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JP4273777B2 - 絶縁膜用組成物、絶縁膜、及び、絶縁膜の形成方法 - Google Patents

絶縁膜用組成物、絶縁膜、及び、絶縁膜の形成方法 Download PDF

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JP4273777B2
JP4273777B2 JP2003020936A JP2003020936A JP4273777B2 JP 4273777 B2 JP4273777 B2 JP 4273777B2 JP 2003020936 A JP2003020936 A JP 2003020936A JP 2003020936 A JP2003020936 A JP 2003020936A JP 4273777 B2 JP4273777 B2 JP 4273777B2
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政行 木内
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂とエポキシ化合物とを含有してなる溶液組成物であって、加熱処理して得られる硬化絶縁膜が前記エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂成分に由来したガラス転移温度及び前記エポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度が160℃以下になるように構成された絶縁膜用組成物に関する。本発明の溶液組成物は、基材に塗布後120℃程度以下の低温で加熱処理することによって硬化絶縁膜を得ることが可能であり、その硬化絶縁膜は基材や封止材料との密着性が良好であり、且つ、スズ潜りが35μm以下の改良された耐スズメッキ性を有する。更に、ソリが発生し難く、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、耐屈曲性、及び電気特性が優れ、フレキシブル配線基板などの基材上にスクリーン印刷などの方法で良好に塗布が可能であり、電子部品などの絶縁膜(保護膜、ソルダレジスト、層間絶縁層など)を形成するための印刷インキ又は塗布用ワニスとして好適な絶縁膜用組成物として用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂、芳香族ポリイミド樹脂などを電気電子部品などの絶縁膜(保護膜)として利用することは、例えば、固体素子、半導体集積回路、フレキシブル配線板などの用途において知られている。エポキシ樹脂は耐メッキ性および基材との良好な密着性を有しているが、反面、硬化剤などの併用が必要であり、その硬化剤に係わる保存安定性や二液調製のための作業性などの種々の問題があり、更に熱硬化によって形成される絶縁膜が剛直で柔軟性が小さく屈曲性に劣るものであった。
【0003】
また、一般に芳香族ポリイミド樹脂は、有機溶媒に溶解し難いために、芳香族ポリイミドの前駆体(芳香族ポリアミック酸)の溶液を使用して塗布膜を形成し、次いで乾燥と高温で長時間の加熱処理によってイミド化して芳香族ポリイミドの絶縁膜を形成する必要があり、保護すべき電気または電子部材自体が熱劣化するという問題があった。
【0004】
このような問題点を解決する方法として、例えばポリイミドシロキサンのような柔軟性が高く且つ有機溶剤への溶解性が高いポリシロキサン骨格を有する樹脂とエポキシ樹脂とを含有する絶縁膜用の組成物(例えば特許文献1、2参照)が知られている。しかしながら、このような組成物は、そのポリシロキサン成分量の増加に伴い、ある種の封止材料とは密着性が充分ではないという問題があり、更に、その硬化絶縁膜は耐スズメッキ性であるスズ潜りが100μm程度であったので、改良の余地があった。
【0005】
電気電子部品などの絶縁膜を形成する場合、例えばTABテープなどの銅箔で配線パターンが形成された絶縁テープ基材は、インナーリードやハンダボール端子などの接続部分を除いて回路を保護するために絶縁膜用組成物を塗布後加熱処理して絶縁膜(保護膜)を形成する。次いで接続部分の銅箔表面はスズメッキされて、その後ICなどの電子部品が接続される。
このスズメッキをおこなうとき、絶縁膜の端部から絶縁膜と銅箔との隙間にスズが浸入するスズ潜りがおこり、更にこの部分で銅箔がえぐれて孔触が形成される。このようなスズ潜り及び銅箔がえぐれた孔触は、銅箔が屈曲する時に応力集中によって破断の原因になる可能性がある。
電気電子部品の小型化が進み、電気電子部品に用いられる銅箔の厚みがどんどん薄くなり例えば12μm程度の薄い銅箔が用いられると、前記のようなスズ潜り及び銅箔がえぐれた孔触の発生は、電気電子回路の信頼性を確保するうえで大きな障害になる。
【0006】
このため、銅箔で配線パターンが形成された絶縁テープ基材を、先にスズメッキし次いで接続部分以外の部分に絶縁膜用組成物を塗布し加熱処理して絶縁膜を形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献3参照)
スズメッキは、通常0.5μm程度の厚さで、金バンプと共晶を形成させて接続部を形成するためのものであるが、このスズメッキ層は不安定で室温でどんどんホイスカーが成長し、放置するとショートの原因になる。このため、スズメッキ後数時間以内に120℃程度の温度でアニール処理をおこない、スズメッキ層の下層部はスズと銅との合金として安定化させ、スズメッキ層の表層部は金バンプと共晶して接続部を形成させるために純スズとして保持する。
この方法では、前記のスズ潜り及び銅箔がえぐれた孔触の問題は生じない。ところが、スズメッキの後で絶縁膜用組成物を硬化させるために160℃程度の温度で加熱処理すると全てのスズが銅に拡散して合金化するために金バンプと共晶して接続部を形成するための純スズ層を保持することができないという問題が生じる。
以上の如き問題を解決するために、スズメッキ層のアニール処理温度である120℃程度以下の加熱処理によって硬化絶縁膜を形成し、絶縁膜(保護膜)としての機能を発揮することができる改良された絶縁膜用組成物が求められていた。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−36321号公報
【特許文献2】
特開平7−304950号公報
【特許文献3】
特開平6−342969号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、基材に塗布後120℃程度以下の低温で加熱処理することによって硬化絶縁膜(保護膜)を得ることが可能であり、その硬化絶縁膜は基材や封止材料との密着性が良好であり、スズ潜りが35μm以下の改良された耐スズメッキ性を有し、更に、ソリが発生し難く、耐熱性、耐ハンダフラックス性、耐溶剤性、耐薬品性、耐屈曲性、及び電気特性が優れ、フレキシブル配線基板などの基材上にスクリーン印刷などの方法で良好に塗布が可能であり、電気電子部品などの絶縁膜を形成するための印刷インキ又は塗布用ワニスとして好適な絶縁膜用組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、(a)テトラカルボン酸成分と、下記一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサン45〜95モル%、下記一般式(2)で示される極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜54.5モル%からなるジアミン成分とから得られる、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部、(b)エポキシ当量が2000以上且つ4000未満であるエポキシ化合物1〜50重量部、及び、(C)有機溶媒を含有してなる絶縁膜用組成物を加熱処理して得られる硬化絶縁膜であって、前記エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂成分に由来したガラス転移温度及び前記エポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度が160℃以下であることを特徴とする硬化絶縁膜に関する。
