JP4221810B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低弾性、耐熱性の樹脂成形品を与える樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術分野】
現在、半導体分野ではエポキシ樹脂などの有機材料が多く使われている。封止材の分野では、封止システムの90%以上が樹脂封止システムに置き換わっている。封止材はエポキシ樹脂、硬化剤、各種添加剤、無機充填剤などによって構成される複合材料であり、エポキシ樹脂としてはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が多く使用されている。しかし、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は低吸水率、低弾性率といった特性において満足する要求特性を有していないため、表面実装方式への対応が困難である。そのため、これに代わる新規高性能エポキシ樹脂が多く提案され実用化に至っている。
また、ダイボンディング用導電性接着剤として、エポキシ樹脂に銀粉を混練した、銀ペーストで多く使用されている。しかし、半導体素子の配線基板への装着方法が表面実装法に移行するに従い、銀ペーストに対する耐はんだリフロー性向上の要求が強まっている。この問題を解決するために、硬化後のダイボンディング用接着層のボイド、ピール強度、吸水率、弾性率等の改善がなされている。
半導体実装分野では、低コスト化・高精細化に対応した新しい実装形態としてICチップを直接プリント基板やフレキシブル配線板に搭載するフリップチップ実装が注目されている。フリップチップ実装方式としては、チップの端子にはんだバンプを設け、はんだ接続を行う方式や導電性接着剤を介して電気的接続を行う方式が知られている。これらの方式では、接続するチップと基板の熱膨張係数差に基づくストレスが、各種環境に曝した場合、接続界面で発生し接続信頼性が低下するという問題がある。このため、接続界面のストレスを緩和する目的で一般にエポキシ樹脂系のアンダフィル材をチップ/基板の間隙に注入する方式が検討されている。しかし、このアンダフィル注入工程は、プロセスを煩雑化し、生産性、コストの面で不利になるという問題がある。このような問題を解決すべく最近では、異方導電性と封止機能を有する異方導電性接着剤を用いたフリップチップ実装が、プロセス簡易性という観点から注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
チップを異方導電性接着剤を介して基板に搭載する場合、吸湿条件下では接着剤とチップまたは接着剤と基板界面の接着力が低下し、さらに、温度サイクル条件下ではチップと基板の熱膨張係数差に基づくストレスが接続部において生じることによって、熱衝撃試験、PCT試験、高温高湿試験等の信頼性試験を行うと接続抵抗の増大や接着剤の剥離が生じるという問題がある。また、半導体パッケージでは高温高湿試験で吸湿させた後に耐はんだリフロー温度試験を行うため、接着剤中に吸湿された水分が急激に膨張することによって接続抵抗の増大や接着剤の剥離が生じるという問題がある。一般に、エポキシ樹脂の内部応力を緩和し強靱化を図る目的で、液状ゴムや架橋ゴム及びコアシェル型のゴム粒子を分散させる技術が知られている。しかしながら、エポキシ樹脂中にゴムを分散させた硬化物はエポキシ樹脂単体の硬化物に対して軟化点温度(又はガラス転移温度、以下Tgと記す)が低下することが知られており、高耐熱性が要求される分野では信頼性を低下させる原因となる。一方、ゴム分散系でTgを向上させるべくエポキシ樹脂の架橋密度を増加させることは、ゴム分散の効果を低下させ、硬化物の脆さを増加させると共に、吸水率を増加させ、信頼性を低下させる原因となる。また、Tgを低下させずにエポキシ樹脂を強靱化させる方法として、エンジニアリングプラスチックとして知られる高耐熱性の熱可塑性樹脂との配合が知られているが、一般に、これらのエンジニアリングプラスチックは溶剤に対する溶解性に乏しい為、エポキシ樹脂との配合は粉体の練り込みによるものであり、エンジニアリングプラスチックの微細な粉体を形成することが困難であること、また、その均一分散が困難であり場所により物性が異なり均一性に乏しくなるなどの接着剤用途への展開は不適当である。
本発明は、低弾性、耐熱性の樹脂成形品、特に接着剤として好適な樹脂組成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)と三次元架橋性樹脂(B)を含む樹脂組成物である。
【0005】
【化2】
(ここでR1は水素原子または炭素数1〜2のアルキル基であり、R2は炭素数4〜13の直鎖状または分岐したアルキル基であり、n、mは5〜250の整数である。)
【0006】
また、本発明は、一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)のガラス転移温度が80〜150℃であり、芳香族炭化水素系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤と他の有機溶剤との混合溶剤に溶解することが好ましい樹脂組成物であり、三次元架橋性樹脂(B)が少なくともエポキシ樹脂であり潜在性硬化剤を含有することが好ましい樹脂組成物である。さらに、本発明は、三次元架橋性樹脂(B)が少なくともラジカル重合物質であり、光照射または加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤を含むと好ましい樹脂組成物である。そして、本発明は、一般式(1)で示される構造からなる樹脂(A)と三次元架橋性樹脂(B)を芳香族炭化水素系溶剤に溶解して溶液状態で均一混合し、混合後に溶剤を除去して得られるフィルム状接着剤用の樹脂組成物であることが好ましい。また、本発明は、一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)と三次元架橋性樹脂(B)が回路接続用部材に用いられると好ましい。さらに、本発明は、前記樹脂組成物に0.1〜20体積%の導電粒子が分散されていると好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる一般式(I)で示される構造から成る樹脂(A)は、ガラス転移温度が80℃〜150℃で、かつ芳香族炭化水素系溶剤または、芳香族炭化水素系溶剤と他の有機溶剤との混合溶媒に溶解できると好ましく、熱可塑性樹脂の特性を示す。
前記一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)は、ビスフェノール化合物とビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホンとそれらのジグリシジルエーテル化物から合成される。
【0008】
一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)を合成するためのビスフェノール化合物としては、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−3−メチルブタン(R1は水素原子、R2は炭素数4の分岐したアルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−4−メチルペンタン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数4の分岐したアルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−3−エチルヘキサン(R1は水素原子、R2は炭素数7の分岐したアルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ヘプタン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数5の直鎖状アルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ヘプタン(R1は水素原子、R2は炭素数6の直鎖状アルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)オクタン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数6の直鎖状アルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)オクタン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数7の直鎖状アルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ノナン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数7の直鎖状アルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ノナン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数8の直鎖状アルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)デカン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数8の直鎖状アルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)デカン(R1は水素原子、R2は炭素数9の直鎖状アルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ウンデカン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数9の直鎖状アルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ウンデカン(R1は水素原子、R2は炭素数10の直鎖状アルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ドデカン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数10の直鎖状アルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ドデカン(R1は水素原子、R2は炭素数11の直鎖状アルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)トリデカン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数11の直鎖状アルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)トリデカン(R1は水素原子、R2は炭素数12の直鎖状アルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)テトラデカン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数12の直鎖状アルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)テトラデカン(R1は水素原子、R2は炭素数13の直鎖状アルキル基)、2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ペンタデカン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数13の直鎖状アルキル基)が挙げられ、これらは2種以上が混合されていてもよい。好ましくは2,2−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)オクタン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数6の直鎖状アルキル基)、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)デカン(R1は炭素数1のアルキル基、R2は炭素数9の直鎖状アルキル基)が使用される。
