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JP4274839B2 - X線検出器用シンチレータ、その製造方法並びにそれを用いたx線検出器及びx線ct装置 - Google Patents

X線検出器用シンチレータ、その製造方法並びにそれを用いたx線検出器及びx線ct装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、X線、γ線などを検出する放射線検出器に関し、特にX線CT装置やポジトロンカメラ等などの放射線検出器に好適な放射線検出器用シンチレータとその製造方法、並びにそれを用いたX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、X線CT装置などに用いる放射線検出器としては、キセノンのガスチャンバー、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO結晶)と光電子増倍管を組み合わせたもの、タングステン酸カドミウム(CdWO4)とフォトダイオードを組み合わせたものなどが用いられてきたが、近年、放射線からの光への変換効率の高い希土類系蛍光体が開発され、このような蛍光体とフォトダイオードを組み合わせた放射線検出器が実用化されている。
【0003】
このような放射線検出器は、例えば柱状のシンチレータ要素の周囲4面に反射材を設けた素子を直線状或いは格子状に配列した構造を有しており、放射線検出器としての精度を高めるためには、素子の配列ピッチや各素子の性能の均一性が要求されている。
【0004】
上記構造の放射線検出器を製造する方法として、例えば特許文献1に、1)複数の板状のシンチレータ素材を反射材を介して所定間隔に積層して一次積層ブロックとした後、2)その積層ブロックを所定の厚さに切断して多数の角柱状シンチレータ素材と反射材とから構成された中間板を製造し、3)この中間板を反射材を介して所定の間隔に積層して二次積層ブロックとし、4)この二次積層ブロックを所定の厚さに切断する方法が開示されている(従来技術1という)。また特許文献2には、1)板状のBGO結晶に所定ピッチで幅0.5mm、深さ12mm程度の切り込み溝を格子状に形成し、2)この切り込み溝内に反射材粉末を含有する樹脂溶液を充填し、3)減圧装置内に入れて樹脂溶液を真空脱泡、脱溶媒して乾燥させる方法が記載されている(従来技術2という)。
【特許文献1】
特開平11-231061号公報
【特許文献2】
特開平5-19060号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、放射線検出器の高精度化に伴い、検出器を構成するシンチレータとして約1×2×2mm3程度の寸法を持ったものが使用されるようになり、周囲の反射材の厚みも数百μm程度の薄さになっている。このような寸法の検出器では、シンチレータ要素や反射材の寸法精度が数十μm程度ばらついても検出器の検出精度に影響を与え、リング状のアーチファクト発生の原因となる。また反射材内部や反射材とシンチレータとの界面に気泡や欠陥があるとシンチレータ要素の感度分布のばらつきが大きくなり、これもアーチファクトの原因となる。
【0006】
このような状況において、上記従来技術1ではシンチレータ要素の周囲に反射材を形成するために二度にわたって高精度な積層を行う必要があり、多大の時間と手間を必要とするという問題があった。また従来技術2では、縦横の切り込み溝を同一の機械加工によって行うことによりシンチレータ間隔(反射材の厚み)の精度を機械加工の精度まで高めることができるが、切り込み溝の幅が狭くなると樹脂溶液を溝内に充填するのが困難となり、また充填できたとしても減圧装置による真空脱泡には限界があり、反射層毎に残留気泡のばらつきを生じ、高精度の検出器が得られないという問題があった。また従来技術2では、最終形態においてシンチレータ要素に分離されていない領域があった。
【0007】
一方、各シンチレータ要素間に挿入される材料としては、シンチレータが発する光を反射させてシンチレータの出力を高めるための反射材料や、光の透過を抑制しシンチレータ要素間のクロストークを防止するための遮蔽材料がある。反射材料としては、鏡面加工した金属板や二酸化チタンや硫酸バリウム等の白色顔料からなる反射材を含む白色塗料などが用いられている。また光の透過を抑制する材料としては鉛、モリブデンなどの重金属薄板が用いられている。
【0008】
上述の従来技術2のように、シンチレータ要素間に形成された溝内に反射層の材料を充填する場合には、樹脂中に反射材を分散させたものが用いられている。しかし従来の製造方法では、幅の狭い溝に材料を充填するために高粘度材料を用いることができないため、反射層中に含有できる反射材の量に限界があり、十分な反射特性が得られない、クロストークを生じるといった問題あった。
【0009】
これに対し、板状のシンチレータ要素を積層してシンチレータブロックを製造する場合には、金属薄板の両面に白色塗料の塗布層を設けたものや、白色の高分子フィルム、これらを組み合わせたセパレータが用いられている。また特許文献3には、金属膜を形成した白色フィルム2枚を金属膜が内側となるように積層したものをセパレータとして用いることが記載されている。
【特許文献3】
特許公報第2930823号
【0010】
セパレータとして金属板の両面に白色塗料の塗布層を設けたものを用いた場合には、クロストークを防止する効果を向上することができるが、塗布層の厚みの不均一に起因し、シンチレータ要素に反射特性のばらつきを生じるという問題がある。一方、白色フィルムを用いたものでは白色顔料の塗布層に比べ、反射特性が低く、極めて高い検出感度が要求される用途では十分な性能を得ることができない。
【0011】
本発明は、上述した従来の製造方法及び材料で製造されたシンチレータ及び検出器に関する諸問題を解決することを課題とする。即ち、本発明の一つの目的は、シンチレータ要素が分離された高精度の放射線検出器用シンチレータを比較的簡単な工程で製造することができる製造方法を提供すること、それによってシンチレータ要素の感度のばらつきがない高精度の放射線検出器用シンチレータを提供することである。また本発明の他の目的は、シンチレータ要素間に設けられた反射層が均一であり且つ反射特性に優れ、高い検出感度を有する放射線検出器用シンチレータを提供することである。さらに本発明の目的は、このようなシンチレータを用いることにより検出精度が高く、アーチファクトを抑制したX線CT装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明により製造される放射線検出器用シンチレータは、複数の柱状のシンチレータ要素を、第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向にそれぞれ配列し、各シンチレータ要素の配列方向の周囲4面に反射層を設けて成る放射線検出器用シンチレータであり、少なくとも前記シンチレータ要素の間に設けられる反射層は反射材を含有する樹脂からなり、前記反射材の含有量が配列方向と直交する方向に単調に変化しているものである。反射材の含有量の変化率は、単位当たり0wt%/cmを超え、20wt%/cm以下であることが好ましい。
