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JP4259401B2 - 音声処理装置及び音声符号化方法 - Google Patents

音声処理装置及び音声符号化方法 Download PDF

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JP4259401B2 JP2004164511A JP2004164511A JP4259401B2 JP 4259401 B2 JP4259401 B2 JP 4259401B2 JP 2004164511 A JP2004164511 A JP 2004164511A JP 2004164511 A JP2004164511 A JP 2004164511A JP 4259401 B2 JP4259401 B2 JP 4259401B2
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Description

本発明は、音声処理装置及び音声符号化方法に関する。
音声信号に、周波数変換、ベクトル量子化及びエントロピー符号化を施して、特定の周波数成分を削除することにより、音声信号は効率良く圧縮される。特定の周波数成分を削除する処理では、エントロピー符号化後のデータ量を目標データ量以下に抑えるために、エネルギーが最も小さい周波数成分から音声信号が削除される(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−166797号公報
しかしながら、エネルギーの小さい周波数成分から音声信号を削除することによって音声信号のデータ量を小さくする方法では、目標データ量がある程度低く設定されていると、雑音が残ってしまうことがあった。
本発明の課題は、音声信号の符号化(圧縮)処理において、他の周波数成分から孤立して存在する周波数成分を削除することにより、雑音を軽減させることである。
本発明に係る音声処理装置は、入力された音声信号をフレームに分割するフレーム化部と、前記フレーム化部により得られたフレーム毎に、フレームに含まれる音声信号の振幅の最大値に基づいて音声信号のレベルを調整するレベル調整部と、前記レベル調整部によりレベルが調整された音声信号に対し、周波数変換を施す周波数変換部と、前記周波数変換により得られた音声信号に対し、ベクトル量子化を施すベクトル量子化部と、前記ベクトル量子化により得られた音声信号に対し、エントロピー符号化を施すエントロピー符号化部と、前記エントロピー符号化部により得られた音声信号のデータ量が、予め設定された目標データ量より大きいか否かを判定する判定部と、前記判定部により、前記エントロピー符号化部により得られた音声信号のデータ量が前記目標データ量より大きいと判定された場合、前記ベクトル量子化された音声信号の中から、エネルギーが最小の帯域の周波数成分を削除する第1の削除処理と、周波数軸上で隣り合う周波数成分が0で、かつ振幅値の絶対値が所定値より大きい周波数成分を削除する第2の削除処理を行うデータ削除部と、前記データ削除部でデータ削除された音声信号について再度エントロピー符号化し、符号化された音声信号のデータ量が前記目標データ量に収まるまで前記削除処理と符号化処理を行わせるコントロール部と、を備えることを特徴としている。
また、前記データ削除部の第2の削除処理において、前記所定値は全周波数成分の振幅値の最大値から算出される値であることが好ましい。
また、前記データ削除部は、前記周波数変換部により得られた音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値より大きいか否かを判定し、当該音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値以下であると判定された場合に、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する高周波成分を削除するとともに、前記第2の削除処理を実行することが好ましい。
本発明に係る音声処理装置は、入力された音声信号をフレームに分割するフレーム化部と、前記フレーム化部により得られたフレーム毎に、フレームに含まれる音声信号の振幅の最大値に基づいて音声信号のレベルを調整するレベル調整部と、前記レベル調整部によりレベルが調整された音声信号に対し、周波数変換を施す周波数変換部と、前記周波数変換により得られた音声信号に対し、ベクトル量子化を施すベクトル量子化部と、前記ベクトル量子化により得られた音声信号に対し、エントロピー符号化を施すエントロピー符号化部と、前記エントロピー符号化部により得られた音声信号のデータ量が、予め設定された目標データ量より大きいか否かを判定する判定部と、前記判定部により、前記エントロピー符号化部により得られた音声信号のデータ量が前記目標データ量より大きいと判定された場合、前記ベクトル量子化された音声信号の中から、エネルギーが最小の帯域の周波数成分を削除する第1の削除処理と、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除する第2の削除処理を行うデータ削除部と、前記データ削除部でデータ削除された音声信号について再度エントロピー符号化し、符号化された音声信号のデータ量が前記目標データ量に収まるまで前記削除処理と符号化処理を行わせるコントロール部と、を備えることを特徴としている。
また、前記データ削除部は、前記周波数変換部により得られた音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値より大きいか否かを判定し、当該音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値以下であると判定された場合に、当該高周波成分の中から、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除することが好ましい。
