JP4274604B2 - 注出キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、注出機能を備えた注出キャップに関するものであり、より詳細には、ガラス容器、剛性のプラスチック製容器、金属容器などのキャップとして用いられ、その一部を圧潰することにより、一定量の内容液を注出することが可能な注出キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス容器や剛性プラスチック製容器などに用いられる容器蓋としては、容器口部に装着され且つ注出用の孔を備えた中栓と、中栓を覆う様に設けられるオーバーキャップとから成り、容器を逆さまにして振ることにより中栓の注出用孔から内容液を注出するものが広く使用されている。この種の容器蓋は、例えば整髪料や香水等の化粧液を充填した容器に広く適用されているが、液垂れにより中栓が汚れるという欠点がある。また、容器を逆さまにして激しく振ることにより内容液を排出するため、排出される液量が一定でなく、さらに液をこぼし易いという欠点もある。
【0003】
上記の様な容器蓋の欠点を改善した容器蓋として、実開平6−81964号等には、中栓の天面に直立した内容液注出用のパイプ乃至ノズルを設け且つ該天面にドーム状に隆起部を設けることが提案されている。即ち、この容器蓋では、容器を逆さまにし、ドーム状隆起部を押圧して圧潰する(凹ます)ことにより、注出用のパイプ乃至ノズルから内容液が排出される。従って、排出される液量は、凹まされたドーム状隆起部の容積に相当し、ほぼ一定量の液を排出することができるという利点がある。また、凹まされたドーム状隆起部の弾性復帰により、注出用のパイプ乃至ノズルから外気が容器内に吸引され、これによって液垂れが有効に防止できるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術などに開示されている容器蓋は、容器口部が小径の容器、例えばバッグ等に入れて持ち運びする化粧品の様な小さな容器には適用が困難であるという問題がある。
即ち、このような容器に用いる容器蓋では、必然的に容器口部に装着される中栓の天面の大きさもかなり小さく、この小面積の天面内に注出用のパイプ乃至ノズルとドーム状隆起部の両方を形成しなければならない。従って、ドーム状隆起部も著しく小さなものとせざるを得ず、この結果として、ドーム状隆起部に十分な凹み容積を持たせることができなくなり、十分な液量を排出することが困難となり、一定量の液を取り出すためには、何回も繰り返し圧潰操作を行わなければならないからである。
また、ドーム状隆起部は、これを圧潰して凹ませた時に、元の形状に復帰しにくく、液垂れ防止機能が不十分になるとという問題もあり、このような傾向は、ドーム状隆起部が大きくなる程顕著である。即ち、ドーム隆起部を押圧して凹ませた時、ドーム状の壁部が完全に反転して安定な形状となり易く、このため、凹んだ形状がなかなか元に戻らなくなり、液垂れ防止機能が不満足なものとなる。従って、ドーム状隆起部は小さな形状とせざるを得ず、弾性復帰により液垂れ等を防止するためには、1回の圧潰により注出される液量はますます少量となってしまう。さらに、ドーム状隆起部が小さなものとなる程、液を排出するためのドーム状隆起部の圧潰操作が行い難くなってしまう。
【0005】
従って本発明の目的は、キャップの1回の圧潰により、十分な量で且つ一定量の液を安定して排出することができ、しかも、容器口部が小径の容器にも適用できる注出キャップを提供することにある。
本発明の他の目的は、容器内容液を排出するためのキャップの圧潰による弾性変形を容易に行うことができ、しかも、この弾性変形された部分の弾性復帰が瞬時に行われ、内容液の液垂れ等の問題も有効に防止された注出キャップを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
容器口部に保持固定され且つ上端に環状の水平フランジを備えた環状体と、該環状体上に設けられた注出筒とから成る注出キャップにおいて、
前記注出筒は、下端部が前記環状体の水平フランジに接続された筒状側壁を備えており、前記筒状側壁の上端部によって形成される上端面には、頂壁と、該頂壁から下方に傾斜したベース傾斜壁とが形成されており、該頂壁上に、筒状側壁内空間と通じ且つ直立した注出パイプが設けられ、該ベース傾斜壁上には、弾性の圧潰部が突出して設けられ、
該圧潰部は、少なくとも2個の半筒状の直立壁と、2個の可撓性傾斜壁とが交互に連なって複数段に形成され、該ベース傾斜壁上からは第1の直立壁が立ち上がり、該第1の直立壁の上端は第1の可撓性傾斜壁で閉じられ、該第1の可撓性傾斜壁上からは第2の直立壁が立ち上がり、該第2の直立壁の上端は第2の可撓性傾斜壁で閉じられ、該第1の可撓性傾斜壁及び該第2の可撓性傾斜壁は、それぞれ上端部分で該頂壁に連なっている、
ことを特徴とする注出キャップが提供される。
【0007】
上記の注出キャップにおいて、内容液の排出は、このキャップが装着されている容器を傾け、前記筒状側壁のベース傾斜壁に形成されている弾性圧潰部を押圧して圧潰することにより容易に行うことができる。即ち、この押圧により凹まされた弾性圧潰部の容積に対応して、一定量の液が注出パイプから排出される。従って、1回の圧潰により常に一定量の液を排出することができるし、また押圧力を加減して弾性圧潰部の凹みを調節することにより、液量を調節することができる。
さらに、押圧力を解除すれば、凹まされた圧潰部は、元の形状に弾性復帰し、注出パイプからの外気の流入により、液垂れ等が有効に防止される。
