けながら前記シャッター部材を前記開放位置に変位させたとき、前記ガラス素材は、前記孔を介して前記孔の重力方向下方から外方へと離脱するようになっていることを特徴とする。従って、前記ガラス素材が加熱溶融していても、流体を用いて非接触状態で保持できるため、前記保持手段自体は前記ガラス素材に接触しないので、前記保持手段の寿命を長く確保できると共に、前記ガラス素材に異物を取り込むことを抑制できる。又、前記孔の位置を定めることで、前記ガラス素材を一対の成形型等の間の正確な位置に投入できる。特に、小径光学素子用の小体積のガラス素材の場合は、極めて軽く、従来の方法では安定浮上を確保することが困難であるが、本発明のごとく流体を用いることで、前記保持手段の孔中心に位置させて安定して非接触状態で保持することができる。尚、「流動体又は半流動体状」とは、例えばガラス素材を加熱溶融させた状態をいうものとする。本発明には、例えば成形型の一部が、前記孔の下方におけるガラス素材を投入される投入位置と、投入されたガラス素材を成形する前記孔より離れた成形位置との間で移動可能となっている構成も含むものとする。
【0020】
特に、非接触搬送技術を開示する特許文献3に示された装置は、ガラス素材を保持した治具を真ん中から割ることで下方へ落下させる方式を採用しているので、落下位置が安定せず正確にガラス素材を成形型中央に投入することは困難であるが、本発明によれば、前記孔を成形型に対して位置決めすることで、成形型に対する前記ガラス素材の投入を精度良く行える。
【0021】
請求項2に記載の搬送装置は、請求項1に記載の発明において、前記供給手段より供給された流体が、前記ガラス素材に接触することで、前記ガラス素材の温度を調整することを特徴とする。従って、加熱されて流動体状又は半流動体状となったガラス素材を、前記保持手段で保持する間に、成形に適した温度まで冷却(あるいは加熱)することができ、それによりより適切な成形を行うことが可能となる。
【0022】
更に、前記保持手段が、搬送物としての前記ガラス素材を浮上させながら回転させれば、前記ガラス素材の表面が均一に流体に触れて、流体の吐出力を受けるので、軟化しているものを略球形に整形加工できる。また、前記ガラス素材が、小径光学素子用の小体積のものであれば、熱容量が小さいため温度が外乱により変化しやすく、そのため従来は高精度にその軟化温度を制御して保持するのが難しかったが、前記ガラス素材の表面に均一に流体が触れて温度制御を行うことができる本発明によれば、極めて高精度かつ均一に前記ガラス素材を所望の温度に保ち、保持することができる。尚、例えば低Tgガラスでは、温度変化に伴う粘度の変化が特に大きいが、本発明の流体による高精度で均一な温度制御により、極めて再現性の良い所望の粘度条件を実現できる。
【0023】
請求項3に記載の搬送装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記孔に供給される流体の温度を制御する温度制御手段を有することを特徴とする。従って、前記ガラス素材を任意の温度に制御することができる。
【0024】
請求項4に記載の搬送装置は、請求項3に記載の発明において、前記温度制御手段は、流体の供給路に配置されたヒータと温度センサとを有することを特徴とする。従って、前記ヒータと前記温度センサとを用いて、流体の温度をより精密に制御できる。
【0025】
請求項5に記載の搬送装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、少なくとも前記ガラス素材と前記孔の内周面との間を流れるように流体が前記孔内に供給されることを特徴とする。従って、前記ガラス素材の保持を非接触状態で確実に行える。
【0026】
例えば流体の供給量を、外部の弁を絞ったり閉じたりすることによって減少させたりゼロとすることで、保持されていた前記ガラス素材を前記孔の下方から外部へと離脱させることは可能である。しかし、前記孔の下方が開いたままであると、前記流体は、前記ガラス素材を浮上させるために前記孔の上方へ噴き上がるだけでなく、下方へも噴出し前記孔の圧力が低減してしまうので、前記ガラス素材の適切な保持のためには、より多くの流体を供給する必要がある。そのため、例えば大容量のポンプを使用するなど流体の使用コストが増大するという欠点を有する。又、そのような弁の動作が行われたとしても、前記保持手段に向かう残りの配管内には加圧された流体が残存することから、前記ガラス素材へ向かう流体の供給が直ちに止まらず、その結果、前記ガラス素材の保持力が失われる(すなわち投入の)タイミングが安定しないという問題や、前記孔から下方へ噴出する流体が多いため、その流れにより例えば成形型に置かれたガラス素材が安定しないか、場合によっては吹き飛ばされるという問題がある。これに対し、本発明のように、前記シャッター部材を設けて開閉させれば、前記ガラス素材へ向かう流体の流量は急激に増減する。これを利用し、前記シャッター部材を前記遮蔽位置に維持した状態で、前記ガラス素材を保持し、前記孔が前記ガラス素材を投入したい位置に位置決めされたとき、前記シャッター部材を前記開放位置へと移動させることで、適切なタイミングで前記ガラス素材の投入を行うことができ、また供給される流体を大幅に節約できる。尚、「開放位置」とは、前記孔を完全に開放した状態のみならず、前記孔の一部を開放した状態も含むが、その場合には、少なくとも「遮蔽位置」よりは開放面積が大きい状態をいうものとする。
【0027】
特に、前記ガラス素材が、小径光学素子用の小体積である場合は、重量が1g未満と比重に軽い場合が多く、従来の方式では確実に成形型の所定位置に前記ガラス素材を投入することが困難であったが、本発明では、このような小体積の前記ガラス素材でも、前記保持手段の孔が位置決めされた場所に確実に落下せしめて、例えば成形型の所定位置に高精度に投入できる。これにより、プレス成形条件を安定させ、ガラス素材が成形型の所定位置からずれて設置されたことに起因して生じる非点収差やコマ収差などを抑制して、優れた光学特性を有する光学素子を高精度にかつ高収率で成形でき、光学素子の高生産性と低コストを実現できる。
【0028】
請求項6に記載の搬送装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記ガラス素材が光学ガラスであることを特徴とする。「光学ガラス」とは、光学素子を成形するために用いられる光学特性に優れたガラス素材をいう。
