JP4288862B2 - プレニルアルコールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレニルアルコールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体内でのテルペノイド(イソプレノイド)合成は、アリル性二リン酸基質にイソペンテニル二リン酸(isopentenyl diphosphate)(IPP, C5)を順次縮合することによって直鎖プレニル二リン酸であるゲラニル二リン酸(geranyl diphosphate (GPP, C10 ))、ファルネシル二リン酸(farnesyl diphosphate (FPP, C15))、ゲラニルゲラニル二リン酸(geranylgeranyl diphosphate (GGPP, C20))が生合成されるところから始まる(図1)。図1において、枠で囲まれた文字が酵素を表す。hmgRはヒドロキシメチルグルタリルCo-A(hydroxymethyl glutaryl-CoA:HMG-CoA)還元酵素、GGPSはGGPP合成酵素、FPSはFPP合成酵素を示す。
【0003】
プレニル二リン酸のなかでも、FPPは最も重要な生合成中間体であり、膨大な種類のテルペノイド類、例えば、エルゴステロール(プロビタミンD2)を含むステロイド類、キノン(ビタミンK, VK)の側鎖、セスキテルペン類、スクアレン(SQ)、ファルネシル化タンパク質のアンカー分子、天然ゴムなどの合成前駆体である。
【0004】
GGPPもまた、生体内では重要な生合成中間体であり、レチノール(ビタミンA, VA)、β-カロテン(プロビタミンA)、フィロキノン(ビタミンK1, VK1)、トコフェロール類(ビタミンE, VE)、ゲラニルゲラニル化タンパク質のアンカー分子、葉緑体の側鎖、ジベレリン、アーキアのエーテル型脂質などを始めとする化合物の生合成に必須である。
【0005】
FPP、GGPPのアルコール誘導体であるプレニルアルコールの一種であるファルネソール(farnesol)(FOH,C15)やゲラニルゲラニオール(geranylgeraniol) (GGOH, C20)は、香料として用いられる精油中の芳香物質として知られるが、薬理作用物質として有用な上記ビタミン類をはじめとする化合物の合成出発物質としてもまた重要な物質である(図1)。
【0006】
FOHは、精油等の天然物から少量調製される以外には、現在化学合成法により合成されている。化学合成法で合成されるFOHは、一般的には炭素骨格が同じであるが、二重結合が(E)-型(trans型)と(Z)-型(cis型)の混合物として得られる。(all-E)-型である(E,E)-FOH又は(E)-NOHは生物の代謝経路で合成される形であり、工業的利用価値を有する。(E,E)-FOH又は(E)-NOHを純粋な形で得るためには、カラムクロマトグラフィーや精密蒸留などを利用した精製が必要である。しかし、熱的に不安定なアリルアルコール(allylalcohol)であるFOHの精密蒸留は困難である。また、カラムクロマトグラフィーによる精製は、多量の溶媒充填剤を必要とし、順次溶出してくる各画分を分析しながら回収し、さらに溶媒を除去しなければならないなど、操作が煩雑でコストも高く、工業実施には適さない。そこで、(E)-、(Z)-幾何異性体の生成制御や反応産物の繰り返し構造などの特徴から、(E,E)-FOH(以下「FOH」と記す)の生合成法が望まれているが確立されていない。FOH合成基質は、例えば出芽酵母であるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の細胞内ではメバロン酸経路を経て供給されるが、そのキー酵素と考えられるHMG-CoA還元酵素を利用しても、スクアレン合成能が上がることしか知られていない(特開平5-192184号公報; Donald et al. (1997) Appl. Environ. Microbiol. 63, 3341-3344)。また、ステロール取り込み能を獲得した特別な出芽酵母のスクアレン合成酵素遺伝子欠損株を培養しても、培養液1リットルあたり1.3mgのFOHの蓄積が知られているだけである(Chambon et al.(1990) Curr. Genet. 18, 41-46)、(E)-NOH(以下「NOH」と記す)。
【0007】
また、GGOHも、現在化学合成法により合成されている(例えば特開平8-133999号公報参照)。しかし、より炭素鎖の短いFOHやNOHと比べGGOHの化学合成はステップ数が多く、コストがかかる。また、化学合成法で合成されるGGOHは、一般的には炭素骨格が同じであるが、二重結合が(E)-型(trans型)と(Z)-型(cis型)の混合物として得られる。 (E,E,E)-GGOH(以下(all-E)-GGOHと略す)は生物の代謝経路で合成される形であり、工業的利用価値を有する。all-E-GGOHを純粋な形で得るためには、カラムクロマトグラフィーや精密蒸留などを利用した精製が必要である。しかし、熱的に不安定なアリルアルコール(allylalcohol)であるGGOHの精密蒸留は困難である。また、カラムクロマトグラフィーによる精製は、多量の溶媒充填剤を必要とし、順次溶出してくる各画分を分析しながら回収し、さらに溶媒を除去しなければならないなど、操作が煩雑でコストも高く、工業実施には適さない。そこで、(E)-、(Z)-幾何異性体の生成制御や反応産物の繰り返し構造などの特徴から、(all-E)-GGOHの生合成法が望まれているが確立されていない。GGOHの生合成に関しては、特開平9-238692号公報において、植物細胞培養により1リットル培養液あたり0.66〜3.25mgの生産が報告されているが、工業化には適さない高価な植物細胞培養用培地が必要であり、培養にも光が必要であり、従来の精油等の天然物からのGGOH調製に比べても実用的でなく、より工業化に適した生合成法、例えば微生物培養による生合成法は全く知られていない。
【0008】
そこで、本出願人は、上記課題を解決するために、プレニル二リン酸合成酵素遺伝子を含む発現用組換えDNAにより形質転換された組換え体を培養することによるプレニルアルコールの製造方法を開発し特許出願を行なっている。
すなわち、FOHについては、発酵工業に古来から広く用いられ、メバロン酸経路あるいはDXP経路を経てプレニル二リン酸合成を行い、遺伝子組換えに関する様々な手法が駆使できる宿主、例えば単細胞真核生物(特に酵母)又は原核生物(例えばバクテリア、特に大腸菌)を実験材料にして、プレニル二リン酸合成に関わる酵素の遺伝子導入によるプレニルアルコール生産系の開発を行った。酵母でプレニル二リン酸合成に関わる酵素の遺伝子(例えばHMG-CoA還元酵素遺伝子)を宿主細胞内で人為的に発現させる系を構築するために、恒常発現型又は誘導発現型転写プロモーターを含み、各種栄養要求性マーカーを持った発現シャトルベクターの作製を行い、これに目的の遺伝子又はその変異型遺伝子を組み込み、これを各種宿主細胞へ導入し、その培養物からNOH又はFOHを得る方法を確立した。大腸菌では、既存のベクターを用いプレニル二リン酸合成に関わる酵素の遺伝子(例えばFPP合成酵素遺伝子やIPPΔ-イソメラーゼ遺伝子)を宿主細胞に導入しその培養物を脱リン酸化した後FOHを得る方法を確立した。
【0009】
