JP4278994B2 - 蓄熱材寿命予測方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱材寿命予測方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、潜熱蓄熱物質を芯物質として微小なカプセル内に封入して構成した微小カプセルを水と混合してスラリー状態として流動性を持たせ(以下、このスラリーを微小カプセルスラリーと称す)、伝熱性能を向上させた蓄熱材を用いたシステムが考えられている。このシステムでは、蓄熱時に、微小カプセルスラリーを熱交換器により冷水またはブラインと熱交換させることで冷却することにより、微小カプセル内の潜熱蓄熱物質に冷熱を蓄える。また放熱時には、同様に微小カプセルスラリーを熱交換器により戻り冷水またはブラインと熱交換させることで加熱することにより、微小カプセル内の潜熱蓄熱物質から冷熱を取り出す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に蓄熱材の使用年数は、機械設備の法定耐用年数15年に対して、20年程度であるケースが多い。このため蓄熱材の寿命は、経年劣化に対する設計性能として余裕を有するよう、例えば25年と設定されている。しかし、現状では上述した微小カプセルスラリーの蓄熱材の寿命を予測する方法がないため、この蓄熱材に対して、蓄熱システムの運転開始前(運転開始時)の蓄熱材寿命予測、あるいは運転時(運転中)の蓄熱材寿命予測ができず、蓄熱材の補充時期及びその補充量を予測できない状況にある。
【0004】
本発明の第1の目的は、蓄熱システムの運転開始前あるいは運転時において、蓄熱材の寿命を予測することができる蓄熱材寿命予測方法及び装置を提供することにある。
【0005】
本発明の第2の目的は、蓄熱システムの運転開始前あるいは運転時において、蓄熱材の補充時期と補充量を予測することができる蓄熱材寿命予測方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
課題を解決し目的を達成するために、本発明の蓄熱材寿命予測方法及び装置は以下の如く構成されている。
【0008】
(1)本発明の蓄熱材寿命予測方法は、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の寿命を予測する蓄熱材寿命予測方法であり、前記蓄熱材を充填した複数の容器を、それぞれ所定温度に維持し、所定時間経過毎に、前記各容器中の蓄熱材をサンプリングし、前記蓄熱材の劣化により膜から放出した芯物質の脂肪族炭化水素量に対して比例関係にある各所定物質(四塩化炭素抽出物質、ノルマルヘキサン抽出物質、あるいはガスクロマトグラフィによる測定物質、これを放出脂肪族炭化水素比例物質と以下称す)の濃度を測定し、経過時間と前記各所定物質の濃度との関係を表示し、この関係から温度と前記放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度に達するまでの時間との関係を表示し、この関係から所定温度での前記放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と時間経過との関係を表示し、この関係から前記蓄熱材の寿命を予測する。
【0009】
(2)本発明の蓄熱材寿命予測方法は、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の寿命を予測する蓄熱材寿命予測方法であり、前記蓄熱材を系統内に充填し、所定回数循環させ、前記所定回数を経過した時点で、前記系統内の蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を測定し、この放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と経過回数との関係を表示し、この関係から、前記蓄熱材の寿命を予測する。
【0010】
(3)本発明の蓄熱材寿命予測方法は上記(1)または(2)に記載の方法であり、かつ予測された寿命に応じて、 X=(A−B)/(A−C)×Y に、予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度A、補充する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度C、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材交換後の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度B、全系統内の有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量Yを代入することで、交換する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量Xを予測する。
【0012】
(4)本発明の蓄熱材寿命予測装置は、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の寿命を予測する蓄熱材寿命予測装置であり、前記蓄熱材を充填した複数の容器を、それぞれ所定温度に維持する手段と、所定時間経過毎にサンプリングされた前記各容器中の蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を測定する手段と、経過時間と前記放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度との関係を表示する手段と、この関係から温度と前記放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度に達するまでの時間との関係を表示する手段と、この関係から所定温度での前記放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と時間経過との関係を表示する手段と、この関係から前記蓄熱材の寿命を予測する手段と、から構成されている。
【0013】
(5)本発明の蓄熱材寿命予測装置は、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の寿命を予測する蓄熱材寿命予測装置であり、系統内に充填された前記蓄熱材を所定回数循環させる手段と、前記所定回数を経過した時点で、前記系統内の蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を測定する手段と、この放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と経過回数との関係を表示する手段と、この関係から、前記蓄熱材の寿命を予測する手段と、から構成されている。
【0014】