【0029】
請求項7に記載の搬送装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の投入時の温度よりも低く、かつガラス転移点よりも高いことを特徴とする。それにより、搬送中に前記ガラス素材の適切な冷却を行える。供給する流体の温度を任意に制御できるようにすれば、前記ガラス素材よりも低い温度に流体の温度を制御することで、高精度で再現性の高い温度勾配を有する冷却機能を実現することができる。前述したように、流体が、保持した前記ガラス素材の周りを均一に接触しながら流れるので、流体の温度を高精度に制御すると、そのまま前記ガラス素材の表面温度を直接的に制御できる。したがって、前記ガラス素材の表面での冷却勾配を、内部からの熱の拡散による遅れを見込んで最適化し、それを高精度な温度制御を実現することができる。特にガラス転移点Tgが400℃以下の低Tgガラスでは、温度変化による粘度の変化量が大きいが、本発明により高精度に冷却し所望の温度状態にすることできるので、所望の粘度を再現性良く実現でき、安定したプレス成形を実現できる。
【0030】
請求項8に記載の搬送装置は、請求項7に記載の発明において、前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の投入時には、前記ガラス素材の軟化点以上の温度に設定され、その後、前記ガラス素材の軟化点に100℃を加えた温度よりも低く且つ前記ガラス素材のガラス転移点より高い温度に設定されることを特徴とする。尚、流体が気体であれば、熱容量が小さいので容易に温度を変えることができ、前記ガラス素材の温度を迅速に調整できる。又、成形するときの前記ガラス素材の温度は、通常、軟化点近傍である。しかるに、前記搬送装置から成形型へ前記ガラス素材が投入され配置されてから、実際のプレス成形が始まるまでに数秒の時間を要することがあるが、特に成形型の温度を軟化点よりも低く設定したような場合には、その数秒間の間に、熱伝導により前記ガラス素材の温度がプレス成形前に急激に低下することがある。本発明では、前記ガラス素材の投入時には流体の温度を前記ガラス素材の軟化点以上の温度に設定することで、前記ガラス素材を良好に整形できると共に、その後、特に、流体の温度を前記ガラス素材の軟化点に100℃を加えた温度よりも低い温度範囲で高めることで、成形型の温度を軟化点よりも低く設定したような場合にも、実際にプレス成形する際の前記ガラス素材の温度を適切に調整できる。
【0031】
請求項9に記載の搬送装置は、請求項7に記載の発明において、前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の軟化点に100℃を加えた温度よりも低く且つ前記ガラス素材のガラス転移点より高い温度に設定されることを特徴とする。それにより、投入された前記ガラス素材の温度を調整して高精度な光学素子を成形できる。
【0032】
請求項10に記載の搬送装置は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、前記搬送装置から離脱した前記ガラス素材は、成形装置の成形型に供給されることを特徴とする。それにより、高精度な光学素子を成形できる。
【0033】
請求項11に記載の搬送装置は、請求項10に記載の発明において、前記ガラス素材は、前記成形装置の成形型により成形されて光学素子となることを特徴とする。
【0034】
請求項12に記載の搬送装置は、請求項1乃至11のいずれかに記載の発明において、投入される前記ガラス素材の体積は100mm3以下であることを特徴とする。かかる小体積の前記ガラス素材において、本発明の効果はより効果的に発揮される。加熱溶融された小径光学素子用の小体積のガラス素材は、室温にふれると急速に温度が低下して粘度が上昇するため、球形状に整形するのが離しかったが、本発明によれば、前記ガラス素材を浮上しながら加熱することで、吹き上げられる流体(例えばガス)との粘性摩擦により前記ガラス素材がランダムに回転し、均一に溶融温度に制御でき、しかも流体の吹き上げ圧力が前記ガラス素材の表面に回転により満遍なく作用するため、局部的に力を受けないので精度良く略球形状に整形できる。
【0035】
請求項13に記載の搬送装置は、請求項1乃至12のいずれかに記載の発明において、前記ガラス素材のガラス転移点が400℃以下であることを特徴とする。
【0036】
請求項14に記載の搬送装置は、請求項1乃至13のいずれかに記載の発明において、前記孔の上部には、その上方端に向かうに連れ拡径したテーパ部が設けられていることを特徴とする。それにより、例えば滴下されたガラス素材を受けやすくなる。
【0037】
請求項15に記載の搬送装置は、請求項1乃至14のいずれかに記載の発明において、前記孔の内周面の少なくとも一部に、多孔質材料が配置されており、前記孔に供給される流体は前記多孔質材料を介して供給されることを特徴とする。それにより、前記多孔質材料の内部に開口した無数の孔を介して、均一な圧力で流体の供給を行えるので好ましい。ただし、それに限らず、前記孔の内周面に複数の開口を形成して、かかる開口を介して流体を供給してもよい。
【0038】
請求項16に記載の搬送装置は、請求項15に記載の発明において、前記多孔質材料は前記ガラス素材に対する親和性が低いグラファイトであることを特徴とする。ただし、窒化ケイ素やアルミナ、炭化ケイ素などの多孔質セラミックでも良い。
【0039】
請求項17に記載の光学素子の製造装置は、重力方向上方から下方へと貫通し内周に供給通路を連通した孔を有し、流動体状又は半流動体状となったガラス素材が、前記孔の重力方向上方から投入されたときに、前記ガラス素材を保持するための保持手段と、前記供給通路を介して前記孔の内部に流体を供給するための供給手段と、互いに離隔した開放位置と、ガラス素材を成形可能な近接位置との間で相対移動可能な一対の成形型と、前記孔の内部に流体を供給する部位より重力方向下方側に配置され、前記孔の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽位置と、前記孔を開放する開放位置との間で変位可能なシャッター部材と、を有し、前記シャッター部材を前記遮蔽位置に変位させたとき、前記供給手段から供給された流体により、前記保持手段に対して非接触の状態で前記ガラス素材を重力に抗して保持すると共に、前記供給手段から流体の供給を続けながら前記シャッター部材を前記開放位置に変位させたとき、前記ガラス素材は、前記孔を介して前記孔の重力方向下方から前記開放位置にある前記一対の成形型の間に投入され、前記一対の成形型により、前記ガラス素材が光学素子として成形されることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項1に記載の発明と同様である。