同様に、GGOHについても、発酵工業に古来から広く用いられ、メバロン酸経路あるいはDXP経路を経てプレニル二リン酸合成を行い、遺伝子組換えに関する様々な手法が駆使できる宿主、例えば単細胞真核生物(特に酵母)または原核生物(例えばバクテリア、特に大腸菌)を実験材料にして、プレニル二リン酸合成に関わる酵素の遺伝子導入によるプレニルアルコール生産系の開発を行った。その結果、酵母でプレニル二リン酸合成に関わる酵素の遺伝子(HMG-CoA還元酵素遺伝子を代表とするメバロン酸経路関連酵素の遺伝子やIPPΔイソメラーゼ遺伝子、各種プレニル二リン酸合成酵素遺伝子、またはそれらの変異型または融合型遺伝子)を宿主細胞内で人為的に発現させる系を構築するために、恒常発現型又は誘導発現型転写プロモーターを含み、各種栄養要求性マーカーを持った発現シャトルベクターの作製を行い、これに目的の遺伝子又はその変異型遺伝子を組み込み、これを宿主細胞へ導入し、その培養物からプレニルアルコール(特にGGOH)を得る方法を確立した。バクテリア、特に大腸菌では、既存のベクターを用いプレニル二リン酸合成に関わる酵素の遺伝子(例えばFPP合成酵素変異型遺伝子やIPPΔ-イソメラーゼ遺伝子)を宿主細胞に導入しその培養物を脱リン酸化した後GGOHを得る方法を確立した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、新規なプレニルアルコールの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、プレニルアルコール生産微生物を種々のpH制御下において培養することによって、プレニルアルコールの生産性を高め、また、プレニルアルコール生産時に生成されるネロリドールやゲラニルリナロール等の副生成物の生成を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、pH6.5〜8.0の範囲内に制御した培地中でプレニルアルコール生産微生物を培養した後、得られる培養物からプレニルアルコールを採取することを特徴とするプレニルアルコールの製造方法である。
さらに、本発明は、プレニルアルコール生産微生物を、pH6.5〜8.0の範囲内に制御した培地中で対数増殖期まで培養した後、さらにpH7.5〜9.0の範囲内に制御した培養中で培養し、得られる培養物からプレニルアルコールを採取することを特徴とするプレニルアルコールの製造方法である。
【0013】
プレニルアルコールとしては、ファルネソール又はゲラニルゲラニオールが挙げられる。
さらに、本発明は、プレニルアルコール生産微生物である。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、プレニルアルコール生産菌をpH制御下において培養することによってプレニルアルコールを製造する方法である。
【0015】
1.本発明で利用可能な微生物
本発明で利用可能な微生物としては、プレニルアルコール生産菌であればいずれでも使用可能である。例えば、そのような菌体としては、天然の微生物の場合は、以下のものが挙げられる。
(1) サッカロミセス(Saccharomyces )属;
Saccharomyces cerevisiae ATCC 12341, IFO 0565, IFO 0222, IFO 0216, ATCC 9080, IFO 1346, ATCC 204660, IFO 0538, IFO 0210, IFO 0262, ATCC64031、Saccharomyces ellipsoideus 京都大学保存株4102、Saccharomyces sake 協会2 号、Saccharomyces rosei IFO 0252、Saccharomyces kluyveri IFO 1892、Saccharomyces unisporus IFO 0215、Saccharomyces logos 京都大学保存株 4101 、Saccharomyces dairensis IFO 0285、Saccharomyces bayanus IFO 0539, IFO 0613、Saccharomyces paradoxus IFO 0259
(2) サッカロミコシス(Saccharomycopsis) 属;
Saccharomycopsis fibuligera IFO 0106, IFO 1665, IFO 1774, IFO 0107
(3) サッカロミコデス(Saccharomycodes)属;
Saccharomycodes ludwigii IFO 0339
(4) シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)属;
Schizosaccharomyces octosporus IAM 4842, Schizosaccharomyces pombe IFO 0346, IFO 0358、Schizosaccharomyces octosporus IAM 4842
(5) ヴィッカーハミア(Wickerhamia) 属;
Wickerhamia fluorescens IFO 1116
(6) デバリオミセス(Debaryomyces)属;
Debaryomyces hansenii IFO 0023、Debaryomyces hansenii var.fabryi IFO 0794 、Debaryomyces castellii IFO 1359 、Debaryomyces vanrijiae var.vanrijiae JCM 2169
(7) ハンゼヌラ (Hansenula)属;
Hansenula polymorpha 京都大学保存株4327
(8) ハンゼニアスポーラ(Hanseniaspora)属;
Hanseniaspora valbyensis IFO 0115
(9) リポミセス(Lypomyces)属;
Lypomyces starkeyi IFO 0678
(10) ピキア(Pichia)属;
Pichia membranaefaciens IFO 0128、Pichia aganobii 京都大学保存株4261、Pichia naganishii IFO 1670 、Pichia silvicola IFO 0807 、Pichia anomala IFO 0118, IFO 0569, IFO 0707, IFO 0963
(11) クロッケラ(Kloeckera) 属;
Kloeckera japonica IFO 0151
(12) キャンジダ(Candida) 属;
Candida krusei IFO 0013、Candida kefyr IFO 0706、Candida tenuis IFO 0716 、Candida solani IFO 0762 、Candida glabrata IFO 0005, IFO 0622 、Candida albicans IFO 1060, IFO 0579、Candida zeylanoides IFO 0719、Candida catenulata IFO 0720 、Candida cariosilignicola IFO 1910 、Candida stellata IFO 0701、Candida utilis IFO 0626
(13) ザイゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces) 属;
Zygosaccharomyces rouxii IFO 0487, IFO 0686、Zygosaccharomyces japanicus IFO 0595、Zygosaccharomyces fermentati IFO 0021
(14) オガタエア(Ogataea) 属;
Ogataea glucozyma IFO 1472 、 Ogataea polymorpha IFO 1475
(15) クライシア(Kuraishia) 属;
Kuraishia capsulata IFO 0974
