JP4241393B2 - 給紙装置および印刷装置 - Google Patents
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Description
本発明は、複数のシート状の用紙を収納可能であり、収納された用紙を一枚づつ紙送り可能な給紙装置、およびこの給紙装置が複数段、重ねられた多重給紙装置に関するものである。
背景技術
コピー機や大型のプリンタにおいては、カットシートトレイまたは給紙装置を複数個重ねて、サイズや種類の異なるシート状の用紙(またはカットシート)を自由に選択して印刷できるものがある。これらのコピー機やプリンタでは、種類あるいはサイズの異なる用紙が予め給紙装置に収納されているので、印刷対象のカットシートを変更する際には、目的のカットシートが収納されている給紙装置を給紙トレイとして選択するだけで簡単に印刷用紙のサイズや種類を変更できる。
サイズ、紙質、用途(たとえば、封筒とカットシート)などが異なる複数の種類の用紙を選択して供給可能とするために、複数の給紙装置を重ねてマルチトレイ化した給紙装置(多重給紙装置)がある。一種類の用紙の枚数は100枚以上を収納するのが一般的である。したがって、その給紙装置と一体になったプリンタは大型で高価にならざるを得ない。このため、現状では多重給紙機能を備えたプリンタは、大規模ユーザ用のスタンドアロンで大型のコピー専用機やレーザプリンタとしてしか提供されていない。
パーソナルユースや印刷量の少ない小規模ユーザにおいても、用紙枚数は少量ではあるが多種類の用紙を選択して印刷するケースがある。パーソナルユースにおいては、サイズの異なる用紙、例えば、普通サイズ(A4サイズ(210×297mm))に対して大きなB4(257×364mm)、小さなB5サイズ(182×257mm)やはがきサイズ(例えば100×148mm)、さらには、A4サイズであってもその縦印刷と横印刷など、質の異なる用紙、例えば、普通紙に対して写真用光沢紙など、さらには、厚みの異なる用紙、例えば普通紙に対して封筒などを使用する場合が多い。
用紙の種類が異なる度にプリンタにセットされている用紙を交換することは非常に面倒なことであり、予め多種類の用紙をセットしておけるパーソナルなプリンタが要望されている。そのためには、個々の給紙装置、すなわち、用紙トレイを薄くできれば多重給紙装置も薄くでき、パーソナルユースに適したマルチトレイタイプのプリンタを提供できる。たとえば、個々の給紙装置の厚みが1〜3cm程度であれば、厚みが20cm程度で7〜8種類の用紙を収納可能な多重給紙装置を実現できる。
収納する枚数を少なくすれば用紙トレイは薄くなるが、用紙トレイ自体あるいは用紙トレイを重ねて配置するときには、トレイから用紙をピックアップするピックアップローラの厚みも考慮に入れなければならない。すなわち、1つの用紙トレイを配置するためには、ピックアップローラの直径と、用紙の厚みは少なくとも必要であり、さらにピックアップローラを駆動するための機構を収納するための厚みも必要になる。したがって、薄くコンパクトな多重給紙装置(以降ではマルチトレイ)を実現するには、ピックアップローラを小径にすることが重要である。特に、上述したような1〜3cm程度の用紙トレイを実現しようとすると、ピックアップローラは数mm程度となり、ピックアップローラ自身がフレキシブルなものにならざるを得ない。
用紙トレイの底面に可動なボトムプレートを設け、ばねの力でボトムプレートを押して上方のピックアップローラに押付ける給紙装置が知られている。この給紙装置では、セット可能な最大枚数のカットシートを充分な圧力でピックアップローラに押し付けるために、その用紙の重さに充分に対抗できる力でボトムプレートを押し上げる。したがって、用紙が少なくなるとピックアップローラにかかる力は非常に大きくなり、それに対抗するためにピックアップローラの剛性は充分に高くないといけない。したがって、ピックアップローラを小径にするには不適切な構成であると云える。特に、この方式では、ピックアップローラと用紙との間で作用する力が用紙の厚みで異なるので、大量の用紙があるときでも充分な摩擦力が得られるように大型のばねでボトムプレートを大きな力で加圧する必要がある。一方、用紙の量が少なくなると摩擦力が大きくなりすぎるので複数枚が同時に供給されないように複雑な機構の分離装置を用意しないといけない。このため、ピックアップローラの径以外の点でも薄型のマルチトレイには適していない。
これに対して、ピックアップローラ側を動かして用紙に押し付ける方法は、用紙の重量により加圧力が左右されない点で優れており、コンパクトにできる可能性がある。しかしながら、紙送りするためにはある程度の摩擦力が必要であり、その摩擦力を得るための力でピックアップローラの側から用紙を加圧するにはピックアップローラにある程度の剛性が必要とされる。したがって、ピックアップローラを細くするには限界があり、直径が数mm程度の剛性がほとんどないようなピックアップローラを採用することができない。さらに、用紙トレイにカットシートをセットするためにピックアップローラを上下に動かす機構も必要になる。
一方、給紙装置においては、複数枚のシートが重なって給紙されてしまう重送を防止し、また、シートが内部で紙詰まりしないようにすることにより信頼性を向上することも重要である。
そこで、本発明においては、直径が数mm程度で剛性をほとんど期待できないようなピックアップローラを用いて、極めて薄い給紙装置を提供することを目的としている。さらに、極めて薄い給紙装置を実現するためには、ピックアップローラ周りの構成を簡易にする必要があるが、簡易な構成でも、カットシートを一枚ごと確実に紙送りできる給紙装置を提供することも目的としている。そして、ピックアップローラ周りの構成を簡易とすることにより、紙幅調整機能を給紙装置をサイズアップさせることなく付加でき、1つの給紙装置に対してサイズの異なるカットシートを手軽にセットできる汎用性の高い給紙装置を提供することも本発明の目的である。
また、カットシートを容易にセットできることも重要であり、そのためにピックアップローラを動かす複雑な機構が必要になると給紙装置がサイズアップする要因となる。したがって、極めて薄くても容易に用紙をセットできる給紙装置を提供することも本発明の目的である。さらに、重送や紙詰まりを防止でき、信頼性の高い給紙装置を提供することも本発明の目的である。そして、薄い給紙装置を複数段重ねて配置することにより、コンパクトで所望の種類の用紙を容易に選択できる多重給紙装置を提供することも本発明の目的であり、この多重給紙装置を採用することにより、より便利でコンパクトな印刷装置を提供することも本発明の目的である。
発明の開示
このため、本発明の給紙装置においては、駆動シャフトに複数のローラ部を断続的に配置したピックアップローラを採用し、そのピックアップローラの駆動シャフトの複数の露出部分を、用紙トレイの内部で、それぞれ独立して用紙トレイの底板の方向に加圧するように支持している。ごく薄い給紙装置を実現するには、直径が数mm程度と細く、剛性はほとんど期待できず、フレキシブルに変形する可撓性のシャフトとして取り扱わざるを得ない駆動シャフトを採用しなければならない。しかしながら、駆動シャフトがフレキシブルに変形すると、駆動シャフトの両端を加圧してもローラ部でピックアップローラの長手方向、すなわち、紙幅方向に沿って用紙に対し所定の力で加圧できず、用紙に紙送り力を伝えることができなくなる。あるいは、用紙に対して紙送り力が非常に偏って伝達されることになり、用紙に皺が寄ったり、真っ直ぐに紙送りできなくなる。この問題は、シャフトを加圧する力を大きくしても事態を悪化するだけであり、解消するためになんらかの方法で剛性を上げようとすると、断面積が大きく剛性の高い部材を採用せざるを得ないので、給紙装置の厚みが増大する。
これに対し、本発明においては、駆動シャフトが可撓性であることを逆に利用し、独立して動く複数のばねなどの弾性体を利用し、ローラ部に代表される駆動シャフトの短い部分を1つの単位とし、それぞれのローラ部がほぼ独立して底板の方向に加圧されるようにしている。この構成であると、それぞれのローラ部がほぼ独立に用紙に密着するので、逆に、剛性の高い駆動シャフトを利用したピックアップローラよりも、可撓性の駆動シャフトを採用したピックアップローラのほうが、ローラ部が用紙に接する面積、あるいは紙幅方向の接触距離を大きくできる。したがって、可撓性のピックアップローラを採用することにより、紙送り力を、むしろ効率良く用紙に伝達することが可能となり、紙送りの信頼性が向上し、用紙が偏ったり、しわがよったりするトラブルも解消できる。
特に、紙送りする対象の用紙が封筒などの厚みにアンバランスが生じやすいものであると、可撓性のピックアップローラは厚みの変化に追従して変形するので、剛性の高いピックアップローラよりも信頼性はさらに高い。そして、接触距離あるいは面積を大きくできるので、ピックアップローラを加圧する力は逆に小さくできる。したがって、用紙間の摩擦力が不必要に大きくなるのを防止でき、複数の用紙が同時に紙送りされる多重給紙のミスを低減できる。
さらに、駆動シャフトを複数の部分に分けて独立して加圧するのは単純なコイルばねや板ばねという極めて簡易な機構で実現できる。したがって、用紙トレイ内には単純な機構の弾性支持手段を配置すれば良いので、それが占めるスペースは非常に小さくて良い。このため、給紙装置の厚みをさらに小さくできる。弾性支持手段として採用されるコイルばねや板ばねなどの単純な機構は、用紙トレイに用紙がフルにセットされたときには、縮んでピックアップローラの厚みのなかにほぼ収まり、セットされた用紙と弾性支持手段とが干渉することもない。したがって、用紙をセットするスペースと数mm程度の細いピックアップローラを収納できるだけの厚みを持った格段に薄い用紙トレイを採用でき、給紙装置全体を非常に薄くデザインできる。
さらにまた、用紙トレイ内には単純な機構の弾性支持手段を配置すれば良いので、ピックアップローラ周りの構成も簡易にできる。このため、用紙トレイの底板の表面を紙幅方向にスライドする紙幅調整板を、給紙装置をサイズアップさせることなく設置することが可能となり、サイズまたは紙幅の異なる用紙を利用する際に紙幅調整板を用いて手軽にセットできる。これにより、給紙装置の汎用性が高められる。
