JP4227213B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像手段で生成された撮像信号から該撮像信号が示す画像の一部を設定された拡大率に電子的に拡大する電子拡大手段を有し、撮像手段の揺動の大きさに応じて映像信号の生成に関する補正動作を行うビデオカメラなどの撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光学レンズが捕らえた光学像をCCDなどの撮像素子により電気信号に変換して撮像信号を生成する撮像系を有するビデオカメラなどにおいては、一般に、手ぶれ防止機能が搭載されている。この手ぶれ防止機能は、手ぶれによる映像の乱れを防止する機能であり、この機能を実現する方式としては、光学式手ぶれ補正方式と電子式手ぶれ補正方式とがある。
【0003】
光学式手ぶれ補正方式では、撮像素子に入射される撮像光の光路途中に、光軸変位が可能なプリズムやレンズ部材を配置し、手ぶれに応じて光軸の変位を行うことによりぶれ補正を行う。この補正方式においては、手ぶれを検出する手段として振動ジャイロなどの角速度センサを用いてカメラに直接加わる揺れ成分の検出を行い、この検出された揺れ成分の積分によりカメラの角変位を検出する方法が採用されている。
【0004】
これに対し、電子式手ぶれ補正方式は、フィールド間での映像信号の変化からカメラの動き量を算出し、この算出された動き量を手ぶれ量とする動きベクトル検出方式と併用される場合が多く、この場合には、動きベクトル検出用のフィールドメモリの蓄積画像における動きを除去するように対応する画像を該メモリから抽出することにより、補正が行われる。また、他の電子式手ぶれ補正方式として、センサを用いて手ぶれを検出し、この検出した手ぶれに応じて撮像素子で受光された画像の一部を切り出す位置を制御し、この位置での画像の切り出しを行うことにより手ぶれを補正するものがある。
【0005】
電子式手ぶれ補正方式の場合、映像信号に対して信号処理による補正すなわち電気的な補正を行うから、補正周期はフィールド周期となり、露光時間中の手ぶれを除去することはできないが、光学方式手ぶれ補正方式により小型軽量化することができるというメリットがある。また、撮像素子に高密度の大型のものを用いて切り出しまたはメモリから抽出される撮影像の解像度を上げることにより、光学式手ぶれ補正方式に比して不利であった画質劣化という点も、改良がなされつつある。
【0006】
ところで、ビデオカメラを意図的に動かすパンニング、チルティングなどのカメラワークを行いながら撮影を行う場合がある。これらのカメラワークでの撮影時には、手ぶれ補正に制限をかけて補正能力を低下させることにより、この制限された手ぶれ補正範囲の境界部分にカメラワークによる揺れがくることによって生じる撮影画像の乱れの防止、および撮影者の意図する方向への素早い応答を図る手法が本出願人により提案されている。
【0007】
この本出願人により提案されている手法について図7ないし図10を参照しながら説明する。図7は従来の撮像装置の構成を示すブロック図、図8は図7の撮像装置における防振制御システムの処理手順を示すフローチャート、図9は図7の撮像装置の防振制御システムにおける補正量に対する制限量を成すカットオフ周波数の特性を示す図、図10は図7の撮像装置のシフトレンズ704の最大シフト移動量と最大補正値との関係を表す図である。
【0008】
この従来例として、焦点距離がいずれの焦点に設定されていも、また焦点距離により補正限界が変化するような場合であっても、制限量の特性設定を簡単に行うことが可能な光学式手ぶれ補正機能を有する撮像装置を例に説明する。
【0009】
この撮像装置は、図7に示すように、インナーフォーカスタイプの構成を有するレンズ群を備え、該レンズ群は、固定レンズ701、ズームレンズ702、絞り703、光軸に対し垂直方向に移動可能なシフトレンズ704およびフォーカスレンズ705を有する。レンズ群が捕らえた光学像はCCD(電荷結合素子)などからなる撮像素子706の撮像面に結像され、撮像素子706は撮像面に結像された光学像を電気信号に変換して出力する。撮像素子706からの電気信号は増幅器718で増幅された後にカメラ信号処理回路719に入力され、カメラ信号処理回路719は入力された電気信号を所定規格(例えばNTSC)の映像信号に変換して出力するとともに、映像信号の焦点状態を表す焦点信号を生成して後述する制御マイコン716に出力する。
【0010】
レンズ群のズームレンズ702による変倍動作およびフォーカスレンズ705による焦点位置調整動作は、制御マイコン716により制御される。具体的には、ズームレンズ702による変倍動作に対する制御では、押し圧により抵抗値が可変する回転操作タイプのズームユニットスイッチ717が用いられ、ズームユニットスイッチ717からはその回転操作に応じてズームレンズ702の変倍率を指示する信号が制御マイコン716に出力される。制御マイコン716は、ズームユニットスイッチ717からの指示信号に基づき指示された変倍率が得られるようにモータ(Mo)707の駆動命令をモータドライバ712に出力する。この駆動命令を受けたモータドライバ712は、ズームレンズ702を指示された変倍率に応じた光軸方向への位置に移動するようにモータ707を駆動する。
