JP4230000B2 - 内燃機関のターボチャージャ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のターボチャージャ制御装置に係り、特に、電子制御スロットルボディと電動−発電機を備えたターボチャージャとを有するエンジン制御システムに用いるに好適な内燃機関のターボチャージャ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ターボチャージャの回転軸に電動−発電機を取付け、エンジンの運転状態に応じて、電動−発電機を電動機若しくは発電機として動作させる電動ー発電機を備えたターボチャージャが開発されている。電動−発電機を電動機として動作させることにより、ターボチャージャの過給を助勢して過給効果を向上させ、また、発電機として動作させることにより、ターボチャージャに供給される排気ガスのエネルギーを電力として回収する。
【0003】
かかる電動−発電機を制御するための内燃機関のターボチャージャ制御装置としては、例えば、特開平1−117933号公報に記載されているように、アクセルペダルの踏込速度や踏込量、エンジン回転数などに基づいて電動機への通電電流を制御するものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のターボチャージャ制御装置においては、アクセルペダルと機械的に連動するスロットルバルブを用いている。従って、アクセルペダルの踏込速度が早いが、アクセルペダルの踏込量がスロットルバルブが全開とならないような踏込量である場合には、従来のターボチャージャ制御装置は、電動−発電機が電動機と作動させ、ターボチャージャにより過給するが、スロットルバルブは全開となっていないため、スロットルバルブが空気抵抗となり、充分な過給圧が得られず、運転性が向上しないという第1の問題があった。
【0005】
また、電動−発電機を電動機として用いるためには、バッテリーから電動−発電機に電流を通電する必要があるが、電動機として用いるためには大電流を必要とする。しかしながら、従来のターボチャージャ制御装置においては、電動−発電機への通電電流については留意していないため、バッテリーの寿命を短く(バッテリー上がり)という第2の問題もあった。
【0006】
本発明の第1の目的は、運転者のアクセルペダルの操作に応じた過給圧が得られ、運転性の向上した内燃機関のターボチャージャ制御装置を提供することにある。
【0007】
本発明の第2の目的は、電動−発電機を備えたターボチャージャを用いる場合にも、バッテリーの寿命の改善された内燃機関のターボチャージャ制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、電動―発電機を備えたターボチャージャとアクセルペダルの開度に応じてスロットルバルブの開度を制御可能な電子制御スロットルボディと、前記アクセルペダルの開度の変化量に応じて、前記スロットルバルブの開き方と前記電動−発電機への通電電流を制御する制御手段と、バッテリーの充放電状態を監視する監視手段を備え、前記制御手段は、上記アクセルペダルの開度の変化量が大きいときは、上記アクセルペダルの開度を上記スロットルバルブの開度が直線比例関係にある場合よりも、上記アクセルペダルの開度に対して上記スロットバルブの開度を速く、しかも、大きく開くと共に、上記アクセルペダル開度と通電電流が直線比例関係にある場合よりも、上記アクセルペダル開度の変化量に対して上記通電電流を急激に増加するように制御し、また、前記制御手段は、前記監視手段により監視された放電状態により、放電電流が所定値よりも大きい場合には、アクセルペダル開度(θ APS) の変化量(θ APS /dt)に対して上記電動−発電機への通電電流をゆっくり増加するように制御し、さらに、前記制御手段は、上記アクセルペダルの開度の変化量が小さいときは、上記アクセルペダルの開度を上記スロットルバルブの開度が直線比例関係にある場合よりも、上記アクセルペダルの開度に対して上記スロットバルブの開度を遅く開くと共に、上記アクセルペダル開度と通電電流が直線比例関係にある場合よりも、上記アクセルペダル開度の変化量に対して上記通電電流をゆっくりと増加するように制御するようにしたものである。
かかる構成により、アクセルペダルの踏込速度に応じて、スロットルバルブ及び電動機の通電電流を制御して、運転者の意図に応じたエンジンレスポンスを得られ、運転性が向上し得るものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図13を用いて、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置の構成について説明する。
最初に、図1を用いて、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を備えたエンジン制御システムの全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を備えたエンジン制御システムの全体構成を示すシステム構成図である。
【0013】
電動−発電機を備えたターボチャージャ10は、吸気管IPと排気管EPとの間に配置されている。ターボチャージャ10の詳細構成については、図2を用いて後述するが、排気管EP中に配置されたタービンホイール10Tと、吸気管IP中に配置されたコンプレッサインペラ10Cは、シャフト10Sに固定されている。また、シャフト10Sには、電動−発電機10MGが備えられている。タービンホイール10Tは、排気管EP中を排出される排気ガスによって回転され、その回転力はシャフト10Sを介してコンプレッサインペラ10Cに伝達される。コンプレッサインペラ10Cは、吸気管IP中に流入する吸入空気を圧縮して過給する。過給された空気は、インタークーラーICによって冷却され、エンジンのシリンダ内への充填効率を向上させる。
【0014】
