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JP4254698B2 - 燃料電池セパレータ用樹脂組成物と燃料電池セパレータ - Google Patents

燃料電池セパレータ用樹脂組成物と燃料電池セパレータ Download PDF

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Description

本願発明は、燃料電池セパレータ用樹脂組成物と、それを用いて得られる燃料電池セパレータに関するものである。
近年、石油や石炭などの化石燃料の燃焼などによって排出される二酸化炭素が一因とされる地球温暖化が環境問題として取り上げられている。このような中、省エネルギー効果が期待でき、クリーンな発電システムとして燃料電池が注目され、様々な分野において実用化が検討されている。
図1は燃料電池の基本構造を模式的に例示した斜視図であり、この図によれば、電解質1を挟むように燃料極(マイナスの電極)2と空気極(プラスの電極)3が配置され、その両側には、両側面に複数個の凸部5が形成されている燃料電池セパレータ4が配置され、単電池(単位セル)が構成されいる。前記凸部5は、隣り合う凸部5同士の間で、燃料である水素と酸素の流路であるガス供給排出用溝6を構成している。このガス供給排出用溝6は、燃料電池内を流れる水素、酸素及び冷却水が混合しないように分離する働きを有すると共に、燃料電池の単位セルで発電した電気エネルギーを外部へ伝達したり単位セルで生じた熱を外部へ放熱するという重要な役割を担っている。
そして、上記の単位セルを数十個〜数百個積み重ねて電池本体(セルスタック)を形成している。この単位セルにおいては、電解質1を介して対向する一対の電極のうち燃料極2に水素を、空気極3に酸素を供給して、水素と酸素の電気化学反応により直接電気エネルギーに変換される。
すなわち、水素は、燃料極2中の触媒の働きにより、電子を切り離して水素イオンになり、この水素イオンは電解質1の中を移動する。水素イオンは、対向する電極である空気極3に供給された酸素と、外部回路を通じて戻ってきた電子と反応して水となる。そして、この外部回路を通じて電子が移動することで電気が発生するものである。
電解質1は、水酸化カリウム、リン酸、高分子膜等の種類があり、その種類によって燃料電池はそれぞれアルカリ型、リン酸型、固体高分子型に分類される。
これらのなかでも、特に固体高分子型燃料電池は、作動温度が常温〜約120℃程度と低く、小型化が可能なので、家庭向け、自動車などの用途への適用が期待されている。
このような燃料電池において、燃料電池セパレータ4は、優れた導電性や耐食性(耐酸性)と共に、ガスの不透過性(気密性)、機械的強度、耐衝撃性、耐熱性を有することが強く求められており、これまでに数々の燃料電池セパレータが提案されている。例えば、燃料電池セパレータ4を構成する材料としては、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂やポリプロピレン、ポリビニリデンフルオライド等の熱可塑性樹脂をバインダーとし、黒鉛粒子等を導電材として含有する各種の樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。
しかしながら、これら従来の燃料電池セパレータ用樹脂組成物では、それを用いて燃料電池セパレータを作製した場合に、しばしば成形性の悪化(特に燃料電池セパレータの最薄部に未充填部分が見られる場合がある)が見られ、接触抵抗が増大する等の電気特性の低下も起こりやすいという問題があった。
特開2003−297386号公報 特開2003−346827号公報 特開2004−55375号公報 特開2003−268249号公報 特開2002−343374号公報
そこで、本願発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、燃料電池セパレータを作製するための樹脂組成物であって、この樹脂組成物を用いて成形される燃料電池セパレータの成形性の悪化や電気特性の低下を抑制できる燃料電池セパレータ用樹脂組成物を提供することを課題としている。
本願発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、上記の課題を解決するものとして、第1には、熱硬化性樹脂成分と黒鉛粒子成分を含有する樹脂組成物において、黒鉛粒子の含有量は樹脂組成物全量に対して60〜90重量%の範囲であり、この黒鉛粒子は、平均粒径が40〜60μmの範囲で且つ累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85〜100%の範囲である(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)か、もしくは、平均粒径が30μmで且つ累積粒度分布において粒径98.9μmの黒鉛粒子が累積97.55〜99.45%の範囲である(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)ことを特徴とする。
本願発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、第2には、上記の燃料電池セパレータ用樹脂組成物において、熱硬化性樹脂成分として、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含有することを特徴とする。