【化2】
Figure 0004273777
(式中、Rは2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、Rは独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜50の整数を示す。)
【化3】
Figure 0004273777
(式中、X及びYは、それぞれ独立に直接結合、CH 、C(CH 、C(CF 、O、ベンゼン環、SO を示し、r1はCOOH又はOHを示し、n2は1又は2であり、n3、n4はそれぞれ独立に0、1又は2、好ましくは0又は1であり、n3及びn4の少なくとも一方は1又は2である。)
また、本発明は、絶縁膜用組成物が、さらに、(d)硬化促進剤を含有すること、及び、前記硬化促進剤が3級アミン類であることに関する。
また、本発明は、絶縁膜用組成物が、さらに、(e)微細フィラーを20〜150重量部含有すること、及び、前記微細なフィラーが、少なくとも微粉状シリカ、タルク、マイカ、又は、硫酸バリウムのいずれか一つを含んでいることに関する。
更に、本発明は、前記のいずれかの絶縁膜用組成物を基材に塗布後、50℃〜210℃で加熱処理して、前記エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂成分に由来したガラス転移温度及び前記エポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度が160℃以下であることを特徴とする硬化絶縁膜を形成する方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、ガラス転移温度は、固体動的粘弾性測定装置によって測定された。固体動的粘弾性測定装置では、各温度において一定周波数の正弦的変形を試料に与え、試料に発生する力を検出し弾性率を求める。ガラス転移とは樹脂中の特定セグメントのミクロブラウン運動が凍結あるいは開放される温度であり、固体動的粘弾性測定装置によって得られる貯蔵弾性率および損失弾性率の温度分散曲線において、それぞれ変曲点およびピークをもたらす。更に、損失弾性率と貯蔵弾性率の比である損失正接の温度分散曲線において、ガラス転移温度はピークとして現われる。本発明において、ガラス転移温度は、前述の損失正接の温度分散曲線におけるピークを示す温度として求めた。
【0011】
エポキシ基との反応性を有し且つポリシロキサン骨格を含有した樹脂を主成分とし、これにエポキシ化合物を加えた組成物は、加熱処理による架橋反応によって硬化絶縁膜を形成することができる。しかし、この硬化絶縁膜は、主成分を構成する樹脂に含有されたポリシロキサン骨格がエポキシ樹脂などの有機材料に対して密着性が低いので、ある種の封止材料に対して密着性が劣ると考えられ、また、エポキシ化合物は、少量成分であり、加熱処理されて硬化絶縁膜が形成されたときには架橋構造になっているから、封止材料との密着性向上に対して有効な効果を発揮し得ないと考えられた。
【0012】
本発明の絶縁膜用組成物は、加熱処理して硬化絶縁膜を形成したとき、その硬化絶縁膜が、エポキシ基との反応性を有し且つポリシロキサン骨格を含有した樹脂成分(セグメント)に由来したガラス転移温度及びエポキシ化合物成分(セグメント)に由来したガラス転移温度が160℃以下になるように構成することによって、封止材料との密着性が改良できたことを一つの特徴とするものである。
【0013】
硬化絶縁膜と封止材料との密着性について具体的に説明する。通常、硬化絶縁膜が形成された後で,その硬化絶縁膜と接して液状の封止材料が塗布などによって配置され、加熱処理によって封止材料が硬化される。封止材料を硬化するための加熱処理温度は通常160℃程度である。硬化絶縁膜に含まれる樹脂成分が160℃以下のガラス転移温度を持つことによって、封止材料を硬化させる加熱処理工程で、硬化絶縁膜に含有されるガラス転移温度が160℃以下の樹脂成分(セグメント)は運動性が増して、封止材料との界面で封止材料(完全に硬化する前なので運動性が高い)とより緊密な化学的又は物理的相互作用が可能になる。
本発明において、160℃以下のガラス転移温度を示す硬化絶縁膜中の樹脂成分(セグメント)は、潜在的に封止材料と緊密な化学的又は物理的相互作用を持ち得るものである必要があり、好ましくは、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分(セグメント)及びエポキシ化合物成分(セグメント)である。
【0014】
本発明において、エポキシ基と反応性を有し且つポリシロキサン骨格を含有した樹脂成分(セグメント)のガラス転移温度は、ポリシロキサン骨格の含有量によって変化する。ポリシロキサン骨格の含有量が少ないと、例えばポリイミドシロキサンの場合には、イミド環を形成した芳香族テトラカルボン酸成分や芳香族ジアミン成分などの芳香族鎖成分の割合が相対的に増えるので、ガラス転移温度が160℃を越えてしまうことがある。エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂は、ポリシロキサン骨格を30重量%以上、好ましくは40重量%以上、更に好ましくは50重量%以上含有することが好適である。
【0015】
ポリシロキサン骨格の含有量を増すことによって、エポキシ基と反応性を有し且つポリシロキサン骨格を含有した樹脂成分(セグメント)のガラス転移温度は、160℃以下、更に50℃以下、特に室温以下になる。ガラス転移温度を室温以下にすると、得られる硬化絶縁膜が室温において柔軟性を持つので特に好適である。
また、前述のようにして、エポキシ基と反応性を有し且つポリシロキサン骨格を含有した樹脂成分(セグメント)のガラス転移温度を下げた時には、エポキシ基との反応性を有し且つポリシロキサン骨格を含有した樹脂成分と、エポキシ化合物成分とに由来したガラス転移温度のうち、最高のガラス転移温度を示す樹脂成分(セグメント)は、エポキシ化合物成分(セグメント)になる。
【0016】
本発明において、硬化絶縁膜がエポキシ化合物成分(セグメント)に由来したガラス転移温度を160℃以下に有するように調整するためには、絶縁硬化膜のエポキシ化合物が構成する架橋構造が蜜になり過ぎないような構成が重要であり、特にエポキシ化合物をエポキシ当量が比較的大きなもの、すなわち、エポキシ当量が800を超えたものにすることが好適である。絶縁硬化膜のエポキシ化合物が構成する架橋構造が蜜になると、エポキシ化合物成分に由来するガラス転移温度が160℃を超える。
【0017】
本発明において、前記硬化絶縁膜のエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分に由来したガラス転移温度及びエポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度が、160℃以下、好ましくは140℃以下、更に好ましくは130℃以下であることが好適である。また、これらの成分(セグメント)のガラス転移が160℃以下で完了することが特に好適である。ガラス転移が160℃以下で完了するとは、前述の損失正接の温度分散曲線におけるピーク全体が160℃以下の範囲内になることを意味する。
【0018】
尚、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分やエポキシ化合物成分は、それらに由来したガラス転移温度を単数又は複数有する。複数のガラス転移温度を有するのは、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分やエポキシ化合物成分が夫々複数の成分(セグメント)から構成されている時であるが、本発明においては、複数のガラス転移温度が全て160℃以下であることが好適である。
また、本発明において、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂成分及びエポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度の下限は特に限定されるものではないが、通常は、ポリシロキサン骨格に由来した−150℃程度以上特に−100℃程度の最も低いガラス転移温度を有する。
【0019】
