JP4247889B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナのような読み取り手段により入力された原稿画像データに含まれる原稿地肌成分の補正手段を有する画像処理装置(例えば、イメージスキャナ装置、ファクシミリ装置、デジタル複写機、又はこれらの機能を複合して持つデジタル複合機等)に関し、より詳細には、用紙や画像の種類などの原稿条件や読み取り条件によって変動する地肌濃度、特に2次元的に連続して変動する地肌濃度(レベル)を正しく検出し、画像データの適正な補正を可能にする手段を備えた前記画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、原稿に記された画像の入力にはスキャナが一般的に用いられており、原稿画像を扱う画像処理装置であるイメージスキャナ、ファクシミリ、デジタル複写機等にその例を見ることができる。
これらの画像処理装置では、スキャナで取り込んだ原稿画像データに対して利用に必要な出力画像データとするために、ディジタル操作により様々な補正・変換等の画像処理が行われるが、その一つに“地肌除去”といわれる処理が含まれる。
“地肌除去”は、スキャナで取り込んだ原稿画像をもとに複写機等の機器から画像出力する場合に、原稿の地肌部分は白であることが一般に望まれており、このような基準では、地肌を読み取ったままの濃度で出力すると、原稿によっては地汚れしていると見なされ、画像品質の評価を下げてしまうことになるので、これを防ぐために行う補正処理である。
ところで、上記のようなスキャナを用いる画像処理装置で取り扱う原稿には様々な種類があり、原稿に用いられている用紙の濃度、即ち地肌濃度も広い範囲に及んでいる。こうした様々な原稿に対応して地肌除去を行うために従来から採用されてきた方法は、原稿の地肌濃度を一意的に検出して、原稿画像データの検出地肌濃度以下の部分を“白”出力として、地肌を消去する方法によっている。
【0003】
地肌除去を行う画像処理装置に関する従来例として、下記「特許文献1」〜「特許文献4」を挙げることができる。
「特許文献1」には、白地の用紙に新聞や雑誌等の切り抜きを貼り合わせ編集したような複数の独立した地肌濃度が混在する原稿を対象とし、プレスキャンによって作成した画像データの濃度ヒストグラムからそれぞれの領域に対応する複数の地肌濃度を検出しておき、本スキャン時は、処理中の画像領域が、検出しておいた地肌濃度のどれに該当するかを画像データから判定し、判定した地肌濃度によって地肌除去処理を行う画像処理装置が示されている。
「特許文献2」には、プレスキャンを行わずにライン毎に地肌濃度を検出し、地肌除去処理を行うようにし、このために、地肌濃度を保持し、保持している地肌濃度より明るい画像データの地肌濃度との差分をライン毎に集計し、集計した差分と保持している地肌濃度に基づいて次ラインの地肌濃度を更新すると共に、一定の割合で地肌濃度を暗くする方向にも更新しつつ、地肌除去処理を行う画像処理装置が示されている。
「特許文献3」には、画像の絵柄ハイライト領域を検出し、その領域に含まれない低濃度画素を地肌画素と検出して地肌濃度を更新しつつ、地肌除去処理を行うことにより、絵柄領域のハイライト部分の白抜けを防ぎ、地肌除去による画質の劣化を生じないようにする画像処理装置が示されている。
「特許文献4」には、像域分離手段により網点、線画、写真、蛍光色領域であるか否かを判定した結果により、地肌除去閾値の更新値を画素ごとに選択することにより、それぞれの領域に適した地肌除去処理を行う画像処理装置が示されている。
【0004】
【特許文献1】
特許3134292号公報
【特許文献2】
特開2002−94795号公報
【特許文献3】
特開平7−74952号公報
【特許文献4】
特開平7−264409号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、地肌濃度のばらつきには、上記したように原稿用紙の種類に起因するものの他に、2次元的に連続する変動もある。これは、原稿自体の地肌濃度が必ずしも一様でないことに加え、原稿の折れ癖やブック原稿等の中綴じに起因する原稿の浮き、周辺に存在する黒ベタ画像等によるフレアの影響、読み取り機構のメカ的なばらつき等によるもので、このような地肌濃度の連続的変動が排除できず、従ってその分、余計に地肌除去を行う必要があったため、ハイライト再現性が不十分となっていた。
近年は高画質化、特に画像部分のハイライト再現性への要求が高まりつつあり、こうした2次元的に連続して地肌濃度が変動する場合に適応して地肌除去を行うことに対する要求も強い。
しかしながら、この要求に十分に応えることが可能な解決策については、上記した「特許文献1」〜「特許文献4」を含めこれまで提案されていないのが現状である。
また、「特許文献1」〜「特許文献4」により提案された地肌補正処理には、個々に、次のような問題点が存在する。即ち、「特許文献1」では、プレスキャンという余分な動作を要するため高速に原稿を処理することが出来ない。「特許文献2」では、ライン単位で地肌濃度を更新するため、1次元的変動しか対応できず、しかも地肌濃度を更新する際に地肌濃度が暗くなる方向には定率で更新するため応答性が悪い。「特許文献3」では、印刷網点を対象としているために、連続調画像のハイライト領域が検出できず、例えば、銀塩写真等のハイライト部分を地肌と認識して、除去してしまう。「特許文献4」では、像域分離は、本来、エッジ強調や平滑化等のフィルタ処理を必要な部分に施すために開発された技術で、どちらも平滑化が望ましい連続調の領域と地肌部分の識別性能は低いという性質があるために、特許文献3と同様に銀塩写真等のハイライト部分を地肌と認識して、除去してしまう。
本発明は、スキャナ等の入力手段で取り込んだ原稿画像に対する地肌補正処理に必要な地肌濃度の検出における上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、地肌レベルの検出の際にプレスキャンを必要とせず、原稿条件や画像入力(読み取り)装置条件などによる様々な要素に起因する地肌濃度の変動、特に2次元的に連続する地肌濃度の変動に対応し、また、連続調のハイライト領域を地肌と誤認識せずに、正しい地肌レベルを検出し、適正な入力画像信号の補正を可能にすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、原稿を主・副走査して読み取ったラスタ形式の画像データから原稿の地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段と、該地肌レベル検出手段により検出された地肌レベルによって、読み取った前記画像データを目標の基準地肌レベルに補正する手段を有する画像処理装置において、前記地肌レベル検出手段は、前記画像データを主走査方向に複数画素からなる区間に分割し、区間ごとの地肌レベルを検出する手段であって、既に決定された前の主走査ライン上の各区間の地肌レベルを記憶する地肌レベル記憶手段と、現在の主走査ライン上の注目区間の地肌レベルを、前記地肌レベル記憶手段に記憶された前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間及び前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間の前後の区間よりなる周辺区間の各地肌レベルの加重平均によって予測する地肌レベル予測手段と、前記注目区間の前記画像データから当該注目区間内における画像信号各色成分の最大値と最小値を特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、該特徴量抽出手段により抽出された画像信号各色成分の最大値と最小値の差分値を求め、得た各色成分の差分値が所定の閾値よりも小さいときに、注目区間を地肌とみなす判定を行い、判定結果が地肌とみなせないときに、前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルを注目区間の地肌レベルとして決定し、該判定結果が地肌とみなせるときに、現在の主走査ライン上の注目区間の平均地肌レベルと前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルとの加重平均を注目区間の地肌レベルとして決定する地肌レベル決定手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明は、原稿を主・副走査して読み取ったラスタ形式の画像データから原稿の地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段と、該地肌レベル検出手段により検出された地肌レベルによって、読み取った前記画像データを目標の基準地肌レベルに補正する手段を有する画像処理装置において、前記地肌レベル検出手段は、前記画像データを主走査方向に複数画素からなる区間に分割し、区間ごとの地肌レベルを検出する手段であって、既に決定された前の主走査ライン上の各区間の地肌レベルを記憶する地肌レベル記憶手段と、現在の主走査ライン上の注目区間の地肌レベルを、前記地肌レベル記憶手段に記憶された前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間及び前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間の前後の区間よりなる周辺区間の各地肌レベルの加重平均によって予測する地肌レベル予測手段と、前記注目区間の前記画像データから当該注目区間内における画像信号各色成分の平均値を特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、該特徴量抽出手段により抽出された画像信号各色成分の各平均値間における最大値と最小値の差分値を求め、得た差分値が所定の閾値よりも小さいときに、注目区間を地肌とみなす判定を行い、判定結果が地肌とみなせないときに、前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルを注目区間の地肌レベルとして決定し、該判定結果が地肌とみなせるときに、現在の主走査ライン上の注目区間の平均地肌レベルと前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルとの加重平均を注目区間の地肌レベルとして決定する地肌レベル決定手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項3の発明は、原稿を主・副走査して読み取ったラスタ形式の画像データから原稿の地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段と、該地肌レベル検出手段により検出された地肌レベルによって、読み取った前記画像データを目標の基準地肌レベルに補正する手段を有する画像処理装置において、前記地肌レベル検出手段は、前記画像データを主走査方向に複数画素からなる区間に分割し、区間ごとの地肌レベルを検出する手段であって、既に決定された前の主走査ライン上の各区間の地肌レベルを記憶する地肌レベル記憶手段と、現在の主走査ライン上の注目区間の地肌レベルを、前記地肌レベル記憶手段に記憶された前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間及び前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間の前後の区間よりなる周辺区間の各地肌レベルの加重平均によって予測する地肌レベル予測手段と、前記注目区間の前記画像データから当該注目区間内における画像信号各色成分の平均値を特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、該特徴量抽出手段により抽出された画像信号各色成分の平均値が所定の閾値よりも大きいときに、注目区間を地肌とみなす判定を行い、判定結果が地肌とみなせないときに、前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルを注目区間の地肌レベルとして決定し、該判定結果が地肌とみなせるときに、現在の主走査ライン上の注目区間の平均地肌レベルと前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルとの加重平均を注目区間の地肌レベルとして決定する地肌レベル決定手段を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる画像処理装置を添付する図面とともに示す以下の実施形態に基づき説明する。以下に示す実施形態では、本発明に係わる画像処理装置を一形式のデジタル複写機に実施した例を示す。
図1は、本実施形態に係わるデジタル複写機の機構部の概略を示す図である。
図1を参照して、本デジタル複写機の機構部の構成を関連する動作とともに以下に説明する。
機構部は、主に、原稿を読み取るスキャナユニット101と、記録紙に画像を記録するプリンタユニット102よりなる。
スキャナユニット101は、原稿103の画像を主・副走査して光電読み取りし、ラスタ形式のデータ入力をするために必要な要素を以下に示す構成で備える。
原稿103は、プラテン104上の所定の位置に置かれ、ハロゲンランプ105-1, 105-2により照明されている。原稿103からの反射光は、第1ミラー106,第2ミラー107,第3ミラー108およびレンズ109を経て3ライン型カラ−ラインイメ−ジセンサであるCCD110に結像され、CCD110により画像信号に光電変換される(CCDのライン方向に原稿を主走査する)。ここで、ハロゲンランプ105-1, 105-2および第1ミラー106は図示しない第1キャリッジに、第2ミラー107及び第3ミラー108は図示しない第2キャリッジにそれぞれ搭載されており、原稿読み取り時は、図示しないキャリッジ駆動モ−タにより第1および第2キャリッジが2:1の速度比で図1における左から右へ移動する(原稿を副走査する)。これにより、原稿−レンズ間の光路長を一定に保ちながらプラテン104上に置かれた原稿の全面が走査される。
CCD110で光電変換された画像信号は、画像処理ユニット111等で各種処理(後記で詳述)が施されたのち、プリンタユニット102の図示しないLD(レーザ ダイオ−ド)に書き込み信号として入力され、ここでレーザ光に変換される。
【0010】
また、プリンタユニット102は、レーザビーム書き込み方式の電子写真プロセスによる画像形成処理をカラー対応で行うために必要な要素を以下に示す構成で備える。
プリンタユニット102では、LD(図示せず)から出射されたレ−ザ光は、ポリゴンミラ−112で反射され、fθレンズ113および第4ミラ−114を経て、反時計方向に回転している感光体ドラム115表面上に結像照射される。ここで、ポリゴンミラ−112はポリゴンモ−タ116の回転軸に固着されており、ポリゴンモ−タ116は一定速度で回転してポリゴンミラ−112を回転駆動している。このポリゴンミラ−112の回転により上述のレ−ザ光は、感光体ドラム115の回転移動方向と垂直な方向、すなわちドラム軸に沿う方向に走査される。
一方、感光体ドラム115の表面は、図示しない高圧発生装置に接続された帯電チャ−ジャ117により、予め一様な正電位に帯電されている。また、レ−ザ光が感光体ドラム115に照射されると、光導電現象で表面の電荷がドラム本体の機器アースに流れて消滅する。ここで、書き込み信号に従って原稿濃度の淡い部分はLDを弱く点灯し、原稿濃度の濃い部分はLDを強く点灯する。このような書き込みを行うことにより、感光体ドラム115の表面には、ポリゴンミラー112による主走査と感光体ドラム115の回転による副走査とにより、原稿の濃淡に応じた静電潜像が形成される。