また、駆動シャフトを、用紙トレイを横断するように配置することにより、モータなどの駆動機構は用紙トレイの外に配置することが可能であり、給紙装置の用紙トレイの内寸法としてモータ、歯車などの駆動機構のためのスペースを含めなくて良い。このため、用紙トレイの容量を大きくでき、給紙装置をさらに薄くできる。また、駆動シャフトを、用紙トレイを横断するように配置することにより、用紙トレイ内に入るサイズの用紙であれば、異なるサイズの用紙でもピックアップローラが確実に接するので高い信頼性で紙送りできる。
すなわち、本発明の給紙装置は、複数のシート状の用紙を収納可能であり、前方に用紙の紙送り方向のエッジが当たる分離壁を備えた用紙トレイと、用紙トレイを横断する駆動シャフトおよびこの駆動シャフトに断続的に取り付けられた複数のローラ部を備えたピックアップローラと、駆動シャフトの複数の露出部分が用紙トレイの底板の方向にぼほ独立して加圧されるように支持する弾性支持手段と、用紙トレイの外側面に配置され、ピックアップローラの駆動シャフトを駆動する駆動機構とを有する。
この給紙装置は、駆動シャフトを独立して用紙トレイの底板方向に加圧することにより、上述したピックアップローラを用紙に押し付ける方式のピックアップ装置となるので、用紙トレイ内の用紙量が変化してもピックアップローラを用紙に押し付ける力は変化しない。したがって、その点でも信頼性の高い給紙装置となる。その一方で、単純な弾性支持手段で駆動シャフトを支持しようとすると用紙を供給した際には、ピックアップローラは用紙と接触している。印刷機構の側で印刷が始まると紙送りを行なうので、紙送りされる用紙に接触しているピックアップローラが負荷となる。この負荷を軽減するためには、駆動機構にワンウェイクラッチのような一方向回転クラッチを設けておけば良い。
本発明の給紙装置であれば、上述したように、ごく細いピックアップローラを採用して信頼性の高い給紙装置を実現できる。このため、給紙装置を複数個、重ねて多重給紙装置とし、トレイ採択駆動機能を付加することにより、複数種類の用紙を選択して供給できる非常にコンパクトなマルチトレイを提供できる。多重給紙装置と、この多重給紙装置から給紙された用紙に印刷する印刷機構とを有する印刷装置は、複数の種類の用紙を選択して利用できる使い勝手の良いコンパクトな印刷装置となる。
本発明の給紙装置は、用紙トレイ内に入るサイズの用紙であれば、どのようなサイズあるいは種類であっても高い信頼性で給紙できる。したがって、複数の給紙装置の用紙トレイの幅を同一にすることにより、全体が1つのトレイのようなマルチトレイを提供できる。各々の給紙装置に、用紙トレイの左右いずれか一方の統一された側に、紙幅の異なる複数の種類の用紙をセットするために用紙トレイの底板の表面を動く紙幅調整板を設けることにより、いずれか一方の側を基準として印刷する幅を自動設定することができる。また、各々の給紙装置は、外側に駆動機構を配置してあるので、左右いずれか一方の外側面に駆動機構が配置された2種類の給紙装置を用意し、それらを交互に重ねることにより、上下の給紙装置の駆動機構が干渉しないさらにコンパクトな多重給紙装置を提供できる。
本発明の給紙装置では、駆動シャフトが独立したコイルばねなどの弾性支持手段により支持されるのでピックアップローラ全体が用紙トレイの底板の方向に揺動する。それと共に、前後方向にも移動しやすいので、ピックアップローラが用紙に接触する位置が不安定になりやすい。これに対し、弾性支持手段が、底板から上方に離れた点を支点として駆動シャフトが底板の方向に旋回するように支持する構成であると、底板方向の独立した揺動性は失わずにピックアップローラが用紙に接触する前後方向の位置および角度が安定するように支持でき、各々のローラ部の紙送り方向を安定させることができる。
駆動シャフトを弾性的に旋回支持する1つの構成は、駆動シャフトを旋回するように支持する複数のフレームと、駆動シャフトの露出部分またはフレームを用紙トレイの底板の方向に加圧する複数の弾性体とを備えた弾性支持手段を採用することである。他の1つの構成は、弾性支持手段として、紙送り方向、すなわち前後方向に弾性変形する部分が延びるように配置された板ばねを採用することである。この形態の板ばねは、紙送り方向に延ばせるので、駆動シャフトの上下の変位に対する弾性係数が小さくなり、駆動シャフトの上下の変位に対して比較的弱く安定した圧力を駆動シャフトに供給することができる。したがって、ほぼ一定の小さな力で駆動シャフトを加圧できる。これにより、複数枚のカットシートが紙送りされる多重送りをいっそう確実に防止できる。さらに、この形態の板ばねは一部で折り返されたばねであっても良い。このような板ばねであると、折り返した点を支点として駆動シャフトを旋回支持できる。
本発明の給紙装置では、個々のローラ部が比較的弱い力で押付けられているので、ピックアップローラを上げなくても用紙トレイにカットシートを挿入できる。弾性支持手段が旋回する機構であると、セットする用紙の先端がフレームや板ばねに当たってピックアップローラを押し上げるので、さらに用紙をセットしやすい。一方、給紙するときの状況を考慮すると、フレームを駆動シャフトの露出部分に取り付ける部分や、板ばねを駆動シャフトの露出部分に取り付けまたは連結する部分を、底板から反対側に、用紙トレイの上方に立ち上がらせておくことにより、カットシートと弾性支持手段が干渉するのを防止できる。さらに、この連結部分または接続部により確保される間隔をローラ部の径以下にすることにより、最も上方の用紙の先端までローラ部が必ず接する。したがって、用紙をセットした後にピックアップローラを駆動することにより、ローラ部が最も上の用紙の上に自動的に乗り上り、最も上の用紙から順番に紙送りできる。すなわち、弾性支持手段と駆動シャフトの露出部分とをローラ部の径以下の間隔を設けて底板の反対側において連結する連結部材あるいは接続部を備えていることが望ましい。この接続部は弾性支持手段に一体的に形成されていても良い。
ローラ部が最も上の用紙に自動的に乗り上がるようにするには、偏心形または非円形のローラ部を採用することが望ましい。ローラ部が回転すると用紙と接触する位置が変わるので、ローラ部の外周面に接している用紙がローラ部の回転によって自動的にローラ部の下に入り込み、あるいはローラ部が用紙に乗りあがり、最上段の用紙の上に自動的にローラ部が動く。
本発明の給紙装置は、用紙トレイを横断するようにピックアップローラが延びているので、紙幅が用紙トレイの幅より狭い用紙をセットし、用紙の残量が少なくなると、可撓性のピックアップローラは変形して用紙トレイの底板に接する可能性がある。このため、ピックアップローラのローラ部に向かい合う底板にローラ部が収まる溝を形成し、ローラ部と底板との干渉を防ぐことが望ましい。
ピックアップローラを支持する弾性支持手段は用紙トレイの上方に上壁を設け、この上壁に取り付けることが可能である。また、給紙装置が重ねて使用されることを前提としている場合は、用紙トレイの底板の裏面に、下方に重ねられる給紙装置の弾性支持手段を取り付けることも可能である。また、重ねて使用されることを前提とした給紙装置においては、下段の給紙装置のローラ部に向かい合う用紙トレイの底板の裏面にローラ部が収まる溝を形成しておくことも有効である。下段の給紙装置のローラ部を上段の給紙装置の用紙トレイの裏面に形成された溝まで退避させることができ、用紙の収納スペースをいっそう広げることができる。
本発明の給紙装置においては、用紙トレイの分離壁に、紙送り方向に広がった形状の凸部または紙送り方向に狭まった形状の凹部を形成しておくことが望ましい。このような凸部または凹部を設けると、ローラ部が回転して紙送りされたときには、用紙の先端が分離壁の凹凸部に沿って変形する。分離壁の凹部は先細り、すなわち、下に凹んだ凹部が紙送り方向に狭まるようになっているので、そこにはまり込んだ用紙の先端部分は、凹部によって下に凸に変形し、その凸状に変形した部分は用紙送りと共にだんだんとその変形部分の幅が狭くなる。この変形に伴って発生する抵抗と、凹部のコーナーまたはエッジで発生する摩擦は、従来の平坦な分離壁に用紙の先端を接触させる方式と比較して、大きく安定したものになる。また、この抵抗は分離壁の先端部または紙送り側の部分に近づくにしたがって大きくなり、用紙を分離するのには理想的である。これらの抵抗および摩擦はローラ部の回転により1枚目の用紙を送り出すとき、下の2枚目の用紙の抵抗となって動きを阻害し、用紙の分離を確実にする。ピックアップローラのローラ部の紙送り方向にほぼ対応した位置に、先細り、または紙送り方向に狭まった形状の凹部を設けることにより、2枚目以降の用紙に対して分離壁の抵抗はより効果的に作用する。
また、先細り形状の凹部であると、紙送りされた用紙の先端の形状が変形しながら抵抗が発生する。したがって、長期間、トレイに放置されて先端の形状が分離壁になじんだ状態になっていても、紙送り力が作用すると分離壁の凹凸によって用紙の先端の形状が変わるので、用紙を分離するための抵抗を確実に得ることができ、用紙の経時変化に対しても効果がある。
ピックアップローラにより紙送りされたときに分離壁の凹凸に応じて変形させるには、用紙の両端を凹部に入れずに紙経路の幅が広がらないようにすることが望ましい。また、用紙の紙幅方向の端が凹部に位置すると、紙送り方向に狭まった凹部の壁に接触または引っ掛かり、抵抗が大きくなりすぎる可能性がある。したがって、用紙トレイにセットされる各サイズの用紙の紙幅方向の端が当たる部分を凸部とすることが望ましい。サイズ毎に紙幅調整板を動かす場合は、紙幅調整板と連動して動き、分離壁の前面に各々の種類の用紙の紙幅方向の端が乗り上げる部分を形成するマスク板を設けることが望ましい。
