JP4256674B2 - セリウムの回収方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本願発明は、クロムおよびセリウムを含有する被処理溶液からのセリウムの回収方法に関し、特に、硝酸第2セリウムアンモニウムと酸とからなるエッチング廃液からセリウムを高収率で回収するセリウムの回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどのフラットパネル・ディスプレイのカラーフィルタ製造には、ブラックマトリックスと呼ばれる金属薄膜の形成(エッチング工程)が必要である。この金属薄膜にはクロムなどの金属が使用されており、そのエッチングにはクロムを溶解することのできるセリウム化合物が用いられる。エッチングに使用後の廃液には、有害な6価クロムが含まれており、これを除去・無害化処理する必要がある。また、セリウムは高価なので、できる限り回収して再利用することがコスト面からも環境面からも望ましい。このエッチング廃液の処理には、エッチング時に溶解するクロムを除去しその後セリウムを回収する手法が一般的である。
【0003】
特許文献1では、クロムおよびセリウムを含有するエッチング廃液の還元に過酸化水素を使用してクロムとセリウムを還元している。
非特許文献1の「4.4(e) 水酸化セリウム(IV)」には、セリウム(IV)塩の溶液をアルカリで処理して塩基性化合物を沈殿させる方法として、過酸化水素の存在下でセリウム(III)Ce3+の塩にアンモニアを加えて沈殿させて、得られた赤褐色の沈殿を煮沸することにより水酸化セリウム(IV)に変えることが記載されている。また、「4.4(f)セリウム化合物の酸化と還元」には、セリウム(IV)塩の還元剤として、過酸化水素やヒドロキシルアミンが記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11-236217号、段落番号0009〜0015。
【非特許文献1】
希土類元素の化学(第1版発行1974年)、4.4 セリウム(IV)イオンの化合物、(株)化学同人。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1のように過酸化水素を還元剤として使用すると、該溶液のpHが高い場合には過酸化水素がクロムに対して還元剤として働かない為にpHを1以下に下げる必要がある。また、過酸化水素をセリウムとクロムの還元当量以上に投入しなければならないうえに、過剰量に投入して該溶液に残存した過酸化水素は、後の工程でpHを上昇させたときに過酸化水素が逆に酸化剤として働くために、セリウムが4価に酸化され回収率が落ちてしまう問題がある。これを防ぐために、過剰量分の過酸化水素については、過酸化水素により還元される物質や処理対象となるエッチング廃液を供給するなどして分解する必要がある。そのため、該溶液の管理やハンドリングなどが複雑となってしまう問題がある。
【0006】
また、クロムを含む沈殿物中にはクロムと共沈したと考えられるセリウムが含まれている。ここに含まれるセリウムをさらに回収するために、沈殿物に対してアルカリ状況下で酸化剤を添加して4価の水酸化セリウムとして回収することを特許文献1は提案している。クロムを含む沈殿物は、アルカリ性の状態で過酸化水素と共存させると、沈殿物中の3価クロムと3価セリウムがそれぞれ6価クロムと4価セリウムに酸化される。このときのpHは10以上であるので、セリウムは供給した過酸化水素との錯体を形成して沈殿し、クロムは6価クロムとして液中に溶解するため、これをろ過分離することによってセリウムを回収する。しかし、セリウムを酸化するpHが10以上と高い状態では、水酸化セリウムではなく酸化セリウムを生成してしまう。
【0007】
酸化セリウム生成により、以降の工程で回収したセリウムを硝酸に溶解する際に長時間を要するだけでなく、酸化セリウムが不溶解物として残存してしまい、ろ過などの除去操作が必要となる問題がある。また、水酸化セリウムをろ過洗浄したろ液と洗浄水中には6価クロムが混入してくる。そのため、大量のクロム排水処理を必要とするために、クロムの無害化処理の設備やその管理など全体の設備を大型化複雑化してしまう問題がある。
【0008】
【目的】
本願発明は、前述のようにセリウムとクロムを含有するエッチング廃液の処理において、高価なセリウムを高純度で回収できる方法を提供するものであり、含有するクロムを効率よく除去しセリウムを高収率で回収することで、廃棄物削減による環境負荷軽減を伴うエッチング廃液からのセリウムの回収方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明に係るセリウムの回収方法は以下のように構成される。すなわち、請求項1ではクロムおよびセリウムを含有する被処理溶液に、酸化還元電位が0〜800mVの範囲となるように還元剤として亜硝酸塩を添加する還元工程と、還元工程後の溶液にアルカリを供給してクロムをクロム沈殿物として沈殿させることでセリウム回収溶液を分離するクロム除去工程と、からなることを特徴とする。