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JP4285800B2 - 酸化物磁性体の製造方法 - Google Patents

酸化物磁性体の製造方法 Download PDF

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JP4285800B2
JP4285800B2 JP15992798A JP15992798A JP4285800B2 JP 4285800 B2 JP4285800 B2 JP 4285800B2 JP 15992798 A JP15992798 A JP 15992798A JP 15992798 A JP15992798 A JP 15992798A JP 4285800 B2 JP4285800 B2 JP 4285800B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異方性フェライト磁石等の酸化物磁性体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、酸化物永久磁石材料として六方晶系のSrフェライトやBaフェライトが用いられており、これらの磁石では、磁石特性を向上させるために磁場中プレスによる異方性化が広く行われている。磁石特性のひとつとして、残留磁束密度(Br)が挙げられる。残留磁束密度Brに大きな影響を与える因子には、次の関係がある。なお、下記式における単位重量当たりの飽和磁化(σs)は、物質固有の値である。
【0003】
式 Br∝ (単位重量当たりの飽和磁化)×(密度)×(配向度)
したがって、Brの高い異方性焼結フェライト磁石を製造するためには、焼結密度と配向度を高めることが非常に重要である。高い配向度を得るため、フェライト粒子が水中に分散されたスラリーを成形する、いわゆる湿式成形が、従来から行われている。一方、大きな保磁力を得るためには、フェライトの粒子サイズを単磁区臨界径である1μm以下として単磁区化する必要があるが、このような粒子では、湿式成形法を用いた場合でも一般的に配向度が低下するという問題がある。この原因として、▲1▼粒子の単磁区化による磁気的凝集力の増加、▲2▼粒子が磁場方向に向こうとするトルクの減少、▲3▼粒子の表面積増加による摩擦力の増加、などが挙げられる。
【0004】
本発明者らは、この問題を解決するために、サブミクロンフェライト粒子に粉砕歪みを導入して粒子の保磁力を一時的に低減させることにより、磁気的凝集力を低減させ得ることを見出した(特開平6−53064号公報)。
【0005】
さらに、水の代わりに例えばトルエンやキシレンのような有機溶媒を用い、かつ、例えばオレイン酸のような界面活性剤を添加することにより、サブミクロンサイズのフェライト粒子を用いても最高で98%程度の高い磁気的配向度を得ることが可能であることを見出した(同じく特開平6−53064号公報)。しかし、この方法は有機溶媒を使うため、人体や環境に対して悪影響があり、これを解決するためには回収装置などの大がかりな設備が必要になり、コストアップになるという問題がある。
【0006】
なお、本明細書において磁気的配向度とは、飽和磁化(Is)に対する残留磁化(Ir)の比(Ir/Is)である。
【0007】
一方、水を用いた湿式磁場成形法における配向度を改善するために、従来、例えばポリカルボン酸(塩)に代表される高分子の分散剤を添加し、これを磁性粒子表面に吸着させて立体障害と電気的な反発作用の効果により粒子を分散し、配向度を向上させることが試みられてきた(特開平6−112029号公報)。しかし、従来用いられてきたポリカルボン酸系分散剤は、例えばポリアクリル酸のようにカルボキシル基を除くと疎水的な基の占める割合が大きく、立体障害による分散効果は期待できるが、吸着により粒子に親水性を付与するような効果はあまり期待できないものであった。このため、従来用いられているポリカルボン酸系分散剤では、配向度および残留磁束密度Brは高くなかった。
【0008】