【0013】
また本発明の放射線検出器用シンチレータの製造方法は、直方体状のシンチレータ素材に、第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に沿って所定ピッチ、所定幅、所定深さの切り込み溝を形成する工程(1)と、遠心機を用いて、遠心方向を注入方向として、前記切り込み溝に反射材粉末を含む樹脂を注入する工程(2)と、前記樹脂を硬化する工程(3)と、樹脂の硬化後に前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向と直交する面に沿って切断する工程(4)とを含むものである。
【0014】
シンチレータ素材が、希土類酸化物蛍光体からなる場合には、シンチレータ特性を高めるためにアニールする工程を含めることが好ましく、この場合、アニールする工程は、工程(1)に先立って、及び/又は、工程(1)と工程(3)との間に行なうことが好ましい。工程(1)に先立って行なうアニールによって、シンチレータ素材の製造時に発生する熱ひずみ等を緩和でき、また工程(1)において切り込み溝形成した後にアニールすることにより、アニール工程を効率よく行なうことができシンチレータ特性の優れたシンチレータを得ることができる。
【0015】
本発明の製造方法によって形成されたシンチレータは、遠心法によって切り込み溝に反射層を構成する材料を注入することにより、幅が狭い溝や深い溝であっても空気が混入することなく確実に溝内に材料を注入することができる。こうして形成されたシンチレータは、溝の深さ方向に反射材粉末の濃度に傾斜を生じるが、反射材粉末の粒径及び分布範囲を適切に選択することによって、溝深さ方向の反射率変化を許容範囲内に押さえることができる。
【0016】
またこの製造方法によって形成された本発明のシンチレータは、反射層の厚さ寸法ばらつきを、切り込み溝を形成する際の加工精度と同程度まで高めることができる。具体的には、第1及び第2の方向について、それぞれ±0.010mm以下とすることができる。これによってシンチレータ要素毎の特性のばらつきのない放射線検出器用シンチレータが得られる。
【0017】
上記本発明の放射線検出器用シンチレータにおいて、好適には、反射層はさらにその中央部にセパレータ板を含む。セパレータ板は、例えば、金属膜の両面に白色拡散反射層を積層した3層構造を有するものとする。
反射材を含有する樹脂からなる反射層に、セパレータ板を挿入することにより、さらに反射層の反射特性、光透過阻止特性を高めることができる。特にセパレータ板として金属膜の両面に白色拡散反射層を持つ3層構造のものを採用することにより、各シンチレータ要素はそれぞれ両側に2層の反射層を備えたものとなり、クロストークを防止してしかも反射特性を大幅に向上することができ、空間分解能と検出感度とを高めることができる。
【0018】
本発明の第2の目的を達成する放射線検出器用シンチレータは、複数の柱状のシンチレータ要素を、第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向にそれぞれ配列し、各シンチレータ要素の配列方向の周囲4面に反射層を設けて成る放射線検出器用シンチレータにおいて、反射層は反射材を含有する樹脂からなる第1の反射層と、前記第1の反射層の中央部に挿入され、前記第1の反射層と接する第2の反射層を有するセパレータとを有することを特徴とするものである。
【0019】
この放射線検出器用シンチレータは、反射層が、第1の反射層/白色セパレータからなる第2の反射層/第1の反射層の3層で構成されるので、シンチレータ要素ごとに高い検出感度が実現される。特に、白色セパレータを2枚の白色反射拡散層の間に金属膜を有するものとすることにより、反射層の高いクロストーク防止効果を得ることができる。
【0020】
さらに本発明の放射線検出器用シンチレータは、第1の反射層の、十分に厚い試料の拡散反射率R∞が、前記第2の反射層の拡散反射率Rbより大であることが望ましい。ここで十分に厚い試料の拡散反射率とは、それ以上試料の厚みを厚くしても拡散反射率が変化しない厚みにおける拡散反射率をいう。
第1の反射層の拡散反射率R∞を、第2の反射層の拡散反射率Rbよりも大とすることにより、反射層全体としての反射率を90%以上にすることができ、シンチレータの光出力を向上することができる。
【0021】
本発明の放射線検出器は、上述した本発明のシンチレータを用いたものであり、具体的には、柱状の4周面に反射層が配置されたシンチレータ素子を複数配列したシンチレータと、このシンチレータの発光を検出する光検出器を備えたものである。この放射線検出器は、シンチレータとして本発明のシンチレータを用いたことにより、素子間の特性のばらつきがなく、高い検出精度を実現できる。
【0022】
このX線CT装置は、上記素子間の特性のばらつきがなく高い検出精度のX線検出器を備えたことにより、リングアーチファクトが抑制され、高品質のCT画像を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の放射線検出器用シンチレータ、それを用いた放射線検出器及びその製造方法について説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態による放射線検出器を示す図であり、この放射線検出器は、格子状に配列した複数の柱状のシンチレータ要素12と、柱状のシンチレータ要素12の周囲4面に設けられた反射層13と、シンチレータ要素12の周囲面と直交する一方の面に設けられた光検出器11と、光検出器11が設けられた面と平行な面に設けられた反射層13’とを備えている。尚、図は放射線検出器の一部であって、一つの方向(紙面、横方向)に配列した3つのシンチレータ要素12のみを示しているが、この方向と直交する方向(紙面に直交する方向)にも複数のシンチレータ要素が同様の構造で配列している。
