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JP4284642B2 - 刺激応答性多孔質高分子ゲル - Google Patents

刺激応答性多孔質高分子ゲル Download PDF

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JP4284642B2
JP4284642B2 JP2003073323A JP2003073323A JP4284642B2 JP 4284642 B2 JP4284642 B2 JP 4284642B2 JP 2003073323 A JP2003073323 A JP 2003073323A JP 2003073323 A JP2003073323 A JP 2003073323A JP 4284642 B2 JP4284642 B2 JP 4284642B2
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敬和 竹岡
正義 渡邉
大輔 中山
尚 斉藤
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部の刺激により膨潤、収縮等の機械的変形を引き起こす刺激応答性高分子ゲルに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱変化,イオン濃度変化,電気,溶媒組成変化,光などの刺激によって、膨潤,収縮を起こし、機械的変形を起こす架橋によって三次元化し溶媒によって膨潤した高分子ゲル材料は、医療機器や、光学素子材料としての利用が期待されているが、その機械的変形の応答速度が遅いことが問題視されており、応答速度を向上する方法としては、高分子ゲル材料を多孔質化して表面積を大きくする方法が知られている。
【0003】
例えば、ポリビニルアルコールと分子量が5万以上の酸性または塩基性の高分子電解質の混合水溶液を多数の突起を形成した板上に塗布し、凍結と解凍を繰り返すことによって多孔性の高分子ゲル材料を製造する方法が知られており、該高分子ゲルは厚さが10〜500μmの膜状をなし、かつ膜厚方向に貫通する直径2〜50μmの多数の貫通孔をもつ。(特許文献1を参照)
また、少なくともラジカル重合性の官能基を1つ以上有する水溶性の単量体とラジカル重合性の官能基を2つ以上有する水溶性若しくは親水性の単量体と光重合開始剤とを含有した組成物に、前記組成物に不溶で溶媒に可溶な粒子状物質であり、且つ前記光重合開始剤がラジカルを発生する光に透過性を有する粒子状物質を混合した配合組成物を用い、該配合組成物に光照射を行って前記単量体をラジカル重合させ、重合体を得る行程;前記粒子状物質が可溶で且つ重合体が膨潤する溶媒に浸漬して該粒子状物質を溶解除去する行程;を具備することを特徴とする多孔性高分子ゲル材料の製造方法が知られている。(特許文献2を参照)
また、直径0.1μm〜5000μmの感温性を有する高分子ゲル粒子が多孔質であることを特徴とした感温性多孔質高分子ゲル粒子が知られており、その製造方法は、直径0.1μm〜5000μmの多孔質無機化合物粒子の細孔内で感温性を有する高分子ゲルを作成し、弗化水素酸等の弗素化合物溶液、アルカリ性溶液、または酸性溶液で無機化合物マトリックスを分解又は溶解除去することを特徴とする。(特許文献3を参照)
また、ボロン酸基含有モノマー、多官能モノマー及びこれらと共重合可能なモノマーを一段で共重合させて得る架橋高分子と、薬物からなる糖応答型高分子複合体が知られている。(特許文献4を参照)
さらに、式(1)
【0004】
【化1】
Figure 0004284642
【0005】
(R1はメチル基または水素、R2及びR3は水素またはアルキル基を示し、R2及びR3は同一であっても異なっても良いが、少なくても一方はアルキル基を示す。)で示されるN−アルキル(メタ)アクリルアミド誘導体と、式(2)
【0006】
【化2】
Figure 0004284642
【0007】
(R1はメチル基または水素)で示される(メタ)アクリル酸、および/または式(3)
【0008】
【化3】
Figure 0004284642
【0009】
(R1はメチル基または水素、Mは金属、nは金属の価数)で示される(メタ)アクリル酸塩を主成分として重合された金属イオン濃度応答性ハイドロゲルが知られており、金属イオン濃度の変化に応答して、可逆的に体積変化する上記金属イオン濃度応答性ハイドロゲルによって金属イオン濃度を測定することを特徴とする水溶液の金属イオン濃度測定方法が知られている。(特許文献5を参照)
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−223045号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平9−67405号公報
【0012】
【特許文献3】
特開2001−213992号公報
【0013】
【特許文献4】
特開2000−86534号公報
【0014】
【特許文献5】
特開2001−106734号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開昭63−223045号公報には、多孔性高分子ゲル自体の光学的特性については特に記載されていない。
【0016】
また、特開平9−67405号公報、及び特開2001−213992号公報に記載された多孔質高分子ゲルは、微細な空孔を有しているが、応答速度は不十分であり、また、高分子ゲル自体の光学的特性について特に記載されていない。
【0017】
さらに、特開2000−86534号公報、及び特開2001−106734号公報には、糖、及び金属イオンに応答する高分子ゲルが記載されているが、応答速度、及び濃度の定量性に問題があり、実用化には必ずしも充分であるとは言えなかった。
【0018】
本発明は、刺激応答速度が速く、体積収縮率も高く、しかも光学的特性を有する新規な多孔質構造の刺激応答性高分子ゲル、その製造方法、及びその応用方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、規則性を有する特定の配列に充填された無機粒子を含浸させた状態で刺激応答性を有する高分子を得るための重合を行い、その後無機粒子を除外することで、無機粒子に相当する空隙が規則正しく配列した高分子ゲルを得、そのような高分子ゲルにおいて、応答速度が改善され、しかも、膨潤した状態と収縮した状態においてその光学的特性に変化が生じることを見出し本発明を完成するに至った。