また、本願発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、第3には、上記の燃料電池セパレータ用樹脂組成物において、エポキシ樹脂の融点が70〜130℃の範囲にあることを、第4には、硬化促進剤として、少なくともリン系化合物を含有することを特徴とし、そして、第5には、エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比が1〜1.15であることを特徴とする。
さらに、本願発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、第6には、上記の燃料電池セパレータ用樹脂組成物において、熱硬化性樹脂成分として、フェノール樹脂を含有することを、第7には、フェノール樹脂が、融点が70〜80℃の範囲にあるレゾール型フェノール樹脂であることを特徴とする。
そして、本願発明の燃料電池セパレータは、第8には、前記いずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物を成形して得られることを特徴とし、第9には、最薄部の厚みが0.1〜0.2mmの範囲であることを特徴とする。
上記第1の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物では、熱硬化性樹脂成分と黒鉛粒子成分を含有する樹脂組成物において、黒鉛粒子の含有量は樹脂組成物全量に対して60〜90重量%の範囲であり、この黒鉛粒子は、平均粒径が40〜60μmの範囲で且つ累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85〜100%の範囲である(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)か、もしくは、平均粒径が30μmで且つ累積粒度分布において粒径98.9μmの黒鉛粒子が累積97.55〜99.45%の範囲である(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)ことにより、この燃料電池セパレータ用樹脂組成物を使用して燃料電池セパレータを製造した場合に良好な成形性と高い電気特性が実現される。
また、上記第2の発明では、熱硬化性樹脂成分として、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含有することにより、成形性や寸法安定性が良好な燃料電池セパレータ用樹脂組成物が得られる。
また、上記第2の発明では、熱硬化性樹脂成分として、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含有することにより、成形性や寸法安定性が良好な燃料電池セパレータ用樹脂組成物が得られる。
上記第3の発明では、エポキシ樹脂の融点を70〜130℃の範囲とすることにより、分散性が良好で熱安定性の高い、取り扱いの容易な燃料電池セパレータ用樹脂組成物が得られ、上記第4の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物では、硬化促進剤としてリン系化合物を含有することにより、この燃料電池セパレータ用樹脂組成物を用いて得られる燃料電池セパレータからの不純物の溶出が抑えられる。さらに、上記第5の発明では、エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比を1〜1.15とすることにより、成形時にエポキシ樹脂の硬化が十分に促進され、高い強度を有する、成形性がよく、不純物溶出も少ない燃料電池セパレータを製造することが可能となる。
上記第6の発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物では、熱硬化性樹脂成分としてフェノール樹脂を含有することにより、これを用い燃料電池セパレータの成形性が良好となり、得られる燃料電池セパレータの気密性も高くなる。
また、上記第7の発明では、フェノール樹脂を融点が70〜80℃の範囲にあるレゾール型フェノール樹脂とすることにより、成形性がよく、取り扱いが容易な燃料電池セパレータ用樹脂組成物が得られる。
そして、上記第8の発明の燃料電池セパレータでは、前記の燃料電池セパレータ用樹脂組成物を用いて製造されることから、成形が容易であり、高い電気特性が実現され、上記第9の発明では、上記成形が容易であることから、最薄部の厚みが0.1〜0.2mmの範囲の燃料電池セパレータを得ることができ、未充填部分が見られることなく、良好な成形性と高い電気特性が実現される。
本願発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂成分と黒鉛粒子成分を含有する樹脂組成物であって、黒鉛粒子の含有量は樹脂組成物全量に対して60〜90重量%の範囲であり、この黒鉛粒子は、平均粒径が40〜60μmの範囲で且つ累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85〜100%の範囲である(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)か、もしくは、平均粒径が30μmで且つ累積粒度分布において粒径98.9μmの黒鉛粒子が累積97.55〜99.45%の範囲である(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)ことを特徴とするものである。
本願発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物において、熱硬化性樹脂成分としては、樹脂成形に適用可能な各種のものが考慮されるが、中でもエポキシ樹脂とフェノール樹脂のうちの一方、または両方を含むことが好ましい。特に、エポキシ樹脂はイオン性不純物が少ないため、好ましい。