【0025】
光検出器11としては、光電増培管、フォトダイオード、PINフォトダイオード等の公知の光検出器を用いることができる。
シンチレータ要素12は、X線やγ線などを受光することにより光を発生するもので、希土類系蛍光体等の公知の材料からなる。好適な希土類系蛍光体として、例えば本発明者らが提案した、発光中心元素がCeで、Gd、Al、Ga、Oを主要元素とするガーネット構造の酸化物蛍光体(特願2000-389343号)を用いることができる。
【0026】
反射層13は、有機樹脂中に無機化合物粉末を反射材として含有せしめたものからなる。有機樹脂としては、放射線による劣化や着色が少なく接着力の強いものが好ましく、具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等を用いることができる。
【0027】
無機化合物粉末としては、535nm前後の波長で光反射率が90%以上確保でき、しかも放射線照射による劣化の少ない材料が好ましく、具体的には酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム等の無機化合物粉末を使用することができる。無機化合物粉末は粒子径が小さく且つ粒子径分布が狭いものが好ましい。具体的には、平均粒子径3μm以下、粒子径分布(標準偏差)2μm以下、より好ましくは平均粒子径1μm以下、粒子径分布1μm以下のものが好ましい。
【0028】
反射材の含有量は、シンチレータ要素が発生する光をできるだけ多く反射し且つ隣接するシンチレータ要素に対し遮蔽するために、反射材/(反射材+樹脂)の重量比(%)で30〜80wt%の範囲が好ましい。反射材の含有量が30wt%より少ないと十分な反射性及び遮蔽性を得られず、検出能力が低下するとともにシンチレータ要素間のクロストークを生じてしまう。また80wt%を超えると、樹脂硬化前の粘度が高くなり、後述する製造方法によっても反射層を形成する際にシンチレータ要素間に反射層形成材料を注入することが困難になる。有機樹脂に反射材を含有せしめた反射層形成材料の硬化前の粘度は、数千〜数十万cPs程度とすることが好ましい。このような反射層形成材料の粘度は、有機樹脂の選択、無機化合物粉末の含有量等を調整することにより調整することができる。
【0029】
また本発明のシンチレータは、反射材の含有量がシンチレータの高さ方向に変化していることが特徴である。これは本発明のシンチレータの製造方法に起因するものであり、反射材の濃度に傾斜を生じるような製造方法を採用して製造することにより、本発明のシンチレータはクロストークに有害な気泡を反射層に含むことなく、反射特性が優れ、全ての反射層で特性むらのないシンチレータとすることができる。濃度傾斜は、単位長さ当たり0wt%/cmを超え、20wt%/cm以下、好適には10wt%/cm以下、より好適には5wt%/cm以下である。
【0030】
濃度傾斜が20wt%/cm以上では、反射層の光反射率が厚さ方向で約4%以上変化する。シンチレータの厚さを約2.0mmとすると、光反射率がシンチレータの厚さで0.8%異なることになり、検出器としたときに感度むらを生じアーチファクトの原因となる。濃度傾斜を20wt%/cm以下とすることにより、このような感度むらをなくすことができる。
【0031】
反射層の厚さは放射線検出器によって異なるが、例えば0.1〜0.3mmの範囲とすることができる。本発明の放射線検出器では、後述する製造方法で製造することにより、反射層の幅の精度を±0.010mm以下に抑えることができる。また本発明の放射線検出器は、素子間のクロストークを減ずるために、反射層の内部にモリブデン、タングステン、ステンレス等からなる金属遮蔽板を含むことができる。
【0032】
次にこのように構成される本発明のシンチレータの製造方法について説明する。
図2は本発明のシンチレータの製造工程の一例を示す図であり、シンチレータ素材として酸化物蛍光体を用いた場合を示す。図示するように、直方体形状のシンチレータ素材10を用意し、このシンチレータ素材10の一つの面に垂直で且つ互いに直交する二方向の切り込み溝を20形成する(ステップ201)。図ではシンチレータ素材の縦方向をy、横方向をx、高さ方向をzとしたとき、溝はその深さ方向がzとなるように、x方向及びy方向に形成される。切り込み溝の深さHは、シンチレータ素材の高さZよりも浅く、シンチレータ素材は切断されず数mm程度残した状態とする。
【0033】
溝の深さ、幅、x方向及びy方向のピッチは、放射線検出器の用途によって異なるが、例えば溝の深さは、10〜30mmである。またX線CT用のX線検出器の場合、例えば幅0.1〜0.3mm、ピッチ1.0〜2.5mm程度である。従来の、反射層形成材料の自重によって溝内に注入する方法、プレスなどの機械的な加圧法、真空中で含浸させる法では、幅の狭い溝に気泡を生じることなく反射層形成材料を注入することが困難であったが、本発明の方法では上述した狭い幅の溝や深い溝であっても、気泡を生じることなく反射層形成材料を確実に底部まで注入することができる。
【0034】
このような切り込み溝は、ワイヤーを供給しながら往復運動させて加工するマルチワイヤーソーや、ダイヤモンドで被覆された切刃を有するスライサー等の高精度の加工機械を用いて形成することができ、これにより、溝のピッチ、幅を加工機械の精度と同程度まで高めることができる。具体的には、切り込み溝の溝幅ばらつき及びピッチばらつきを±0.010mm以下にすることができる。なお、ばらつき精度が0.01mm以上では、検出器の精度が低下し、リング状アーチファクトが発生しやすくなる。
【0035】
切り込み溝を形成した後、シンチレータ素材をアニール処理する(ステップ202)。アニール処理は一般に酸化物蛍光体にシンチレータ特性を付与するために行なわれる処理であり、例えば温度1100〜1600℃の高温で数10分〜数時間、酸素中で熱処理する。このようなアニール処理は、シンチレータ材料に切り込み溝を形成する前に行なうこともできるが、本実施形態の製造方法では、アニール処理前に切り込み溝を形成しているので、アニール効率を高めることができる。
【0036】
次いで切り込み溝内に反射層を形成する材料を注入する(ステップ203〜205)。このため、まずシンチレータ素材を切り込み溝が上面になるように成型枠中に配置し(ステップ203)、反射材を含有する未硬化の有機樹脂を切り込み溝上面に配置した後(ステップ204)、遠心機に入れ、遠心注型する(ステップ205)。既に述べたように、反射層を形成する材料は、有機樹脂中に無機化合物粉末を分散させたものからなり、粘度が数千〜数十万cps程度となるように調整されている。粘度を調整した反射層形成材料を用いることにより遠心注型により溝の底部まで材料を注入することができ、しかも樹脂中の気泡を実質的になくすことができる。