【0020】
すなわち、本発明は、
(1)空孔が規則正しく配列している構造を有する多孔質であることを特徴とする刺激応答性高分子ゲルに関し、
(2)空孔が、連続的に配列していることを特徴とする(1)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(3)空孔の最大長さ方向の大きさが、1〜1000nmの範囲であることろを特徴とする(1)または(2)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(4)空孔の最大長さ方向の大きさが、100〜500nmの範囲であることろを特徴とする(1)または(2)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(5)空孔の形状が、球状であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲル、
(6)空孔が、六方最密充填構造で配列していることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲル。
(7)刺激が、熱であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲルに関する。
【0021】
(8)刺激が、糖であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲルに関し、
(9)高分子が、糖と相互作用可能な官能基を含有する高分子であることを特徴とする(8)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(10)高分子が、糖と相互作用可能な官能基含有モノマー、多官能モノマー及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合させて得られる架橋型高分子であることを特徴とする(8)または(9)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(11)糖と相互作用可能な官能基が、ボロン酸基であることを特徴とする(9)または(10)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(12)ボロン酸基が、フェニルボロン酸基であることを特徴とする(11)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(13)(8)〜(12)のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲルを含むことを特徴とする糖濃度測定試薬に関する。
(14)糖応答性高分子ゲルを糖含有溶液と接触させ、該ゲルの構造色の変化より溶液中の糖濃度を決定することを特徴とする糖濃度測定方法に関し、
(15)該ゲルの構造色の変化を、該ゲル溶液の反射スペクトルの変化として観測することを特徴とする(14)に記載の糖濃度測定方法、
(16)糖応答性高分子ゲルが、(8)〜(12)のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲルであることを特徴とする(14)または(15)に記載の糖濃度測定方法に関する。
【0022】
(17)刺激が、イオンであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲルに関し、
(18)高分子が、イオンと相互作用可能な官能基を有する高分子であることを特徴とする請求項17に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(19)高分子が、イオンと相互作用可能な官能基含有モノマー、多官能モノマー及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合させて得られる架橋型高分子であることを特徴とする(17)または(18)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(20)イオンと相互作用可能な官能基が、クラウンエーテル基であることを特徴とする(19)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(21)クラウンエーテル基が、ベンゾクラウンエーテル基であることを特徴とする(20)に記載の刺激応答性高分子ゲル、
(22)(17)〜(21)のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲルを含むことを特徴とするイオン濃度測定試薬に関する。
(23)イオン応答性高分子ゲルをイオン含有溶液と接触させ、該ゲルの構造色の変化より溶液中の糖濃度を決定することを特徴とするイオン濃度測定方法に関し、
(24)該ゲルの構造色の変化を、該ゲル溶液の反射スペクトルの変化として観測することを特徴とする(23)に記載のイオン濃度測定方法、
(25)イオン応答性高分子ゲルが、(17)〜(21)のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲルであることを特徴とする(23)または(24)に記載のイオン濃度測定方法に関する。
【0023】
(26)重合性単量体と重合開始剤と含有した組成物に、前記組成物には不溶であり溶媒には可溶な粒子状物質を混合した配合組成物を用い、重合体を得る工程、前記粒子状物質が可溶でかつ重合体が膨潤する溶媒に浸漬して該粒子状物質を溶解除去する工程を含む多孔性高分子ゲル材料の製造方法において、前記粒状物質が、コロイド結晶体であることを特徴とする多孔性高分子ゲルの製造方法に関し、
(27)コロイド結晶体が、コロイド単結晶であることを特徴とする(26)に記載の多孔性高分子ゲルの製造方法、
(28)コロイド単結晶が、基板上に滴下されたコロイド溶液から、該溶液に用いられている溶媒を留去して得られるコロイド単結晶であることを特徴とする(27)に記載の多孔性高分子ゲルの製造方法、
(29)加熱乾燥してコロイド溶液に用いられる溶媒を留去することを特徴とする(28)に記載の多孔性高分子ゲルの製造方法、