【0008】
本発明において、最も重要な特徴は、液を注出するための弾性圧潰部が、傾斜壁(ベース傾斜壁)上に形成されていることにあり、これにより、この注出キャップを口部の径が小さな容器にも適用することが可能となるのである。
即ち、この注出筒の水平壁に弾性圧潰部を形成すると、この水平壁は、当然のことながら容器口部の径よりも小さく、しかも、この水平壁には注出パイプも設けなければならない。従って、弾性圧潰部も小さなものとなってしまい、このような容器蓋は、口部径の小さな容器に適用することが困難となってしまうのである。
特に、これに対して、本発明にしたがって注出筒の筒状側壁にベース傾斜壁を形成し、このベース傾斜壁上に弾性圧潰部を形成した場合には、ベース傾斜壁の大きさが容器口部の径に依存せず、筒状側壁の長さやベース傾斜壁の傾斜角を調整することにより、このベース傾斜壁を大きくすることができる。即ち、この注出筒の上端に注出パイプが設けられている場合や口部径が小さな容器に適用する場合にも、ベース傾斜壁を大きく設定することにより、弾性圧潰部の容積を大きくすることができ、この結果、弾性圧潰部を押圧することにより注出される内容液の液量を多くし且つ押圧操作も容易に行うことができる。
このように本発明の注出キャップは、口部径の小さな容器に適用することができ、これは本発明の大きな利点である。
またベース傾斜壁上に形成される弾性圧潰部の特殊な形状により、圧潰された弾性圧潰部の元の形状への弾性復帰を瞬時に行うことが可能となり、液垂れ防止機能を著しく向上させることができることも本発明の大きな利点である。
【0009】
尚、本発明においては、筒状側壁の上端に上述したベース傾斜壁が形成されていることから、筒状側壁の上端に形成される頂壁は、通常、円の一部を切り欠いた三日月形状となり、この三日月形状の頂壁に内容液注出用の注出パイプが設けられることになる。
また、本発明の注出キャップは、通常、このキャップの注出筒を覆う様に、該注出キャップの環状体に係合固定されるオーバーキャップを組合せた複合容器蓋として使用に供される。このオーバーキャップは、天板と、天板の周縁から垂下しているスカート部とから形成されており、天板の内面には、該オーバーキャップを前記環状体に係合固定したときに、前記注出パイプの上端を閉じるための閉塞突起が形成されている。この閉塞突起と注出パイプ上端との係合により良好な密封性を保持することができる。例えば、注出パイプを直立させない場合には、この様な閉塞突起による密封が困難となる。
この様に、上述した注出キャップをオーバーキャップと組み合わせた複合容器蓋は、密封性が特に要求される容器、例えばバッグ等に入れて持ち運びされる化粧品などの容器に適用することができ、これも本発明の大きな利点である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明においては、容器口部に保持固定される環状体と、容器内容液を注出するための注出パイプを備えた注出筒とを、一体に形成することもできるし、また両者を別体の部材として形成し、これらを組み合わせて使用することもできる。
環状体と注出筒とを一体に形成した場合には、この注出キャップを構成する部品数が少なくなるため、生産行程が簡略化されるというメリットがある。
一方、環状体と注出筒とを別体の部材として形成した場合には、構成部品数は多くなるが、環状体と注出筒とを別のプラスチックで形成することができるというメリットがある。即ち、環状体は、嵌合或いは螺子固定等の手段により容器口部の保持固定されるものであるため、比較的剛性を有し且つ強度の高いプラスチックで形成するのがよく、一方、注出筒は、弾性圧潰部を有するものであるため、可撓性の高い柔軟なプラスチックで形成するのがよい。このような特性に応じて、環状体と注出筒とを異なるプラスチックで形成することができるのが、この態様の利点である。
また、環状体と注出筒とを一体に形成する場合には、成形終了後の型抜きのために、注出筒の筒状側壁の内周面が環状体の水平フランジ内周面と合致しなければならず、従って、注出筒(筒状側壁)の内径が制限されるが、環状体と注出筒とを別体とした場合には、このような型抜きのための大きさの制限がない。即ち、注出筒(筒状側壁)の内径を大きくすることができ、従って、弾性圧潰部の容積も大きくすることができ、この結果、1回の圧潰により注出される内容液の液量を多くすることができるという利点もある。
【0011】
尚、環状体と注出筒とを別体とした場合には、環状体の水平フランジの上面に適当な突起を設け、この突起を利用して、注出筒の筒状側壁の下端を係合乃至嵌合させることにより、両者を結合させることができる。
また、筒状側壁の下端に水平フランジを設け、この水平フランジを環状体の水平フランジと容器口部上端との間で挟持せしめることにより、両者を結合させることもできる。この場合、筒状体は、可撓性の高い柔軟なプラスチックで形成されるため、筒状側壁下端の水平フランジがパッキンとして機能し、この結果、密封性を向上させることができる。
【0012】
本発明において、筒状側壁上端の頂壁に連なるベース傾斜壁上に形成される弾性圧潰部は、ベース傾斜壁から立ち上がって軸方向に延びており且つ上端が一定の角度で傾斜している半筒状の軸方向側壁と、該軸方向側壁上端を閉じる様に形成されている可撓性の傾斜壁とから形成するのが好ましい。この場合、軸方向側壁の周方向両端は、高さが実質上ゼロであり且つこの部分で前記頂壁に連なっており、可撓性の傾斜壁は、ベース傾斜壁と水平面とがなす傾斜角よりも小さい角度で前記頂壁に連なっている。