本発明において、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂とは、分子中に、芳香族ジカルボン酸無水物基、芳香族ジカルボン酸ハーフエステル基、カルボン酸基、水酸基及びアミド基などの、エポキシ基と常温では実質的な硬化反応がおこらず、例えば80℃以上の比較的高温において硬化反応がおこり得る基を有しており、且つ、主鎖にポリシロキサン骨格を含有した樹脂である。好ましくは、耐熱性などを改良するために、前記主鎖はフレキシブルなポリシロキサン骨格とベンゼン環やイミド環などのリジッドなセグメントとを含んで構成されたものである。
本発明において、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂は、限定するものではないが、以下に示すようなポリイミドシロキサンが特に好適である。以下、ポリイミドシロキサンを例に挙げて本発明を説明する。
【0020】
本発明におけるエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂として好適なポリイミドシロキサンは、好ましくは、テトラカルボン酸成分と、ジアミノポリシロキサン45〜95モル%、極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜54.5モル%とからなるジアミン成分とを、略等モル好ましくはジアミン成分1モルに対してテトラカルボン酸成分が1.0〜1.2モル程度の割合で用いて有機溶媒中で反応して得ることができる。テトラカルボン酸成分が前記より多すぎると得られるポリイミドシロキサン絶縁膜用組成物の印刷特性が低下するので好ましくない。
【0021】
ポリイミドシロキサンのテトラカルボン酸成分としては、具体的には、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸)ヘキサフルオロプロパン、ピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(3,4−フェノキシジカルボン酸)フェニル〕プロパン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタンなどの芳香族テトラカルボン酸、又は、それらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物、及び、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3−メチル−4−シクロヘキセン−1,2,4,5−テトラカルボン酸などの脂環族系テトラカルボン酸、又は、それらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物を好適に挙げることができる。これらのなかでも特に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、及び、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸、又は、それらの酸二無水物や低級アルコ−ルのエステル化物は、ポリイミドシロキサンとしたときの有機溶媒に対する溶解性が優れているので好適である。
また、本発明において、ポリイミドシロキサンのテトラカルボン酸成分中に、前記で例示したような芳香族テトラカルボン酸成分を80モル%以上特に85%〜100%含有することが好ましい。
【0022】
本発明におけるポリイミドシロキサンのテトラカルボン酸成分は、ジアミンと反応させることが容易なテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。
また、テトラカルボン酸二無水物の使用量がジアミンに対して1.05倍モル以上で未反応無水環が残存するような場合には、そのままでもよいが、エステル化剤で開環ハーフエステル化してもよい。エステル化剤であるアルコール類の使用量は、過剰なテトラカルボン酸二無水物の1.1〜20倍当量、特に、1.5〜5倍当量であることが好ましい。アルコール類の割合が少ないと、未反応の無水環が残って、組成物での貯蔵安定性が劣るものとなり、過剰のアルコール類は貧溶媒となって不溶分が析出したり固形分濃度を低くすることになって印刷による塗膜の形成が容易でなくなるので好ましくない。
エステル化剤を用いた場合は、反応溶液をそのまま用いても構わないが、過剰のアルコール類を加熱や減圧留去して使用することもできる。
【0023】
本発明において、ポリイミドシロキサンのジアミン成分は、下記一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサン45〜95モル%、極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜54.5モル%(通常、0〜30モル%)の割合で使用されることが特に好ましい。いずれかの成分が多すぎたり、少なすぎたりしてこれらの範囲をはずれると得られるポリイミドシロキサンの有機溶媒に対する溶解性が低下したり、他の有機化合物との相溶性が悪くなったり、配線基板上に形成した絶縁膜の曲率半径が小さくなり耐屈曲性が低下したり、基材との密着性および耐熱性が低下するので好ましくない。
【0024】
本発明におけるポリイミドシロキサンのジアミン成分を構成する下記一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサンは、好ましくは、前記式中Rは炭素数1〜6の2価の炭化水素基又はフェニレン基、特にプロピレン基であり、前記式中R2は独立に炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基であり、前記式中n1は3〜50、特に3〜20である。n1が3未満では得られる絶縁膜の耐屈曲性が悪くなるので好ましくなく、又、n1が50を超えるとテトラカルボン酸成分との反応性が低下して得られるポリイミドシロキサンの分子量が低くなったり、ポリイミドシロキサンの有機溶剤に対する溶解性が低くなったり、組成物における他の有機成分との相溶性が悪くなったり、得られる絶縁膜の耐溶剤性が低くなったりするので前記程度のものが好適である。尚、ジアミノポリシロキサンが2種以上の混合物からなる場合は、n1はアミノ当量から計算される。
【化3】
Figure 0004273777
(式中、Rは2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、Rは独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜50の整数を示す。)
【0025】
前記ジアミノポリシロキサンの具体的化合物の例としては、α,ω−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノブチル)ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
【0026】
この発明におけるポリイミドシロキサンのジアミン成分を構成する極性基を有する芳香族ジアミンは、分子中にエポキシ基との反応性を有する極性基を有する芳香族ジアミンであり、好ましくは、下記一般式(2)で示されるジアミンである。
【化4】
Figure 0004273777
(式中、X及びYは、それぞれ独立に直接結合、CH、C(CH、C(CF、O、ベンゼン環、SOを示し、r1はCOOH又はOHを示し、n2は1又は2であり、n3、n4はそれぞれ独立に0、1又は2、好ましくは0又は1であり、n3及びn4の少なくとも一方は1又は2である。)
【0027】