更に、前記データ削除部は、前記周波数変換部により得られた音声信号における各周波数成分の対数を演算し、高周波成分における対数の和と、低周波成分における対数の和を比較することによって、当該音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値より大きいか否かを判定することが好ましい。
また、前記データ削除部は、前記レベル調整部によりレベルが調整された音声信号を、高域通過フィルタと低域通過フィルタにより高周波成分と低周波成分に分離し、当該高域通過フィルタと低域通過フィルタにより得られた高周波成分の値が低周波成分の値より大きいか否かを判定することが好ましい。
本発明に係る音声符号化方法は、入力された音声信号をフレームに分割し、フレーム毎に、フレームに含まれる音声信号の振幅の最大値に基づいて音声信号のレベルを調整し、レベルが調整された音声信号に対し、周波数変換を施し、前記周波数変換により得られた音声信号に対し、ベクトル量子化を施し、前記ベクトル量子化により得られた音声信号に対し、エントロピー符号化を施し、前記エントロピー符号化により得られた音声信号のデータ量が、予め設定された目標データ量より大きいか否かを判定し、前記エントロピー符号化により得られた音声信号のデータ量が前記目標データ量より大きいと判定された場合、前記ベクトル量子化された音声信号の中から、エネルギーが最小の帯域の周波数成分を削除し、周波数軸上で隣り合う周波数成分が0で、かつ振幅値の絶対値が所定値より大きい周波数成分を削除し、前記データ削除された音声信号について再度エントロピー符号化し、符号化された音声信号のデータ量が前記目標データ量に収まるまで前記削除処理と符号化処理を行わせることを特徴としている。
本発明に係る音声符号化方法は、入力された音声信号をフレームに分割し、フレーム毎に、フレームに含まれる音声信号の振幅の最大値に基づいて音声信号のレベルを調整し、レベルが調整された音声信号に対し、周波数変換を施し、前記周波数変換により得られた音声信号に対し、ベクトル量子化を施し、前記ベクトル量子化により得られた音声信号に対し、エントロピー符号化を施し、前記エントロピー符号化により得られた音声信号のデータ量が、予め設定された目標データ量より大きいか否かを判定し、前記エントロピー符号化により得られた音声信号のデータ量が前記目標データ量より大きいと判定された場合、前記ベクトル量子化された音声信号の中から、エネルギーが最小の帯域の周波数成分を削除し、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除し、前記データ削除された音声信号について再度エントロピー符号化し、符号化された音声信号のデータ量が前記目標データ量に収まるまで前記削除処理と符号化処理を行わせることを特徴としている。
本発明によれば、エントロピー符号化後のデータ量を目標データ量以下に抑えるために、エネルギーの小さい周波数成分を音声信号から削除するようにした音声符号化を行う場合に、周波数軸上で隣り合う周波数成分が0でかつ振幅値の絶対値が所定値より大きい周波数成分を削除することで、雑音を軽減させることができる。
また、本発明によれば、エントロピー符号化後のデータ量を目標データ量以下に抑えるために、エネルギーの小さい周波数成分を音声信号から削除するようにした音声符号化を行う場合に、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除することにより、雑音を軽減させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず、本実施形態における構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態の音声処理装置100の構成を示すブロック図である。音声処理装置100は、図1に示すように、A/D変換部1、DC(Direct Current)除去部2、フレーム化部3、レベル調整部4、周波数変換部5、周波数並べ替え部6、ベクトル量子化部7、エントロピー符号化部8、レートコントローラ9、データ削除部10により構成される。
A/D変換部1は、入力された音声アナログ信号をデジタル信号に変換し、DC除去部2に出力する。サンプリング周波数は、16kHz程度が望ましいが、11.025kHz、22.05kHz等でもかまわない。
DC除去部2は、A/D変換部1から入力された音声信号の直流成分を除去し、フレーム化部3に出力する。音声信号の直流成分を除去するのは、直流成分が音質にほとんど無関係であることによる。直流成分の除去は、例えば、高域通過フィルタによって実現することができる。高域通過フィルタには、例えば、式(1)で表されるものがある。
Figure 0004259401
フレーム化部3は、DC除去部2から入力された信号を、圧縮の処理単位であるフレームに分割し、レベル調整部4に出力する。ここで、1つのフレームには、1つ以上、好ましくは4つ以上のブロックが含まれる長さにする。1ブロックは、1回のMDCT(Modified Discrete Cosine Transform:変形離散コサイン変換)を行う単位であり、MDCTの次数分の長さを有する。以下、1フレームを構成する各ブロックをMDCTブロックと呼ぶことにする。図2に、入力信号と各フレームとの関係を示し、図3に、1フレームと各MDCTブロックとの関係を示す。図3に示すように、各MDCTブロックは直前のMDCTブロックと、MDCTブロックの半分の長さの重複部分を有する。また、図2に示すように、各フレームは、直前のフレームと、MDCTブロックの半分の長さの重複部分を有する。