【0011】
フォーカスレンズ705による焦点位置調整動作に対する制御では、制御マイコン716がカメラ信号処理回路719からの焦点信号に基づき焦点状態を検出し、最適な焦点状態が得られるようにモータ(Mo)709の駆動命令をモータドライバ710に出力する。この駆動命令を受けたモータドライバ710は、フォーカスレンズ705を最適な焦点状態が得られる光軸方向への位置に移動するようにモータ709を駆動する。
【0012】
この撮像装置には、シフトレンズ704を光軸と垂直方向へ駆動させることにより手ぶれ補正を行う防振制御システムが搭載されている。この防止制御システムでは、防振スイッチ720と、ピッチ角速度センサ721と、ヨウ角速度センサ722とが用いられている。防振スイッチ720は、この防止制御システムのオン、オフを指示するスイッチであり、オン動作が行われると、定電圧Vに接続されている抵抗720aにより生じる電圧がオン信号として制御マイコン716に入力される。ピッチ角速度センサ721は、カメラ本体のピッチ方向の揺れ角速度を検出するセンサからなり、この出力は増幅器723で増幅された後に制御マイコン716のA/Dコンバータに入力される。ヨウ角速度センサ722は、カメラ本体のヨウ方向の揺れ角速度を検出するセンサからなり、この出力は増幅器724で増幅された後に制御マイコン716のA/Dコンバータに入力される。
【0013】
制御マイコン716は、入力された各方向の角速度をそれぞれ積分して角変位に変換し、各方向への角変位すなわち各方向への揺れ角θと光学系(レンズ群)の焦点距離fとに応じて撮像素子706上の揺れる撮影像の移動分(f*tanθに相当する距離)をゆれる移動方向とは逆の方向に動かすように、シフトレンズ704を光軸に対して垂直方向に移動させることにより揺れ補正を行う。このシフトレンズ704を移動させる制御に際して、制御マイコン716は、シフトレンズ704の移動位置に対する補正量(シフト目標量)を算出して加算器715に出力する。
【0014】
加算器715は、制御マイコン716からの補正量とともに、エンコーダ713からシフトレンズ704の位置信号(光軸と垂直な方向における移動位置を示す信号)を増幅器714を介して取り込み、補正量とシフトレンズ704の位置信号とを比較し、その差を零にするように駆動信号をモータドライバ712に出力する。モータドライバ712は、加算器715からの駆動信号に基づきモータ(Mo)711を駆動してシフトレンズ704の移動位置を制御する。このように、シフトレンズ704の位置はループ制御され、最終的に補正量で表される目標位置に一致される。
【0015】
ここで、前記シフトレンズ704に対する補正量は光学系の焦点距離fとシフトレンズ704の最大補正限界(シフトレンズ704の最大シフト移動量)とで規格化されており、次の(1)、(2)式に基づき算出される。
【0016】
ピッチ規格化補正量=(ピッチ補正量/ピッチ最大シフト限界/2)
*100(%) …(1)
ヨウ規格化補正量=(ヨウ補正量/ヨウ最大シフト限界/2)
*100(%) …(2)
この規格化補正量は、手ぶれ補正能力に制限を加えるための制限量の算出に用いられ、この制限量は所定の特性となるように決定される。よって、全ての焦点距離の変化に対応可能な防振制御システムが構築されていることになる。
【0017】
次に、防振制御システムにおける制御マイコン716による補正量および制限量を算出する処理手順について図8を参照しながら具体的に説明する。この処理は定周期割込み処理であり、その割込みの起動要因を、例えば発振クロックを分周してアップまたはダウンカウント動作しているカウンタが1msecに相当するカウント値を計数する毎に発生するように構成することができる。また、各角速度センサ721,722の出力は制御マイコン716のA/Dコンバータに取り込まれるが、本例では、簡単のため、A/Dコンバータの動作モードがスキャンモードで、常時A/D動作を繰り返しているものとする。
【0018】
割込みの起動要因の発生により処理が開始されると、まず、ステップS801において、制御マイコン716のA/Dコンバータに取り込まれた各角速度センサ721,722の出力をそれぞれA/Dサンプリングして角速度信号に変換し、この角速度信号に対しカットオフ周波数が固定されているハイパスフィルタ処理を施す。このフィルタ処理により角速度信号からDC成分が除去され、AC成分の角速度信号が得られる。
【0019】
続くステップS802では、角速度信号に対して帯域制限処理を施す。このカットオフ周波数は後述する処理により設定される周波数であり、このカットオフ周波数を低域から高域まで変化させることにより所望の帯域制限を行うことが可能である。ここで、パンニングなどのカメラワークが行われている最中には、手ぶれ補正能力を低下させるために、カットオフ周波数を上げるように制御し、通常撮影時には、手ぶれ補正能力(手ぶれ除去能力)を高めるために、カットオフ周波数を下げるように制御する。また、補正可能範囲の限界よりも大きな揺れを補正しようとして、補正端に衝突したときに生じる画面に不自然さを防止するためにも、この帯域制限処理が有効に作用する。
【0020】