(16) コマガタエラ (Komagataella) 属;
Komagataella pastoris IFO 0948
(17) ヤロウヴィア (Yarrowia) 属;
Yarrowia lopolytica IFO 0717
(18) ウィリオプシス(Williopsis) 属;
Williopsis saturnus var. saturnus IFO 0125, IFO 0941
(19) ナカザワエア(Nakazawaea )属;
Nakazawaea holstii IFO 0980
(20) クリベロマイセス(Kluyveromyces)属;
Kluyveromyces marxianus IFO 0617, IFO 0288、Kluyveromyces thermotolerans IFO 0662 、Kluyveromyces lactis IFO 0648
(21) トルラスポーラ(Torulaspora)属;
Torulaspora delbrueckii IFO 0422
(22) クリプトコッカス(Cryptococcus)) 属;
Cryptococcus humicolus IFO 1527
(23) ムコール(Mucor)属
Mucor javanicus IFO 4570
(24) シテロマイセス(Citeromyces) 属
Citeromyces matritensis IFO 0954
(25) ウォルトマイセス(Waltomyces)属
Waltomyces lipoder IFO 0673
(26) バチルス (Bacillus) 属;
Bacillus amyloliquefaciens IFO 3022、Bacillus pumilus IFO 3030
(27) スタフィロコッカス(Staphylococcus)属;
Staphylococcus epidermidis IFO 3762
(28) シュードモナス(Pseudomonas) 属;
Pseudomonas sp. 京都大学保存株 876
(29) マイクロコッカス(Micrococcus)属;
Micrococcus luteus IFO 3067
(30) エキシグオバクテリウム(Exiguobacterium)属;
Exiguobacterium acetylicum IFO 12146
(31) ノカルディア(Nocardia) 属;
Norcadia asteroides IFO 3384 、Norcadia fusca IFO 14340
(32) ストレプトマイセス(Streptomyces)属;
Streptomyces gardneri IFO 12865
【0016】
このうち、特に、Saccharomyces cerevisiae ATCC64031株が好ましい。また、微生物は、プレニルアルコール生産性増大に関与する遺伝子を導入した組換え体であってもよい。組換え体は、本発明の組換えDNAを、HMG-CoA還元酵素遺伝子等(各種変異型を含む。特に記さない限り、以下同じ。)が発現し得るように宿主中に導入することにより得ることができる。ここで、宿主としては、プレニルアルコールを生産することができるものであれば特に限定されるものではないが、大腸菌又は酵母が好ましい。プロモーター、HMG-CoA還元酵素遺伝子等及びターミネーターを含む組換えDNAは、酵母などの単細胞真核微生物を含む真菌、大腸菌などの原核生物、動物細胞、植物細胞などに導入して組換え体を得ることができる。真菌としては、変形菌類(Myxomycota)、藻菌類(Phycomycetes)、子嚢菌類(Ascomycota)、担子菌類(Basidiomycota)、不完全菌類(Fungi Imperfecti)が挙げられる。真菌としては、単細胞生物のものが工業利用上重要な酵母としてよく知られており、子嚢菌類の子嚢菌酵母、担子菌類の担子菌酵母又は不完全菌類の不完全菌酵母が挙げられる。酵母としては、子嚢菌酵母、特に出芽酵母であるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae:パン酵母として知られる)、キャンディダ・ユーティリス(Candida utilis)又はピキア・パストリス(Pichia pastris)等、分裂酵母であるシゾサッカロマイセス・ポンベ(Shizosaccharomyces pombe)等が用いられる。酵母の株は、プレニルアルコールを生産することができる限り特に限定されるものではない。S. cerevisiaeの場合、例えば下記の株:A451、EUG8、EUG12、EUG27、YPH499、YPH500、W303-1A、W303-1B、AURGG101などが挙げられる。酵母への組換えDNAの導入方法は、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等を採用することができる。
【0017】
A451 (ATCC200589, MATα can1 leu2 trp1 ura3 aro7)
YPH499(ATCC76625, MATa ura3-52 lys2-801 ade2-101 trp1-Δ63 his3-Δ 200 leu2-Δ 1, Stratagene , La Jolla, CA)
YPH500(ATCC76626, MATα ura3-52 lys2-801 ade2-101 trp1-Δ63 his3-Δ 200 leu2-Δ 1, Stratagene)
W303-1A(MATa leu2-3 leu2-112 his3-11 ade2-1 ura3-1 trp1-1 can1-100)
W303-1B(MATα leu2-3 leu2-112 his3-11 ade2-1 ura3-1 trp1-1 can1-100)
AURGG101(A451, aur1::AUR1-C)
EUG8 (A451, ERG9p::URA3-GAL1p)
EUG12 (YPH499, ERG9p::URA3-GAL1p)
EUG27 (YPH500, ERG9p::URA3-GAL1p)
【0018】
原核生物としては、アーキア(archaea)とバクテリア(bacteria, 細菌)が挙げられる。アーキアとしては、メタノバクテリウム属(Metanobacterium)などのメタン生産菌、ハロバクテリウム属(Halobacterium)などの好塩菌、スルフォロバス属(Sulfolobus)等の好熱好酸性菌が挙げられる。バクテリアとしては、工業的又は学術的に利用価値の高い各種グラム陰性細菌又はグラム陽性細菌、例えば大腸菌(Escherichia coli)等のエシェリシア属、枯草菌(Bacillus subutilis)やバシラス・ブレビス(Bacillus brevis)等のバシラス属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)やアグロバクテリウム・リゾジェネス(Agrobacterium rhizogenes)等のアグロバクテリウム属、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)等のコリネバクテリウム属、ラクトバシラス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)等のラクトバシラス属、アクチノマイセス属(Actinomyces)やストレプトマイセス(Streptmyces)等の放線菌類(Actinomycetes)が挙げられる。
【0019】