【0011】
現像ユニット118は、ブラック,シアン,マゼンタおよびイエローの正帯電したトナーをそれぞれ収容する現像部K,C,MおよびYを有しており、感光体ドラム115に形成された静電潜像に対しては、何れか1つの現像部が選択される。選択された現像部は、図示しない高圧発生装置により所定の正電位にバイアスされ、トナーの付着により上記静電潜像を現像して、原稿の濃淡に応じたトナ−像を感光体ドラム115の表面に形成する。
転写ベルト119は、図示しない高圧発生装置により所定の負電位にバイアスされ、又感光体ドラム115と同速度で時計方向に回転されているので、感光体ドラム115と転写ベルト119が接近する間に、トナー像はバイアスの作用により引き寄せられて感光体ドラム115から転写ベルト119の表面に転写される。
なお、静電潜像の形成、トナー像の形成およびトナー像の転写動作は、用いる現像部K,C,MおよびYに応じて必要な回数繰り返される。即ち、フルカラー,原稿色および登録色の各モードの場合は4回行われ、それぞれK,C,MおよびYの順で現像部が選択され、形成されたトナー像は位置合わせをした上で、転写ベルト119の表面で重ね合わされる。またブラック,シアン,マゼンタおよびイエローの各モードの場合は1回だけ行われ、それぞれ現像部K,C,MおよびYが選択される。またレッド,グリーンおよびブルーの各モードの場合は2回行われ、それぞれ現像部がMとY,CとYおよびCとMの順で選択され、形成されたトナー像は位置合わせをした上で、転写ベルト119の表面で重ね合わされる。
一方、給紙カセット120-1, 120-2には、それぞれ記録紙121-1, 121-2が収納されており、どちらかの給紙カセットが選択されている。選択されている給紙カセット、例えば給紙カセット120-1の記録紙121-1は、給紙コロ122-1の給紙動作により繰り出され、レジストロ−ラ123-1, 123-2に到達する。レジストローラ123-1, 123-2は始め停止しており、回転する転写ベルト119上のトナー像の位置に応じて所定のタイミングで回転を開始し、記録紙を送り出す。
転写チャ−ジャ124は、図示しない負電圧の高圧発生装置に接続されており、転写ベルト119上のトナ−像は、転写チャージャ124の作用により、送り出された記録紙に再転写される。なお、記録紙にトナー像を再転写する時は、転写ベルト119のバイアスを解除して、再転写を促進している。
トナー像が再転写された記録紙は、熱定着ユニット125-1, 125-2に送られ、そこでトナ−像が記録紙に固着された後、機外に排出される。
なお、転写後も感光体ドラム115の表面に残留したトナ−はクリ−ニングユニット126で除去され、感光体ドラム115は次の動作に備えられる。また再転写後も転写ベルト119の表面に残留したトナ−はクリ−ニングユニット127で除去され、転写ベルト119も次の動作に備えられる。
【0012】
図2は、本実施形態に係わるデジタル複写機の電装部の概略を示す図である。
図2を参照して、本デジタル複写機の電装部の構成を関連する動作とともに以下に説明する。
電装部は、主に、上述したスキャナユニット101、画像処理ユニット111及びプリンタユニット102、この外に、処理モ−ド選択等の入力の検出および表示を行う操作表示ユニット201、上記各ユニットの制御回路と通信を行いデジタル複写機202の全体の動作を制御するシステム制御ユニット203の各ユニットよりなる。
また、デジタル複写機202は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)接続装置204と接続されており、LAN205に接続されたワークステーション206やパーソナルコンピュータ207等の他の機器と、LAN接続装置204等を介して画像信号の入出力を行なう。
【0013】
スキャナユニット101は、読み取り画像信号の処理とスキャナにおけるランプ点灯制御やキャリッジの移動制御に必要な要素を以下に示す構成で備える。
CCD110(図1参照)は、入射光を赤、緑、青(R、G、B)に色分解したのち、光電変換して、3種類のアナログ画像信号をA/D変換回路208に出力する。A/D変換回路208は、CCD110の暗電流の補正等を行いつつ、入力された画像信号をそれぞれデジタル信号に変換してシェーディング補正回路209に出力する。
シェーディング補正回路209は、上述のハロゲンランプ105-1, 105-2の原稿照明むら、CCD110内部の受光素子の感度むら等を補正する回路で、図1に示した白基準板126を読取った時のA/D変換回路208の出力信号をシェーディング補正データとして記憶し、これに基づいて各色、各画素毎の画像信号のゲイン調整を行う。これにより、出力画像信号に生じる上記むらが補正される、即ち、白基準板126を読取った時のシェーディング補正回路209の出力画像信号は所定値になる。なお、シェーディング補正回路209は、CCD110の3ライン型構造に起因する赤緑青画像信号間の読取り位置ズレに対する補正等の処理も行っている。
また、スキャナ制御回路210は、システム制御ユニット203と通信を行うとともに、スキャナユニット101全体を制御しており、例えば、上記A/D変換回路208やシェーディング補正回路209の動作制御、ハロゲンランプ105-1, 105-2の点灯制御およびキャリッジ駆動モータ211の回転制御等を行なう。また、原稿サイズセンサ212は、プラテン104に置かれた原稿の大きさを検出するセンサで、その検出結果をスキャナ制御回路210に出力する。
シェーディング補正回路209からの画像信号出力は、画像処理ユニット111に入力される。
【0014】
画像処理ユニット111は、スキャナユニット101から受け取る読み取り画像信号に対して、書き込み信号としてプリンタユニット102で用いる信号に適した信号への補正・変換処理を行うために必要な要素を以下に示す構成で備える。
画像処理ユニット111では、シェーディング補正回路209が出力した画像信号を地肌除去回路213への入力信号として受け取る。
地肌除去回路213は、入力された画像信号に基づいて原稿の地肌レベルを検出し、地肌レベルに応じて入力画像信号を補正し、γ変換回路214に出力する。なお、原稿の地肌レベルの検出及び地肌レベルに応じた入力画像信号の補正については、本発明の解決課題にかかわる事項であり、後記で詳細に説明する。
γ変換回路214は、LAN接続装置204とも接続されており、地肌除去回路213又はLAN接続装置204から入力される画像信号を、濃度等に比例した画像信号に階調変換し、像域分離回路215、領域制御回路216及び遅延回路217に出力する。また、設定(例えば、スキャナ配信機能を用いる動作モードの設定)によってγ変換回路214は、地肌除去回路213から入力された画像信号を階調変換してLAN接続装置204に出力することもある。
像域分離回路215は、入力された画像信号に基づいて、処理を行なっている画像部分が文字等の線画か否か、白黒画像かカラー画像かを判定する回路で、その結果を示す判定信号をフィルタ回路218に出力する。
また遅延回路217は、上記像域分離回路215の判定に遅れが生じるため、この遅れに合わせて画像信号を遅延し、フィルタ回路218に出力する。
一方、領域制御回路216は、入力された画像信号を記憶したり、画像の部分領域毎に異なる画像処理を施すための切り換え信号を発生する等を行なう回路で、発生した切り換え信号をフィルタ回路218に出力する。
【0015】
フィルタ回路218は、遅延回路217からの画像信号に、エッジ強調や平滑化等の2次元フィルタ処理等を施して出力する回路である。これらの処理は上記像域分離回路215の判定信号や領域制御回路216の切り換え信号により制御されており、例えば、判定信号が線画であればエッジ強調の、非線画であれば平滑化のフィルタ処理を行なう。また、切り換え信号により、判定信号に拘らずエッジ強調や平滑化のフィルタ処理を行うこともある。