【0009】
ジグリシジルエーテル化物は上記のビスフェノール化合物およびビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホンをジグリシジルエーテル化したものが使用される。一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)は、溶液重合法の通常の方法で合成することができる。例えば、溶液重合法の場合、ビスフェノール化合物とビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホンとそれらのジグリシジルエーテル化物を反応生成物であるポリヒドロキシエーテル系樹脂が溶解する溶剤、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等に溶かし、これに、水酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基を加え、110〜120℃で、2〜8時間反応させて、反応生成物である一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)を合成する。本発明で用いる一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)は、テトラヒドロフランを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した際の分子量が、ポリスチレン換算で1万以上、10万以下が好ましい。1万未満では樹脂組成物が脆くなるおそれがあり、10万以上では樹脂組成物の流動性が低下し、電子部材の接続端子と回路基板の接続端子の接続を行った際、電子部品と回路基板間の接着剤による充填が困難になる。
【0010】
芳香族炭化水素系溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンが挙げられる。芳香族炭化水素系溶剤と混合して使われる他の有機溶剤としては、分子中に酸素原子を含む溶剤が好ましく、この様な酸素原子含有有機溶剤としては、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルスルホキシドなどの溶剤、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤が挙げられる。前記した中でもケトン系溶剤以外が特に好ましい。
【0011】
本発明に使用する三次元架橋性樹脂(B)は、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、イミド系樹脂、ラジカル重合物質であるアクリレート・メタクリレート・マレイミド化合物等が挙げられ、硬化剤とともに用いられる。
エポキシ樹脂の場合、硬化剤として公知のイミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド等の硬化剤またはその混合物が用いられ、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA,F,S,AD等から誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラックから誘導されるエポキシノボラック型樹脂、ナフタレン骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル・脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物、その他公知のエポキシ樹脂が単独あるいは混合して用いられ、これらのエポキシ樹脂には不純物イオンである、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン、特に塩素イオンや加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることがエレクトロマイグレーション防止や回路金属導体の腐食防止のために好ましい。
【0012】
シアネートエステル樹脂としては、ビス(4−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、α,α’−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、フェノール付加ジシクロペンタジエン重合体のシアネートエステル化物等が挙げられ、そのプレポリマーなどが単独若しくは混合して用いられる。その中でも、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン及び2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)等が硬化物の誘電特性が特に良好であるため好ましい。シアネートエステル樹脂の硬化剤として金属系反応触媒類が用いられ、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の金属触媒類が用いられ、具体的には、2−エチルヘキサン酸塩やナフテン酸塩等の有機金属塩化合物及びアセチルアセトン錯体などの有機金属錯体として用いられる。