大腸菌等の細菌を宿主とする場合は、組換えDNAが細胞中で自律複製可能であると同時に、転写プロモーター、リボゾームRNA結合領域としてのSD配列、本発明の遺伝子により構成されていることが好ましい。転写ターミネーターなどを適宜挿入することもできる。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。大腸菌としては、BL21、DH5α、HB101、JM101、MBV1184、TH2、XL1-Blue、Y-1088等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。転写プロモーターは、大腸菌等の宿主中で発現できるものであればいずれを用いてもよい。例えばtrpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーターなどの、大腸菌やファージに由来するプロモーターが用いられる。tacプロモーターなどのように、人為的に設計改変されたプロモーターを用いてもよい。細菌への組換えベクターの導入方法は、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法、その他市販のキットを使用する方法等により行われる。
【0020】
遺伝子が宿主細胞に導入されたか否かの確認は、PCR法、サザンブロットハイブリダイゼーション法等により行うことができる。例えば、組換え体からDNAを調製し、導入DNA特異的プライマーを設計してPCRを行う。その後は、増幅産物についてアガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又はキャピラリー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等により染色するか、あるいはUV検出器でDNAを検出し、増幅産物を1本のバンド又はピークとして検出することにより、導入DNAを確認する。また、予め蛍光色素等により標識したプライマーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出することもできる。
【0021】
上記のようにして得られる遺伝子導入微生物を用いてプレニルアルコールを生産する場合、FOH及びGGOHの生産と同時に副生成物のネロリドール、ゲラニルゲラニオールが生産されることがある。これは、微生物の培養経過とともにpHが低下し、ファルネシル二リン酸やゲラニルゲラニル二リン酸の酸加水分解が起こり、反応中間体のカルボニムカチオンの安定性から転位反応産物であるネロリドールやゲラニルリナロールが優先的に生成されるためであると考えられる。しかし、これら遺伝子導入微生物を用いたプレニルアルコールの生産に本発明のpH制御を実施した場合、これらの副生成物の生成が抑制され、取得プレニルアルコールの純度が向上する。
【0022】
2.培養時のpH制御
本発明において、pHを6.5〜8.0の範囲内に制御した培地中でプレニルアルコール生産微生物を培養することによって、プレニルアルコールの生産性および純度を高めることができる。一般に、培養中は培養時間の経過とともに培地のpHが変動するが、本発明においては培養時のpHをpH6.5〜8.0に制御するのが好ましく、pH7.0付近(例えばpH7.0〜7.5)に制御するのが最も好ましい。また、pH値の変動値をなるべく小さくして前記pH値に制御するのがプレニルアルコールを高生産するにあたって好ましい。
さらに、pH値の制御は、対数増殖期後にpH値を変更する多段階的制御も可能である。
【0023】
本発明の好適なpH制御方法は以下のとおりである。
(1)培養開始時から対数増殖期にかけて、プレニルアルコール生産菌をpH6.5〜8.0の範囲内に制御した培地で培養し、静止期後も引き続きpH6.5〜8.0の範囲内に制御した培地で培養する(以下、「一段階pH制御法」という)。一般に、プレニルアルコール生産性酵母の培養開始時から対数増殖期までの時間は、約42〜46時間である。
【0024】
(2)培養開始時から対数増殖期にかけて、プレニルアルコール生産菌をpH6.5〜8.0の範囲内に制御した培地で培養し、静止期後は、培養開始時から対数増殖期にかけて制御したpH値よりも高いpH値であって、pH7.5〜9.0の範囲内に制御した培地で培養する(以下、「二段階pH制御法」という)。好ましくは、培養開始時から対数増殖期にかけて、プレニルアルコール生産菌をpH6.5〜7.0の範囲内に制御した培地で培養し、静止期後は、培養開始時から対数増殖期にかけて制御したpH値よりも高いpH値であって、pH7.5〜8.0の範囲内に制御した培地で培養する。この二段階pH制御法を実施した場合、一段階pH制御法とほぼ同様のプレニルアルコール生産量が得られるとともに、培養微生物の平均細胞数が減少するため、細胞1個当たりのプレニルアルコール生産量が増大する。プレニルアルコール生産菌は培養後に廃棄物として処理されるため、培養微生物量は少ないほど工業生産的には好ましい。従って、培養微生物量を抑制してプレニルアルコール生産量を高める方法としては二段階pH制御法が有用である。なお、微生物増殖の目的を兼ねる培養の場合は、一段階pH制御法が有用である。
【0025】
3.pH制御に用いる試薬
培地のpH制御は、通常、微生物培地のpH調整に用いられる試薬、例えば、無機又は有機酸、アルカリ溶液等が利用可能であり、その種類は特に限定されない。具体的には、酸としては、塩酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、リン酸等があり、アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等がある。これらのpH調整試薬を組み合わせて、適宜本発明の培地のpHを制御することができる。具体的には、水酸化ナトリウムと塩酸の組み合わせが好ましい。用いられる酸およびアルカリ溶液の濃度並びに添加量は特に限定されないが、本発明のpH制御の6.5〜8.0の範囲を逸脱しない範囲で適宜設定するのが好ましい。また、本発明は、制御pH値、pH値変動幅、pH調整試薬の組み合わせ、pH制御段階を種々設定することによって、本発明のプレニルアルコール高生産を実現することができる。
【0026】
4.プレニルアルコールの生産
本発明において、プレニルアルコールは、プレニルアルコール生産微生物(遺伝子導入微生物を含む)を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。「培養物」とは、培養上清のほか、培養細胞若しくは培養菌体自体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。プレニルアルコールとしては、炭素数15のもの、例えばファルネソール(FOH)、炭素数20のもの、例えばゲラニルゲラニオール(GGOH)が挙げられる。前記プレニルアルコールは、それぞれ単独で又は混合物として上記培養物中に蓄積される。本発明の微生物を培養する方法は、通常の方法に従って行われる。
【0027】
微生物を培養する培地は、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、ガラクトース、フラクトース、スクロース、ラフィノース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物が挙げられ、その他ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー、各種アミノ酸等が挙げられる。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、26℃〜36℃、好ましくはS. cerevisiaeを宿主とした場合30℃で、E. coliを宿主とした場合37℃で、所定の時間行う。培養は、必要に応じてアンピシリン、クロラムフェニコール又はオーレオバシジンA等の抗生物質を培地に添加して行ってもよい。