次いで、ステップS803に進み、帯域制限された角速度信号に対して積分処理を施し、角変位を算出する。この算出された角変位がカメラ本体に加わる揺れ角θに相当する。続くステップS804では、上記ステップS803で算出された揺れ角θと光学系の焦点距離fとから、シフトレンズ704に対する補正量(シフト目標量)を算出する。ここで、補正量はf*tanθで表される。そして、ステップS805に進み、算出した補正量をシフトレンズ704の最大補正限界(シフトレンズ704の最大シフト移動量)で規格化する処理を行う。この処理では、上記(1)、(2)式に基づき規格化補正量を算出する。
【0021】
次いで、ステップS806に進み、算出された規格化補正量に基づき手ぶれ補正能力に制限を加えるための制限量を算出する。ここで、制限量は、上記ステップS802の帯域制限処理により制御されるカットオフ周波数に相当する物理量である。この制限量すなわちカットオフ周波数は、図9に示すように、規格化補正量の2乗の関数として一意に決定される。ここで、図9の横軸は規格化補正量であり、最大シフト限界の1/2までシフトして補正する場合に対する、現在の揺れの補正に必要な補正量の割合を示している。縦軸は制限量のパラメータである帯域制限のカットオフ周波数を示している。また、補正量に対して制限をかける度合いを閾値設定による設定ではなく関数的に設定することから、カットオフ周波数を制御してパンニング動作に対応する場合に、円滑な切替を行うことができる。本例では、最大カットオフ周波数を6Hzとしているが、これは、主となる手ぶれの周波数成分が5Hz以下であることによるものである。さらに、カットオフ周波数は規格化補正量の2乗の関数として設定されているから、補正量が大きいほど急峻にカットオフ周波数を上げ、補正量が零近傍の値である場合には、カットオフ周波数をできる限り低くして手ぶれ補正能力を高めるように制御することが可能になる。なお、手ぶれ補正能力が高い範囲(補正量が零近傍の範囲)をできる限り拡大したいときには、補正量の2乗としていた次数をさらに増していけばよく、補正量がより大きくなったときにカットオフ周波数が急峻に立ち上がるように係数などを設定すればよい。
【0022】
また、最大シフト限界について図10を参照しながら説明する。ここで、本図(a)は焦点距離の変化に対し有効像円径が変化する様子、(b)は焦点距離に対し最大補正範囲(最大シフト限界)が変化する様子をそれぞれ示している。図10(a)の直線1001は、ワイド側からテレ側までの焦点距離に対しシフトレンズ704のメカニカル的な最大移動距離を有効像円径に換算した点を表す直線であり、直線1002は、ワイド側からテレ側までの焦点距離に対しシフトレンズ704がメカニカル的な最大移動距離までの距離を移動した際に撮影画面にけられがないことを示している。従って、直線1002で示される有効像円径の変化に対してその最大補正範囲は、図10(b)の直線1005で表され、一定になることが分かる。これに対し、図10(a)の直線1003は、焦点距離1004よりテレ側の焦点距離に対し、直線1001が示す有効像円径より大きな像円径が得られるが、焦点距離1004よりワイド側の焦点距離に対しては、像円径が直線1001が示す有効像円径より大きくならない状態を示している。この直線1003で示される有効像円径の変化に対しては、図10(b)の直線1006が表すように、最大補正範囲が焦点距離1004よりワイド側では小さくなることが分かる。
【0023】
一般には、図10(a)の直線1003で表されるような有効像円径の変化状態を示す光学系が設計され、レンズの小型化が図られる場合が多い。この場合、上述したように、図10(b)の直線1006が表すように、最大補正範囲が焦点距離1004よりワイド側で小さくなるように変化するが、補正量は最大補正範囲で規格化されるから、焦点距離毎に制限特性を変更しなくても(特性変更パラメタを多数持たくても)、補正範囲の端との衝突防止と円滑なパンニング動作への移行と解除とを実現することができる。
【0024】
このように、カットオフ周波数(制限量)が算出されると、このカットオフ周波数は次回の帯域制限処理時に設定されることになる。ここで、算出されたカットオフ周波数が大きいときには、カットオフ周波数以下の手ぶれ周波数の揺れに対し、手ぶれ補正による効果が減少することになる。
【0025】
次いで、ステップS807に進み、上記ステップS804で算出された補正量(シフト目標量)を加算器715に対して出力し、本処理を終了する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来の撮像装置におけるパンニング制御動作では、最大補正範囲で規格化された補正量に応じて制御量を決定するから、電子ズームなどによる画面拡大時(例えばレンズの焦点距離がテレ端に設定されいてる状態で2倍の拡大を行うとき)には、以下のような問題が生じる。
【0027】
電子ズームによる画面拡大時(例えばレンズの焦点距離がテレ端に設定されている状態で2倍の拡大を行うとき)には、焦点距離をテレ端に設定しているときと同じぶれ量に対して、画像の動き量が焦点距離をテレ端に設定している場合の2倍になる。一方、撮影者が意図的にパンニングする速度は、画面変化がどの画角でも一定とする傾向があり、2倍の電子ズーム時には、パンニング速度は焦点距離をテレ端に設定している場合に比してほぼ1/2となる。ここで、2倍の電子ズーム時においては最大補正量が焦点距離がテレ端に設定されている場合と同じであるから、パンニング時の制限量を図9に示す制限量特性に基づき算出すると、焦点距離がテレ端に設定されている場合より2倍速く見えるパンニング動作から制限がかかり始めることになり、最適なパンニング速度(焦点距離をテレ端に設定した場合よりゆっくりしたカメラ操作)に対しては、手ぶれ補正が強くかかり、円滑なパンニング動作、自然なカメラワークに支障をきたし、自然な撮影を行うことができないことがある。