【0037】
遠心注型により気泡を除去するメカニズムを図3により説明する。有機樹脂6の密度をρ、粘度をμ、無機化合物粉末7の密度をρs、直径をds、気泡8の密度をρ0、直径をd0とする。一般に液体中での粒子(直径ds、密度ρs)の運動は、粒子の速度をusとすると、レイノルズ数Re(=dsusρs/μ)の範囲によって、ストークスの法則、アレンの法則、ニュートンの法則が適用される。上述した反射層形成材料では、粘度μが大きく、粒子の運動の抵抗はもっぱら摩擦によって生じ、レイノルズ数は5.8以下となり、ストークスの法則が適用される。
【0038】
ストークスの法則に従えば、粒子に働く抵抗力RはR=3πdsusμで表される。一方、有機樹脂と粒子との相対変位のための有効遠心力は、質量mの粒子が半径rの円周上を角速度ωで回転するときは、次式(1)である。従って両者のつり合いから粒子の移動速度usは式(2)で表される。
【0039】
【数1】
Figure 0004274839
【数2】
Figure 0004274839
【0040】
一方、気泡の移動速度u0は、式(3)となる。故に、有機樹脂6中に分散する無機化合物粉末粒子7と気泡8の移動速度比は、式(4)で表される。
【0041】
【数3】
Figure 0004274839
【数4】
Figure 0004274839
【0042】
例えば、ρ0=0、ρs=4.2g/cm3、ρ=1.4g/cm3、d0=10μm、ds=1μmとすると、u0/us=−50となる。即ち、気泡8は無機化合物粉末7と反対方向に、50倍の速度で遠心力とは逆方向に移動する。このことから、遠心注型によって狭くて深い切り込み溝に、気泡がなくなるような状態で効率よく注入できることがわかる。
【0043】
上述した遠心注型においては、前述の気泡の除去と同時に、無機化合物粉末7の有機樹脂6に対する相対変位が生じる(図4)。その結果、図5に示すように、反射層は注入方向(溝の深さ方向)に無機化合物含有量が段階的に異なる3つの領域A、C、Bに分かれる。上側の領域Aは無機化合物の含有量が少なく、下側の領域Bは無機化合物の含有量が多い。これら領域は、後続するスライス工程で切断されシンチレータとしては利用しない領域であり、できるだけ狭いことが望ましい。これら領域A、Bを狭くするためには、式(4)において粒子の密度ρsと有機樹脂の密度ρとの差をできるだけ小さくするか、粒子の粒子径ができるだけ小さくする必要がある。具体的には、無機化合物粉末の平均粒径を3μm以下とすることにより、領域A、Bを全体の厚みの約5%以下に抑え、シンチレータとして利用できる領域Cを広くすることができる。
【0044】
一方、反射層として有効な領域Cは、無機化合物粉末の粒子径分布に起因して注入方向に無機化合物含有量の傾斜αを生じる。本発明者らの研究によれば、シンチレータの反射率の変化は、厚さ方向について4%/cm以内であれば許容することができ、反射率の変化4%/cmは無機化合物含有量の傾斜20wt%/cmに対応する。無機化合物粉末の粒子径分布の指標である標準偏差を2.0μm以下にすることにより、無機化合物含有量の傾斜20wt%/cm以下に抑えることができ、感度むらのない検出器を構成することができる。
【0045】
従って、本発明のシンチレータの製造方法においては、シンチレータとして利用できる領域Cをできるだけ広くし且つその厚さ方向の反射率の変化を4%/cm以内に抑えるために、無機化合物粒子として平均粒子径3μm以下、標準偏差2.0μm以下のものを用いることが望ましい。
【0046】
こうして反射層形成材料を切り込み溝20に注入した後、有機樹脂を硬化させて(ステップ206)、反射層13を形成する。しかる後に、溝の深さ方向と直交する方向(即ち、x、y平面に平行)に所望の厚さにシンチレータをスライスする(ステップ207)。この場合、図5に示す領域A、Bを除去し、領域Cからシンチレータとなる部分をスライスする。最後に、必要に応じてスライス面を研磨し(ステップ208)、放射線検出器用シンチレータ100を得る。
【0047】
尚、反射層は、可視光を遮蔽するためにモリブデン、タングステン、ステンレス等からなる金属遮蔽板やセパレータ板を挿入することができる。反射層に金属遮蔽板等を挿入する場合には、遠心分離注入する前に(ステップ203の前に)、切り込み溝に金属遮蔽板を挿入し、その後反射層形成材料を注入する。これにより例えばX線検出器のチャンネル方向に金属遮蔽板が入ったシンチレータを得ることができる。
【0048】
本発明のシンチレータを放射線検出器として利用するためには、さらにシンチレータ100の周囲及び光検出器が配置される面の反対側に、反射層を形成する。この反射層は、上述した無機化合物粉末を含む有機樹脂を硬化させたものを通常用いるが、不都合がなければ異なる素材であってもよい。
【0049】
上記製造方法によって製造されたシンチレータは、切り込み溝を形成する加工精度と同程度の寸法精度の反射層を有し、且つ反射層に気泡が含まれることがないので、シンチレータ素子毎の特性のばらつきがなく、検出精度の優れた放射線検出器を提供することができる。
【0050】
次に本発明の第2の実施形態によるシンチレータ及びそれを用いた放射線検出器を説明する。本実施形態によるシンチレータ200の構成を図6に、それを用いた放射線検出器の構成を図7にそれぞれ示す。図6及び図7において、図1と同じ要素は同じ符号で示している。
【0051】
本実施形態においても、シンチレータ要素12及び反射層17は、所定の大きさのシンチレータブロックに所定のピッチで所定幅の溝を形成し、この溝に反射層を構成する材料を充填することにより形成されている点は第1の実施形態と同様である。またシンチレータ素材としても第1の実施形態と同様に、例えば発光中心元素がCeで、Gd、Al、Ga、Oを主要元素とするガーネット構造の酸化物蛍光体を好適に用いることができる。
【0052】
但し、本実施形態のシンチレータ及び検出器は、反射層17の構造に特徴を有し、反射層17を白色の無機化合物粉末を含有する樹脂(以下、白色樹脂という)からなる反射拡散層13とセパレータ板16とから構成している。このようなセパレータ板を挿入することにより、シンチレータ要素間の光の漏洩を防止し、チャンネル間のクロストークをなくすことができる。