レベル調整部4は、フレーム毎に、入力された音声信号のレベル調整を行い、レベル調整された信号を周波数変換部5に出力する。レベル調整とは、1フレーム中に含まれる信号の振幅の最大値を、指定されたビット(以下、制圧目標ビット)数に収まるようにすることである。レベル調整は、例えば、1フレーム中の信号の最大振幅をnbit、制圧目標ビット数をNとすると、フレーム中の信号を全て、式(2)を満たすshift_bit数分LSB(Least Significant Bit:最下位ビット)側にシフトすることによって実現できる。
Figure 0004259401
音声再生時には、振幅が制圧目標ビット以下に制圧された信号を元に戻す必要があるため、shift_bitを表す信号を、音声圧縮信号の一部として出力する。
周波数変換部5は、レベル調整部4から入力された信号に対し周波数変換を施し、周波数並べ替え部6に出力する。本実施形態では、周波数変換としてMDCT(Modified Discrete Cosine Transform:変形離散コサイン変換)を用いる場合を示す。MDCTブロックの長さをM、入力信号を{xn|n=0,…,M-1}とすると、MDCT係数{Xk|n=0,…,M-1}は式(3)で表される。
Figure 0004259401
ここで、hnは窓関数であり、式(4)で表される。
Figure 0004259401
なお、ブロック長Mは、16kHz程度のサンプリング周波数の音声では、256程度の値が考えられる。
周波数並べ替え部6は、周波数変換部5から入力されたMDCT係数を周波数毎に並べ替え、同一周波数帯域の係数をまとめてベクトル化し、ベクトル量子化部7に出力する。このように、同一周波数帯域の信号をまとめてベクトル化すると、例えば、定常信号を多く含む場合、後のベクトル量子化の精度が向上する。1フレームにMDCTブロックがm個あり、各MDCTでMDCT係数がM/2個算出された場合、i番目のMDCTブロックのj番目のMDCT係数をXijとすると、j番目の周波数帯域をまとめたベクトルFjは、Fj={Xij|i=0,…,m-1},j=0,…,M/2-1となる。
ベクトル量子化部7は、複数の音声パターンを示す代表ベクトルを格納したVQ(Vector Quantization)テーブルを有し、周波数並べ替え部6で作成されたベクトルFjと、VQテーブルに格納された各代表ベクトルを比較し、最も類似した代表ベクトルが示すインデックスを符号としてエントロピー符号化部8に出力する。
例えば、ベクトル長Nの符号化対象のベクトルを{sj|j=1,…,N}、VQテーブルに格納されたk個の代表ベクトルを{Vi|i=1,…,k}、Vi={vij|j=1,…,N}とすると、符号化対象のベクトルと、VQテーブルに格納されたi番目の代表ベクトルの各要素vijの誤差eiが最小となるようなi(インデックス)を、出力する符号とする。誤差eiの算出式を式(5)に示す。
Figure 0004259401
代表ベクトルの数kとベクトル長Nは、ベクトル量子化に要する処理時間やVQテーブルの容量等を勘案して決定される。例えば、ベクトル長を2にして代表ベクトル数を256にしたり、ベクトル長を4にして代表ベクトル数を8192(=213)にしたりするなど、自由な組み合わせが考えられる。
音声は、高域周波数部分と低域周波数部分で異なる特性がある場合が多いため、本実施形態では、高域と低域で異なるVQテーブルを用いることにする。高域用の代表ベクトルが格納されたVQテーブルを高域用VQテーブル7a、低域用の代表ベクトルが格納されたVQテーブルを低域用VQテーブル7bとする。周波数並べ替え部6で作成されたベクトルFj={Xij|i=0,…,m-1},j=0,…,M/2-1において、高域と低域の境界は、周波数帯域を示すjを単純に半分に分ければよい。即ち、F0,F1,…,FM/4-1を低域、FM/4,FM/4+1,…,FM/2-1を高域とすればよい。従って、低域のベクトルF0,F1,…,FM/4-1は、低域用VQテーブル7bに格納された各代表ベクトルと比較され、最も類似した代表ベクトルが示すインデックスが符号として出力される。同様に、高域のベクトルFM/4,FM/4+1,…,FM/2-1は、高域用VQテーブル7aに格納された各代表ベクトルと比較され、最も類似した代表ベクトルが示すインデックスが符号として出力される。
エントロピー符号化部8は、ベクトル量子化部7から入力された符号に対してエントロピー符号化を施し、レートコントローラ9に出力する。エントロピー符号化とは、信号の統計的性質を利用して、符号をより短い符号へと変換する符号化方式であり、ハフマン(Huffman)符号化、算術符号化、レンジコーダ(Range Coder)による符号化等がある。エントロピー符号化の詳細については、後に図4〜図8を参照して説明する。
レートコントローラ9は、エントロピー符号化で得られた符号のデータ量が、予め設定された目標データ量より大きいか否かを判定し、エントロピー符号化で得られた符号のデータ量が目標データ量より大きいと判定した場合、データ削除部10に対し、符号のデータ量の抑制を要求する。エントロピー符号化で得られた符号のデータ量が目標データ量以下であると判定した場合は、レートコントローラ9は、エントロピー符号化で得られた符号を音声圧縮信号として出力する。レートコントローラ9から出力された音声圧縮信号は、記録媒体に記録されたり、通信ネットワークを介して外部装置に伝送されたりする。