給紙するときに分離壁により適当な抵抗を得ることにより重ね送りを防止できるが、適当な抵抗を得るためには、用紙トレイの底板に対する分離壁の角度を適切に設定し、用紙の先端が分離壁に対して適当な角度で当たるようにする必要がある。分離壁と用紙トレイの底板の角度は90度以上に通常設定されるが、そのような角度に設定されると用紙トレイに残った用紙の量により分離性能に差が生ずる。すなわち、用紙トレイに積み重ねられた用紙の上面にピックアップローラが接して紙送りする場合、ピックアップローラが用紙の量により上下に動いたとしても紙送り方向に対しては殆ど動かないとすれば、分離壁が90度以上に傾いているために、用紙トレイに紙が残っている状態のピックアップローラが接した位置から分離壁までの距離に対して、用紙トレイに紙が残っていない状態のピックアップローラが接した位置から分離壁までの距離は小さくなる。
分離壁に用紙の先端を当てて重送を防止するためには、分離壁から反作用を受けるために紙の腰(剛性)を利用して用紙の先端をある程度の力で分離壁に押し付ける必要がある。したがって、分離壁とピックアップローラとの距離を大きくできない。このため、用紙トレイに残数が多い状態で用紙の先端が分離壁の紙送り方向の先端部に当たるときと、用紙トレイに残数の少ない状態で用紙の先端が分離壁の紙送り方向の末端部に当たるときとでは、分離壁とピックアップローラとの距離が異なる。前者のときは距離が長く用紙の剛性が小さいので分離が難しく、後者のときは距離が短く用紙の剛性が高いので紙詰まりが発生しやすい。
このため、本発明においては、分離壁の紙送り方向の先端部と用紙トレイの底板との第1の角度は、分離壁の紙送り方向の末端部と用紙トレイの底板との第2の角度より小さくしている。これにより、分離壁の紙送り方向の先端部に用紙の端が当たる場合は分離壁との角度が小さくなり用紙を分離しやすくなる。一方、分離壁の紙送り方向の末端部に用紙の端が当たる場合は分離壁との角度が大きくなり紙詰まりが発生し難くなる。さらに、凸部を有する分離壁においては、凸部の紙送り方向の先端部と用紙トレイの底板との第1の角度を、凸部の紙送り方向の末端部と用紙トレイの底板との第2の角度より小さくすることが望ましい。用紙トレイにセットまたは残されている用紙の枚数に左右されずに一枚ずつ給紙可能な信頼性の高い給紙装置を提供できる。先端部および末端部の角度が異なる分離壁または凸部は、角度の異なる面の組み合わせ、または先端部および末端部の角度が異なる曲面を備えている。
用紙の剛性が高ければ(腰が強ければ)、上記において分離壁とピックアップローラが接触する部分との距離を長くできるので、用紙トレイに残数が多いときと少ないときとの差は小さくできる。また、分離壁に先端が当たったときの抵抗差も大きく、重ね送りを防止しやすい。さらに、紙送りするときに用紙に対してバランス良く力を与えられるので曲がったり歪んだりすることなく紙詰まりも発生し難い。用紙を紙幅方向に湾曲させることにより薄い用紙であっても剛性を高くできる。しかしながら、用紙を湾曲させることによりピックアップローラとの接触面積が減ってしまい、用紙に対して効率よく駆動力を伝達できない。その結果、結局、高い信頼性で紙送りすることができないという問題が発生する。これに対し、本発明の給紙装置においては、ピックアップローラが可撓性であるので、ピックアップローラも用紙の湾曲した形状にほぼ沿った形状で湾曲し、湾曲した用紙に対しても紙幅方向においてピックアップローラをほぼ均一な圧力で接触させることが可能となる。これにより、用紙を湾曲させることにより擬似的に腰の強いまたは剛性の高い状態となった用紙に対し、紙幅方向においてほぼ均一な紙送り力を加えることが可能となる。したがって、薄い給紙装置でありながら、さらに信頼性の高い給紙装置を提供できる。
用紙を湾曲させる方向は、ピックアップローラの側が凹状になっても良いし、凸状になっても良い。用紙トレイとして、底板全体を湾曲させたものや、底板の紙幅方向の端の部分だけ傾斜または湾曲させたものを採用できる。ピックアップローラの側が凹になるように湾曲させる場合、用紙トレイの側壁および/または底板の側壁側に、当該用紙トレイにセットされた用紙の両端近傍を紙幅方向に湾曲するように支持する湾曲化部を設け、それらが側壁の少なくとも一方と共に、紙幅方向に移動可能にできる。これに対し、紙トレイの底板が湾曲している場合は、一方に用紙を寄せると給紙した後に進行方向が歪む可能性ある。したがって、用紙トレイの両側壁が紙幅方向の中心に対称に移動させ、用紙トレイの中央から給紙することが望ましい。また、このように、用紙トレイの側壁を紙幅方向に移動させた場合であっても、可撓性の駆動シャフトを採用しているので、側壁を移動させたことによって実現される湾曲にも駆動シャフトを追従して湾曲させることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下に図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1に本発明に係る給紙装置を用いて構成した多重給紙装置、すなわちマルチトレイを有するプリンタの概要を示してある。このプリンタ1は、2種類の給紙装置20および30が交互に7段重ねられたマルチトレイ10を備えており、それぞれの給紙装置20および30には複数のシート状の用紙、すなわちカットシート2を収納することができる。また、プリンタ1は、マルチトレイ10から供給されるカットシート2に印刷する印刷部3を有している。印刷部3は、用紙フィーダ5、インクジェットタイプの印刷ヘッド6、および排紙フィーダ7を備えている。また、印刷部3は、ホストとなるコンピュータ9から印刷データおよびコマンドを受信し、それに基づいて印刷ヘッド6、フィーダ5および7、さらにマルチトレイ10を制御する制御部8を備えている。
マルチトレイ10は、ほぼ垂直に立てられたアウターケース11に対して2種類の給紙装置20および30が交互に重ねられた構成になっている。各々の給紙装置20および30は給紙口29が下になるようにほぼ垂直に傾いた状態で配置されており、各々の給紙装置20および30から出力されたカットシート2は、アウターケース11の下壁11aを紙ガイドとして印刷部3に供給される。以下では、アウターケース11に対して給紙装置20および30が重ねられている方向を上下方向とし、給紙装置20および30の給紙方向を前後として説明する。さらに具体的には、図1に示す印刷部3の方向を上方とし、給紙口29の方向を前方として説明する。
図2に、マルチトレイ10の概要を側面図を用いて示してある。また、2種類の給紙装置20および30の平面的な概略構成を図3および図4に示してある。さらに、図5に、給紙装置20を構成する主な部品を展開図により示してある。給紙装置20および30は、駆動機構41が配置される位置が左右異なる点を除きほぼ同じ構成であるので、給紙装置20を中心に説明する。給紙装置20は、底板21、左側板22、右側板23、および前板24を備えた用紙トレイ25を有している。前板24はカットシート2の紙送り方向または前方のエッジが当たる分離壁となっている。トレイ25の内部に積み重ねられた最も上のカットシート2は分離壁24によって一枚ずつ分離され、分離壁24の上部を給紙口29として前方の紙送り方向Fにある印刷部3に給紙される。用紙トレイ25の後方Bの側は開いており、カットシート2をセットできる。また、用紙トレイ25より大きなカットシート2は、1部が後方Bからはみ出した状態でセットされる。
用紙トレイ25の幅は、用紙トレイ25にセットする最も大きなサイズのカットシートに合わせてデザインされている。本例においては、用紙トレイ25にセットされる用紙を一般的にカットシートと称しているが、一枚あるいは1部ずつ印刷部3に給紙して印刷できるものであれば、シート状の用紙に限定されることはなく、封筒、薬袋、領収書、薬手帳、薬暦簿などであっても良い。本明細書におけるカットシートあるいは用紙とは、それらの印刷部3で印刷可能なすべてのメディアを含む概念である。また、カットシート2は、長手方向が前後に配置されてもよく、長手方向が紙幅方向に配置されても良い。いずれのケースでも、紙送り方向である前方Fに直交する方向を本明細書では紙幅方向Wと呼ぶことにする。
用紙トレイ25の底板21には紙幅方向Wにスライドし、右側板23との間の距離を所定のカットシート2の紙幅に合わせることができる紙幅調整板26が設置されている。したがって、たとえば、A4サイズ(210×297mm)のシート2をセットできるサイズの用紙トレイ25には、紙幅調整板26を動かすことにより、A5(148×210mm)、B5(182×257mm)などのA4サイズ以下のカットシート2や、変形の領収書サイズ(102mm×106mm)などのカットシート2をセットできる。また、A4サイズより大きなB4(257×364mm)などのカットシート2をセットできるようにしても良い。このため、給紙装置20は異なるサイズまたは紙幅のシート2を手軽に設置できる非常に汎用性の高い装置である。底板21の右側板23の側は前方Fに凹んだ、あるいは切り欠かれた部分37が形成されており、底板21の長さより短いカットシート2を上下から挟んで用紙トレイ25にセットしたり、取り出したりできるようになっている。
用紙トレイ25の上部には、収納されたカットシート2を紙送りするピックアップローラ32が、分離壁24に沿って用紙トレイ25を横断するように配置されている。ピックアップローラ32は、用紙トレイ25を横断するように紙幅方向Wに延びる駆動シャフト33と、この駆動シャフト33に断続的に取り付けられた複数のローラ(またはローラ部)34を備えている。駆動シャフト33は左側板22および右側板23に形成された上下に延びる溝36の内部を上下にスライドまたは揺動可能になっており、用紙トレイ25にセットされているカットシート2の枚数に応じて上下に移動する。駆動シャフト33の右側壁23を貫通した右端33rは側壁23に沿って配置された駆動機構41に連結され、モータ42により駆動される。給紙装置20は駆動機構41が右側壁23の外側23aに配置されているが、図4に示すように、給紙装置30では駆動機構41が左側壁22の外側22aに配置されており、駆動シャフト33の左端331が駆動機構41に連結される。この駆動機構41の配置を除き、給紙装置20と30の構成は共通している。