電子制御スロットルボディ(ETB)20は、吸気管IP中に配置されている。電子制御スロットルボディ20の詳細構成については、図3を用いて後述するが、吸気管IP中に回動可能に支持されたスロットルバルブ20Vと、スロットルバルブ20Vを回動するモータ20Mと、スロットルバルブ20Vの開度を検出するスロットルセンサ20Sを備えている。スロットルバルブ20Vは、モータ20Mによって回動されるとともに、スロットルバルブ20Vの開度は、スロットルセンサ20Sによって検出される。
【0015】
また、エンジン30の上流側の吸気管IP中には、燃料噴射弁30が配置されており、エンジン30のシリンダに燃料を供給する。エンジン30のシリンダの上部には、点火プラグ34が配置され、イグニッションコイル36からの高電圧が点火プラグ34に供給されて、シリンダ内の燃料と空気の混合気に火花を飛ばして、爆発燃焼させる。クランク角センサ38は、エンジン30の気筒判別と回転数の検出を行う。
【0016】
さらに、吸気管IP中には、吸入空気量を検出するエアーフローメータ40が配置されている。また、吸気管IP中であって、スロットルバルブ20Vの下流には、吸気圧を検出する圧力センサ50が配置されている。
また、アクセルペダル60の開度を検出するペダル開度センサ62を備えている。
【0017】
エンジンコントロールユニット100には、エンジン30に吸入される空気量を検出するエアフローセンサ40の空気流量検出信号や、アクセルペダル60の開度を検出するペダル開度センサ62からのアクセルペダル開度信号や、スロットルバルブ20Vの開度を検出するスロットルセンサ20Sからのスロットルバルブ開度信号や、エンジン30の気筒判別と回転数を検出するためのクランク角度センサ38の信号など入力する。エンジンコントロールユニット100は、これらの信号を基に、燃料量,点火時期と出力タイミング及びスロットルバルブ20Vの開度などを演算処理を行い、それぞれ関係するアクチュエータに信号を出力する。なお、エンジンコントロールユニット100の構成については、図4を用いて後述する。
【0018】
電動―発電機コントロールユニット200は、エンジンコントロールユニット100からの信号を入力し、所定の演算処理を行い、電動―発電機10MGへ信号を出力する。電動―発電機コントロールユニット200は、電動―発電機10MGにバッテリーBATから通電電流を供給して、電動−発電機10MGを電動機として作動させたり、電動−発電機10MGを発電機として作動させたときに発電機からの発電電流によってバッテリーBATを充電するように、コントロールを行うものである。なお、バッテリーBATと電動−発電機コントロールユニット200の間には、バッテリーBATが放電状態にあるか充電状態にあるかを監視する放電状態監視センサ70が配置されており、このセンサ70の出力は電動−発電機コントロールユニット200に入力するようになっているが、この機能については、後述する第2の実施形態において説明する。
【0019】
次に、図2を用いて、本実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いるターボチャージャの構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いるターボチャージャの構成を示す断面図である。
【0020】
ターボチャージャ10は、エンジン30に吸入される空気を過給するものであり、図示するように、タービン部,軸受け部,電動―発電機部及びコンプレッサ部から構成されている。
タービン部は、シャフト10Sに固定されたタービンホイール10Tと、ケーシング12とから構成されている。軸受け部は、ラジアルメタル14と、スラストメタル16などで構成されている。電動−発電機10MGは、シャフト10Sに固定され、シャフト10Sとともに回転可能な界磁ロータROと、ターボチャージャ10のケーシングに固定されたステータSTなどで構成されている。ステータSTは、図1に示したように、電動−発電機コントロールユニット200に接続されており、電動−発電機コントロールユニット200によって制御され、バッテリーから通電電流を流されて電動−発電機10MGを電動機として作動させたり、電動−発電機10MGを発電機として作動させたときの発電電流によってバッテリーを充電したりする。コンプレッサ部は、シャフト10Sに固定されたコンプレッサインペラ10Cと、ケーシング18等で構成されている。
【0021】
次に、図3を用いて、本実施形態に用いる電子制御スロットルボディの構成について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に用いる電子制御スロットルボディの構成を示す平面図である。
【0022】
電子制御スロットルボディ20は、スロットルバルブ20Vと、スロットルバルブ20Vを駆動するためのモーター20Mと、モータ20Mとスロットルバルブ20Vを連結するギア等を収納するギアボックス20Gで構成されている。スロットルバルブ20Vの開度を検出するスロットルセンサ20Sは、ギアボックス20G内に収納されている。図1に示したエンジンコントロールユニット100からの信号がモータ20Mに入力され、スロットルバルブ20Vを開閉する。スロットルバルブ20Vの開度は、スロットルセンサ20Sによって検出され、エンジンコントロールユニット100に取り込まれる。
【0023】
次に、図4を用いて、本実施形態に用いるエンジンコントロールユニットの構成について説明する。
図4は、本発明の一実施形態に用いるエンジンコントロールユニットの構成を示す平面図である。
【0024】
エンジンコントロールユニット100は、入力回路110と、A/D変換部120と、中央演算部(CPU)130と、ROM140と、RAM150及び、出力回路160を含んだ構成となっている。
入力回路191は、入力信号IN(例えば、図1に示したエアフローセンサ40,クランク角センサ38,スロットル開度センサ20S,ペダル開度センサ62や圧力センサ50等からの信号)が入力され、入力信号INからノイズ成分の除去等を行い、A/D変換部120に出力する。A/D変換部120は、入力回路110から入力した信号をA/D変換し、中央演算部130に出力する。