【0013】
弾性圧潰部の形状を上記の様にすると、この圧潰部の可撓性傾斜壁を押圧すると、この可撓性傾斜壁及び軸方向側壁は、何れも上端の頂壁との境界部を支点として下方に凹んでいくため、圧潰がスムーズに進行する。しかも、弾性圧潰部の凹み形状は、凸凹の不安定な形状となるため、押圧力を解除すると、瞬時に元の形状に弾性復帰する。従って、注出パイプに残存或いは付着した液は直ちに容器内に回収され、液垂れ等が有効に防止される。また、弾性圧潰部を押圧して内容液を排出する際、軸方向側壁を凹ます時に比較的大きな力を要するため、作業者に適度な触感を与えるという利点もある。
例えば、この圧潰部をドーム状に形成した場合、圧潰により凹まされた形状が安定なドーム反転形状となり易いため、押圧力を解除しても、元の形状に復帰しにくく、また圧潰する時に作業者に与える触感が鈍いという欠点があるが、弾性圧潰部を上述した形状とすることにより、このような問題は有効に解決される。
また、弾性圧潰部の形状を上記の様にすると、この圧潰部を圧潰する時及び元の形状に復帰する時に音が発生し、この結果、上記の触感と共に、圧潰作業を行ったという作業感が高められ、容器の商品価値が高められる。
【0014】
また本発明においては、弾性圧潰部の軸方向側壁の肉厚を、ベース傾斜壁の内周部(軸方向側壁の付け根部の近傍)及び軸方向側壁上端の可撓性傾斜壁の厚みよりも肉厚とすることが好ましい。これにより、軸方向側壁の自立性が強められるため、圧潰した時の弾性圧潰部の弾性復帰力が更に高められ、液垂れ防止機能を一層高めることができる。
【0015】
本発明においては更に、上述した半筒状の軸方向側壁と、軸方向側壁上端に連なる可撓性傾斜壁とを交互に連ねて弾性圧潰部を多段形状とすることも可能である。
ベース傾斜壁上に形成される中空の弾性圧潰部の容積を大きくする程、1回の圧潰により注出される液量を多くすることができ、軸方向側壁上端に連なる可撓性傾斜壁の水平面となす傾斜角度(軸方向側壁上端の傾斜角に相当)がゼロに近づく程(水平面に近くなる程)、弾性圧潰部の容積は大きくなる。しかしながら、この可撓性傾斜壁の傾斜角度がゼロに近づく程、弾性圧潰部をスムーズに凹ませることが困難となってしまう(圧潰性が低下する)。しかるに、上記のように、弾性圧潰部を多段に形成することにより、その圧潰性を損なうことなく、弾性圧潰部の内容積を可及的に大きくすることができる。
【0016】
また上述した種々の構造の弾性圧潰部においては、筒状側壁上端の頂壁に連なっている最上部の可撓性傾斜壁、特に該可撓性傾斜壁の上端部に、弾性圧潰部を圧潰するための押圧片を設けることが好ましい。このような押圧片をベース傾斜壁に押しつけることにより、この弾性圧潰部をスムーズに圧潰し、内容液の注出を容易に行うことができる。この場合、作業者は、押圧片がベース傾斜壁に当接したことにより、注出作業の終了を確認することができる。
【0017】
上述した弾性圧潰部の可撓性傾斜壁や半筒状の軸方向側壁が連なっている頂壁に設けられる注出パイプは、容器口部の中心、即ち注出筒の中心に配置されていてもよいが、特に好ましくは、その中心から偏心した位置に形成されていることが好ましい。このような偏心した位置に注出パイプを形成させることにより、頂壁を可及的に小さくし、前述したベース傾斜壁をできるだけ大きなものとすることができるため、弾性圧潰部の容積を大きくして圧潰による液の注出量を多くする上で有利となる。
【0018】
また、上述した構造の注出キャップをオーバーキャップと組み合わせて複合容器蓋として使用する場合、上記注出パイプが直立して設けられているため、オーバーキャップの天板内面には、オーバーキャップを環状体に係合固定して注出筒を覆った時に、注出パイプの上端を閉じる閉塞突起を設けることができる。この閉塞突起は、注出パイプの上端の内部に嵌め込まれるようなものでもよいし、これを環状とし、この内部に注出パイプの上端が嵌め込まれるようなものでもよい。
【0019】
上記の複合容器蓋においては、環状体とオーバーキャップとは、オーバーキャップが環状体に係合固定された状態で、両者が、外観上、一体の物品に見えるようにすることが商品価値を高める上で好ましい。このために、両者が係合固定された状態で上面から見たとき、上記環状体及びオーバーキャップはほぼ同一の外形を有しているのがよい。また、容器の胴部の水平断面形状が楕円形である時、上記の両者の外形も楕円形とするのがよい。
さらに、オーバーキャップの上面から見ての外形が楕円形である場合、前述した閉塞突起を2個形成し、これらの閉塞突起を、上記楕円形の長軸上で且つ短軸を中心として互いに線対称となる位置に配置しておくことが好ましい。このような位置に2個の閉塞突起を設けることにより、オーバーキャップの何れの方向で環状体に係合せしめた場合にも、確実に注出パイプの上端を閉じることが可能となり、オーバーキャップを装着する時に位置合わせの必要がなくなり、作業性が向上する。
また、オーバーキャップの上面から見ての形状を円形とした場合には、通常、注出パイプの位置は容器口部の中心に設定するのがよく、容器口部の中心から偏心した位置に注出パイプを配置した時には、注出パイプの上端を上記閉塞突起により確実に閉じるために、格別の位置決め機構を設けることが必要となる。
【0020】
上述した注出キャップ或いは複合容器蓋において、前記環状体は、嵌合或いは螺子係合により容器口部に装着されるが、使用済みの容器蓋を容器と分別して廃棄するという見地からは、螺子係合により容器口部に装着される構造とすることが好適である。
