JP4216535B2 - 車椅子の後退防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車椅子による登坂時において好適に使用し得る車椅子の後退防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車椅子に制動を掛け得るブレーキ装置としては、タイヤ輪の外周面にブレーキ片を押圧させてタイヤ輪の回転を不能とするパーキングブレーキ式のタッグルブレーキや、タイヤ輪の車軸に配設した回転ドラムに、操作レバーの把持操作を介してブレーキ片を押圧することにより、制動力が調整可能なシューブレーキ等のブレーキ装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車椅子で坂路を上る場合、坂路上においては車椅子の重量及び使用者の体重によって常に車椅子を後退させようとする力が車椅子に作用するが、従来のタッグルブレーキやシューブレーキを用いて車椅子に制動を掛けると、車椅子の後退を防止することはできても、同時に前進させることもできなくなるため、登坂時における使用には不向きであった。
【0004】
このような問題の解決を試みたものとして、本願発明者によって発明された介護用車椅子のブレーキ装置の構成が特開2001-8978号公報に開示されている。かかるブレーキ装置は、車椅子による登坂時に、タイヤ輪が後転するとブレーキシューがタイヤ輪に食い込んでその後転を制動し、タイヤ輪の前転時には制動力が生じないようにしたものであり、これによって、車椅子で坂路を上る際に、車椅子の後退を防止して、容易に坂路を上ることができるようになっている。
【0005】
しかしながら、上記のブレーキ装置は、優れた所要の作用効果を奏する反面、その構造が極めて複雑で、部品点数も多く、製造コストが高いため、この点における改良が望まれていた。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決したものであり、構造を簡単化して部品点数を減らし、低コストで製造し得る車椅子の後退防止装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車体の側部に取り付けた左右一対の支持フレームと、先端部にタイヤ輪との当接状態で該タイヤ輪の前転方向に傾斜する複数の鋸歯状突条を備え、基端部が前記支持フレームに夫々回動可能に軸支されて、前記鋸歯状突条がタイヤ輪の前転方向からタイヤ輪の外周面に斜めに当接する稼動位置と、タイヤ輪の前転方向側に回動してタイヤ輪から離れる待機位置とに変換される左右一対の制動アームと、前記制動アームの待機位置を保持する保持手段とを備えたことを特徴とする車椅子の後退防止装置である。
【0008】
かかる構成にあって、制動アームを保持手段によって待機位置に保持した状態では、タイヤ輪の前転及び後転が自由となるため、車椅子を前進させたり、後退させたりすることができる。一方、車椅子の登坂時に、保持手段による保持を解除して制動アームを稼動位置に変換すると、先端部の鋸歯状突条がタイヤ輪の前転方向からタイヤ輪の外周面に斜めに当接する状態となる。ここで、該鋸歯状突条がその当接状態でタイヤ輪の前転方向に傾斜していることにより、坂路上で車椅子を前進させると、タイヤ輪の外周面が鋸歯状突条との当接状態を維持したまま前転方向に摺動するため、支障なく坂路を上ることができる。また、坂路上において、介助者や使用者本人が車椅子を前進させる力を緩めたり、車椅子を止めたりした場合にあって、タイヤ輪が後転しようとすると、比較的緩い勾配の坂路上においては、制動アームの稼動位置でタイヤ輪の外周面と鋸歯状突条との間に生じる摩擦力によってタイヤ輪の後転が阻止され、車椅子の後退を防止することができる。また、比較的急勾配の坂路上においては、タイヤ輪の外周面と鋸歯状突条との間に生じる摩擦力によって、制動アームが稼動位置からタイヤ輪の後転方向に回動し、鋸歯状突起がタイヤ輪に食い込んでさらに強大な摩擦力が生じる。これにより、タイヤ輪の後転が阻止され、車椅子の後退を確実に防止することができる。
【0009】
前記保持手段としては、制動アームの基端部の外周に形成された円弧状担持面と、該円弧状担持面の前縁に、稼動位置への回動方向に臨ませて形成された係合縁と、該係合縁の前面に当接可能な係止部を備え、該係止部を係合縁に当接させる進出位置と、係合縁から離脱させる後退位置とに変換可能に設けられた操作レバーと、該操作レバーに付設されて前記係止部を進出位置に付勢する付勢手段とによって構成している。かかる構成にあっては、付勢手段によって進出位置に付勢された係止部に制動アームの係合縁を当接させることにより、該制動アームを待機位置に保持することができるとともに、操作レバーによる係止部の後退位置への変換操作を介して係止部を係合縁から離脱させることにより、制動アームの待機位置での保持を簡単に解除することができる。ここで、該保持手段を備えた後退防止装置をタイヤ輪の上部位置に配設して、制動アームを略水平状態で待機位置に保持させることにより、待機位置での保持が解除されると、制動アームの先端部側が自重により下方に回動して稼動位置に変換される。この時、係合縁から離脱した係止部は、制動アームの基端部の回動によって、該基端部の外周に形成された円弧状担持面上に乗り上げた状態となる。そして、手動操作を介して制動アームの先端部側を上方に引き上げて待機位置まで回動させると、それまで円弧状担持面上に乗り上げていた係止部が該円弧状担持面から外れ、付勢手段の付勢力によって進出位置に押し出されて係合縁に係合される。これにより、自動的に制動アームを待機位置に保持させることができる。
【0010】
