JP4261937B2 - 空気入りタイヤの製造方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーカスとトレッドリングとを接合する際、ブレーカ下でカーカスコードが蛇行するのを抑制でき、仕上がりタイヤにおけるカーカスコードテンションの均一化を図り、操縦安定性およびユニフォミティー等を向上しうる空気入りタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
一般に、ラジアルタイヤにおける生タイヤ製造工程においては、図8に示すように、ビードコアaで両側が係止されたカーカスプライbを含む筒状の本体カバーcを形成し、軸方向に近づくビードコアa、a間で前記本体カバーcをトロイド状に膨出させることにより、その半径方向外側で待機するトレッドリングdの内周面と圧接せしめ、該トレッドリングdと本体カバーcとが一体化した生タイヤを形成している。このとき、前記本体カバーcの膨出は、従来、高圧空気の充填によって行われている。
【0003】
しかし、この高圧空気の充填によるトレッドリングdと本体カバーcとの接合では、ブレーカd1下でカーカスコードが蛇行するという問題がある。その結果、加硫成形時、ブレーカd1下のカーカスコードに充分な張力が作用しなくなり、コードテンションの不均一化を招き、操縦安定性や乗り心地性を損ねるとともに、加硫成形時にカーカスが動きやすくなりユニフォミティーに悪影響を及ぼしている。
【0004】
このカーカスコードの前記蛇行は、内圧充填によって円弧状に膨出しようとするカーカスコードb1(同図に一点鎖線で示す)が、トレッドリングdにより直線状に拘束されることに原因し、その差だけカーカスコードb1が長さ方向に圧縮を受けて蛇行する。又この蛇行は、トレッドリングdの内径が小さい、即ち偏平率の小さなタイヤほどより顕著に発生する。
【0005】
なお本体カバーを、100kPa以下の低内圧と、縮径可能な中子の拡径とによって膨出させてトレッドリングdの内周面に貼着させる技術が、特許文献1に記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−67184号公報
【0007】
本発明は、プロフアイルデッキの拡径によってカーカスを膨出せしめ、トレッドリングの内周面に、前記プロフアイルデッキによる押上げ形状のカーカスを貼着することを基本として、ブレーカ下でのカーカスコードの蛇行を抑制でき、加硫成形の際のカーカスの動きを抑えるとともにコードテンションの均一化を図り、操縦安定性およびユニフォミティー等を向上しうる空気入りタイヤの製造方法の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1は、空気入りタイヤの製造方法の発明であって、一対のビードコアで両側が係止されたカーカスプライを含む筒状の本体カバーを、拡縮径可能なプロフアイルデッキの周囲に配するとともに、
該本体カバーの前記ビードコアを、軸方向に近づけ可能な一対のクランプリングによってクランプし、
かつ前記クランプリングの近づき移動に伴い、前記プロファイルデッキが拡径することにより前記本体カバーを該プロフアイルデッキに沿う形状で押上げてビードコア間で膨出させ、
ブレーカとトレッドゴムとを含むトレッド部材からなる環状のトレッドリングの半径方向内周面に、前記プロフアイルデッキによる押上げ形状の本体カバーの外周面を貼着することを特徴としている。
【0009】
又請求項1の発明は、前記プロフアイルデッキは、軸方向と直角な向きの断面において、周方向の両側面が半径方向内方に向かって漸近する先細状の第1のセグメントと、その逆に両側面が半径方向外方に向かって漸近する第2のセグメントとを交互に組み合わせて形成され、かつこの第1のセグメントと、第2のセグメントとは、拡径状態において、その半径方向外周面が、真円状に形成されるとともに、拡径状態におけるプロファイルデッキのタイヤ赤道上での直径D1は、仕上がり状態におけるブレーカ内周面の直径D2から、本体カバーの厚さを減じた値に準じていることを特徴としている。
【0010】
さらに請求項1の発明は、タイヤ軸を含む子午断面において、前記プロファイルデッキの半径方向外周面は、その曲率半径R1と、前記トレッドリングのブレーカの半径方向内周面の仕上がり曲率半径R2との差を200mm以下とし、かつそのタイヤ軸方向の巾W1を前記ブレーカの半径方向内周面のタイヤ軸方向の巾W2よりも10〜50mmの範囲で大としたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の空気入りタイヤの製造方法の実施の一形態を、それに用いる製造装置とともに図面を用いて説明する。図1は、本発明の製造方法によって形成された空気入りタイヤの子午断面図、図2はその製造方法を概念的に示す略図である。