(30)コロイド溶液に用いられる溶媒の沸点と同等またはそれ以上の温度に加熱乾燥することを特徴とする(29)に記載のの多孔性高分子ゲルの製造方法、
(31)多孔性高分子ゲルが、(1)〜(11)、(17)〜(21)のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲルであることを特徴とする(26)〜(30)のいずれかに記載の多孔性高分子ゲルの製造方法に関する。
(32)コロイド溶液を、基板上に滴下し、該溶液に用いられている溶媒を留去することを特徴とするコロイド単結晶の製造方法に関し、
(33)加熱乾燥してコロイド溶液に用いられる溶媒を留去することを特徴とする(32)に記載のコロイド単結晶の製造方法、
(34)コロイド溶液に用いられる溶媒の沸点と同等またはそれ以上の温度に加熱乾燥することを特徴とする(33)に記載のコロイド単結晶の製造方法に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の刺激応答性高分子ゲルは、空孔が規則正しく配列している構造を有する多孔質であることを特徴とする。
【0025】
空孔とは、高分子ゲルが溶液中で膨潤することによって生じたミクロな高分子の三次元網目構造の広がりを表すものではない。本発明の高分子ゲルは、例えばナノスケールの無機粒子を単量体または単量体を含む溶液に含浸させた状態で重合させ、その後、無機粒子を取り除くことによって製造されるが、この場合、空孔とは、取り除かれた個々の無機粒子に相当する空隙を表すことになる。
【0026】
空孔は、配列に規則性があれば高分子で閉鎖された空隙であっても構わないが、連続的に配列している方が、応答速度を改善する上でも、光学的特性を発現する上で好ましい。空孔が、連続して配列している場合に、空孔は周囲を高分子で閉鎖された空隙でも、また、隣接する空孔と貫通する部分を有する空隙であってもよい。
【0027】
空孔の配列における規則性は、特に限定されないが、例えば、面心立方、体心立方、単純立方等を例示することができるが、特に面心立方構造すなわち六方最密充填構造が、ゲル表面積が大きく、緻密に空孔が配列しているころから、応答速度、及び光学的特性の上でも好ましい。また、異なる大きさの空孔を含む場合には、更に、複雑なパターンを形成させることも可能である。先に述べた製造方法においては、無機粒子の充填配列により、空孔の配列が決定されることになり、無機粒子の配列が可能な構造は、空孔の配列の規則性に反映されることになる。
【0028】
空孔の形状は特に限定されず、例えば、先に述べた製造方法においては、用いる無機粒子の形状によってその形状がある程度決定されるが、高分子ゲルの機械的強度、ナノスケールで無機粒子の形状を制御することを考慮すると球状が好ましい。
【0029】
また、空孔の最大長さ方向の大きさは、特に限定されるものではないが、1〜1000nmの範囲であるのが好ましい。1nm以下では、空隙が小さすぎて、溶媒分子の取り込み、放出において顕著の差が見られず、1000nm以上では、空隙が全体的に大きすぎて、ゲルの機械的強度を低下させるおそれがある。光学的特性、高分子の表面積等を考慮すると、空孔の最大長さ方向の大きさが100〜500nmの範囲であるのが好ましい。
【0030】
本発明の刺激応答性ゲルの製造方法は、特に限定されるものではないが、製造方法の容易さ、微細構造の制御のしやすさ等を考慮すると、先に例示した、特開平9−67405号公報、または特開2001−213992号公報に記載されている方法を応用し、重合可能な単量体及び重合開始剤を含む組成物を、該組成物に不溶で他の溶媒に可溶な粒子状物質としてコロイド結晶を混合した配合組成物を用い、まず単量体を重合させ、次に粒状物質が可溶でかつ重合体が膨潤する溶液に浸漬させて粒状物質を溶解除去することによって製造するのが好ましい。この場合コロイド結晶とは、コロイド粒子が集合して結晶構造を形成している状態を表す。
【0031】
コロイド結晶体を得る方法として、具体的には、▲1▼コロイド溶液に電場をかけその後、溶媒を除去する方法、▲2▼固形分濃度が1〜5重量%の比較的希薄な溶液に、平滑な基板2枚を数十μの間隔を開けて対峙させて基板下部を浸漬させ、毛細管現象によりコロイド溶液が基板間を上昇すると共に、溶媒を蒸発除去させることにより、基板間にコロイド結晶を析出させる方法、▲3▼分散したコロイド溶液を静置し、コロイド粒子を自然沈降させて堆積させた後、溶媒を除去する方法等の公知の方法をを例示することができる。
【0032】
しかし、上記した公知の方法では、得られてくるコロイド結晶が、多結晶状態であったり、単結晶であっても、数十μと非常に薄い状態のものしか得られないという問題があった。多結晶のコロイド結晶を用いて得られてくる多孔性高分子ゲルは、ゲル全体で空孔の配列規則性が、部分部分でばらつき、膨潤または収縮した状態で発色する光の波長が部分部分でばらつき、全体として色調を統一することができないという問題がある。数十μと非常に薄い状態の結晶を用いて得られてくる多孔性高分子ゲルは、膜強度も弱く様々の材料への応用が困難であるという問題があった。
【0033】
本発明におけるコロイド結晶体の製造方法は、コロイド溶液を、基板上に滴下し、コロイド溶液に用いられている溶媒を留去するすることを特徴とする。溶媒の留去は、室温においても行うことができるが、加熱乾燥するのが好ましく、さらに、用いられる溶媒の沸点と同等またはそれ以上の温度に加熱、乾燥するのが好ましい。また、本方法は、基板上にコロイド溶液を滴下し、その後、基板を加熱し溶媒を留去する方法、あらかじめ加熱した基板上にコロイド溶液を滴下し溶媒を留去する方法等いずれかの方法でも行うことができる。さらに、コロイド溶液を滴下する際、または滴下後、基板を回転させてもよい。
【0034】
コロイド溶液の滴下操作、滴下、溶媒留去の操作を繰り返すことにより、コロイド溶液の濃度を調製することにより、滴下するコロイド溶液の量を調製することにより、また、以上を任意に組み合わせることにより、得られるコロイド結晶体の膜厚を自由に制御することができる。
【0035】
例えば、本方法によれば、固形分濃度とし10重量%以上のコロイド溶液を用いることができることから、一度の滴下でかなりの膜厚の結晶構造体を基板上に形成することができ、滴下、乾燥を繰り返すことにより、膜厚を自由に制御することができる。さらに本方法は、得られるコロイド結晶体が、単結晶構造のコロイド結晶であることを特徴とする。コロイド単結晶を用いて得られくる多孔性高分子ゲルは、ゲル全体で空孔の配列に規則性及び連続性があり、膨潤または収縮した状態で発色する光の波長に全体でばらつきがなく、全体として色調を統一することができる。