(6)本発明の蓄熱材寿命予測装置は上記(5)または(6)に記載の装置であり、かつ予測された寿命に応じて、 X=(A−B)/(A−C)×Y に、予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度A、交換する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度C、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材交換後の所定物質の濃度B、全系統内の有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量Yを代入することで、交換する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量Xを予測する手段を備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】
本実施の形態の蓄熱材寿命予測方法及び装置では、蓄熱材の寿命予測を行ない、将来における蓄熱材交換対応を予測する。本実施の形態の概要は、以下の通りである。なお本実施の形態では、蓄熱材の目標耐用年数を25年とする。
【0017】
(1).本実施の形態で対象とする蓄熱材は、有機系膜物質からなる微小なカプセル内に脂肪族炭化水素からなる潜熱蓄熱物質を芯物質として封入したものと水との混合物である。よって、蓄熱材の寿命は有機系膜物質の寿命と置き換えることができると考える。これは、膜物質が損傷し破壊することにより、芯物質が膜内から放出され、熱交換器の熱交換容量が低下するからである。
【0018】
なお、各微小カプセル内に芯物質として封入されている潜熱蓄熱物質は、常温レベルで相変化し潜熱を蓄えるものである。この潜熱蓄熱物質としては、脂肪族炭化水素(パラフィン系炭化水素)であるテトラデカン(TD)とペンタデカン(PD)との混合物を用い、微小カプセルの皮膜としてはメラミン樹脂(有機系樹脂)を用いている。各微小カプセルに封入された潜熱蓄熱物質の全重量のうち、80%以上をテトラデカンとペンタデカンとの混合物が占めるとともに、前記潜熱蓄熱物質内に過冷却防止剤も添加されている。また、一つの微小カプセルの粒径は好ましくは1〜2μm程度であるが、20μm程度以下であれば実用可能である。
【0019】
(2).本実施の形態では有機系膜物質の寿命を、(a)化学的な経年劣化と、(b)芯物質の相変化(融解・凝固)に伴う膨張・収縮ならびに蓄熱材系統内における微小カプセルと壁面および微小カプセル同士の摺動等による機械的な繰り返し劣化とに起因すると考える。
【0020】
(3).有機系膜物質の寿命予測を、プラスチックスの寿命予測に用いられている下記のアウレニウスの式を利用して行なう。
【0021】
Ln(te)=ΔE/RT+定数
但し、te:寿命、ΔE:見かけの活性化エネルギー、R:気体定数、T:絶対温度
(4).化学的経年劣化加速試験から、化学的な経年劣化による劣化状況を示す下記の関係式(1)を得る。
【0022】
y1=f(x) …(1)
但し、y1:放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、x:経過時間
(5).同様に、化学的経年劣化及び機械的繰り返し劣化加速試験から、化学的な経年劣化及び機械的な繰り返し劣化による劣化状況を示す下記の関係式(2)を得る。
【0023】
y2=f(x) …(2)
但し、y2:放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、x:経過時間
(6).化学的経年劣化加速試験の結果から、上記式(1)で蓄熱材寿命を予測する。
【0024】
(7).同様に、化学的経年劣化及び機械的繰り返し劣化加速試験(ループ試験)から、上記式(2)で蓄熱材寿命を予測する。
【0025】
(8).上記(6)あるいは(7)を、蓄熱システムの運転開始前(運転開始時)あるいは運転時(運転中)に行なう。
【0026】
(9).上記(4)あるいは(5)の蓄熱材劣化状況を示す関係式から所定経過時間後(例えば、25年後)の予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を求め、下記式(3)に、交換する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された蓄熱材を水と混合してスラリー状態とした微小カプセルスラリー補充後の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、全系統内の有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量を代入することで、系統から抜き出す有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量あるいは系統へ交換する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量を予測する。
【0027】
X=(A−B)/(A−C)×Y …(3)
ここで、A:所定経過時間後での予測蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、B:蓄熱材交換後蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度の期待値、C:交換蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、X:有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材交換量、Y:系統内の全有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量である。
【0028】
(第1実施例)
本第1実施例では、蓄熱システムにて冷熱専用蓄熱運転を行なう場合に、その運転開始前に化学的な経年劣化に伴う蓄熱材の寿命を予測する。
【0029】
1.その1
図1は、化学的経年劣化加速試験装置(蓄熱材寿命予測装置)の系統を示す構成図である。図1において、恒温保持系統は、上述した有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材(以下、蓄熱材と称す)を収納したガラス容器S1,S2,S3,S4がそれぞれ保管された恒温槽V1,V2,V3,V4、各容器S1,S2,S3,S4内の蓄熱材の温度をそれぞれ指示する温度指示計TE1,TE2,TE3,TE4、各容器S1,S2,S3,S4内の蓄熱材を均一にする撹拌機M1,M2,M3,M4、恒温槽ヒータH1,H2,H3,H4、及び各恒温槽ヒータH1,H2,H3,H4の温度を制御する温度制御器C1,C2,C3,C4からなる。
【0030】
排出系統は、各容器S1,S2,S3,S4にそれぞれ対応した、バルブV11,V12,V13、バルブV21,V22,V23、バルブV31,V32,V33、バルブV41,V42,V43、及びポンプP1,P2,P3,P4からなる。計測系統は、各容器S1,S2,S3,S4にそれぞれ対応し、劣化指標を示す油分濃度計D1,D2,D3,D4からなる。演算/出力装置CPは、各種指示、記録、演算、及び表記機能を有する。
【0031】
各容器S1,S2,S3,S4内の蓄熱材の温度は、各温度制御器C1,C2,C3,C4が、それぞれ各温度指示計TE1,TE2,TE3,TE4からの指示信号を入力し、その結果を恒温槽ヒータH1,H2,H3,H4へ出力制御することで維持されている。