更にこの環状体は、内面に螺条を備えた内筒と、該内筒の外側に位置する外筒とを備えていることが好ましい。即ち、螺子係合により環状体を容器口部に固定する場合、螺条を有している容器口部の外周面の形状は円筒であるため、環状体の螺条を有する部分も円筒となる。しかるに、容器の胴部形状は円筒に限定されるものではなく、例えば平断面が楕円形のような偏平した形状の胴部を有する容器もある。例えば、胴部に貼られたラベルなどをよく見ることができるという利点を有しているため、小容積の容器などは、このような偏平した形状の胴部を有しているものが多く、特に化粧品などの分野によく見られる。従って、容器口部に螺子固定される環状体を、上記のように外筒と、螺条を備えた内筒とから構成することにより、内筒は円筒形状であるとしても、外筒の下端の外形を容器肩部(胴部から口部に連なる部分)の形状に滑らかに連続させることができる。即ち、容器の胴部がどのような形状であっても、環状体の外形を、この容器肩部の形状に連続させることができ、容器蓋が容器の一部分に見えるような形状とすることにより、容器の商品価値を高めることができ、特に容器の見栄えをが要求される化粧品などの分野では、このような内筒と外筒との二重壁構造の環状体を備えた注出キャップ或いは複合容器蓋は、極めて有用である。
【0021】
このような二重壁構造の環状体において、前記内筒の上端は、水平フランジの内面に連なっており、該水平フランジの外周縁に前記外筒の上端が連なった構造とする。この外筒の途中に水平段差部を形成し、且つ水平段差部よりも上方の外筒の外周面に、オーバーキャップを係止するための突条を形成するのがよい。
即ち、このような位置に形成されている環状体の突条に、オーバーキャップを係止して位置固定するような構造とし、オーバーキャップも容器肩部の外形と同じ形状とすることにより、この複合容器蓋と容器とが外観上、全体として一体物として観察され、商品価値が著しく高められるのである。
【0022】
【実施例】
本発明を、以下、添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
(第1実施例)
図1乃至乃至図5は、本発明の注出キャップの第1実施例を示すものであり、図1は、第1実施例の注出キャップの全体構造を、オーバーキャップ及び容器口部と共に示す側断面図であり、図2は、図1とは90度異なる方向からみた注出キャップの一部断面、一部側面を、オーバーキャップ及び容器口部と共に示す図であり、図3は、注出キャップの上面(オーバーキャップを取り外した状態)を容器と共に示す図であり、図4は、図1に示されている注出キャップ(環状体と注出筒との一体成形物)の側面を、オーバーキャップの側断面と共に示す図であり、図5は、図1の注出キャップに装着されるオーバーキャップの上面を示す図である。
尚、図1に示されている注出キャップの側断面は、図3のI−I断面に相当し、図2に示されている注出キャップの側断面(一部側面)は、図3のII−II断面に相当する。
【0023】
特に図1、図2及び図4を参照して、全体として1で示す注出キャップは、オーバーキャップ2と組み合わせて複合容器蓋として使用される。
この注出キャップ1は、容器口部100に螺子固定される環状体5と、容器内容液を注出するための注出筒6とから成っており、図1及び2から明らかな通り、環状体5と注出筒6とは一体に形成されている。
【0024】
また環状体5は、内筒10と外筒11とを備えており、両者は、上端の水平フランジ12を介して連なっている。水平フランジ12は、特に図3に示されている様に楕円形(長軸A,短軸B)であり、外筒11は、この水平フランジ12の外周縁から下方に延びており、内筒10は、外筒11よりも内側で水平フランジ12の内面から下方に延びている。
【0025】
内筒10の内面には,容器口部100の外周面に形成されている螺条100aと螺子係合する螺条15が設けられており,これら螺条同士の係合により、環状体5は、容器口部100に螺子固定される。従って、内筒10は、容器口部100と同様、円筒形状であり、その平断面は円形となっている。
また内筒10の内面には、上記螺条15の上方に、パッキン保持用の周状突起16が形成されており、さらに水平フランジ12の内面には、内筒10よりも内側となる位置にパッキン押圧用の下方突起17が形成されている。即ち、図1及び図2に示されている様に、上記内筒10の上方部分にパッキン18が落下しないように周状突起16により保持され、この状態で、内筒10を容器口部100にしっかりと螺子固定する。これにより、上記下方突起17がパッキン18を容器口部100の上端にしっかりと密着し、良好な密封性が確保される。
【0026】
また、図1から明らかな通り、外筒11の途中には水平段差部20が形成されており、水平段差部20よりも上方部分は小径で且つ下方部分は大径となっている。この外筒11の水平段差部20よりも上方部分の外周面に、オーバーキャップ2を係止するための係止突起21が形成されている。
さらに図3の上面図から明らかな通り、水平フランジ12の外形は楕円形となっており、従って水平フランジ12の外周縁から延びている外筒11の平断面形状も楕円形となっている。図1は、この楕円形の長軸A上の断面を示し、図2は短軸B上の断面を示すものであり、特に図2から理解されるように、短軸B上においては、内筒10の壁と外筒11の上方部分の壁とは重なっている。
【0027】