【0036】
用いる基板表面の性状は特に限定されないが、コロイド結晶体を用いて得られてくる多孔性高分子ゲルの光学特性を考慮すると、表面が平滑である基板が好ましい。
【0037】
また、本発明の刺激応答性ゲルの製造方法に用いられる粒状物質は、その形状は真球でなくてもほぼ球形であるのが好ましく、重合体の性質によるが、例えば弗化水素酸等の弗素化合物溶液、アルカリ性溶液、酸性溶液に溶解する無機化合物粒子を好ましく用いることができる。
【0038】
上記無機化合物として、具体的には、アルカリ土類金属の炭酸塩、珪酸塩、金属酸化物、金属水酸化物、その他の金属珪酸塩、あるいはその他の金属炭酸塩等が例示でき、さらに具体的には、アルカリ土類金属の炭酸塩としては炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネウム等が、アルカリ土類金属の珪酸塩としては珪酸カルシウム、珪酸バリウム、珪酸マグネシウム等が、またアルカリ土類金属の燐酸塩としては燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸マグネシウム等が例示できる。さらに金属酸化物としてはシリカ、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化アルミニウム等が、金属水酸化物としては水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム等がそれぞれ例示できる。そしてその他の金属珪酸塩としては珪酸亜鉛、珪酸アルミニウム等が、その他の金属炭酸塩としては炭酸亜鉛、塩基性炭酸銅等がそれぞれ例示できる。天然物ではシラスバルーン、パーライト等を例示できる。
【0039】
これらの粒状物質の最大長さ方向の大きさは、1〜1000nmの範囲が好ましく、さらには、100〜500nmの範囲が好ましい。
【0040】
上記粒子物質を含む高分子またはそのゲルは、単量体、開始剤、架橋剤等を適当な溶媒に溶解し、または、溶媒を用いずにバルクのまま、規則正しく充填された粒状物質存在下に、外部からの熱、光、放射線等で重合することで容易に製造することができる。
【0041】
高分子中ゲルは3次元に架橋した網目構造を有するのが好ましいことから、重合性官能基を2個以上有する架橋剤を用いるのが好ましく、そのような架橋剤として、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N−メチレン−ビス−N−ビニルアセトアミド、N,N−ブチレン−ビス−N−ビニルアセトアミド、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、アリル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリストールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等を例示することができる。
【0042】
開始剤としてはその重合様式によって、適宜選択することができ、具体的には過酸化水素、過硫酸塩、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等、アゾ系開始剤、例えば2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1,−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕2塩酸塩、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4′−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスホンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等の紫外光によってラジカルを発生する化合物、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロライド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)チタニウム、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゼンや3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどのパーオキシエステルに、チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、スチルキノリン系色素を混合した物質等の360nm以上の波長の光によってラジカルを発生する化合物等を例示することができる。また、過酸化水素あるいは過硫酸塩は、例えば亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を組み合わせてレドックス系の開始剤としても使用することができる。
【0043】
刺激応答性高分子は、熱変化、イオン濃度変化、電気、溶媒組成変化、光、認識する分子等の外部からの刺激に対して膨潤、収縮等の機械的変化を起こす高分子を示し、高分子を構成する単位によってその性質を任意に選択することができる。例えば、温度の変化によって応答する感温性高分子として、具体的には、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリビニルオキサゾリジノン、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)等のポリ(N−アルキルアクリルアミド)の1種又は2種以上からなる熱応答性を有する高分子、又は特開平7−62038,7−82320,8−143631,10−17622,10−310614で公開されているポリ(N−ビニルイソブチルアミド)等のポリ(N−ビニル酸アミド)の熱応答性を有する高分子、N−ビニルホルムアミド等のN−ビニルアルキルアミドと酢酸ビニル等の疎水性モノマーの共重合体で熱応答性を有する高分子等を例示することができるが、本発明において、適宜他の刺激に応答する高分子を選択して用いることができる。