請求項2では、請求項1におけるクロム除去工程後の溶液に酸化剤とアルカリを供給して、pHが9以下のアルカリ状況下におけるセリウムの酸化により、水酸化第2セリウムとして回収するセリウム酸化工程を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3では、請求項1から2におけるクロム除去工程で分離したクロム沈殿物を酸で溶解した後、アルカリを供給してクロム再沈殿物として沈殿させることで、クロム沈殿物からセリウムを分離してセリウム再回収溶液を得るセリウム再回収工程を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4では、請求項3におけるセリウム再回収工程で分離したセリウム再回収溶液を、被処理溶液、又は還元工程後の溶液のいずれかの溶液へ戻すことを特徴とする。
【0012】
以下、本願発明のセリウムの回収方法について詳細に説明する。
[還元工程]
本願発明者らは上記問題点に着目し、これらを解決すべく鋭意研究の結果、廃液中のクロムを除去する際に、還元剤として亜硝酸塩を用いることでクロムとセリウムを効率的に分離できることを見出した。
すなわち、特許文献1等のように過酸化水素を還元剤として使用すると、クロムとセリウムを含む被処理溶液のpHが高い場合には、過酸化水素がクロムに対して還元剤として働かない為にpHを1以下に下げる必要がある。また、過酸化水素をセリウムとクロムの還元当量以上に投入しなければならないうえに、過剰量を投入して該溶液に残存した過酸化水素は、後の工程でpHを上昇させたときに過酸化水素が逆に酸化剤として働くために、セリウムが4価に酸化されてクロムとセリウムの共沈を生じセリウム回収率が落ちてしまう問題がある。これを防ぐために、過剰量分の過酸化水素については、過酸化水素により還元される物質や処理対象となるエッチング廃液を供給するなどして分解する必要がある。
【0013】
本願発明における還元剤として用いる亜硝酸塩としてはナトリウムやカリウムの塩が好適である。亜硝酸ナトリウムの場合、溶液中でナトリウムイオンと亜硝酸イオンに電離する。
ナトリウムイオンは後のクロム除去工程やセリウム再回収工程でアルカリを添加するため、系を汚染する要因とはならない利点がある。
亜硝酸イオンについては、後の酸化工程で酸化され硝酸イオンとなることに加え、エッチング液の製造には、後述するセリウム酸化工程で得られた水酸化第2セリウムを硝酸に溶解し、アンモニア源を添加して複塩化・濃縮工程を経て硝酸第2セリウムアンモニウムとして回収するため、系を汚染する要因とはならない利点がある。
亜硝酸ナトリウムは通常結晶であるが、還元反応に用いる場合は、結晶のままエッチング廃液に投入する方法、亜硝酸ナトリウム水溶液として投入する方法のどちらでもよい。これらの上記説明は、亜硝酸カリウムについても同様である。
【0014】
還元工程では、後のクロム除去工程で、できるだけクロムを高効率で除去するために、酸化還元電位による還元反応の制御を行うことを特徴とする。具体的には、酸化還元電位計等の測定機器を用いてエッチング廃液の酸化還元電位を測定しながら還元工程を進めていく。クロムは酸化還元電位とpHの状態により、そのイオン種の状態が変化する事が知られている。本願発明者らは、それらのデータをエッチング廃液に適用し、クロムが効果的に除去できる範囲の調査研究をおこなった。その結果、還元工程時の該溶液の酸化還元電位が、-800〜800mVの範囲のときに6価クロムが3価クロムに確実に還元されることを見出した。よって、この還元工程での酸化還元電位は、好ましくは800mV以下、より好ましくは0〜800mVの範囲であることがよい。
【0015】
[クロム除去工程]
上記の還元工程後、該溶液にアルカリを加えて還元したクロムをクロム沈殿物として沈殿させてセリウム回収液を分離するクロム除去工程を行う。この工程でクロムをできる限り沈殿除去することによって、以降の工程でクロム含有廃液の排出がほぼなくなり有害なクロム処理にかかる処理工程の簡素化および設備の簡略化をはかる事ができる。
【0016】
クロム除去工程においては、クロムを沈殿させるpHは2以上、好ましくは5〜7の範囲で行うのがよく、pHをアルカリで調整してクロムをクロム沈殿物として沈殿させた後、ろ過等の手段を用いて分離したろ液であるセリウム回収液を得る。ここで使用するアルカリは、pHを上昇させるためだけの目的で使用するため、アルカリであればどのようなものでもよい。具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等があるが、本願発明で使用するアルカリはこの限りではない。
【0017】
なお、ろ過の不具合等でクロムがセリウム回収液中に含まれる可能性があるため、セリウム回収液中のクロム濃度を監視する必要がある。セリウム回収液中のクロムは、原子吸光光度法やICP発光分析等の方法によって、クロムを分析し監視を行うことができる。
【0018】