【0028】
プロモーターとして誘導型転写プロモーターを用いた発現ベクターを導入した組換え体を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えばGAL1プロモーターを用いた場合、炭素源としてガラクトースを使用することができる。また、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘導可能な転写プロモーターを有する発現ベクターで形質転換した微生物(例えば大腸菌)を培養するときには、IPTGを培地に添加することもできる。
【0029】
本発明においては、上記培地に、さらにテルペノイド、油脂、界面活性剤等を添加してプレニルアルコールの生産効率を高めることができる。これらの添加剤として以下のものを例示することができる。
テルペノイド:スクアレン、トコフェロール、IPP、DMAPP
油脂:大豆油、魚油、アーモンド油、オリーブ油
界面活性剤:タージトール、トリトンX-305、スパン85、アデカノールLG109(旭電化製)、アデカノールLG294(旭電化製)、アデカノールLG295S(旭電化製)、アデカノールLG297(旭電化製)、アデカノールB-3009A(旭電化製)、アデカプロニックL-61(旭電化製)
油脂濃度は0.01%以上、好ましくは1〜3%であり、界面活性剤濃度は0.005%〜1%、好ましくは0.05〜0.5%であり、テルペノイド濃度は0.01%以上、好ましくは1〜3%である。
【0030】
培養後、プレニルアルコールが菌体内又は細胞内に生産される場合には、ホモジナイザー処理などを施して菌体又は細胞を破砕することにより目的のプレニルアルコールを採取する。また、細胞を破砕せずに有機溶媒等で直接抽出してもよい。あるいは、本発明のプレニルアルコールが菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。その後、有機溶媒による抽出等により前記培養物中からプレニルアルコールを採取し、必要に応じてさらに各種クロマトグラフィー等を用いて単離精製することができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
なお、予め、以下の実施例に共通する使用微生物、培養方法、抽出方法、分析方法等について説明する。
【0032】
1.使用微生物
本実施例では、プレニルアルコール生産微生物である、Saccharomyces cerevisiae ATCC64031株、及びHMG-CoA還元酵素遺伝子導入酵母であるpYHMG122/A451を使用した。
pYHMG122/A451については以下のように調製した。
【0033】
(1) PCRによるHMG-CoA還元酵素遺伝子(HMG1'遺伝子)のクローニング
S. cerevisiae HMG1'遺伝子クローニングは、以下のように行った。
GenBankにあるS. cerevisiae由来HMG1遺伝子(アクセッションナンバーM22002)(M. E. Basson, et al., Mol. Cell. Biol. 8, 3797-3808 (1988):配列番号1)の情報をもとに、コードしているタンパク質のN末端、C末端に該当する塩基配列部分のプライマーを作製し、これを用いて酵母のcDNAライブラリー(Clontech製No.CL7220-1, S. cerevisiae DBY746由来)を鋳型としたPCRを行った。
N末端側プライマー(プライマー1):5'-ATG CCG CCG CTA TTC AAG GGA CT-3' (配列番号2)
C末端側プライマー(プライマー2):5'-TTA GGA TTT AAT GCA GGT GAC GG-3' (配列番号3)
PCRは、以下の反応液中、94℃ 45秒の変性、55℃ 1分のアニーリング及び72℃ 2分の伸長を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。
【0034】
【0035】
PCR後、アガロースゲル電気泳動により、目的の位置(3.2kbp)に断片が確認されたので、その3.2kbpDNA断片をTAクローニング可能なpT7Blue Tベクター(Novagen, Madison, WI)にクローニングし、これをpT7HMG1とした。クローニングしたHMG-CoA還元酵素遺伝子の塩基配列を決定した。その結果、配列番号4の塩基配列及び配列番号5のアミノ酸配列を確認した。決定された塩基配列は、GenBankの配列に示した塩基配列と一部異なる変異型遺伝子となっていた(図2A)。このように、Taq DNAポリメラーゼ等の忠実性(fidelity)の低いDNAポリメラーゼを用いたPCR(polymerase chain reaction)で野性型DNAを増幅させたDNA断片に生じる塩基の置換変異を「PCRエラー」という。このPCRエラーを含んだ変異型HMG-CoA還元酵素のアミノ酸配列(配列番号5)をコードする遺伝子をHMG1'とする。
【0036】
(2) HMG1'発現用プラスミドpYES-HMG1の作製
上述のように作製したpT7HMG1をBamHI、SalI、ScaI処理してPCRエラーによる変異型HMG-CoA還元酵素をコードする遺伝子HMG1'を取り出し、これをpYES2(Invitrogen, Carlsbad, CA)のBamHI-XhoI部位に導入した。得られた組換えベクターをpYES-HMG1とした。ベクター内の塩基配列決定を行ったところ、配列番号4に示す塩基配列であることを確認した。なお、pYES2は、複製起点として酵母2μmDNAのori、及びガラクトースで誘導可能なGAL1転写プロモーターをもつ酵母発現用シャトルベクターである(図3)。
【0037】
(3) 欠失型HMG1'発現用プラスミドpYHMGxxyの作製
HMG-CoA還元酵素触媒部位と考えられている部分より上流の領域をコードする塩基配列を欠損させた欠失型HMG-CoA還元酵素遺伝子発現ベクターを作製するため、(2)で作製したpYES-HMG1を鋳型として、PCR法でベクター部分とともにHMG1'コード領域の一部分を欠失させた断片を調製した。得られた断片をKlenow酵素で平滑末端にした後、セルフライゲーションにより再び環化し、E. coli JM109へ形質転換させ、プラスミドDNAを調製した。プライマーとして使用した合成DNA配列とその組合せを表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
得られたプラスミドDNA内のHMG1上流、下流のアミノ酸の読み枠がずれていないことと、その結合部位近辺にPCRエラーによるアミノ酸置換が起きていないことを373A DNA sequencer (Perkin Elmer, Foster City, CA) で確認した。その結果、結合部位近辺にPCRエラーによるアミノ酸置換がなく、読み枠がずれずに遺伝子を欠失する事のできた以下のプラスミドを得た。欠失型HMG1遺伝子は、欠失のパターンに従ってΔ02y(yは任意の作業番号を表す)のように記載し、Δ02yを含むpYES2ベクターを例えばpYHMG026と記すこととする(他の欠失体も同様)(図2B)。
【0040】
HMG1Δ02y:配列番号6
HMG1Δ04y:配列番号7
HMG1Δ05y:配列番号8
HMG1Δ06y:配列番号9
HMG1Δ07y:配列番号10
HMG1Δ08y:配列番号11
HMG1Δ10y:配列番号12
HMG1Δ11y:配列番号13