【0032】
開閉バルブV11〜V13,V21〜V23,V31〜V33,V41〜V43の開閉指示、及びポンプP1,P2,P3,P4の運転停止の指示は、演算/出力装置CPでなされる。具体的には、開閉バルブV12,V22,V32,V42は、蓄熱材の初期取り出し時に排出用に開けられ、所定の状態になった時点で閉じられ、同時にバルブV13,V23,V33,V43が開けられる。これにより、各容器S1,S2,S3,S4からの蓄熱材がそれぞれ油分濃度計D1,D2,D3,D4へ導入される。
【0033】
油分濃度計D1,D2,D3,D4で測定された蓄熱材の油分濃度は、演算/出力装置CPに入力されて保存され、所定の演算がなされる。ここで、あらかじめ油分濃度計D1,D2,D3,D4の出力と、蓄熱材の膜劣化により膜から放出した芯物質の脂肪族炭化水素量に対して比例関係にある放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度との相関関係を求めておく。演算/出力装置CPは、この関係式を収納しており、油分濃度計D1,D2,D3,D4で測定された油分抽出濃度から、前記した物質の濃度を推算する。
【0034】
また、演算/出力装置CPは、経過時間と蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度との関係を示すグラフ(例えば、後述する図2)の作成、このグラフからの各蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度における温度と各蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度に達するまでの時間の読み取り、このグラフ(図2)で読み取った各蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度における温度と各蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度に達するまでの時間との関係を示すグラフ(例えば、後述する図3)の作成を行なう。さらに演算/出力装置CPは、このグラフから7.5℃での各蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と各蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度に達するまでの時間を読み取り、それらの関係を示すグラフ(例えば、後述する図4)の作成を行なう。そして演算/出力装置CPは、蓄熱材の寿命を予測し、また系統から抜き出す蓄熱材量あるいは系統へ交換する蓄熱材量を予測し、それらの結果を表示部等に出力する。
【0035】
以下、本第1実施例における蓄熱材寿命予測方法の手順を説明する。
【0036】
(1).50mlのガラス容器S1,S2,S3,S4に、それぞれ運転前の蓄熱材(新しい蓄熱材)を40g充填する。
【0037】
(2).恒温槽V1,V2,V3,V4を、それぞれ所定温度45℃、60℃、75℃、90℃に維持し、各恒温槽V1,V2,V3,V4内に、それぞれ蓄熱材を充填したガラス容器S1,S2,S3,S4を保管する。
【0038】
(3).所定時間経過毎に、各ガラス容器S1,S2,S3,S4中の蓄熱材をサンプリングし、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を測定する。
【0039】
(4).図2に示すように、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度の経時変化を示すグラフを作成し、各所定温度45℃、60℃、75℃、90℃にて同一の濃度に達するまでの時間を読み取る。但し、図2は概念図である。
【0040】
(5).図3に示すように、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と温度の逆数との関係を示すグラフを作成する。
【0041】
(6).図3から、図4のA−1に示すように所定温度(7.5℃)での時間経過と放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度との関係を示すグラフを作成し、下記の関係式(4)を得る。
【0042】
y3=f(x) …(4)
但し、y3:放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、x:経過時間
(7).放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lを超えると熱交換器の熱交換容量が1割低下するという知見から、1000mg/Lを蓄熱材劣化の基準値とする。図4のA−1から、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が約100mg/Lである場合、その濃度に達する時間は約1×107hであると予測されるため、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が約100mg/Lになる時点で、すでに目標耐用年数である25年=2.2×105hを越えていることが分かる。これにより、冷熱専用蓄熱運転前の蓄熱材では、その放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lに達するまでの時間、すなわち蓄熱材の寿命は、目標耐用年数である25年を十分に越えることが予測される。
【0043】
2.その2
上記その1の(1)〜(6)の操作を行ない、図4に示すA−2の結果を得た。この場合、目標耐用年数である25年=2.2×105hを経過すると、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lを越えることが予測される。すなわちこの場合、蓄熱材の寿命は、目標耐用年数である25年を越えないことが予測される。
【0044】
このため、A−2から放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が500mg/Lであると予測される105h=11.4年の時点で、蓄熱システムの蓄熱材を入れ替えることを想定する。この場合、上記した式(3)の関係式で、11.4年後での予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度Aを500mg/L、補充する蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度Cを100mg/L、蓄熱材交換後の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度の期待値Bを200mg/Lとし、さらに抜き出し蓄熱材量と補充蓄熱材量とが等しいと仮定する。この場合、下記式
X=(500−200)/(500−100)×Y=0.75×Y
を得る。
【0045】
これにより、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を500mg/Lから200mg/Lに低減するためには、蓄熱システムにおける全蓄熱材量の75%を補充蓄熱材(新しい蓄熱材)と交換する必要があることが分かる。