【0040】
請求項18に記載の光学素子の製造装置は、請求項17に記載の発明において、前記供給手段より供給された流体が、前記ガラス素材に接触することで、前記ガラス素材の温度を調整することを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項2に記載の発明と同様である。
【0041】
請求項19に記載の光学素子の製造装置は、請求項17又は18に記載の発明において、前記孔に供給される流体の温度を制御する温度制御手段を有することを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項3に記載の発明と同様である。
【0042】
請求項20に記載の光学素子の製造装置は、請求項19に記載の発明において、前記温度制御手段は、流体の供給路に配置されたヒータと温度センサとを有することを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項4に記載の発明と同様である。
【0043】
請求項21に記載の光学素子の製造装置は、請求項17乃至20のいずれかに記載の発明において、少なくとも前記ガラス素材と前記孔の内周面との間を流れるように流体が前記孔内に供給されることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項5に記載の発明と同様である。
【0045】
請求項22に記載の光学素子の製造装置は、請求項17乃至21のいずれかに記載の発明において、前記ガラス素材が光学ガラスであることを特徴とする。
【0046】
請求項23に記載の光学素子の製造装置は、請求項17乃至22のいずれかに記載の発明において、前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の投入時の温度よりも低く、かつガラス転移点よりも高いことを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項7に記載の発明と同様である。
【0047】
請求項24に記載の光学素子の製造装置は、請求項23に記載の発明において、前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の投入時には、前記ガラス素材の軟化点以上の温度に設定され、その後、前記ガラス素材の軟化点に100℃を加えた温度よりも低く且つ前記ガラス素材のガラス転移点より高い温度に設定されることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項8に記載の発明と同様である。
【0048】
請求項25に記載の光学素子の製造装置は、請求項23に記載の発明において、前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の軟化点に100℃を加えた温度よりも低く且つ前記ガラス素材のガラス転移点より高い温度に設定されることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項9に記載の発明と同様である。
【0049】
請求項26に記載の光学素子の製造装置は、請求項17乃至25のいずれかに記載の発明において、投入される前記ガラス素材の体積は100mm3以下であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項12に記載の発明と同様である。
【0050】
請求項27に記載の光学素子の製造装置は、請求項17乃至26のいずれかに記載の発明において、前記ガラス素材のガラス転移点が400℃以下であることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項13に記載の発明と同様である。
【0051】
請求項28に記載の光学素子の製造装置は、請求項17乃至27のいずれかに記載の発明において、前記孔の上部には、その上方端に向かうに連れ拡径したテーパ部が設けられていることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項14に記載の発明と同様である。
【0052】
請求項29に記載の光学素子の製造装置は、請求項17乃至28のいずれかに記載の発明において、前記孔の内周面の少なくとも一部に、多孔質材料が配置されており、前記孔に供給される流体は前記多孔質材料を介して供給されることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項15に記載の発明と同様である。
【0053】
請求項30に記載の光学素子の製造装置は、請求項29に記載の発明において、前記多孔質材料はグラファイトであることを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項16に記載の発明と同様である。
【0054】
請求項31に記載の光学素子の製造方法は、加熱されて流動体状又は半流動体状となったガラス素材を、重力方向上方から下方へと延在する保持手段の孔に向かって重力方向上方から投入するステップと、供給手段により前記孔に流体を供給するステップと、前記孔に供給された流体以外に接触しない状態で、投入された前記ガラス素材を重力に抗して保持するステップと、前記供給手段より流体を供給される部位より重力方向下方位置で前記孔を遮蔽していたシャッター手段を開放し、前記孔内に供給された流体の一部を重力方向下方に向けることにより、前記孔を介して前記ガラス素材を前記孔の重力方向下方から成形型に向かって投入するステップと、投入された前記ガラス素材を前記成形型により光学素子として成形するステップとを有することを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項1に記載の発明と同様である。
【0055】
