JP4254641B2 - 圧電型電気音響変換器およびその製造方法 - Google Patents
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Description
このように弾性封止剤を充填する溝部を設け、かつダム部で底壁部への流出を規制することで、圧電振動板の振動を阻害せず、かつ圧電振動板の周囲を確実に封止することができる。また、ダム部が支持部より低い理由は、ダム部の上面と圧電振動板の下面との間に弾性封止剤の層を形成することで、圧電振動板の振動をできるだけ阻害しないようにするためである。
図10に示すように、圧電振動板30の外周部とケース40の内周部との間には必然的に隙間d1〜d4が存在し、これら隙間は圧電振動板30の収納時の偏りによってばらつく。図10の例では、圧電振動板30が下側へ偏った位置にあり、斜線で示すように隙間はd1<d2≒d3<d4の関係にある。
上記隙間d1〜d4には弾性封止剤が塗布され、その下側に位置する溝部に弾性封止剤は充填される。ところが、隙間d1〜d4の大小によって圧電振動板30と弾性封止剤との付着領域にばらつきが発生し、圧電振動板30の振動特性に影響を及ぼすという問題がある。
一般に、弾性封止剤35はディスペンサのような自動塗布機によって塗布されるが、単位長さ当たりの塗布量は隙間dが最も広い部分でも確実に溝部41に充填できる量に設定され、かつ全ての辺において均一である。その理由は、隙間dが広い部分により多くの量の弾性封止剤35が必要であるが、圧電振動板30とケース40との隙間dは各辺においてばらつくので、溝部41に弾性封止剤35を充填しかつダム部42と圧電振動板30との間を確実に封止するために、隙間dが最も広い部分を基準にして塗布量を設定しているからである。
一方、隙間が狭い場合には、弾性封止剤35は最初から圧電振動板30の下面に接触し、溝部41の底に溜まり、ダム部42の上に溢れると、圧電振動板30の下面の弾性封止剤35と合流するため、弾性封止剤35は圧電振動板30の下面とダム部42の上面との隙間を比較的短時間で埋め尽くす。しかし、多量の弾性封止剤35が塗布される関係で、余った弾性封止剤がダム部42を乗り越え、図11の(b)のようにケース40の底へ流れ出ることになる。
次に、狭い隙間に単位長さ当たり第1の量、つまり少量の弾性封止剤を塗布し、広い隙間に単位長さ当たり第2の量、つまり多量の弾性封止剤を塗布する。第2の量は、広い隙間でも確実に封止できるだけの量である。広い隙間については、弾性封止剤の塗布量が多くても、圧電振動板の下面に付着する弾性封止剤の領域が比較的狭いため、圧電振動板を強く拘束することがない。一方、狭い隙間については、弾性封止剤が圧電振動板の下面に広い領域で付着する恐れがあるが、弾性接着剤の塗布量自体が少ないので、圧電振動板の下面に弾性封止剤が広い領域で付着することがなく、圧電振動板を強く拘束することがない。その結果、圧電振動板の各辺で弾性封止剤による拘束力の差が小さく、共振周波数のばらつきを少なくできる。また、隙間が狭い部分で圧電振動板が弾性封止剤によって強く拘束されないので、圧電振動板の共振周波数を低周波化できる。
圧電振動板は筐体に対して片寄せして配置されるが、そのままでは振動などによって圧電振動板が位置ずれを起こす可能性があり、4辺の隙間を安定化できない。そこで、弾性封止剤を塗布する前に、弾性接着剤によって圧電振動板を筐体に仮固定しておくことで、片寄せした位置を安定に保持することができる。
弾性接着剤は部分的に塗布されているので、圧電振動板を強く拘束することがなく、共振周波数が高くなるのを防止できる。
この電気音響変換器は、大略、圧電振動板1とケース10とカバー20とを備えている。ここでは、ケース10とカバー20とで筐体が構成される。
また、支持部10fおよびウレタン受け段10gと接する溝部10hの終端部(4隅部)は、他の部分に比べて幅広に形成されている。そのため、この幅広部分で余剰の封止剤15を吸収し、封止剤15が振動板1上に溢れるのを抑制することができる。