【0028】
また、画角が望遠側になるほど制限を小さな揺れ量からかけるようにする提案(特開平9−51466号公報)がなされているが、望遠領域を閾値で分けており、電子ズーム動作のように画面が滑らかに拡大されていく場合には、制限を変更する領域の境界で、画面に乱れを生じる場合がある。また、同一領域内では同じように制限特性で制御することになるから、ある画角では最適化さているが、他の画角では、パンニング動作の自然さを欠くような場合がある。
【0029】
本発明の目的は、あらゆるカメラワークで自然な撮影を行うことができる撮像装置を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、光学像を電気信号に変換して画像信号を生成する撮像手段と、前記撮像手段で生成された前記画像信号から該画像信号が示す画像の一部を設定された拡大率に電子的に拡大する電子拡大手段と、前記撮像手段の揺動の大きさを検出する検出手段と、前記検出手段により検出された揺動の大きさに応じて前記画像信号の生成に関する補正動作を行う補正手段と、前記補正手段の前記補正動作に用いられる補正量を算出する補正量算出手段と、前記算出された補正量に応じて前記補正手段の前記補正動作に制限をかける制限手段と、前記補正量の変化に応じて、前記制限手段による前記補正動作の制限に関する制限量を前記補正量の正の整数乗を変数とする関数で表される特性となるように、前記電子拡大手段オフ時の特性を決定する制限量決定手段と、前記電子拡大手段に設定された前記拡大率に応じて前記特性を線形的に変更する特性変更手段とを設けたことを特徴とする。
【0033】
本発明の撮像装置は、光学像を電気信号に変換して画像信号を生成する撮像手段と、前記撮像手段で生成された前記画像信号から該画像信号が示す画像の一部を設定された拡大率に電子的に拡大する電子拡大手段と、前記撮像手段の揺動の大きさを検出する検出手段と、前記検出手段により検出された揺動の大きさに応じて前記画像信号の生成に関する補正動作を行う補正手段と、前記補正手段の前記補正動作に用いられる補正量を、前記撮像手段の焦点距離と前記補正手段の最大補正範囲とで規格化しながら決定する補正量決定手段と、前記決定された補正量に応じて前記補正動作に制限をかける制限手段と、前記決定された補正量に応じて、前記制限手段による前記補正動作の制限に関する制限量を前記補正量の正の整数乗を変数とする関数で表される特性となるように、前記電子拡大手段オフ時の特性を決定する制限量決定手段と、前記電子拡大手段に設定された前記拡大率に応じて前記特性を線形的に変更する特性変更手段とを設けたことを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。
【0037】
図1は本発明の撮像装置の実施の一形態の構成を示すブロック図、図2は図1の撮像装置の撮像素子からの画像抽出状態を示す図である。
【0038】
撮像装置は、図1に示すように、インナーフォーカスタイプの構成を有するレンズ群を備え、該レンズ群は、第1の固定レンズ101、ズームレンズ102、絞り103、第2の固定レンズ104およびフォーカスレンズ105を有する。レンズ群が捕らえた光学像はCCDからなる撮像素子106の撮像面に結像され、撮像素子106は撮像面に結像された光学像を電気信号に変換して出力する。撮像素子106からの電気信号は増幅器107で増幅された後にカメラ信号処理回路108に入力され、カメラ信号処理回路108は入力された電気信号を所定規格(例えばNTSC)の映像信号に変換して出力するとともに、映像信号の焦点状態を表す焦点信号(AF信号)を生成して後述する防振制御部115に出力する。
【0039】
レンズ群のズームレンズ102による変倍動作およびフォーカスレンズ105による焦点位置調整動作は、防振制御部115により制御される。具体的には、ズームレンズ102による変倍動作に対する制御では、押し圧により抵抗値が可変する回転操作タイプのズームユニットスイッチ118が用いられ、ズームユニットスイッチ118からはその回転操作に応じて変倍率を指示する信号が防振制御部115に出力される。防振制御部115は、ズームユニットスイッチ118からの指示信号に基づき指示された変倍率が得られるようにモータ(Mo)119の駆動命令をモータドライバ120に出力する。この駆動命令を受けたモータドライバ120は、ズームレンズ102を指示された変倍率に応じた光軸方向への位置に移動するようにモータ119を駆動する。
【0040】