[セリウム再回収工程]
クロム除去工程で発生したクロム沈殿物を分析すると、クロムだけではなくセリウムも一部沈殿物中に含まれている事が分かる。そこで、本願発明者らはこのセリウムを再回収するためのセリウム再回収工程として、分離したクロム沈殿物を酸で溶解し適当な濃度に調節した後、再度アルカリを投入してpHを上げてクロム再沈殿物を生成させている。このクロム再沈殿物をろ過分離してセリウム再回収液を得ることで、より高効率なセリウム回収を行うことが可能となる。
【0019】
セリウム再回収工程では、セリウムおよびクロムは3価のままであるので、分離したセリウム再回収液は、エッチング廃液、還元工程後の溶液のいずれかの溶液に戻すことが可能であるが、還元剤供給後の溶液に戻しアルカリ供給によりpHを上昇させてクロム除去工程を再度行うことが好ましい。
セリウム再回収工程の目的は、クロム除去工程におけるクロム沈殿物中に混入するセリウムを少しでも多く再回収し、かつ、クロムを極力除去することである。従って、分離したセリウム再回収液のクロム/セリウム残存比が、セリウム再回収液を戻す溶液のクロム/セリウム残存比よりも大きい場合、クロムが蓄積系となってしまうため、セリウム再回収液のクロム/セリウムの残存比は、セリウム再回収液を戻す溶液のクロム/セリウム残存比以下にすることが望ましい。
【0020】
クロム沈殿物を溶解するのに使用する酸は、硝酸を使う事が好ましい。すなわち、エッチング液の製造には、後述するセリウム酸化工程で得られた水酸化第2セリウムを硝酸に溶解し、アンモニア源を添加して複塩化・濃縮工程を経て硝酸第2セリウムアンモニウムとして回収するため、硝酸が系を汚染する要因とはならないからである。
また、アルカリはpHを上昇させるためだけの目的であるので、アルカリ分であればよく、クロム除去工程で示したアルカリを使用することができる。なお、このセリウム再回収工程は複数回繰り返し行うこともできるし、省略することも可能である。
【0021】
[セリウム酸化工程]
クロム除去工程で分離後のセリウム回収液に過酸化水素を酸化剤として添加して酸化し、アルカリを加えて沈殿させ水酸化第2セリウムを回収する工程をセリウム酸化工程とする。クロム除去工程で分離したセリウム回収液中に回収したセリウムは3価セリウムの状態である。3価セリウムを4価セリウムに酸化するには、アルカリ状況下で酸化剤を添加すればよいから、本願発明ではセリウムを水酸化第2セリウムとして回収することができる。このセリウム酸化工程でのpHは9以下であることが好ましく、pHを9以下で酸化した場合にはセリウムの過酸化水素付加錯体を経て水酸化第2セリウムのみを生成させることができる。一方、セリウムを酸化するpHが10以上と高い状態では、酸化セリウムを生成してしまい、後述するエッチング液再生工程で酸に溶解しないため好ましくない。
【0022】
また、エッチング廃液の組成中にはアンモニア分が存在しており、これまでの工程ではアンモニアを除くことは出来ないため、クロム除去工程で分離したろ液であるセリウム回収液中にはアンモニア分が存在する。しかし、本願発明のセリウム酸化工程におけるpH調整後の液からはアンモニアガスの発生はほとんどなく、作業にガス吸収設備を必要としないことも利点として挙げることができる。なお、水酸化第2セリウムの公知製法としては、過酸化水素存在下で3価セリウムの塩にアンモニアを加えて沈殿させ、それを煮沸することによって水酸化第2セリウムを得る方法がある。
【0023】
[エッチング液再生工程]
セリウム酸化工程で得られた水酸化第2セリウムは、エッチング液の主成分である硝酸第2セリウムアンモニウムの製造原料として利用することができる。 回収した水酸化第2セリウムを硝酸に溶解し、アンモニア源を添加して複塩化・濃縮工程を経て硝酸第2セリウムアンモニウムとして回収すればよい。得られた硝酸第2セリウムアンモニウムは、水に溶解させて濃度調整を行った後、硝酸・過塩素酸等を加えてエッチング液として利用することができ、試薬から製造したエッチング液と同等の性能を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明について具体的な実施例をあげて説明するが、本願発明はここに挙げるものに限定されるものではない。図1は本実施例のセリウム回収方法を示すフロー図である。
【0025】
[実施例]
硝酸第二セリウムアンモニウムを用いたクロムエッチング液によってクロム薄膜をエッチングした廃液を被処理溶液として用いた。
1.還元工程
セリウム濃度35.2g/L、4価セリウム28.2g/L、3価セリウム7.0g/L、6価クロム濃度480mg/Lからなる廃液1リットルに、亜硝酸ナトリウムを添加して酸化還元電位を600mVに制御し、4価セリウムと6価クロムを3価のセリウムと3価のクロムに還元した。
【0026】
2.クロム除去工程
その後、水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを6.0まで上昇させ、水酸化クロムを主とするクロム沈殿物を濾過分離した。ろ液であるセリウム回収液中のセリウム量は32.7g、クロム量は0.5mgであり、このクロム沈殿物は青緑色を呈していた。