なお、粒子サイズを小さくすると配向性が劣化するという問題は、フェライト磁石の製造の場合に限らず、例えば、針状の軟磁性フェライト等の他の酸化物磁性体粒子を磁場配向させる場合においても同様である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、異方性フェライト磁石等の酸化物磁性体の製造工程において、環境面やコスト面で有利な、水を使用する湿式成形時の磁場配向性を改善することにより、高い配向度を有する酸化物磁性体を得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(11)のいずれかの構成により達成される。
(1) 酸化物磁性体粒子と水とを含む成形用スラリーを磁場中で湿式成形して成形体を得る成形工程を有する酸化物磁性体の製造方法において、
前記成形用スラリーに分散剤が添加されており、
前記分散剤が、それぞれカルボキシル基を有する糖類もしくはその誘導体であるか、またはこれらの塩であり、前記分散剤の炭素数が21以上である酸化物磁性体の製造方法。
(2) 前記分散剤がカルボキシメチルセルロースまたはその塩である上記(1)の酸化物磁性体の製造方法。
(3) 前記分散剤がカルボキシメチルでんぷんまたはその塩である上記(1)の酸化物磁性体の製造方法。
(4) 前記分散剤は、加水分解により分子量が制御されたものである上記(1)〜(3)のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
(5) 前記成形用スラリー中に塩基性化合物が添加されている上記(1)〜(4)のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
(6) 前記成形工程の前に湿式粉砕工程を有する上記(1)〜(5)のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
(7) 前記分散剤の少なくとも一部が、前記湿式粉砕工程において添加されたものである上記(6)の酸化物磁性体の製造方法。
(8) 前記湿式粉砕工程の前に乾式粗粉砕工程を有する上記(6)または(7)の酸化物磁性体の製造方法。
(9) 前記分散剤の少なくとも一部が、前記乾式粗粉砕工程において添加されたものである上記(8)の酸化物磁性体の製造方法。
(10) 前記分散剤の添加量(分散剤が水溶液中においてイオン化し得るものであるときは、イオン換算の添加量)が、前記酸化物磁性体粒子に対し0.05〜3.0重量%である上記(1)〜(9)のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
(11) 前記酸化物磁性体粒子の平均粒径が1μm以下である上記(1)〜(10)のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる分散剤は、カルボキシル基を有する糖類またはその誘導体であるか、これらの塩であるので、その多くはポリカルボン酸に分類することもできる。ただし、本発明で用いる分散剤は、分子中に水酸基、アセタール結合、エーテル結合のような親水基を多くもつことが特徴である。そのため、分子の親水性が非常に高く、磁性体粒子に吸着することにより磁性体粒子表面を親水的にするという保護コロイド的な効果を生み、その結果、磁性体粒子の水中における分散性が著しく向上して、配向度が大幅に向上する。
【0012】
また、従来用いられている高分子分散剤のほとんどは人工的に合成されたもので、生物分解されにくく排液処理の問題があるが、本発明で用いる分散剤の多くは人体や環境に対して安全であり、微生物等により分解できるという利点もある。
【0013】
本発明において、水溶液中で酸としての性質を示す分散剤を用いる場合、塩基性化合物を添加してスラリー上澄みのpHを上昇させれば、配向度はより向上する。
【0014】