【0013】
金属系反応触媒の配合量は、シアネートエステル類化合物に対して1〜3000ppmとすることが好ましく、1〜1000ppmとすることがより好ましく、2〜300ppmとすることがさらに好ましい。金属系反応触媒の配合量が1ppm未満では反応性及び硬化性が不十分となる傾向があり、3000ppmを超えると反応の制御が難しくなったり、硬化が速くなりすぎる傾向があるが制限するものではない。
【0014】
本発明で用いる三次元架橋性樹脂のアクリレート・メタクリレート・マレイミド化合物等のラジカル重合物質は、ラジカルにより重合する官能基を有する物質である。ラジカル重合物質はモノマー、オリゴマーいずれの状態でも用いることが可能であり、モノマーとオリゴマーを併用することも可能である。
アクリレート(メタクリレート)の具体例てしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシメトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ジシクロペンテニルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリス(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート等が例示される。これらは単独または併用して用いることができ、必要によっては、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類などの重合禁止剤を適宜用いてもよい。また、ジシクロペンテニル基および/またはトリシクロデカニル基および/またはトリアジン環を有する場合は、耐熱性が向上するので好ましい。
【0015】
マレイミド化合物としては、分子中にマレイミド基を少なくとも2個以上含有するもので、例えば、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−トルイレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3’−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−4,8−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどを挙げることができる。これらは単独でもまた組み合わせても使用できる。
【0016】
アクリレート・メタクリレート・マレイミド化合物等のラジカル重合性物質の硬化剤として、熱または光によって遊離ラジカルを発生する硬化剤の混合物が使用される。具体的には、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドから選定され、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定されることがより好ましい。上記硬化剤は、適宜混合して用いることができる。
【0017】
パーオキシエステルとしては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が使用できる。
ジアルキルパーオキサイドとしては、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が使用できる。
【0018】
ハイドロパーオキサイドとしては、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が使用できる
ジアシルパーオキサイドとしては、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が使用できる。
パーオキシジカーボネートとしては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネト、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が使用できる。
【0019】
パーオキシケタールとしては、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が使用できる。
シリルパーオキサイドとしてはt−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が使用できる。
【0020】
これらの遊離ラジカルを発生する硬化剤は単独または混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いてもよい。
また、前記した硬化剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
【0021】
本発明の樹脂組成物は一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)と三次元架橋性樹脂(B)の配合比が重量部で(A):(B)=1:99〜99:1で使用することができ、好ましくは10:90〜90:10である。本発明の樹脂組成物は(A)および(B)を芳香族炭化水素系溶剤に溶解させて溶液状態で均一混合することができ、混合後溶剤を乾燥除去してフィルム状の樹脂組成物を得ることができる。
本発明の樹脂組成物には硬化物の弾性率を低減する目的でアクリルゴム等のゴム成分を配合することもできる。