また、電子ズーム機能が搭載され、ズームレンズ102がテレ端位置に到達して光学的に最大の変倍が行われた状態からは、電子ズーム機能によりさらに画面拡大を行うことが可能である。この電子ズーム機能による画面拡大において、垂直方向への拡大に関してはCCD駆動回路116が拡大率に合せて間引き処理を行い(例えば拡大率が2倍ならインターレーズ走査で電荷転送を1ライン毎に行う)、カメラ信号処理回路108で、電荷の存在したラインのみをラインメモリ113に書き込むことにより行われる。水平方向への拡大は、ラインメモリ113に格納された画像データの読出し周期を拡大率に合せて間引くことにより行われる(例えば拡大率が2倍の場合、1倍の場合の2倍のクロック周期で読出し画素の更新が行われる)。ラインメモリ113への画像データの書込み、読出し動作はメモリ制御回路114により制御され、メモリ制御回路114は、防振制御部115により制御される。
【0041】
フォーカスレンズ105による焦点位置調整動作に対する制御では、防振制御部115がカメラ信号処理回路108からの焦点信号(AF信号)に基づき焦点状態を検出し、最適な焦点状態が得られるようにモータ(Mo)121の駆動命令をモータドライバ122に出力する。この駆動命令を受けたモータドライバ122は、フォーカスレンズ105を最適な焦点状態が得られる光軸方向への位置に移動するようにモータ121を駆動する。
【0042】
本撮像装置には、電子式手ぶれ補正システムが塔載されている。この手ぶれ補正システムでは、防振スイッチ117と、ピッチ角速度センサ109と、ヨウ角速度センサ110とが用いられている。防振スイッチ117は、この手ぶれ補正システムのオン、オフを指示するスイッチであり、オン動作が行われると、定電圧Vに接続されている抵抗117aにより生じる電圧がオン信号として防振制御部115に入力される。ピッチ角速度センサ109は、カメラ本体のピッチ方向の揺れ角速度を検出するセンサからなり、この出力は増幅器111で増幅された後に防振制御部115のA/Dコンバータに入力される。ヨウ角速度センサ110は、カメラ本体のヨウ方向の揺れ角速度を検出するセンサからなり、この出力は増幅器112で増幅された後に防振制御部115のA/Dコンバータに入力される。
【0043】
防振制御部115は、入力された各方向の角速度をそれぞれ積分して角変位に変換し、各方向への角変位すなわち各方向への揺れ角θと光学系(レンズ群)の焦点距離fとに応じて撮像素子106上の揺れによる画素移動分(f*tanθに相当する距離)を揺れによる移動方向とは逆の方向に動かすことにより揺れ補正を行う。
【0044】
この手ぶれ補正システムでは、揺れの大きさに応じて、撮像素子106の撮像画面上から抽出する画像領域を特定するための基準位置を変えることによって、揺れ補正が行われる。具体的には、図2(a)に示すように、撮像素子106上の全撮像画面領域201に対して領域202が抽出されるとすると、この領域202が図2(b)に示すように全画面204として表示されまた記録処理される。この抽出される画面領域202の位置は、揺れに大きさに応じて変更され、その位置変更は、画面領域202の基準位置を成す点203の位置座標(V0,H0)を変更することにより行われる。この点203の位置変更範囲は、全撮像画面201と画面領域202との水平/垂直画素数差(以下、余剰画素という)で決定される。すなわち、点203は、手ぶれがない場合には予め設定された原点位置に保持され、この原点位置を基準にして点203の位置を手ぶれの大きさとその方向とに応じて変更することにより補正が行われることになる。
【0045】
この画面領域202の抽出する方法としては、フィールドメモリを用いて全撮像画面202の画像を一旦記憶し、領域202の画像のみを読み出しながら全撮像画面201の大きさになるように拡大処理を行うことにより、全画面204を得る方法と、領域202が予め所定規格の映像信号に必要な走査線数を満足するような高密度、高画素タイプのCCDを撮像素子として用いる方法とがある。
【0046】
しかし、いずれの方法も高価なフィールドメモリやCCDを必要とするから、本実施の形態では、汎用のPAL用CCDを、NTSC規格のカメラに用いる構成とする。PAL用CCDは垂直方向の画素密度が高いから、垂直走査方向に関しては、タイミングジェネレータなどのCCD駆動回路116で、NTSC規格に対して余分になるライン数の範囲内で高速掃出しべきライン数を角変位に応じて変化させれば、垂直の切出し画像の位置を変化させることが可能になる。また、水平方向に関しては、ラインメモリ113とメモリ制御回路114とにより縦横比分だけ拡大処理を行いながらラインメモリ113への書込み開始画素位置と読出し開始画素位置との関係を変化させれば、水平方向の画面位置変更が可能になる。すなわち、本実施の形態では、垂直走査方向の画素移動は、防振制御部115によりCCD駆動回路116を制御して高速掃出し制御を行うことにより、所望の走査領域の抽出を行い、水平走査方向の画素移動は、ラインメモリ113とメモリ制御回路114とにより記憶された水平走査画素の読出し位置を揺れ補正画素移動量に応じて可変しながらかつその縦横比に見合うだけの拡大処理を行い、その信号をカメラ信号処理回路108に入力して色処理などの所定処理を施すことにより所定規格(NTSC)の映像信号に変換する。このような構成により、安価な電子式手ぶれ補正システムが提供されることになる。
【0047】