なお、本発明で用いる分散剤にはカルボキシメチルセルロースが含まれるが、フェライト焼結磁石の製造工程において押し出し成形を利用する際に、バインダとしてカルボキシメチルセルロースを利用することは公知である(特開昭55−150210号公報、同57−70133号公報)。しかし、これらの公報において、カルボキシメチルセルロースは本発明で用いる分散剤とは異なる有機化合物(ポリビニルアルコールやメチルセルロース等のバインダ)と並列に提示されており、分散剤としての効果に着目して選択されたものでないことは明らかである。しかも、押し出し成形では、フェライト粉末と水との混練物の粘度が高いため、カルボキシメチルセルロースを添加しても配向度向上には実質的に寄与しない。具体的には、上記特開昭55−150210号公報の実施例では、フェライト粒子7kgに対し水を1.5kg混合しており、混合物中の水の比率は約18%にすぎない。このように濃度が高い混合物は粘度が高くなるため、磁場中成形を行っても粒子の配向が妨げられ、本発明の効果は実現しない。また、上記特開昭57−70133号公報の実施例では、ポリビニルアルコールまたはメチルセルロースをバインダとして用いており、カルボキシメチルセルロースを用いた実施例はない。しかも、同公報の実施例においても、混練物中の水分量は16〜20重量%と少なく、粘度の高い混練物を用いている。また、これらのほか、特開平9−169572号公報には、セラミックス粉末の押し出し成形に、バインダとして水溶性セルロースを用いる旨の提案がなされており、水溶性セルロースとしてカルボキシメチルセルロースが例示されているが、同公報にはフェライトの成形に適用する旨の記載は一切なく、同公報記載の発明と本発明とは、技術分野が実質的に異なるともいえる。また、カルボキシメチルセルロースは、洗剤の再汚染防止剤として用いられることが公知であるが、この場合は本発明とは技術分野が異なる。
【0015】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0016】
本発明は、各種酸化物磁性体の製造に適用可能であるが、特に顕著な効果が得られることから、以下の説明では異方性フェライト磁石の製造に適用した場合を例に挙げる。
【0017】
本発明が適用される異方性フェライト磁石は、主にマグネトプランバイト型のM相、W相等の六方晶系のフェライトである。このようなフェライトとしては、特に、MO・nFe23(Mは好ましくはSrおよびBaの1種以上、n=4.5〜6.5)であることが好ましい。このようなフェライトには、さらに、希土類元素、Ca、Pb、Si、Al、Ga、Sn、Zn、In、Co、Ni、Ti、Cr、Mn、Cu、Ge、Nb、Zr等が含有されていてもよい。
【0018】
また、より好ましくはSr、Ba、CaおよびPbから選択される少なくとも1種の元素をAとし、希土類元素(Yを含む)およびBiから選択される少なくとも1種の元素をRとし、Coおよび/またはZnをLとしたとき、A,R,FeおよびLそれぞれの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素量に対し、
A:1〜13原子%、
R:0.05〜10原子%、
Fe:80〜95原子%、
L:0.1〜5原子%
である六方晶マグネトプランバイト型(M型)フェライトを主相に有するものが好ましい。
【0019】
この場合は、RがAサイトに存在するとし、LがFeのサイトに存在するとして表した
式I A1-xx(Fe12-yyz19
で表される主相を形成することが好ましい。なお、x、y、zは上記の量から計算される値である。
【0020】
さらに、好ましくは、
A:3〜11原子%、
R:0.2〜6原子%、
Fe:83〜94原子%、
L:0.3〜4原子%であり、
特に好ましくは、
A:3〜9原子%、
R:0.5〜4原子%、
Fe:86〜93原子%、
L:0.5〜3原子%である。
【0021】
上記各構成元素において、Aは、Sr、Ba、CaおよびPbから選択される少なくとも1種の元素であって、Srを必ず含むことが好ましい。Aが少なすぎると、M型フェライトが生成しないか、α−Fe23等の非磁性相が多くなってくる。Aが多すぎるとM型フェライトが生成しないか、SrFeO3-x等の非磁性相が多くなってくる。A中のSrの比率は、好ましくは51原子%以上、より好ましくは70原子%以上、さらに好ましくは100原子%である。A中のSrの比率が低すぎると、飽和磁化向上と保磁力の著しい向上とを共に得ることができなくなってくる。