色補正回路219は、フィルタ回路218からの画像信号を、上記したように、現像ユニット118において選択されるK,C,M,Yの各現像器に応じたトナーの記録量に変換する色補正処理を行なう。この処理は、上記像域分離回路215の判定信号や領域制御回路216の切り換え信号により制御されており、例えば、切り換え信号に応じてフルカラーモードやブラックモードに適したトナー記録量に変換したり、フルカラーモードにおいて判定信号が線画且つ白黒画像であればUCR率を100%に、非線画またはカラー画像であればUCR率を70%にする変換を行うこともある。また、切り換え信号に応じて一定の画像信号値や判定信号値を出力する塗潰し処理、指定された色を消す色消去処理、指定された色を別な色に変換する色変換処理を行なうこともある。色補正回路219からは、トナー記録量に変換された1種類の画像信号、判定信号及び切り換え信号が出力され、変倍回路220に入力される。
変倍回路220は、色補正回路219からの3種類の信号を主走査方向に拡大/縮小する変倍処理を行う回路である。なお、原稿を副走査方向に拡大/縮小する変倍処理は、上述のキャリッジを移動させる駆動モータ211の回転制御等により行っている。
【0016】
階調処理回路221は、温湿度等で変動するプリンタユニット102の記録特性(画像信号対トナー記録量特性)を補正するγ補正処理や、主走査方向の1または数画素と副走査方向の1または数画素とを1単位とし、解像度または階調性を重視した階調表現をする階調処理等を行なう。ここでγ補正処理および階調処理は、上記判定信号や切り換え信号により制御されており、例えば、判定信号が線画であれば解像度を重視した階調処理を、非線画であれば階調性を重視した階調処理を行なう。また階調処理の種類により上述の記録特性が変化するため、階調処理に連動して異なるγ補正処理を行なう。更に、切り換え信号により、判定信号に拘らず所定の階調処理またはγ補正処理を行なうこともある。なお、階調処理回路221は、LAN接続装置204にも接続されており、上記処理が施された画像信号又はLAN接続装置204から入力される画像信号をプリンタユニット102へ選択出力する。また、設定(例えば、連結コピー等の配信機能を用いる動作モードの設定)によって階調処理回路221は、上記処理が施された画像信号をLAN接続装置204に出力することもある。
画像処理制御回路222は、システム制御ユニット203と通信を行なうとともに、システム制御ユニット203からの要求に応じて、上述した地肌除去回路213、γ変換回路214、像域分離回路215、領域制御回路216、遅延回路217、フィルタ回路218、色補正回路219、変倍回路220および階調処理回路221の設定等を行ない、画像処理ユニット111全体を制御している。
【0017】
プリンタユニット102は、画像処理ユニット111から受け取る画像信号を用いて感光体へのレーザビーム書き込みを行い、電子写真プロセスによる画像形成処理の制御を行うために必要な要素を以下に示す構成で備える。
プリンタユニット102では、階調処理回路221から出力された画像信号をLD制御回路223に入力する。LD制御回路223は、入力された画像信号に応じてパルス幅変調やパワー変調等を行なってLD224を駆動し、これによってLD224の点灯強度を制御する。
また、プリンタ制御回路225は、システム制御ユニット203と通信を行なうとともに、プリンタユニット102全体を制御している。例えば、LD制御回路223を制御してLD224を強制消灯したり、ポリゴンモータ116、感光体ドラム115を回転駆動するモータ226および転写ベルト119を回転駆動するモータ227等の回転制御、現像ユニット118の現像器K,C,M,Yの選択制御、高圧電源228の各負荷(例えば帯電チャージャ、現像器、転写ベルト、転写チャージャ等)毎の出力制御、熱定着ユニット125-1, 125-2の温度制御等を行なう。なお、プリンタユニット102は、上述の給紙カセット120-1, 120-2毎に、収納された記録紙の大きさを検出する紙サイズセンサ229を有しており、その検出結果はプリンタ制御回路225に出力される。
操作表示ユニット201は、ユーザが対話形式で入力操作を行い、又機器の状態を知ることを可能にするための要素として、各種モードの選択肢や設定状態等、さらに読取った原稿画像等を表示する表示部と表示部の押下位置を検出する検出部が一体となったTPD(タッチ・パネル・ディスプレイ)230、コピー枚数やコピー開始等を入力するためのキーボード231及び操作表示制御回路232等を備える。操作表示制御回路232は、TPD230に各モードの選択肢等を表示してキー入力等を促したり、TPD230およびキーボード231からの入力を検出して、TPD230に設定された状態を表示するとともに、システム制御ユニット203と通信を行なって、入力結果を送信する等を行う。また、読取った原稿等の画像信号が上述した領域制御回路216経由してTPD230に送られる際の、TPD230の制御も行う。
【0018】
ここで、本発明に係わる地肌検出方法の概略を説明する。
図3は、この地肌検出方法の説明図である。同図を参照すると、301は原稿の位置を、302は原稿画像データの範囲を示す。ここで、画像データとは原稿部分を含む領域を画素に分解して読み取ったデータを指す。なお、ここでは、基本的に主・副走査方向にラスタスキャン方式で読み取ったデータを前提として、図3において横方向をラスタスキャンの主走査方向、縦方向を副走査方向に一致させている。
この地肌検出方法の特徴は、主走査方向を複数の区間に分割して取り扱い、各区間毎に検出処理を行うようにする。そのために各区間毎の地肌レベルを保持する地肌レベルバッファ303を用意する。
また、ここでは、ラスタスキャン、即ち、主走査を副走査方向に繰り返し、画像データ全域を読み取る方法を前提としているので、この読み取り方法に従って入力される画像データを対象に地肌検出の処理動作が行われる。
従って、今、副走査位置304の画像信号が処理対象となっているとすると、この時、地肌レベルバッファ303には、現在の主走査ラインよりも前のライン(即ち、前の副走査位置における主走査ライン)で決定された地肌レベルが保持してあるものとする。
【0019】
区間毎に検出処理を実行するので、ここでは副走査位置304における主走査のある区間305を検出区間として注目する(以下、この領域を「注目領域」或いは「注目区間」と呼ぶ)。通常、画像データにおける地肌レベルは、位置による変動は極めて少なく、変化したとしても緩やかである。このため、注目領域の地肌レベルは、隣接する周辺領域の地肌レベルを参照することで予測可能であり、地肌レベル予測処理ブロック306では、注目領域に隣接する周辺区間として、地肌レベルバッファ303に保持された(即ち、前のラインで決定された)、注目領域に対応する区間及びその左右隣接区間の地肌レベルを参照して、注目領域の地肌レベルを予測する。
この地肌レベルの予測値は、位置による変動が極めて少ない場合には、そのまま注目領域の地肌レベルとして適用することが考えられるが、ここでは、位置によって変化することを考慮して、変化に応じて予測値を補正し、それを適正な地肌レベルとして用いるようにする。なお、注目領域が地肌ではない場合には、補正ができないので、予測値を注目領域の地肌レベルと見なして適用する方法をとる。
【0020】
この方法を実行するための処理手順として、ここでは、注目領域の画像データを参照して、注目領域が地肌部分であるか否かを判定し、地肌部分であれば画像データに基づいて予測した地肌レベルを補正する。
図3を参照すると、特徴量抽出処理ブロック307では、上記処理手順における地肌部分であるか否かの判定をするために、注目領域305の画像データを参照して、地肌部分であるか否かを判定するための特徴量を抽出する。また、地肌レベル決定処理ブロック308では、抽出された特徴量に基づいて、地肌部分であるか否かを判定し、地肌であれば、予測された地肌レベルを特徴量によって修正して注目領域305の地肌レベルとし、地肌でなければ予測された地肌レベルをそのまま注目領域305の地肌レベルとして決定する。なお、特徴量の抽出と特徴量を用いた地肌レベルの決定処理については、後記する実施例により詳細に説明する。