次に、本実施の形態における防振制御部115による電子式手ぶれ補正システムに関する処理手順について図3ないし図6を参照しながら具体的に説明する。図3は図1の撮像装置の電子式手ぶれ補正システムにおける揺れ角算出処理を示すフローチャート、図4は図1の撮像装置の電子式手ぶれ補正システムにおける補正量算出および制限量算出の処理手順を示すフローチャート、図5は図1の撮像装置の電子式手ぶれ補正システムにおける補正量に対する制限量を成すカットオフ周波数の特性を示す図、図6は図5のカットオフ周波数の特性を変更するための特性変更係数と電子ズームの拡大率との関係を示す図である。
【0048】
まず、揺れ角算出処理について図3を参照しながら説明する。この処理は定周期割込み処理であり、本実施の形態では、フィールド周波数の10倍すなわちNTSC規格においては600Hzの周波数周期で実行される。この周波数は、角速度信号のサンプリング周波数、角変位の算出周波数に相当する。この処理に対する割込みの起動要因を、例えば発振クロックを分周してアップまたはダウンカウント動作しているカウンタが1msecに相当するカウント値を計数する毎に発生するように構成することができる。また、各角速度センサ109,110の出力は防振制御部115のA/Dコンバータに取り込まれるが、本例では、簡単のため、A/Dコンバータの動作モードがスキャンモードで、常時A/D動作を繰り返しているものとする。
【0049】
割込みの起動要因の発生により揺れ角算出処理が開始されると、図3に示すように、まず、ステップS301において、防振制御部115のA/Dコンバータに取り込まれた各角速度センサ109,110の出力をそれぞれA/Dサンプリングして角速度信号に変換し、この角速度信号に対しカットオフ周波数が固定されているハイパスフィルタ処理を施す。このフィルタ処理により角速度信号からDC成分が除去され、AC成分の角速度信号が得られる。
【0050】
続くステップS302では、角速度信号に対して帯域制限処理を施す。この帯域制限処理では、カットオフ周波数を可変設定することが可能であり、このカットオフ周波数を低域から高域まで変化させることにより所望の帯域制限を行うことが可能である。この設定されるカットオフ周波数は、後述の図4に示すフローで決定される周波数であり、パンニングなどのカメラワークが行われている最中には、手ぶれ補正能力を低下させるために、カットオフ周波数を上げるように制御が行われ、通常撮影時には、手ぶれ補正能力(手ぶれ除去能力)を高めるために、カットオフ周波数を下げるように制御が行われる。また、補正可能範囲の限界よりも大きな揺れを補正しようとして、補正端に衝突したときに生じる画面に不自然さを防止するためにも、この帯域制限処理が実行される。
【0051】
そして、ステップS303に進み、帯域制限された角速度信号に対して積分処理を施し、角変位を算出する。この算出された角変位がカメラ本体に加わる揺れ角θに相当する。
【0052】
次いで、ステップS304に進み、1フィールド間の揺れ角θの算出回数を表す回数パラメータmを1インクリメントし、続くステップS305で、回数パラメータmが10に等しいか否かを判定し、回数パラメータmが10に等しくないときには、1フィールド間の揺れ角θの算出回数が10回に達していないと判断して本処理を抜ける。これに対し、回数パラメータmが10に等しいときには、1フィールド間の揺れ角θの算出回数が10回に達したと判断してステップS306に進み、回数パラメータmを零に初期化して本処理を抜ける。
【0053】
なお、上記ステップS301,S302,S303の一連の処理において、垂直方向の揺れ角の算出に関しては、ピッチ角速度センサ109の出力に基づき行われ、水平方向の揺れ角の算出に関しては、ヨウ角速度センサ110の出力に基づき行われる。
【0054】
揺れ角算出処理が所定回数すなわち10回実行されると、算出された揺れ角θに応じた補正量、および制限量の算出をするための処理が実行される。この処理は、揺れ角算出処理が10回実行されて次のフィールドにおいて開始されるまでの間、すなわち現フィールドにおいて、揺れ角算出処理の終了後に実行されることになる。
【0055】
本処理では、まずステップS401で上記回数パラメータmが零になるまで待機し、回数パラメータmが零になると、揺れ角算出処理が10回実行されて終了したと判断してステップS402に進み、上記ステップS303で算出された各方向の揺れ角θと光学系の焦点距離fとから、補正量の算出を行う。ここで、補正量はf*tanθで表される。
【0056】
次いで、ステップS403に進み、切出し位置を示す目標位置座標(V0,H0)を算出する。この目標位置座標(V0,H0)は次の(3)、(4)式で求められるとともに、ぶれ補正により移動すべき画素数が得られる。
【0057】
V0=垂直の原点位置±ピッチ方向の揺れ角を補正する移動画素数
=垂直の原点位置±(−1)*ピッチ補正量/垂直画素サイズ…(3)
H0=水平の原点位置±ヨウ方向の揺れ角を補正する移動画素数
=水平の原点位置±(−1)*ヨウ補正量/水平画素サイズ…(4)
続くステップS404では、上記ステップS402で算出された補正量を最大補正範囲で規格化する処理を行う。この処理では、次の(5)、(6)式に基づき規格化補正量を算出する。
【0058】
ピッチ規格化補正量=(ピッチ補正量/垂直画素サイズ/垂直余剰画素数
/2)*100(%) …(5)
ヨウ規格化補正量=(ヨウ補正量/水平画素サイズ/水平余剰画素数
/2)*100(%) …(6)