【0012】
図1において、空気入りタイヤTは、本例では乗用車用タイヤであって、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつカーカス6の半径方向外側に重置されるブレーカ7とを含んで形成される。
【0013】
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して75〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りで内から外に折り返して係止されるプライ折返し部6bを一体に具え、その間には、前記ビードコア5から半径方向外方にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配されている。
【0014】
又前記ブレーカ7は、ブレーカコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35°の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のブレーカプライ7A、7Bから構成される。各ブレーカプライ7A、7Bは、そのコードがプライ間相互で交差することによりブレーカ剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強する。
【0015】
又タイヤ軸を含む子午断面において、前記トレッド部2は、タイヤ赤道Cからトレッド端Eに向かって凸円弧状に湾曲してのび、本例では、加硫金型内での仕上がり状態において、前記ブレーカ7の半径方向内周面7S(以下ブレーカ内周面7Sという場合がある)を、曲率半径R2が凸円弧状プロファイルで形成している。なお曲率半径R2は、前記ブレーカ内周面7Sが単一円弧以外の場合、ブレーカ内周面7Sのタイヤ軸方向の中央点と両外端点とを通る3点円弧の曲率半径として測定する。
【0016】
次ぎに、このタイヤTの製造方法は、図2に概念的に示すように、
▲1▼ 一対のビードコア5で両側が係止されたカーカスプライ6Aを含む筒状の本体カバー9を成形する本体カバー形成工程S1(図3に示す)と;
▲2▼ この本体カバー9を拡縮径可能なプロフアイルデッキ21の周囲に配した後、前記ビードコア5をクランプリング20によってクランプするクランプ工程S2と;
▲3▼ 前記クランプリング20の近づき移動に伴って前記プロファイルデッキ21が拡径することにより、前記本体カバー9を、該プロフアイルデッキ21に沿う形状で押上げてビードコア5、5間で膨出せしめ、予め形成した環状のトレッドリング15の半径方向内周面に、前記プロフアイルデッキ21による押上げ形状の本体カバー9の外周面を貼着して一体化する膨出・貼着工程S3と:
を含んで構成される。
【0017】
ここで、前記本体カバー形成工程S1は、本例では、図3に略示するように、周知構造のフォーマ10を用い、従来と実質的に同様の方法で実施される。なお前記フォーマ10は、拡径可能な円筒状の成形ドラム11を有し、以下のステップ順序で前記本体カバー9を形成する。即ち、
(a) 前記成形ドラム11の外周面に、カーカスプライ6Aを含む本体カバー構成部材を巻回し、直円筒状の巻回体12を形成するステップS1aと、
(b) この巻回体12の軸方向両外端よりビードコア5を挿入し、巻回体12の半径方向外側でビードコア5をセットするステップS1bと、
(c) 前記巻回体12の両端部分12aをビードコア5の廻りで折り返し、これによってカーカスプライ6Aの両端を係止するステップS1cとを含む。
【0018】
なお前記本体カバー構成部材は、一般に、前記カーカスプライ6Aとその半径方向内側に配されるインナーライナゴムとからなるが、要求により、さらにサイドウォールゴム、クリンチゴムなどを含ませることもできる。
【0019】
又前記トレッドリング15も、従来と実質的に同様の方法により、即ち、周知構造のベルトドラム上で、前記ブレーカ7とトレッドゴム2Gとを含むトレッド部材を順次巻装することにより形成される。本例では、トレッドリング15は、子午断面において、その内周面が直線状をなす断面略台形状に形成される。なおトレッドリング15の内周面の直径Dtは、仕上がり状態における前記ブレーカ内周面7Sのタイヤ赤道C上での直径D2(図1に示す)よりも、加硫ストレッチ率(1〜5%)だけ小に設定される。
【0020】
