JP4243775B2 - ブロー成形壜体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、外容体を形成する外層内に、内袋体を形成する内層を剥離自在に薄肉積層形成した所謂デラミボトルと称されるブロー成形壜体に関する。
【0002】
【従来の技術】
デラミボトルは外容体を形成する外層に、薄肉の内袋体を形成する内層を剥離自在に積層して構成され、外容体に、外層と内層との間に外気を進入させる吸気孔を形成して、ディスペンサーポンプを組み合わせたキャップを取り付けて注出容器として使用されたり、外容体をスクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外殻を形成する構成とし、吸気孔に逆止弁を配し、さらには逆止弁を配した開口部を有するキャップを螺合させてスクイズタイプの注出容器として使用される。
【0003】
上記のような注出容器は、内容液の注出に伴って外容体の形状は元の形状を保持したまま内袋体を減容変形させて、外気の容器内への進入を抑制でき、また内部における空気溜りの発生を抑制できるので、内容液の品質の低下を抑制することができると共に、注出姿勢に拠らず、注出操作性を最後まで良好に維持できるので、化粧料、薬品、食料品等の分野で高機能性の収納容器として利用されている。
【0004】
また、デラミボトルは、相溶性の殆どない外層と内層とを共押出しで多層パリソンに押出し成形し、この多層パリソンをブロー成形して得られるが、外層と内層が剥離自在な積層状態であるので、内容液の減少に伴い内層からなる内袋体が減容変形すると外層と内層の剥離が進行して、内袋体が外容体内で脱落してしまうことがあり、この脱落を防止するための構成が必要となる。
【0005】
たとえば、特許文献1にはデラミボトルに関するものであり、外層と内層の間の全高さ範囲に亘って縦帯状の接着帯で接着して、外層と内層の一部を剥離不能とする技術に係る記載があるが、このような接着帯により内袋体の脱落を防止することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−26241号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に示される接着帯の形成にあたっては、外層と内層との間に縦帯状の接着層を共押出しする必要があり、ブロー成形機に係る設備費等の点から、あるいは接着帯を形成するためのパリソンの押出成形の制御の必要性、設備のメンテナンスに関連して生産性の点からは不利であり、また接着帯が外側から目立つ場合もある等の外観上の問題もある。
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、本発明の課題は接着帯を使用することのない、また外観への影響のない、簡略でかつ確実な内袋体の脱落防止のための構成を創出することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の手段のうち、第1の発明の手段は、
外容体を形成する外層と、外層に剥離自在に薄肉に積層され、内袋体を形成する内層とから構成され、口筒部の内周面に、内層の一部が外層に食い込んで成形された、内袋体の脱落を防止するための食い込み部が周設されていること、にある。
【0010】
第1の発明の上記構成により、口筒部の内周面の内層の一部が外層に食い込んで形成された食い込み部により内袋体の脱落を確実に防止するので、内袋体の口筒部以外の部分は自在に減容変形が可能であり、内容液が略なくなるまで、スムーズな注出性が確保される。
【0011】
口筒部は比較的厚肉に成形されるので、食い込み部の形成による外観上の問題もなく、またこの食い込み部はブロー成形時にパリソンの、壜体口筒部に成形される部分にプラグを挿入すること等により同時に成形することができ、別工程を要すことなく、高い生産性で提供することができると共に、設備費も低く抑えることが可能となる。
【0012】
第2の発明の手段は、第1の発明において、内層の一部が折畳み状に外側に屈曲して外層に食い込んだ状態で、食い込み部が形成されていること、にある。
【0013】
第2の発明の上記構成により、薄肉の内層の一部を折畳み状に外側に屈曲した状態とすることにより、鋭い形状で内層を外層に食い込ませた状態とすることができ、内袋体の脱落をより確実に防止することができる。
【0014】
第3の発明の手段は、第1または第2の発明において、口筒部の外周面に突条を有し、この突条に対向する位置で食い込み部が形成されていること、にある。
【0015】
第3の発明の上記構成により、食い込み部はブロー成形時に流動状態にあるパリソンの、壜体口筒部に成形される部分にプラグを挿入すること等により形成することができるが、ここでこのプラグの挿入により押し付けられるようにしてブロー成形金型の口筒部外周面の突条部分に相当する部分に外層用樹脂が流動する際に、薄肉の内層の一部をこの外層の流動に伴って変形させて、容易に食い込み部を形成させることができる。
【0016】
第4の発明の手段は、第1、第2または第3の発明において、食い込み部を口筒部の内周面に円周状に形成することにある。
【0017】
第4の発明の上記構成により、口筒部の内周面に円周状に食い込み部を形成することにより、内袋体を外容体の口筒部で、内容液の重量を均一に分散させながら、安定して支持することができる。
【0018】
なお、食い込み部の形成は全円周上に亘って形成しても良いし、また複数の食い込み部を等中心角度に円周上に配置することもできる。
【0019】
第5の発明の手段は、第3の発明において、突条が口筒部の外周面に刻設された螺条であること、食い込み部を口筒部の内周面に螺旋状に形成したこと、にある。
【0020】