このため、図2に示すように、給紙装置20および30を交互に積層した構造のマルチトレイ10では、駆動機構41が左右交互に配置されたレイアウトとなっている。各々の駆動機構41は、側壁22または23に固定された駆動モータ42と、このモータ42と駆動シャフト33とを接続する輪列(歯車列)44を備えており、輪列44から駆動シャフト33に動力を伝達する部分の歯車43が駆動側の一方向の回転のみを従動側に伝達する一方向回転クラッチ(ワンウェイクラッチ)43となっている。ワンウェイクラッチ43は、ピックアップローラ32がカットシート2を紙送りする方向に回転するように駆動力を駆動シャフト33に伝達する。したがって、カットシート2が印刷部3のフィーダ5または7により引っ張られてピックアップローラ32が駆動機構41から与えられる回転速度より速い速度で回転するようになると、ワンウェイクラッチ43は空回りし、ピックアップローラ32はほとんど無負荷状態で回転する。
ワンウェイクラッチ43は、ラチェットなどを用いたタイプや、ボールとスプリングを用いたボールクラッチを用いることが可能である。ボールクラッチは空回りするときの騒音が非常に小さく好ましい選択である。また、本明細書における一方向回転クラッチは、遊星歯車などの他のタイプの一方向伝達機構をすべて含むものである。
駆動機構41は、最もモータ側の歯車45の軸45aを中心に側壁22または23の外側に上下に旋回するように取り付けられている。したがって、ピックアップローラ32がシート2の量によって上下に動くと、それに追従して駆動機構41も軸45aを中心として上下に旋回する。図2に示すように、駆動機構41の上下の高さは給紙トレイ25の高さ(側壁22および23の高さ)より若干高い程度であり、ピックアップローラ32が上下に動くと、給紙トレイ25の範囲を超えて上下に動く。したがって、駆動機構41を同一の方向に配置していると、上下の給紙装置20および30で駆動機構41が干渉しあうことになるが、本例では、駆動機構41を左右交互に配置してあるので、上下の給紙装置20および30では駆動機構41が干渉しない。このため、図2に示すように、ピックアップローラ32の上下の動きにスムーズに追従して駆動機構41が動き、モータ42から動力をピックアップローラ32に確実に伝達する。
図5に、展開図を用いて示してあるように、本例のピックアップローラ32においては、直径が1〜3mm程度の細い可撓性の駆動シャフト33に、直径が2〜5mm程度のゴム製などのローラ34が断続的に取り付けられており、駆動シャフト33が断続的に露出する。それらの露出部分35を、上方、すなわち、用紙トレイ25の底板21に対して反対側から複数の板ばね51を弾性支持手段として独立して支持し、ピックアップローラ32を底板21の方向に加圧する。本例の給紙装置20は、先が2つに別れ、シャフト33の露出部分35を各々独立して掴むベアリング部分51dとなった4つの板ばね51と、用紙トレイ25の上に側壁22および23の上端を繋ぐように紙幅方向Wに沿って渡された上部プレート52とを備えており、板ばね51は上部プレート52の裏面に固定されている。
各々の板ばね51は、プレート52に固定される部分51aから後方Bに延びる部分(第1の延設部分)51bと、後方の位置51tで折り返され、前方Fに延びる部分(第2の延設部分)51cとを備えており、前方に延びる部分の先端部分51dがシャフト33の露出部分35に軸受けとして取り付けられる。また、折り返された部分51tには、プレート52に形成されたスリット52aに引っ掛かる爪部51hが形成されており、折り返し部分51tが底板21の方向に落ち込んでシート2と干渉しないようになっている。前方Fに延びる部分51cと、シャフト33の軸受け51dとの接続部分51eは、板ばねの先端51gから下方に傾斜した形状となっており、駆動シャフト33から見ると、立ち上がり部となっている。このため、接続部分51eが板ばね51とシャフト33との間にスペースを確保しながらこれらを底板21の反対側において連結する接続部としての機能を果たしている。接続部分51eは、板ばね51と一体に形成することも可能であるし、この接続部分51eをプラスチックなどの弾性のない別部材から構成することも可能である。
図6にピックアップローラ32が用紙トレイ25の内部で上下に揺動する様子を示してある。ピックアップローラ32は、板ばね51を介してプレート52に取り付けられており、板ばね51が折り返された形状で前方Fに延びる第2の延設部分51cの先端側に取り付けられた状態となっている。したがって、板ばね51が弾性変形するために多少変位するが、概ね、ピックアップローラ32は、板ばね51の第2の延設部分51cにより折り返し位置51tを中心に上下に旋回する。したがって、ピックアップローラ32の各々のローラ34は、細い可撓性のシャフト33と、上方のプレート52から板ばね51により弾性的にほぼ独立して動くように支持されているので、上下方向にはほぼフレキシブルに動く。一方、前方Fに延びる第2の延設部分51cにより旋回支持されているので、前後方向には動きが制限されており、シート2の所定の場所に、ローラ34が前方Fを向いた状態でカットシート2に接触する。
図6(a)は、用紙トレイ25に、許容されている枚数のカットシート2がほぼ満杯になるようにセットされた状態を示している。各々の板ばね51は弾性変形して右側板23の側から見ると用紙トレイ25の底板21とほぼ平行になった状態で駆動シャフト33を複数箇所から用紙トレイ25の底板21に対して加圧する。したがって、各々のローラ34はシート2に密着し、紙送り力を確実に伝達できる。板ばね51の形状をみると、軸受け51dから接続部51eを介して第2の延設部分51cに繋がっているので、第2の延設部分51cはシート2に接触しない状態で弾性変形している。したがって、板ばね51がシート2と干渉することがない。
そして、板ばね51は、非常に薄く、ピックアップローラ32より薄い隙間で収まる。したがって、ピックアップローラ32を下方に加圧する機構のために割く余分なスペースは不要である。ピックアップローラ32を駆動する機構は用紙トレイ25の外部に配置されているので、用紙トレイ25の内部には小径のピックアップローラ32と、それを弾性的に支持する板ばね51だけを配置すれば良い。板ばね51はピックアップローラ32の厚みの中に収まるので、ピックアップローラ32を小径にすればそれだけ用紙トレイ25を薄くでき、収納可能な枚数も増えることになる。したがって、給紙装置20および30を極めて薄くデザインできる。また、用紙トレイ25の内部のピックアップローラ周りの構成は非常に簡易になるので、用紙トレイ25の内部に紙幅調整板26を設けて移動させる際に干渉するものも少ない。このため、給紙装置をサイズアップさせることなく紙幅調整板26を設置し易い。
また、軸受け51dは、駆動シャフト33の露出した部分35を支持するようにしているので、ローラ部34の厚みの内部で軸受け51dを配置できる。したがって、軸受け51dがシート2と干渉することもない。このため、用紙トレイ25のスペース(厚み方向)は、ローラ部34が占めるスペースを除き、他のすべてをシート2を収納するために利用できる。したがって、薄くても収納枚数の多い給紙装置20を提供することができる。また、ピックアップローラ32は、シート2を一様に加圧する必要はなく、シート2に紙送り力を伝達できればよいので、ローラ部34を分断させても機能的に支障がない。
図6(b)は、カットシート2の枚数が減った状態を示している。ピックアップローラ32は、板ばね51により下方に加圧されているので、シート2の量に応じて上下に揺動し、最上段のシート2に適当な力で接触する。具体的には、板ばね51が、弾性変形し、後方Bに延びる第1の延設部分51bが板ばね51のプレート52に対する取付部分51aを支点として下方に若干旋回すると共に、前方Fに延びる第2の延設部分51cが第1の延設部分51bの後方Bで折り返された部分51tを支点として下方に旋回する。そして、板ばね51に支持された駆動シャフト33が、用紙トレイ25の左右の側板22および23に形成された溝36の内部を下方にスライドする。本例では、第1の延設部分51bに対して第2の延設部分51cが長いので、第2の延設部分51cの変位が大きい。
前後に延びた形状の板ばね51は、板の部分を長くできるので弾性係数(弾性定数)の小さな板ばねとなりピックアップローラ32の上下の変位に対して比較的変動の小さな安定した力で加圧することができる。そして、加圧力も小さくなる。本例のように折り返した形状の板ばねとすることにより、さらに板の部分が長くなるので、弾性係数を小さくでき、より安定した力でピックアップローラ32を下方に加圧できる。
また、駆動シャフト33の露出部分35は、各々が板ばね51の軸受け部分51dで把持されて下方に加圧され、駆動シャフト33は細くフレキシブルなものであるので、露出部分35に挟まれた各々のローラ34は上部プレート52から、上下にほぼ自由に動く独立懸架された状態になる。したがって、各々のローラ34は独自の状態でシート2に密着し、他のローラ34の状態に左右され難いので、密着性が高い。このため、紙送り力をシート2に伝達しやすい。特に、封筒や薬袋などの厚みが一定でないシートをセットした場合は、厚みに差が有っても各々のローラ34がそれに追従して上下に動くので、極めて効率良く駆動力をシートに伝達できる。したがって、どのような種類のシートでも確実に給紙することができる。
また、シート2の上に位置するすべてのローラ34が確実にシートに接するので、紙送り方向が傾いたり、用紙に皺がよるといった紙送り不良が生じる可能性は非常に低い。特に、本例の方式であれば、A3などの紙幅の広い用紙に対応するために長い駆動シャフトを採用したとしても、独立懸架する箇所を増やすだけで、幅広の用紙の上に位置する全てのローラ34を確実に接触させることができる。このため、駆動シャフトの長さまたは紙幅に左右されずに、用紙に皺がよるなどの紙送り不良の発生を抑制できる。
また、各々のローラ34が確実にシート2に接するということは、接触面積も大きくなるということであり、各々のローラ34を加圧する力を小さくしても所望の紙送り力をシート2に伝達できることを意味する。したがって、過剰な圧力を加えなくて良いので、シート間の摩擦力を低減することができ、多重給紙のトラブルを防止しやすい。本例の給紙装置20は、ピックアップローラ32を上方からシート2の方向に加圧するデザインであるので、シート2を反対側から押す方式に比較すると、ピックアップローラ32を加圧する力が当初より小さくて良いことは上述したとおりである。したがって、本例の給紙装置20では、シートを加圧する力は極めて小さいもので良くなり、板ばね51をはじめとする構造部材の強度を小さくできる。このため、給紙装置20の全体を考えても、軽量化でき、さらに、低コストで提供することができる。