HMG1Δ12y:配列番号14
HMG1Δ13y:配列番号15
ベクター:pYHMG026, pYHMG027, pYHMG044, pYHMG045, pYHMG062, pYHMG063, pYHMG065, pYHMG076, pYHMG081, pYHMG083, pYHMG085, pYHMG094, pYHMG100, pYHMG106, pYHMG107, pYHMG108, pYHMG109, pYHMG112, pYHMG122, pYHMG123, pYHMG125, pYHMG133。このうち、ベクターpYHMG122を本発明の試験に使用した。
【0041】
(4)pYES-HMG1導入組換え体の作製
予備実験においてFOHを生産する可能性のあることが認められた酵母Saccharomyces cerevisiae A451株にベクターpYHMG122を導入することによって、組換え体のpYHMG122/A451を得た。宿主A451株へのベクターpYHMG122の導入は、Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., pp.13.7.1-13.7.2に記載の酢酸リチウム法、又は、Frozen-EZ Yeast Transformation II (Zymo Research, Orange, CA) を用いた方法で導入した(手順はキット同封の説明書に従った)。
【0042】
2.微生物の培養方法
(1)Saccharomyces cerevisiae ATCC64031株の培養方法
・ジャーファメンター培養
エルゴステロール(20mg/L)を含むYM broth (200ml/500ml-バッフル付き三角フラスコ)にSaccharomyces cerevisiae ATCC64031株を一白金耳植菌し、26℃、130rpm、2日間培養しPre-Cultureとした。これより菌液50mlをファーメンターに無菌的に植菌し、以下の培養条件で培養した。
【0043】
培養装置:MSJ-U 10L培養装置(丸菱バイオエンジ)
Working Volume:5L
培養温度:26℃
通気量:1vvm
アジテーション:300rpm
pH:4N水酸化ナトリウム溶液及び2N塩酸溶液を用い、以下のパラメーターでpHを比例制御
Proportional Band 1.00
Non Sensitive Band 0.15
Control Period 16 Sec
Full Stroke 1 Sec
Minimun Stroke 0 Sec
培地:6%グルコースを含むYM培地(Difco社製)
0.1または1% 大豆油
0.1% アデカノールLG109(旭電化)
4mg/L エルゴステロール(ナカライ)
(この時、エルゴステロール添加によってエタノール100mg/L、タージトール(ナカライ)100mg/Lが持ち込まれる)
【0044】
(2)遺伝子導入酵母遺伝子導入酵母pYHMG122/A451の培養方法
・ジャーファメンター培養
以下のPre-Culture培地 (200ml/500ml-バッフル付き三角フラスコ)に組換え酵母pYHMG122/A451を一白金耳植菌し、30℃、130rpm、2日間培養した。次に培養液に含まれているグルコースを完全に除くため、遠心(1500g、5分、4℃)及び滅菌した生理食塩水による洗浄を3回繰り返した後、ジャーファメンターに50mlを植菌(1%)した。ジャーファメンター培養は(1)のATCC64031株と同様の培養条件で行った。
【0045】
Pre-Culture培地:
CSM-URA(BIO 101 Inc.製)
DOB(BIO 101 Inc.製)
ファーメンター培地:
5% ガラクトース
YNB without Amino Acids(Difco製)
1% 大豆油(ナカライ)
0.1%アデカノールLG109(旭電化)
【0046】
3.抽出方法
(1)ファルネソール及びゲラニルゲラニオールの分別抽出
▲1▼ 上清画分からのファルネソール及びゲラニルゲラニオールの抽出
培養液2.5mlを18Φmm×125mm試験管に入れ、ベックマン社製遠心分離器GP centrifugeで1000rpm、5分遠心し、上清を新しい18Φmm×125mm試験管に移した。6mMの塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)0.5ml、大腸菌アルカリフォスファターゼ(宝酒造製)5μl(2ユニット)を加え、65℃で30分加熱した。氷上で十分に冷却してからペンタン2ml、メタノール1mlを加え、十分に混合後、ベックマン社製遠心分離GP centrifugeで1000rpm、5分遠心し、上清を別の新しい試験管に移した。ドラフト内でペンタン・メタノール溶媒を蒸発させた後、300μlのペンタンに再溶解し、GC/MS用バイアル瓶に詰めた。
【0047】
▲2▼ 菌体画分からのファルネソール及びゲラニルゲラニオールの抽出
1) バクテリアの場合
液体培養液10mlを50mlコーニングチューブに入れ、ベックマン製冷却遠心機(Avant J25-I)で6000rpm、5分遠心分離し菌体を集めた。菌体を脱イオン水0.5mlに懸濁させた後、10mlスピッツ管に移し、東海電機社製超音波細胞破砕機UCW-201で破砕した(条件:10℃、1分破砕−30秒停止を20分間繰り返す)。18Φmm×125mm試験管に移し、6mMの塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)0.5mlを加え、上述の▲1▼と同様にフォスファターゼ処理、抽出を行った。
【0048】
2) 酵母・糸状菌の場合
液体培養液2.5mlを18Φmm×125mm試験管に入れ、ベックマン社製遠心分離器GP centrifugeで1000rpm、5分遠心し菌体を集めた。6mMの塩化マグネシウムを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)0.5mlを加え菌体を懸濁させた後、破砕用ガラスチューブに移した。等量のガラスビーズ(シグマ社製 acid washed 425Φ-600μm)を加え、安井機械社製Multi-Beads Shocker MB-200で破砕した(条件:室温、2500rpm、20分)。18Φmm×125mm試験管に全量を移し、上述の▲1▼と同様にフォスファターゼ処理、抽出を行った。
なお、上述の各処理において、フォスファターゼ処理を行わない系は酵素処理工程を割愛した。
【0049】
(2)ファルネソール及びゲラニルゲラニオールの全抽出
培養液2mlに1.25mlメタノール(ナカライ)と2mlのペンタン(ナカライ)を加え十分にボルテックスした後、試験管ごと遠心分離した(ベックマン社製CP、1500rpm、5分、室温)。ペンタン層を注意深くピペットマンまたはパスツールピペットでGC/MS用バイアル瓶に移した。この時、内部標準としての10μlウンデカノール溶液(1mg/ml-エタノール)をバイアル瓶にあらかじめ入れておいた。室温に長期保存するとペンタンが揮発するため、分析するまでアルミキャップで封印し−80℃保存した。
【0050】
4.分析方法
(1)ファルネソール及びゲラニルゲラニオールの分析
培養上清及び菌体画分のゲラニルゲラニオール及びファルネソールをGC/MSで分析した。カラムのバックグランド低減のため以下の分析条件で分析した。
【0051】
純度検定にFID-GCで分析した条件は以下のとおりである。なお、内部標準が異なるためファルネソール及びゲラニルゲラニオール全抽出操作でウンデカノールを添加する前のペンタン溶液を分析した。
【0052】
【0053】
(2)菌体量測定(O.D.)