【0053】
セパレータ板16としては、図示するように白色拡散反射層14/金属膜15/白色拡散反射層14の3層構造のセパレータ板16を用いる。このような3層構造のセパレータ板を用いることにより、金属板のみを用いる場合に比べ、反射層の反射率を向上することができ、且つセパレータ板16を反射層17のほぼ中央に位置させることができ、シンチレータ要素に隣接する反射層13及び白色拡散反射層14の厚みをシンチレータ要素毎にほぼ均一にすることができる。
【0054】
本実施形態のシンチレータ200において、白色拡散反射層13は、その十分厚い試料での拡散反射率R∞が、セパレータ板16(金属膜15/白色拡散反射層14)の拡散反射率Rbよりも大きいことが好ましい。具体的には白色拡散反射層13の拡散反射率R∞は97%以上、セパレータ16の拡散反射率Rbは85%以上であることが好ましい。これによりシンチレータ要素界面での拡散反射率を90%とすることができ、シンチレータの光出力を向上することができる。
【0055】
上述したような拡散反射率を実現するために、白色拡散反射層13は、有機樹脂中に白色の無機化合物を分散させた白色樹脂からなり、無機化合物/(無機化合物+有機樹脂)の重量比(%)で30〜80wt%であることが好ましい。但し、80wt%を越えると白色樹脂の粘度が極めて高くなり、遠心注入法で注入しても気泡を完全に除去することが困難になるので、重量比は80wt%以下であることが好ましい。無機化合物は、酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム等を使用することができるが、特に酸化チタン(TiO2)が好適であり、また無機化合物粉末は粒子径が小さく且つ粒子径分布が狭いものが好ましい。有機樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの無色透明樹脂のほか、500〜600nm付近の可視光に強い吸収のない白色の樹脂を用いることができる。
【0056】
また白色反射拡散層14/金属膜15/白色反射拡散層14からなる3層構造のセパレータ板16は、例えば、金属膜の両面に白色顔料を樹脂に分散してなる白色塗料を塗工することにより製造することができる。この場合、金属膜15の材質としては、モリブデン、タングステン、鉛、アルミニウム、ステンレス及びリン青銅などの銅合金等を用いることができる。金属膜の厚さは、実質的に可視光を遮光できる厚さであればよいが、塗工層を形成する作業性等を考慮し、厚さ10〜50μmの範囲とする。白色拡散反射層14を構成する材料としては、白色拡散反射層13を構成する無機化合物粉末及び有機樹脂を用いることができるが、無機化合物粉末として特に粒子径0.2〜2μm程度の酸化チタンが好適である。有機樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの無色透明樹脂のほか、500〜600nm付近の可視光に強い吸収のない白色の樹脂を用いることができる。このような無機化合物を塗工することによって白色拡散反射層14を形成する場合、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、刷毛塗り、スプレー塗りなど公知の塗装法を採用することができる。白色拡散層14の厚さは、セパレータ板の厚さにより異なるが、例えば10〜60μm、好ましくは20〜50μmとする。
【0057】
3層構造のセパレータ板は、上述したもののほか、白色ポリマーフィルムに片面にアルミニウム等の金属膜を蒸着等により形成し、その蒸着面に白色ポリマーフィルムを接着することによって製造してもよい。金属蒸着膜の厚さは可視光の遮光が可能な厚さとし、具体的には0.05〜2μm程度とする。白色ポリマーフィルムとしては、例えば、白色ポリエステルフィルム、白色ポリエチレンフィルム、白色ポリ塩化ビニルフィルム等を用いることができる。
【0058】
セパレータ板の厚さは、反射層として形成された溝幅に依存し、溝幅に対し30%以上、90%未満であることが望ましい。セパレータの厚さが30%に満たない場合には、溝幅に対して白色拡散反射層13の占める割合が大きくなるため、白色拡散反射層13の厚さに偏りが生じやすい。一方、セパレータの厚さが90%以上であると、溝にセパレータを挿入し難く、また白色拡散反射層13を形成する白色樹脂を注入する隙間が小さいため白色樹脂の注入が困難になる。これにより気泡の残留などにより拡散反射層13が不均質になり、各シンチレータ要素の特性がばらつきやすい。
【0059】
次に第2の実施形態によるシンチレータの製造方法を説明する。図8に、製造方法の概要を示す。
【0060】
まず直方体形状のシンチレータ素材10に、その厚さ方向(z方向)と直交する二方向(図ではx方向及びy方向として示す)に切り込み溝20を形成する。切り込み溝の深さは、シンチレータ素材の高さよりも浅く、シンチレータ素材は切断されず数mm程度残した状態とする。溝の深さ、幅、x方向及びy方向のピッチは、放射線検出器の用途によって異なるが、X線CT用のX線検出器の場合、例えば溝の深さ10〜30mm、幅0.1〜0.3mm、ピッチ1.0〜2.5mm程度である(ステップ801)。この溝入れも、第1の実施形態と同様に、ワイヤーを往復運動させながら加工するマルチワイヤーソーや、ダイヤモンドで被覆された内周切刃を有するインナーソー等の高精度の加工機械を用いて形成することができ、これにより±0.005mm以下の高精度の加工が可能になる。
【0061】
このように溝入れした後のシンチレータ素材にアニール処理を行なう(ステップ802)。アニール処理は、シンチレータ素材が酸化物蛍光体である場合に、そのシンチレータ特性を付与するための処理であり、例えば温度1100〜1600℃の高温で数10分〜数時間、酸素中で熱処理する。
【0062】
一方、シンチレータ素材に形成された溝に挿入するためのセパレータ板を作製する(ステップ803)。セパレータ板は、上述したように金属膜の両面に白色拡散反射層を形成した3層構造のものであり、金属膜の厚さが溝幅の30〜90%のものを用意する。次いでセパレータ板をシンチレータ素材に形成された各溝に配置する(ステップ804)。セパレータ板は、標準的には、CT画像の分解能に重要な、チャンネル間を分離する溝(例えばy方向溝)のみに配置する。この場合にはシンチレータ素材のy方向の長さとほぼ同じ長さのセパレータ板をy方向溝と同数用意して、y方向溝に挟み込む。またスライス間を分離する溝(例えばx方向溝)にもセパレータ板を入れる場合には、例えばシンチレータ素材のx方向の長さとほぼ同じ長さのセパレータ板をx方向の溝と同数用意し(xグループとする)、それぞれにy方向の溝のピッチと同じピッチで厚さ方向に1/2の深さの切り込みを形成するとともに、y方向の長さと同じ長さのセパレータ板をy方向の溝と同数用意し(yグループとする)、これらについてもx方向の溝のピッチと同じピッチで厚さ方向に1/2の深さの切り込みを形成し、xグループのセパレータ板とyグループのセパレータ板が直交するように互いの切り込みを上下から噛合わせて、格子状の切り込み溝に対応した格子状のセパレータ板の組み立て体を作製しておくことが好ましい。