図6(c)は、用紙トレイ25の内部が空の状態を示している。板ばね51により下方に加圧されているピックアップローラ32は、シート2の残量に追従して動き、シート2がなくなると底板21に達する。したがって、最後の一枚のシート2まで確実にピックアップすることができる。一方、用紙トレイ25よりもサイズの小さなシート2をセットしている場合は、駆動シャフト33がフレキシブルで、個々のローラ部34が独立懸架されているので、シート2の残量が少なくなったときに、シート2に接しないローラ部34は底板21に直に接し、ピックアップローラ32の回転不良の要因となってしまう可能性がある。そこで、本例の用紙トレイ25では、底板21のローラ部34と対面する箇所に溝57を設けることにより、そのようなケースでもローラ部34が底板21に接しないようにしている。したがって、サイズの小さなシート2を収納した場合でも、ピックアップローラ32が底板21に接することがなく、最後の一枚まで確実に給紙できる。
また、駆動シャフト33は、ワンウェイクラッチ43を介して駆動される。このため、ピックアップローラ32が常に底板21の方向に加圧されてシート2を加圧していても、給紙装置20から出力されたカットシート2がプリンタ1のプラテンローラまたはフィードローラ5によって紙送りされる状態になったときはワンウェイクラッチ43が空回りする。したがって、ピックアップローラ32はほとんど負荷にならない。印刷部3の側でシートをフィードする状態になったらピックアップローラ32をリリースする機構を設けることも可能である。しかしながら、その機構を内蔵するため用紙トレイ25のスペースが割かれるので、用紙トレイ25を薄くコンパクトにし、その中でできるだけ多くのシート2を収納するためには、本例のようなワンウェイクラッチを用いた簡易な機構が適している。
さらに、本例の給紙装置20は、ピックアップローラ32をリリースしなくても、用紙トレイ25にシート2を簡単に補給することができる。その様子を図7に示してある。図7(a)に拡大して示すように、給紙装置20のピックアップローラ32は、断面が楕円形のローラ34を採用している。楕円形のローラ34であると、図7(a)に示すように、補給したカットシート2の先端2aがローラ34の外周面34aに接した状態で回転すると、図7(b)に示すように、ローラ34がカットシート2に当たる位置が変わり、ローラ34がカットシート2の上方に乗り上げるように動く。したがって、ローラ34の下に補給されたカットシート2が順次送り込まれる。このため、カットシート2をトレイ25に補給した後、ピックアップローラ32を常時と同じように駆動するだけで、ピックアップローラ32は、自動的に最も上のカットシート32の表面にセットされる。
したがって、図7(c)に示すように、カットシート2を補給した後は、通常通りピックアップローラ32を駆動することにより、リリース機構やピックアップローラ32を持ち上げる特別な機構を用いずに、ピックアップローラ32が最も上に位置するカットシート2fの上に乗り上がり、そのカットシート2fが紙送りされる。このような作用は、ローラ34が回転するときに上下に動いたり、ローラ34が回転するときにシート2に当たる位置が前後に変化する形状であれば得られるものである。したがって、楕円形のローラに限定されずに、偏心形のローラやD型などの非円形のローラを用いたピックアップローラでも同様の作用が得られる。
一方、ローラ34が回転することにより上方のシート2に乗りあがるためには、ローラ34をストッパーとして、補給されたシート2の先端2aが少なくともローラ34の外周面34aに接している必要がある。したがって、本例のピックアップローラ32では、板ばね51のベアリング部分51dとここから上方に立ち上がった接続部分51eのサイズをローラ34が回転する範囲内、たとえば、楕円形のローラ34であれば長径以下になるようにしている。この構成により、大量にシート2を補給した場合は、その先端2aが板ばね51に当たって板ばね51と一緒にピックアップローラ32を上方に動かす。そして、最上部の一部のシートの先端2aは、立ち上がり部51eにより、必ずピックアップローラ32に当たった状態になる。このため、ピックアップローラ32を動かすことにより、ピックアップローラ32が最も上のシート2fの上に移動し、順番に紙送りされる。一方、ピックアップローラ32が最も上のシート2fの上に乗りあがると、立ち上がり部51eにより、板ばね51の本体である第2の延設部分51cは、図7(c)に示すように、シート2から離れた位置に移動するので、シート2と板ばね51とが干渉しない。したがって、シート2はスムーズに給紙される。
大量のシート2を補給する際に、一部のシート2の先端2aを板ばね51やローラ34に当ててピックアップローラ32を上方に動かしながら挿入することも可能である。しかしながら、このような方法でシートを挿入すると、シート2の先端部分が分離壁24に強く押し付けられて変形し、分離壁24から受ける抵抗が不安定になり、用紙の分離性能に悪影響を及ぼす可能性が若干ながらある。本例の給紙装置では、ピックアップローラ32を駆動するだけで自動的にシート2が分離壁の方向に適度な力で送られて紙送り可能な状態にセットされる。したがって、ピックアップローラ32を上方に押し上げるようなシート2のセットの仕方は控えることが望ましい。
図8に分離壁(前板)24の周辺を拡大して示し、図9に分離壁24に設けられた凹部とローラ34との相互関係を模式的に示してある。図8および図9(a)に示すように、分離壁24には、前方あるいは上方の紙送り方向Fに広がった三角形の複数の凸部64が一定のピッチで配置されている。これらの凸部64は、駆動シャフト33の露出部分35の前方に対応するように配置されており、各々のローラ34の前方Fには隣り合う凸部64により前方Fに向って狭まった凹部61が形成されている。カットシート2を給紙するためにローラ34を回転すると、各々の凹部61にカットシート2の先端2aが押付けられて窪み、図9(b)に示すように、凹部61または凸部64のエッジまたはコーナー62から抵抗を受ける。凹部61は前方Fに向かって狭くなっているので、シート2の先端2aが前方に紙送りされるとコーナー62に当たる部分が変わり、また、コーナー62から受ける抵抗は強くなる。
したがって、カットシート2には、先端2aが凸部64の表面64aに接して受ける抵抗と、コーナー62に押付けられて受ける抵抗とが作用する。最も上のシート2fであれば、シートの先端2aが紙送りされたときの紙の腰の強さなどにより、一端、先端2aが分離壁24から離れてフリーになるとピックアップローラ32により給紙口29から出力される。下のシート2は、上方のシートにより押さえられて先端2aがフリーにならないので、上記の2つの要因による抵抗を受けて給紙口29から出力されない。特に、上方のシート2と共に送り出されやすい直下のシートには、凹部61により、前方に進むほど大きな抵抗力が作用するので、確実に分離できる。しかも、各々のローラ34の前方Fには隣り合う凸部64により前方Fに向って狭まった凹部61が形成されており、シート2に対して作用する、分離するための抵抗は紙幅方向においてほぼ均一になる。したがって、ローラ34を回転して紙送りされたカットシートうち、最も上のカットシート2だけを確実に、かつ真直ぐに給紙でき、信頼性の高い給紙装置を実現できる。
また、カットシート2は、紙質または材料に応じて耐久性は異なるものの、図1に示したように、給紙装置20および30が斜めに設置されてカットシート2の先端が分離壁24に接触した状態であると、経時変化により、その先端部分が分離壁24に沿った形状に変形してしまう。したがって、分離壁24とカットシートの先端部分2aとの接触による抵抗が受けられなくなり、分離が不安定になる。これに対し、カットシート2を凹部61または凸部64のエッジ62に押し付ける本例の方式であると、カットシート2の先端2aが変形したとしても、シート2を前方Fに進めることにより、凹部61の形状が変化するので、カットシートの先端2aは凹部61のコーナー62と作用して抵抗が発生する。このため、長期間、セットされた状態のカットシートであっても確実に分離することができ、カットシートの分離性能を画期的に向上できる。
このような分離方式では、カットシート2の先端2aが凹部61のコーナー62に沿って変形できるようにすることが重要である。そのためには、紙幅方向Wの端を押えて変形されやすい状況を維持することが重要である。すなわち、カットシート2の両端部に相当する部分にはローラ34と凸部64を配置することが望ましい。カットシート2をスキューさせずに均等に紙送りするには、両端部に駆動力を与えることが望ましいからである。また、紙幅方向Wの端2gは凸部64でガイドし、両端2gが凹部61に逃げないようにすることが望ましい。カットシート2の両端2gが凹部61に入ると、紙送り方向に狭まった凹部61の壁63に当たり、その状態でシート2を前方Fに送ると凹部61の幅が狭くなるので両端2gが壁63に引っ掛かり、カットシート2に皺が寄ったり、紙詰まりの要因になるからである。