【0022】
Rは、希土類元素(Yを含む)およびBiから選択される少なくとも1種の元素である。Rとしては、La,Pr,Ndを用いることが好ましく、特にLaを必ず用いることが好ましい。Rが少なすぎると、Lの固溶量が少なくなり、効果が得難くなる。Rが多すぎると、オルソフェライト等の非磁性の異相が多くなってくる。R中においてLaの占める割合は、好ましくは40原子%以上、より好ましくは70原子%以上であり、飽和磁化向上のためにはRとしてLaだけを用いることが最も好ましい。これは、六方晶M型フェライトに対する固溶限界量を比較すると、Laが最も多いためである。したがって、R中のLaの割合が低すぎるとRの固溶量を多くすることができず、その結果、元素Lの固溶量も多くすることができなくなり、その効果が小さくなってくる。また、Biを併用すれば仮焼温度および焼結温度を低くすることができるので、生産上有利である。
【0023】
元素Lは、Coおよび/またはZnであり、特にCoが必ず含まれることが好ましい。L中のCoの比率は、好ましくは10原子%以上、より好ましくは20原子%以上であることが好ましい。Coの比率が低すぎると、保磁力向上が不十分となってくる。
【0024】
このような異方性フェライト焼結磁石を製造するには、フェライト組成物の原料の酸化物、または焼成により酸化物となる化合物を仮焼前に混合し、その後仮焼を行う。仮焼は、大気中で、例えば1000〜1350℃で1秒間〜10時間、特にM型のSrフェライトの微細仮焼粉を得るときには、1000〜1250℃で、1秒間〜3時間程度行えばよい。
【0025】
このような仮焼粉は、実質的にマグネトプランバイト型のフェライト構造をもつ顆粒状粒子から構成され、その一次粒子の平均粒径は0.1〜1μm、特に0.1〜0.5μmであることが好ましい。平均粒径は走査型電子顕微鏡(SEM)により測定すればよく、その変動係数CVは80%以下、一般に10〜70%であることが好ましい。また、飽和磁化σsは65〜80emu/g、特にM型Srフェライトでは65〜71.5emu/g、保磁力HcJは2000〜8000Oe、特にM型Srフェライトでは4000〜8000Oeであることが好ましい。
【0026】
本発明では、酸化物磁性体粒子と、分散媒としての水と、分散剤とを含む成形用スラリーを用いて湿式成形を行うが、分散剤の効果をより高くするためには、湿式成形工程の前に湿式粉砕工程を設けることが好ましい。また、酸化物磁性体粒子として仮焼体粒子を用いる場合、仮焼体粒子は一般に顆粒状であるので、仮焼体粒子の粗粉砕ないし解砕のために、湿式粉砕工程の前に乾式粗粉砕工程を設けることが好ましい。なお、共沈法や水熱合成法などにより酸化物磁性体粒子を製造した場合には、通常、乾式粗粉砕工程は設けず、湿式粉砕工程も必須ではないが、配向度をより高くするためには湿式粉砕工程を設けることが好ましい。以下では、仮焼体粒子を酸化物磁性体粒子として用い、乾式粗粉砕工程および湿式粉砕工程を設ける場合について説明する。
【0027】
乾式粗粉砕工程では、通常、BET比表面積が2〜10倍程度となるまで粉砕する。粉砕後の平均粒径は、0.1〜1μm程度、BET比表面積は4〜10m2/g程度であることが好ましく、粒径のCVは80%以下、特に10〜70%に維持することが好ましい。粉砕手段は特に限定されず、例えば乾式振動ミル、乾式アトライター(媒体攪拌型ミル)、乾式ボールミル等が使用できるが、特に乾式振動ミルを用いることが好ましい。粉砕時間は、粉砕手段に応じて適宜決定すればよい。
【0028】
乾式粗粉砕には、仮焼体粒子に結晶歪を導入して保磁力HcBを小さくする効果もある。保磁力の低下により粒子の凝集が抑制され、分散性が向上する。また、配向度も向上する。粒子に導入された結晶歪は、後の焼結工程において解放され、これによって本来の硬磁性に戻って永久磁石となる。
【0029】
なお、乾式粗粉砕の際には、通常、SiO2と、焼成によりCaOとなるCaCO3とが添加される。SiO2およびCaCO3は、一部を仮焼前に添加してもよく、その場合には特性向上が認められる。
【0030】