【0063】
このようにセパレータ板を切り込み溝に配置した後、溝内に白色樹脂を注入する(ステップ805)。白色樹脂の注入は第1の実施形態と同様に遠心注入法で行なうことが好ましい。遠心注入法を採用することにより、白色樹脂の粘度が10万cPs程度の高粘度であっても、気泡を生じることなく確実に深い切り込み溝に注入することができる。
【0064】
尚、白色樹脂の注入に先立って、切り込み溝の表面に上記白色樹脂を塗布しておいてもよい(ステップ803’)。予め溝表面に白色拡散反射層の一部をなす白色樹脂の塗布層を形成しておくことにより、シンチレータと白色拡散反射層との間に空気の層ができるのを確実に防止することができ、高い拡散反射率が達成できる。溝表面に白色樹脂を塗布する方法としては、例えば、遠心注入法により白色樹脂を溝内に充填した後、逆向きに遠心をかけて、溝内の白色樹脂を排出させる方法を採用することができる。
【0065】
注入した白色樹脂を硬化させた後、切り込み溝に垂直にシンチレータ素材をスライスする(ステップ806、807)。スライスには、例えばマルチワイヤーソー、内周刃スライサー、外周刃スライサー等の機械加工を用いることができる。この場合にも、白色樹脂の注入法として遠心注入法を採用した場合には、白色無機化合物の含有量に傾斜を生じるので、図5に示す傾斜20wt%/cm以下の領域を切り出し、シンチレータとする。最後にスライス面をラップ研磨等することにより目的厚さのシンチレータを得る(ステップ808)。
【0066】
このように製造したシンチレータを放射線検出器として利用するためには、図7に示したように、放射線の入射面を反射材18で覆うとともに、その反対面を、シンチレータ要素と同一ピッチで光検出器(フォトダイオード)11が形成された基板21に透明接着剤19等により接着する。
このような放射線検出器の入射面に放射線が入射すると、入射放射線の線量に応じてシンチレータが発光し、その光をフォトダイオードが光電変換する。ここで各シンチレータ要素が、白色拡散反射層13/白色拡散反射層14/金属膜15/白色拡散反射層14/白色拡散反射層13からなる反射層17で分離されているので、要素間のクロストークがなく、シンチレータ要素で発生した光が反射層17で高反射率で反射されるため高い検出出力を得ることができる。
【0067】
次に本発明のX線CT装置について説明する。図9は、X線CT装置の概略を示す図で、この装置はガントリ部60と画像再構成部70とを備え、ガントリ部60には、被検体が搬入される開口部61aを備えた回転円板61と、この回転円板61に搭載されたX線管62と、X線管62に取りつけられX線の放射方向を制御するコリメータ63と、X線管62に対向して回転円板61に搭載されたX線検出器64と、X線検出器64で検出されたX線を特定の信号に変換する検出器回路65と、回転円板61の回転及びX線束の幅を制御するスキャン制御回路66とを備えている。画像再構成部70は、検査条件などを入力するための入力部71と、画像を表示するモニター72とを備えている。ここでX線検出器64として、本発明のシンチレータを用いたX線検出器を用いる。
【0068】
このような構成において、開口部に設置された寝台に被検者を寝かせた状態で、X線管62からX線が照射される。このX線はコリメータ63によって指向性を得て、X線検出器によって検出される。回転円板を被検者の周りを回転させることによって、X線の照射方向を変えながらX線を検出し、画像再構成部70で断層像を作成し、モニター72に表示される。
【0069】
このX線CT装置は、本発明のシンチレータを用いることによって、X線感度、線質特性の各素子間、各チャンネル間でのばらつきが小さく、高精度でX線を検出できるため、身体頭頂部の断面を画像処理する場合にもアーチファクトを生じず、高画質、高分解能の画像を得ることができる。
【0070】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0071】
[実施例1]
組成式が(Gd,Ce)8(1-x)(Al,Ga)8xO12、X=0.620、Ce/Gd=0.008、Ga/(Ga+Al)=0.44である粉末を用いてホットプレス焼結を行い直径160mm、厚さ約15mmの焼結体を得た。この焼結体の相対密度は99.9%以上であった。この焼結体から、マルチブレードソーを用いてx方向、y方向及びz方向のサイズが40mm×25mm×約15mmであるシンチレータ素材を8個切り出した。
【0072】
切り出したブロックに、線径0.16mmのマルチワイヤーソーを用いて、x−y面に対して垂直な格子状の切り込み溝を形成した。まずx方向に2.25mmのピッチで溝入れを行い、次にシンチレータ素材を90°回転させ、y方向に1.0mmのピッチで同様に溝入れを行った。溝の深さはいずれも約13mmとした。こうして形成した格子状の切り込み溝は、x方向、y方向ともに何れも溝幅が0.200±0.005mmの精度を有していた。
【0073】
次に、このシンチレータ素材にシンチレータ特性を付与するための酸素中でアニール処理を行った。熱処理条件は、温度1300℃、4時間とした。上記組成の希土類酸化物蛍光体は、このようなアニール処理によって、X線感度、残光の減衰率等のX線CT用検出器に最適な特性を付与することができることが本発明者らにより確認されている(特願2000-389343号)。
【0074】
一方、エポキシ樹脂に、粉末平均粒径0.3μmのTiO2粉末を混合割合(TiO2/(TiO2+エポキシ樹脂))が65wt%となるように添加し、これらを均一になるように混合した。このTiO2含有エポキシ樹脂の粘度は98,000cPsであった。
【0075】