そして本例では、前記本体カバー形成工程S1によって形成された本体カバー9を、前記成形ドラム11の縮径によってフォーマ10から取外した後、前記製造装置1に移送し、該製造装置1を用いて前記クランプ工程S2および膨出・貼着工程S3を行う。
【0021】
前記製造装置1は、図4に示すように、移送された前記本体カバー9のビードコア5、5を軸方向に近づけ可能にクランプする一対のクランプリング20と、前記本体カバー9をビードコア5、5間で膨出させるプロファイルデッキ21とを有する膨出貼着手段22を具えている。
【0022】
なお前記クランプリング20は、本例では、図5に示すように、カーカスプライ6A等を介して、ビードコア5の底面を着座して受ける着座部23Aと、この着座部23Aの軸方向内端から小高さで立上がることによりビードコア5の軸方向内側面を係止・位置決めする係止部23Bと、前記着座部23Aの軸方向外端から下傾斜でコーン状にのびるビードコア案内用の傾斜部23Cとを具えて形成される。
【0023】
そして、一方(図4では右側)のクランプリング20Aは、本例では、第1の取付け金具24を用いて、ドラム軸26の例えば先端部に、このドラム軸26とは一体回転可能に固定される。又他方(図4では左側))のクランプリング20Bは、第2の取付け金具25を用い、ドラム軸26に外挿されるスリーブ管27を介して、前記ドラム軸26とは一体回転可能にかつ軸方向にはスライド移動可能に保持される。
【0024】
なお前記第1の取付け金具24は、前記ドラム軸26に固定される固着部から半径方向外方に立上がる円板状の側壁部24Aを有し、その半径方向外縁部分で前記クランプリング20Aをボルト連結している。
【0025】
又第2の取付け金具25は、前記スリーブ管27に外挿される摺動自在なスライド筒29と、該スライド筒29の軸方向内端側に固定される取付け金具本体30とからなる。この取付け金具本体30は、スライド筒29よりも大径をなすことにより前記スリーブ管27との間にピストン室Hを形成する筒状の胴部30Aを具えるとともに、該胴部30Aの軸方向外端には、前記スライド筒29にボルト連結される第1の側壁部30Bが、又軸方向内端には、クランプリング20Bにボルト連結される第2の側壁部30Cがそれぞれ一体に形成される。
【0026】
なお、前記スライド筒29の軸方向外端側には、ボールベアリング等の軸受け片31を介してケース部32が回転自在に取付くとともに、このケース部32には、例えばボールネジ機構等を用いたスライド移動手段33が連係する。
【0027】
従って、前記スライド移動手段33によるケース部32の平行移動によって、クランプリング20A、20Bは相対的に近離移動しうるとともに、近離移動の各位置で、取付け金具24、25及びクランプリング20A、20Bは、ドラム軸26に伴って一体回転を行いうる。
【0028】
次に、前記プロファイルデッキ21は、軸方向と直角な向きの断面(周方向断面)において、図6に示すように、周方向の両側面saが半径方向内方に向かって漸近する先細状の大な第1のセグメント21Aと、その逆に両側面sbが半径方向外方に向かって漸近する小な第2のセグメント21Bとを交互に組み合わせて形成される。
【0029】
このセグメント21A、21Bは、後述する拡縮径手段34によって半径方向外方に移動でき、隣り合う側面sa、sbが略当接する拡径状態Y1において、その半径方向外周面21S(以下デッキ外周面21Sという場合がある)は、真円状に形成される。又縮径に際しては、第2のセグメント21Bの半径方向内方への移動距離を、第1のセグメント21Aの移動距離に比して大きくなるように構成することにより前記プロファイルデッキ21は縮径できる。
【0030】
なおプロファイルデッキ21は、その拡縮径の動作を円滑に行い、かつ拡縮径の半径差を充分に確保するために、8〜16個のセグメントで構成するのが好ましい。又前記拡径状態Y1におけるプロファイルデッキ21のタイヤ赤道上での直径D1は、仕上がり状態におけるブレーカ内周面7Sの前記直径D2から、本体カバー9の厚さを減じた値と実質的に一致する。
【0031】
そして、本発明にとって特に重要なことは、図7に示すように、タイヤ軸を含む子午断面において、前記デッキ外周面21Sが、前記仕上がり状態におけるブレーカ内周面7Sに準じた凸円弧状プロファイルを有することにある。
【0032】