【0025】
中央演算部130は、A/D変換部120によるA/D変換結果を取り込み、ROM140に記憶された所定のプログラムを実行することによって、各制御及び診断等を実行する機能を備えている。
なお、演算結果及びA/D変換結果は、RAM150に一時保管されると共に、演算結果は出力回路160を通じて制御出力信号170として出力され、燃料噴射弁32等の制御に用いられる。また、入力信号INの内、図1に示したクランク角センサ38,ペダル開度センサ62や圧力センサ50等からの信号は、電動−発電機コントロールユニット200にも供給される。
【0026】
なお、電動−発電機コントロールユニット200も、エンジンコントロールユニット100と同様なハード構成を有している。
【0027】
次に、図5〜図14を用いて、本実施形態による電動−発電機コントロールユニット及びエンジンコントロールユニットの動作について説明する。
最初に、図5を用いて、本実施形態による電動−発電機コントロールユニット及びエンジンコントロールユニットの機能構成について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる電動−発電機コントロールユニット及びエンジンコントロールユニットの機能構成を示すブロック図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0028】
エンジンコントロールユニット100は、ペダルセンサ変化量(θAPS/dt)算出手段100Aと、スロットルバルブ開度(θTh)選択手段100Bと、スロットル開度決定手段100Cとを備えている。エンジンコントロールユニット100は、図1に示したペダル開度センサ62が出力するアクセルペダル60の開度に応じたアクセルペダル開度信号(θAPS)に基づいて、電子制御スロットルボディ(ETB)20のスロットルバルブの開度を制御する。
【0029】
電動−発電機コントロールユニット200は、通電電流決定手段200Aと、通電電流補正手段200Bとを備えている。電動−発電機コントロールユニット200は、ペダルセンサ変化量算出手段100Aが出力するアクセルペダル開度信号(θAPS)の変化量信号(θAPS/dt)に基づいて、ターボチャージャ10の電動−発電機部10MGを電動機として作動するための通電電流を制御する。
【0030】
最初に、エンジンコントロールユニット100の動作について説明する。
エンジンコントロールユニット100のペダルセンサ変化量算出手段100Aは、図1に示したペダル開度センサ62が出力するアクセルペダル60の開度に応じたアクセルペダル開度信号(θAPS)に基づいて、この開度信号(θAPS)単位時間当たり変化量(θAPS/dt)を算出し、スロットルバルブ開度選択手段100B及び電動−発電機コントロールユニット200の通電電流決定手段200Aに出力する。
【0031】
スロットルバルブ開度選択手段100Bは、アクセルペダル開度の変化量(θAPS/dt)に基づいて、電子制御スロットルボディ(ETB)20のスロットルバルブ20Vの開きパターンを選択して、スロットル開度決定手段100C及び電動−発電機コントロールユニット200の通電電流補正手段200Bに選択されたパターンを出力する。
【0032】
ここで、図6を用いて、スロットルバルブの開きパターンについて説明する。図6は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いるエンジンコントロールユニットのスロットルバルブ開度選択手段が選択する開きパターンの説明図である。
【0033】
スロットルバルブの開きパターンとは、図6に示すように、アクセルペダルの開度(θAPS)(横軸)に対するスロットルバルブの開度(θTh)(縦軸)の関係である。図6に示したパターンAは、アクセルペダルの開度とスロットルバルブの開度が直線比例関係にあるものである。パターンBは、アクセルペダルの開度に対してスロットルバルブの開度を速く開くようにしたものである。パターンCは、アクセルペダルの開度に対してスロットルバルブの開度を遅く開くようにしたものである。
【0034】
スロットルバルブ開度選択手段100Bは、アクセルペダル開度の変化量(θAPS/dt)に基づいて、加速の程度を判断し、パターンA〜Cのいずれかを選択する。すなわち、通常加速時にはパターンAを選択し、急加速時にはパターンBを選択し、緩加速時にはパターンCを原則的に選択する。
【0035】
これらのスロットルバルブの開きパターンは、予めROMに記憶されている。スロットル開度決定手段100Cは、スロットルバルブ開度選択手段100Bによって選択されたパターンに応じて、ROMからアクセルペダルの開度に対するスロットルバルブの開度のパターンを読み出すとともに、ペダル開度センサ62から入力したアクセルペダル開度信号(θAPS)に対するスロットルバルブの開度となる信号を、電子制御スロットルボディ20のモータ18に出力する。
【0036】
以上の動作によって、エンジンコントロールユニット100は、アクセルペダル開度(θAPS)の変化量(θAPS/dt)に応じて制御パターンを変えて、アクセルペダル開度(θAPS)に応じてスロットルバルブの開度を制御する。
【0037】
次に、電動−発電機コントロールユニット200の動作について説明する。
通電電流決定手段200Aは、スロットルバルブ開度選択手段100Bからパターン信号を受け、スロットルバルブの開き方に対応した電動機への通電電流を決定する。即ち、急加速,通常加速,緩加速のそれぞれについて、ペダルセンサ変化量(θAPS/dt)に対する通電電流(A)を決定する。
【0038】
ここで、図7を用いて、ペダルセンサ変化量(θAPS/dt)に対する通電電流(A)の関係について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる電動−発電機コントロールユニットの通電電流決定手段が決定する通電電流の各パターンの説明図である。
【0039】