アニール処理を行ったシンチレータ素材に有機樹脂との密着性を向上させるための表面処理を施した後、有機樹脂を注型するための注型枠の中に入れ、切り込み溝が形成された表面に、上述のTiO2含有エポキシ樹脂を配置した。次いで、このシンチレータ素材を注型枠ごと遠心機のバケットにセットして、3500rpmにて5分間回転させ、TiO2含有エポキシ樹脂を切り込み溝に注型した。注型後のシンチレータ素材を、60℃で3時間加熱し、エポキシ樹脂を硬化させて反射材を形成した。この反射材内部には気泡は見られず、表面から脱離除去されていた。
【0076】
このように格子状の反射材を形成したシンチレータ素材に対し、x−y面に平行に、即ちz軸に垂直に厚さ2.0mmになるようにマルチワイヤーソーを用いてスライス加工して、シンチレータ要素の周囲4面が反射材で囲まれた5枚のシンチレータ板を作製した。これらシンチレータ板をラッピングマシーンを用いて、シンチレータ板の厚さが1.800±0.005mmとなるように研磨した。以上の工程によって、2.05mm×0.8mm×1.800mmのシンチレータ要素からなる5枚のシンチレータ板が得られた。
【0077】
シンチレータ板の高さ方向(z軸方向)の反射材のTiO2含有量を調べるため、EDS(Energy Dispersive Spectorscopy)法を用いてTi元素の含有量を計測した。この結果、1.800mmの高さ方向に対して、0.8wt%の違いが認められた。なお、この測定時の標準偏差は2σで0.31wt%であった。
【0078】
[実施例2]
実施例1で製造したシンチレータにフォトダイオードを組み合わせて図1に示すような検出器を作り、X線源(120kV、0.5mA)から15cm離れたところに検出器を置きX線感度および残光特性を評価した。その結果、X線感度は典型的なX線CTシンチレータであるCdWOの約2倍とすることができ、300msでの残光の減衰率は約10-5とすることができた。
【0079】
[実施例3]
実施例1と同一組成の粉末を用いてホットプレス焼結を行い直径160mm、厚さ約15mmの焼結体を得た。この焼結体から、マルチブレードソーを用いてx方向、y方向及びz方向のサイズが33mm×25mm×約15mmであるシンチレータ素材を11個切り出した。
切り出したブロックに、線径0.11mmのマルチワイヤーソーを用いて、x−y面に対して垂直な格子状の切り込み溝を形成した。まずx方向に1.0mmのピッチで深さ約13mmに溝入れを行い、次にシンチレータ素材を90°回転させ、y方向にも1.0mmのピッチで深さ約13mmに溝入れを行った。こうして形成した格子状の切り込み溝は、x方向、y方向ともに何れも溝幅が0.130±0.005mmの精度を有していた。
【0080】
次に、このシンチレータ素材にシンチレータ特性を付与するための酸素中でアニール処理を行った。熱処理条件は、温度1300℃、4時間とした。上記組成の希土類酸化物蛍光体は、このようなアニール処理によって、光出力は典型的なX線CT用シンチレータであるCdWO4の約2倍と大きく、300msでの残光の減衰率は約1×10-5といった特性が得られた。
【0081】
一方、厚さ38μmの白色ポリエステルフィルムの片面に、厚さ0.1μmのAl膜を蒸着によって形成し、次いでこのAl蒸着面に厚さ38μmの白色ポリエステルフィルムを接着して、白色ポリエステルフィルム/Al蒸着膜/白色ポリエステルフィルムの3層構造からなるセパレータ板を製造した。このセパレータ板の拡散反射率は、550nmの波長で86%であった。
【0082】
またシンチレータの溝に注入する白色樹脂として、エポキシ樹脂とTiO2粉末を重量比で1:1で均一に混合した。この白色樹脂の拡散反射率R∞は550nmの波長で98%であった。溝入れ後のシンチレータ素材の溝に上記のように製造したセパレータ板を挿入した後、注型枠の中にセットし、この白色樹脂をシンチレータ素材表面に配置した。その後、注型枠を遠心機にセットして、3000rpmで10分間遠心注入を行なった。
【0083】
注入後、白色樹脂を室温で12時間硬化させた後、さらに60℃で3時間硬化させた。次いでシンチレータ素材の上面に平行に、即ちz軸と垂直にマルチワイヤソーを用いてスライス加工し、厚さ方向中央部から厚さ1.95mmのシンチレータ板を5枚切り出した。これらシンチレータ板の両面を、ラッピングマシーンで厚さ1.800±0.005mmとなるように研磨した。以上の加工により、0.87mm×0.87mm×1.800mmのシンチレータ要素からなる、24チャンネル32マルチスライス用シンチレータが5枚製造できた。
【0084】
[比較例1]
実施例3と同様に切り込み溝を有するシンチレータ素材を作製した。この溝に実施例3と同様のセパレータ板を挿入し、溝とセパレータ板との間の隙間にエポキシ系透明接着剤を注入し硬化させた。その後、実施例3と同様にスライス加工、ラッピングを行い、シンチレータ板を製造した。
【0085】
[実施例4、比較例2]
実施例3及び比較例1で製造したシンチレータに、それぞれフォトダイオードを組み合わせて図7に示すような検出器を作り、15cm離れたところからX線(120kV、0.5mA)を照射し、X線感度を測定した。その結果、X線感度は実施例2のシンチレータで製造した検出器(実施例4)は、比較例1のシンチレータで製造した検出器(比較例2)の1.1〜1.2倍のX線感度が得られた。また実施例4の検出器は各シンチレータ要素の感度分布のばらつきは5.0%以下であり、均一性にも優れていた。
【0086】
[実施例5]
実施例3と全く同様に格子状の切り込み溝を有するシンチレータ素材を製造した。一方、セパレータ板として、厚さ10μmのモリブデン板の両面に白色樹脂をスクリーン印刷によって塗布、硬化し、厚さ35±10μmの白色拡散反射層を形成し、白色拡散反射層/Mo板/白色拡散反射層の3層構造のセパレータ板を製造した。ここで白色拡散反射層を形成する白色樹脂は、エポキシ樹脂に対し粒径0.25μmのTiO2粉末を重量比1:1で均一に混合したものを用いた。このセパレータ板の拡散反射率は、550nmの波長で92〜93%であった。
【0087】
このセパレータ板をシンチレータ板の溝に挿入した後、実施例3と同じ白色樹脂(エポキシ樹脂:TiO2粉末=1:1、拡散反射率R∞=98%)を用いて実施例と同様にシンチレータ板の溝に注入、硬化し、スライス加工及びラッピングを行い、0.87mm×0.87mm×1.800mmのシンチレータ板5枚を製造した。
このシンチレータを用いて、検出器を作り、15cm離れたところからX線(120kV、0.5mA)を照射し、X線感度を測定した。その結果、比較例2の検出器の1.15〜1.25倍のX線感度が得られた。また各シンチレータ要素の感度分布のばらつきは5.0%以下であり、均一性にも優れていた。
【0088】
[実施例6]