データ削除部10は、レートコントローラ9により、エントロピー符号化で得られた符号のデータ量が目標データ量より大きいと判定された場合、エネルギー|Fj2が最小の帯域を削除するとともに、周波数軸上で隣り合う周波数成分との振幅値の差の絶対値が所定値より大きい周波数成分を削除し、また、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除する帯域データ削除処理を実行する(図10〜図12参照)。周波数軸上で隣り合う周波数成分との振幅値の差の絶対値が所定値より大きい周波数成分とは、周波数成分の振幅値の絶対値が所定値以上であり、かつ周波数軸上で隣り合う周波数成分の値が0である帯域の周波数成分を示す。そして、データ削除部10は、帯域データ削除処理後の音声信号をエントロピー符号化部8に出力し、再度、エントロピー符号化を要求する。帯域データ削除処理については、後に図10〜図12を参照して詳細に説明する。
〈エントロピー符号化〉
以下では、本実施形態で適用されるエントロピー符号化の例として、ハフマン符号化、レンジコーダによる符号化について説明する。
(ハフマン符号化)
ハフマン符号化とは、出現頻度の高い記号には短い符号を割り当て、出現頻度の低い記号には長い符号を割り当てることで、全体のデータ量を圧縮する方式である。例えば、4つの記号{a、b、c、d}からなる100文字のデータがあったとする。全ての記号に同じ長さの2進数の符号(固定長符号)を割り当てる場合、4つの記号を表すには2ビットが必要であるため、100文字のデータ量は、2[bit]×100=200[bit]となる。
ハフマン符号化では、各記号の出現頻度に応じて2進数の符号が割り当てられる。図4に、100文字のデータ中の各記号a、b、c、dの出現頻度が、それぞれ、10、70、1、19である場合に各記号に割り当てられた2進数の符号の例を示す。図4に示すように、記号a、b、c、dに、それぞれ、符号100、0、101、11が割り当てられた場合、100文字のデータ量は、3[bit]×10+1[bit]×70+3[bit]×1+2[bit]×19=141[bit]となり、データ量は、固定長符号のデータ量の70%に圧縮される。
(レンジコーダによる符号化)
符号化前の元信号に含まれる記号の集合をS={si|i=1,…,n}とし、各記号siの出現確率をpiとする。また、元信号に含まれる各記号siを予め決められた順番に並べ替えた記号列{s1、s2、…、sn}において、記号sk(k≧2)より前に並んでいる各記号の出現確率の合計をGkとする。即ち、Gkは、式(6)のように表される。
Figure 0004259401
レンジコーダによる符号化では、記号毎に出現確率piとGiを対応付けて格納したテーブル(以下、生起確率テーブルという。)に基づいて、入力済みの信号が示す記号列に、数値で示す範囲(下限、幅)を設定する処理を行う。入力済みの信号に設定される範囲(下限、幅)は、直前に入力された信号に設定された範囲と生起確率テーブルに基づいて決定される。
符号化対象の信号skが入力されたときに設定される幅をrange'、下限をlow'とし、その信号skの1つ前の信号が入力されたときに設定された幅をrange、下限をlowとすると、幅range'、下限low'は、それぞれ、式(7)、式(8)のように表される。
range'=range×pk (7)
low'=low+range×Gk (8)
式(7)及び式(8)で算出されたrange'、low'が、次の信号が入力されたときのrange、lowとなる。
式(7)及び式(8)で示す算出処理は、入力信号がなくなるまで行われ、最後の信号が入力されたときに算出されたrange、lowに基づいて決定される範囲low〜low+rangeの間の値が符号値として出力される。
図5に、レンジコーダ符号化の例を示す。図5(a)に、元信号に含まれる記号の集合がS={s1=a、s2=b、s3=c、s4=d}であるときの生起確率テーブルの一例を示す。また、図5(b)に、記号列{baca}に対する符号化の一例を示す。図5(b)では、記号列を示す符号を10進数とし、lowの初期値を0、rangeの初期値を106とした場合を示している。図5(b)において、「入力信号」項目は、入力された記号を示し、「記号列」項目は、これまでに入力された記号列を示し、「low」項目は、式(8)により算出されるlow'を示し、「range」項目は、式(7)により算出されるrange'を示す。また、「範囲」項目は、low及びrangeから決定される符号値の範囲を示す。図5(b)において、[x、y)という表記は、符号値Zがx≦Z<yを満たすことを意味する。図5(b)によると、593750≦Z<603125を満たす符号値Zのうちの1つ(例えば、600000)が、記号列{baca}を符号化した結果として出力されることになる。
このように、レンジコーダによる符号化では、予め決められた出現確率を利用して入力される各記号を符号化しているため、元信号に含まれる各記号の出現確率が固定された情報源からの発生であれば非常に有効である。しかしながら、符号化対象となる信号が、出現確率が一定の情報源から発生されていることは極めてまれである。よって、上述のレンジコーダによる符号化では、各記号の出現確率が符号化対象となる信号に適応していない。そこで、本実施形態では、レンジコーダ符号化において、信号が入力される度に出現確率を更新させるようにすることによって、実際の信号に適応可能にした。以下、本実施形態のレンジコーダによる符号化について説明する。
上述と同様に、符号化前の元信号に含まれる記号の集合をS={si|i=1,…,n}とする。元信号に含まれる記号siの出現頻度をgi、出現頻度giの合計をcum、各記号siの出現確率をpiとすると、cum、piは、それぞれ、式(9)、式(10)のように表される。
Figure 0004259401
Figure 0004259401
エントロピー符号化部8は、入力された信号に幅range及び下限lowを設定するためのテーブルとして、図6に示すような生起確率テーブル81を有する。生起確率テーブル81は、図6に示すように、各記号毎に、出現頻度gi、出現確率pi、Giの各項目を対応付けて格納している。Giの定義は、式(6)で示したとおりである。