請求項32に記載の光学素子の製造方法は、請求項31に記載の発明において、前記供給手段より供給される流体を温度制御するステップを有し、前記孔内に供給された流体が前記ガラス素材に接触することで、前記ガラス素材の温度を制御することを特徴とする。本発明の作用効果は、請求項2に記載の発明と同様である。
【0056】
請求項33に記載の光学素子の製造方法は、請求項32に記載の発明において、前記孔に投入される際の前記ガラス素材の温度は、前記孔から前記成形型に向かって投入された際の前記ガラス素材の温度より高いことを特徴とする。本発明によれば、前記孔内に供給される流体を用いて、前記孔に投入された前記ガラス素材の温度を適切に冷却できる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態にかかる搬送装置の断面図である。本実施の形態では、搬送物が光学素子用素材としてのガラス素材であるものとするが、これに限られることはなく、プラスチックでも良い。尚、図1〜5,7,8においては、その上下方向が重力方向(鉛直方向)に一致する。
【0058】
図1に示すように、搬送装置50は、不図示の駆動装置により3次元的に駆動される搬送アーム51と、搬送アーム51の先端(左端)において図で上下に貫通する開口部51aに内包された保持円筒52と、保持円筒52を固定する固定具53と、開口部51aの下端近傍に配置され、不図示のアクチュエータにより、開口部51aを遮蔽する遮蔽位置(図1参照)と、開口部51aを開放する開放位置との間を変位可能となっているシャッター部材54とを有する。
【0059】
搬送アーム51は、その内方に軸線方向に延在し開口部51aに連通する通路51bを有している。多孔質材料(ここではグラファイト)から形成された保持円筒52の下端は、搬送アーム51の開口部51aの下端近傍に形成された段部51cに当接しており、一方、保持円筒52の上端外周は、固定具53に嵌合している。従って、固定具53を開口部51に上方から螺合させることで、保持円筒52の上部及び下部は、開口部51aに対して密封取り付けされるようになっている。尚、保持円筒52の中央外周と、開口部51aの内周との間には、環状の空間51dが形成されている。
【0060】
保持円筒52の内周面は、下端側に形成された同径のストレート部52aと、上端側に形成され上方に向かうにつれて拡径したテーパ部52bとを有している。テーパ部52bのテーパ角θは、本実施の形態では30度である。更に、本実施の形態で、保持可能なガラス素材PFの径dをφ7.2mmとしたときに、ストレート部52aの内径Dはφ7.4mmであり、テーパ部52bの高さHは、0.2〜2・dであるようにすると良い。尚、図示していないが、保持円筒52の上縁には、テーパ部52bのテーパ角θより大きな端部テーパ部が形成されており、上方から滴下される溶融したガラス素材PFの受け入れを容易にしている。ここで、搬送アーム51と保持円筒52が保持手段を構成し、保持円筒52の多孔質面が供給手段を構成する。又、保持円筒52のストレート部52aとテーパ部52bとで、重力方向に貫通した孔を構成する。
【0061】
図2は、本実施の形態にかかる搬送装置の変形例を示した図であり、各部寸法が異なるだけであるので、図1の実施の形態と同一の符号を付して説明を省略する。本変形例では、テーパ部52bのテーパ角θは30度であり、保持可能なガラス素材PFの径dをφ2.6mmとしたときに、ストレート部52aの内径Dはφ2.8mmであり、テーパ部52bの高さHは、0.2〜2・dであるようにすると良い。
【0062】
図3は、本実施の形態にかかる搬送装置の別な変形例を示した図であり、孔の下方に配置された延長部材51eを除き、各部寸法が異なるだけであるので、共通する構成は、図1の実施の形態と同一の符号を付して説明を省略する。円筒状の延長部材51eは、搬送アーム51の先端下面に取り付けられ、ストレート部52aと同軸の貫通孔51fを有している。ストレート部52aから下方に投入されるガラス素材PFは、その下方に位置する下型1に衝突し跳ね上がったり、或いはストレート部52aの下方に噴出した流体により吹き飛ばされ落下するおそれがある。かかる現象は、より小径のガラス素材で生じる傾向がある。そこで、本変形例においては、搬送アーム51と下型1との間に延長部材51eを設けることで、ガラス素材PFが下型1から落下することを防止している。本変形例では、テーパ部52bのテーパ角θは30度であり、保持可能なガラス素材PFの径dをφ1.2mmとしたときに、ストレート部52aの内径Dはφ1.4mmであり、テーパ部52bの高さHは、0.2〜2・dであるようにすると良い。
【0063】
次に、搬送装置50の動作を説明する。図4は、成形装置における成形型周辺を、搬送装置と共に示す拡大断面図である。尚、搬送装置50と、成形型1,2とで、本発明にいう成形装置を構成するともいえる。不図示のガラス素材供給位置において、詳細は後述するようにして、滴下した溶融ガラス素材PFを保持円筒52内で受け取った搬送装置50は、シャッター部材54が遮蔽位置にあり、又、外部より通路51b内に、流体としての加熱された乾燥窒素ガス(窒素濃度60mol%以上)が圧送されていることから、環状空間51dを介し、多孔質状の保持円筒52の内周面全周から均一に乾燥窒素ガスを吹き出すことで(流体を供給するステップ)、ガラス素材PFを非接触状態で浮上保持できる(ガラス素材を保持するステップ)。かかる場合、保持円筒52の内周面上側がテーパ部52bとなっているので、ガラス素材PFは、気圧が急変するストレート部52aとテーパ部52bとの境で、安定して保持されることとなる。
【0064】
このとき、乾燥窒素ガスが所定温度に温度制御されているので(流体を温度制御するステップ)、搬送中にガラス素材PFの外周面を適切に冷却でき、しかも乾燥窒素ガスによって、ガラス素材PFは回転、揺動、振動させられるので、その全周面を均一に冷却することができ、成形に最適な温度に維持することができる。
【0065】
ガラス素材PFを浮上保持したまま、搬送アーム51を移動させ、図4に示すように、全体を図示しない成形装置の下型(下方の成形型、以下同じ)1と上型(上方の成形型、以下同じ)2の間に、保持円筒52が位置するようにする。その後、不図示のアクチュエータにより、シャッター部材54を開放位置に変位させると、直ちにガラス素材PFを保持する乾燥窒素ガスの圧力が低下し、ガラス素材PFを保持できなくなるため、ガラス素材PFは落下し、保持円筒52のストレート部52aを通過し、搬送アーム51の開口部51aの下端から離脱する(ガラス素材を投入するステップ)。このとき、保持円筒52が、溶融したガラスとの濡れ性が悪いグラファイトで形成されていることから、ガラス素材PFは保持円筒52に付着することなく、下型1上の所定位置(下型1の光学転写面の光軸が、ガラス素材PFの中心と一致する位置)に投入されることとなる。