【0046】
3.その3
上記その1の(1)〜(6)の操作を行ない、図4に示すA−3の結果を得た。ここで使用した蓄熱材は、5年間実運転した後、蓄熱システムから取り出したものであり、この蓄熱材が今後どのような化学的な経年劣化をするかを予測する。
【0047】
この場合、あと20年=1.8×105hを経過すると、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lを十分越えることが予測される。すなわちこの場合も、蓄熱材の寿命は、目標耐用年数である25年を越えないことが予測される。
【0048】
このため、上記その2と同様にして、A−3の今後予定される時点で、予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を期待する値に低減するために必要な補充蓄熱材と全蓄熱材量との量比関係を予測することができる。
【0049】
(第2実施例)
本第2実施例では、蓄熱システムにて冷熱専用蓄熱運転を行なう場合に、その運転開始前に化学的な経年劣化及び機械的な繰り返し劣化に伴う蓄熱材の寿命を予測する。
【0050】
1.その1
図5は、化学的経年劣化及び機械的繰り返し劣化加速試験装置(蓄熱材寿命予測装置)の系統を示す構成図である。図5において、循環系統は、蓄熱材が充填されている高温側熱交換器61から低温側熱交換器62の間の配管、蓄熱材の貯蔵槽71、高温側熱交換器61から低温側熱交換器62の間の配管に蓄熱材を循環させる循環ポンプ69、配管内温度計TC1,TCC2,TH1,THC2、貯蔵槽ヒータH0、配管ヒータH1、H2,H3,H4、温度制御器C1,C2,C3,C4、貯蔵槽ヒータH0の温度制御器C0、貯蔵槽71内の蓄熱材を均一にする撹拌機M0、蓄熱材の流量制御器70、及び演算/出力装置CP100からなる。
【0051】
演算/出力装置CP100は、流量制御器70、配管ヒータH1,H2,H3,H4、制御器C1,C2,C3,C4、貯蔵槽ヒータH0、及び制御器C0を制御する。
【0052】
高温側系統は、高温側熱交換器61の出口配管内の温度(THC2)を所定温度にするための温度計T1,T2、流量計FH、加熱ポンプ63、及び可動バルブ67を備えている。低温側系統は、低温側熱交換器62の出口配管内の温度(TCC2)を所定温度にするための温度計T3,T4、流量計FC、冷却ポンプ65、及び可動バルブ68を備えている。試料排出系統は、バルブV100、V101、V102からなる。計測系統は、蓄熱材の劣化指標を示す油分濃度計D300からなる。演算/出力装置CP200は、各種指示、記録、演算、及び表記機能を有する。
【0053】
ここで、演算/出力装置CP100は、例えば本第2実施例のその1(後述する図6のB−1の例)においては、TC1=11.25℃、TCC2=4.25℃、TH1=4.25℃、THC2=11.25℃、T1=12℃、T2=5.2℃、T3=3.5℃、T4=8.2℃となるように、可動バルブ67、可動バルブ68、及び流量制御器70を制御した0.27日の循環運転を行なう。
【0054】
続いて演算/出力装置CP100は、上記制御及び循環運転を停止した状態で、貯蔵槽ヒータH0と配管ヒータH1,H2,H3,H4を、それぞれ温度制御器C0と温度制御器C1,C2,C3,C4で制御し、TC1,TCC2,TH1,THC2における配管内温度を60℃に3.12日維持させた状態を1年相当の蓄熱材劣化とするサイクルを、25回繰り返すよう制御する。
【0055】
但し、60℃に3.12日維持する運転においても、均一撹拌のために撹拌機M0は運転しており、また循環ポンプ69も極少量運転している。また、演算/出力装置CP200の機能は、図1の化学的経年劣化加速試験装置で示したCPの機能と同様である。
【0056】
以下、本第2実施例における蓄熱材寿命予測方法の手順を説明する。
【0057】
(1).1年分の365回(1日で1回のため)の相変化(融解・凝固)、及び1年分の熱分解相当劣化を行なう。具体的には、365回の循環運転(高温側熱交換器61内にて融解、低温側熱交換器62内にて凝固)及び1年分の熱分解加速(60℃にて3.12日)を25回繰り返す。実際には、0.27日間の高速運転を1年分の循環運転とした。
【0058】
ここで、1年分の冷熱専用蓄熱が60℃で3.12日に相当する根拠を示す。1年分の化学的経年劣化加速試験を行なうために必要な時間の試算を、冷水(3〜12℃)のみを蓄熱する場合について算出した結果を、以下に示す。
【0059】
一般的に、温度が10℃上昇すると、化学反応速度は2〜3倍に増加することから、劣化反応速度は、温度が10℃上昇すると2〜3倍に増加すると想定し、本試験を行なうために必要な時間を算出した。
【0060】
a. 算定条件
a) 化学的経年劣化加速条件
温度が10℃上昇すれば、化学的経年劣化速度は2.5倍(上記の2〜3倍の平均)増加する。
【0061】
b) 蓄熱タンク内温度
・冷熱蓄熱運転時:α1=7.5℃(3℃と12℃の平均値)
・停止時:α2℃(停止期間中に想定される最高温度)
緊急時:α21℃
メンテナンス時:α22℃
台数制御時:α23℃
ここで、(α21,α22,α23)≦α2
また、シミュレーションの結果から、余裕をみてα2を40℃とする。
【0062】
c) 運転時間及び停止時間
・冷熱蓄熱期間:δ1=365−δ2日
・停止時:δ2日
緊急時:δ21日
メンテナンス時:δ22日
台数制御時:δ23日
代表として、δ2=1日とする。
【0063】
b. 算出方法
a) 化学的経年劣化加速温度での通常運転時で化学的な経年劣化に対する化学的経年劣化係数:
η1=1/[2.5^{(αmax℃−α1℃)/10℃}]
ここで、αmaxは化学的経年劣化加速温度とする。
【0064】
b) 化学的経年劣化加速温度での停止時における化学的な経年劣化に対する化学的経年劣化係数:
η2=1/[2.5^{(αmax℃−α2℃)/10℃}]
η2i=1/[2.5^{(αmax℃−α2i℃)/10℃}]
c) 1年間の化学的な経年劣化の化学的経年劣化加速温度での換算時間:β(日)
β=η1×δ1+η2×δ2
c.算出結果
下表に、化学的経年劣化加速温度αmaxを60℃とした場合の、1年間相当分の化学的な経年劣化の寿命加速温度での換算時間を示す。この結果、1年間相当分の化学的経年劣化加速試験を、化学的経年劣化加速温度αmaxを60℃として行なう場合には、3.12日が必要であることが分かる。
【0065】
【表1】
【0066】
(2).使用前の蓄熱材を系統内に充填し、所定回数の循環を経過した時点で系統内の蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を測定する。
【0067】
(3).図6に示すように、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と経過回数(相当年数)との関係をグラフにし、下記の関係式(5)を得る。
【0068】
y1=f(x) …(5)
但し、y1:放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、x:経過回数(相当年数)