図中、A,B,Cは、それぞれ、図6に示したパターンA(通常加速),B(急加速),C(緩加速)に対応するものである。図7に示したパターンAは、アクセルペダル開度の変化量と通電電流が直線比例関係にあるものである。パターンBは、アクセルペダル開度の変化量に対して通電電流を急激に増加するようにしたものである。パターンCは、アクセルペダル開度の変化量に対して通電電流をゆっくりと増加させるようにしたものである。
【0040】
通常はパターンAを用い、急加速時にはパターンBを使用し、緩加速時にはパターンCを原則的に使用するものである。これらのパターンは、予めROMに記憶させておくものである。
【0041】
通電電流決定手段200Aは、スロットルバルブ開度選択手段100Bによって選択されたパターンに応じて、ROMからアクセルペダル開度の変化量に対する通電電流のパターンを読み出すとともに、ペダルセンサ変化量算出手段100Aから入力したアクセルペダル開度信号(θAPS)の変化量(θAPS/dt)に対する通電電流を、通電電流補正手段200Bに出力する。
【0042】
通電電流補正手段200Bは、通電電流決定手段200Aによって決定された通電電流に対して、エンジン回転数と負荷値で補正を加え、補正された通電電流を電動機10MGに印加する。
【0043】
ここで、図8を用いて、エンジン回転数による補正係数(KNe)について説明し、図9を用いて、負荷値による補正係数(KLo)について説明する。
図8は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる通電電流補正手段におけるエンジン回転数による補正係数(KNe)の説明図であり、図9は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる通電電流補正手段における負荷値による補正係数(KLo)の説明図である。
【0044】
エンジン回転数に対する補正係数(KNe)は、使用されるターボチャージャと電動機の特性から決定される。即ち、ターボチャージャーは、高回転域で加給効果が得られるものが一般的であるが、低回転域で加給効果が得られるものなどもある。例えば、高回転域で加給効果があるターボチャージャに対して電動機を低回転域で作動させることにより、低回転域から高回転まで加給効果を得られるようになる。
【0045】
例えば、図8に示すエンジン回転数に対する補正係数(KNe)は、ターボチャージャと電動機の組合せにおいて、過給効果が得られるのがおよそ3500r/minの場合のものである。従って、エンジン回転数が3000r/minまでの過給効果の得られる領域では補正係数(KNe)を1.0としている。また、エンジン回転数が4500r/minより上では、補正係数(KNe)を0.2として、電力消費を低減するようにしている。また、3000r/minから4500r/minまでの範囲では、補正係数(KNe)は、1.0から0.2まで順次減少するようにしている。
【0046】
なお、図8に示した例では、4500r/min以上の補正係数(KNe)を0.2としているが、これは、0.0にしてもよいものである。要するに、加給効果が得られるエンジン回転数の領域では、補正係数(KNe)は、1.0とし、それ以外の領域では、1.0より小さくすることにより、無駄な通電を回避して、電力消費を低減する。
【0047】
負荷値による補正係数(KLo)は、図9に示すように、負荷の小さい領域は、1.0として電動機による過給効果を速く得るようにし、負荷が大きくなるにつれてタービンを充分回すだけの排気ガスの量が選られること及び電力消費の観点から1.0以下とするようにしている。
【0048】
なお、負荷値とは、基本パルス幅Tp(吸入空気量/エンジン回転数)、ブースト(吸気管圧力)などの呼称である。従って、負荷値は、エンジン制御システムによって選択できるものである。
【0049】
次に、図10を用いて、急加速時のアクセルペダル開度θAPSに対するスロットル開度θTh及び通電電流AAのタイミングチャートについて説明する。
図10は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置における急加速時のアクセルペダル開度θAPSに対するスロットル開度θTh及び通電電流AAの変化を示すタイミングチャートである。
【0050】
例えば、時間0sにおいてアクセルペダル開度が0度であり、時間0.1sまでに最大アクセルペダル開度(θAPS(max))となるように、アクセルペダルが踏み込まれたものとする。その後も、アクセルペダル開度は、最大開度に保持されている。
【0051】
このような加速は、急加速時に該当するものであり、図5において説明したスロットルバルブ開度選択手段100Bは、ペダルセンサ変化量(θAPS/dt)に基づいて急加速であると判断し、パターンBを選択する。スロットル開度決定手段100Cは、図6に示したパターンBに従って、アクセルペダルの開度(θAPS)に対してスロットルバルブの開度(θTh)を速く開くようにする。また、通電電流決定手段200Aは、図7に示したパターンBに従って、アクセルペダル開度の変化量(θAPS/dt)に対して通電電流(AA)を急激に増加するようにする。なお、この時点では、エンジンの回転数は低いため、通電電流補正手段の補正係数Kは、1.0である。
【0052】
アクセルペダル開度θAPSに対してスロットル開度θThが速く、しかも大きく開かれている。従って、従来システムのようにスロットルバルブが吸気抵抗となることがなくなり、電動機で過給された空気はスムースに効率良く、エンジンに供給されるものである。
【0053】
ここで、図11を用いて、実車を用いてテストした結果について説明する。
図11は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を用いた加速時のテスト結果を示す図であり、図11(A)は、エンジン回転数の変化を示し、図11(B)は、ブースト圧の変化を示している。
【0054】