【0066】
搬送アーム51を退避させた後、成形動作が開始され、下型1が上型2近傍まで上昇する。更に、掩蔽部材である金属ベローズ13A、13Bの間の空間に、外部より窒素ガス(空気でも良い)を圧送して、金属ベローズ13A、13Bを伸張させる。伸張した金属ベローズ13A、13Bは、その下端と共に変位する突き当て部材19のテーパ面19bを、対向する固定部材5のテーパ面5bに突き当て互いに密着させる。これによって、ガラス素材PFが載置されている成形位置周囲の空間が周囲の雰囲気から遮蔽される。かかる状態で、この遮蔽された空間に対し、真空引き手段であるポンプにより、空間内部に残留している窒素ガスを抜くことで、成形型周りの空間を真空度1kPa以下に減圧する。ポンプは、スクロールタイプの真空ポンプを使用すると、排気効率が良く小型であり、しかも油を使用しないことから保守性に優れると共に低騒音で環境上からも好ましい。また、減圧に要する時間は、約1秒である。
【0067】
更に、成形される素材であるガラス素材PFは、搬送中に、あらかじめプレスできる温度まで冷却されているので、成形型が密閉されて真空引きを開始すると同時に、下型1が上昇しプレスを開始することができる(成形するステップ)。下型1の周囲には円筒状の胴型3が嵌合しており、下型1が上昇すると、胴型3の上側端面が上型2の基準面2cに当接密着し、成形型2,1の基準面2c、1cの平行度を維持する。その状態で数秒間保持した後、減圧状態になっている成形型2,1周囲の空間に、窒素ガスを導入するとともに、成形型内部ヒータの温度を制御して、温度が転移点以下になるまで成形型2,1を徐冷する。
【0068】
その後、二重構造になっている金属ベローズ13A、13B内部の窒素ガスを、圧力調整機構(不図示)で排出して金属ベローズ13A、13Bを収縮させることで、固定部材5から突き当て部材19を離す。以上の工程で、ガラス素材PFを光学素子として成形できることとなる。
【0069】
図5は、本実施の形態にかかる搬送装置の断面図である。図6は、図5の搬送装置をVI-VI線で切断して矢印方向に見た図である。図5,6において、搬送装置150は、不図示の駆動装置により3次元的に駆動される細長い搬送アーム151と、搬送アーム151の先端(左端)に取り付けられた、耐熱性を有するセラミック製のホルダ155と、ホルダ155において図で上下に貫通する開口部155aに嵌合された保持円筒152と、保持円筒152を固定する板状の押え板153と、開口部155aの下端近傍に配置され且つ不図示のアクチュエータにワイヤ156を介して連結され、開口部155aを遮蔽する遮蔽位置(図5参照)と、開口部155aを開放する開放位置との間を変位可能となっているシャッター部材154と、シャッター部材154を遮蔽位置に付勢する部分安定化ジルコニア製のセラミックスプリング158とを有する。本実施の形態においては、搬送アーム151とホルダ155と保持円筒152とで保持手段を構成する。
【0070】
多孔質材料(ここではグラファイト)から形成された保持円筒152の内周面は、下端側に形成された同径のストレート部152aと、上端側に形成され上方に向かうにつれて拡径したテーパ部152bとを有している。ホルダ155の中央内部において、保持円筒152のストレート部152aを囲うようにして、シースヒータ(ヒートともいう)161が配置され、またテーパ部152bの外周面には温度センサである熱電対162及び断熱板157が取り付けられている。更に、通路151b内には、加熱手段であるヒータ163が配置されている。供給路内に配置された温度制御手段を構成するシースヒータ161,熱電対162,ヒータ163は、通路151bの末端に取り付けられた電極164に接続されており、ここに接続される不図示のコネクタを介して外部の温度制御部(不図示)と電気的接続を達成できるようになっている。
【0071】
本実施の形態においては、通路151bの端部に接続された配管165から通路151b内に供給された0.2MPaの乾燥窒素ガスは、ヒータ163により常温より高い温度まで加熱されるが、かかる温度は、滴下された直後の加熱溶融ガラス素材の温度より低くなっており、更にシースヒータ161により温度制御された保持円筒152の多孔を抜ける間に適宜温度制御され、ガラス素材を保持する間に緩やかに冷却できるようになっている。尚、保持円筒152の温度は、熱電対162により検出でき、それによりシースヒータ161のフィードバック制御を行える。
【0072】
本実施の形態においては、押え板153にも、テーパ部152bを延長した(もしくはテーパ角のより大きな)端部テーパ部153aが形成されているので、テーパ部152bと相まって、ガラス素材の飛び出しを更に抑制できる。又、押え板153を高密度グラファイトから形成したので、万一ガラス素材が押え板153と接触しても、その付着を防止できる。本実施の形態では、テーパ角30度で、保持可能なガラス素材の最大直径は7.2mmであり、ストレート部152aの穴径はφ7.5mmである。
【0073】
ガラス素材の浮上保持と落下の動作切り替えは、シャッター部材154の開閉動作により行うことができる。高温下でも弾性を維持できる部分安定化ジルコニア製のセラミックスプリング158により、シャッター部材154は、図5に示す遮蔽位置に付勢されており、ワイヤ156を図で右方に引くことにより、スプリング158の付勢力に抗してシャッター部材154を開放位置に変位させることができ、それにより浮上支持していたガラス素材を、下方へ落下させることができる。
【0074】
本実施の形態において、窒素ガスは圧力0.2MPaで供給され、安定動作領域より低めであるが、これは多孔質材料の厚みを、実験結果の場合に比べ約半分としたことにより、低い供給圧力でも流量が多くなるように部品形状を調整したためであり、浮上保侍は余裕のある安定領域で行う。搬送アーム151の材料は、耐熱性がありかつホルダ155のセラミック材料と線膨張係数が近いものが好ましいので、ノビナイト鋳鉄を用いた。ヒータ161,163と熱電対162の配線は、搬送アーム151後端で、ハーメチックシールによる電極164で気密性を確保して外部に引き出されている。電極164と搬送アーム151との間は、供給された窒素ガスがリークしないように耐熱Cリングや耐熱Oリング166によってシールされている。