また、決定した地肌レベルを注目領域305の検出データとすると共に、これを地肌レベルバッファ303に保存することで、次ラインの地肌レベル決定処理における注目領域に隣接する周辺区間のデータとして用いるようにし、上述した前提を成立させるようにする。なお、最初の副走査位置の主走査ライン(1ライン目)では前ラインが存在しないため、地肌レベルバッファ303に保持すべき地肌レベルも存在しないが、例えば標準的な地肌レベルを初期値として保持させることで、副走査方向の1ライン目から本方式による地肌検出を可能とする。
以上のように、この地肌検出方法によれば、プレスキャンは不要で、ラスタスキャンの進行に合わせて、地肌レベルを検出することができ しかも2次元的な地肌レベルの変動にも追従して分割した区間ごとに適正なデータを提供することを可能にする。
【0021】
次に、上記した地肌検出方法(図3参照)の実現手段としての回路の構成について説明する。
本実施形態では、上記したように、画像処理ユニット111の地肌除去回路213(図2)において、入力された画像信号に基づいて原稿の地肌レベルを検出するので、そこで、上記した地肌検出方法による地肌レベル検出回路を構成する。
図4は、本実施形態における地肌除去回路の構成例を概略的に示す。
図4を参照すると、地肌除去回路213は、地肌補正に必要な要素として主に、入力された画像信号に基づいて原稿の地肌レベルを検出する地肌検出回路401、検出した地肌レベルに応じて画像信号を補正する地肌補正回路402を備える。
地肌検出回路401内の地肌レベルバッファ(ラインバッファ)回路403は、画像信号の主走査方向を複数の区間に分割した際の各区間毎の地肌レベルを色成分毎に記憶する回路(図3の地肌レベルバッファ303に相当)であり、地肌検出回路401に入力される画像信号の主走査方向位置に応じて、記憶している地肌レベルを地肌レベル予測回路404に出力する。なお、図3に示したように、本実施例では16画素を1区間として、画像信号の主走査方向を分割している。
【0022】
地肌レベル予測回路404は、後述する特徴量抽出回路405が注目している領域(以下では「注目領域」或いは「注目区間」と呼ぶ)に対応する周辺区間、即ち注目領域に対応する区間及びその左右隣接区間の地肌レベルとして地肌レベルバッファ回路403に記憶された前ラインの地肌レベルに基づいて、注目領域の地肌レベルを予測する回路で、予測した地肌レベルを地肌レベル決定回路406に出力する。なお、本実施例では地肌レベルの予測を、上記周辺区間の地肌レベルから、以下のような加重平均を算出することで実現する。
図5は、地肌レベル予測回路404のより詳細な回路構成を例示する。図5を参照すると、地肌レベルバッファ回路403から入力された地肌レベル信号501は、F/F(フリップ・フロップ)502に入力される。また、F/F502から出力された地肌レベル信号503はF/F504に入力され、更に、F/F504から出力された地肌レベル信号505はF/F506に入力され、F/F506からは地肌レベル信号507が出力される。ここで、各F/F502,504,506には、上述した区間の切替りに対応した区間クロック508が入力されており、地肌レベル信号503,505,507は、それぞれ上述した右隣接区間、注目領域対応区間、左隣接区間の地肌レベルに対応する。これらの地肌レベル信号は積和回路509に入力され、積和回路509は、上記式(1)に示したような積和演算を各色成分毎に行う。これにより、注目領域の地肌レベルを予測した予測地肌レベル信号510を生成できる。
【0023】
図4に戻ると、特徴量抽出回路405は、入力された原稿画像信号の特徴量を抽出する回路で、抽出した特徴量は、原稿の地肌部分の画像信号であるか否かを判定し、予測地肌レベルを補正するためのデータとして、地肌レベル決定回路406に出力する。なお、本実施例では、地肌レベルバッファ403の1区間に対応するライン画像信号の部分を注目領域としており、特徴量抽出の範囲(以下では対象範囲と呼ぶ)も注目領域内として、対象範囲における画像信号の最大値、最小値および平均値を各信号成分毎に求め、特徴量として出力する。
図6は、特徴量抽出回路405(1信号成分分)のより詳細な回路構成を例示する。図6を参照すると、入力された画像信号601は、比較器602,603、セレクタ604,605および加算器606に入力される。
比較器602,603及びセレクタ604,605の他方の入力端子には、セレクタ607,608を介してF/F609,610の出力が入力されており、比較器602は、両入力の大きさを比較して、小さい方の信号をセレクタ604が選択するような制御信号611をセレクタ604に出力し、他方、比較器603は、両入力の大きさを比較して、大きい方の信号をセレクタ605が選択するような制御信号612をセレクタ605に出力する。
セレクタ604,605の出力信号は、上記F/F609,610に入力されおり、F/F609,610は、画像信号の同期信号613に応じて上述の選択結果を保持する。
また、上記セレクタ607,608の他方の入力端子には、それぞれ画像信号がとり得る最大値と最小値が入力されており、セレクタ607,608の動作は、上記区間クロック508により制御されている。即ち、区間の切替りにおいては最大値と最小値をそれぞれ選択する。
また、F/F609,610の出力信号は、F/F614,615にも入力されており、F/F614,615は、区間クロック508によりこれを保持する。これにより対象範囲における画像信号の最大値、最小値がF/F614,615より出力されることになる。
一方、加算器606の出力信号は、F/F616に入力されており、F/F616は、画像信号の同期信号613に応じてこれを保持する。
また、F/F616の出力信号は、セレクタ617を介して、加算器606の他方の入力端子に接続される。ここでセレクタ617は、区間クロック508により制御されており、他方に入力端子には“20”が入力され、区間の切替りにおいては“0”を選択する。
また、F/F616の出力信号はF/F618にも入力されており、F/F618は、区間クロック508によりこれを保持する。これにより対象範囲における画像信号の総和がF/F618より出力されることになる。なお、上述したように本実施形態では1区間16画素としているので、対象範囲における画像信号の総和を示すF/F618の出力を1/16、即ち、下位4ビットを除いた結果が、平均値となる。
【0024】
再び図4に戻ると、地肌レベル決定回路406は、上記予測地肌レベルおよび抽出した特徴量に基づいて、注目領域の地肌レベルを決定する回路で、決定された地肌レベルは、地肌レベルバッファ回路403に出力され記憶されると共に、注目領域の地肌レベルの検出結果として地肌補正回路402へ出力される。
ここで、地肌補正に用いる地肌レベルを求める地肌レベル決定回路406を以下に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
図3を参照して説明したように、地肌レベルの決定手順では、注目領域の画像が地肌部分であるか否かを入力画像の特徴量に基づいて判定するが、原稿の地肌部分は、通常、原稿に使用されている紙そのものであり、一般に、明暗の変化が少なく、無彩色で、一定以上に明るいという特徴を有しており、ここで行う原稿の地肌判定は、この三つの特徴に基づいて行う。