【0027】
3.セリウム再回収工程
分離したクロム沈殿物に含まれるセリウムを再回収するため、このクロム沈殿物に硝酸を加えて溶解し、ついで水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを5まで上昇させ再びクロム再沈殿物を得た。これをろ過分離したろ液であるセリウム再回収液中のセリウム量は1.76g、クロム量は19.4mgであった。セリウム再回収液は還元剤供給後の溶液に戻しアルカリ供給によりpHを上昇させてクロム除去工程を再度行った。また、クロム再沈殿物中のセリウムの量は0.74gであった。
【0028】
4.セリウム酸化工程
次に、クロムを除去したセリウム回収液に、過酸化水素を添加してセリウムを酸化し、水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7.8まで上昇させた。その後、加熱撹拌後ろ過洗浄して水酸化セリウム沈殿物を得た。また、このとき溶液からのアンモニア臭はほとんど無かった。
得られた水酸化セリウムの重量は173.5gであり、その含水率は72%であった。
【0029】
5.エッチング液再生工程
この水酸化セリウムから100gを分取し、67.5%硝酸90gに溶解したところ、80℃30分で完全に溶解した。これに硝酸アンモニウム22.6gを添加して複塩化し、濃縮結晶化して乾燥後、硝酸第二セリウムアンモニウム66.4gを得た。得られた硝酸第二セリウムアンモニウムを水に溶解し、硝酸を添加して濃度調整後クロム薄膜をエッチングした結果、その性能は試薬から調合したエッチング液と同等であった。
【0030】
[比較例]
上記実施例と同じ組成のクロムエッチング液の廃液1リットル(4価セリウム28.2g/L、3価セリウム7.0g/L、6価クロム480mg/L、pH=0.2)に、35%過酸化水素12.3gを添加して4価セリウムと6価クロムを還元した。
その後、水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを6.0まで上昇させ、水酸化クロム主体の沈殿物を濾過した。このときのセリウム回収ろ液中のセリウム量は29.2gであったが、クロム量は4mgと多かった。また、このときの沈殿物は茶褐色を呈していた。
【0031】
得られたセリウム回収ろ液に、水酸化ナトリウム及び過酸化水素を添加してpHを12まで上昇させセリウムを酸化した。これをろ過洗浄して水酸化セリウムの沈殿物を回収した。このときのろ液及び洗浄水は黄色を呈しており、分析の結果6価クロムであり、再度6価クロムの無害化処理をする必要があった。
得られた水酸化セリウム(含水率68%)27.8gを67.5%硝酸28gに80℃60分で溶解したところ、完全に溶解しなかった。これをろ過して分離した沈殿物を分析したところ、酸化セリウムであったことから、目的物である水酸化セリウム以外に酸化セリウムが生成したことになる。
【0032】
【発明の効果】
本願発明によれば、クロムエッチング廃液に代表されるクロムとセリウムを含む溶液から高効率でクロムを除去しセリウムを回収することが可能となり、これまで廃棄してきた有価物を回収できるだけでなく、廃棄物量も削減できるから環境問題の解決策として大きく貢献することができる。
さらに、クロムエッチング廃液から高効率で回収したセリウムを用いて、クロムエッチング液を再生できるため資源節約および製造コストダウンにも寄与する等、その産業的効果は極めて顕著なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のセリウム回収方法を示すフロー図である。
Claims (4)
- クロムおよびセリウムを含有する被処理溶液に、酸化還元電位が0〜800mVの範囲となるように還元剤として亜硝酸塩を添加する還元工程と、
還元工程後の溶液にアルカリを供給してクロムをクロム沈殿物として沈殿させることでセリウム回収溶液を分離するクロム除去工程と、
からなることを特徴とするセリウムの回収方法。 - クロム除去工程後の溶液に酸化剤とアルカリを供給して、pHが9以下のアルカリ状況下におけるセリウムの酸化後、セリウム沈殿物をろ過洗浄し、水酸化第2セリウムとして回収するセリウム酸化工程を有することを特徴とする請求項1のセリウムの回収方法。
- クロム除去工程で分離したクロム沈殿物を酸で溶解した後、アルカリを供給してクロム再沈殿物として沈殿させることで、クロム沈殿物からセリウムを分離してセリウム再回収溶液を得るセリウム再回収工程を有することを特徴とする請求項1、又は2記載のセリウムの回収方法。
- セリウム再回収工程で分離したセリウム再回収溶液を、被処理溶液、または還元工程後の溶液のいずれかの溶液へ戻すことを特徴とする請求項3記載のセリウムの回収方法。
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