エントロピー符号化部8に符号化対象の信号skが入力されたときに設定される幅をrange'、下限をlow'とし、その信号skの1つ前の信号が入力されたときに設定された幅をrange、下限をlowとすると、幅range'、下限low'は、それぞれ、式(11)、式(12)のように表される。
Figure 0004259401
Figure 0004259401
式(11)及び式(12)で算出されたrange'、low'が、次の信号が入力されたときのrange、lowとなる。
信号skの入力によりrange、lowが算出されると、エントロピー符号化部8は、式(12−1)に示すように、出現確率gkに1を加算し、算出された出現確率gk'を新たなgkとする。
k'=gk+1 (12−1)
エントロピー符号化部8は、出現確率gkの加算に伴い、cum、出現確率pi、Giを再計算し、生起確率テーブル81を更新する。エントロピー符号化部8は、これらの処理を、入力信号がなくなるまで行い、最後の信号が入力されたときに算出されたrange、lowに基づいて決定される範囲low〜low+rangeの間の値を符号値として出力する。
図7及び図8に、本実施形態のレンジコーダ符号化の例を示す。図7(a)に、元信号に含まれる記号の集合がS={s1=a、s2=b、s3=c、s4=d}であるときのデフォルトの生起確率テーブル81の一例を示す。図7(a)に示すデフォルトの生起確率テーブル81のpi及びGiは、図5(a)に示す生起確率テーブルと同一であるものとする。また、図7(b)には、図5(b)に示した記号列と同一の記号列{baca}に対する符号化の一例を示す。図7(b)においても、記号列を示す符号を10進数とし、lowの初期値を0、rangeの初期値を106とする。図7(b)において、「入力信号」項目は、入力された記号を示し、「記号列」項目は、これまでに入力された記号列を示し、「low」項目は、式(12)により算出されるlow'を示し、「range」項目は、式(11)により算出されるrange'を示す。また、「範囲」項目は、low及びrangeから決定される符号値の範囲を示す。また、「生起確率テーブル」項目は、記号の入力毎に更新された生起確率テーブルを示す。図8に、記号の入力毎に更新された生起確率テーブルを示す。図7(b)によると、記号の入力毎に生起確率テーブルを更新することで、記号列{baca}が示す「範囲」は、図5(b)に示した生起確率テーブルが固定された場合と異なり、591992≦Z<599757を満たす符号値Zのうちの1つが、記号列{baca}を符号化した結果として出力されることになる。
次に、本実施形態における動作について説明する。
まず、図9のフローチャートを参照して、音声処理装置100において実行される音声圧縮処理について説明する。
まず、音声アナログ信号が入力されると、A/D変換部1において、入力された音声アナログ信号が音声デジタル信号に変換される(ステップS1)。以下、符号化対象の音声デジタル信号を単に音声信号を呼ぶことにする。次いで、DC除去部2において、音声信号の直流成分が削除され(ステップS2)、フレーム化部3において、直流成分削除後の音声信号がフレームに分割される(ステップS3)。
次いで、レベル調整部4において、フレーム毎に、入力された音声信号のレベルが調整され(ステップS4)、周波数変換部5において、レベル調整後の音声信号に対し、MDCTが施される(ステップS5)。次いで、周波数並べ替え部6において、MDCT係数が周波数毎に並べ替えられ(ステップS6)、同一周波数帯域の係数がまとめてベクトル化される。
次いで、ベクトル量子化部7において、高域のMDCT係数のベクトルと高域用VQテーブル7aに格納された代表ベクトルが比較されるとともに、低域のMDCT係数のベクトルと低域用VQテーブル7bに格納された代表ベクトルが比較され、最も類似した代表ベクトルが示すインデックスが符号として出力される(ステップS7)。
次いで、ベクトル量子化後の音声信号に対し、フレーム毎にエントロピー符号化が施され(ステップS8)、エントロピー符号化後の信号が音声圧縮信号としてレートコントローラ9に出力される。次いで、レートコントローラ9において、エントロピー符号化部8から入力された1フレーム分の音声圧縮信号が予め設定された目標データ量以下であるか否かが判定される(ステップS9)。
ステップS9において、入力された音声圧縮信号が目標データ量より大きいと判定された場合(ステップS9;NO)、データ削除部10において、帯域データ削除処理が行われ(ステップS11)、再度、該当するフレームに対するエントロピー符号化が行われる(ステップS8)。ステップS11の帯域データ削除処理については、後に図10を参照して詳細に説明する。
ステップS9において、入力された音声圧縮信号が目標データ量以下であると判定された場合(ステップS9;YES)、エントロピー符号化部8に次のフレームの音声信号が入力されたか否かが判定される(ステップS10)。ステップS10において、エントロピー符号化部8に次のフレームの音声信号が入力されたと判定された場合(ステップS10;YES)、再度、そのフレームに対するエントロピー符号化が行われる(ステップS8)。ステップS10において、エントロピー符号化部8に入力された全てのフレームに対するエントロピー符号化が終了したと判定された場合(ステップS10;NO)、本音声圧縮処理が終了する。
次に、図10のフローチャートを参照して、図9のステップS11に示した帯域データ削除処理について説明する。
まず、ステップS7のベクトル量子化により得られた音声信号の中から、エネルギー|Fj2が最小の周波数帯域(周波数成分)が削除される(ステップS20)。次いで、ステップS6で算出された周波数信号の高周波成分の値と低周波成分の値が比較され、処理対象の音声信号が、高周波成分の多い信号(波形)であるか否かが判定される(ステップS21)。