乾式粗粉砕の後、仮焼体粒子と水とを含む粉砕用スラリーを調製し、これを用いて湿式粉砕を行う。粉砕用スラリー中の仮焼体粒子の含有量は、10〜70重量%程度であることが好ましい。湿式粉砕に用いる粉砕手段は特に限定されないが、通常、ボールミル、アトライター、振動ミル等を用いることが好ましい。粉砕時間は、粉砕手段に応じて適宜決定すればよい。
【0031】
湿式粉砕後、粉砕用スラリーを濃縮して成形用スラリーを調製する。濃縮は、遠心分離などによって行えばよい。成形用スラリー中の仮焼体粒子の含有量、すなわちスラリー濃度は、好ましくは60重量%以上80重量%未満、より好ましくは60〜78重量%、さらに好ましくは60〜74重量%である。スラリー濃度が低すぎると、生産効率が低くなり、スラリー濃度が高すぎると、配向度を高くすることが困難となる。
【0032】
湿式成形工程では、成形用スラリーを用いて磁場中成形を行う。成形圧力は0.1〜0.5ton/cm2程度、印加磁場は5〜15kOe程度とすればよい。
【0033】
本発明では、分散剤が添加された成形用スラリーを用いる。本発明で用いる分散剤は、カルボキシル基を有する糖類またはその誘導体であるか、これらの塩である有機化合物である。そして、この分散剤は、炭素数が21以上とされる。前記有機化合物のうち炭素数が20以下のものの一部については、本発明者らにより既に特許出願がなされているため、本願では除外する。
【0034】
なお、分散剤の分子量が大きくなるほどスラリーの粘度が高くなるため、スラリーの粘度が高すぎる場合には、例えば、分散剤を酵素などにより加水分解する方法により粘度を低下させてもよい。
【0035】
本発明で用いる分散剤において基本骨格を構成する糖類は、セルロースやでんぷんなどの多糖類のほか、これらの還元誘導体、酸化誘導体、脱水誘導体などを包含し、さらに広範囲の誘導体、例えばアミノ糖やチオ糖などをも包含する化合物である。
【0036】
カルボキシル基を有する糖類としては、OH基の少なくとも一部が、カルボキシル基を有する有機化合物との間でエーテル結合を形成しているものが好ましい。このような化合物としては、糖類とグリコール酸とのエーテルが好ましく、具体的には、カルボキシメチルセルロースまたはカルボキシメチルでんぷんが好ましい。これらの化合物において、カルボキシメチル基の置換度、すなわちエーテル化度は最大で3となるが、エーテル化度は0.4以上であることが好ましい。エーテル化度が小さすぎると、水に溶けにくくなる。なお、カルボキシメチルセルロースは、通常、ナトリウム塩の形で合成され、本発明ではこのナトリウム塩も分散剤として用いることができるが、磁気特性に与える悪影響が少ないことから、好ましくはアンモニウム塩を用いる。また、酸化でんぷんも分子内にカルボキシル基を有する糖類であり、本発明において好ましく用いられる分散剤である。
【0037】
磁場配向による配向度は、スラリーのpHの影響を受ける。具体的には、pHが低すぎると配向度は低下し、これにより焼結後の残留磁束密度が影響を受ける。分散剤として水溶液中で酸としての性質を示す化合物、例えば酸型のカルボキシメチルセルロースなどを用いた場合には、スラリーのpHが低くなってしまう。したがって、例えば、分散剤と共に塩基性化合物を添加するなどして、スラリーのpHを調整することが好ましい。上記塩基性化合物としては、アンモニアや水酸化ナトリウムが好ましい。アンモニアは、アンモニア水として添加すればよい。なお、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩を用いれば、pH低下を防ぐことができる。
【0038】
上記理由により、スラリー上澄みのpHは、好ましくは7以上、より好ましくは8〜11である。
【0039】
なお、分散剤には、上記化合物の2種以上を併用してもよい。
【0040】
分散剤の添加量は、酸化物磁性体粒子である仮焼体粒子に対し、好ましくは0.05〜3.0重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%である。分散剤が少なすぎると配向度の向上が不十分となる。一方、分散剤が多すぎると、水抜けが悪くなって成形が困難になったり、成形体や焼結体にクラックが発生しやすくなったりする。