ケース10の側壁部10b〜10eの内面には、圧電振動板1の4辺をガイドするテーパ状の突起部10jが設けられている。突起部10jは、各側壁部10b〜10eにそれぞれ2個ずつ設けられている。なお、後述するようにケース10の突起部10jと圧電振動板1の4辺との間には所定のクリアランス(隙間)が設けられており、圧電振動板1をケース10に収納する際、圧電振動板1はケース10の1つのコーナ部に片寄せて配置されている。
ケース10の側壁部10b〜10eの上縁内面には、弾性封止剤15のはい上がり規制用の凹部10kが形成されている。
また、側壁部10e寄りの底壁部10aには、第1の放音孔10lが形成されている。
ケース10の側壁部10b〜10eのコーナ部頂面には、カバー20の角部を嵌合保持するための略L字形の位置決め凸部10mが形成されている。これら凸部10mの内面には、カバー20をガイドするためのテーパ面10nが形成されている。
まず圧電振動板1は、その金属板2が底壁と対面するようにケース10の中に収納され、その4つのコーナ部が支持部10fで支持される。このとき、ケース10の側壁部10b〜10eの内面に設けられたテーパ状の突起部10jによって振動板1の周縁部がガイドされ、振動板1はスムーズに収納される。
なお、圧電振動板1をケース10の1つのコーナ部に片寄せする方法としては、圧電振動板1を収納したケース10を1つのコーナ部を下にして傾ける方法や、マグネットをケース10の1つのコーナ部の外側に配置し、その吸着力により圧電振動板1をケース10のコーナ部方向へ吸着する方法などがある。
振動板1の周縁部と対向するケース10の内周部に弾性封止剤15を充填するための溝部10hが設けられ、この溝部10hの内側に流れ止め用ダム部10iが設けられているので、弾性封止剤15は溝部10hに入り、周囲に行き渡るとともに、流れ止め用ダム部10iによって多量の弾性封止剤15が底壁部10aに流れ落ちるのが抑制される。なお、ダム部10iと圧電振動板1との間に弾性封止剤15の層が存在するので、圧電振動板1の振動が抑制されるのを防止することができる。
上記のようにして表面実装型の圧電型電気音響変換器が完成する。
弾性封止剤15はディスペンサのような自動塗布機によって塗布されるが、単位時間当たりの塗布量はほぼ一定であるため、ディスペンサの移動速度を可変することで単位長さ当たりの塗布量を調整できる。図9の隙間dnが狭い2辺については、ディスペンサを高速で移動させることで、単位長さ当たり第1の量の弾性封止剤15を塗布でき、隙間dwの広い2辺については、ディスペンサを低速で移動させることで、第1の量より多い第2の量の弾性封止剤15を塗布できる。第1の量とは、隙間dが最も狭い場合に、圧電振動板1とケース10との隙間 (圧電振動板1とダム部10iとの隙間を含む)を封止できる最低限の量のことであり、第2の量とは、隙間dが最も広い場合に、圧電振動板1とケース10との隙間(圧電振動板1とダム部10iとの隙間を含む)を封止できる最低限の量のことである。
隙間dwが広い辺については、従来の隙間が広い場合(図11参照)と同様に、圧電振動板1の下面とダム部10iの上面との隙間を弾性封止剤15が埋め尽くす前に弾性封止剤15の一部がダム部10iを乗り越え、ケース10の底へ流れ出た後、圧電振動板1の下面にも付着し、表面張力により図4の(a)の位置で停止する。
一方、隙間dnが狭い辺については、弾性封止剤15は最初から圧電振動板1の下面に接触し、溝部10hの底に溜まり、ダム部10iの上に溢れると、圧電振動板1の下面の弾性封止剤15と合流するため、圧電振動板15の下面とダム部10iの上面との隙間を速やかに弾性封止剤15が埋め尽くす。しかも、弾性封止剤15の塗布量が少ないので、弾性封止剤15がダム部10iを乗り越えず、図4の(b)のようにケース10の底へ流れ出る前に停止する。
上記実施例では、圧電振動板として金属板に圧電体を貼り付けたユニモルフ型振動板を用いたが、例えば特開2001−95094号公報に記載のような圧電セラミックの積層体からなるバイモルフ型振動板を用いてもよい。