また、本発明の樹脂組成物にはフィルム形成性をより容易にするために、フェノキシ樹脂等の熱可塑性樹脂を配合することもできる。特に、フェノキシ樹脂は、エポキシ系樹脂と構造が類似しているため、エポキシ樹脂との相溶性、接着性に優れる等の特徴を有するので好ましい。
【0022】
本発明の樹脂組成物を樹脂成形品、例えば、フィルム状に形成するには、一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)と三次元架橋性樹脂(B)とその硬化剤、その他の配合剤を含む樹脂組成物を有機溶剤に溶解あるいは分散させて、ワニス化して、剥離性基材上に塗布し、硬化剤の活性温度以下で溶剤を除去することにより行われる。この時用いる溶剤は、芳香族炭化水素系溶剤単独か芳香族炭化水素系溶剤と他の有機溶剤、特に酸素原子含有有機溶剤の混合溶剤が樹脂組成物の溶解性を向上させるため好ましい。
特に、三次元架橋性樹脂としてエポキシ樹脂と潜在性硬化剤、一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)含む樹脂組成物を有機溶剤に溶解あるいは分散により液状化して、剥離性基材上に塗布し、硬化剤の活性温度以下で溶剤を除去することにより行われる。
本発明の樹脂組成物は各成分を有機溶剤に溶解あるいは分散させ、任意の方法で撹拌、混合することによって容易に製造することもでき、さらに、剥離性基材上に塗布し、硬化剤の活性温度以下で溶剤を除去することによってフィルム形成を行うことができる。
【0023】
本発明の樹脂組成物は、チップのバンプや基板電極等の高さばらつきを吸収するために、異方導電性を積極的に付与する目的で導電粒子を分散することもできる。
本発明において使用する導電粒子は、例えばAu、Ni、Ag、Cuやはんだ等の金属の粒子またはこれらの金属表面に金やパラジウムなどの薄膜をめっきや蒸着によって形成した金属粒子であり、また、ポリスチレン等の高分子の球状の核材にNi、Cu、Au、はんだ等の導電層を設けた導電粒子を用いることができる。粒径は基板の電極の最小の間隔よりも小さいことが必要で、電極の高さばらつきがある場合、高さばらつきよりも大きいことが好ましく、かつ無機充填材の平均粒径より大きいことが好ましく、1〜10μmが好ましい。また、樹脂組成物に分散される導電粒子の量は、0.1〜20体積%であり、好ましくは0.2〜15体積%である。
【0024】
本発明の樹脂組成物は、前記したように、各成分を有機溶剤に溶解あるいは分散させ、任意の方法で撹拌、混合することによって容易に製造することができ、さらに、剥離性基材上に塗布し、硬化剤の活性温度以下で溶剤を除去することによってフィルム形成を行うことができる。その際に、上記の配合組成物以外にも、通常のエポキシ樹脂系組成物の調整で用いられる添加剤を加えて差し支えない。 樹脂組成物によりフィルム状の接着剤とした場合の膜厚は、特に制限するものではないが、回路部材間のギャップに比べ、厚いほうが好ましく、一般にはギャップに対して5μm以上厚い膜厚が望ましい。
【0025】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
(実施例1)
ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン32g、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホンジグリシジルエーテル化物52g、1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ウンデカン41.7gと1,1−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)ウンデカンジグリシジルエーテル化物56gをN−メチル−2−ピロリドン1000mlに溶解し、これに炭酸カリウム51gを加え、110℃で攪拌した。3時間攪拌後、多量のメタノールに滴下し、生成した沈殿物をろ取して目的物質である一般式(1)で示される構造からなる樹脂(A)を82g得た。GPCで測定した結果、ポリスチレン換算でMn=10301、Mw=17089、Mw/Mn=1.66であった。
生成した一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)をトルエンに溶解させ、シャーレに塗布し、溶剤を揮散させることによってキャストフィルムを作製した。キャストフィルムを2cm角に切断し、減圧下に100℃で乾燥させた後、重量を測定し、さらに、純水に24時間浸漬後、重量を測定して重量増加を算出することによって、ポリヒドロキシエーテル系樹脂の吸水率を測定した。吸水率測定の結果、生成したポリヒドロキシエーテル系樹脂の吸水率は1.5重量%であった。また、キャストフィルムを動的粘弾性測定装置を用いて弾性率を測定し(昇温速度5℃/分、10Hz)、tanδのピーク値によってTgを測定した結果、130℃にピークが観測された。
【0026】
生成した一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)10gをトルエン:酢酸エチル=1:1(重量比)の混合溶媒30gに溶解し、25重量%溶液を得た。次いで、市販のマイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(ビスフェノールF型エポキシ樹脂:エポキシ当量185、イミダゾール系硬化剤をビスフェノールF型エポキシ樹脂でカプセル化)18.5gをこの溶液に加え、撹拌し、さらにポリスチレン系核体(直径:5μm)の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に厚み0.04μmのAu層を形成した導電粒子を3容量%分散してフィルム塗工用ワニス溶液を得た。この溶液を剥離性基材としてセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み40μm)にロールコータで塗布し、100℃、10分乾燥し厚み40μmの樹脂組成物からなる接着フィルムを作製した。接着フィルムを150℃で3時間硬化させ、硬化フィルムを動的粘弾性測定装置を用いて弾性率を測定し(昇温速度5℃/分、10Hz)、tanδのピーク値によってTgを測定した結果、170℃であった。また、40℃での貯蔵弾性率は、1.7GPaであった。