図11において、実線は、本実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を用いない場合の特性を示しており、一点鎖線は本実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を用いた場合の特性を示している。
【0055】
図から明らかのようにブースト圧力は、本実施形態を用いることにより、立ち上がりが速く、しかも高い圧力が得られている。従って、エンジン回転数の立ち上がりが速く、効果のあることが確認できた。
【0056】
次に、図12を用いて、緩加速時のアクセルペダル開度θAPSに対するスロットル開度θTh及び通電電流AAのタイミングチャートについて説明する。
図12は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置における緩加速時のアクセルペダル開度θAPSに対するスロットル開度θTh及び通電電流AAの変化を示すタイミングチャートである。
【0057】
例えば、図12を図10と比較すると理解されるように、時間0sにおいてアクセルペダル開度が0度であり、時間0.2sまでに最大アクセルペダル開度(θAPS(max))よりも小さな開度となるように、アクセルペダルが踏み込まれたものとする。
【0058】
このような加速は、緩加速時に該当するものであり、図5において説明したスロットルバルブ開度選択手段100Bは、ペダルセンサ変化量(θAPS/dt)に基づいて緩加速であると判断し、パターンCを選択する。スロットル開度決定手段100Cは、図6に示したパターンCに従って、アクセルペダルの開度(θAPS)に対してスロットルバルブの開度(θTh)を緩やかに開くようにする。また、通電電流決定手段200Aは、図7に示したパターンBに従って、アクセルペダル開度の変化量(θAPS/dt)に対して通電電流(A)をゆっくりと増加するようにする。なお、この時点では、エンジンの回転数は低いため、通電電流補正手段の補正係数Kは、1.0である。
【0059】
緩加速時は、アクセルペダル開度θAPSに対してスロットル開度θThを若干大きく開き、スロットルバルブのみで空気量を多く供給している。従って、通電電流AAは多く必要としないことから、図に示した挙動となる。また、通電電流を少な目にすることにより、バッテリーの充放電収支を改善することができる。
【0060】
ここで、図13を用いて、本実施形態によるターボチャージャの定常性能について説明する。
図13は、本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置の定常性能を示す図であり、図13(A)は、軸トルクを示し、図13(B)は、ブースト(吸気管)圧力を、それぞれエンジン回転数を横軸に示している。
【0061】
実線で示した性能が電動機なしの性能であり、一点鎖線が、本実施形態による電動−発電機を備えたターボチャージャを用いた場合の性能である。電動機を使用することにより3500r/minまでの低回転領域において、性能,即ち、出力,運転性が改善できることが分かる。
なお、3500r/min以上でも電動機による過給効果を得るためには、さらに大きな電動機を使用することで対応可能である。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、アクセルペダルの開き方に応じてスロットルバルブと電動―発電機を制御することできる。
【0063】
アクセルペダルを速く踏むことは、ドライバーが速い加速を要求している時であり、この時はスロットルバルブをアクセルペダルよりも速く、しかも大きく開いてやる(吸気抵抗の減少)とともに、電動機への通電を早く大きくすることにより、充分な過給圧を得ることができ、運転性が向上するものである。また、緩加速時には電動機に減少した通電(アクセルペダル開度よりも若干大きく開くこと及びスロットルバルブでの抵抗が減少した分)をしてやること運転性を向上できる。
【0064】
以下、図14〜図17を用いて、本発明の第2の実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置の構成について説明する。
本実施形態は、さらに、バッテリーの寿命を改善するためにバッテリーの充放電収支を考慮して、スロットルバルブの開度及び電動機への通電電流を制御するようにしているものである。
【0065】
なお、本実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を備えたエンジン制御システムの全体構成については、図1に示したものと同様であるが、本実施形態においては、図1に示した放電状態監視センサ70を用いている。放電状態監視センサ70は、バッテリーBATが充電状態にあるか放電状態にあるかを監視して、その検出結果を電動−発電機コントロールユニット200に出力する。また、本実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いるターボチャージャの構成については、図2に示したものと同様であり、本実施形態に用いる電子制御スロットルボディの構成については、図3に示したものと同様であり、本実施形態に用いるエンジンコントロールユニットの構成については、図4に示したものと同様である。
【0066】
次に、図14〜図17を用いて、本実施形態による電動−発電機コントロールユニット及びエンジンコントロールユニットの動作について説明する。
最初に、図14を用いて、本実施形態による電動−発電機コントロールユニット及びエンジンコントロールユニットの機能構成について説明する。
図14は、本発明の第2の実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる電動−発電機コントロールユニット及びエンジンコントロールユニットの機能構成を示すブロック図である。なお、図5と同一符号は、同一部分を示している。
【0067】