前記一般式(2)で示されるジアミン化合物としては、2,4−ジアミノフェノ−ルなどのジアミノフェノ−ル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシビフェニルなどのヒドロキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−ハイドロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−アミノ−3−ハイドロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−ハイドロキシフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルメタンなどのヒドロキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルエ−テルなどのヒドロキシジフェニルエ−テル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルスルホンなどのヒドロキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(ハイドロキシフェニキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(ハイドロキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(ハイドロキシフェニキシフェニル)スルホン化合物類などのOH基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
【0028】
更に、前記の一般式(2)で示されるジアミン化合物としては、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸などのベンゼンカルボン酸類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−アミノ−3−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−アミノ−4−カルボキシフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルエ−テルなどのカルボキシジフェニルエ−テル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルスルホンなどのカルボキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(カルボキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)スルホン化合物類などのCOOH基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
【0029】
本発明におけるポリイミドシロキサンのジアミン成分を構成する前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミンは、特に限定されるものではないが、下記一般式(3)で示される芳香族ジアミンが好適である。
【化5】
Figure 0004273777
(式中、X及びYは、それぞれ独立に直接結合、CH、C(CH、C(CF、O、ベンゼン環、SOを示し、n5は1又は2である。)
【0030】
前記一般式(3)で示される芳香族ジアミンは、具体的には、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2,5−ジハロゲノベンゼンなどのベンゼン1個を含むジアミン類、ビス(4−アミノフェニル)エ−テル、ビス(3−アミノフェニル)エ−テル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−ジアニシジン、o−トリジン、トリジンスルホン酸類などのベンゼン2個を含むジアミン類、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンなどのベンゼン3個を含むジアミン類、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセンなどのベンゼン4個以上を含むジアミン類などのジアミン化合物が挙げられる。
また、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノドデカンなど脂肪族ジアミン化合物を上記ジアミンと共に使用することができる。
【0031】
本発明におけるポリイミドシロキサンは、特に限定するものではないが、例えば、次の方法で得ることができる。
(1)テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを略等モル使用し、有機極性溶媒中で連続的に15〜250℃で重合及びイミド化させてポリイミドシロキサンを得る方法。
(2)テトラカルボン酸成分とジアミン成分とをそれぞれ分けて、まず過剰量のテトラカルボン酸成分とアミン成分(例えばジアミノポリシロキサン)とを有機極性溶媒中15〜250℃で重合及びイミド化させて平均重合度1〜10程度の末端に酸無水物基(又は、酸、そのエステル化物)を有するイミドシロキサンオリゴマーを調製し、別にテトラカルボン酸成分と過剰量のジアミン成分とを有機極性溶媒中15〜250℃で重合及びイミド化させて平均重合度1〜10程度の末端にアミノ基を有するイミドオリゴマーを調製し、次いでこの両者を、酸成分とジアミン成分とが略等モルになるように混合して15〜60℃で反応させて、さらに130〜250℃に昇温して反応させて、ブロックタイプのポリイミドシロキサンを得る方法。
(3)テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを略等モル使用し、有機極性溶媒中でまず20〜80℃で重合させてポリアミック酸を得た後に、そのポリアミック酸をイミド化してポリイミドシロキサンを得る方法。
【0032】
上述の方法でポリイミドシロキサンを得る際に使用される有機極性溶媒としては、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、硫黄原子を含有する溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなどフェノール系溶媒、例えばクレゾール、フェノール、キシレノールなど、ジグライム系溶媒、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラグライムなど、酸素原子を分子内に有する溶媒、例えばアセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなど、その他ピリジン、テトラメチル尿素などを挙げることができる。また必要に応じてベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒やソルベントナフサ、ベンゾニトリルなど他の有機溶媒を併用してもよい。
【0033】
本発明において、ポリイミドシロキサンは、前記(1)〜(3)などいずれの方法で得られたものを使用してもよいが、有機溶媒に少なくとも3重量%以上、好ましくは5〜60重量%、特に5〜50%程度の高濃度で溶解させることができるもので、25℃の溶液粘度(E型回転粘度計)が1〜10000ポイズ、特に1〜100ポイズであることが好ましい。
本発明において、ポリイミドシロキサンはより高分子量のものが好ましく更にイミド化率が高いものが好ましい。分子量の目安としての対数粘度(測定濃度:0.5g /100ミリリットル、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン、測定温度:30℃)は、0.15以上、特に0.16〜2のものが、硬化後の膜の強度、伸度などの機械的物性の点から好ましい。また、赤外吸収スペクトルから求められるイミド化率は、90%以上特に95%以上更に実質的に100%のものが好ましい。
【0034】
本発明のポリイミドシロキサン絶縁膜用組成物を構成するエポキシ化合物は、複数のエポキシ基を有する化合物であって、エポキシ当量が800を超え特に850以上且つ4000未満特に3000以下のものであって、常温で液状又は固体状のエポキシ樹脂が好適である。エポキシ化合物のエポキシ当量が800以下では、硬化絶縁膜としたときのガラス転移温度を160℃以下にすることが容易ではなくなり、封止材料に対する密着性が劣る。また、エポキシ化合物のエポキシ当量が4000以上では、硬化絶縁膜としたときのガラス転移温度を160℃以下にすることは可能であるが、得られる絶縁膜用組成物が高粘度化し易く取り扱いが容易ではなくなる。