また、導電性接着剤の塗布位置を、圧電振動板の隣接する2つのコーナ部の近傍としたが、対角位置にある2つのコーナ部近傍であってもよい。
上記実施例では、振動板がほぼ正方形状の例を示したが、長方形状であってもよい。
さらに、振動板がユニモルフ構造の場合、図1に示すように金属板の1つのコーナ部に圧電体を片寄せて接着したものの他、金属板の中央部に圧電体を接着したものでもよいし、金属板の一辺に片寄せて圧電体を接着したものであってもよい。
2 金属板
3 圧電体
10 ケース
10a 底壁部
10f 支持部
10h 溝部
10i ダム部
11,12 端子
11a,12a 内部接続部
13 弾性接着剤(ウレタン系接着剤)
14 導電性接着剤
15 弾性封止剤(シリコーン系接着剤)
Claims (6)
- 電極間に交番信号を印加することにより板厚方向に屈曲振動する四角形の圧電振動板と、
上記圧電振動板を収納し、内周部に上記圧電振動板の外周部を部分的に支持する支持部を持つ四角形の筐体と、
上記圧電振動板の外周部と筐体の内周部との隙間に塗布され、両者の間を封止する弾性封止剤とを備え、
上記筐体の内周部に、上記弾性封止剤が充填される溝部と、この溝部の内周側に上記支持部より低く弾性封止剤が筐体の底壁部へ流出するのを抑制するダム部とを設けた圧電型電気音響変換器において、
上記圧電振動板は、その直角な2辺が上記筐体の内周部の直角な2辺に寄せて配置されており、
上記圧電振動板の上記2辺とこれに対向する上記筐体の2辺との隙間に、単位長さ当たり第1の量の弾性封止剤が塗布されており、
上記圧電振動板の上記2辺以外の2辺とこれに対向する上記筐体の2辺との隙間に、単位長さ当たり第1の量より多い第2の量の弾性封止剤が塗布されていることを特徴とする圧電型電気音響変換器。 - 上記弾性封止剤の下側に、上記圧電振動板の外周部と筐体の内周部とを仮固定する弾性接着剤が部分的に塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電型電気音響変換器。
- 上記圧電振動板は、四角形の金属板に四角形の圧電体を貼り付けたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電型電気音響変換器。
- 上記圧電振動板は、複数の圧電セラミックス層を内部電極を間にして積層し、表裏主面に主面電極を設けた積層体で構成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の圧電型電気音響変換器。
- 電極間に交番信号を印加することにより板厚方向に屈曲振動する四角形の圧電振動板を準備する工程と、
内周部に、上記圧電振動板の外周部を部分的に支持する支持部と、弾性封止剤が充填される溝部と、この溝部の内周側に上記支持部より低く弾性封止剤が底壁部へ流出するのを抑制するダム部とを設けた四角形の筐体を準備する工程と、
上記筐体の中に上記圧電振動板を収容し、上記支持部に圧電振動板の外周部を支持する工程であって、上記圧電振動板の直角な2辺を上記筐体の内周部の直角な2辺に寄せて配置する工程と、
上記圧電振動板の上記2辺とこれに対向する上記筐体の2辺との隙間に、単位長さ当たり第1の量の弾性封止剤を塗布し、上記溝部に充填する工程と、
上記圧電振動板の上記2辺以外の2辺とこれに対向する上記筐体の2辺との隙間に、単位長さ当たり第1の量より多い第2の量の弾性封止剤を塗布し、上記溝部に充填する工程と、を有することを特徴とする圧電型電気音響変換器の製造方法。 - 上記筐体の中に上記圧電振動板を収容する工程と、上記第1の量の弾性封止剤を塗布する工程との間に、
上記圧電振動板の外周部と筐体の内周部とを弾性接着剤によって部分的に仮固定する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の圧電型電気音響変換器の製造方法。
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