実施例3と全く同様に格子状の切り込み溝を有するシンチレータ素材を製造した後、このシンチレータ素材の切り込み溝の表面に白色樹脂の塗布層を形成した。白色樹脂としては、実施例3で溝に注入した白色樹脂と同じものを用いた。塗布層の形成のために、まず白色樹脂を遠心注入法により溝に注入し溝内に充填した後、溝の解放部を遠心注入のときと逆向きにセットして、即ち溝の底部が遠心機の中心方向を向くようにして、遠心機を稼動し溝内の樹脂を除去した。遠心機は樹脂の注入時、樹脂の排出時ともに1000rpm、5分間行なった。これにより溝表面に厚さ約30μmの白色樹脂の塗布層を形成した。この塗布層を室温で12時間硬化させることにより、15μm±10μmの白色拡散反射層を形成した。
【0089】
こうして表面に白色拡散反射層を形成したシンチレータ素材の溝に、実施例3と同様の白色ポリエステルフィルム/Al蒸着膜/白色ポリエステルフィルムの3層構造からなるセパレータ板を挿入し、さらに切り込み溝とセパレータ板との間に白色樹脂を遠心注入して白色拡散反射層を形成した。白色樹脂としては、エポキシ樹脂とTiO2粉末を重量比1:1で混合したものを用い、遠心条件は3000rpm、10分間とした。注入後室温で12時間硬化させた後、さらに60℃で3時間硬化した。
次いで実施例3と同様にスライス加工及びラッピングを行い、0.87mm×0.87mm×1.800mmのシンチレータ板5枚を製造した。
【0090】
このシンチレータを用いて、検出器を作り、15cm離れたところからX線(120kV、200mA)を照射し、X線感度を測定した。その結果、比較例2の検出器の1.1〜1.2倍のX線感度が得られた。また各シンチレータ要素の感度分布のばらつきは5.0%以下であり、均一性にも優れていた。
【0091】
[実施例7]
実施例2で作成したX線検出器を、図9のX線CT装置として用い、X線管電圧120kV、X線管電流175mA、スライス幅10mm、スキャン時間2sの条件で、頭頂部近似ファントムを用いてX線CT像の撮影を行った。アーチファクトは見られず高品質の断層像が得られた。
【0092】
[実施例8]
実施例4で作成したX線検出器を、図9のX線CT装置として用い、X線管電圧120kV、X線管電流175mA、スキャン時間0.8sの条件で、頭頂部近似ファントムを用いてX線CT像の撮影を行った。アーチファクトは見られず高品質の断層像が得られた。
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、4周面を反射層で囲んだ柱状シンチレータを多数配列した検出器において、反射層の厚さばらつき、並びにピッチ精度を、反射層用切り込み溝を形成するために用いた加工機の加工精度と実質的に同程度にまで高めることができると同時に、気泡等の反射層の欠陥が無く、最小限のシンチレータ製造工程で高精度のシンチレータを得ることができる。また本発明によれば、各シンチレータ要素間に設けられる反射層を、第1反射層/第2の反射層/金属膜/第2の反射層/第1の反射層で構成することにより、シンチレータ要素界面において高い拡散反射率を達成することができるとともにシンチレータ要素間のクロストークを確実に防止できるので、検出感度及び検出出力の高い検出器を提供することができる。従って、このシンチレータをX線CT装置用X線検出器に適用することによって、アーチファクトのない高品質の断層像が得られるX線CT装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される放射線検出器の概略を示す図
【図2】本発明のシンチレータ製造工程の一例を説明するための図
【図3】本発明の遠心注型法のメカニズムを説明するための図
【図4】シンチレータ素材の一部分を説明するための図
【図5】本発明のシンチレータの反射材の無機化合物粉末粒子含有割合を説明するための図
【図6】本発明の第2の実施形態によるシンチレータの構成を示す図
【図7】図6のシンチレータを用いた放射線検出器の構成を示す図
【図8】図6のシンチレータの製造工程の一例を説明するための図
【図9】本発明が適用されるX線CT装置の概略を示す図
【符号の説明】
6・・・有機樹脂
7・・・無機化合物粉末
10・・・シンチレータ素材
13・・・反射層(第1の反射層)
14・・・第2の反射層
15・・・金属膜
16・・・セパレータ板
20・・・切り込み溝
100、200・・・シンチレータ

Claims (5)

  1. 直方体状のシンチレータ素材に、第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に沿って所定ピッチ、所定幅、所定深さの切り込み溝を形成する工程と、遠心機を用いて、遠心方向を注入方向として、前記切り込み溝に反射材粉末を含む樹脂を注入する工程と、前記樹脂を硬化する工程と、樹脂の硬化後に前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向と直交する面に沿って切断する工程とを含む放射線検出器用シンチレータの製造方法。
  2. 直方体状のシンチレータ素材に、第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に沿って所定ピッチ、所定幅、所定深さの切り込み溝を形成する工程と、前記切り込み溝に、溝幅より厚さの小さいセパレータを挿入する工程と、前記セパレータを挿入した切り込み溝に、遠心機を用いて、遠心方向を注入方向として、反射材粉末を含む樹脂を注入する工程と、前記樹脂を硬化する工程と、樹脂の硬化後に前記第1及び第2の方向と直交する第3の方向と直交する面に沿って切断する工程とを含む放射線検出器用シンチレータの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の製造方法によって製造された放射線検出器用シンチレータ。
  4. シンチレータと、このシンチレータの発光を検出する光検出器を備えた放射線検出器において、前記シンチレータとして請求項3記載のシンチレータを用いたことを特徴とする放射線検出器。
  5. X線源と、このX線源に対向して配置されたX線検出器と、これらX線源及びX線検出器を保持し、被検体の周りを回転駆動される回転円板と、前記X線検出器で検出されたX線の強度に基づき前記被検体の断層像を再構成する画像再構成手段とを備えたX線CT装置において、前記X線検出器として請求項4記載の放射線検出器を用いたことを特徴とするX線CT装置。
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