エンジンコントロールユニット100’は、ペダルセンサ変化量(θAPS/dt)算出手段100Aと、パターン選択手段100B’と、スロットル開度決定手段100Cと、放電電流検出判断手段100Dを備えている。エンジンコントロールユニット100’は、図1に示したペダル開度センサ62が出力するアクセルペダル60の開度に応じたアクセルペダル開度信号(θAPS)及び図1に示した放電状態監視センサ70から入力する放電電流(DA)の情報に基づいて、電子制御スロットルボディ(ETB)20のスロットルバルブの開度を制御する。
【0068】
電動−発電機コントロールユニット200’は、通電電流決定手段200Aを備えている。なお、図5に示した通電電流補正手段200Bを備えるようにしてもよいものである。電動−発電機コントロールユニット200’は、ペダルセンサ変化量算出手段100Aが出力するアクセルペダル開度信号(θAPS)の変化量信号(θAPS/dt)に基づいて、ターボチャージャ10の電動−発電機部10MGを電動機として作動するための通電電流を制御する。
【0069】
最初に、エンジンコントロールユニット100’の動作について説明する。
エンジンコントロールユニット100’のペダルセンサ変化量算出手段100Aは、図5において説明したものと同様であり、図1に示したペダル開度センサ62が出力するアクセルペダル60の開度に応じたアクセルペダル開度信号(θAPS)に基づいて、この開度信号(θAPS)単位時間当たり変化量(θAPS/dt)を算出し、パターン選択手段100B’及び電動−発電機コントロールユニット200’の通電電流決定手段200Aに出力する。
【0070】
放電電流検出判断手段100Dは、図1に示した放電状態監視センサ70から入力する放電電流(DA)の情報に基づいて、バッテリーからの放電電流が所定値よりも小さいか大きいかを判断する。放電状態監視センサ70は、バッテリーが放電しているか充電しているかを監視しており、放電電流検出判断手段100Dは、所定のタイミング(例えば、0.7s毎)に放電状態監視センサ70の出力を取り込み、放電状態である場合には放電カウンタを+1し、充電カウンタを−1する。また、充電状態である場合には、充電カウンタを+1し、放電カウンタを−1する。そして、所定時間(例えば、数十s)後に、充電カウンタと放電カウンタのカウント値の差分をとることにより、この差分の値が所定値より大きいか小さいかで放電状態の程度の判定を行う。また、放電電流を直接所定時間の間監視して、放電電流が所定値よりも小さいか大きいかを判断するようにしてもよいものである。
【0071】
パターン選択手段100B’は、アクセルペダル開度の変化量(θAPS/dt)及び放電状態に基づいて、スロットルバルブの開きパターン及び通電電流の通電パターンを選択して、スロットル開度決定手段100C及び電動−発電機コントロールユニット200’の通電電流補正手段200Bに選択されたパターンをそれぞれ出力する。
【0072】
スロットルバルブの開きパターンは、図6において説明したものと同様であり、アクセルペダルの開度とスロットルバルブの開度が直線比例関係にあるパターンAと、アクセルペダルの開度に対してスロットルバルブの開度を速く開くようにしたパターンBと、アクセルペダルの開度に対してスロットルバルブの開度を遅く開くようにしたパターンCがある。
【0073】
パターン選択手段100B’は、アクセルペダル開度の変化量(θAPS/dt)に基づいて、加速の程度を判断する。そして、スロットル開度検出手段100Cに出力するパターンは、通常加速時にはパターンAを選択し、急加速時にはパターンBを選択し、緩加速時にはパターンCを原則的に選択する。また、パターン選択手段100B’は、放電電流検出判断手段100Dからの信号によって、通電電流決定手段200Aに出力するパターンを選択するが、この点の詳細については後述する。
【0074】
スロットル開度決定手段100Cは、パターン選択手段100B’によって選択されたパターンに応じて、ROMからアクセルペダルの開度に対するスロットルバルブの開度のパターンを読み出すとともに、ペダル開度センサ62から入力したアクセルペダル開度信号(θAPS)に対するスロットルバルブの開度となる信号を、電子制御スロットルボディ20のモータ18に出力する。
【0075】
以上の動作によって、エンジンコントロールユニット100’は、アクセルペダル開度(θAPS)の変化量(θAPS/dt)に応じて制御パターンを変えて、アクセルペダル開度(θAPS)に応じてスロットルバルブの開度を制御する。
【0076】
次に、 電動−発電機コントロールユニット200’の動作について説明する。
通電電流決定手段200Aは、パターン選択手段100B’からパターン信号を受け、放電電流に応じた電動機への通電電流を決定する。ペダルセンサ変化量(θAPS/dt)に対する通電電流(A)の関係については、図7を用いて説明したとおりである。図7のパターンAは、アクセルペダル開度の変化量と通電電流が直線比例関係にあるものであり、パターンBは、アクセルペダル開度の変化量に対して通電電流を急激に増加するようにしたものであり、パターンCは、アクセルペダル開度の変化量に対して通電電流をゆっくりと増加させるようにしたものである。
【0077】
急加速時には、スロットル開度決定手段100Cのパターンは、パターンBに選択されている。そして、このときの放電電流(DA)が所定値よりも小さい場合には、図5に示した実施形態と同様にして図7のパターンBを選択するが、放電電流(DA)が所定値よりも大きい場合には、図7のパターンCを選択する。即ち、放電状態にあるときは、電動機への通電量を少な目にするようにして、充放電収支が悪化するのを防止するようにする。通常加速時であっても、放電電流(DA)が所定値よりも大きい場合には、図7のパターンCを選択する。
【0078】
即ち、充電状態のときは、図5の実施形態と同様にスロットル開度と電動機の通電電流のパターンを同じものとするが、放電電流(DA)が所定値よりも大きい場合には、図7のパターンCを選択することによって、充放電収支が悪化するのを防止するようにしている。
【0079】