具体的には、例えば、ジャパンエポキシレジン株式会社製 エピコート1055、エピコート1004、エピコート1004AF、エピコート1007、エピコート1009、エピコート1010、大日本インキ化学工業株式会社製 EPICLON4050、EPICLON7050、AM−040−P、HM091、HM−101等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン株式会社製 エピコート4004P、エピコート4007P、エピコート4110等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、宇部興産株式会社製のハイカーETBN1300×40、及び、ナガセケムテック株式会社製のデナレックスR−45EPTなどを好適に挙げることができる。
【0035】
本発明において、エポキシ化合物の使用量は、ポリイミドシロキサン100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは2〜30重量部である。使用量が多すぎるとゲル化し易くなったり密着性が低下し、少なすぎると加熱処理後の硬化絶縁の耐熱性や耐薬品性悪くなるので上記範囲が好ましい。
【0036】
本発明において、エポキシ化合物と共にヒドラジン類、イミダゾール類、3級アミン類などのエポキシ化合物の硬化反応を促進する硬化促進剤を添加することが好ましい。
特に、3級アミン類を硬化促進剤として添加すると、その絶縁膜用組成物は、基材に塗布後120℃程度以下の低温で加熱処理することによって硬化絶縁膜(保護膜)を容易に得ることができるので極めて好適である。本発明において好適に用いることができる3級アミン類としては、具体的には、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミン、トリエチレンジアミン、2−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジモルホリノジエチルエーテル、1,4−ジメチルピペラジン、シクロヘキシルジメチルアミンなどを挙げることができる。
また、3級アミン類などの硬化促進剤は、ポリイミドシロキサン100重量部に対して、0.5〜20重量部好ましくは1〜10重量部使用するのが好適である。使用量が20重量部を超えると耐溶剤性や電気的性質が悪くなり、少なすぎると低温での硬化に長時間を要するので上記範囲が好ましい。
【0037】
本発明のポリイミドシロキサン絶縁膜用組成物を構成する有機溶媒としては、ポリイミドシロキサンを調製するときの反応に使用した有機溶媒をそのまま使用することができるが、好適には、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど、含硫黄原子溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど、含酸素溶媒、例えばフェノ−ル系溶媒、例えばクレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなど、ジグライム系溶媒例えばジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(ジグライム)、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル(トリグライム)、テトラグライムなど、アセトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、エチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テルなどを好適に使用することができる。
【0038】
更に、本発明の絶縁膜用組成物においては、微細フィラーを含有することが好ましい。微細無機フィラ−としては、どのような形態のものでもよいが、平均粒子径が0.001〜15μm、特に0.005〜10μmのものが好ましい。この範囲外のものを使用すると得られる塗膜が屈曲したときに亀裂が発生したり、折り曲げ部が白化したりするので好ましくない。微細フィラ−としては、例えば微粉状シリカ、タルク、マイカ、硫酸バリウムなどの微細無機フィラ−や架橋NBR微粒子などの微細有機フィラ−を好適に挙げることができる。
【0039】
微細無機フィラ−の使用量は、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部に対して、合計で20〜150重量部、好ましくは40〜125重量部である。使用量が、余り多すぎたり、余り少なすぎると塗膜の折り曲げによりクラックが発生したり、印刷性、半田耐熱性、銅箔変色性が影響を受けるので上記範囲が好適である。また、微細無機フィラー、特に微粉状シリカとタルク、マイカあるいは硫酸バリウムの少なくとも1種とを組み合わせて使用し、微紛状シリカをエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部に対して1〜50重量部、特に5〜40重量部、タルク、マイカあるいは硫酸バリウムの少なくとも1種を20〜130重量部使用することが、印刷性や得られる硬化絶縁膜の性能を考慮すると特に好ましい。
【0040】
また、本発明の絶縁膜用組成物においては、有機着色顔料、無機着色顔料を所定量、例えばエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部に対して、0〜100重量部程度使用することができる。
また、本発明の絶縁膜用組成物においては、消泡剤を所定量、例えばエポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度使用することができる。
【0041】
本発明の絶縁膜用組成物は、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂、例えばポリイミドシロキサンと、エポキシ化合物と、微細フィラーと、有機溶媒などとを、所定量混合し、均一に撹拌・混合することによって容易に得ることができる。混合する際に有機溶媒中で混合して溶液組成物にすることができる。有機溶媒に混合させて溶液組成物にするにあたっては、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂例えばポリイミドシロキサンの重合溶液をそのままでも、又その重合溶液を適当な有機溶媒で希釈したものを使用してもよい。有機溶媒としては、前記樹脂例えばポリイミドシロキサンを得る際に使用できる有機極性溶媒を挙げることができるが、沸点140℃以上で210℃以下のものを使用することが好ましい。特に沸点180℃以上、特に200℃以上である有機溶媒(例えばメチルトリグライムなど)を使用すると、溶媒の蒸発による散逸が極めて減少するので、又その印刷インクを使用してスクリーン印刷などで印刷を支障なく好適に行うことができるので最適である。有機溶媒は、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる樹脂、例えばポリイミドシロキサン100重量部に対して60〜200重量程度使用する。
【0042】
本発明の絶縁膜用組成物は、室温(25℃)で溶液粘度が100〜600ポイズであることが作業性や溶液物性、その保護膜特性上などから適当である。
【0043】
本発明の絶縁膜用組成物は、ICチップなどのチップ部品を実装する電気電子部品の絶縁膜(保護膜)を形成するために用いることができる。
例えば、導電性金属箔で形成された配線パターンを有する絶縁性フィルムのパターン面に、乾燥膜の厚さが3〜60μm程度となるようにスクリ−ン印刷などによって印刷して塗布した後、50〜100℃程度の温度で5〜60分間程度、次いで、100〜210℃程度好適には120〜200℃で5〜120分間好適には10〜60分間程度の2段階で加熱し乾燥して、好適には弾性率が0.1〜20kgf/mmの絶縁膜を形成することが好ましい。
【0044】
更に、本発明の絶縁膜用組成物は、50〜130℃程度特に60〜120℃の低温の加熱処理によって硬化させて、前記のような良好な性能を持った絶縁膜を容易に形成することができる。
このために、本発明の絶縁膜用組成物は、実装工程において、160℃程度又はそれ以上の比較的高温の加熱処理によって硬化絶縁膜を形成することもできるし、130℃以下好ましくは120℃程度以下の比較的低温の加熱処理によって硬化絶縁膜を形成することもできる。また、130℃以下好ましくは120℃程度以下の比較的低温の加熱処理によって硬化絶縁膜を形成したあとで、更に、160℃程度又はそれ以上の比較的高温の加熱処理がおこなわれても構わない。