注出筒6は、筒状側壁25と、筒状側壁25の上端の一部を閉じる様に形成され且つ実質上水平方向に延びている頂壁26を備えており(図3及び図4参照)、頂壁26上には、注出パイプ27が設けられている。この注出筒6は、前述した環状体5と一体に形成されており、従って、筒状側壁25は、環状体5の水平フランジ12の内周縁から立ち上がったものとなっている。即ち、この筒状側壁25の内周面と水平フランジ12の内周縁との間に段差が存在すると、成形後の型抜きが困難となってしまうため、このような段差のない形状とすることが必要となる。
また、筒状側壁25の上端は一部が傾斜しており、特に図1,2及び4から明らかな通り、この傾斜した上端を閉じる様にしてベース傾斜壁30が形成され、このベース傾斜壁30は、頂壁26に連なっている。従って、図3に示されている様に、頂壁26は三日月形状を有し、且つ注出パイプ27は、容器口部100の中心(環状体5の中心)から偏心した位置に形成されることになる。
さらにベース傾斜壁30上には、弾性の圧潰部31が形成されており、この圧潰部31を指で押圧して凹ますことにより、注出パイプ27の先端から容器内容液の注出が行われる。この圧潰部31の構造については後述する。
【0028】
またオーバーキャップ2は、天板35と、天板35の周縁から下方に延びているスカート部36とから形成されており、スカート部36の内面には、前述した環状体5の外筒11の外周面に設けられている係止突起21と係合する突条37が形成されている。即ち、このオーバーキャップ2は、上記突条37と係止突起21との係合により、環状体5の外筒11に係止固定され、この状態において、スカート部36の下端は、外筒11に形成されている水平段差部20と密着するようになっている。従って、図5に示されているように、オーバーキャップ2の平断面形状は、環状体5の外筒11の平断面形状とほぼ一致する楕円形状となっており、これにより、容器口部100に装着されているこの複合容器蓋は、容器と一体に連なる外観を有し、商品価値の高いものとなっている。
【0029】
さらにオーバーキャップ2の天板35の内面には、閉塞突起38が2個形成されており、このオーバーキャップ2を環状体5に固定した時に、注出パイプ27の上端内部に、2個の閉塞突起38の何れか一方が嵌め込まれ、この嵌合により、閉塞突起38の外周面が注出パイプ27の上端の内周面に密着して注出パイプ27の上端が閉じられ、内容液の漏れが防止されるようになっている。
ところで、上述した楕円形状のオーバーキャップ2は、長軸A或いは短軸Bを中心として線対称の形状であるから、環状体5に係止固定されているオーバーキャップ2の向きは2通りある。一方、注出筒6に設けられている注出パイプ27は、環状体5の中心(容器口部100の中心に相当)から偏心する位置に形成されている。このため、環状体5に係止固定されているオーバーキャップ2の向きが何れの場合であっても、確実に閉塞突起38と注出パイプ27の上端とが嵌合するように、閉塞突起38を2個設けることが必要となる。この場合、図3に示されている様に、注出パイプ27の位置を、外筒11が形成する楕円(図5のオーバーキャップ2が形成する楕円と実質上同じ)の長軸A上に設定すると共に、2個の閉塞突起38を長軸A上で且つ短軸Bを中心として互いに線対称となる位置に設定するのがよい。
尚、閉塞突起38は、これを注出パイプ27の上端内部に嵌め込むようなものに限定されず、例えば、この閉塞突起38を環状にし、この内部に注出パイプ27の上端が嵌め込まれるようなものであってもよい。この場合には、注出パイプ27の上端の外周面に閉塞突起38の環状内周面が密着して注出パイプ27の上端が閉じられる。
【0030】
上述した本発明の注出キャップ1において、ベース傾斜壁30上に形成されている弾性の圧潰部31は、このキャップの軸方向を指向している半筒状の直立壁40と、この直立壁40の上端を閉じる様に形成されている可撓性の傾斜壁41とから形成されている。即ち、直立壁40の上端は傾斜しており、且つ可撓性傾斜壁41は、頂壁26にも連なっている。特に図1及び2から理解される様に、直立壁40の高さは、ベース傾斜壁30の上端の位置で丁度ゼロとなっている。即ち、ベース傾斜壁30、直立壁40及び可撓性傾斜壁41は何れも上端で水平方向に延びている頂壁26に連なっている形状となっており、ベース傾斜壁30の水平面に対する傾斜角αは、可撓性傾斜壁41の水平面に対する傾斜角βよりも大きくなっている(図3参照)。
【0031】
また可撓性傾斜壁41の上端には、筒状の支柱42を介して押圧片43が形成されており、この押圧片43の裏面の中央部分には、支柱42に連なるリブ44が形成されている。
即ち、容器を傾けた状態で、この押圧片43を指で押圧することによって弾性の圧潰部31が圧潰されて内容液の注出が行われる。この圧潰に際しては、先ず支柱42により可撓性傾斜壁41が凹まされ、次いでリブ44が直立壁40に当接することによって、ベース傾斜壁30の薄肉の内周部が下方に圧潰されて直立壁40がベース傾斜壁30側に傾倒し、次いで押圧片43の裏面がベース傾斜壁30の外周縁に密着した段階で圧潰部31が完全に凹まされ、この圧潰部31の容積に対応して一定量の内容液が注出パイプ27から注出される。
【0032】
かかる態様においては、圧潰部31がベース傾斜壁30に形成されているため、この圧潰部31の容積を大きくすることができ、特に容器口部100の径が小さい小容積の容器に、この注出キャップ1を有効に適用できる。即ち、容器口部100の径が小さい場合にも、注出筒6の高さや傾斜角αを調整することによって、ベース傾斜壁30を大きくすることが可能であり、従ってベース傾斜壁30を大きくすることにより、圧潰部31の容積を大きくし、1回の圧潰により注出される液量を多くすることができる。このベース傾斜壁30の傾斜角αは、目的とする圧潰部の容積が確保されるように、容器口部の径等に応じて設定すればよい。