【0041】
なお、分散剤が水溶液中でイオン化し得るもの、例えば酸や金属塩などであるときには、分散剤の添加量はイオン換算値とする。すなわち、水素イオンや金属イオンを除く有機成分に換算して添加量を求める。また、分散剤が水和物である場合には、結晶水を除外して添加量を求める。
【0042】
分散剤の添加時期は特に限定されず、乾式粗粉砕時に添加してもよく、湿式粉砕時の粉砕用スラリー調製の際に添加してもよく、一部を乾式粗粉砕の際に添加し、残部を湿式粉砕の際に添加してもよい。あるいは、湿式粉砕後に攪拌などによって添加してもよい。いずれの場合でも、成形用スラリー中に分散剤が存在することになるので、本発明の効果は実現する。ただし、粉砕時に、特に乾式粗粉砕時に添加するほうが、配向度向上効果は高くなる。乾式粗粉砕に用いる振動ミル等では、湿式粉砕に用いるボールミル等に比べて粒子に大きなエネルギーが与えられ、また、粒子の温度が上昇するため、化学反応が進行しやすい状態になると考えられる。したがって、乾式粗粉砕時に分散剤を添加すれば、粒子表面への分散剤の吸着量がより多くなり、この結果、より高い配向度が得られるものと考えられる。実際に、成形用スラリー中における分散剤の残留量(吸着量にほぼ等しいと考えられる)を測定すると、分散剤を乾式粗粉砕時に添加した場合のほうが、湿式粉砕時に添加した場合よりも添加量に対する残留量の比率が高くなる。なお、分散剤を複数回に分けて添加する場合には、合計添加量が前記した好ましい範囲となるように各回の添加量を設定すればよい。
【0043】
成形工程後、成形体を大気中または窒素中において100〜500℃の温度で熱処理して、添加した分散剤を十分に分解除去する。次いで焼結工程において、成形体を例えば大気中で好ましくは1150〜1250℃、より好ましくは1160〜1220℃の温度で0.5〜3時間程度焼結して、異方性フェライト磁石を得る。
【0044】
なお、本発明による方法で作製した成形体をクラッシャー等を用いて解砕し、ふるい等により平均粒径が100〜700μm程度となるように分級して磁場配向顆粒を得、これを乾式磁場成形した後、焼結することにより焼結磁石を得てもよい。
【0045】
以上では、異方性焼結フェライト磁石の製造に本発明を適用する場合について説明したが、例えば針状フェライト粒子などを用いた軟磁性フェライト焼結体等の他の酸化物磁性体の製造に適用する場合でも、上記説明に準じて分散剤を添加することにより、成形用スラリー中の酸化物磁性体粒子の分散性が良好となり、その結果、高配向度の酸化物磁性体が得られる。
【0046】
本発明の方法により作製された焼結フェライト磁石を使用することにより、一般に次に述べるような効果が得られ、優れた応用製品を得ることができる。すなわち、従来のフェライト製品と同一形状であれば、磁石から発生する磁束密度を増やすことができるため、モータであれば高トルク化等を実現でき、スピーカーやヘッドホーンであれば磁気回路の強化により、リニアリティーのよい音質が得られるなど応用製品の高性能化に寄与できる。また、従来と同じ機能でよいとすれば、磁石の大きさ(厚み)を小さく(薄く)でき、小型軽量化(薄型化)に寄与できる。
【0047】
本発明の方法により作製された焼結フェライト磁石は所定の形状に加工され、下記に示すような幅広い用途に使用される。
【0048】
例えば、フュエルポンプ用、パワーウインドウ用、ABS用、ファン用、ワイパ用、パワーステアリング用、アクティブサスペンション用、スタータ用、ドアロック用、電動ミラー用等の自動車用モータ;FDDスピンドル用、VTRキャプスタン用、VTR回転ヘッド用、VTRリール用、VTRローディング用、VTRカメラキャプスタン用、VTRカメラ回転ヘッド用、VTRカメラズーム用、VTRカメラフォーカス用、ラジカセ等キャプスタン用、CD,LD,MD等の各種光ディスク駆動装置のスピンドル用、光ディスク駆動装置のローディング用、光ディスク駆動装置の光ピックアップ用等のOA、AV機器用モータ;エアコンコンプレッサー用、冷蔵庫コンプレッサー用、電動工具駆動用、扇風機用、電子レンジファン用、電子レンジプレート回転用、ミキサ駆動用、ドライヤーファン用、シェーバー駆動用、電動歯ブラシ用等の家電機器用モータ;ロボット軸、関節駆動用、ロボット主駆動用、工作機器テーブル駆動用、工作機器ベルト駆動用等のFA機器用モータ;その他、オートバイ用発電器、スピーカ・ヘッドホン用マグネット、マグネトロン管、MRI用磁場発生装置、CD−ROM用クランパ、ディストリビュータ用センサ、ABS用センサ、燃料・オイルレベルセンサ、マグネットラッチ等に好適に使用される。