【0045】
言い換えれば、本発明の絶縁膜用組成物は、例えば絶縁フィルム基材にICチップなどのチップ部品を実装する際に、配線パターンを保護する絶縁膜を形成した後でスズメッキする手順で実装することもできるし、配線パターンを先にスズメッキした後でそれを保護するための絶縁膜を形成する手順で実装することも可能である。
先にスズメッキする手順は、例えば絶縁フィルム基材に実装する場合、以下のようになる。即ち、▲1▼絶縁フィルム基材表面に形成された銅箔の配線パターン表面をスズメッキする。▲2▼絶縁フィルム基材表面の所定部分に、本発明の絶縁膜用組成物を塗布または印刷し、それを120℃程度以下の比較的低温で加熱処理して硬化させて絶縁膜(保護膜)を形成する。▲3▼ICチップなどの電子部品を金バンプなどを用いて絶縁膜を形成していない配線パターンのインナーリード部などに実装する。この時、接続部が金スズ共晶を形成するように、短時間だが400℃程度以上の加熱処理がなされる。▲4▼次いでICチップなどを封止材料などによって保護する。この時に封止材料などを硬化させるために160℃程度の温度で加熱処理がおこなわれる。
【0046】
本発明の絶縁膜用組成物が前述の先にスズメッキする手順で用いられて、電子部品の絶縁膜を形成したときの一例について、概略の断面図を図8に示す。
図8において、例えば25μm厚のポリイミドフィルム1の表面に、例えば12μm厚の銅箔で配線パターン2が形成されており、その表面をメッキされた例えば0.5μm厚のスズ層3が覆っている。更にそれらの表面を、インナーリードの接続部分を除いてこの発明の絶縁用組成物からなる絶縁膜4が例えば10μm厚の保護膜を形成している。接続部分では金バンプ5を用いICチップ6が実装され、例えばエポキシ樹脂系の封止材料7によって保護されている。
【0047】
また、本発明の絶縁膜用組成物は、導電性金属及び絶縁用の各種材料との密着性が良好であり、硬化物は好適な機械的強度や電気絶縁性能を有しているから、電気電子部品の保護膜としてのみならず層間絶縁膜としても好適に使用することができる。更に、本発明の絶縁膜用組成物は、低温圧着が可能でしかも耐熱性の接着剤として好適に使用することもできる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、この発明を説明する。尚、この発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0049】
各例において測定、評価は次の方法で行った。
(溶液粘度)
E型粘度計(東京計器社製)を用い、温度25℃で、回転数10rpmにて測定した。
(印刷性の評価)
スクリ−ン印刷可能で、形成された膜にピンホ−ルがなく、端部の流れ出しがない場合を○、スクリ−ン印刷が不可能かまたは膜にピンホ−ルの発生があるかまたは端部の流れ出しがある場合を×で表示した。
【0050】
(硬化絶縁膜の評価)
硬化絶縁膜の評価は、評価項目によって、以下のように加熱処理された硬化絶縁膜サンプルについておこなった。
すなわち、耐溶剤性、ガラス転移温度及び封止材料との密着性の評価は、実装工程において先にスズメッキが施された導体配線上に絶縁膜用組成物を塗布したときには120℃程度以下で加熱硬化することを考慮して、80℃で30分次いで120℃で1時間加熱処理したサンプルについておこなった。但し、封止材料との密着性の評価は、前記サンプル表面に更に封止材料を滴下して塗布し160℃で加熱硬化するから、併せると120℃及び160℃の2回の加熱処理がされたことになる。
それ以外の硬化絶縁膜の評価は、実装工程において封止材料を硬化するために最終的に160℃程度の加熱処理がおこなわれることを考慮して、80℃で30分次いで160℃で1時間加熱処理したサンプルについておこなった。
【0051】
耐溶剤性の評価:
厚さがおよそ75μmになるように硬化させたシート状サンプル0.5gを100mlのアセトン(25℃)に30分間浸漬した後、アセトン可溶分の重量%で示した。
ガラス転移温度:
樹脂成分(セグメント)のガラス転移温度は、基本的には含有するフィラーの影響を受けない。ここでは、フィラーを含まない樹脂成分だけからなる組成物を用いて作成したサンプルについてガラス転移温度を測定した。フィラー含有サンプルを用いると、得られる損失正接(tanδ)の温度変化を示すチャートにおいてガラス転移温度を示すピークが不明瞭になり易いためである。フィラーを含む組成物を用いて作成したサンプルについて測定しても構わない。
具体的には、厚さ75μmのシート状に硬化した試料を幅5mm、長さ30mmの短冊状に切り出して、レオメトリックスサイエンティフィック製固体粘弾性アナライザーRSAIIを用いて、引張り−圧縮モードで、周波数10Hz、窒素気流中、温度ステップ2℃で各設定温度に到達後30秒後に測定を行ない次の温度に昇温し測定を繰り返し、損失正接(tanδ)の温度変化を求めた。
具体例で説明すれば、例えば、後述の実施例1の組成物から得られた硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化は図1のようになる。この図において、−100℃、5℃および110℃のピークは、それぞれポリイミドシロキサンのポリシロキサン成分、ポリイミドシロキサンの芳香族鎖成分、及びエポキシ化合物成分に由来するガラス転移温度を示している。尚、図1における130℃以上で見られる測定点のバラツキは、各成分がそれぞれガラス転移温度を超えた結果、硬化絶縁膜が全体として柔らかくなり測定する弾性率にバラツキが生じるためである。この様なバラツキが生じる状態は、硬化絶縁膜の実質的に全樹脂成分(セグメント)の運動性が増しており、封止材料との界面で封止材料とより緊密な化学的又は物理的相互作用を可能にして密着性を高めると考えられる。一方、この様なバラツキが見られない場合は、ガラス転移温度以上になっても硬化絶縁膜が全体としてはリジッドな状態にあることを示している。
【0052】
IC封止材料との密着性の評価:
35μm厚電解銅箔光沢面上に絶縁膜用組成物を30μm厚に塗布し硬化させ、この硬化膜上にICチップ封止材料CEL−C−5020(日立化成工業株式会社製)を約1mm厚、直径0.5cm程度の円状に滴下して塗布し160℃で硬化させサンプルとした。手でサンプルを折り曲げ、封止樹脂のはがれ具合を観察した。硬化絶縁膜で凝集破壊を起こした場合を○、硬化絶縁膜の凝集破壊と硬化絶縁膜/封止材料界面剥離が共存する場合を△、硬化絶縁膜膜/封止材料界面剥離の場合を×で示した。
【0053】
電気絶縁性(体積抵抗)の測定:
この溶液組成物を用いて厚さ約75μmの硬化絶縁膜を形成し、その膜の電気絶縁性(体積抵抗)をJIS C−2103によって測定した。
引張弾性率の測定:
厚さがおよそ75μmになるように硬化させたシート状サンプルを、幅1cm、長さ15cmに切り出して試験に用いた。ASTM D882によって測定した。
【0054】
スズ潜りの測定:
厚さ35μmの電解銅箔(三井金属鉱業社製)光沢面上に絶縁膜用組成物を30μm厚に塗布し硬化させたサンプルを、無電解スズメッキ液(シプレイファーイースト社製、LT−34)を使用し、温度70℃で4分間スズメッキし、絶縁膜の端部においてスズが浸入してスズ潜りが起こった部分の幅(端部からの距離)を測定した。
【0055】
以下の各例で使用したエポキシ樹脂、硬化触媒、フィラーについて説明する。(エポキシ樹脂)
エピコート1007:ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量2000
エピコート1004:ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量900
ハイカーETBN1300×40:宇部興産社製、エポキシ当量2770、キシレン50%溶液
エピコート157S70:ジャパンエポキシレジン社製、エポキシ当量210
(硬化触媒)
DBU:アルドリッチ社製、1,8‐ジアザビシクロ[5.4.0]‐7‐ウンデセン
キュアゾール2E4MZ:四国化成工業社製、2−エチル−4−メチルイミダゾール
(微粉状シリカ)
アエロジル50:日本アエロジル株式会社製、平均粒径:30nm