【0075】
上述した実施の形態と同様に、本実施の形態の搬送装置150は、窒素ガスが、流体供給用の配管165から、搬送アーム151の後部より供給され、シースヒータ161で加熱され、多孔質状の保持円筒152の内周面から吐出し、ガラス素材(不図示)を非接触浮上保持する。このときガラス素材は、浮上支持された状態で、回転や平行移動などの動きを行っており、従って外周面が均一に加熱される。搬送装置150は、図5で示すように、ガラス素材を所望の定位置まで運び落下させ、定位置配置を行うものである。
【0076】
窒素ガスの温度制御は、熱電対162で温度をモニターして、図にはない制御回路によりシースヒータ161への電流を制御して行うが、熱電対162が、多孔質状の保持円筒152に巻きつけられたシースヒータ161により直接加熱されることを避けるために、断熱板157が間に介在するように配置されている。
【0077】
図7は、本発明の実施の形態にかかる搬送システムを示す断面図である。かかる搬送システムは、重力方向上下に配置された2段の搬送装置からなり、下段の搬送装置は、図5,6に示す搬送装置150と同様な構造を有するので、同様の部材には同一の符号を付すことで説明を省略し、一方、上段の搬送装置は、図5,6に示す搬送装置150の搬送アームを1/3に短縮しただけであるので、区別すべく搬送装置の符号のみダッシュを付し、その他同様の部材には同一の符号を付すことで説明を省略する。尚、図7の状態で、搬送装置150,150’は、保持円筒152,152を直列に配置してなる。
【0078】
上段の搬送装置150’は、ガラス素材供給部200の供給口201の下方に、保持円筒152が配置されるように固定されており、一方、移動可能な下段の搬送装置150は、図7に示す状態で、その保持円筒152が、上段の搬送装置150’の保持円筒の軸線と略一致するように配置される。尚、ガラス素材供給部200は、ガラス素材を加熱溶融し流動体状もしくは半流動体状にするための溶融炉201と、溶融炉201の周囲に配置されたヒータ202と、溶融炉201内で溶融したガラス素材LGを撹拌するためのブレード203とを有している。
【0079】
本実施の形態の動作を説明すると、両搬送装置150’、150のシャッター部材154、154を閉じた後、ガラス素材供給部200の溶融炉201の底に設けられたノズル201aから、軟化点以上の温度で加熱溶融したガラス素材PF(体積が100mm3以下だと好ましい)を滴下させ(不連続的に投入するステップ)、上段の搬送装置150’の保持円筒152内に投入し、略球状を維持しつつ非接触で温度制御浮上保持することができる。所定時間経過後、シャッター部材154を開放位置に変位させ、ガラス素材PFを落下させ、それを、直下に配してあった下段の搬送装置150の保持円筒152内で受け、更に非接触状態で温度制御しつつ浮上保持を続行する。以上により、ガラス素材PFは所定温度(ガラス転移点(例えば400℃)より高い温度)に冷却される。
【0080】
更に、上段の搬送装置150’のシャッター部材154を直ちに閉じ、ガラス素材供給部200のノズル201aから、加熱溶融したガラス素材PFを滴下させ、保持円筒152内に投入して、非接触状態で温度制御しつつ浮上保持を行う。ガラス素材PFを下段の搬送装置150に受け渡して所定時間経過後に、下段の搬送装置150を、あらかじめ設定温度に維持された成形型1,2(図4)の中心上に、保持円筒152に軸線が位置するように移動させ、シャッター部材154を開いて溶融軟化したガラス素材PFを落下させ所定位置に配置して(成形型の間に投入するステップ)、直ちにシャッター部材154を閉じて、上段の搬送装置150’の下に戻る。成形型1,2(図4)は、搬送装置150が退避後に、直ちに接近してプレス動作に入り(成形するステップ)、ガラス素材PFをプレス成形して徐冷プロセスを行うことができる。このように、本実施の形態によれば、短い時間間隔で滴下する溶融したガラス素材を、搬送装置150’で受けながら冷却を行い、そのまま成形プロセスに移行させることができるので、搬送装置150’を用いない場合と比較し、高精度な光学素子を短い約1/2タクトで成形することが可能となる。
【0081】
図8は、第2の実施の形態にかかる搬送システムを示す断面図である。かかる搬送システムは、図7に示す実施の形態のように、重力方向上下に配置された2段の搬送装置からなるが、上段の搬送装置は2つ設けられ、且つガラス素材供給部200(図7に示すものと同一)のノズル201aに対して変位自在となっている。尚、下段の搬送装置は、図5,6又は7に示す搬送装置150と同様な構造を有するので、同様の部材には同一の符号を付すことで説明を省略し、一方、上段の2つの搬送装置は、図7に示す搬送装置150の軸線を紙面に垂直に延在させた状態で並列に並べたのみであるので、同様の部材には同一の符号を付すことで説明を省略する。尚、図8の状態で、上段の搬送装置150’,150’は、保持円筒152,152を並列に配置してなる。
【0082】
図8に示す状態で、3つの搬送装置150’、150’、150のシャッター部材154、154、154を閉じた後、ガラス素材供給部200のノズル201aから、加熱溶融したガラス素材PFを滴下させ、高温のガラス素材PFを1個、上段左側の搬送装置150’の保持円筒152内に投入する。その後、上段の搬送装置150’、150’を図で左方に一体的に移動させ、上段左側の搬送装置150’にガラス素材PFを投入してから所定時間後に、ガラス素材供給部200のノズル201aから、加熱溶融したガラス素材PFを滴下させ、高温のガラス素材PFを1個、上段右側の搬送装置150’の保持円筒152内に投入する。
【0083】
更に、上段の搬送装置150’、150’を図で右方に一体的に移動させ、図8に示す状態とし、上段左側の搬送装置150’にガラス素材PFを投入してから所定時間後に、そのシャッター部材154を開放位置に変位させ、ガラス素材PFを落下させ、それを、直下に配してあった下段の搬送装置150の保持円筒152内で受け、更に非接触状態で温度制御しつつ浮上保持を続行する。
【0084】