【0044】
ゲル化に用いる溶媒としては特に限定されるものではなく、ゲル化にあった溶媒を選択すればよいが、例えば、水、アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を例示できる。
【0045】
規則正しく配列した粒状物質の存在下で高分子ゲルを製造するには単量体の濃度は0.1重量%〜99.9重量%、架橋剤濃度は0.001重量%〜50重量%であればよい。また、開始剤濃度や重合方法などはそれぞれのゲル製造方法にあったものを選べばよく、例えば、重合開始剤、単量体、架橋剤を窒素置換した有機溶媒に溶解して溶液とし、規則正しく配列させた粒子状物質に該溶液を加え、その後、適当な温度に加熱することで重合を行うことができる。
【0046】
複合化物から粒子状物質を溶解除去するには、例えば、粒子状化合物が無機化合物の場合、弗素化合物の酸性溶液、アルカリ性溶液、酸性溶液等を用いることができる。例えば、粒状化合物がシリカ、シラスバルーンまたは珪酸塩の場合は弗化水素酸水溶液、弗化アンモニウム、弗化カルシウム、弗化ナトリウム等の酸性溶液或いは水酸化ナトリウム等のアルカリ性溶液に複合化物を浸けるだけでよい。溶液は複合化物の珪素元素に対して弗素元素が4倍量以上であればよいが、濃度は10重量%以上であることが好ましい。また、アルカリ性溶液はpH11以上であれば特に限定はしない。粒子状化合物が金属酸化物、金属水酸化物の場合は塩酸等の酸性溶液に複合化物を浸けるだけでよい。酸性溶液はpH3以下であれば特に限定されない。
【0047】
以上のようにし調製された本発明の刺激応答性ゲルは、規則正しい空孔を有さない高分子ゲルに比して、1000〜20000倍の刺激応答速度を有する。また、その応答速度は、高分子の重合度、架橋度によって調整することができる。
【0048】
また、膨潤した状態で、外部の光により、特定の波長の光を発する、または消色し、収縮した状態で、別の波長の光を発色するまたは消色するという、従来の刺激応答性高分子にない性質を有する。発する光の波長は、空孔の最大長さ方向の大きさ、重合単量体の種類、濃度、用いる架橋剤の種類、濃度により調整することが可能である。
【0049】
本発明の刺激応答性高分子ゲルは、ゲルを構成する高分子鎖中に糖と相互作用を有する官能基を導入することにより、糖に対して応答する高分子ゲルとなることを特徴とする。
【0050】
ゲルを構成する高分子として、上記したように高分子鎖中に糖と相互作用を有する官能基を有していれば、その構造、構成単位に特に制限はないが、糖と相互作用可能な官能基含有モノマー、多官能モノマー及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合させて得られる架橋型高分子であることが好ましい。
【0051】
糖と相互作用可能な官能基とは、糖と共有結合、配位結合、水素結合等の相互作用で糖を捕捉可能な官能基であれば、特に制限されず、具体的には、ボロン酸基を好ましく例示することができ、さらに、フェニルボロン酸基を好ましく例示することができる。このようなボロン酸基含有モノマーとしては、具体的には、アクリロイルアミノベンゼンボロン酸、メタクリロイルアミノベンゼンボロン酸、4−ビニルベンゼンボロン酸等を例示することができる。
【0052】
多官能モノマーとして具体的には、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリプロポキシ)フェニル〕プロパン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ジビニルベンゼン等を例示することできる。
【0053】
ボロン酸基含有モノマーまたは多官能モノマーと共重合可能なモノマーとして具体的には、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド各種四級塩、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート各種四級塩、アクリル酸、各種アルキルアクリレート、メタクリル酸、各種アルキルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、スチレン等を例示することができる。
【0054】
上記した架橋型高分子以外で本発明の高分子ゲルを構成できる架橋型高分子として、水酸基、アミノ基およびカルボキシル基などを有する官能基含有高分子とジイソシアネート、ジアルデヒド、ジアミン、ジカルボン酸クロリドなどの架橋剤とを反応させた高分子を例示することができる。
【0055】
水酸基を有する高分子として、例えばポリビニルアルコール、ガラクトマンナン、プルラン、デキストラン、アミロースなどが挙げられる。アミノ基を有する高分子として、例えば、ポリアリルアミン、またはタンパク質等を例示することができる。カルボキシル基を有する高分子として、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等を重合させた高分子を例示することができる。
【0056】
前記ボロン酸基含有モノマー、多官能モノマー及びこれらと共重合可能なモノマーを用いた架橋型高分子の製造方法としては、例えば、前記3種類のモノマーを混合し一段で共重合させる方法、官能基含有高分子を適当な架橋剤で架橋させた後、ボロン酸基含有モノマーと多官能モノマーとを含浸させてから共重合させる方法等を例示することができる。
【0057】
さらに、本発明の高分子ゲルを構成できる架橋型高分子の他の態様として、多官能モノマーと不飽和カルボン酸とを共重合させたポリマーを一級アミノ基を有する多価水酸基化合物、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどとの縮合反応によって合成した高分子を例示することができる。
【0058】
また、一級アミノ基を含む重合可能なモノマー、例えば、アミノスチレン、ビニルベンジルアミンなどを重合または共重合して得られるポリマー中のアミノ基を、カルボン酸基を有する多価水酸基化合物、例えば、プロトカテク酸、ガリック酸、トリシン、2,2−(ジヒドロキシメチル)プロピオン酸などとアミド反応して得られるポリマーであってもよい。
【0059】