上記の特徴量抽出回路405(図6)からは、対象領域の画像信号各成分の最大値、最小値および平均値が入力されるので、本例の地肌レベル決定回路406は、上記した三つの特徴を次のような方法により評価する。即ち、明暗の変化が少ないかどうかは、各成分毎に最大値と最小値の差を求めて、それぞれ所定の閾値と比較し、評価し、又無彩色かどうかは、各成分の平均値の最大値と最小値の差を求めて所定の閾値と比較し、評価し、更に一定以上に明るいかどうかは、各成分の平均値をそれぞれ所定の閾値と比較し、評価する。
【0025】
これらの評価結果が地肌部分の特徴を全て備えていれば、対象領域を地肌部分と判定し、地肌レベル決定回路406は、各成分毎に下記式(2)に例示するような予測地肌レベルと対象領域における画像信号の平均値との加重平均により、地肌レベルを決定する。この例では、予測地肌レベルへの重み付けを大きくし、対象領域の重み付けを比較的小さくすることにより、予測地肌レベルを対象領域の画像により補正するという方法をとっている。
他方、この例では、特徴の評価結果の中に地肌部分の特徴を備えていない特徴があれば、対象領域を地肌部分と判定せず、この場合は、予測地肌レベルを補正する根拠がないので、予測地肌レベルをそのまま地肌レベルとして決定する。
【0026】
図7及び図8は、地肌レベル決定回路406のより詳細な回路構成を例示し、図7は、対象領域の地肌判定部、図8は、地肌判定結果を受けて地肌レベルを決定する決定部を示す。
図7を参照すると、MaxR,MaxG,MaxB、MinR,MinG,MinB、AveR,AveG,AveBは、特徴量抽出回路405から出力された対象範囲の画像信号の最大値、最小値および平均値の各色成分信号であり、MaxRとMinR信号、MaxGとMinG信号、MaxBとMinB信号は、それぞれ差分回路701,702,703に入力される。差分回路701,702,703は、入力信号の差分を出力する回路であり、その結果は比較器704,705,706に入力される。
比較器704,705,706には、それぞれ所定の閾値信号DifTHr,DifTHg,DifTHbが入力されており、比較器704,705,706は、それぞれ差分値が閾値DifTHr,DifTHg,DifTHbより小さければ真をANDゲート707に出力する。これにより、ANDゲート707からは明暗の変化が少ない時、真が出力される。
また、AveR,AveG,AveB信号は、所定の閾値信号DarkTHr,DarkTHg,DarkTHb共に、それぞれ比較器708,709,710に入力されており、比較器708,709,710はそれぞれ平均値が閾値より大きければ真をANDゲート711に出力する。これにより、ANDゲート711からは一定以上に明るい時、真が出力される。
また、AveR,AveG,AveB信号は、それぞれ最大値選択回路712および最小値選択回路713にも入力されており、最大値選択回路712は各色成分の平均値の最大値を、最小値選択回路713は各色成分の平均値の最小値をそれぞれ選択して、差分回路714に出力する。差分回路714は入力信号の差分を出力する回路であり、その結果は比較器715に入力される。
比較器715には、それぞれ閾値信号BalTHも入力されており、比較器715は差分値が閾値より小さければ真を出力する。これにより、比較器715からは無彩色の時、真が出力される。
また、ANDゲート707,711および比較器715の出力は、ANDゲート716に入力されている。これにより、ANDゲート716からは対象領域が地肌部分の特徴を全て備えている時、真が出力される。
【0027】
地肌判定の結果を受けて地肌レベルを決定する回路部を示す図8を参照すると、ExpR,ExpG,ExpBは、地肌レベル予測回路404から出力された予測地肌レベル信号であり、対象領域の画像信号の平均値AveR,AveG,AveBと共に、それぞれ差分回路721,722,723に入力される。差分回路721,722,723は、入力信号の差分を出力する回路であり、その結果は比較器724,725,726に入力される。
比較器724,725,726には、それぞれ所定の閾値信号DownTHr,DownTHg,DownTHbも入力されており、比較器724,725,726はそれぞれ差分値が閾値より小さければ真をANDゲート727に出力する。なお、ここでは平均値の方が予測地肌レベルより暗い場合に、差分回路が正の値を出力している。これにより、ANDゲート727からは各色成分の平均値が予測地肌レベルより僅かに暗いか、明るい場合に、真が出力される。
また、上記図7に関して説明したANDゲート716及びANDゲート727の出力信号は、ANDゲート728に入力されている。
他方、729,730,731は、上記式(2)で示した予測地肌レベルの補正演算を行う加重平均回路であり、予測地肌レベル信号ExpR,ExpG,ExpB及び対象領域の画像信号の平均値AveR,AveG,AveBが入力され、演算結果をセレクタ732,733,734に出力する。セレクタ732,733,734の他方の入力端子には、それぞれExpR,ExpG,ExpB信号が入力されており、セレクタ732,733,734の動作は、上述のANDゲート728出力信号で制御されている。
ここで、ANDゲート728出力信号は、対象領域が地肌部分の特徴を全て備えており、各色成分の平均値が予測地肌レベルより僅かに暗いか、明るい場合に真となり、この時セレクタ732,733,734は、加重平均回路の演算結果を選択出力する。なお、後者の条件、即ち、ANDゲート727の条件は、銀塩写真のように連続的に濃淡が変化する画像のハイライト部分を地肌と判定して地肌レベルが追従してしまうのを、防ぐのに有効である。即ち、ハイライト部分と真の地肌部分との濃淡差を、平均値が予測地肌レベルより僅かに暗いかどうかで識別し、これにより地肌レベルが追従しないようにすることができる。
以上のように、本例によれば、セレクタ732,733,734から地肌レベル決定回路406によって決定された地肌レベルが出力される。
【0028】
再び図4に戻り、地肌レベル決定回路406によって決定された地肌レベルを受けて行う地肌補正について説明する。
地肌補正回路402には、地肌検出回路401が検出した地肌レベル(地肌レベル決定回路406が決定した地肌レベル)が入力されるとともに、遅延バッファ407を介して画像信号も入力されており、地肌補正回路402により入力画像信号に対し地肌レベルに応じた補正を行う。
ここで、本発明に係わる地肌補正方法の概略を説明する。
図9は、地肌補正処理における画像データの入出力特性を示す線図で、本実施形態の地肌補正と補正を行わない場合の特性を対比して示す。同図を参照すると、地肌レベルに応じた補正を行わない場合、傾き1の直線にするものとする。また、地肌部分の補正目標となる所定出力レベルを基準地肌レベルとして示す。
本実施形態の補正方法は、地肌検出回路401が検出した地肌レベルによって、対象領域(図3に示した主走査方向に分割した区間)の画像信号に対して適用する変換特性を変更する。検出地肌レベルによって変更する変換特性の例を検出地肌レベルが目標とする基準地肌レベルより明るい場合と、暗い場合をあげて以下に説明する。
【0029】
検出地肌レベルが目標の基準地肌レベルより明るい (入力軸上Aで示す)場合、入力画像データが検出地肌レベルより明るい領域では、検出地肌レベルと同値の入力画像データが基準地肌レベルに変換され、傾きが1である直線(図9中にA0−A1特性線として示す)により、入力画像データを変換する特性を用い、入力画像データが検出地肌レベルより暗い領域では、検出地肌レベルと同値の入力画像データが基準地肌レベルに変換され、1より小さい所定の傾きの直線(図9中にA0−A2特性線として示す)により、入力画像データを変換する特性を用いる。但し、この変換結果が、補正を行わない場合よりも大きくなる領域では、補正無しの変換とする(図9中にA2−原点 特性線として示す)特性を用いる。