【0049】
【実施例】
実施例1
目標組成を
Sr0.85La0.15Zn0.15Fe118519
とし、出発原料には、Fe23粉末(不純物として、Mn,Cr,Si,Clを含む)、SrCO3粉末(不純物として、Ba,Caを含む)、ZnO粉末、La23粉末を用いた。また、添加物として、SiO2を0.2重量%、CaCO3を0.15重量%添加した。これらの混合物を15kg/バッチの湿式アトライターで5時間粉砕後、乾燥・整粒し、これを空気中において1230℃で3時間焼成して、顆粒状の仮焼体を得た。
【0050】
この仮焼体にSiO2を0.4重量%、CaCO3を1.05重量%添加した後、12kg/バッチの振動ミルにより55分間乾式粗粉砕した。このときに粉砕による歪みが導入され、仮焼体粒子のHcJは1.7kOeに低下していた。
【0051】
次いで、分散媒として水を用い、分散剤として下記表1に示すCMC−Na(ナトリウムカルボキシメチルセルロース)[日本製紙(株)製のサンローズ]を用い、これらと上記仮焼体粒子とを混合して粉砕用スラリーを調製した。表1に、CMC−Naの粘度(25℃における1%水溶液の粘度)およびエーテル化度を示す。なお、粉砕用スラリー中の固形分濃度は、34重量%とし、仮焼体粒子に対する分散剤の添加量は、0.5重量%とした。
【0052】
この粉砕用スラリーを用いて、ボールミル中で湿式粉砕を40時間行った。湿式粉砕後の比表面積は、8.5m2/g(平均粒径0.5μm)であった。
【0053】
湿式粉砕後、粉砕用スラリーを遠心分離して、スラリー中の仮焼体粒子の濃度が72重量%となるように調整し、成形用スラリーとした。この成形用スラリーから水を除去しながら圧縮成形を行った。この成形は、圧縮方向に約10kOeの磁場を印加しながら行った。得られた成形体は、直径30mm、高さ16mmの円柱状であった。なお、比較のために、分散剤を添加しないほかは上記と同様にして比較用の成形体を作製した。
【0054】
成形体では、磁気的配向度の値が成形体密度にも影響されるため、成形体の表面に対し2θ=10〜60°の範囲でX線回折による測定を行い、現れたピークの面指数と強度とから成形体の結晶学的な配向度(X線配向度)を求めた。結果を表1に示す。成形体のX線配向度は、焼結体の磁気的配向度の値をかなりの程度支配する。なお、本明細書では、X線配向度としてΣI(00L)/ΣI(hkL)を用いる。(00L)は、(004)や(006)等のc面を総称する表示であり、ΣI(00L)は(00L)面のすべてのピーク強度の合計である。また、(hkL)は、検出されたすべてのピークを表し、ΣI(hkL)はそれらの強度の合計である。したがってΣI(00L)/ΣI(hkL)は、c面配向の程度を表す。
【0055】
【表1】
Figure 0004285800
【0056】
表1に示される結果から、ナトリウムカルボキシメチルセルロースを分散剤として添加することにより、成形体のX線配向度が向上することがわかる。
【0057】
次に、分散剤を除去するためにあらかじめ空気中において360℃で熱処理した後、各成形体を空気中において1200〜1240℃で1時間焼成し、得られた焼結体の残留磁束密度Br、保磁力HcJおよび配向度Ir/Isを測定したところ、成形体のX線配向度に応じて磁気特性の向上が認められた。
【0058】
なお、ナトリウムカルボキシメチルセルロースに替えてカルボキシメチルでんぷんを用いたほかは上記と同様にして成形体および焼結体を作製したところ、ナトリウムカルボキシメチルセルロースを用いた場合と同等の結果が得られた。
【0059】
実施例2
目標組成を
Sr0.9La0.1Zn0.1Fe11.919