ボロン酸基を有するモノマーの使用量としては全モノマー中、0.1〜90モル%の範囲で用いられるが、好ましくは0.5〜30モル%の範囲で用いる。多官能モノマーの使用量としては全モノマー中、0.01〜50モル%の範囲で用いられる。共重合可能なモノマーの使用量としては全モノマー中、0.1〜98モル%の範囲で用いられる。
【0060】
上記各種ポリマーは、ラジカル重合法による公知の溶液、塊状、乳化、逆相懸濁重合で、重合温度0〜100℃、重合時間10分〜48時間で得ることができる。ここで用いる重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ターシャリブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ターシャリブチルペルオキシビバレート、ターシャリブチルペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、あるいは各種レドックス開始剤系などの群から選ばれる1種または2種以上を用いることができ、0.01〜5.0重量%で使用される。
【0061】
本発明の高分子ゲルは糖濃度に応じて、糖がゲル中のボロン酸基と結合することにより、ゲル中のボロンが負電荷を有し、その反発力によって膨潤し、糖濃度が低下することによって複合体が収縮を起こす糖応答型高分子ゲルである。また、複合体中に形成したボロン酸基と多価水酸基とのコンプレックス形成後、糖の添加によって、糖がゲル中のボロン酸基と結合することにより、ゲル中の多価水酸基がボロン酸基から解離して、反発力によって膨潤し、糖濃度が低下することによって再びボロン酸基と多価水酸基とのコンプレックス形成が促進されて収縮を起こす糖応答型高分子ゲルである。
【0062】
すなわち本発明のゲルは、糖の濃度に応じて、架橋した高分子自体が膨潤変化を起こし、ゲル内の物質拡散あるいは透過が容易になり、糖濃度の低下により収縮を起こしてゲル内の物質拡散が抑制される糖応答型高分子ゲルとなる。
【0063】
本発明のゲルは水系の媒体中、あるいは、50%以下の有機溶媒を含む水系の媒体中で使用され、望ましくは緩衝液を用いて使う。その緩衝液としては、リン酸ナトリウム緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、o−クロロフェノール緩衝液、砒酸ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム緩衝液、ヘペス緩衝液、チェス緩衝液などを用いることができる。又、この際のpH値は6.0 以上が特に好ましい。本発明のゲルは、1〜50℃の温度で用いられる。
【0064】
本発明の高分子ゲルが応答する糖は、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトースおよびマンノースなどである。
【0065】
本発明のゲルは糖濃度0.1mg/dl以上で応答するが、好ましくは1〜10000mg/dlの糖濃度で用いるのがよい。本発明のゲルは、該ゲルのもう一つの特徴であるゲル自体が構造色を有し、ゲルの膨潤、収縮に伴ってその構造色が変化する性質を組み合わせることにより、溶液中の糖濃度をゲルの色調によって判断することが可能であり、さらに、ゲルの反射スペクトル波長と糖濃度の相関をとることにより、溶液の反射スペクトルの波長から、溶液中の糖濃度を定量することも可能である。
【0066】
さらに本発明の刺激応答性高分子ゲルは、ゲルを構成する高分子鎖中にイオンと相互作用を有する官能基を導入することにより、イオンに対して応答する高分子ゲルとなることを特徴とする。
【0067】
ゲルを構成する高分子として、上記したように高分子鎖中にイオンと相互作用を有する官能基を有していれば、その構造、構成単位に特に制限はないが、イオンと相互作用可能な官能基含有モノマー、多官能モノマー及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合させて得られる架橋型高分子であることが好ましい。
【0068】
イオンと相互作用可能な官能基とは、イオンとイオン結合、配位結合等の相互作用でイオンを捕捉可能な官能基であれば、特に制限されず、具体的には、カルボキシル基、クラウンエーテル基等を好ましく例示することができ、イオン種選択性を発現するためには、その空孔の大きさを適宜調整可能なクラウンエーテル基が好ましく、さらに、ベンゾクラウンエーテル基を好ましく例示することができる。このようなクラウンエーテル基含有モノマーとしては、具体的には、アクリロイルアミノベンゾクランエーテル、メタクリロイルアミノベンゾクラウンエーテル、4−ビニルベンゾクラウンエーテル等を例示することができる。
【0069】
その他、多官能モノマー及び共重合可能なモノマーの態様、その重合方法の態様は、糖応答性高分子ゲルと同様である。
【0070】
本発明のゲルは、該ゲルのもう一つの特徴であるゲル自体が構造色を有し、ゲルの膨潤、収縮に伴ってその構造色が変化する性質を組み合わせることにより、溶液中のイオン濃度をゲルの色調によって判断することが可能であり、さらに、ゲルの反射スペクトル波長とイオン濃度の相関をとることにより、溶液の反射スペクトルの波長から、溶液中の糖濃度を定量することも可能である。
【0071】
また、検出できるイオン種は、その相互作用を有する官能基によって自由に対応することができ、例えば、一度に多種類のイオンを検出したい場合には、それに対応する官能基をゲル中に複数種導入することにより可能である。
【0072】
以下に実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
【0073】
【実施例】
実施例1
コロイダルシリカ溶液(日本触媒社製、固形分濃度15〜20重量%、溶媒:水、コロイド粒子径:291nm)を、前もって洗浄した平滑なスライドガラス基板上に3〜5ml滴下し、100℃で3時間放置したところ、膜厚約0.5mmのシリカコロイド結晶膜を得た。
【0074】
上記シリカコロイド結晶膜の正反射スペクトル(オーシャンオプティックス社製USB−200)を測定したところ、633nmに単一のピーク認められた。(図1を参照)
また、上記コロイド結晶膜をクリップを用いて垂直にたて光路に対して様々な角度に傾けて、紫外可視分光器を用いて透過スペクトルを測定し、λmaxの角度依存性を測定した。その結果を図2に示す。
【0075】
上記シリカ結晶膜が面心立方体の単結晶構造を有していると仮定した場合に、ブラッグの法則及びスネルの法則より下記式(I)
【0076】