給紙装置20では、紙幅の異なる複数種類のカットシート2を収納するために底板21を紙幅方向Wにスライドする紙幅調整板26を設けている。この紙幅調整板26はトレイの右側板23との距離をシート2のサイズに合わせる。したがって、紙幅の異なるカットシートでも必ず右側の端の位置は右側板23によって一律に定まるので、分離壁24の右端は三角形の半分の凸部64となり、シート2の幅方向Wのエッジ2gが引っかかったり、落ち込んだりするのを防止している。一方、カットシート2の左端は、給紙装置20にセットするカットシートの紙幅に応じて一律には定まらない。そこで、ローラ34や、凸部64または凹部61を、使用予定の紙幅の用紙を考慮して、紙幅方向Wに異なった間隔で並べておくことにより、用紙の左端にローラ34と凸部64が配置されるようにデザインしておくことが可能である。一方、カットシート2の左端に凹部61がどうしても配置されてしまう場合は、紙幅調整板26の先端にマスク板65を設けることにより凹部61を覆い隠すことが可能である。すなわち、紙幅調整板26はカットシート2の左端を規定しているので、紙幅調整板26の先端にマスク板65を設けると、カットシート2の左端に凹部61が配置されたとしてもその凹部61はマスク板65により自然と覆い隠される。これにより、カットシート2の左端がマスク板65の上に乗り上げて、凸部64の上に乗り上げた状態と等しくなる。
マスク板65には、紙幅調整板26と同様にシート2の端をガイドできるように、上方に立ち上がったガイド壁を別途取り付けたり、一体的に形成しておくことも可能である。これにより、分離されたシート2をいっそう真っ直ぐに紙送りできる。また、マスク板65は、マスク板65が占有するスペースやシート2の端が乗り上げることを考慮すると、その厚みを薄くすることが望ましい。
右側板23ではなく、左側板22であっても良いが、いずれか一方の側板を基準にシート2のサイズによりスライド板26をスライドさせてサイズをあわせることは、印刷部3で印刷する範囲を決定するために望ましい調整方式である。給紙装置20にセットされた用紙サイズと基準位置が決定されると、本例であると、印刷部3は右側板23を基準に印刷位置を自動的に算定できる。したがって、スライド板26の位置を自動検出したりする必要はなく、マルチトレイ10と印刷部3とのインターフェイスを簡略化できる。
一方、本例の給紙装置20では、シート2の左端のエッジ2gの位置はサイズにより変わる。予め、給紙装置20に収納されるサイズが限定されていれば、そのエッジ2gが当たる位置を凸部64にすることも可能である。ただし、それにより、凹部61の数が限定される可能性がある。また、シート2のサイズが決まっていない場合は対応できない。そこで、凸部64の上を紙幅方向Wに動くマスク板65を紙幅調整板26と連動させ、いかなる紙幅のカットシートであってもその左側の端2gが必ずマスク板65の上に載るようにしている。したがって、凹部61の抵抗を効率よく利用することができ、また、カットシート2に皺が寄ったり、紙詰まりなどの原因になりそうなカットシート2と凸部64との引っ掛かりを未然に防止できる。
マスク板65を紙幅調整板26と連動して動かす機構の一例は、図5および図8に示すように、紙幅調整板26とマスク板65とを用紙トレイ25の底板21の下方を通るアーム69で連結すると共に、アーム69が紙幅調整板26と共に紙幅方向Wにスライドできるようにこの方向Wに延びる2本のスリット67および68を設けることである。これにより、マスク板65を紙幅調整板26と一体に動かすことができる。
以上、給紙装置20を参照して本例の給紙装置の構成を説明したが、他方の給紙装置30もモータおよび駆動機構41の位置が変わるだけで他の構成は共通する。そして、本例の多重給紙装置(またはマルチトレイ)10は、2種類の給紙装置20および30が交互に7段重ねられたものであり、それぞれの給紙装置20および30の用紙トレイ25の幅は等しい。このため、図2に示したように、各々の給紙装置20および30の外側面に配置される駆動機構41を左右交互に配置したレイアウトとすることにより、用紙トレイ25より大きな厚みを持つ駆動機構41を上下の2つの給紙装置に跨る状態で配置できる。これにより、駆動機構41の厚みに左右されずに、薄い給紙装置20および30が多重に重なったコンパクトなマルチトレイ10をデザインできる。
また、上述した給紙装置20および30は、それぞれが非常に薄い給紙装置として単独でも利用できるものである。したがって、薄い印刷部3、たとえば、サーマルヘッドを利用した印刷機構と組み合わせることにより、非常に薄くコンパクトなプリンタを提供することができる。一方、マルチトレイ10を構成することを前提とすると、図10に示すように、ピックアップローラ32を支持するために上部パネル52を設ける代わりに、下段の給紙装置のピックアップローラ32を上段の給紙装置20のトレイ25の裏側で支持することができる。
図10に示した例では、ピックアップローラ32の駆動シャフト33の露出部分35を、剛性の高いアームまたはプレート状のフレーム74で上方のトレイ25の底板21の裏面21bに対してそれぞれ独立して旋回可能なように支持している。さらに、フレーム74をコイルばね、板ばねあるいはゴムなどの弾性部材72により弾性的に下方に向かって加圧するように吊り下げることにより、露出部分35を独立懸架している。弾性部材72は、フレーム74の代わりに露出部分35に直に取り付けることも可能である。フレーム74は、シャフト32に対して、上述した板ばね51と同様の形状で接続されており、板ばね51が弾性的にシャフト32を支持している以外の構成はすべて備えている。
また、ピックアップローラ32のローラ部としては、D型などの非円形のローラ38および偏心ローラ39が採用されており、上述した楕円状のローラ34と同様に動作する。また、上段の用紙トレイ25の底板21の裏面21bには、ローラを退避させる溝71が形成されており、シートを補充するときにローラ部を溝71に少しでも退避させて収納可能なカットシートの枚数をさらに増やしている。
図11に多重給紙装置の異なる例と、それを搭載したインクジェットプリンタ1aの外観を示してある。この多重給紙装置10aは、給紙装置80および90が交互に7段重ねられており、各々の給紙装置80および90の用紙トレイ25においては、用紙2が紙幅方向Wにおいてピックアップローラ32の側の面が凹状となるように湾曲した姿勢でセットされる。
図12(a)に示した給紙装置100は、底板21(用紙トレイ25の背面板、または用紙全体を支持するプレート)が湾曲した用紙トレイ25でシート2を湾曲した状態で保持するものである。用紙2を紙幅方向Wに湾曲させると、用紙2は紙送り方向に曲がりにくくなり、用紙としての剛性が増した状態、いわゆる用紙の腰の強さが増した状態になる。この状態の用紙2をピックアップローラ34により紙送りすることにより、シート2が曲がり難くなっているので、用紙トレイ25から真っ直ぐに出力され、プリンタ1aの内部で歪んだり、撓んだりすることがなく、紙詰まりが発生し難い。さらに、カットシート2は、先端2aが分離壁24から受ける抵抗により重なった用紙が分離されて給紙され、カットシート2の剛性を向上することにより重なった用紙が分離壁24から受ける抵抗が増加するので、複数の用紙が重なった状態で給紙される重送も防止できる。分離壁24に上述した凹凸を形成することにより、用紙が重なっているときに下になった用紙に大きな抵抗を与えることができるが、用紙の剛性を向上することにより、上下に重なった用紙に対する抵抗差がさらに大きくなり、さらに確実に用紙を分離できる。
さらに、本発明においては、可撓性の駆動シャフト33を備えた可撓性のピックアップローラ32が採用されており、また、駆動シャフト33は断続的に露出した部分35がばね51または72により独立して用紙2に押し付けられる独立懸架構造となっている。このため、紙幅方向Wに延びた駆動シャフト33を湾曲したカットシート2に沿って、カットシート2の形状になじむように湾曲させ、その駆動シャフト33に支持された各々のローラ34をカットシート2の表面にほぼ均一な状態で接触させることができる。このため、駆動シャフト33に断続的に取り付けられた複数のピックアップローラ34により、紙幅方向Wに湾曲したカットシート2に対し、紙幅方向にほぼ均一な紙送り力を与えることができ、湾曲した状態の用紙2を均一な力で傾くことなく紙送りできる。その結果、剛性が高い状態でカットシート2は紙送り方向に確実に力が与えられ、上述したように、分離壁24で確実に分離された後に、真っ直ぐな状態でプリンタに供給される。
可撓性のピックアップローラ32は凸状にも凹状にも曲がり、用紙2も用紙トレイ25の底板21の湾曲方向によりピックアップローラ32の側に凸状にも凹状にも湾曲でき、いずれの状態に湾曲した用紙2にも独立懸架された可撓性のピックアップローラ32はほぼ均等に押し付けることができる。また、底板21が湾曲した給紙装置100においては、図12(b)に示すように、紙幅が異なる用紙2に対し紙幅調整板26を紙幅方向Wの中心に対称に移動することにより常に用紙トレイ25の中心からプリンタに向かって給紙できる。底板21が湾曲している場合、用紙トレイ25の端から用紙2を供給すると用紙トレイの中心方向が低くなっているので、用紙の重心が微小ながらずれやすく、紙送り方向がトレイ25の中心方向に偏心しやすくなるからである。用紙トレイ25の底板21が凸に湾曲している場合も同様である。
これに対し、図12(c)に示す給紙装置80および90は、底板21が平坦な用紙トレイ25を備えており、側壁22および23の近傍の底板21に、用紙トレイ25にセットされた用紙2の両端近傍を紙幅方向Wに湾曲するように支持する湾曲化部27を備えている。この湾曲化部27は、側壁22および23に沿って延びた斜面または湾曲面であり、用紙2の両端がこの湾曲化部27の上に載って持ち上がり、それによって用紙2の全体が紙幅方向Wに湾曲化する。また、トレイ25の底板21に沿って紙幅方向に動き、トレイ25の内部に用紙2の縁をガイドする側壁を構成する仕切板または紙幅調整板26が設けられており、その内側にも湾曲化部27が設けられている。したがって、サイズの異なる用紙2をセットするときは紙幅調整板26を動くことにより調整でき、紙幅調整板26と共に湾曲化部27も動いて用紙2の両端を湾曲するように支持する。このため、本例の用紙トレイ25では、どのようなサイズの用紙であっても湾曲した状態で支持できる。さらに、底板21は平らなので用紙2を一方に寄せても重心がずれるようなこともなく、上述した底板21が湾曲したトレイのような問題は生じない。したがって、側壁の一方、本例では側壁23を基準として反対側の側壁を紙幅調整板26として動かすことによりサイズを調整でき、プリンタにおいて印刷用のデータを設定する位置の制御が容易となる。