通電電流決定手段200Aは、パターン選択手段100B’によって選択されたパターンに応じて、ROMからアクセルペダル開度の変化量に対する通電電流のパターンを読み出すとともに、ペダルセンサ変化量算出手段100Aから入力したアクセルペダル開度信号(θAPS)の変化量(θAPS/dt)に対する通電電流を、電動機10MGに出力する。
【0080】
次に、図15を用いて、急加速時で、しかも、放電電流が所定値よりも大きい場合のアクセルペダル開度θAPSに対するスロットル開度θTh及び通電電流AAのタイミングチャートについて説明する。
図15は、本発明の第2の実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置における急加速時で、しかも、放電電流が所定値よりも大きい場合のアクセルペダル開度θAPSに対するスロットル開度θTh及び通電電流AAの変化を示すタイミングチャートである。
【0081】
例えば、時間0sにおいてアクセルペダル開度が0度であり、時間0.1sまでに最大アクセルペダル開度(θAPS(max))となるように、アクセルペダルが踏み込まれたものとする。その後も、アクセルペダル開度は、最大開度に保持されている。
【0082】
このような加速は、急加速時に該当するものであり、図5において説明したパターン選択手段100B’は、ペダルセンサ変化量(θAPS/dt)に基づいて急加速であると判断し、パターンBを選択する。スロットル開度決定手段100Cは、図6に示したパターンBに従って、アクセルペダルの開度(θAPS)に対してスロットルバルブの開度(θTh)を速く開くようにする。
【0083】
また、パターン選択手段100B’は、放電電流検出判断手段100Dからの信号に基づいて、放電電流(DA)が所定値より大きいものとすると、パターンCを選択する。通電電流決定手段200Aは、図7に示したパターンCに従って、アクセルペダル開度の変化量(θAPS/dt)に対して通電電流(AA)をゆっくりと増加するようにする。
【0084】
アクセルペダル開度θAPSに対してスロットル開度θThが速く、しかも大きく開かれている。従って、従来システムのようにスロットルバルブが吸気抵抗となることがなくなり、電動機で過給された空気はスムースに効率良く、エンジンに供給されるものである。また、通電電流は制限されているため、放電状態であっても無理に電動機に通電することがないため、充放電収支を改善することができる。
【0085】
ここで、図16を用いて、実車を用いてテストした結果について説明する。
図16は、本発明の第2の実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を用いた加速時のテスト結果を示す図であり、図16(A)は、エンジン回転数の変化を示し、図16(B)は、ブースト圧の変化を示している。
【0086】
図16において、実線は、本実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を用いない場合の特性を示しており、一点鎖線は本実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を用いた場合の特性を示している。
【0087】
図から明らかのようにブースト圧力は、本実施形態を用いることにより、立ち上がりが速く、しかも高い圧力が得られている。従って、エンジン回転数の立ち上がりが速く、効果のあることが確認できた。なお、図11と比較すると明らかなように、ブースト圧の立ち上がりは若干遅くなり、エンジン回転数の立ち上がりも若干遅くなっているが、実線で示した電動機を用いない場合よりそれぞれ立ち上がりは改善されている。
【0088】
次に、図17を用いて、バッテリーの充放電収支について説明する。
図17は、本発明の第2の実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置のバッテリーの充放電収支の説明図である。
【0089】
電動―発電機なしのターボチャージャ付きエンジンにおける充放電収支を100%とすると、本実施形態による電動―発電機を備えたターボチャージャを用いて、放電状態時の通電量を制限する制御を行った結果の充放電収支は、95%であり、バッテリーの寿命に影響を与えないレベルであることを確認できた。
【0090】
なお、図5に示した電動―発電機を備えたターボチャージャを用いて、放電状態の監視を行わない場合の充放電収支は、89%であり、これに比べて充放電収支が改善されている。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によれば、アクセルペダルの開き方に応じてスロットルバルブと電動―発電機を制御することできる。
【0092】
アクセルペダルを速く踏むことは、ドライバーが速い加速を要求している時であり、この時はスロットルバルブをアクセルペダルよりも速く、しかも大きく開いてやる(吸気抵抗の減少)とともに、電動機への通電を早く大きくすることにより、充分な過給圧を得ることができ、運転性が向上するものである。また、緩加速時には電動機に減少した通電(アクセルペダル開度よりも若干大きく開くこと及びスロットルバルブでの抵抗が減少した分)をしてやること運転性を向上できる。
【0093】
また、放電状態にあるときは、電動機への通電量を制限するようにしたので、バッテリーの充放電収支を改善することができる。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、内燃機関のターボチャージャ制御装置において、運転者のアクセルペダルの操作に応じた過給圧が得られ、運転性が向上するものである。
【0095】