(4).図6から、冷熱専用蓄熱運転前の蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lに達するまでの時間を予測することができる。図6のB−1では、25年相当の機械的な繰り返し劣化及び化学的な経年劣化経過で、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が約200mg/Lである。このため冷熱専用蓄熱運転前の蓄熱材では、その放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lに達するまでの時間、すなわち蓄熱材の寿命は、目標耐用年数である25年を十分に越えることが予測される。
【0069】
2.その2
上記その1の(1)〜(4)の操作を行ない、図6に示すB−2の結果を得た。この場合、目標耐用年数である25年を経過すると、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lを越えることが予測される。
【0070】
このため、B−2から放出脂肪族炭化水素比例物質が500mg/Lであると予測される10年の時点で、蓄熱システムの蓄熱材を入れ替えることを想定する。この場合、上記した式(3)の関係式で、補充する蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度Cを100mg/L、蓄熱材交換後の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度の期待値Bを200mg/Lとし、さらに抜き出し蓄熱材量と補充蓄熱材量とが等しいと仮定する。この場合、下記式
X=(500−200)/(500−100)×Y=0.75Y
を得る。
【0071】
これにより、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を500mg/Lから200mg/Lに低減するためには、蓄熱システムにおける全蓄熱材量の75%を補充蓄熱材(新しい蓄熱材)と交換する必要があることが分かる。
【0072】
3.その3
上記その1の(1)〜(6)の操作を行ない、図6に示すB−3の結果を得た。ここで使用した蓄熱材は、5年間実運転した後、蓄熱システムから取り出したものであり、この蓄熱材が今後どのような化学的な経年劣化をするかを予測する。
【0073】
この場合、あと10年経過すると放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lを十分越えることが予測される。すなわちこの場合も、蓄熱材の寿命は、目標耐用年数である25年を越えないことが予測される。
【0074】
このため、上記その2と同様にして、B−3の今後予定される時点で、予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を期待する値に低減するために必要な補充蓄熱材と全蓄熱材量との量比関係を予測することができる。
【0075】
(第3実施例)
本第3実施例では、蓄熱システムにて冷熱・冷温兼用蓄熱運転を行なう場合に、その運転開始前に化学的な経年劣化に伴う蓄熱材の寿命を予測する。なお本第3実施例では、図1に示した化学的経年劣化加速試験装置(蓄熱材寿命予測装置)を用いる。
【0076】
1.その1
以下、本第3実施例における蓄熱材寿命予測方法の手順を説明する。(1)〜(4)の手順は、第1実施例の(1)〜(4)の手順と基本的に同一であるため説明を省略する。
【0077】
(5).図7に示すように、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と温度の逆数との関係を示すグラフを作成する。
【0078】
(6).図7から、図8のC−1に示すように、冷熱・冷温兼用蓄熱時における年平均温度(21.7℃)での時間経過と放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度との関係を示すグラフを作成し、下記の関係式(6)を得る。
【0079】
y3=f(x) …(6)
但し、y3:放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、x:経過時間
ここで、冷熱・冷温兼用蓄熱時における年平均相当温度である21.7℃の試算方法を以下に示す。
【0080】
一般的に、温度が10℃上昇すると、化学反応速度は2〜3倍に増加することから、劣化反応速度は、温度が10℃上昇すると2〜3倍に増加すると想定し、本試験を行なうために必要な時間を算出した。
【0081】
a. 算定条件
a) 化学的経年劣化加速条件
温度が10℃上昇すれば、化学的経年劣化速度は2.5倍(上記の2〜3倍の平均)増加する。
【0082】
b) 蓄熱タンク内温度
・冷熱蓄熱運転時:α11=7.5℃(3℃と12℃の平均値)
温熱蓄熱運転時:α12=50℃
・停止時:α2℃(停止期間中に想定される最高温度)
緊急時:α21℃
メンテナンス時:α22℃
台数制御時:α23℃
ここで、(α21,α22,α23)≦α2
また、シミュレーションの結果から、余裕をみてα2を40℃とする。
【0083】
c) 運転時間及び停止時間
・冷熱蓄熱期間:δ11=365−(δ12+δ2)日
温熱蓄熱期間:δ12=121日
・停止時:δ2日
緊急時:δ21日
メンテナンス時:δ22日
台数制御時:δ23日
代表としてδ2=1日とする。
【0084】
b. 算出方法
a) 通常運転時での化学的経年劣化加速温度×期間:γ1
γ1=δ11×α11
b) 停止時における化学的経年劣化加速温度×期間:γ2
γ2=δ2×α2
c) 年平均相当温度:ε℃
ε=(δ11×α11+δ2×α2)/(δ11+δ2)
但し、δ11=365−δ12−δ1日,δ2=1日,δ12=121日
c.算出結果
下表に、冷熱・冷温兼用蓄熱時での年平均相当温度の試算結果を示す。この結果、年平均相当温度が21.7℃であることが分かる。
【0085】
【表2】
【0086】
(7).図8のC−1から、冷熱・冷温兼用蓄熱運転前の蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が約100mg/Lである場合、その濃度に達する時間は約6×105hであると予測されるため、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が100mg/Lに達する時点で、すでに目標耐用年数である25年=2.2×105hを越えていることが分かる。これにより、冷熱・冷温兼用蓄熱運転前の蓄熱材では、その放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lに達するまでの時間、すなわち蓄熱材の寿命は、目標耐用年数である25年を十分に越えることが予測される。
【0087】
2.その2
上記その1の(1)〜(7)の操作を行ない、図8に示すC−2の結果を得た。この場合、目標耐用年数である25年=2.2×105hを経過すると、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lを越えることが予測される。
【0088】