【数1】
Figure 0004284642
【0077】
(式中、
λmax:反射される光の波長
ave:コロイド結晶の屈折率
β:光照射角度
を表す。)で表される関係が理論上導かれる。図1における正反射スペクトルの観測値は、式(I)から導かれる理論値とよく一致している。また、図2における理論値も、同様に式(I)から導かれ、観測値とよく一致している。以上のことから、上記シリカコロイド結晶膜は、面心立方構造を有する単結晶であることがわかった。
実施例2
N−イソプロピルアクリルアミド(NIPA)10g、開始剤AIBN(和光純薬工業製)0.3g、架橋剤N,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)(和光純薬工業製)0.4gを窒素置換したジオキサン5mlに溶解した。このように調製したジオキサン溶液を、実施例1で調製たシリカコロイド単結晶に浸漬させ、60℃で12時間重合させ、さらに20wt%弗化水素酸溶液に24時間浸漬させ、シリカコロイド単結晶を溶解させた。その後中性になるまで洗浄を繰り返し、感温性多孔質高分子ゲルを得た。
実施例3(ゲル温度依存性)
本発明の高分子ゲルの温度による膨潤度の変化を測定した。ミクロピペット中で、実施例2と同様にして重合、調製したシリンダー状ゲルを用い、ゲルの調製に用いたミクロピペットの内径をDO、ある温度で得られた平衡状態のゲルの直径をDとして、D/DOを膨潤度とし、温度との関係を図3に示した。
【0078】
図3より、30℃において急激な体積変化を示すことがわかる。
実施例4 (体積変化速度)
本発明である多孔質部分と、多孔質でない部分を有する高分子ゲルを実施例2と同様の処方で調製し、この試料を30℃の水に浸漬させ、ゲルの状態の経時変化を観察した。その写真を図4に示す。図中、影のように見える部分が、多孔質の部分であり、その他の部分は、多孔質でない部分を表す。a〜fまで、浸漬してからの0秒後、8秒後、12秒後、16秒後、20秒後、32秒後の状態を示す。
【0079】
図4から明らかように、多孔質部分は、すばやく収縮するのに対して、多孔質でない部分については、ほとんど収縮は見られなかった。
【0080】
また、実施例3と同様の方法で調製した直径1cmのシリンダー状ゲルと、コロイダルシリカを用いずに調製したシリンダー状ゲルを用い、温度変化により平衡膨潤状態に達するまでの時間を測定したところ、後者では、3000時間を要するのに対して、前者では約10分であった。
実施例4(ゲルから観測される構造色の測定)
実施例2で調製した高分子ゲルを用い、ゲルを暗所に置き、白色光の光を照射し、反射光の波長の温度変化を測定した。また、実施例1において用いるコロイダルシリカの粒子径を291nmから200nmに変えた以外、実施例1及び実施例2と同様に調製した高分子ゲルについても同様の測定を行った。その結果をまとめて図5にまとめて示す。
【0081】
図5より、空孔の大きささにより、ゲルの反射する構造色の色が異なることがわかる。
実施例5
コロイダルシリカ溶液(日本触媒社製、固形分濃度15〜20重量%、溶媒水)20mlを、底が平滑なシャーレ中にとり、振動しない様にストーンテーブルに置き、室温にて1週間放置し徐々に溶媒を蒸発留去し、コロイド結晶膜を得た。
【0082】
上記シリカコロイド結晶膜の正反射スペクトル(オーシャンオプティックス社製USB−2000)を測定したところ、ぞの結果を図6に示す。実施例1とは異なり幅広いピークが観察され、多結晶であることがわかった。
【0083】
上記のように調製したコロイド結晶を用いる以外は、実施例2と同様に行い、多孔性高分子ゲルを調製した。実施例3同様に、温度依存性を測定したところ、同様の変化を示した。また、室温で暗所に置き、蛍光灯の光を照射したところ、ゲルの部分部分によって様々な波長の光を発した。その状態のまま、水温を30℃に上昇させたところ、消色した。
実施例6
用いるモノマー(N−イソプロピルアクリルアミド)濃度及び用いる架橋剤(N,N’−メチレンビスアクリルアミド)濃度の比を一定とし、用いるモノマー濃度を変化させる以外は、実施例3と同様にシリンダー状ゲルを調製し、膨潤度の温度依存性を測定した。その結果をまとめて図7に示す。
【0084】
図7から、モノマーの濃度と架橋剤の濃度の比を一定にして、総濃度(モノマー濃度+架橋剤濃度)を変化させた場合に得られるゲルの膨潤度が、用いるモノマー濃度の上昇と共に大きくなることがわかった。これは、モノマーの濃度と架橋剤の濃度の比が一定であるために、ゲルを形成する網目の平均の大きさは変化しないが、その数が変化することによるものと推定された。
実施例7
用いるモノマー(N−イソプロピルアクリルアミド)濃度を変化させずに用いる架橋剤(N,N’−メチレンビスアクリルアミド)濃度の変化させる以外は、実施例3と同様にシリンダー状ゲルを調製し、膨潤度の温度依存性を測定した。その結果をまとめて図8に示す。
【0085】
図8から、低温膨潤時のゲルの大きさは架橋剤の濃度の増大と共に減少するが、高温収縮時の膨潤度は変化しないことがわかった。これは、ゲルを形成する網目の大きさが小さくなるため、溶媒を吸収する能力が減少することが原因であると推定された。
実施例8
実施例6、及び実施例7で調製したシリンダー状ゲルを暗所に設置し、白色光の光を照射して、各温度における反射光の波長を測定した。その結果を図9、及び図10にまとめて示す。
【0086】
図9、図10の結果より、ゲル調整時のモノマー濃度、架橋剤濃度を制御することによって、望みの構造色を示すゲルを得られることがわかった。
実施例9
N−イソプロピルアクリルアミド(NIPA)1.685g、3−アクロイルアミノフェニルボロン酸(AAPBA)0.315g、開始剤AIBN(和光純薬工業製)10mg、架橋剤N,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)(和光純薬工業製)0.128gを窒素置換したジメチルスルホキシド(DMSO)10mlに溶解した。このように調製したDMSO溶液を、実施例1で調製たシリカコロイド単結晶に浸漬させ、60℃で24時間重合させ、さらに3wt%弗化水素酸溶液に4℃で1週間浸漬させ、シリカコロイド単結晶を溶解させた。その後中性になるまで洗浄を繰り返し、0.1MCHES緩衝液(pH=9.0、I=0.15)に浸漬させ、糖応答性多孔質高分子ゲルを得た。
実施例10