作製した接着フィルムを用いて、金バンプ(面積:80×80μm、スペース30μm、高さ:15μm、バンプ数288)付きチップ(10×10mm、厚み:0.5mm)とNi/AuめっきCu回路プリント基板(電極高さ:20μm、厚み:0.8mm)の接続を以下に示すように行った。セパレータ付接着フィルムを12mm×12mmに形成し、Ni/AuめっきCu回路プリント基板にセパレータ反対面の接着フィルムを重ね、60℃、0.5MPaで仮接続工程を行った。仮接続工程後、セパレータを剥離した。チップのバンプとNi/AuめっきCu回路プリント基板の位置合わせを行った後、180℃、100g/バンプ、20秒の条件でチップ上方から加熱、加圧を行い、本接続を行って回路板を得た。
【0027】
本接続後の回路板の接続抵抗は、1バンプあたり最高で5mΩ、平均で1.6mΩ、絶縁抵抗は108Ω以上であった。
この回路板を同様にして多数個作製し、−55〜125℃の熱衝撃試験試験を1000サイクル行い処理した。またPCT試験(121℃、2気圧)を200時間、260℃のはんだバス浸漬を10秒間行い前記と同様接続抵抗を測定した結果、1バンプあたり最高で5mΩ、平均で1.6mΩ、絶縁抵抗は108Ω以上の値に変化がなく良好な接続信頼性を示した。
【0028】
(実施例2)
実施例1で得られたセパレータ付接着フィルムを室温で1カ月保存した後、実施例1と同様にしてチップと基板を接続し回路板を得た。接続後の回路板の接続抵抗は、1バンプあたり最高で7mΩ、平均で1.7mΩ、絶縁抵抗は108Ω以上であった。
この回路板を同様にして多数個作製し、実施例1と同様に、−55〜125℃の熱衝撃試験試験を1000サイクル行い処理した。またPCT試験(121℃、2気圧)を200時間、260℃のはんだバス浸漬を10秒間行い前記と同様接続抵抗を測定した結果、1バンプあたり最高で7mΩ、平均で1.7mΩ、絶縁抵抗は108Ω以上の値に変化がなく良好な接続信頼性を示した。
【0029】
(実施例3)
実施例1で合成した一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)10g、次いで、ラジカル重合物質としてビスフェノールAジグリシジルエーテルメタクリル酸付加物(エポキシエステル3000M,共栄社化学株式会社製商品名)10g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1gをトルエン:酢酸エチル=1:1の混合溶剤に25重量%となるよう溶解した。さらに実施例1と同じ導電粒子を3容量%分散してフィルム塗工用ワニス溶液を得た。この溶液を剥離性基材としてセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み40μm)にロールコータで塗布し、100℃、10分乾燥し厚み40μmの樹脂組成物からなる接着フィルムを作製した。接着フィルムを150℃で3時間硬化させ、硬化フィルムを動的粘弾性測定装置を用いて弾性率を測定し(昇温速度5℃/分、10Hz)、tanδのピーク値によってTgを測定した結果、120℃であった。
【0030】
(比較例1)
一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)の代わりにビスフェノールS型エポキシ樹脂(エポキシ当量308)10gをトルエン:酢酸エチル=1:1の混合溶媒30gに溶解し、25重量%溶液を得た。次いで、市販のマイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(ビスフェノールF型エポキシ樹脂:エポキシ当量185、イミダゾール系硬化剤をビスフェノールF型エポキシ樹脂でカプセル化)18.5gをこの溶液に加え、撹拌し、さらにポリスチレン系核体(直径:5μm)の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に厚み0.04μmのAu層を形成した導電粒子を3容量%分散してフィルム塗工用ワニス溶液を得ようとしたが、ビスフェノールS型エポキシ樹脂が溶解せずワニス溶液を得ることができなかった。
【0031】
(比較例2)
比較例1の溶剤をトルエン:酢酸エチル=1:1の混合溶媒からメチルエチルケトン:酢酸エチル=1:1重量比の混合溶媒にしたこと以外比較例1と同様な配合でフィルム塗工用ワニス溶液を得た。この溶液を実施例1と同様に、剥離性基材としてセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み40μm)にロールコータで塗布し、100℃、10分乾燥し厚み40μmの接着フィルムを作製した。接着フィルムを150℃で3時間硬化させ、硬化フィルムを動的粘弾性測定装置を用いて弾性率を測定し、tanδのピーク値によってTgを測定した結果、Tgは120℃であった。また、40℃での貯蔵弾性率は2.5GPaであった。