ステップS21における低周波成分と高周波成分との比較は、以下のように、処理対象の音声信号を低周波成分と高周波成分に分け、各々の合計を比較すればよい。処理対象の音声信号がN個の周波数成分[Fi|i=0,…,N-1]に分離されているとすると、低周波成分の合計FL、高周波成分の合計FHは、それぞれ、下記の式(13)、式(14)のように定義される。
Figure 0004259401
H>FLである場合に、高周波成分の多い信号(波形)であると判断される。音の大きさは対数的に感じられるため、式(13)及び式(14)に示すように、周波数成分の対数をとって合計することにより、処理対象の音声信号が高周波成分の多い信号であるか否かを確実に判断することができる。
ステップS21において、処理対象の音声信号が高周波成分の多い信号(波形)であると判定された場合(ステップS21;YES)、孤立周波数成分削除処理が行われ(ステップS23)、本帯域データ削除処理が終了する。ステップS23の孤立周波数成分削除処理については、後に図12を参照して詳細に説明する。
ステップS21において、処理対象の音声信号が高周波成分の少ない信号(波形)であると判定された場合(ステップS21;NO)、高周波成分の信号のうち、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除する高域雑音削除処理が行われる(ステップS22)。ステップS22の高域雑音削除処理については、後に図11を参照して詳細に説明する。高域雑音削除処理が終了すると、高周波成分以外でもクリップ音が入るのを防ぐために、高域雑音削除処理後の音声信号に対し、孤立周波数成分削除処理が行われ(ステップS23)、本帯域データ削除処理が終了する。
なお、式(13)及び式(14)で示した低周波成分と高周波成分との分離は、HPF(High Pass Filter:高域通過フィルタ)及びLPF(Low Pass Filter:低域通過フィルタ)を用いて行うこともできる。この場合、レベル調整部4においてレベル調整された音声信号がデータ削除部10に出力され、データ削除部10において、LPF及びHPFを用いて、音声信号が以下のように低周波成分及び高周波成分に分離される。レベル調整部4から出力された音声信号を{xn|n=0,…,M-1}とすると、低周波成分の合計XL、高周波成分の合計XHは、それぞれ、下記の式(15)、式(16)のように定義される。
Figure 0004259401
H>XLである場合に、高周波成分の多い信号(波形)であると判断される。
次に、図11のフローチャートを参照して、図10のステップS22に示した高域雑音削除処理について詳細に説明する。以下では、音声信号がN個の周波数成分[Fi|i=0,…,N-1]に分離されているものとし、音声信号のサンプリング周波数をfs(Hz)とし、処理対象となる高周数成分の帯域をS(Hz)以上とし、予め設定された周波数間隔をTとする。
まず、周波数成分を指定するためのカウンタ値jがj=S×2N/fsに設定される(ステップS30)。本高域雑音削除処理の対象となる高周波成分は、j番目の周波数成分よりも高域となる。次いで、現在のカウンタ値jがN未満であるか否かが判定される(ステップS31)。ステップS31において、カウンタ値jがN以上であると判定された場合(ステップS31;NO)、本高域雑音削除処理が終了する。
ステップS31において、カウンタ値jがN未満であると判定された場合(ステップS31;YES)、j番目の周波数成分Fjが0であるか否かが判定される(ステップS32)。ステップS32において、j番目の周波数成分Fjが0でないと判定された場合(ステップS32;NO)、カウンタ値jがインクリメントされ(ステップS33)、ステップS31に戻る。
ステップS32において、j番目の周波数成分Fjが0であると判定された場合(ステップS32;YES)、j+1が新たなカウンタ値iとして設定され(ステップS34)、このカウンタ値iがN未満であるか否かが判定される(ステップS35)。
ステップS35において、カウンタ値iがN未満であると判定された場合(ステップS35;YES)、i番目の周波数成分Fiが0であるか否かが判定される(ステップS36)。ステップS36において、i番目の周波数成分Fiが0であると判定された場合(ステップS36;YES)、カウンタ値iがインクリメントされ(ステップS37)、ステップS35に戻り、現在のカウンタ値iがN未満であるか否かが判定される(ステップS35)。
ステップS36において、i番目の周波数成分Fiが0でないと判定された場合(ステップS36;NO)、j+Tがi未満であるか否かが判定される(ステップS38)。ステップS35において、カウンタ値iがN以上であると判定された場合も(ステップS35;NO)、ステップS38に移行し、j+Tがi未満であるか否かが判定される(ステップS38)。
ステップS38において、j+Tがi以上であると判定された場合(ステップS38;NO)、カウンタ値iがカウンタ値jとして設定され(ステップS39)、このカウンタ値jがインクリメントされ(ステップS33)、ステップS31に戻る。ステップS38において、j+Tがi未満であると判定された場合(ステップS38;YES)、j番目からN−1番目の周波数成分が削除され(Fj〜FN-1=0)(ステップS40)、本高域雑音削除処理が終了する。これにより高周波成分の信号のうち、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分が削除されることになる。
次に、図12のフローチャートを参照して、図10のステップS23に示した孤立周波数成分削除処理について詳細に説明する。以下の孤立周波数成分削除処理においても、音声信号の周波数成分の数をNとする。