更に、上段左側の搬送装置150’のシャッター部材154を直ちに閉じ、ガラス素材供給部200のノズル201aから、加熱溶融したガラス素材PFを滴下させ、高温のガラス素材PFを1個、その保持円筒152内に投入して、非接触状態で温度制御しつつ浮上保持を行う。ガラス素材PFを受け渡された下段の搬送装置150は、あらかじめ設定温度に維持された成形型の中心上に、保持円筒152に軸線が位置するように移動し、シャッター部材154を開いて適宜冷却されたガラス素材PFを落下させ定位置に配置して、直ちにシャッター部材154を閉じて、図8に示す上段右側の搬送装置150’の下に戻る。
【0085】
図示していない成形型は、搬送装置150が退避後に、直ちにプレス動作に入り、ガラス素材PFを成形して徐冷プロセスを行う。次のガラス素材PFが投入される前に、成形型が開いて成形された光学素子を排出し、成形型を開いた状態で待機させる。
【0086】
図8に示すように、下段の搬送装置150が戻ったときに、上段右側の搬送装置150’にガラス素材PFを投入して、所定時間後となるようにしたので、上段の搬送装置150’で所定時間冷却されたガラス素材は、下段の搬送装置150’が下方に位置すると直ちに落下され、そこに受け渡される。これら一連の動作を継続することにより、ガラス素材PFを搬送装置150’、150’により受けて冷却を行いながら、所定時間間隔で下段の搬送装置150に供給でき、搬送装置150’、150’を用いない場合と比較して、プレス成形のタクトを約1/3に短くすることができる。
【0087】
この一連の動作において、ガラス素材PFのノズル201aと、下段の搬送装置150の受け渡し位置は、上段の搬送装置150’との相対的な位置関係だけで決まるから、上述した実施の形態とは逆に、上段の搬送装置を固定して、ガラス素材の投入口と、下段の搬送装置150とを移動させ、上段の搬送装置150’、150’の2つの保持円筒152,152下で、それぞれ受け渡しができるようにしても良いのは、言うまでもない。尚、複数段の搬送装置を設ける場合、各搬送装置毎に供給流体の種類や、設定温度を変えても良い。
【0088】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、図9に示すように、搬送装置150’は固定とし、その代わりに、下型1を搬送装置150’の下方における受け渡し位置(投入位置ともいう)へと移動させ、ここでガラス素材PFを受け取った後、上型2の下方における成形位置へと下型1を移動させ、成形を行うようにしても良い。又、本発明はガラス素材に限らず、例えばプラスチック素材を加熱溶融させて滴下させた場合にも適用可能である。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、簡素な構造を有し、例えば加熱溶融した液状のガラス素材を適宜冷却しながら搬送できる搬送装置及び光学素子の製造装置並びに光学素子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる搬送装置の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の変形例にかかる搬送装置の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の別な変形例にかかる搬送装置の断面図である。
【図4】成形装置における成形型周辺を、搬送装置と共に示す拡大断面図である。
【図5】第2の実施の形態にかかる搬送装置の断面図である。
【図6】図5の搬送装置をVI-VI線で切断して矢印方向に見た図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる搬送システムを示す断面図である。
【図8】第2の実施の形態にかかる搬送システムを示す断面図である。
【図9】変形例にかかる搬送システムを示す断面図である。
【符号の説明】
50,150、150’ 搬送装置
52,152 保持円筒
54,154 シャッター部材
Claims (33)
- 重力方向上方から下方へと貫通し内周に供給通路を連通した孔を有し、流動体状又は半流動体状となったガラス素材が、前記孔の重力方向上方から投入されたときに、前記ガラス素材を保持するための保持手段と、
前記供給通路を介して前記孔の内部に流体を供給するための供給手段と、
前記孔の内部に流体を供給する部位より重力方向下方側に配置され、前記孔の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽位置と、前記孔を開放する開放位置との間で変位可能なシャッター部材と、を有し、
前記シャッター部材を前記遮蔽位置に変位させたとき、前記供給手段から供給された流体により、前記保持手段に対して非接触の状態で前記ガラス素材を重力に抗して保持すると共に、
前記供給手段から流体の供給を続けながら前記シャッター部材を前記開放位置に変位させたとき、前記ガラス素材は、前記孔を介して前記孔の重力方向下方から外方へと離脱するようになっていることを特徴とする搬送装置。 - 前記供給手段より供給された流体が、前記ガラス素材に接触することで、前記ガラス素材の温度を調整することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
- 前記孔に供給される流体の温度を制御する温度制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
- 前記温度制御手段は、流体の供給路に配置されたヒータと温度センサとを有することを特徴とする請求項3に記載の搬送装置。
- 少なくとも前記ガラス素材と前記孔の内周面との間を流れるように流体が前記孔内に供給されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記ガラス素材が光学ガラスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の投入時の温度よりも低く、かつガラス転移点よりも高いことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の投入時には、前記ガラス素材の軟化点以上の温度に設定され、その後、前記ガラス素材の軟化点に100℃を加えた温度よりも低く且つ前記ガラス素材のガラス転移点より高い温度に設定されることを特徴とする請求項7に記載の搬送装置。
- 前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の軟化点に100℃を加えた温度よりも低く且つ前記ガラス素材のガラス転移点より高い温度に設定されることを特徴とする請求項7に記載の搬送装置。