培養液100μlを生理食塩水で希釈し、分光光度計によりO.D.600nmを測定した。
【0054】
(3)菌体量測定(重量)
105℃、2時間減圧乾燥した50mlチューブ(コーニング社製)を精密天秤で重量測定した(A)。培養液10mlを同チューブに入れて遠心分離し(4300g、10分)上清を取り除きチューブの重量を測定した(B)。次に菌体ペレットを減圧乾燥し(80℃、3時間)再びチューブ重量を測定した(C)。培養液1L当たりの菌体量は以下の式により算出した。
湿菌体重量(g/L-broth)=100 × (B−A)
乾燥菌体重量(g/L-broth)=100 × (C−A)
なお、O.D.660nmと菌体重量との関係は以下のようであった。
1O.D.660nm = 2.14g/L-湿菌体重量
1O.D.660nm = 0.305g/L-乾燥菌体重量
【0055】
(4)菌体数測定
培養液100μlを生理食塩水で1〜20倍に希釈し、血球計(林理化学)で細胞数を計数した。0.06mm四方(最少のグリッド9つ分)の菌数を4平均し、以下の式から培養液1L当たりの菌数を算出した。
菌数( 109cell/L-broth)=0.444×(0.06mm四方の菌体数)×希釈倍率
【0056】
(5)エタノール、酢酸、グリセロール、コハク酸量測定
F-キット(JKインターナショナル製)を用い、添付マニュアルに従いエタノール、酢酸、グリセロール、コハク酸、ピルビン酸を分析した。
【0057】
〔実施例1〕プレニルアルコール生産に及ぼす培養時のpH制御の影響
(1)中性pH制御の影響
Saccharomyces cerevisiae ATCC64031株を用いて、プレニルアルコール生産における培養液のpH制御の影響を検討した。
酵母の生育は通常酸性領域であるので、本実施例では、まず、培養液のpHを中性に制御し、得られるFOH(全抽出)、培養液中のグルコース、エタノール、酢酸、グリセロール、コハク酸の変動を調べた。その結果を図4に示す。
【0058】
図4から明らかなように、培養液をpH7に制御した場合、FOHの生産量は培養時間とともに増加し、培養後150時間でFOH量は約160mg/Lに達した(図4右パネル)。一方、培養液のpHを制御しなかった場合、FOHの生産量は培養後150時間で約90mg/Lに達するものの、その後の生産量に増加傾向は見られなかった(図4左パネル)。従って、プレニルアルコールの生産において、培養開始時から対数増殖期にかけてpHを中性付近に制御することが有効であることが確認された。これは、培養液をpH7.0付近に制御することによって微生物の増殖が低下し、糖の分解によって生じるアセチルCoA、NADPHが微生物の増殖に使用されなくなり、プレノール合成の原料に使用されるようになると考えられる。
【0059】
(2)弱アルカリ性pH制御の影響
さらに制御pH域を弱アルカリ性のpH8に設定し、FOHの生産性について、フォスファターゼ処理の効果も含めて検討した。また、pHの制御を培養経過途中から開始しても効果があるか否かについて、培養後46〜61時間をpH7.0、61〜70時間をpH8.0、70〜84.5時間をpH9.0に制御して試験した。その結果を図5に示す。
【0060】
培養液をpH7に一段階pH制御した場合、FOHの生産量は培養時間とともに増加するのに対し(図5中パネル)、弱アルカリ性のpH8に一段階pH制御した場合、FOHの生産はほとんど確認されなかった(図5下パネル)。また、滅菌後pH6.0〜6.5となっている培地に対して、培養開始時にはpH制御を行わず、対数増殖期後の46時間以降に弱アルカリ性に制御した場合、培養時間の経過に伴いFOHの生産量が約36mg/Lに達した。
【0061】
さらに、pH7〜pH8の範囲における制御効果を確認するために、制御pH値を4N水酸化ナトリウムで7.0、7.5、8.0に設定し試験した。なお、pH8.0については、培養開始時からpH8.0に制御してもFOHの生産が認められないことが前記試験から明らかであることから、培養開始時から対数増殖期にかけて(培養開始から約42時間)はpH7に制御し、その後、静止期に入ってからpHを8.0へ変更して制御した。また、併せて培養時間に伴う平均細胞数の変化についても調べた。その結果を図6に示す。
【0062】
培養液を一段階pH制御した場合、pH7.0のときもpH7.5のときも培養時間の経過とともにFOHの生産量が増加しpH制御効果が認められた(図6、上及び中パネル)。一方、培養開始時から対数増殖期にかけてpH7.0に制御し(培養開始から約42時間)、その後、静止期に入ってからpHを8.0に変更して制御する二段階pH制御法の場合には、pH7.0における一段階pH制御法と同様のFOH生産性が得られた(図6、下パネル)。また、この場合、平均細胞数がpH7.0における一段階pH制御法よりも少ないため、細胞1個当たりのFOH生産性が高いことが明らかになった。プレニルアルコール生産では、生産物取得後、培養微生物は廃棄物として処理されるので工業生産的には培養微生物量は少ないほど好ましい。従って、培養開始時から対数増殖期にかけてpH7.0に制御した後、静止期以降にpH値を弱アルカリ性に変更して制御する二段階pH制御法は、FOHの生産性および培養微生物量の観点から非常に有用であると考えられる。
【0063】
また、前記試験において、培養時間の経過に対する各種テルペノイド(ネロリドール、ファルネソール、ゲラニルゲラニオール、スクアレン)の生産量、培養液中のグルコース、エタノール、酢酸、グリセロール、コハク酸量、菌数の変化を調べた結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
FOHの生産に関しては、pH7における一段階pH制御法を行った場合とpHを静止期後に7から8に変更して制御する二段階pH制御法を行った場合に、ほぼ同量のFOH生産量が確認され、pH7.5における一段階pH制御法を行った場合は、その生産量は若干低下していた。また、ゲラニルゲラニオール(GGOH)の生産に関しては、pH7における一段階pH制御法を行った場合、pH7.5における一段階pH制御法を行った場合、およびpHを静止期後に7から8に変更して制御する二段階pH制御法を行った場合のいずれの場合も、ほぼ同量のGGOH生産量が確認された。なお、培養経過に伴う微生物菌数当たりのFOH生産効率を比較した場合、最も効率的であったのは二段階pH制御法を行った場合であり、次いでpH7における一段階pH制御法を行った場合とpH7.5における一段階pH制御法を行った場合とがほぼ等しいという結果であった。
【0066】
(3)フォスファターゼ処理の影響