熱硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂を含む場合には、エポキシ樹脂は固形のものとすることが好ましい。特に、常温での凝集を防止する上では、融点が70〜130℃の範囲のものとすることが望ましい。融点が70℃未満の場合には、樹脂が凝集しやすく取り扱い性が低下し、130℃より高い場合には、後工程である樹脂組成物の混練が困難となる場合があるので好ましくない。
また、燃料電池セパレータ用樹脂組成物が熱硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂を含む場合には、硬化剤を含有していてもよい。このとき、硬化剤としては、燃料電池セパレータ4の高い導電性の維持、被毒の防止、不純物溶出の防止等を考慮してアミン系化合物や酸無水物系化合物を含まないものとすることが望ましい。具体的には、フェノール系化合物が好ましく例示される。硬化剤の含有量については、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比を1〜1.15とすることができる。これによって、成形時にエポキシ樹脂の硬化が十分に促進され、高い強度を有する燃料電池セパレータを製造することができる。1未満の場合には十分な強度を得ることができなくなる場合があるため好ましくない。1.15を超える場合には硬化剤が未反応で残り性能が低下すると共に、成形性が低下したり不純物が溶出したりする場合があるため好ましくない。
また、本願発明は、上記硬化剤と共に硬化促進剤を併用していてもよい。具体的には、非アミン系化合物を使用することが望ましく、例えば、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物が用いられる。硬化促進剤の含有量は適宜調整されるが、例えば、樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤)に対して0.5〜3重量%の範囲とすることができる。0.5重量%未満の場合には硬化促進効果を高めることができず、作業性が低下する場合があるため好ましくない。3重量%を超える場合には成形性に不具合を生じる場合があるため好ましくない。
一方、燃料電池セパレータ用樹脂組成物が、熱硬化性樹脂成分としてフェノール樹脂を含む場合には、フェノール樹脂として開環重合により重合反応が進行するフェノール樹脂を用いることが好ましい。このようなフェノール樹脂では、成形工程での脱水によるガス発生がないことから、成形品、すなわち燃料電池セパレータ4におけるボイドの発生を防止でき、これにより高い気密性が確保される。
各種のフェノール樹脂のなかでも、融点70〜80℃のレゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましく、具体的には、13C−NMR分析からオルト−オルト25〜35%、オルト−パラ60〜70%、パラ−パラ5〜10%の構造が確認されるレゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。なお、レゾール型フェノール樹脂は、通常、常温において液状であるが、燃料電池セパレータ用樹脂組成物における熱硬化性樹脂成分の分散性を考慮すれば、固体とすることが望ましい。したがって、前記のとおり、融点を70〜80℃に調節したものを使用することが好ましい。
このように、燃料電池セパレータ用樹脂組成物が、熱硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂およびフェノール樹脂のいずれか一方または両方を含む場合、エポキシ樹脂やフェノール樹脂の含有量は特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の合計量を、熱硬化性樹脂全量に対して50〜100重量%の範囲とすることができる。
もちろん、熱硬化性樹脂成分として、エポキシ樹脂やフェノール樹脂に加えて、さらに、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の一種または複数種の樹脂を含んでいてもよい。例えば、ポリイミド樹脂を加えることにより、燃料電池セパレータ用樹脂組成物の耐熱性や耐酸性を向上することができる。
本願発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物において、黒鉛粒子成分は、成形される燃料電池セパレータ4の比抵抗を低減し、導電性を向上するためのものであるが、黒鉛粒子成分の含有量は、燃料電池セパレータ用樹脂組成物全量に対して60〜90重量%の範囲とする。黒鉛粒子成分の含有量が60重量%未満の場合、燃料電池セパレータ4に必要とされる電気特性が十分に得られなくなる場合があり、また90重量%より多い場合には、燃料電池セパレータ4に必要とされる気密性や成形性が十分に得られなくなる場合がある。