【0033】
また、押圧片43を指で押圧して圧潰させていくと、直立壁40が凹み難いため、リブ44が直立壁40に当接した時点で、使用者に十分な触感を与える。また、押圧片43の裏面がベース傾斜壁30に密着したことにより、作業者は、圧潰部31が完全に凹んだ状態をはっきりと認識することができ、しかも、圧潰作業の終了点をはっきり認識できるため、1回の圧潰により注出される液量を一定にすることができる。さらに弾性圧潰部31を上記の様な半筒状の直立壁40と可撓性傾斜壁41とにより形成することにより、圧潰により凹まされた弾性圧潰部31の形状は、多数の凹凸を有する複雑な不安定な形状となるため、押圧力を解除すると、一気に元の形状に弾性復帰し、注出パイプ27内に残存し或いはその上端に付着した液は、速やかに容器内に回収され、従って、液垂れ等が有効に防止される。
【0034】
このような本発明の注出キャップ1において、直立壁40の厚みを、ベース傾斜壁30の内周部及び可撓性傾斜壁41の厚みよりも厚くすることが好ましく、一般に直立壁40の厚みを0.7mm程度とし、ベース傾斜壁30の内周部及び傾斜壁41の厚みを0.5mm程度とするのがよい。即ち、ベース傾斜壁30の内周部及び可撓性傾斜壁41の厚みをある程度薄肉とすることにより、押圧片43を押し込んでの圧潰作業をスムーズに行うことができる。また直立壁40をある程度厚肉とすることにより、直立壁40の自立性が高められるため、圧潰作業に際して、使用者に十分な触感を与えることができ、しかも、凹まされた直立壁40の自立性が高められて弾性復帰が一気に行われるため、注出パイプ27内に残存し或いは付着した内容液を容器内に吸引する効果が高められ、注出パイプ27の上端からの液垂れを一層有効に防止することができる。
【0035】
(第2実施例)
図6及び図7に、本発明の第2実施例の注出キャップの構造を示した。即ち、図6は、第2実施例の注出キャップの側断面をオーバーキャップ及び容器口部と共に示す図であり、図7は、図6の注出キャップの側面(オーバーキャップを取り除いた状態)を示す図である。
尚、これら図の注出キャップ乃至複合容器蓋は、環状体5(外筒11)の平断面外形が楕円形である等、基本的な構造は第1実施例と同じであるため、第1実施例と異なる部分及びその説明に必要な部分のみを印照数字で示した。
また、図6は、上記楕円形の長軸上での断面を示すものである。
【0036】
第1実施例の注出キャップ1においては、環状体5と注出筒6とが一体に形成されているが、第2実施例では、この環状体5と注出筒6とは、別体に形成されている。即ち、環状体5の上端の水平フランジ12の上面には、周状突起50が形成されており、注出筒6の筒状側壁25の下端には、上記周状突起50に対応する凹部が形成されており、この凹部内に周状突起50を嵌め込むことにより、注出筒6と環状体5とが結合される。
このように環状体5と注出筒6とを別体にすることにより、環状体5を比較的剛性のプラスチックで形成し、且つ注出筒6を弾性の大きい柔軟性に富んだプラスチックで形成することができる。
また第1の実施例のように、環状体5と注出筒6とを一体に形成した場合には、型抜きのために、筒状側壁25の内面と、水平フランジ12の内周縁とは直線状に形成されていることが必要である。しかしながら、第2実施例のように環状体5と注出筒6とを別体で形成した場合には、上記のような型抜き上の制限はないため、筒状側壁25の内面と水平フランジ12の内周縁との間には、段差51が形成されている。従って、筒状側壁25の内径を可及的に大きく設定することができ、ベース傾斜壁30を大きくし、弾性圧潰部31の容積を大きくすることができる。即ち、1回の圧潰操作によって注出される液量を多くすることができ、これは第2実施例の優れた利点である。
【0037】
さらに第2実施例においては、注出筒6の筒状側壁25に形成されているベース傾斜壁30上の弾性圧潰部31が多段となっている。即ち、この圧潰部31は、2個の半筒状の直立壁40a,40bと、2個の可撓性傾斜壁41a,41bとが交互に連なっている。
即ち、ベース傾斜壁30上からは、第1の直立壁40aが立ち上がっており、この直立壁40aの上端は第1の可撓性傾斜壁41aで閉じられ、この可撓性傾斜壁41a上からは第2の直立壁40bが立ち上がっており、直立壁40bの上端は第2の可撓性傾斜壁41bで閉じられている。また第1の直立壁40a及び第2の直立壁40bは,何れも、その両端の高さが実質上ゼロであり、この部分で頂壁26に連なっている。さらに第1の可撓性傾斜壁41a及び第2の可撓性傾斜壁41bの何れも、その上端部分で頂壁26に連なっている。
更に第1の可撓性傾斜壁41aの傾斜角は、ベース傾斜壁30の傾斜角αよりも小さく、第2の可撓性傾斜壁41bの傾斜角は、第1の可撓性傾斜壁41aの傾斜角よりもさらに小さくなっている。
従って、押圧片43を押し込んでいくと、第2の可撓性傾斜壁41b,第1の可撓性傾斜壁41a,第2の直立壁40b,ベース傾斜壁30の内周部及び第1の直立壁40aの順に圧潰がスムーズに進行し、押圧片43の裏面がベース傾斜壁30の外周縁に密着することにより、圧潰が終了することになる。
【0038】