他方、検出地肌レベルが基準地肌レベルより暗い (入力軸上Bで示す)場合、検出地肌レベルから所定の閾値NRを引いた値(入力軸上B'で示す)より入力画像データが明るい領域では、検出地肌レベルと同値の入力画像データが基準地肌レベルに変換され、傾きが1である直線(図9中にB1−B0−B2特性線として示す)により、入力画像データを変換する特性を用い、入力画像データが上述の値B'より暗い領域では、B2を通り、1より大きい所定の傾きの直線(図9中にB2−B3特性線として示す)により、入力画像データを変換する特性を用いる。但し、この変換結果が、補正を行わない場合よりも小さい領域では、補正無しの変換とする(図9中にB3−原点 特性線として示す)特性を用いる。
なお、上記の変換特性例においてはいずれも、検出地肌レベルの明暗に拘わらず、入力画像データが検出地肌レベルより大きい場合、傾き1の直線で変換を行うようにした。これは、例えば、特性線(A0−A2)を延長した特性線(A0−A1')或いは特性線(B2−B3)と同じ傾きを有する特性線(B0−B1')にしても良いが、検出地肌レベルが、基準地肌レベルを跨いで変化した際に、画像データの変換結果が不連続になってしまい、好ましくないからである。このため、入力画像データが検出地肌レベルより大きい場合、傾き1の直線で変換を行うようにしてこれを防いでいる。
また、以上においては、閾値NRを設定して、検出地肌レベル近傍の入力画像データの変換傾きも1としている。これに代え、B0を通り特性線(B2−B3)のような傾きを有する特性線(B1'−B2')で変換しても良い。但し、一般に、地肌部分の画像データは、必ずしも均一でなくある程度のばらつきを有しており、特性線(B1'−B2')のような傾きを有する特性線で変換すると、このばらつきも拡大され、地汚れしたように見えてしまう場合がある。このため、閾値NRを設定して、検出地肌レベル近傍における入力画像データの変換特性線の傾きを1にすることで、このようなばらつきの拡大を防いでいる。
【0030】
次に、上記した地肌補正方法(図9に関する説明、参照)を実現する地肌補正回路402を図10に示す回路構成例により詳細に説明する。
図10を参照すると、地肌検出回路401から入力された検出地肌レベル信号Detectは、上記基準地肌レベル(図9、参照)に相当する基準地肌レベル信号BaseWと共に、比較器901に入力され、これにより、検出地肌レベルが基準地肌レベルより暗いか否かが判定される。
セレクタ902、減算器903及び比較器904は、図9に示した特性線(B1−B0−B2)或いは特性線(A0−A1)による変換を行うか否かの判定を行う回路を構成する。
このために、セレクタ902には、上記閾値NR(図9、参照)に相当する閾値信号NRまたは固定値“0”が入力され、比較器901の出力信号による選択が行われる。つまり、セレクタ902は、基準地肌レベルより暗い時に閾値信号NRを、その他の(明るい)時に“0”を選択出力する。また、減算器903は、検出地肌レベル信号Detectからセレクタ902の出力信号を減算する。これにより、図9に示したB2或いはA0の値が得られるので、比較器904により、遅延バッファ407(図4参照)から入力される画像信号ImgINと比較して、上記判定を実現する。
また、減算器905および加算器906は、上記比較器904の判定出力が真の時の補正処理を行う回路を構成する。即ち、減算器905により基準地肌レベル信号BaseWと検出地肌レベル信号Detectの差を算出して補正量を求めると共に、この減算結果を画像信号ImgINに加算することで、補正後の画像信号ImgOUTAを求める。
【0031】
次に、図9に示した特性線(B2−B3)あるいは特性線(A0−A2)による変換を行う場合を説明する。なお、本実施例では、B2あるいはA0を基点に変換を実現している。
セレクタ907は、特性線(B2−B3)あるいは特性線(A0−A2)部分の傾きを選択しており、本実施例ではその傾きをそれぞれ“7/4”、“3/4”として、これを上述の比較器901の出力信号(検出地肌レベルが基準地肌レベルより暗いか否かの信号)で選択する。また、減算器908によりB2あるいはA0と画像信号ImgINと差を求め、これにセレクタ907が選択した傾きを乗算器909により乗算する。このようにして、B2あるいはA0からの補正後の差を求めることができる。
他方、B2あるいはA0の補正後の値は、基準地肌レベル信号BaseWからセレクタ902の出力信号を減算器910により減算することで求めることができる。従って、減算器910の出力から乗算器909の出力を減算器911により減算し、特性線(B2−B3)或いは特性線(A0−A2)による補正を行った画像信号ImgOUTBを得る。
但し、画像信号ImgOUTBは、特性線(B2−B3)あるいは特性線(A0−A2)の延長線上の変換も含んでいるため、この結果を比較器912により、補正を行わない場合と比較し、これにより画像信号ImgOUTBまたは画像信号ImgIN(補正を行わない場合)をセレクタ913により選択し、セレクタ913は画像信号ImgOutB'を出力する。なお、セレクタ914,915は、比較器901の出力信号(検出地肌レベルが基準地肌レベルより暗いか否かの信号)に応じて、それぞれ画像信号ImgOUTBまたは画像信号ImgINを選択して比較器912に出力しており、これにより、検出地肌レベルが基準地肌レベルより暗いか否かで、画像信号ImgOUTBと画像信号ImgINの大小からどちらを選ぶかを逆転している。
また、以上にようにして得られた画像信号ImgOUTAあるいはImgOUTB'は、比較器904の出力信号(特性線(B1−B0−B2)或いは特性線(A0−A1)による変換を行うか否かの判定結果を示す信号)で制御されるセレクタ916により選択され、地肌レベル信号Detctに応じて補正された画像信号ImgOUTが得られる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によると、画像データを主走査方向に複数画素からなる区間に分割し区間ごとに地肌レベルを検出するようにし、検出にあたり既に決定された周辺区間(注目区間に対する前の主走査ラインにおける対応区間及び前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間の前後の区間)の地肌レベルからの予測データを注目区間の現在の主走査ラインにおける画像データから抽出した特徴量(注目区間内における画像信号各色成分の最大値と最小値又は画像信号各色成分の平均値)に基づいて補正の要否を判定し、検出地肌レベルを決定することを可能にしたことにより、プレスキャンを必要とせず、原稿、読み取り装置条件等に起因する様々な地肌濃度変動(特に2次元的に連続する変動)に追従して正しい地肌レベルが検出でき、地肌補正の適正化が可能となる。
また、周辺区間の地肌レベルの加重平均を地肌レベルの予測データとして用いることにより、画像データに基づいて決定された地肌レベルが主走査方向に伝達されるので、非地肌部分の区間における地肌レベルの予測精度を向上することが可能になる。
また、特徴量に基づいて補正の要否を判定し、補正が必要であると判定されたときに、予測された地肌レベルと注目区間の現在の平均地肌レベルの平均値との加重平均値を算出し、これを検出地肌レベルとして決定する(即ち、予測地肌レベルを補正する)ようにしたので、検出地肌レベルが急変することを防止でき、地肌補正処理による処理ムラを低減することが可能になる。
【0033】
さらに、注目区間の画像データから地肌を判定するために抽出した特徴量(注目区間内における画像信号各色成分の最大値と最小値又は画像信号各色成分の平均値)をもとに、明暗の変化、無彩色、一定以上の明るさに対する閾値処理により注目区間の画像を地肌とみなすか否かを判定し、地肌とみなせないと判定されたときに、予測された地肌レベル(周辺区間から予測)を検出地肌レベルとして決定するようにしたので、対象区間の地肌レベルとして決定される検出地肌データの精度を維持することが可能になる。つまり、明暗の変化をチェックすることにより、文字部や網点部を地肌と判定しないので、地肌部分の特徴を端的に表す特徴量を抽出できるので、検出地肌レベルの不要な変動を防止することができ、また、一定以上の明るさであることをチェックすることにより、検出地肌レベルが暗くなり過ぎないので、画像の濃淡が連続的に変化する原稿も処理することができ、また、無彩色であることをチェックすることにより、地肌の判定精度を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係わるデジタル複写機の機構部の概略構成を示す。