また、本発明によれば、内燃機関のターボチャージャ制御装置において、電動−発電機を備えたターボチャージャを用いる場合にも、バッテリーの寿命を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を備えたエンジン制御システムの全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いるターボチャージャの構成を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に用いる電子制御スロットルボディの構成を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態に用いるエンジンコントロールユニットの構成を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる電動−発電機コントロールユニット及びエンジンコントロールユニットの機能構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いるエンジンコントロールユニットのスロットルバルブ開度選択手段が選択する開きパターンの説明図である。
【図7】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる電動−発電機コントロールユニットの通電電流決定手段が決定する通電電流の各パターンの説明図である。
【図8】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる通電電流補正手段におけるエンジン回転数による補正係数(KNe)の説明図である。
【図9】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる通電電流補正手段における負荷値による補正係数(KLo)の説明図である。
【図10】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置における急加速時のアクセルペダル開度θAPSに対するスロットル開度θTh及び通電電流AAの変化を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を用いた加速時のテスト結果を示す図であり、同図(A)は、エンジン回転数の変化を示し、同図(B)は、ブースト圧の変化を示している。
【図12】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置における緩加速時のアクセルペダル開度θAPSに対するスロットル開度θTh及び通電電流AAの変化を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明の一実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置の定常性能を示す図であり、同図(A)は、軸トルクを示し、同図(B)は、ブースト(吸気管)圧力を、それぞれエンジン回転数を横軸に示している。
【図14】本発明の第2の実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置に用いる電動−発電機コントロールユニット及びエンジンコントロールユニットの機能構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の第2の実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置における急加速時で、しかも、放電電流が所定値よりも大きい場合のアクセルペダル開度θAPSに対するスロットル開度θTh及び通電電流AAの変化を示すタイミングチャートである。
【図16】本発明の第2の実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置を用いた加速時のテスト結果を示す図であり、同図(A)は、エンジン回転数の変化を示し、同図(B)は、ブースト圧の変化を示している。
【図17】本発明の第2の実施形態による内燃機関のターボチャージャ制御装置のバッテリーの充放電収支の説明図である。
【符号の説明】
10…電動−発電機を備えたターボチャージャ
10MG…電動−発電機部
20…電子制御スロットルボディ
20V…スロットルバルブ
62…ペダル開度センサ
70…放電状態監視センサ
100…エンジンコントロールユニット
100A…ペダルセンサ変化量算出手段
100B…スロットルバルブ開度選択手段
100B’…パターン選択手段
100C…スロットル開度決定手段
100D…放電電流検出判断手段
200…電動−発電機コントロールユニット
200A…通電電流決定手段
200B…通電電流補正手段
Claims (1)
- 電動―発電機を備えたターボチャージャとアクセルペダルの開度に応じてスロットルバルブの開度を制御可能な電子制御スロットルボディと、
前記アクセルペダルの開度の変化量に応じて、前記スロットルバルブの開き方と前記電動−発電機への通電電流を制御する制御手段と、
バッテリーの充放電状態を監視する監視手段を備え、
前記制御手段は、上記アクセルペダルの開度の変化量が大きいときは、上記アクセルペダルの開度を上記スロットルバルブの開度が直線比例関係にある場合よりも、上記アクセルペダルの開度に対して上記スロットバルブの開度を速く、しかも、大きく開くと共に、上記アクセルペダル開度と通電電流が直線比例関係にある場合よりも、上記アクセルペダル開度の変化量に対して上記通電電流を急激に増加するように制御し、
また、前記制御手段は、前記監視手段により監視された放電状態により、放電電流が所定値よりも大きい場合には、アクセルペダル開度(θ APS )の変化量(θ APS /dt)に対して上記電動−発電機への通電電流をゆっくり増加するように制御し、
さらに、前記制御手段は、上記アクセルペダルの開度の変化量が小さいときは、上記アクセルペダルの開度を上記スロットルバルブの開度が直線比例関係にある場合よりも、上記アクセルペダルの開度に対して上記スロットバルブの開度を遅く開くと共に、上記アクセルペダル開度と通電電流が直線比例関係にある場合よりも、上記アクセルペダル開度の変化量に対して上記通電電流をゆっくりと増加するように制御することを特徴とする内燃機関のターボチャージャ制御装置。
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