本願発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、黒鉛粒子として、平均粒径が40〜60μmの範囲で且つ累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85〜100%の範囲である(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)か、もしくは、平均粒径が30μmで且つ累積粒度分布において粒径98.9μmの黒鉛粒子が累積97.55〜99.45%の範囲のもの(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)を用いる。累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85%未満のものは、成形性が低下し成形品に未充填部分が見られる場合がある。また、平均粒径が20μm未満の黒鉛粒子または累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85%以上95%未満であって平均粒径が40μm未満の黒鉛粒子は成形性が低下し易く、平均粒径が60μmを超える黒鉛粒子は成形品の表面平滑性が損なわれる場合がある。
黒鉛粒子の種類としては、高い導電性を示すものであればよく、その種類は特に限定されない。例えば、メソカーボンマイクロビーズなどの炭素質を黒鉛化したもの、石炭系コークスや石油系コークスを黒鉛化したもの、黒鉛電極や特殊炭素材料の加工粉、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛等が挙げられる。このような黒鉛粒子は、一種のみを用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、黒鉛粒子は、人造黒鉛粉、天然黒鉛粉のいずれでも良いが、天然黒鉛粉は導電性が高いことが知られており、人造黒鉛粉は異方性が少ないことが知られていることから、必要に応じて適宜選択すればよい。各種の黒鉛粒子の中でも、球状天然黒鉛は、燃料電池セパレータ用樹脂組成物中で配向しないことから、導電性の異方性が生じず好ましい。
このような燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、さらに、必要に応じて離型剤、カップリング剤など、各種の添加剤を含有していてもよい。具体的には、離型剤として、炭化水素系化合物、アマイド系化合物、脂肪酸系化合物、天然カルナバワックス等を一種または複数種使用できる。また、カップリング剤としては、シリコン系、チタネート系、アルミニウム系等のもの、具体的には、エポキシシラン等を使用することが出来る。このようなカップリング剤は、燃料電池セパレータ用樹脂組成物中に直接添加してもよいし、有機溶媒などで希釈した溶液を噴射して処理してもよい。あるいは、燃料電池セパレータ用樹脂組成物中の黒鉛粒子成分に直接混合したり、有機溶媒などで希釈した溶液を噴霧することにより添加してもよい。
以上のとおりの燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、前記の各成分を適宜の手法で配合し、必要に応じて混練することにより得られる。混練には、通常の混練機が使用できるが、好ましいものとしては、2軸押出機の中でもスクリューやパドルパターンが変更できるものが挙げられる。これらの一例としては、(株)栗本鉄工所から市販されているKRCニーダーが挙げられる。これは、回転数や温度に加えて、混練ゾーン比率も容易に変更できるものであり、容易に配合物の混練状態を調整できる点で適当といえる。
なお、各成分の配合にあたっては、イソプロピルアルコール等の有機溶媒を添加してもよい。有機溶媒の使用量は、熱硬化性樹脂の一部を溶解できる量とすることが望ましいが、有機溶媒の使用量があまり多いと、混練後に有機溶媒の除去に長時間を要し、生産性が低下することから、燃料電池セパレータ用樹脂組成物における全固形分に対して30重量%以下とすることが望ましい。
このようにして得られた燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、混練後、不定形であるが、これらをさらに整粒機等により粉砕して、小径の粒としてもよい。
また、本願発明は、以上の燃料電池セパレータ用樹脂組成物を成形して燃料電池セパレータを提供するものである。この燃料電池セパレータは、以上の燃料電池セパレータ用樹脂組成物を使用するため成形が容易であり、高い電気特性が実現される。特に、燃料電池セパレータの最薄部の厚みが0.1〜0.2mmの範囲でも未充填部分が見られることなく、良好な成形性と高い電気特性を実現することができる。
以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1〜5>
(1)燃料電池セパレータ用樹脂組成物の製造
表1に示した条件の配合物にイソプロピルアルコールを15%噴霧し、攪拌した後、所定の温度に加熱した混練機に投入した。なお、混練機としては、S2KRCニーダー((株)栗本鉄工所製)を使用した。
次いで、得られた燃料電池セパレータ用樹脂組成物を整粒機で粒径500μm以下に粉砕した。
(2)燃料電池セパレータの製造
得られた粉砕物を、金型温度185℃、成形圧力35.3MPa、成形時間2分間の条件で圧縮成形した。次に、金型を閉じたまま圧抜きし、除圧工程として30秒間保持した後、型を開き、成形品を取出した。成形品は図1に示される形状の燃料電池用セパレータ4で、200mm×250mm×1.5mmの大きさで、最薄部が0.2mm、0.1mmの燃料電池用セパレータ4をそれぞれ50個成形した。
(3)評価
・成形性:得られた燃料電池セパレータ用樹脂組成物を用いて同一条件で50個のサンプル(成形性1:最薄部0.2mm、成形性2:最薄部0.1mm)を成形し、その最薄部の外観観察より充填不良の有無を確認し、不良品の発生数により評価した。
・体積抵抗率:燃料電池セパレータ成形品の溝のない部分を切り出して、F50mm×厚み3mmの試験片を作製し、JIS K7194に従い、体積抵抗率を測定した。
<比較例1〜2>