ファルネソールはフォスファターゼがファルネシルニリン酸に作用して生成する。そこで、プレニルアルコール生産のpH制御において、フォスファターゼ処理が菌体画分および培養液画分のFOH生産量にどのような影響を及ぼすか検討した。
すなわち、ATCC64031株をジャーファメンターで培養する際、pHを制御しない場合、およびpHを7.0に制御して培養する場合において、フォスファターゼ処理効果を培養液および菌体について培地組成を変えて検討した。その結果を表3及び表4に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
表3のpHを制御しなかった場合及びpHを7.0に制御した場合において、培養液及び菌体のフォスファターゼ処理の有無によるFOH生産量を比較すると、フォスファターゼ処理によるFOH生産量の顕著な相違は認められなかった。一方、表4では、pHを7.0に制御して培養した場合に、フォスファターゼ処理した菌体画分のFOH生産量が培養時間の経過とともに顕著に増大していた。表3と表4との培養条件の違いは、添加する大豆油の濃度の0.1%と1%である。従って、pHを制御して培養する方法において、適当な濃度の大豆油等の油脂を含有する培地での培養でフォスファターゼ処理を組み合わせることによってFOH生産量を高めることが可能である。
【0070】
[実施例2]組換え微生物によるプレニルアルコール生産におけるpH制御の影響
ファルネソール、ゲラニルゲラニオール生産組換え微生物によって当該物質を生産する場合、ファルネソールの生産性が低く、また、ファルネソールとの分離が容易でない異性体のネロリドール、ゲラニルリナロールが同時に生成されてしまう。この副生成物のネロリドール、ゲラニルリナロールはファルネソール等との分離が容易でないため、これら副生成物を生じる微生物によるファルネソール生産は量産化には適さないという問題があり、これは、微生物の培養経過とともにpHが低下し、ファルネシル二リン酸やゲラニルゲラニル二リン酸の酸加水分解が起こり、反応中間体のカルボニムカチオンの安定性から転位反応産物であるネロリドールやゲラニルリナロールが優先的に生産されるためであると考えられる。
【0071】
そこで、ネロリドール及びゲラニルリナロールを生成するHMG-CoA還元酵素遺伝子導入酵母pYHMG122/A451を用いて、培養時のpH制御の効果を検討した。すなわち、pYHMG122/A451を5%ガラクトース、1%大豆油、0.1%アデカノール含有YNB培地で培養し、144時間目に終濃度5%のグルコースを添加した。この際、pHは4NのNaOHおよび2NのHClで7.0に制御した。対照はpH制御無しとした。その結果を図7及び表5に示す。
【0072】
【表5】
【0073】
図7及び表5より、pH制御を行わずpYHMG122/A451を培養した場合、FOH量は培養開始から157時間で122.7mg/Lであり、FOH生産の増加が確認された。また、これと同時に副生成物のネロリドールの生産も増加した(図7上パネル)。一方、pH7.0で制御して培養した場合、FOH量は培養開始から157時間で145.7mg/Lであり、FOH生産は増加するが、副生成物のネロリドールの生産はほとんど抑制された(図7下パネル)。従って、ネロリドール等の副生成物を生成する微生物を用いてプレニルアルコールを生産する場合、pHを中性〜弱アルカリ性へ制御することによって副生成物の生成を抑制し、プレニルアルコールの純度を高めることができることが確認された。
【0074】
【発明の効果】
本発明により、プレニルアルコールを効率的に製造する方法が提供される。本発明によれば、pHを中性付近から弱アルカリ性の範囲内に制御した培地で生物学的に活性なプレニルアルコールを生産する微生物を培養することにより、効率よく大量にプレニルアルコールを入手することができる。また、本発明の方法をプレニルアルコール生産遺伝子導入微生物に適用した場合、プレニルアルコール生産時に生成されるネロリドール、ゲラニルゲラニオール等の副生成物の生成が抑制され、プレニルアルコールの純度を高めることができる。
【0075】
【配列表】
【0076】
【配列表フリーテキスト】
配列番号2:合成DNA
配列番号3:合成DNA
配列番号16:合成DNA
配列番号17:合成DNA
配列番号18:合成DNA
配列番号19:合成DNA
配列番号20:合成DNA
配列番号21:合成DNA
配列番号22:合成DNA
配列番号23:合成DNA
配列番号24:合成DNA
配列番号25:合成DNA
配列番号26:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】メバロン酸経路関連酵素の代謝経路を示す図である。
【図2】欠失型HMG1遺伝子の構築図及び置換変異のパターンを示す図である。
【図3】プラスミドpYES2を示す図である。
【図4】 Saccharomyces cerevisiae ATCC64031株によるFOH生産におけるpH制御効果を示す図である。
【図5】 Saccharomyces cerevisiae ATCC64031株によるFOH生産における中〜弱アルカリ性域のpH制御効果を示す図である。
【図6】 Saccharomyces cerevisiae ATCC64031株によるFOH生産における中〜弱アルカリ性域のpH制御効果と平均細胞数を示す図である。
【図7】遺伝子導入酵母pYHMG122/A451株によるFOH生産におけるpH制御効果を示す図である。
Claims (6)
- pH7.0〜7.5の範囲内に制御した培地中でプレニルアルコール生産能を有する酵母類を培養し、得られる培養物からファルネソールを採取することを特徴とするファルネソールの製造方法。
- pHの制御を、上記プレニルアルコール生産能を有する酵母類の対数増殖期以前に行う請求項1に記載の製造方法。
- プレニルアルコール生産能を有する酵母類を、pH6.5〜7.0の範囲内に制御した培地中で対数増殖期まで培養した後、さらにpH7.5〜8.0の範囲内に制御した培地中で培養し、得られる培養物からファルネソールを採取することを特徴とするファルネソールの製造方法。
- pHの制御を水酸化ナトリウムで調整する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 上記酵母類はサッカロミセス属酵母であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 上記酵母類はサッカロミセス・セレビシエであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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