作製した接着フィルムを用いて、実施例1と同様に、金バンプ(面積:80×80μm、スペース30μm、高さ:15μm、バンプ数288)付きチップ(10×10mm、厚み:0.5mm)とNi/AuめっきCu回路プリント基板(電極高さ:20μm、厚み:0.8mm)の接続を以下に示すように行った。セパレータ付接着フィルムを12mm×12mmに形成し、Ni/AuめっきCu回路プリント基板にセパレータ反対面の接着フィルムを重ね、60℃、0.5MPaで仮接続工程を行った。仮接続工程後、セパレータを剥離した。チップのバンプとNi/AuめっきCu回路プリント基板の位置合わせを行った後、180℃、100g/バンプ、20秒の条件でチップ上方から加熱、加圧を行い、本接続を行って回路板を得た。
【0032】
接続後の回路板の接続抵抗は、1バンプあたり最高で6mΩ、平均で1.7mΩ、絶縁抵抗は108Ω以上であった。
この回路板を同様にして多数個作製し、−55〜125℃の熱衝撃試験試験を1000サイクル行い処理した。またPCT試験(121℃、2気圧)を200時間、260℃のはんだバス浸漬を10秒間行い前記と同様接続抵抗を測定した結果、いずれの場合でもチップと接着剤、接着剤とプリント基板間で剥離が生じ導通不良を生じた。
【0033】
(比較例3)
比較例2で得られたセパレータ付接着フィルムを室温で1ヶ月間保存した後、実施例1と同様にチップと基板を接続し回路板を得ようとしたが、接着剤を保存中に接着フィルムの硬化が進み、流動性が不足して一部導通不良を生じた。
【0034】
(比較例4)
実施例3で一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)の代わりにフェノキシ樹脂10gを用いたこと以外実施例3と同様に行い、フィルム塗工用ワニス溶液を得た。この溶液を剥離性基材としてセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み40μm)にロールコータで塗布し、100℃、10分乾燥し厚み40μmの樹脂組成物からなる接着フィルムを作製した。接着フィルムを150℃で3時間硬化させ、硬化フィルムを動的粘弾性測定装置を用いて弾性率を測定し(昇温速度5℃/分、10Hz)、tanδのピーク値によってTgを測定した結果、90℃であった。
【0035】
比較例1は、一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)の繰り返し単位と同じ構造単位を含むビスフェノールS型エポキシ樹脂を用いたものであるが、トルエン:酢酸エチル混合溶媒に溶解せずフィルム塗工用ワニス溶液を得ることができない。一方、比較例2に示したように、溶剤をメチルエチルケトン:酢酸エチルにすると溶解はするが、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のカプセルを溶解し硬化剤が溶出するので初期状態の接続特性は良好であるが、1カ月の保存では、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のカプセルがエポキシ樹脂の被膜であり、メチルエチルケトンに溶解したため保存安定性に劣る結果になったと思われる。これに対して、実施例1、2では、一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)を用いていることにより耐熱性が向上し、また、マイクロカプセル型潜在性硬化剤のカプセルを溶解する溶剤を使用することなくフィルム塗工用ワニス溶液を得ることができ、保存安定性に優れ、耐熱性、接続信頼性にも優れる。また、硬化物の弾性率が低いのでチップと回路基板の熱膨張差に起因する応力を緩和することができ、接続直後の接続抵抗が比較的低く、更に各種の処理後における接続信頼性に優れた樹脂組成物を提供することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)と三次元架橋性樹脂(B)を含む樹脂組成物であり、耐熱性で低弾性の樹脂成形品を与えることができ、電子材料分野における接着剤組成物に適応することで接続信頼性に優れた特性を付与することができる。
Claims (7)
- 一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)のガラス転移温度が80〜150℃であり、芳香族炭化水素系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤と他の有機溶剤との混合溶剤に溶解することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 三次元架橋性樹脂(B)が少なくともエポキシ樹脂であり潜在性硬化剤を含有する請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
- 三次元架橋性樹脂(B)が少なくともラジカル重合物質であるアクリレートまたはラジカル重合物質であるメタクリレートであり、光照射または加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤を含む請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
- 一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)と三次元架橋性樹脂(B)を芳香族炭化水素系溶剤に溶解して溶液状態で均一混合し、混合後に溶剤を除去して得られる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 一般式(I)で示される構造からなる樹脂(A)と3次元架橋性樹脂(B)が回路接続用部材に用いられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし請求項6のうちのいずれかに記載の樹脂組成物に0.1〜20体積%の導電粒子が分散されていることを特徴とする樹脂組成物。
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