とし、分散剤として下記表2に示すアンモニウムカルボキシメチルセルロースを用いたほかは実施例1と同様にして、成形体を作製した。なお、アンモニウムカルボキシメチルセルロースは、ダイセル化学工業株式会社製CMCダイセル<アンモニウム>DN10L、DN100Lを用いた。これらの分散剤の添加量および粘度を表2に示す。
【0060】
これらの成形体について、実施例1と同様にして結晶学的な配向度を求めた。結果を表2に示す。
【0061】
次に、焼成温度を1180〜1220℃としたほかは実施例1と同様にして焼成し、得られた焼結体の残留磁束密度Br、保磁力HcJおよび配向度Ir/Isを測定した。結果を表2に示す。
【0062】
【表2】
Figure 0004285800
【0063】
表2から、アンモニウムカルボキシメチルセルロースを分散剤として用いた場合でも、成形体のX線配向度が向上することがわかる。また、アンモニウムカルボキシメチルセルロース添加による成形体のX線配向度の向上に対応して、焼結体の磁気特性が向上していることがわかる。
【0064】
実施例3
分散剤として酸化でんぷん(日澱化学株式会社製アミコールDNK)を0.5重量%添加したほかは実施例2と同様にして、成形体を作製した。この成形体について、実施例1と同様にして結晶学的な配向度を求めたところ、0.45であり、分散剤を添加しない場合に比べて配向度の向上が認められた。また、この成形体を用い、実施例2と同様にして焼結体を作製し、磁気特性を測定したところ、
Br:4160G、
HcJ:3780Oe、
Ir/Is:93.4%
であり、分散剤を添加しない場合と比べ、向上が認められた。
【0065】
【発明の効果】
本発明では、異方性フェライト磁石等の酸化物磁性体の製造工程において、環境面やコスト面で有利な、水を使用する湿式成形を利用する。そして、この湿式成形の際に、成形用スラリー中に所定の分散剤を添加するので、高い配向度を有する酸化物磁性体を得ることができる。

Claims (11)

  1. 酸化物磁性体粒子と水とを含む成形用スラリーを磁場中で湿式成形して成形体を得る成形工程を有する酸化物磁性体の製造方法において、
    前記成形用スラリーに分散剤が添加されており、
    前記分散剤が、それぞれカルボキシル基を有する糖類もしくはその誘導体であるか、またはこれらの塩であり、前記分散剤の炭素数が21以上である酸化物磁性体の製造方法。
  2. 前記分散剤がカルボキシメチルセルロースまたはその塩である請求項1の酸化物磁性体の製造方法。
  3. 前記分散剤がカルボキシメチルでんぷんまたはその塩である請求項1の酸化物磁性体の製造方法。
  4. 前記分散剤は、加水分解により分子量が制御されたものである請求項1〜3のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
  5. 前記成形用スラリー中に塩基性化合物が添加されている請求項1〜4のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
  6. 前記成形工程の前に湿式粉砕工程を有する請求項1〜5のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
  7. 前記分散剤の少なくとも一部が、前記湿式粉砕工程において添加されたものである請求項6の酸化物磁性体の製造方法。
  8. 前記湿式粉砕工程の前に乾式粗粉砕工程を有する請求項6または7の酸化物磁性体の製造方法。
  9. 前記分散剤の少なくとも一部が、前記乾式粗粉砕工程において添加されたものである請求項8の酸化物磁性体の製造方法。
  10. 前記分散剤の添加量(分散剤が水溶液中においてイオン化し得るものであるときは、イオン換算の添加量)が、前記酸化物磁性体粒子に対し0.05〜3.0重量%である請求項1〜9のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
  11. 前記酸化物磁性体粒子の平均粒径が1μm以下である請求項1〜10のいずれかの酸化物磁性体の製造方法。
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