【図2】 本発明の実施形態に係わるデジタル複写機の電装部の概略構成を示す。
【図3】 本発明に係わる地肌検出方法の原理説明図を示す。
【図4】 本発明の実施形態に係わる地肌除去回路の構成例を概略的に示す。
【図5】 地肌除去回路(図4)における地肌レベル予測回路のより詳細な回路構成を例示する。
【図6】 地肌除去回路(図4)における特徴量抽出回路のより詳細な回路構成を例示する。
【図7】 地肌除去回路(図4)における地肌レベル決定回路のより詳細な回路構成を例示する。
【図8】 地肌除去回路(図4)における地肌レベル決定回路のより詳細な回路構成を例示する。
【図9】 地肌補正処理における画像データの入出力特性を示す線図である。
【図10】 地肌除去回路(図4)における地肌補正回路のより詳細な回路構成を例示する。
【符号の説明】
101…スキャナユニット、 102…プリンタユニット、
103…原稿、 111…画像処理ユニット、
201…操作表示ユニット、 202…デジタル複写機、
203…システム制御ユニット、 213…地肌除去回路、
401…地肌検出回路、 402…地肌補正回路、
403…地肌レベルバッファ回路、 404…地肌レベル予測回路、
405…特徴量抽出回路、 406…地肌レベル決定回路。
Claims (3)
- 原稿を主・副走査して読み取ったラスタ形式の画像データから原稿の地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段と、該地肌レベル検出手段により検出された地肌レベルによって、読み取った前記画像データを目標の基準地肌レベルに補正する手段を有する画像処理装置において、
前記地肌レベル検出手段は、前記画像データを主走査方向に複数画素からなる区間に分割し、区間ごとの地肌レベルを検出する手段であって、
既に決定された前の主走査ライン上の各区間の地肌レベルを記憶する地肌レベル記憶手段と、
現在の主走査ライン上の注目区間の地肌レベルを、前記地肌レベル記憶手段に記憶された前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間及び前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間の前後の区間よりなる周辺区間の各地肌レベルの加重平均によって予測する地肌レベル予測手段と、
前記注目区間の前記画像データから当該注目区間内における画像信号各色成分の最大値と最小値を特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
該特徴量抽出手段により抽出された画像信号各色成分の最大値と最小値の差分値を求め、得た各色成分の差分値が所定の閾値よりも小さいときに、注目区間を地肌とみなす判定を行い、判定結果が地肌とみなせないときに、前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルを注目区間の地肌レベルとして決定し、該判定結果が地肌とみなせるときに、現在の主走査ライン上の注目区間の平均地肌レベルと前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルとの加重平均を注目区間の地肌レベルとして決定する地肌レベル決定手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 原稿を主・副走査して読み取ったラスタ形式の画像データから原稿の地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段と、該地肌レベル検出手段により検出された地肌レベルによって、読み取った前記画像データを目標の基準地肌レベルに補正する手段を有する画像処理装置において、
前記地肌レベル検出手段は、前記画像データを主走査方向に複数画素からなる区間に分割し、区間ごとの地肌レベルを検出する手段であって、
既に決定された前の主走査ライン上の各区間の地肌レベルを記憶する地肌レベル記憶手段と、
現在の主走査ライン上の注目区間の地肌レベルを、前記地肌レベル記憶手段に記憶された前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間及び前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間の前後の区間よりなる周辺区間の各地肌レベルの加重平均によって予測する地肌レベル予測手段と、
前記注目区間の前記画像データから当該注目区間内における画像信号各色成分の平均値を特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
該特徴量抽出手段により抽出された画像信号各色成分の各平均値間における最大値と最小値の差分値を求め、得た差分値が所定の閾値よりも小さいときに、注目区間を地肌とみなす判定を行い、判定結果が地肌とみなせないときに、前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルを注目区間の地肌レベルとして決定し、該判定結果が地肌とみなせるときに、現在の主走査ライン上の注目区間の平均地肌レベルと前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルとの加重平均を注目区間の地肌レベルとして決定する地肌レベル決定手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 原稿を主・副走査して読み取ったラスタ形式の画像データから原稿の地肌レベルを検出する地肌レベル検出手段と、該地肌レベル検出手段により検出された地肌レベルによって、読み取った前記画像データを目標の基準地肌レベルに補正する手段を有する画像処理装置において、
前記地肌レベル検出手段は、前記画像データを主走査方向に複数画素からなる区間に分割し、区間ごとの地肌レベルを検出する手段であって、
既に決定された前の主走査ライン上の各区間の地肌レベルを記憶する地肌レベル記憶手段と、
現在の主走査ライン上の注目区間の地肌レベルを、前記地肌レベル記憶手段に記憶された前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間及び前の主走査ライン上の該注目区間に対応する区間の前後の区間よりなる周辺区間の各地肌レベルの加重平均によって予測する地肌レベル予測手段と、
前記注目区間の前記画像データから当該注目区間内における画像信号各色成分の平均値を特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
該特徴量抽出手段により抽出された画像信号各色成分の平均値が所定の閾値よりも大きいときに、注目区間を地肌とみなす判定を行い、判定結果が地肌とみなせないときに、前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルを注目区間の地肌レベルとして決定し、該判定結果が地肌とみなせるときに、現在の主走査ライン上の注目区間の平均地肌レベルと前記地肌レベル予測手段により予測された地肌レベルとの加重平均を注目区間の地肌レベルとして決定する地肌レベル決定手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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