アエロジル130:日本アエロジル株式会社製、平均粒径:16nm
(硫酸バリウム)
硫酸バリウムB−30:堺化学工業社製、平均粒径0.3μm
(タルク)
ミクロエースP−3:日本タルク社製、平均粒径1.8μm
(マイカ)
MK−100:コープケミカル社製、平均粒径2.6μm
【0056】
参考例1(ポリイミドシロキサンの製造)
容量500mlのガラス製フラスコに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物58.84g(0.2モル)、溶媒のトリグライム(以下、TGと略記することもある。)120gを仕込み、窒素雰囲気下、180℃で加熱撹拌した。α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(アミノ当量455)154.7g(0.17モル)、TG70gを加え、180℃で60分間加熱撹拌した。さらにこの反応溶液に4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシフェニルメタン8.59g(0.03モル)及びTG23.4gを加え、180℃で5時間加熱撹拌した後、濾過を行った。得られたポリイミドシロキサン反応溶液は、ポリマ−固形分濃度50重量%、ηinh0.18の溶液であった。イミド化率は実質的に100%であった。
【0057】
参考例2(ポリイミドシロキサンの製造)
容量500mlのガラス製フラスコに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物58.84g(0.2モル)、TG170gを仕込み、窒素雰囲気下、180℃で加熱撹拌した。100℃付近まで冷却し、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(アミノ当量455)127.4g(0.14モル)とTG50gを加え、180℃で60分間加熱撹拌した。さらに、室温付近まで冷却後、この反応溶液に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン13.52g(0.03モル)、3,5ジアミノ安息香酸4.56g(0.03モル)及びTG79gを加え、180℃で5時間加熱撹拌した後、濾過を行った。得られたポリイミドシロキサン反応溶液は、ポリマ−固形分濃度40重量%、ηinh0.20の溶液であった。イミド化率は実質的に100%であった。
【0058】
実施例1
ガラス製容器に、参考例1で得たポリイミドシロキサン溶液と、ポリイミドシロキサン100重量部に対してエポキシ樹脂のエピコート1007を10重量部、3級アミン硬化触媒のDBUを2重量部、シリコン系消泡剤を4重量部、微紛状シリカのアエロジル50を15.8重量部、アエロジル130を1.8重量部、硫酸バリウムB−30を44重量部、タルクのミクロエースP−30を11重量部、及び、マイカのMK−100を11重量部、とを加えて攪拌し均一に混合させてポリイミドシロキサン溶液組成物(溶液粘度360ポイズ)を得た。
【0059】
この溶液組成物は、約5℃で2週間放置しても、粘度変化は少なくスクリ−ン印刷可能であった。
この溶液組成物を用いて形成された硬化絶縁膜の電気絶縁性(体積抵抗)を測定したところ、5×1013Ω・cmであった。
この溶液組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この溶液組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図1に示す。この組成からなる硬化絶縁膜のガラス転移温度は110℃であった。尚、図1の110℃のピークはエポキシ化合物成分に由来するガラス転移温度である。
【0060】
実施例2
エポキシ樹脂として、エピコート1007を5重量部とエピコート1004を5重量部とを用いる以外は実施例1と同様にして、ポリイミドシロキサンの溶液組成物(340ポイズ)を得た。
この溶液組成物は、約5℃で2週間放置しても、粘度変化は少なくスクリ−ン印刷可能であった。
この溶液組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この溶液組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図2に示す。この組成からなる硬化絶縁膜のガラス転移温度は109℃であった。尚、図2の109℃のピークはエポキシ化合物成分に由来するガラス転移温度である。
【0061】
参考例A
エポキシ樹脂として、エピコート1004を10重量部用いる以外は実施例1と同様にして、ポリイミドシロキサンの溶液組成物(300ポイズ)を得た。
この溶液組成物は、約5℃で2週間放置しても、粘度変化は少なくスクリ−ン印刷可能であった。
この溶液組成物を用いて形成された硬化絶縁膜の電気絶縁性(体積抵抗)を測定したところ、4×1014Ω・cmであった。
この溶液組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この溶液組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図3に示す。この組成からなる硬化絶縁膜のガラス転移温度は105℃であった。尚、図3の105℃のピークはエポキシ化合物成分に由来するガラス転移温度である。
【0062】
参考例B
エポキシ樹脂としてエピコート1004を10重量部用い、硬化触媒としてキュアゾール2E4MZを0.3重量部用いる以外は実施例1と同様にして、ポリイミドシロキサンの溶液組成物(480ポイズ)を得た。
この溶液組成物は、約5℃で2週間放置しても、粘度変化は少なくスクリ−ン印刷可能であった。
この溶液組成物を用いて形成された硬化絶縁膜の電気絶縁性(体積抵抗)を測定したところ、1×1014Ω・cmであった。
この溶液組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この溶液組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図4に示す。この組成からなる硬化絶縁膜のガラス転移温度は116℃であった。尚、図4の116℃のピークはエポキシ化合物成分に由来するガラス転移温度である。
【0063】
実施例5
エポキシ樹脂としてハイカーETBN1300×40を13.8重量部用いる以外は実施例1と同様にして、ポリイミドシロキサンの溶液組成物(300ポイズ)を得た。
この溶液組成物は、約5℃で2週間放置しても、粘度変化は少なくスクリ−ン印刷可能であった。
この溶液組成物を用いて形成された硬化絶縁膜の電気絶縁性(体積抵抗)を測定したところ、2×1013Ω・cmであった。
この溶液組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この溶液組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図5に示す。この組成からなる硬化絶縁膜のガラス転移温度は121℃であった。尚、図5の121℃のピークはエポキシ化合物成分に由来するガラス転移温度である。
【0064】
実施例6
参考例2で得たポリイミドシロキサン溶液にTGを添加してポリイミドシロキサン濃度を37%に調整した溶液を用いて、ポリイミドシロキサン100重量部に対して表1に示す種類と量を配合し、ポリイミドシロキサンの溶液組成物(430ポイズ)を得た。
この溶液組成物は、約5℃で2週間放置しても、粘度変化は少なくスクリ−ン印刷可能であった。
この溶液組成物を用いて形成された硬化絶縁膜の電気絶縁性(体積抵抗)を測定したところ、1×1013Ω・cmであった。
この溶液組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この溶液組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図6に示す。この組成からなる硬化絶縁膜のガラス転移温度は95℃であった。尚、図6の95℃のピークはエポキシ化合物成分に由来するガラス転移温度とポリイミドシロキサンのシロキサン骨格以外の芳香族鎖に由来するガラス転移温度とが重なったものである。
【0065】
比較例1