したがって、用紙2は、ピックアップローラ32に対して凸状または凹状にセットすることが可能であるが、フラットな底板21を採用した用紙トレイ25においては、ピックアップローラ32に対して凹状に用紙2をセットできるようにすることが好ましい。これにより、プリンタ側の印刷位置制御が容易となる。さらに、底板21が平らになることは、複数の給紙装置80および90を積層してマルチトレイ(多重給紙装置)10を組み立てるのに都合が良い。もっとも、底板21が湾曲した給紙装置100であっても、底板21の曲率が同一であれば、複数の給紙装置100を積み重ねるのに支障はない。
また、図12(b)や図12(c)に示したように、仕切板または紙幅調整板26によりトレイの幅を調整してサイズの小さな用紙2をセットしたときには、用紙2の表面に接しないローラ部34が発生するが、可撓性の駆動シャフト33を独立懸架した構造としているので、紙幅調整板26を動かしたときに実現される用紙トレイ25の湾曲形状に対して駆動シャフト33が追従して湾曲し、用紙2に接触する幾つかのローラ部34はほぼ均一な状態で用紙2の表面に接触する。このため、どのようなサイズの用紙であっても、湾曲した状態の用紙2を均一な力で傾くことなく紙送りできる。
図13に、マルチトレイ10aの概要を、側面図を用いて示してある。また、図14に、給紙装置80および90が搭載されたアウターケース(アウターフレーム)11をプリンタ側から取り外した様子を斜視図を用いて示してある。ただし、図14は、ピックアップローラおよび駆動部を除いて示してある。本例のマルチトレイ10aは、底板21が平坦である点は共通するが、駆動機構41が取り付けられた方向が異なる2種類の給紙装置80および90が交互に重ねられた構成になっている。そして、各々の給紙装置80および90が、給紙口29が下になるように若干傾いた状態で配置されている。このため、アウターケース11は、各々の給紙装置80および90を一定の角度で傾いた状態で支持する複数の受け部11bが形成されたベースサポート部11aと、最も外側に位置する給紙装置80または90を支持するサイドサポート部11cとを備えている。また、アウターケース11のベースサポート部11aには車輪11dが取り付けられており、マルチトレイ10aの荷重の一部を支持すると共に、マルチトレイ全体をスライドさせながらプリンタ本体1bに着脱できる。
図15に給紙装置80の構成を平面図により示してある。給紙装置90は、駆動機構41が取り付けられた方向が異なることを除き、同じ構成となっている。また、図16に、これらの給紙装置80および90がアウターケース11にセットされて積層された状態を、用紙トレイ25の底板21および分離壁24を中心に示してある。なお、図16には、手前から2番目の給紙装置80についてだけピックアップローラ32を含めて示してあるが、他の給紙装置80および90においてもピックアップローラ32は同様に取り付けられる。
給紙装置80および90の用紙トレイ25の底板21は、左右の側板22および23の近傍が上方あるいは手前に側壁22および23の側が高くなるように傾斜しており、その傾斜した部分が用紙2を紙幅方向Wに湾曲させる湾曲化部27となっている。このため、用紙トレイ25にシート2をセットすると、シート2の紙幅方向Wの両端近傍が傾斜面27に沿って曲がり、それによってシート全体が紙幅方向Wに湾曲する。この場合は、用紙2が底板21に向けて凸およびピックアップローラ32の側に凹となるように湾曲する。したがって、薄い用紙2を給紙装置80および90のトレイ25に入れるだけで、用紙2は紙幅方向Wに適度な量だけ湾曲し、紙送り方向の強度を向上できる。このため、トレイ25にセットされた用紙2は、剛性がある、腰の強い状態となり、ピックアップローラ32により一枚ずつ分離しながら確実に紙送りできる。
ピックアップローラ32の駆動シャフト33には、本例の給紙装置80および90においても可撓性の細いシャフトが用いられる。たとえば、直径が約1.2mm程度の単芯のワイヤーや、ブレーキワイヤーに用いられている金属製のより線を可撓性のシャフト33として利用できる。また、直径が1〜3mm程度の小径のプラスチック製のシャフトも、可撓性のシャフト33として取り扱うことができる。このような駆動シャフト33は可撓性があり、複数の露出した部分35が板ばね51により独立懸架されているので、用紙トレイ25に湾曲した状態で保持されている用紙2に沿って変形する。すなわち、可撓性のピックアップローラ32は用紙2に従って湾曲し、シャフト33に支持されたローラ部34が用紙2にほぼ均一な圧力で接触する。このため、湾曲した状態の用紙2に対してもほぼ均一な紙送り力を与えることができ、湾曲した状態の用紙2に適度に分散された力を作用させ、確実に紙送りすることができる。したがって、部分的に急激に紙送り力が作用して薄い用紙に皴が寄ったり、紙送り方向に対して傾いて出力されたりすることはなく、湾曲した剛性の高い状態で紙送り方向(前方)Fにほぼ真直ぐに用紙2を送り出せる。
本例の給紙装置80および90においては、ピックアップローラ32の駆動シャフト33は、複数の露出箇所35が、それぞれ1枚の板ばね51により上部プレート52に取り付けられている。したがって、板ばね51がピックアップローラ32を用紙トレイ25にセットされた用紙の枚数に対応して底板21に向けて旋回または揺動可能に支持すると共に、用紙の形状に追従するように複数箇所でシャフト33を弾性支持する機能を果たす。また、図13に示したように、給紙装置80および90の駆動機構41は、モータ42を含めて揺動する構成となっており、動力を伝達するための輪列が簡略化されている。モータ42を含めた駆動機構41は、図16に示すように、用紙トレイ25の両サイドに設けられたフック状の部分48に旋回可能に取り付けでき、いずれのサイドを選択するかにより給紙装置80または90として利用できる。
用紙トレイ25には、紙幅調整板26を底板21に対しスライド可能に取り付けることが可能であり、右側板23を基準としてカットシート2の紙幅に合わせて用紙トレイ25の紙幅を調整することが可能である。また、底板21には用紙トレイ25から上方に数段階に長さを伸ばすことが可能な補助アーム28が取り付けられており、用紙2が用紙トレイ25からはみ出す場合は補助アーム28で用紙2を支持できる。
紙幅調整板26にも、用紙2の紙幅方向の端を湾曲化するための傾斜構造27が取り付けられている。このため、用紙幅が小さく、調整板26により縁を支持される小型の用紙であっても、湾曲した状態で用紙トレイ25にセットできる。したがって、本例のマルチトレイ10aは、様々なサイズの用紙2をセットすることができ、それぞれの用紙を確実に一枚ずつ分離してプリンタに対して給紙することができる。A4サイズの用紙2であれば、5mm程度の湾曲で十分に剛性を向上できる。用紙のサイズが小さくなれば、曲率は上記以下で十分である。このため、用紙2を湾曲させて用紙トレイ25に収納するとしても、用紙トレイ25の厚みを大幅に増やさずとも十分な量の用紙2を用紙トレイ25に保持できる。
本例の給紙装置80および90の用紙トレイ25にも凹部61および凸部64を備えた分離壁24が設けられている。したがって、ピックアップローラ32で紙送りされた用紙2は、シート先端2aが凸部64の表面64aに接して受ける抵抗と、コーナー62に押付けられて受ける抵抗とを主要因として一枚ずつ分離される。その際、湾曲した腰の強い状態の用紙2を真っ直ぐに凹部61および凸部64に当てることにより、上部の用紙2fは分離壁24を滑って通りやすくなり、その下の用紙は分離壁24に当たって大きな抵抗を受けやすい。したがって、用紙2を湾曲させて剛性を上げることは用紙2の重送を防止する上で有効である。
さらに、本例の凸部64は斜面が2段階に分かれており、凸部64の先端側、すなわち紙送り方向Fの側の面81が底板21と成す角度θ1は、凸部64の末端側、すなわち底板21に近い面82が底板21と成す角度θ2より小さくなっている。図17に示すように、凸部64も含めた分離壁24は、用紙2の先端に対して適度な抵抗が発生するようにトレイ25の底板21に対して90度以上となるように傾斜している。このため、用紙トレイ25にある用紙2の枚数が多いときの、分離壁24とピックアップローラ32が用紙2に接触する位置までの距離L1(図17(a))は、用紙トレイ25にある用紙の枚数が少ないときの、分離壁24とピックアップローラ32が用紙2に接触する位置までの距離L2(図17(b))に対して長くなる。したがって、用紙トレイ25に残った用紙2の枚数(残数)が多いときは、分離壁24とピックアップローラ32が用紙2に接触する位置までの距離L1が長いので剛性が低く、用紙2が分離壁24に当たったときに歪みやすく、重なった用紙2を分離するためには十分な抵抗が得られない可能性がある。一方、用紙トレイ25の残数が少ないときは、分離壁24とピックアップローラ32が用紙2に接触する位置までの距離L2が短いので剛性が高く、用紙2が分離壁24に当たったときに歪みにくく紙詰まりが発生する可能性がある。
このため、図17(a)に示すケースでは、凸部64の先端側の面81の角度θ1を小さくすることにより分離性能を上げ、図17(b)に示すケースでは、凸部64の末端側の面82の角度θ2を大きくすることにより紙詰まりが発生することを防止している。分離壁24の先端側と末端側で角度差をつけることは、凹凸が設けられていない分離壁24を備えた用紙トレイ25において有効である。さらに、2段階に分かれた斜面81および82を設けて、紙送りの先端側と末端側で角度を変えているが、このような角度の差は曲面によって形成することも可能である。また、用紙2は、本例の多重給紙装置10aにおいては用紙トレイ25にセットされるときに紙幅方向Wに湾曲するので紙送り方向の剛性が大きく、図17(a)および(b)のようなケースでは分離壁24とピックアップローラ32との距離L1およびL2を大きくできる。したがって、用紙トレイ25に残数が多い場合と少ない場合との差が小さくなり、より安定して一枚ずつ用紙を分離して供給できる。このように、用紙2の腰を強くすることは給紙装置から安定して用紙を供給するために重要であり、用紙2を紙幅方向に多少湾曲させるだけで腰の強さを得ることができる。