まず、周波数成分を指定するためのカウンタ値iが1に設定される(ステップS50)。次いで、現在のカウンタ値iがN−1未満であるか否かが判定される(ステップS51)。ステップS51において、カウンタiがN−1以上であると判定された場合(ステップS51;NO)、本孤立周波数成分削除処理が終了する。
ステップS51において、カウンタ値iがN−1未満であると判定された場合(ステップS51;YES)、i番目の周波数成分Fiの前後の周波数成分Fi-1及びFi+1が0で、且つ、i番目の周波数成分Fiの絶対値|Fi|が予め設定された値Pより大きいか否かが判定される(ステップS52)。ここで、予め設定された値Pは、全周波数成分の振幅値の最大値から算出されることが好ましい。全周波数成分の絶対値の最大値maxは、式(17)のように表される。
max=MAX(|Fi|) i=0,…,N-1 (17)
ここで、MAXは最大値をとる関数である。式(17)に示す最大値maxに、予め設定された倍率rを乗算した値をP(P=r・max)として設定することができる。この倍率rは、例えば、0.1の値をとる。
ステップS52において、Fi-1=0、Fi+1=0、|Fi|>Pを満たさない場合(ステップS52;NO)、カウンタ値iがインクリメントされ(ステップS54)、ステップS51に戻る。ステップS52において、Fi-1=0、Fi+1=0、|Fi|>Pを満たす場合(ステップS52;YES)、i番目の周波数成分Fiが0に設定され(ステップS53)、カウンタ値iがインクリメントされ(ステップS54)、ステップS51に戻る。Fi-1=0、Fi+1=0、|Fi|>Pを満たす周波数成分を削除することは、周波数軸上で隣り合う周波数成分との振幅値の差の絶対値が予め設定された値Pより大きい周波数成分を削除することに対応する。
以上のように、本実施形態の音声処理装置100によれば、周波数軸上で隣り合う周波数成分との振幅値の差の絶対値が所定値より大きい周波数成分を削除することで、音声信号に含まれる雑音を軽減させることができる。
また、処理対象の音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値より少ない場合、高周波成分のうち、予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除することにより、音声信号に含まれる雑音を軽減させることができる。
なお、本実施形態における記述内容は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述の実施形態における各計算は、下記のように、複数組のMDCT係数をまとめて処理することが可能である。即ち、K個のMDCTブロックがあり、p番目のMDCTブロックのi番目のMDCT係数をXpiとすると、i番目の周波数成分biは、式(18)のように定義される。
Figure 0004259401
式(18)のbiを、実施形態における周波数成分Fiの代わりに用いることができる。例えば、biが削除対象となった場合は、[Xpi|p=0,…,K-1]が削除される。
本発明の実施形態に係る音声処理装置の構成を示すブロック図。 入力信号のフレーム分割を示す図。 1フレームと各MDCTブロックの関係を示す図。 ハフマン符号の一例を示す図。 従来のレンジコーダによる符号化の一例を示す図。 本実施形態のレンジコーダ符号化に必要な生起確率テーブル81のデータ構成を示す図。 デフォルトの生起確率テーブル81の一例(同図(a))と、符号化の一例(同図(b))を示す図。 生起確率テーブル81の更新例を示す図。 本実施形態の音声処理装置において実行される音声圧縮処理を示すフローチャート。 図9に示された帯域データ削除処理の詳細を示すフローチャート。 図10に示された高域雑音削除処理の詳細を示すフローチャート。 図10に示された孤立周波数成分削除処理の詳細を示すフローチャート。
符号の説明
1 A/D変換部
2 DC除去部
3 フレーム化部
4 レベル調整部
5 周波数変化部
6 周波数並べ替え部
7 ベクトル量子化部
7a 高域用VQテーブル
7b 低域用VQテーブル
8 エントロピー符号化部
81 生起確率テーブル
9 レートコントローラ(判定部)
10 データ削除部
100 音声処理装置

Claims (9)

  1. 入力された音声信号をフレームに分割するフレーム化部と、
    前記フレーム化部により得られたフレーム毎に、フレームに含まれる音声信号の振幅の最大値に基づいて音声信号のレベルを調整するレベル調整部と、
    前記レベル調整部によりレベルが調整された音声信号に対し、周波数変換を施す周波数変換部と、
    前記周波数変換により得られた音声信号に対し、ベクトル量子化を施すベクトル量子化部と、
    前記ベクトル量子化により得られた音声信号に対し、エントロピー符号化を施すエントロピー符号化部と、
    前記エントロピー符号化部により得られた音声信号のデータ量が、予め設定された目標データ量より大きいか否かを判定する判定部と、
    前記判定部により、前記エントロピー符号化部により得られた音声信号のデータ量が前記目標データ量より大きいと判定された場合、前記ベクトル量子化された音声信号の中から、エネルギーが最小の帯域の周波数成分を削除する第1の削除処理と、周波数軸上で隣り合う周波数成分が0で、かつ振幅値の絶対値が所定値より大きい周波数成分を削除する第2の削除処理を行うデータ削除部と、
    前記データ削除部でデータ削除された音声信号について再度エントロピー符号化し、符号化された音声信号のデータ量が前記目標データ量に収まるまで前記削除処理と符号化処理を行わせるコントロール部と、
    を備えることを特徴とする音声処理装置。
  2. 前記データ削除部の第2の削除処理において、前記所定値は全周波数成分の振幅値の最大値から算出される値であることを特徴とする請求項1に記載の音声処理装置。