このように、弾性圧潰部31を多段にすることによる大きな利点は、弾性圧潰部31の容積を大きくし、1回の圧潰により注出される液の量を多くできる点にある。即ち、第1実施例の図1を参照すると、弾性圧潰部31の容積を最大にするためには、可撓性傾斜壁41の傾斜角βをゼロ(傾斜壁41が水平面となる)にすればよい。しかしながら、この場合には、壁41が傾斜していないため、弾性圧潰部31を圧潰させることが困難となってしまう。しかるに、第2実施例に示されている様に、弾性圧潰部31を多段にすることにより、圧潰部31の圧潰性を損なうことなく、その容積を可及的に大きくし、1回の圧潰操作による注出液量を増量することが可能となるものである。
尚、図6及び7の例では、弾性圧潰部31が2段に形成されているが、筒状側壁25の内径に応じて、これを3段或いはそれ以上の段とすることも勿論可能である。
また、第2実施例においても、第1実施例と同様、直立壁40a,40bの厚みは、ベース傾斜壁30の内周部,可撓性傾斜壁41a,41bの厚みよりも厚くすることが好適である。
【0039】
(第3実施例)
図8には、第3実施例の注出キャップの側断面を、オーバーキャップ及び容器口部と共に示した。
この注出キャップは、パッキンが使用されていない点を除けば、第1実施例のと実質的に同じである。即ち、この例では、内筒10の内面にパッキン保持用の周状突起16は形成されておらず、さらに水平フランジ12の内周縁からは比較的肉厚の下方突起60が設けられている。この肉厚の下方突起60が直接容器口部100の上端に圧接することにより、良好なシール性が確保される。
また、この態様においては、上記下方突起60の下端に、周状の小突起61を設けることが好ましい。かかる小突起61により、容器口部100の上端への圧接力を高め、シール性をさらに向上させることができる。
尚、第3実施例の注出キャップ1に装着されるオーバーキャップ2においては、天板35の内面に設けられている2個の閉塞突起38,38は、注出パイプ27の上端外周面と密着して注出パイプ27の上端を閉じるようになっている。
【0040】
(その他の実施例)
上述した第1乃至第3実施例で示した具体例においては,種々の設計変更が可能である。例えば、第1実施例の注出キャップ1において、その弾性圧潰部31を、第2実施例で示した様に多段とすることができるし、その環状体5と注出筒6とを第2実施例で示した様に別体で形成することもできる。また、第2実施例の注出キャップ1において、第3実施例で示した様に、パッキンを用いないでシール性を確保する構造とすることもできる。
更に、第1乃至第3実施例では、環状体5及びオーバーキャップ2の平断面外形が楕円形となっているが、これを容器の形状に応じて、これを円形とすることも可能である。この場合、環状体5の側断面は、例えば図2で示したような形状となる。また、注出筒6に設けられている注出パイプ27は、環状体5の中心(容器口部100の中心に相当)に位置させることが好ましく、従って、オーバーキャップ2の閉塞突起38は、天板35の中心に1個形成しておくのがよい。但し、この場合は、ベース傾斜壁30を大きくすることが困難となり、弾性圧潰部31の容積を大きくすることができないため、1回の圧潰により排出される内容液の量を多量にするという点では好ましくない。さらにオーバーキャップ2の平断面形状を円形としつつ、注出パイプ27を偏心位置に形成させる場合には、閉塞突起38と注出パイプ27とが嵌合するように、何らかの位置決め機構を、オーバーキャップ2と環状体5との間に設けることが必要となる。
また第1乃至第3実施例において、弾性圧潰部31を構成する直立壁40等は若干傾斜していてもよく、また頂壁26を多少傾斜させることも可能である。
【0041】
(容器蓋素材)
本発明において、上述した種々の構造の注出キャップ及びオーバーキャップから成る複合容器蓋において、例えばオーバーキャップの成形に用いる樹脂としては、低−,中−又は高−密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種プラスチックを用いることができる。また、第1実施例に示されている様な環状体と注出筒とが一体に形成された注出キャップを成形するためには、弾性を有する圧潰部を形成することが必要であるため、上記の各種プラスチック、例えばポリプロピレンに、各種ゴム乃至熱可塑性エラストマーを配合したものが使用される。また、第2実施例に示されている様に、環状体と注出筒とが別体で形成されている場合、環状体は、ポリプロピレンなどの上記各種プラスチックで成形し、注出筒は,各種ゴムや熱可塑性エラストマーで成形するのがよい。さらに第1及び第2実施例で用いられるパッキンは、低密度ポリエチレン、エチレン系重合体、各種ゴム乃至熱可塑性エラストマー、アクリル樹脂プラスチゾル、塩化ビニル樹脂プラスチゾル等を用いて成形することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の注出キャップは、容器内容液の注出を行うためにの弾性圧潰部がベース傾斜壁上に形成されており、このベース傾斜壁の大きさは容器口部径によって制限されず、容器口部径が小さくとも、このベース傾斜壁を大きく設定することにより、弾性圧潰部の容積を大きくし、1回の圧潰により注出される液量を多くすることができる。従って、本発明の注出キャップは、特に小容量の化粧品などの容器に有効に適用される。