第5の発明の上記構成により、キャップ等を取り付けるための螺条を利用して突条とすることができると共に、螺条の周回長さに亘って食い込み部を容易に形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。図1および図2は、本発明による壜体1の第1実施例を示すもので、この壜体1は、高密度ポリエチレン樹脂で成形され、壜体1の外容体7を形成して充分な機械的強度を発揮する外層5と、高密度ポリエチレン樹脂との相溶性がないナイロン樹脂で成形され、充分な可撓性を発揮できる薄肉に成形された内袋体8を形成する内層6とから構成されている。なお、勿論のことではあるが、外層5および内層6用の樹脂の組み合わせは上記高密度ポリエチレンとナイロンに限定されるもんではない。
【0022】
また、この壜体1は、外周面に螺条4を刻設した口筒部3を上端に起立連設した有底円筒形状の胴部2を有し、口筒部3の内周面には螺条4に対向する位置に、螺旋状に内層6が外層6に食い込んだ状態で食い込み部11が形成されている。
【0023】
さらに詳細にはこの食い込み部11では内層6の一部が折畳み状に外側に屈曲して、先端を若干上方に向けて、外層5に食い込んだ状態であり、この食い込み部11により、内袋体8の脱落を確実に防止することができる。
【0024】
このような食い込み部11は、たとえばブロー成形において、ブロー成形金型にセットされているパリソンの、壜体1の口筒部3に相当する部分の上方からプラグを押し込むことにより形成することができる。すなわちプラグの押し込みと、その後のエアーブローにより金型キャビテイーの壜体1口筒部3の螺条4に相当する部分に溶融状態にある外層5用樹脂が流動するのに伴って、薄肉の内層6が折畳み状に屈曲変形して外層5に食い込んだ状態となり、食い込み部11が形成される。
【0025】
図3は本発明の第2実施例であり、第1請求項における口筒部3の螺条4の替わりに、キャップ等を係止組み付けするための突周条12を形成した例であり、また図4は第3実施例であり、横突条13を等中心角度で4箇所に形成した例であり、いずれの場合も口筒部3の内周面のこれら突周条12あるいは横突条13に対向する位置に食い込み部11が形成されている。
【0026】
このように食い込み部11を円周状に形成することによっても内袋体8の脱落を効果的に防止することができる。
【0027】
なお、各実施例で例示したような本発明のブロー成形壜体、所謂デラミボトルは、たとえば、外容体7に外層5と内層6との間に外気を進入させる吸気孔を形成して、ディスペンサーポンプを組み合わせたキャップを取り付けて注出容器として使用したり、また外容体7をスクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外殻を形成する構成とし、吸気孔に逆止弁を配し、さらには逆止弁を配した開口筒部を有するキャップを螺合させてスクイズタイプの注出容器として使用することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
第1の発明にあっては、口筒部の内周面の、内層の一部が外層に食い込んで成形された食い込み部により内袋体の脱落を確実に防止するので、口筒部以外の部分は自在に減容変形が可能であり、内容液が略なくなるまで、スムーズな注出性が確保される。
【0029】
また、口筒部は比較的厚肉に成形されるので、食い込み部の形成による外観上の問題もなく、またこの食い込み部はブロー成形時に流動状態にあるパリソンの壜体口筒部に成形される部分にプラグを挿入等することにより形成することができ、別工程を要することなく、高い生産性で提供することができると共に、設備費用を低く抑えることができる。
【0030】
第2の発明にあっては、薄肉の内層の一部を折畳み状に外側に屈曲した状態とすることにより、鋭い形状で内層を外層に食い込ませた状態とすることができ、内袋体の脱落をより確実に防止することができる。
【0031】
第3の発明にあっては、ブロー成形金型の、壜体口筒部の外周面の突条部分に成形される部分に外層用の樹脂が流動する際に、薄肉の内層の一部をこの外層の流動に伴って変形させて、容易に食い込み部を形成させることができる。
【0032】
第4の発明にあっては、口筒部の内周面に円周状に食い込み部を形成することにより、内袋体を外容体の口筒部で、内容液の重量を均一に分散させながら、安定して支持することができる。
【0033】
第5の発明にあっては、キャップ等を取り付けるための螺条を利用して突条とすることができると共に、螺条の周回長さに亘って食い込み部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の壜体の第1実施例を示す、半縦断正面図。
【図2】 図1の壜体の口筒部近傍を示す、要部拡大縦断正面図。
【図3】 本発明の壜体の第2実施例を示す、要部拡大半縦断正面図。
【図4】 本発明の壜体の第1実施例を示す、要部拡大半縦断正面図。
【符号の説明】
1 ; 壜体
2 ; 胴部
3 ; 口筒部
4 ; 螺条
5 ; 外層
6 ; 内層
7 ; 外容体
8 ; 内袋体
11; 食い込み部
12; 突周条
13; 横突条
Claims (3)
- 外容体(7)を形成する外層(5) と、該外層(5) に剥離自在に薄肉に積層され、内袋体(8)を形成する内層(6) とから構成され、口筒部(3)の内周面に、内層(6)の一部が折畳み状に外側に屈曲して外層(5)に食い込んで成形された、内袋体(8)の脱落を防止するための食い込み部(11)が周設されていることを特徴としたブロー成形壜体。
- 口筒部(3) の外周面に突条(4) を周設し、該突条(4) に対向する位置で食い込み部(11)を周設した請求項1記載のブロー成形壜体。
- 突条(4)が口筒部(3)の外周面に刻設された螺条であり、食い込み部(11)を口筒部(3)の内周面に螺旋状に周設した請求項2記載のブロー成形壜体。
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