詳しくは、子午断面において、前記デッキ外周面21Sは、本例では単一円弧からなり、その曲率半径R1(図6において、D1=2・R1の「D1」として図に示している)と、前記仕上がり状態におけるブレーカ内周面7Sの曲率半径R2との差(R1−R2)を200mm以下としたブレーカ内周面7Sに近い形状に形成している。好ましくは、前記差(R1−R2)を150mm以下、さらには100mm以下とし、前記ブレーカ内周面7Sにより近似させるのが望ましい。なおデッキ外周面21Sが単一円弧以外の場合、デッキ外周面21Sの中央点と両外端点とを通る3点円弧の曲率半径を前記R1とする。又デッキ外周面21Sは、そのタイヤ軸方向の巾W1を、前記仕上がり状態におけるブレーカ内周面7Sのタイヤ軸方向の巾W2(図1に示す)よりも10〜50mmの範囲で大としている。
【0033】
次に、前記拡縮径手段34は、各セグメント21A、21Bを半径方向内外に案内する案内手段34Aと、前記セグメント21A、21Bを案内手段34Aに沿って移動させる移動手段34Bとを具える。
【0034】
前記案内手段34Aは、前記ドラム軸26から半径方向外方に向かって放射状にのびる複数の案内軸36からなり、この案内軸36は、各セグメント21A、21Bに設けるガイド孔と填り合うことにより、各セグメント21A、21Bを半径方向内外に案内できる。
【0035】
又前記移動手段34Bは、前記ピストン室H内に配されかつ前記スリーブ管27上を軸方向にスライド移動しうる筒状の往復動部材39、該往復動部材39と前記第1のセグメント21Aとの間を連結する第1のリンク体40、及び往復動部材39と前記第2のセグメント21Aとの間を連結する第2のリンク体41を含む。ここで、前記第2のリンク体41のリンク長さは、第1のリンク体40のリンク長さよりも大であり、これによって、拡径状態Y1からの第2のセグメント21Bの縮径量を第1のセグメント21Aの縮径量よりも小に設定できる。
【0036】
又前記往復動部材39は、本例では、フレームFに固定されるエアシリンダである直線作動機42によって軸方向の内外にスライド移動しうる。この直線作動機42は、前記第1の側壁部30Bを貫通して軸方向にのびる継ぎ軸43Aを含むロッド部材43を介して往復動部材39と連結される。
【0037】
本例では、前記移動手段34Bがプロフアイルデッキ21の一方側(図3において左側)のみに配される場合を例示したが、要求により、プロフアイルデッキ21の両側に配することもできる。
【0038】
然して、図2の如く、製造装置1に移し換えられた筒状の本体カバー9を、そのビードコア5をクランプリング20に着座させて保持する(クランプ工程S2)。
【0039】
しかる後、膨出・貼着工程S3を行う。この工程では、スライド移動手段33を作動し、所定のビード間距離が得られる所定位置Jまでビードコア5を、互いに近接する向きにスライド移動させるとともに、直線作動機42の作動によりプロファイルデッキ21を拡径させる。これにより、本体カバー9を、プロフアイルデッキ21に沿う形状で押上げて膨出でき、予め待機させたトレッドリング15の内周面に、前記プロフアイルデッキ21による押上げ形状の本体カバー9の外周面を押し付けて貼着ができる。
【0040】
このとき、
・プロファイルデッキ21の拡径により、カーカスコードに充分な張力を付与することができること;及び
・前記デッキ外周面21Sが、仕上がり状態のブレーカ内周面7Sに近似した凸円弧状プロファイルを有するため、前記トレッドリング15を仕上がり状態に近いプロファイルに変形しながら本体カバー9と貼着できること;
により、ブレーカ下でのカーカスコードの蛇行を確実に抑制することができる。しかも貼着時、ブレーカ下のカーカスコードに、仕上がり状態に近い張力を付与しうるため、加硫成形の際のカーカスコードテンションをより均一化でき、しかも加硫成形の際のカーカスの動きをより抑制しうる。従って、仕上がりタイヤにおける操縦安定性、乗り心地性等のタイヤ性能、およびユニフォミティーを向上しうる。
【0041】
又従来においては、ステッチャを用いてトレッドリング15の両端部を半径方向内側に巻き下ろして本体カバー9に貼り付けるため、巻き下ろし部分に皺などが生じ、かつブレーカ端にコード配列の乱れが発生している。しかし、本発明では、本体カバー9がプロフアイルデッキ21によって前記押上げ形状に強固に保持されているため、トレッドリング両端部の巻き下ろし量を大幅に減じることができ、皺やコード配列の乱れを抑制し、ユニフォミティー等をいっそう向上させることができる。
【0042】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、例えばシングルステージ成形方法に準じ、本体カバー9をフォーマ10から移し換えることなく、プロフアイルデッキ21の周囲に本体カバー9を直接形成する如く構成しうるなど、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0043】
【実施例】