エポキシ樹脂としてエピコート157S70を10重量部用いる以外は実施例1と同様にして、ポリイミドシロキサンの溶液組成物(380ポイズ)を得た。
この溶液組成物及び硬化絶縁膜についての評価結果を表2に示す。
また、この溶液組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分からなる硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度変化を図7に示す。この組成からなる硬化絶縁膜のガラス転移温度は140℃付近から180℃付近までの幅広いピークを示した。また、180℃以上の温度になっても損失正接(tanδ)にブレ(測定値のバラツキ)は見られず硬化絶縁膜としてリジッドな状態が保持されている。尚、図7の140℃から180℃までの幅広いピークはエポキシ化合物成分に起因したものである。
【0066】
【表1】
Figure 0004273777
【0067】
【表2】
Figure 0004273777
【0068】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような構成を有しているため、次のような効果を奏する。
すなわち、本発明は、基材に塗布後120℃程度以下の低温で加熱処理することによって硬化絶縁膜(保護膜)を得ることが可能であり、その硬化絶縁膜は基材や封止材料との密着性が良好であり、スズ潜りが35μm以下の改良された耐スズメッキ性を有し、更に、ソリが発生し難く、耐熱性、耐ハンダフラックス性、耐溶剤性、耐薬品性、耐屈曲性、及び電気特性が優れ、フレキシブル配線基板などの基材上にスクリーン印刷などの方法で良好に塗布が可能であり、電気電子部品などの絶縁膜を形成するための印刷インキ又は塗布用ワニスとして好適な絶縁膜用組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の絶縁膜用組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分を用いて形成された硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度分布曲線
【図2】実施例2の絶縁膜用組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分を用いて形成された硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度分布曲線
【図3】参考例Aの絶縁膜用組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分を用いて形成された硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度分布曲線
【図4】参考例Bの絶縁膜用組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分を用いて形成された硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度分布曲線
【図5】実施例5の絶縁膜用組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分を用いて形成された硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度分布曲線
【図6】実施例6の絶縁膜用組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分を用いて形成された硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度分布曲線
【図7】比較例1の絶縁膜用組成物のフィラー成分を除いた樹脂成分を用いて形成された硬化絶縁膜の損失正接(tanδ)の温度分布曲線
【図8】絶縁膜フィルム基材にICなどのチップ部品などを実装した部品であって、配線パターン表面を先にスズメッキし次いでこの発明のポリイミドシロキサン絶縁膜用組成物からなる硬化絶縁膜(保護膜)を形成する手順で、絶縁フィルム基材にチップ部品を実装したときの一例の概略の断面図である。

Claims (6)

  1. (a)テトラカルボン酸成分と、下記一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサン45〜95モル%、下記一般式(2)で示される極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜54.5モル%からなるジアミン成分とから得られる、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部、(b)エポキシ当量が2000以上且つ4000未満であるエポキシ化合物1〜50重量部、及び、(C)有機溶媒を含有してなる絶縁膜用組成物を加熱処理して得られる硬化絶縁膜であって、前記エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂成分に由来したガラス転移温度及び前記エポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度が160℃以下であることを特徴とする硬化絶縁膜。
    Figure 0004273777
    (式中、Rは2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、Rは独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜50の整数を示す。)
    Figure 0004273777
    (式中、X及びYは、それぞれ独立に直接結合、CH、C(CH、C(CF、O、ベンゼン環、SOを示し、r1はCOOH又はOHを示し、n2は1又は2であり、n3、n4はそれぞれ独立に0、1又は2であり、n3及びn4の少なくとも一方は1又は2である。)
  2. 絶縁膜用組成物が、さらに、(d)硬化促進剤を含有することを特徴とする前記請求項1に記載の絶縁膜。
  3. 硬化促進剤が3級アミン類であることを特徴とする前記請求項2に記載の絶縁膜。
  4. 絶縁膜用組成物が、さらに、(e)微細フィラーを20〜150重量部含有することを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の絶縁膜。
  5. 微細なフィラーが、少なくとも微粉状シリカ、タルク、マイカ、又は、硫酸バリウムのいずれか一つを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の絶縁膜。
  6. (a)テトラカルボン酸成分と、下記一般式(1)で示されるジアミノポリシロキサン45〜95モル%、下記一般式(2)で示される極性基を有する芳香族ジアミン0.5〜40モル%、及び、前記ジアミノポリシロキサン及び前記極性基を有する芳香族ジアミン以外のジアミン0〜54.5モル%からなるジアミン成分とから得られる、エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂100重量部、(b)エポキシ当量が2000以上且つ4000未満であるエポキシ化合物1〜50重量部、及び、(C)有機溶媒を含有してなる絶縁膜用組成物を基材に塗布後、50℃〜210℃で加熱処理して、前記エポキシ基との反応性を有する基を有し且つポリシロキサン骨格を含有してなる有機溶剤可溶性樹脂成分に由来したガラス転移温度及び前記エポキシ化合物成分に由来したガラス転移温度が160℃以下であることを特徴とする硬化絶縁膜を形成する方法。
    Figure 0004273777
    (式中、Rは2価の炭化水素基又は芳香族基を示し、Rは独立に1価の炭素水素基又は芳香族基を示し、n1は3〜50の整数を示す。)
    Figure 0004273777
    (式中、X及びYは、それぞれ独立に直接結合、CH、C(CH、C(CF、O、ベンゼン環、SOを示し、r1はCOOH又はOHを示し、n2は1又は2であり、n3、n4はそれぞれ独立に0、1又は2であり、n3及びn4の少なくとも一方は1又は2である。)
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