ミクロピペット中で、実施例9と同様にして重合、調製したシリンダー状ゲルを用い、所定の濃度のグルコースを含む水溶液に浸漬し、ゲルの調製に用いたミクロピペットの内径をD0、ある温度で得られた平衡状態のゲルの直径をDとして、D/D0を膨潤度とし、温度との関係を図11に示す。
【0087】
尚、ゲル浸漬させる溶液として、グルコースを含まない水溶液、グルコース5mM、10mM、20mMの水溶液をそれぞれ調整し用いた。
実施例11
実施例9と同様にして調製した糖応答性多孔質高分子ゲルを、温度を28℃に保持し、所定の濃度のグルコース水溶液に浸漬し、暗所に置き、白色光を照射し、グルコース濃度の変化による反射光スペクトル(オーシャンオプティック社製USB−2000)の変化を測定した。その結果を図12に示す。図12より、グルコースの濃度により、反射光の波長が異なることがわかった。
実施例12
N−イソプロピルアクリルアミド(NIPA)2.035g、3−ビニルベンゾ−18−クラウン−6(VBC6)0.676g、開始剤ベンゾイルパーオキサイド(和光純薬工業製)0.010g、架橋剤N,N’−メチレンビスアクリルアミド(BIS)(和光純薬工業製)0.092gを窒素置換した1,4−ジオキサン(DOX)10mlに溶解した。このように調製したDOX溶液を、実施例1で調製たシリカコロイド単結晶に浸漬させ、60℃で24時間重合させ、さらに3wt%弗化水素酸溶液に4℃で1週間浸漬させ、シリカコロイド単結晶を溶解させた。その後中性になるまで洗浄を繰り返し、イオン応答性多孔質高分子ゲルを得た。
実施例13
ミクロピペット中で、実施例12と同様にして重合、調製したシリンダー状ゲルを用い、所定の濃度の塩化カリウムを含む水溶液に浸漬し、ゲルの調製に用いたミクロピペットの内径をD0、ある温度で得られた平衡状態のゲルの直径をDとして、D/D0を膨潤度とし、温度との関係を図13に示す。
【0088】
尚、ゲル浸漬させる溶液として、塩化カリウムを含まない水溶液、塩化カリウム10mM、20mM、30mMの水溶液をそれぞれ調整し用いた。
【0089】
また、塩化カリウムの代わりに塩化ナトリウム水溶液を用いて同様に膨潤度を測定したが、塩化ナトリウムを含まない溶液(通常の水)を用いた場合と変化が見られなかったことより、カリウムイオンのみ選択的に応答するゲルであることがわかった。(図13を参照)
実施例14
実施例12と同様にして調製した糖応答性多孔質高分子ゲルを、温度を36℃に保持し、所定の濃度の塩化カリウム水溶液に浸漬し、暗所に置き、白色光を照射し、塩化カリウム濃度の変化による反射光スペクトル(オーシャンオプティック社製USB−2000)の変化を測定した。その結果を図14に示す。図14より、塩化カリウム濃度により、反射光の波長が異なることがわかった。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の高分子ゲルは、優れた刺激応答性を有し、さらに、外部の光に対して特定の波長の光を発する従来にない性質を有しており、新しい光学素子の材料として使用される可能性がある。また、ゲルを構成する高分子鎖中に特定の刺激に応答する官能基を導入することにより、その刺激によりゲルが応答し、その反射スペクトルにより、その刺激物を定性または定量できることから、刺激物の指示薬としても使用できることから、産業上の利用価値は高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において調製されたシリカコロイド結晶の正反射スペクトルを示す。
【図2】実施例1において調製されたシリカコロイド結晶の透過スペクトル及び式(1)により計算された透過光の理論値の角度のよる変化を表す。
【図3】実施例3において調製された高分子ゲルの膨潤度の温度変化を表す。
【図4】実施例2と同様に調製された多孔性高分子ゲルと非多孔性高分子ゲルの30℃における応答速度の比較を表す。
【図5】実施例2で調製された多孔性高分子ゲルに光を照射した場合の反射光の温度による波長変化を表す。
【図6】実施例5において調製されたシリカコロイド結晶の正反射スペクトルを示す。
【図7】実施例6において調製された多孔性高分子ゲルの膨潤度の温度変化を表す。
【図8】実施例7において調製された多孔性高分子ゲルの膨潤度の温度変化を表す。
【図9】実施例6において調製された多孔性高分子ゲルの発する構造色の波長の温度変化を表す。
【図10】実施例7において調製された多孔性高分子ゲルの発する構造色の波長の温度変化を表す。
【図11】実施例10における糖応答性多孔質高分子ゲルの各グルコース所定濃度における温度と膨潤度の関係を示す。
【図12】実施例11におけるグルコース濃度による反射光スペクトルの変化を示す。
【図13】実施例13におけるイオン応答性多孔質高分子ゲルの各塩化カリウム、及び塩化ナトリウム所定濃度における温度と膨潤度の関係を示す。
【図14】実施例14における塩化カリウム濃度による反射光スペクトルの変化を示す。

Claims (9)

  1. 空孔が規則正しく配列している構造を有する多孔質であり、該空孔の形状が球状である刺激応答性高分子ゲル。
  2. 空孔が、連続的に配列している請求項1に記載の刺激応答性高分子ゲル。
  3. 空孔の最大長さ方向の大きさが、1〜1000nmの範囲である請求項1又は2に記載の刺激応答性高分子ゲル。
  4. 空孔の最大長さ方向の大きさが、100〜500nmの範囲である請求項1又は2に記載の刺激応答性高分子ゲル。
  5. 空孔が、六方最密充填構造で配列している請求項1〜のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲル。
  6. 刺激が、熱である請求項1〜のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲル。
  7. 刺激が、糖である請求項1〜のいずれかに記載の刺激応答性高分子ゲル。
  8. 高分子が、糖と相互作用可能な官能基を含有する高分子である請求項に記載の刺激応答性高分子ゲル。
  9. 高分子が、糖と相互作用可能な官能基含有モノマー、多官能モノマー及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合させて得られる架橋型高分子である請求項7又は8に記載の刺激応答性高分子ゲル。
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