ここで、撮像素子106に582V*752HのCCDを用い、NTSC規格の垂直485ラインを切出すとすると、縦横比から水平方向の抽出画素は627Hとなる。従って、上記余剰画素数は97V*125Hとなり、手ぶれの方向に応じて補正方向が正負をとるので、余剰画素数の1/2で規格化が行われる。
【0059】
次いで、ステップS405に進み、算出された規格化補正量に基づき手ぶれ補正能力に制限を加えるための制限量を算出する。ここで算出される制限量は、上記ステップS302の帯域制限処理により制御されるカットオフ周波数に相当する周波数である。この制限量すなわちカットオフ周波数は、図5に示すように、規格化補正量の2乗の関数として変化する特性を有する。ここで、図5の横軸は規格化補正量を示し、最大補正限界である余剰画素数の1/2すべてを使用して補正する場合を100%としている。縦軸は制限量のパラメータである帯域制限のカットオフ周波数を示している。このカットオフ周波数は規格化補正量の2乗の関数として変化する特性を有するから、従来例と同様に、揺れ角が大きくなって補正端に衝突することにより撮影画像が乱れる現象を防止するためにも、補正比率が最大補正限界に近いほど、急峻にカットオフ周波数を高くすることが可能である。
【0060】
本実施の形態では、電子ズームの倍率に応じて制限量の特性を変更するように設定されている。具体的には、電子ズームのオフすなわち電子ズームの倍率が1倍であるときには、図5に示すカットオフ周波数を表す特性曲線501を選択する。これに対し、電子ズームの倍率が2倍であるときには、図5に示すカットオフ周波数の特性曲線502を選択する。この特性曲線502は、{2*(規格化補正量)}の2乗の関数で表わされ、規格化補正量で50%でカットオフ周波数が最大になる特性を有する。このように、電子ズームの拡大率が1倍から順次大きくなるに従い、小さい規格化補正量でカットオフ周波数が高くなる特性を示す複数の特性曲線を電子ズームの拡大率に対応付けて準備し、電子ズームの拡大率に応じて対応する特性曲線を選択することにより、電子ズームの倍率に応じた制限量特性が変更されることになる。なお、本実施の形態では、複数の特性曲線を予めメモリに記憶して準備することに代えて、各特性曲線を定義可能な式を準備し、この式を用いてカットオフ周波数の特性を電子ズームの倍率に応じて変更するように設定されている。この各特性曲線を定義するための式は次の(7)式で表される。
【0061】
変更特性量=特性変更係数*電子ズームOFF時の所定特性 …(7)
ただし、所定特性は(規格化補正量)n(n=1,2,3,…)の関数で表されるものとする。また、特性変更係数は、図6に示すように、電子ズームの拡大率に比例して線形的に変化する特性を有する係数である。この図6の例では、特性変更係数が電子ズームの拡大率に対して1:1の比の割合で比例するが、これに限定されるものではなく、実際には、所定倍の拡大画像の大きさ(光学ズームの倍率によって変わる)とパンニング時の画面移動速度とからより自然なカメラワークが可能なように特性変更係数を表す直線の傾きを決定することが望ましい。
【0062】
このように、カットオフ周波数(制限量)が算出されると、このカットオフ周波数は次回の帯域制限処理時(上記ステップS302)に設定されることになる。ここで、算出されたカットオフ周波数が大きいときには、カットオフ周波数以下の手ぶれ周波数の揺れに対し、手ぶれ補正による効果が減少することになる。
【0063】
次いで、ステップS406に進み、上記ステップS403で算出された目標位置座標(V0,H0)を切出し位置として指示する命令をCCD駆動回路116およびメモリ制御回路114に出力し、そして次のフィールドに備えるために、再度上記ステップS401に戻り、回数パラメータmを監視する。
【0064】
以上より、本実施の形態では、補正量に対する制限量すなわちカットオフ周波数を所定の特性に従いに変化するように設定し、かつその特性を電子ズーム機能の拡大率に応じて変更するから、補正量に対し制限をかける切替が、閾値比較による切替のようにオンオフ的に変化する不連続な切替にはならず、連続的に変化するような切替となる。また、電子ズームによる画面拡大時の、最適なパンニング速度(焦点距離をテレ端に設定した場合よりゆっくりしたカメラ操作)に対しても、最適な制限がかけられる。よって、円滑なパンニング動作、自然なカメラワークを行うことができ、あらゆるカメラワークで自然な撮影を行うことが可能になる。
【0065】
なお、本実施の形態では、PAL用CCD106とラインメモリと113とを用いた構成を示したが、フィールドメモリを用いて抽出画像の位置を制御することにより補正することも可能であることはいうまでもない。また、拡大制御を行わずに済む大型または超高画素タイプのCCD、または光学式の補正手段を用いて補正を行うように構成することも可能である。
【0066】
また、本実施の形態では、揺れ検出手段として角速度センサを用いているが、これに代えて加速度センサを用いて揺れを検出するように構成することもできる。この場合、防振制御部115または外部で余分に1回分の積分処理が必要である。
【0067】
さらに、本実施の形態では、角速度センサの出力を用いて揺れ角を算出するための積分処理をソフトウェアにより実行しているが、積分器などのハードウェアを用いて構成することも可能である。