また本発明では、上記弾性圧潰部を、ベース傾斜壁から軸方向に延びている半筒状の軸方向壁(直立壁)と、該軸方向壁の上端を閉じる様に形成されている可撓性傾斜壁とから形成することにより、圧潰性を高め、圧潰された弾性圧潰部を元の形状に瞬時に弾性復帰させることができる。特に弾性復帰が瞬時に行われることにより、注出パイプに残存或いは付着した内容液を容器内に迅速に戻すことが可能となるため、注出パイプ上端からの液垂れを有効に防止できる。さらに、上記軸方向壁の厚みを、ベース傾斜壁の内周部及び軸方向壁上端の傾斜壁の厚みよりも厚くすることにより、上記の弾性復帰機能を高め、液垂れ等の防止性能を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の注出キャップの全体構造を、オーバーキャップ及び容器口部と共に示す側断面図。
【図2】図1とは90度異なる方向からみた注出キャップの一部断面、一部側面をオーバーキャップ及び容器口部と共に示す図。
【図3】注出キャップの上面を容器と共に示す図。
【図4】図1に示されている注出キャップの側面を、オーバーキャップの側断面と共に示す図。
【図5】図1の注出キャップと組合せで使用されるオーバーキャップの上面を示す図。
【図6】第2実施例の注出キャップの側断面を、オーバーキャップ及び容器口部と共に示す図。
【図7】図6の注出キャップの側面を示す図。
【図8】第3実施例の注出キャップの側断面を、オーバーキャップ及び容器口部と共に示す図。
【符号の説明】
2:オーバーキャップ 5:環状体
6:注出筒 10:内筒
11:外筒 12:水平フランジ
20:水平段差部 25:筒状側壁
26:頂壁 27:注出パイプ
30:ベース傾斜壁 31:弾性圧潰部
40:半筒状直立壁 41:可撓性傾斜壁
43:押圧片
Claims (5)
- 容器口部に保持固定され且つ上端に環状の水平フランジを備えた環状体と、該環状体上に設けられた注出筒とから成る注出キャップにおいて、
前記注出筒は、下端部が前記環状体の水平フランジに接続された筒状側壁を備えており、前記筒状側壁の上端部によって形成される上端面には、頂壁と、該頂壁から下方に傾斜したベース傾斜壁とが形成されており、該頂壁上に、筒状側壁内空間と通じ且つ直立した注出パイプが設けられ、該ベース傾斜壁上には、弾性の圧潰部が突出して設けられ、
該圧潰部は、少なくとも2個の半筒状の直立壁と、2個の可撓性傾斜壁とが交互に連なって複数段に形成され、該ベース傾斜壁上からは第1の直立壁が立ち上がり、該第1の直立壁の上端は第1の可撓性傾斜壁で閉じられ、該第1の可撓性傾斜壁上からは第2の直立壁が立ち上がり、該第2の直立壁の上端は第2の可撓性傾斜壁で閉じられ、該第1の可撓性傾斜壁及び該第2の可撓性傾斜壁は、それぞれ上端部分で該頂壁に連なっている、
ことを特徴とする注出キャップ。 - 該第1の直立壁は、該ベース傾斜壁上から立ち上がって軸方向に延びており且つ上端が一定の角度で傾斜しており、該第2の直立壁は、該第1の可撓性傾斜壁上から立ち上がって軸方向に延びており且つ上端が一定の角度で傾斜しており、該第1の直立壁及び該第2の直立壁の周方向両端は、高さが実質上ゼロであり且つこの部分で前記頂壁に連なっており、該第1の可撓性傾斜壁は、該ベース傾斜壁と水平面とがなす傾斜角よりも小さい角度で前記頂壁に連なり、該第2の可撓性傾斜壁は、該第1の可撓性傾斜壁と水平面とがなす傾斜角よりも小さい角度で前記頂壁に連なっている請求項1に記載の注出キャップ。
- 前記圧潰部の最上段の可撓性傾斜壁には、圧潰用の押圧片が接続されている請求項1又は請求項2に記載の注出キャップ。
- 前記圧潰部の直立壁の各々は、前記ベース傾斜壁の内周部及び前記圧潰部の可撓性傾斜壁の各々よりも厚肉に形成されている請求項1〜3の何れか1項に記載の注出キャップ。
- 容器口部に保持固定され且つ上端に環状の水平フランジを備えた環状体と、該環状体上に設けられた注出筒とから成る注出キャップであって、前記注出筒は、下端部が前記環状体の水平フランジに接続された筒状側壁を備えており、前記筒状側壁の上端部によって形成される上端面には、頂壁と、該頂壁から下方に傾斜したベース傾斜壁とが形成されており、該頂壁上に、筒状側壁内空間と通じ且つ直立した注出パイプが設けられ、該ベース傾斜壁上には、弾性の圧潰部が突出して設けられ、該圧潰部は、少なくとも2個の半筒状の直立壁と、2個の可撓性傾斜壁とが交互に連なって複数段に形成され、該ベース傾斜壁上からは第1の直立壁が立ち上がり、該第1の直立壁の上端は第1の可撓性傾斜壁で閉じられ、該第1の可撓性傾斜壁上からは第2の直立壁が立ち上がり、該第2の直立壁の上端は第2の可撓性傾斜壁で閉じられ、該第1の可撓性傾斜壁及び該第2の可撓性傾斜壁は、それぞれ上端部分で該頂壁に連なっており、前記注出パイプは、容器口部の中心から偏心した位置に形成されている、注出キャップと、該注出キャップの注出筒を覆う様に、該注出キャップの環状体に係合固定されるオーバーキャップとから成り、
前記オーバーキャップは、天板と、天板の周縁から垂下しているスカート部とから形成されており、天板の内面には、該オーバーキャップを前記環状体に係合固定したときに、前記注出パイプの上端を閉じるための閉塞突起が形成され、
該オーバーキャップ及び環状体は、上面から見ての外形が、ほぼ同じ楕円形状を有しており、
該注出パイプは、前記楕円形状の長軸上に位置しており、
前記閉塞突起は2個形成されており、2個の閉塞突起は、前記楕円形状の長軸上に位置し且つ短軸を中心として互いに線対称となる位置に形成され、
前記閉塞突起は、オーバーキャップを閉じた時に、注出パイプ上端の内周面又は外周面と密着して該注出パイプ上端を閉じる、
ことを特徴とする複合容器蓋。
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