このため、上記第2実施例のその2と同様にして、C−2の今後予定される時点で、予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を期待する値に低減するために必要な補充蓄熱材と全蓄熱材量との量比関係を予測することができる。
【0089】
2.その3
上記その1の(1)〜(7)の操作を行ない、図8に示すC−3の結果を得た。ここで使用した蓄熱材は、5年間実運転した後、蓄熱システムから取り出したものであり、この蓄熱材が今後どのような化学的な経年劣化をするかを予測する。
【0090】
この場合、あと20年経過すると放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lを十分越えることが予測される。
【0091】
このため、上記その2と同様にして、C−3の今後予定される時点で、予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を期待する値に低減するために必要な補充蓄熱材と全蓄熱材量との量比関係を予測することができる。
【0092】
(第4実施例)
本第4実施例では、蓄熱システムにて冷熱・冷温兼用蓄熱運転を行なう場合に、その運転開始前に化学的な経年劣化及び相変化に伴う蓄熱材の寿命を予測する。なお本第4実施例では、図5に示した化学的な経年劣化及び相変化劣化加速試験装置(蓄熱材寿命予測装置)を用いる。
【0093】
1.その1
以下、本第4実施例における蓄熱材寿命予測方法の手順を説明する。
【0094】
(1).1年分の365回(1日で融解・凝固各1回のため)の機械的な繰り返し劣化、及び1年分の化学的な経年劣化を行なう。具体的には、365回の循環運転(高温側熱交換器61内にて融解、低温側熱交換器62内にて凝固)及び1年分の化学的経年劣化加速(75℃にて12.8日)を25回繰り返す。実際には、0.27日間の高速運転を1年分の循環運転とした。
【0095】
ここで、1年分の冷熱・冷温兼用蓄熱が75℃で12.8日に相当する根拠を示す。1年分の化学的経年劣化加速試験を行なうために必要な時間の試算を、冷水(3〜12℃)のみを蓄熱する場合について算出した結果を、以下に示す。
【0096】
一般的に、温度が10℃上昇すると、化学反応速度は2〜3倍に増加することから、劣化反応速度は、温度が10℃上昇すると2〜3倍に増加すると想定し、本試験を行なうために必要な時間を算出した。
【0097】
a. 算定条件
a) 化学的経年劣化加速条件
温度が10℃上昇すれば、化学的経年劣化速度は2.5倍(上記の2〜3倍の平均)増加する。
【0098】
b) 蓄熱タンク内温度
・冷熱蓄熱運転時:α11=7.5℃(3℃と12℃の平均値)
温熱蓄熱運転時:α12=50℃
・停止時:α2℃(停止期間中に想定される最高温度)
緊急時:α21℃
メンテナンス時:α22℃
台数制御時:α23℃
ここで、(α21,α22,α23)≦α2
また、シミュレーションの結果から、余裕をみてα2を40℃とする。
【0099】
c) 運転時間及び停止時間
・冷熱蓄熱期間:δ11=365−(δ12+δ2)日
温熱蓄熱期間:δ12=121日
・停止時:δ2日
緊急時:δ21日
メンテナンス時:δ22日
台数制御時:δ23日
代表としてδ2=1日とする。
【0100】
b. 算出方法
a) 化学的熱経年劣化加速温度での通常運転時で化学的な経年劣化に対する化学的経年劣化係数:
η1i=1/[2.5^{(αmax℃−α1℃)/10℃}]
ここで、αmaxは化学的経年劣化加速温度とする。
【0101】
b) 化学的経年劣化加速温度での停止時における化学的な経年劣化に対する化学的経年劣化係数:
η2=1/[2.5^{(αmax℃−α2℃)/10℃}]
η2i=1/[2.5^{(αmax℃−α2i℃)/10℃}]
c) 1年間の化学的な経年劣化の化学的経年劣化加速温度での換算時間:β(日)
β=η1i×δ1i+η2×δ2
=η1i×δ1i+Σ(η2i×δ2i)
但し、δ11=365−δ12−δ2日,δ2=1日,δ12=121日
c.算出結果
下表に、化学的経年劣化加速温度αmaxを75℃とした場合の、1年間相当分の化学的経年劣化加速温度での換算時間を示す。この結果、1年間相当分の化学的経年劣化加速の試験を、化学的経年劣化加速温度αmaxを75℃として行なう場合には、12.8日が必要であることが分かる。
【0102】
【表3】
【0103】
(2).使用前の蓄熱材を系統内に充填し、所定回数の循環を経過した時点で系統内の蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を測定する。
【0104】
(3).図9に示すように、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と経過回数(相当年数)との関係をグラフにし、下記の関係式(7)を得る。
【0105】
y1=f(x) …(7)
但し、y1:放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度、x:経過回数(相当年数)
(4).図9から、冷熱・冷温兼用蓄熱運転前の蓄熱材の放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lに達するまでの時間を予測することができる。図9のD−1では、25年相当の機械的な繰り返し劣化相及び化学的な経年劣化経過で、放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が約900mg/Lである。このため冷熱・冷温兼用蓄熱運転前の蓄熱材では、その放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lに達するまでの時間、すなわち蓄熱材の寿命は、目標耐用年数である25年を十分に越えることが予測される。
【0106】
2.その2
上記その1の(1)〜(4)の操作を行ない、図9に示すD−2の結果を得た。この場合、あと15年経過すると放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度が1000mg/Lを越えることが予測される。すなわちこの場合、蓄熱材の寿命は、目標耐用年数である25年を越えないことが予測される。
【0107】
このため、上記第2実施例のその2と同様にして、D−2の今後予定される時点で、予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を期待する値に低減するために必要な交換蓄熱材と全蓄熱材量との量比関係を予測することができる。
【0108】
3.その3
上記その1の(1)〜(4)の操作を行ない、図9に示すD−3の結果を得た。ここで使用した蓄熱材は、2年間実運転した後、蓄熱システムから取り出したものであり、この蓄熱材が今後どのような劣化をするかを予測する。
【0109】
この場合、あと9年経過すると放出脂肪族炭化水素比例物質が1000mg/Lを十分越えることが予測される。すなわちこの場合も、蓄熱材の寿命は、目標耐用年数である25年を越えないことが予測される。
【0110】