平均粒径が40〜60μmの範囲で且つ累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85〜100%の範囲でない黒鉛粒子、もしくは、平均粒径が20μm以上40μm未満で且つ累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積95〜100%の範囲でない黒鉛粒子を用いた以外は、実施例1と同じ方法により燃料電池セパレータ用樹脂組成物を製造し、これを用いて燃料電池セパレータ4を成形した。
評価結果を表1に示した。
Figure 0004254698
なお、表1において、*1〜*11は次のものを表す。
*1 EOCN−1020−75(日本化薬)
*2 PSM4357(群栄化学工業)
*3 トリフェニルホスフィン(四国化成)
*4 WF−50A−100M(中越黒鉛工業所)平均粒径50μm
*5 WR−30A−100M(中越黒鉛工業所)平均粒径30μm
*6 WR−SCL(中越黒鉛工業所)平均粒径30μm
*7 WR−50A(中越黒鉛工業所)平均粒径50μm
*8 WR−30A(中越黒鉛工業所)平均粒径30μm
*9 A187(日本ユニカー)
*10 F1−100(大日化学工業)
*11 J−900(大日化学工業)
*12 サンプルA(群栄化学工業)融点75℃、13C−NMR分析でオルト−オルト25〜35%、オルト−パラ60〜70%、パラ−パラ5〜10%の構造である。
*13 当量 エポキシ/フェノール=1/1.12=0.89
表1より、黒鉛粒子の含有量は樹脂組成物全量に対して60〜90重量%の範囲であり、この黒鉛粒子は、平均粒径が40〜60μmの範囲で且つ累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85〜100%の範囲であるか、もしくは、平均粒径が30μmで且つ累積粒度分布において粒径98.9μmの黒鉛粒子が累積97.55〜99.45%の範囲である燃料電池セパレータ用樹脂組成物(実施例1〜5)を用いることにより、成形性が良好で燃料電池セパレータを得ることができることが示された。
一方、黒鉛粒子の含有量は樹脂組成物全量に対して60〜90重量%の範囲であっても、黒鉛粒子の平均粒径が40〜60μmの範囲ではあるが粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85〜100%の範囲でない場合(比較例1)や、黒鉛粒子の平均粒径が30μmではあるが粒径98.9μmの黒鉛粒子が累積97.55〜99.45%の範囲でない場合(比較例2)には、成形性が著しく悪化したことが確認された。また、燃料電池セパレータ成形品から切り出した試験片による体積抵抗率の測定では実施例と比較例で有意差は確認されなかったものの、燃料電池セパレータ成形品による電気特性は、実施例で作製した燃料電池セパレータ成形品の方が比較例よりも成形性が良好であったため電気特性が優れていることが確認された。
燃料電池の基本構造を模式的に例示した斜視図である。
符号の説明
1 電解質
2 燃料極
3 空気極
4 燃料電池セパレータ
5 凸部
6 ガス供給排出用溝

Claims (9)

  1. 熱硬化性樹脂成分と黒鉛粒子成分を含有する樹脂組成物において、黒鉛粒子の含有量は樹脂組成物全量に対して60〜90重量%の範囲であり、この黒鉛粒子は、平均粒径が40〜60μmの範囲で且つ累積粒度分布において粒径100μm以下の黒鉛粒子が累積85〜100%の範囲である(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)か、もしくは、平均粒径が30μmで且つ累積粒度分布において粒径98.9μmの黒鉛粒子が累積97.55〜99.45%の範囲である(ただし、平均粒径50μm以下で最大粒径が100μm以下の粒度分布を有する黒鉛粒子を除く)ことを特徴とする燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  2. 熱硬化性樹脂成分として、エポキシ樹脂と硬化剤と硬化促進剤を含有することを特徴とする請求項1の燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂の融点は、70〜130℃の範囲にあることを特徴とする請求項2の燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  4. 硬化促進剤として、少なくともリン系化合物を含有することを特徴とする請求項2または3の燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比が1〜1.15であることを特徴とする請求項2から4のいずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  6. 熱硬化性樹脂成分として、フェノール樹脂を含有することを特徴とする請求項1から5のいずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  7. フェノール樹脂は、融点が70〜80℃の範囲にあるレゾール型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項6の燃料電池セパレータ用樹脂組成物。
  8. 請求項1から7のいずれかの燃料電池セパレータ用樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする燃料電池セパレータ。
  9. 最薄部の厚みが0.1〜0.2mmの範囲であることを特徴とする請求項8の燃料電池セパレータ。
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