- 前記搬送装置から離脱した前記ガラス素材は、成形装置の成形型に供給されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記ガラス素材は、前記成形装置の成形型により成形されて光学素子となることを特徴とする請求項10に記載の搬送装置。
- 投入される前記ガラス素材の体積は100mm3以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記ガラス素材のガラス転移点が400℃以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記孔の上部には、その上方端に向かうに連れ拡径したテーパ部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記孔の内周面の少なくとも一部に、多孔質材料が配置されており、前記孔に供給される流体は前記多孔質材料を介して供給されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の搬送装置。
- 前記多孔質材料はグラファイトであることを特徴とする請求項15に記載の搬送装置。
- 重力方向上方から下方へと貫通し内周に供給通路を連通した孔を有し、流動体状又は半流動体状となったガラス素材が、前記孔の重力方向上方から投入されたときに、前記ガラス素材を保持するための保持手段と、
前記供給通路を介して前記孔の内部に流体を供給するための供給手段と、
互いに離隔した開放位置と、ガラス素材を成形可能な近接位置との間で相対移動可能な一対の成形型と、
前記孔の内部に流体を供給する部位より重力方向下方側に配置され、前記孔の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽位置と、前記孔を開放する開放位置との間で変位可能なシャッター部材と、を有し、
前記シャッター部材を前記遮蔽位置に変位させたとき、前記供給手段から供給された流体により、前記保持手段に対して非接触の状態で前記ガラス素材を重力に抗して保持すると共に、
前記供給手段から流体の供給を続けながら前記シャッター部材を前記開放位置に変位させたとき、前記ガラス素材は、前記孔を介して前記孔の重力方向下方から前記開放位置にある前記一対の成形型の間に投入され、
前記一対の成形型により、前記ガラス素材が光学素子として成形されることを特徴とする光学素子の製造装置。 - 前記供給手段より供給された流体が、前記ガラス素材に接触することで、前記ガラス素材の温度を調整することを特徴とする請求項17に記載の光学素子の製造装置。
- 前記孔に供給される流体の温度を制御する温度制御手段を有することを特徴とする請求項17又は18に記載の光学素子の製造装置。
- 前記温度制御手段は、流体の供給路に配置されたヒータと温度センサとを有することを特徴とする請求項19に記載の搬送装置。
- 少なくとも前記ガラス素材と前記孔の内周面との間を流れるように流体が前記孔内に供給されることを特徴とする請求項17乃至20のいずれかに記載の光学素子の製造装置。
- 前記ガラス素材が光学ガラスであることを特徴とする請求項17乃至21のいずれかに記載の光学素子の製造装置。
- 前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の投入時の温度よりも低く、かつガラス転移点よりも高いことを特徴とする請求項17乃至22のいずれかに記載の光学素子の製造装置。
- 前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の投入時には、前記ガラス素材の軟化点以上の温度に設定され、その後、前記ガラス素材の軟化点に100℃を加えた温度よりも低く且つ前記ガラス素材のガラス転移点より高い温度に設定されることを特徴とする請求項23に記載の光学素子の製造装置。
- 前記孔に供給される流体の温度が、前記ガラス素材の軟化点に100℃を加えた温度よりも低く且つ前記ガラス素材のガラス転移点より高い温度に設定されることを特徴とする請求項23に記載の光学素子の成形装置。
- 投入される前記ガラス素材の体積は100mm3以下であることを特徴とする請求項17乃至25のいずれかに記載の光学素子の製造装置。
- 前記ガラス素材のガラス転移点が400℃以下であることを特徴とする請求項17乃至26のいずれかに記載の光学素子の製造装置。
- 前記孔の上部には、その上方端に向かうに連れ拡径したテーパ部が設けられていることを特徴とする請求項17乃至27のいずれかに記載の光学素子の製造装置。
- 前記孔の内周面の少なくとも一部に、多孔質材料が配置されており、前記孔に供給される流体は前記多孔質材料を介して供給されることを特徴とする請求項17乃至28のいずれかに記載の光学素子の製造装置。
- 前記多孔質材料はグラファイトであることを特徴とする請求項29に記載の光学素子の製造装置。
- 加熱されて流動体状又は半流動体状となったガラス素材を、重力方向上方から下方へと延在する保持手段の孔に向かって重力方向上方から投入するステップと、
供給手段により前記孔に流体を供給するステップと、
前記孔に供給された流体以外に接触しない状態で、投入された前記ガラス素材を重力に抗して保持するステップと、
前記供給手段より流体を供給される部位より重力方向下方位置で前記孔を遮蔽していたシャッター手段を開放し、前記孔内に供給された流体の一部を重力方向下方に向けることにより、前記孔を介して前記ガラス素材を前記孔の重力方向下方から成形型に向かって投入するステップと、
投入された前記ガラス素材を前記成形型により光学素子として成形するステップとを有することを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記供給手段より供給される流体を温度制御するステップを有し、
前記孔内に供給された流体が前記ガラス素材に接触することで、前記ガラス素材の温度を制御することを特徴とする請求項31に記載の光学素子の製造方法。 - 前記孔に投入される際の前記ガラス素材の温度は、前記孔から前記成形型に向かって投入された際の前記ガラス素材の温度より高いことを特徴とする請求項32に記載の光学素子の製造方法。
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