【0068】
さらに、本実施の形態では、補正量に対する制限をカットオフ周波数の変更により行っているが、補正ゲインの変更によって制限を行うことも可能である。
【0069】
さらに、本実施の形態では、電子ズームによる画像拡大が光学ズームがテレ端に到達した後に開始されるととして説明したが、光学ズーム倍率がいずれの倍率であっても電子的な画面拡大が行われると、同様に補正量に対する制限をかけるように動作するように設定することも可能である。特に、瞬時に所定倍率の電子ズームを作動させるいわゆるテレコンやインスタントズーム機能を有する場合には、有効に作用する。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の撮像装置によれば、円滑なパンニング動作、自然なカメラワークを行うことができ、あらゆるカメラワークで自然な撮影を行うことができる。
【0071】
また、特性変更手段で、電子拡大手段に設定された拡大率に応じて補正量の正の整数乗を変数とする関数で表される電子拡大手段オフ時の特性を線形的に変化させるから、電子拡大手段により滑らかに画面が拡大される場合であっても、円滑に特性を変更することができ、閾値を設定して制限量を切り替える制御において発生する閾値前後の境界切替の画面の乱れ、同一制限量で制御される領域内での画角差によるパンニング動作の円滑性の違いをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の撮像装置の実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の撮像装置の撮像素子からの画像抽出状態を示す図である。
【図3】図1の撮像装置の電子式手ぶれ補正システムにおける揺れ角算出処理を示すフローチャートである。
【図4】図1の撮像装置の電子式手ぶれ補正システムにおける補正量算出および制限量算出の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の撮像装置の電子式手ぶれ補正システムにおける補正量に対する制限量を成すカットオフ周波数の特性を示す図である。
【図6】図5のカットオフ周波数の特性を変更するための特性変更係数と電子ズームの拡大率との関係を示す図である。
【図7】従来の撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の撮像装置における防振制御システムの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図7の撮像装置の防振制御システムにおける補正量に対する制限量を成すカットオフ周波数の特性を示す図である。
【図10】図7の撮像装置のシフトレンズ704の最大シフト移動量と最大補正値との関係を表す図である。
【符号の説明】
102 ズームレンズ
105 フォーカスレンズ
106 撮像素子
108 カメラ信号処理回路
109 ピッチ角速度センサ
110 ヨウ角速度センサ
115 防振制御部
117 防振スイッチ
Claims (2)
- 光学像を電気信号に変換して画像信号を生成する撮像手段と、
前記撮像手段で生成された前記画像信号から該画像信号が示す画像の一部を設定された拡大率に電子的に拡大する電子拡大手段と、
前記撮像手段の揺動の大きさを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された揺動の大きさに応じて前記画像信号の生成に関する補正動作を行う補正手段と、
前記補正手段の前記補正動作に用いられる補正量を算出する補正量算出手段と、
前記算出された補正量に応じて前記補正手段の前記補正動作に制限をかける制限手段と、
前記補正量の変化に応じて、前記制限手段による前記補正動作の制限に関する制限量を前記補正量の正の整数乗を変数とする関数で表される特性となるように、前記電子拡大手段オフ時の特性を決定する制限量決定手段と、
前記電子拡大手段に設定された前記拡大率に応じて前記特性を線形的に変更する特性変更手段とを設けたことを特徴とする撮像装置。 - 光学像を電気信号に変換して画像信号を生成する撮像手段と、
前記撮像手段で生成された前記画像信号から該画像信号が示す画像の一部を設定された拡大率に電子的に拡大する電子拡大手段と、
前記撮像手段の揺動の大きさを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された揺動の大きさに応じて前記画像信号の生成に関する補正動作を行う補正手段と、
前記補正手段の前記補正動作に用いられる補正量を、前記撮像手段の焦点距離と前記補正手段の最大補正範囲とで規格化しながら決定する補正量決定手段と、
前記決定された補正量に応じて前記補正動作に制限をかける制限手段と、
前記決定された補正量に応じて、前記制限手段による前記補正動作の制限に関する制限量を前記補正量の正の整数乗を変数とする関数で表される特性となるように、前記電子拡大手段オフ時の特性を決定する制限量決定手段と、
前記電子拡大手段に設定された前記拡大率に応じて前記特性を線形的に変更する特性変更手段とを設けたことを特徴とする撮像装置。
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