なお、図1や図11に示した多重給紙装置10および10aでは、給紙装置が斜めに立ち上がった状態で多重化させているが、給紙装置を水平において上方に重ねて多重化しても良い。しかしながら、デスクトップタイプのプリンタあるいはファックスであれば、複数の給紙装置を斜めに組み合わせることにより設置面積を小さくでき、また高さも小さくできる。したがって、傾斜した状態の複数の給紙装置を組み合わせる多重給紙装置(マルチトレイ)は、小型のプリンタ、たとえば、インクジェットプリンタなどのパーソナルユースのプリンタと組み合わせて使用するのに適している。そして、少量多品種の用紙をセットすることができ、いちいちプリンタにセットする用紙の種類を変えなくても、様々な形態または材質の要素に印刷することができる。たとえば、マルチトレイには、A4、B5サイズ、はがき、封筒などのパーソナルユースに多く使用される用紙を同時にセットし、適切な用紙を選択して印刷できる。また、薬局において使用される薬袋、領収書、請求書などの用紙を予めマルチトレイにセットし、適当な用紙を選択して印刷させることも可能である。
また、複数の給紙装置を水平に置いて垂直方向に重ねて多重給紙装置を構成することも可能である。そして、個々の給紙装置がほぼ限界まで薄いので、多重給紙装置全体としては、多種多様な用紙を同時にセットできる給紙装置でありながら、高さの低いマルチトレイを提供することができる。このタイプのマルチトレイは、上記に比べると占有面積は大きくなるので、レーザプリンタやコピー機などの単独で設置される印刷装置に適している。
本発明の給紙装置およびそれらを重ねて構成したマルチトレイは、上述したように、インクジェットタイプのプリンタに限らず、レーザプリンタなどのその他の方式のプリンタにも適用可能である。さらに、プリンタに限定されずに、コピー機やファクシミリ等の印刷装置に適用することも可能である。
産業上の利用の可能性
以上に説明したように、本発明では、数ミリ程度の細いピックアップローラを採用した非常に薄い給紙装置であって、信頼性の高い給紙装置を提供している。この給紙装置を複数積層することによりコンパクトで信頼性の高いマルチトレイを提供することが可能になり、事務用のコピー機などのプリンタに限定されずに、卓上型のプリンタ、ファクシミリなどのプリンタにマルチトレイを組み込んで、サイズまたは紙幅の異なる用紙を選択して印刷できる汎用型のプリンタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る多重給紙装置が設置された印刷装置の概略構成を示す図である。
図2は、図1に示す多重給紙装置の側面図である。
図3は、2種類ある給紙装置のうち、一方の給紙装置の平面図である。
図4は、他方の給紙装置の平面図である。
図5は、図3に示す給紙装置の概略を示す展開図である。
図6は、給紙装置のピックアップローラが用紙トレイにセットされているカットシートの枚数に応じて旋回する様子を示す図であり、図6(a)はカットシートの枚数が多いときの様子、図6(b)はカットシートの枚数が少ないときの様子、図6(c)はカットシートが無くなったときの様子を示す図である。
図7は、ピックアップローラが最上部のカットシートに乗り上がる様子を示す図であり、図7(a)は用紙トレイにカットシートがセットされたときの様子、図7(b)はピックアップローラが回転し始めたときの様子、図7(c)はピックアップローラが最上部のカットシートに乗り上がった様子を示す図である。
図8は、給紙装置の分離壁の周辺部分を取り出して示す斜視図である。
図9は、ピックアップローラのローラ部と分離壁の凹部との相互関係を模式的に示す図であり、図9(a)は凸部または凹部を表面側から見たときの図、図9(b)は凸部または凹部を側方から見たときの図である。
図10は、給紙装置の用紙トレイの裏面に下段の給紙装置のローラ部が収まる溝が形成されている例を示す図である。
図11は、異なる多重給紙装置を備えたプリンタの外観を示す図である。
図12は、用紙トレイにセットされた用紙を湾曲させ、可撓性のピックアップローラを用いて給紙する給紙装置の例であり、図12(a)は、用紙トレイの底板の全体が湾曲した例、図12(b)は図12(a)に示した底板に湾曲化部を備えた紙幅調整板を取り付けた例、図12(c)は平坦な底板の両端近傍に湾曲化部を設けた例である。
図13は、図11に示す多重給紙装置の側面図である。
図14は、図11に示す多重給紙装置の用紙トレイおよびアウターケースをプリンタから取り出して示す斜視図である。
図15は、図11に示す多重給紙装置を構成する1つの給紙装置の平面図である。
図16は、図11に示す多重給紙装置の各用紙トレイを上方から見た様子を示す図である。
図17は、図11に示す給紙トレイの分離壁の構成を説明する図であり、図17(a)は用紙トレイにセットされているカットシートの枚数が多いときの状態、図17(b)は用紙トレイにセットされているカットシートの枚数が少ないときの状態を示す図である。
Claims (29)
- 複数のシート状の用紙を収納可能であり、前方に前記用紙の紙送り方向のエッジが当たる分離壁を備えた用紙トレイと、
前記用紙トレイを横断するように配置された駆動シャフトおよびこの駆動シャフトに断続的に取り付けられた複数のローラ部を備えたピックアップローラと、
前記駆動シャフトの複数の露出部分が前記用紙トレイの底板の方向にほぼ独立して加圧されるように支持する弾性支持手段と、
前記用紙トレイの外側面に配置され、前記ピックアップローラの前記駆動シャフトを駆動する駆動機構とを有する給紙装置。 - 前記駆動機構は、前記駆動シャフトを、一方向回転クラッチを介して駆動する、請求項1の給紙装置。
- 前記ピックアップローラの前記駆動シャフトは、可撓性のシャフトである、請求項1の給紙装置。
- 前記弾性支持手段は、前記底板から上方に離れた点を支点として前記駆動シャフトが前記底板の方向に旋回するように支持する、請求項1の給紙装置。
- 前記弾性支持手段は、前記駆動シャフトを旋回するように支持する複数のフレームと、前記駆動シャフトの前記露出部分または前記フレームを前記底板の方向に加圧する複数の弾性体とを備えている、請求項4の給紙装置。
- 前記弾性支持手段は、前記駆動シャフトの前記露出部分を支持する板ばねであって、前記紙送り方向に弾性変形する部分が延びている複数の板ばねを備えている、請求項4の給紙装置。
- 前記弾性支持手段と前記駆動シャフトの露出部分とを前記ローラ部の径以下の間隔を設けて前記底板の反対側において連結する接続部を備えている、請求項1の給紙装置。
- 前記ローラ部は偏心形または非円形である、請求項1の給紙装置。
- 前記ローラ部に向かい合う前記用紙トレイの前記底板に前記ローラ部が収まる溝が形成されている、請求項1の給紙装置。
- 前記用紙トレイは重ねることが可能であり、下段の前記ローラ部に向かい合う前記用紙トレイの前記底板の裏面に当該ローラ部が収まる溝が形成されている、請求項1の給紙装置。
- 前記分離壁には、前記紙送り方向に広がった形状の凸部および/または前記紙送り方向に狭まった形状の凹部が形成されている、請求項1の給紙装置。
- 前記用紙トレイには紙幅の異なる複数の種類の用紙がセット可能であり、前記分離壁の、各々の種類の用紙の紙幅方向の端が当たる部分は、前記凸部になっている、請求項11の給紙装置。
- 前記分離壁の、前記ピックアップローラの前記ローラ部の前記紙送り方向にほぼ対応した位置に前記凹部が形成されている、請求項11の給紙装置。
- 前記用紙トレイには紙幅の異なる複数の種類の用紙がセット可能であり、前記分離壁の、各々の種類の用紙の紙幅方向の端が当たる部分は、前記凹部ではない、請求項13の給紙装置。
- 紙幅の異なる複数の種類の用紙をセットするために前記用紙トレイの底板の表面を動く紙幅調整板と、前記紙幅調整板と連動して動き、前記分離壁の前面に、各々の種類の用紙の紙幅方向の端が乗り上げる部分を形成するマスク板とを有する、請求項11の給紙装置。
- 前記分離壁の前記紙送り方向の先端部と前記用紙トレイの底板との第1の角度は、前記分離壁の前記紙送り方向の末端部と前記用紙トレイの底板との第2の角度より小さい、請求項1の給紙装置。
- 前記凸部の前記紙送り方向の先端部と前記用紙トレイの底板との第1の角度は、前記凸部の前記紙送り方向の末端部と前記用紙トレイの底板との第2の角度より小さい、請求項11の給紙装置。
- 前記用紙トレイは、当該用紙トレイにセットされた用紙の少なくとも紙幅方向の両端近傍が紙幅方向に湾曲するように支持する、請求項3の給紙装置。
- 前記用紙トレイは、当該用紙トレイにセットされた用紙を、前記ピックアップローラの側が凹に湾曲するように支持する、請求項18の給紙装置。
- 前記用紙トレイの底板の側壁側に、当該用紙トレイにセットされた用紙の両端近傍を紙幅方向に湾曲するように支持する湾曲化部を備えている、請求項18の給紙装置。
- 前記用紙トレイの側壁の少なくとも一方は前記湾曲化部と共に紙幅方向に移動可能である、請求項20の給紙装置。
- 前記用紙トレイの底板が湾曲しており、当該用紙トレイの両側壁が紙幅方向の中心に対称に移動する、請求項18の給紙装置。
- 請求項1に記載の給紙装置と、この給紙装置から給紙された用紙に印刷する印刷機構とを有する印刷装置。
- 請求項1に記載の給紙装置が複数個、重ねられた多重給紙装置。
- 複数の前記給紙装置の前記用紙トレイの幅が同一である、請求項24の多重給紙装置。
- 各々の前記給紙装置は、前記用紙トレイの左右いずれか一方の統一された側に、紙幅の異なる複数の種類の用紙をセットするために前記用紙トレイの底板の表面を動く紙幅調整板を備えている、請求項24の多重給紙装置。
- 各々の前記給紙装置は、左右いずれか一方の外側面に前記駆動機構が配置されており、異なる外側面に前記駆動機構が配置された前記給紙装置が交互に重ねられている、請求項24の多重給紙装置。
- 請求項24に記載の多重給紙装置と、この多重給紙装置から給紙された用紙に印刷する印刷機構とを有する印刷装置。
- 前記駆動シャフトは、金属製のより線である、請求項1の給紙装置。
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