本発明の製造方法に基づき、タイヤサイズが225/60R16の乗用車用タイヤを、表1の仕様で試作するとともに、各試供タイヤの操縦安定性、乗り心地性、ロードノイズ性、及びユニフォミティー(RFV)等を測定し、本体カバーを高圧空気によって膨出させた従来例と比較した。なおタイヤは、本体カバーの膨出方法以外、同条件で形成している。
【0044】
(1)操縦安定性及び乗り心地性;
試供タイヤを、リム(16×6.5)、内圧(200kPa)の基で車両(2500cc)の全輪に装着し、ドライアスファルトのテストコースを走行するとともに、そのときの操縦安定性、及び乗り心地性を、ドライバーの官能評価により従来例を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
【0045】
(2)ロードノイズ性;
前記車両を用い、スムース路面を速度50km/hにて走行させ、運転席にてオーバーオールの騒音レベルdB(A)を測定し、従来例を100とする指数で表示している。指数の大きい方が良好である。
【0046】
(3)ユニフォミティー(RFV);
ユニフォミティー試験機を用い、夫々100本のタイヤについてRFVを測定し、その平均値で評価した。
【0047】
(4)タイヤの仕上がり状態;
加硫前のタイヤを解体し、ブレーカ下でのカーカスコードの蛇行の有無、及びブレーカ端でのブレーカコードの配列乱れの有無を観察した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、高圧空気に代えてプロフアイルデッキの拡径によってカーカスを膨出せしめ、トレッドリングの内周面にカーカスを押し付けて貼着しているため、ブレーカ下でのカーカスコードの蛇行を抑制できる。その結果、加硫成形の際のカーカスの動きを抑えるとともにコードテンションの均一化を図ることができ、操縦安定性、乗り心地性、およびユニフォミティー等を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤの製造方法によって形成された空気入りタイヤの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の製造方法の一実施例を概念的に示す線図である。
【図3】本体カバー形成工程を説明する線図である。
【図4】タイヤの製造装置の構造の一例を説明する断面図である。
【図5】クランプリングを拡大して示す断面図である。
【図6】プロファイルデッキの拡径及び縮径の状態を示す周方向断面図である。
【図7】プロファイルデッキの輪郭形状を示す子午断面図である。
【図8】従来技術を説明する線図である。
【符号の説明】
2G トレッドゴム
5 ビードコア
6A カーカスプライ
7 ブレーカ
9 本体カバー
15 トレッドリング
20 クランプリング
21 プロフアイルデッキ
22 膨出貼着手段
Claims (1)
- 一対のビードコアで両側が係止されたカーカスプライを含む筒状の本体カバーを、拡縮径可能なプロフアイルデッキの周囲に配するとともに、
該本体カバーの前記ビードコアを、軸方向に近づけ可能な一対のクランプリングによってクランプし、
かつ前記クランプリングの近づき移動に伴い、前記プロファイルデッキが拡径することにより前記本体カバーを該プロフアイルデッキに沿う形状で押上げてビードコア間で膨出させ、
ブレーカとトレッドゴムとを含むトレッド部材からなる環状のトレッドリングの半径方向内周面に、前記プロフアイルデッキによる押上げ形状の本体カバーの外周面を貼着するとともに、
前記プロフアイルデッキは、軸方向と直角な向きの断面において、周方向の両側面が半径方向内方に向かって漸近する先細状の第1のセグメントと、その逆に両側面が半径方向外方に向かって漸近する第2のセグメントとを交互に組み合わせて形成され、かつこの第1のセグメントと、第2のセグメントとは、拡径状態において、その半径方向外周面が、真円状に形成されるとともに、拡径状態におけるプロファイルデッキのタイヤ赤道上での直径D1は、仕上がり状態におけるブレーカ内周面の直径D2から、本体カバーの厚さを減じた値に準じるとともに、
タイヤ軸を含む子午断面において、前記プロファイルデッキの半径方向外周面は、その曲率半径R1と、前記トレッドリングのブレーカの半径方向内周面の仕上がり曲率半径R2との差を200mm以下とし、かつそのタイヤ軸方向の巾W1を前記ブレーカの半径方向内周面のタイヤ軸方向の巾W2よりも10〜50mmの範囲で大としたことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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