このため、上記その2と同様にして、D−3の今後予定される時点で、予測される放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を期待する値に低減するために必要な交換蓄熱材と全蓄熱材量との量比関係を予測することができる。
【0111】
なお、各実施例のうち化学的な経年劣化及び機械的な繰り返し劣化に対する試験の方が化学的な経年劣化のみに対する試験よりも現実の劣化に即しているが、化学的な経年劣化のみに対する試験だけからでも簡便に蓄熱材の寿命を予測することが可能となる。
【0112】
(参考例)
第1〜第4実施例では蓄熱材の寿命の予測を行なったのに対して、本参考例では、蓄熱システム内の蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度(実際は油分抽出量)とpHを自動計測することで、蓄熱材の評価(モニタリング)を行ない、異常時における迅速な対応を可能とする。
【0113】
ここで、蓄熱材の寿命評価に用いる指標は、膜劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度である。本参考例では、例として油分濃度を指標とし、それと比例関係にある放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度を推定する。
【0114】
すなわち、蓄熱システム内の蓄熱材の寿命評価は、サンプリング、油分濃度測定後に行なえるが、それぞれに時間を要するため、異常時における診断をすぐに行なうことができない。そこで、蓄熱システムから自動サンプリング、自動分析することで、現時点でのシステム内の蓄熱材の油分濃度をリアルタイムで監視でき、異常時に即対応することが可能となる。
【0115】
図10は、蓄熱システムに適用した蓄熱材評価装置の構成を示す図である。蓄熱システムは、蓄熱槽(潜熱蓄熱槽)1、熱交換器2、蓄熱材循環回路3、冷水循環回路4、及び冷凍機5等により構成されている。
【0116】
蓄熱槽1は、蓄熱材11を収容した容器である。蓄熱槽1には、蓄熱材ポンプ6を備えた蓄熱材循環回路3を介して熱交換器2が接続されている。さらに、熱交換器2には、冷水ポンプ8を備えた冷水循環回路4を介して冷凍機5内の蒸発器51が接続されている。
【0117】
したがって、蓄熱時及び放熱時は、ポンプ6を運転して蓄熱槽1内の蓄熱材11を、蓄熱材循環回路3を通じて熱交換器2へ供給する。また、冷水ポンプ8を運転して冷水を、冷水循環回路4を通じて熱交換器2へ供給する。これにより、熱交換器2において蓄熱材11と冷水の間で熱交換をすることができる。
【0118】
排出系統は、蓄熱材の代表サンプルを採取できる配管に接続されたバルブV1001,V1002,V1003、ポンプP1001からなる。計測系統は、膜劣化指標である油分濃度を測定する油分濃度計D1001からなる。演算/出力装置CP1001は、各種指示、記録、演算、及び表記機能を有する。
【0119】
バルブV1001,V1002,V1003の開閉、及びポンプP1001の運転停止の指示は、演算/出力装置CP1001でなされる。具体的には、開閉バルブV1001,V1002は蓄熱材の初期取り出し時に排出用に開けられ、所定の状態になった時点でバルブV1002が閉じられ、同時にバルブV1003が開けられる。これにより、蓄熱槽1からの蓄熱材11が油分濃度計D1001へ導入される。
【0120】
油分濃度計D1001で測定された蓄熱材の油分濃度は、演算/出力装置CP1001に入力されて保存され、所定の演算がなされる。ここで、あらかじめ油分濃度計D1001の出力と、蓄熱材の膜劣化により膜から放出した芯物質の脂肪族炭化水素量に対して比例関係にある四塩化炭素抽出物質、ノルマルヘキサン抽出物質、あるいはガスクロマトグラフィによる測定物質の濃度との相関関係を求めておく。演算/出力装置CP1001は、この関係式を収納しており、油分濃度計D1001で測定された油分抽出濃度から、前記した物質の濃度を推算する。
【0121】
以上の構成により、演算/出力装置CP1001は、経過時間と蓄熱材の劣化により膜から放出した放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度との関係を示すことにより、蓄熱材の異常を診断することが可能となる。さらに、油分濃度計D1001の機能に,固形分濃度、pH測定機能を付加させることにより、蓄熱材の状態をリアルタイムで把握し、蓄熱システムの健全性評価を行なうことができる。
【0122】
ここで、3時間の固形分濃度測定は、膜劣化により膜から放出した芯物質の脂肪族炭化水素が蒸発することから、膜劣化の指標となる。また、蓄熱材は、pH7.5〜8.5の間においてその健全性が保たれることから、この範囲からはずれる場合はpH調整を行なう必要がある。
【0123】
すなわち、測定したpHが7.5〜8.5をはずれた場合には、pH=7.5〜8.5になるように、演算/出力装置CP1001でバルブV1004,V1005,V1006を開閉制御し、酸供給ポンプP1002またはアルカリ供給ポンプP1003を稼働させる。これにより、酸タンクT1010またはアルカリタンクT1020から、酸またはアルカリを蓄熱槽1内に供給する。さらに、pH測定計PH1000を配管内に設置しておくことも可能である。ここで、例えば酸として酢酸あるいは塩酸などを、またアルカリとして水酸化ナトリウムなどを使用する。
【0124】
本発明は上記実施の形態のみに限定されず、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施できる。
【0125】
【発明の効果】
本発明の蓄熱材寿命予測方法及び装置によれば、蓄熱システムの運転開始前あるいは運転時において、化学的な経年劣化に起因する蓄熱材の寿命を予測することができ、さらに有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の交換時期を予測することができる。
【0126】
本発明の蓄熱材寿命予測方法及び装置によれば、蓄熱システムの運転開始前あるいは運転時において、化学的な経年劣化及び機械的な繰り返し劣化に起因する蓄熱材の寿命を予測することができ、さらに有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の交換時期を予測することができる。
【0127】
本発明の蓄熱材寿命予測方法及び装置によれば、蓄熱システムの運転開始前あるいは運転時において、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の交換時期と交換量を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る蓄熱材寿命予測装置の系統を示す構成図。
【図2】本発明の実施の形態に係る放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度の経時変化を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係る放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と温度の逆数との関係を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る所定温度(7.5℃)での時間経過と放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度との関係を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る蓄熱材寿命予測装置の系統を示す構成図。