  3. 前記データ削除部は、前記周波数変換部により得られた音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値より大きいか否かを判定し、当該音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値以下であると判定された場合に、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する高周波成分を削除するとともに、前記第2の削除処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の音声処理装置。
  4. 入力された音声信号をフレームに分割するフレーム化部と、
    前記フレーム化部により得られたフレーム毎に、フレームに含まれる音声信号の振幅の最大値に基づいて音声信号のレベルを調整するレベル調整部と、
    前記レベル調整部によりレベルが調整された音声信号に対し、周波数変換を施す周波数変換部と、
    前記周波数変換により得られた音声信号に対し、ベクトル量子化を施すベクトル量子化部と、
    前記ベクトル量子化により得られた音声信号に対し、エントロピー符号化を施すエントロピー符号化部と、
    前記エントロピー符号化部により得られた音声信号のデータ量が、予め設定された目標データ量より大きいか否かを判定する判定部と、
    前記判定部により、前記エントロピー符号化部により得られた音声信号のデータ量が前記目標データ量より大きいと判定された場合、前記ベクトル量子化された音声信号の中から、エネルギーが最小の帯域の周波数成分を削除する第1の削除処理と、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除する第2の削除処理を行うデータ削除部と、
    前記データ削除部でデータ削除された音声信号について再度エントロピー符号化し、符号化された音声信号のデータ量が前記目標データ量に収まるまで前記削除処理と符号化処理を行わせるコントロール部と、
    を備えることを特徴とする音声処理装置。
  5. 前記データ削除部は、前記周波数変換部により得られた音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値より大きいか否かを判定し、当該音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値以下であると判定された場合に、当該高周波成分の中から、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除することを特徴とする請求項に記載の音声処理装置。
  6. 前記データ削除部は、前記周波数変換部により得られた音声信号における各周波数成分の対数を演算し、高周波成分における対数の和と、低周波成分における対数の和を比較することによって、当該音声信号の高周波成分の値が低周波成分の値より大きいか否かを判定することを特徴とする請求項3又はに記載の音声処理装置。
  7. 前記データ削除部は、前記レベル調整部によりレベルが調整された音声信号を、高域通過フィルタと低域通過フィルタにより高周波成分と低周波成分に分離し、当該高域通過フィルタと低域通過フィルタにより得られた高周波成分の値が低周波成分の値より大きいか否かを判定することを特徴とする請求項3又はに記載の音声処理装置。
  8. 入力された音声信号をフレームに分割し、
    フレーム毎に、フレームに含まれる音声信号の振幅の最大値に基づいて音声信号のレベルを調整し、
    レベルが調整された音声信号に対し、周波数変換を施し、
    前記周波数変換により得られた音声信号に対し、ベクトル量子化を施し、
    前記ベクトル量子化により得られた音声信号に対し、エントロピー符号化を施し、
    前記エントロピー符号化により得られた音声信号のデータ量が、予め設定された目標データ量より大きいか否かを判定し、
    前記エントロピー符号化により得られた音声信号のデータ量が前記目標データ量より大きいと判定された場合、前記ベクトル量子化された音声信号の中から、エネルギーが最小の帯域の周波数成分を削除し、周波数軸上で隣り合う周波数成分が0で、かつ振幅値の絶対値が所定値より大きい周波数成分を削除し、
    前記データ削除された音声信号について再度エントロピー符号化し、符号化された音声信号のデータ量が前記目標データ量に収まるまで前記削除処理と符号化処理を行わせることを特徴とする音声符号化方法。
  9. 入力された音声信号をフレームに分割し、
    フレーム毎に、フレームに含まれる音声信号の振幅の最大値に基づいて音声信号のレベルを調整し、
    レベルが調整された音声信号に対し、周波数変換を施し、
    前記周波数変換により得られた音声信号に対し、ベクトル量子化を施し、
    前記ベクトル量子化により得られた音声信号に対し、エントロピー符号化を施し、
    前記エントロピー符号化により得られた音声信号のデータ量が、予め設定された目標データ量より大きいか否かを判定し、
    前記エントロピー符号化により得られた音声信号のデータ量が前記目標データ量より大きいと判定された場合、前記ベクトル量子化された音声信号の中から、エネルギーが最小の帯域の周波数成分を削除し、周波数軸上で予め設定された周波数間隔以上離れて存在する周波数成分を削除し、
    前記データ削除された音声信号について再度エントロピー符号化し、符号化された音声信号のデータ量が前記目標データ量に収まるまで前記削除処理と符号化処理を行わせることを特徴とする音声符号化方法。
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