【図6】本発明の実施の形態に係る放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と経過回数(相当年数)との関係を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係る放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と温度の逆数との関係を示す図。
【図8】本発明の実施の形態に係る年平均温度(21.7℃)での時間経過と放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度との関係を示す図。
【図9】本発明の実施の形態に係る放出脂肪族炭化水素比例物質の濃度と経過回数(相当年数)との関係を示す図。
【図10】参考例に係る蓄熱材評価装置の構成を示す図。
【符号の説明】
S1〜S4…ガラス容器
V1〜V4…恒温槽
TE1〜TE4…温度指示計
H0〜H4…ヒータ
M1〜M4…撹拌機
C0〜C4…温度制御器
V11,V12,V13…バルブ
V21,V22,V23…バルブ
V31,V32,V33…バルブ
V41,V42,V43…バルブ
P1〜P4…ポンプ
D1〜D4…油分濃度計
CP…演算/出力装置
61…高温側熱交換器
62…低温側熱交換器
63…加熱ポンプ
67,68…可動バルブ
69…循環ポンプ
70…流量制御器
71…貯蔵槽
C1〜C4…制御器
CP100…演算/出力装置
T1〜T4…温度計
FH…流量計
FC…流量計
V100、V101、V102…バルブ
CP200…演算/出力装置
D300…油分濃度計
1…蓄熱槽
2…熱交換器
3…蓄熱材循環回路
4…冷水循環回路
5…冷凍機
6…蓄熱材ポンプ
7,8…冷水ポンプ
V1001〜V1006…バルブ
P1001〜P1003…ポンプ
CP1001…演算/出力装置
D1001…油分濃度計
T1010…酸タンク
T1020…アルカリタンク
PH1000…pH測定計
Claims (6)
- 有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の寿命を予測する蓄熱材寿命予測方法であり、
前記蓄熱材を充填した複数の容器を、それぞれ所定温度に維持し、
所定時間経過毎に、前記各容器中の蓄熱材をサンプリングし、前記蓄熱材の劣化により膜から放出した芯物質の脂肪族炭化水素量に対して比例関係にある各所定物質の濃度を測定し、
経過時間と前記各所定物質の濃度との関係を表示し、
この関係から温度と前記各所定物質の濃度に達するまでの時間との関係を表示し、
この関係から所定温度での前記各所定物質の濃度と時間経過との関係を表示し、
この関係から前記蓄熱材の寿命を予測することを特徴とする蓄熱材寿命予測方法。 - 有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の寿命を予測する蓄熱材寿命予測方法であり、
前記蓄熱材を系統内に充填し、所定回数循環させ、
前記所定回数を経過した時点で、前記系統内の蓄熱材の劣化により膜から放出した芯物質の脂肪族炭化水素量に対して比例関係にある所定物質の濃度を測定し、
この所定物質の濃度と経過回数との関係を表示し、
この関係から、前記蓄熱材の寿命を予測することを特徴とする蓄熱材寿命予測方法。 - 予測された寿命に応じて、
X=(A−B)/(A−C)×Y
に、予測される所定物質の濃度A、交換する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の所定物質の濃度C、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材交換後の所定物質の濃度B、全系統内の有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量Yを代入することで、交換する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量Xを予測することを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱材寿命予測方法。 - 有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の蓄熱材寿命予測装置であり、
前記有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材を充填した複数の容器を、それぞれ所定温度に維持する手段と、
所定時間経過毎にサンプリングされた前記各容器中の有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材における劣化により膜から放出した芯物質の脂肪族炭化水素量に対して比例関係にある各所定物質の濃度を測定する手段と、
経過時間と前記各所定物質の濃度との関係を表示する手段と、
この関係から温度と前記各所定物質の濃度に達するまでの時間との関係を表示する手段と、
この関係から所定温度での前記所定物質の濃度と時間経過との関係を表示する手段と、
この関係から前記蓄熱材の寿命を予測する手段と、
を具備したことを特徴とする蓄熱材寿命予測装置。 - 有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の寿命を予測する蓄熱材寿命予測装置であり、
系統内に充填された前記有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材を所定回数循環させる手段と、
前記所定回数を経過した時点で、前記系統内の蓄熱材の劣化により膜から放出した芯物質の脂肪族炭化水素量に対して比例関係にある各所定物質の濃度を測定する手段と、
この所定物質の濃度と経過回数との関係を表示する手段と、
この関係から、前記蓄熱材の寿命を予測する手段と、
を具備したことを特徴とする蓄熱材寿命予測装置。 - 予測された寿命に応じて、
X=(A−B)/(A−C)×Y
に、予測される所定物質の濃度A、交換する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材の所定物質の濃度C、有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材交換後の所定物質の濃度B、全系統内の有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量Yを代入することで、交換する有機系膜物質内に脂肪族炭化水素からなる芯物質が封入された微小カプセルを水と混合した蓄熱材量Xを予測する手段を備えたことを特徴とする請求項4または5に記載の蓄熱材寿命予測装置。
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