また、鋸歯状突条が後転するタイヤ輪に食い込むことにより、稼動位置からタイヤ輪の後転方向に回動する制動アームの、その回動位置を規定してそれ以上の後方回動を阻止する回動阻止手段を具備させる構成が提案される。かかる構成にあっては、制動アームの最大回動位置が規定され、鋸歯状突条をタイヤ輪に確実に食い込ませて、タイヤ輪の後転を阻止することができる。
【0011】
また、上記回動阻止手段としては、後方回動した制動アームに後方から当接する、支持フレームに突成されたストッパー片としている。これにより、簡単な構造で制動アームの最大回動位置を確実に規定することができる。
【0012】
さらに、制動アームの先端部と、支持フレーム間に介装されて、制動アームの先端部をタイヤ輪方向に付勢する引張バネを備えているため、待機位置において制動アームの保持を解除した場合に、引張バネの付勢力によって制動アームを回動させて稼動位置に確実に変換することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる後退防止装置1の一実施例を、図1〜図8に基づいて説明する。
後退防止装置1が装着される車椅子2は、図1,図2に示すように、パイプ材を所定形状に組み付けてなる車体3の前部側にキャスターからなる比較的径小な前輪4,4が左右一対に配設され、また、車体3の後部側に径大な主輪としてのタイヤ輪5,5が左右一対に配設されている。尚、車椅子2は、車体3に組み込まれた図示しないリンク機構によって、車幅を狭めて折り畳み得るようになっている。
【0014】
車体3の左右側部には、左右のタイヤ輪5,5の上方に位置させて後退防止装置1を構成する左右一対の支持フレーム6,6が夫々取り付けられている。ここで、両支持フレーム6,6の裏面側には、図3に示すように、水平方向と垂直方向とに延在する二つの取付板部7a,7bが内側方に向けて突成されており、該取付板部7a,7bを車体3の後部パイプ3aと肘掛けパイプ3bに夫々螺子止めすることにより、両支持フレーム6,6を車体3に夫々固定するようにしている。尚、両支持フレーム6,6に配設される後述の各部品は左右対称形である以外は同一構成であり、以後、車体3の右側の支持フレーム6に配設された各部品の構成について説明し、左側の構成は同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0015】
支持フレーム6の表面側には、支軸8が外側方に向けて水平状に突設されており、該支軸8に制動アーム9の基端部が回動可能に軸支されている。支軸8は、図4,図5に示すように、支持フレーム6の裏面側から螺合したボルト10によって支持フレーム6に固定されており、該支軸8の外端側に形成した小径部11に、制動アーム9の基端部に形成した挿通孔12を遊嵌することによって、制動アーム9を回動可能としている。また、支軸8の外端部には、後述する操作レバー13を支持するブラケット14の基部14’に挿通したボルト15が螺着されており、該ボルト15によって、ブラケット14を支軸8の外端部に固定し、さらにブラケット14の基部14’によって、制動アーム9の抜け止め作用を得るようにしている。
【0016】
制動アーム9の先端部には、図6に示すように、タイヤ輪5との当接状態で該タイヤ輪5の前転方向Fに傾斜する複数の鋸歯状突条16が配設されている。この実施例では、該鋸歯状突条16は、金属,硬質合成樹脂,硬質ゴム等の硬質材を素材とする円筒体17の外周面に一体形成するようにしている。ここで、制動アーム9の先端部の表面側には、図4に示すように、裏面側から挿通したボルト18により螺着された保持軸19が外側方に向けて水平状に突設されており、該保持軸19に円筒体17を外嵌した状態で、頭部に操作ノブ20aを備えた螺子杆20を、円筒体17の外端側から外側壁21に挿通させて保持軸19に螺合することにより、その緊締作用を介して円筒体17を保持軸19に対して回動不能に保持させるようにしている。尚、螺子杆20にはナット22が螺合されており、該ナット22をスパナ等の工具によって回動させることによって、より強力な緊締作用が得られるようにしている。
【0017】
そして、制動アーム9は、前記支軸8を支点として回動され、前記鋸歯状突条16がタイヤ輪5の前転方向Fからタイヤ輪5に当接する稼動位置(図6参照)と、該稼動位置からタイヤ輪5の前転方向F側に回動してタイヤ輪5から離れる待機位置(図7参照)とに変換されるようになっている。ここで、前記操作ノブ20aは、制動アーム9の先端部を稼動位置から手動で待機位置へ回動させる時の把手として使用される。また、支持フレーム6には、図8に示すように、鋸歯状突条16が後転するタイヤ輪5に食い込むことにより、稼動位置からタイヤ輪5の後転方向に回動する制動アーム9に後方から当接するストッパー片23が突成されており、該ストッパー片23を、制動アーム9の回動位置を規定してそれ以上の後方回動を阻止する回動阻止手段としている。
【0018】
次に制動アーム9の待機位置を保持する保持手段24について説明する。
該保持手段24は、図6,図8等に示すように、制動アーム9の基端部の外周に形成された円弧状担持面25と、該円弧状担持面25の前縁に、稼動位置への回動方向に臨ませて形成された係合縁26と、該係合縁26の前面に当接可能な係止部27を備え、該係止部27を係合縁26に当接させる進出位置と、係合縁26から離脱させる後退位置とに変換可能に設けられた操作レバー13と、該操作レバー13に付設されて前記係止部27を進出位置に付勢する付勢手段29とによって構成されている。
【0019】
この実施例では、帯板片を略へ字形に曲成した操作レバー13の前端部に上方からビスを螺着して下方に突出させることにより、その突出部を前記係止部27としている。また、操作レバー13の前部寄り位置を、前記ブラケット14の水平縁部30に下端部を螺着して立設した長ビス31に遊嵌することによって、操作レバー13が屈曲部を支点として上下方向に揺動可能に設けられている。また、前記長ビス31には、付勢手段29としてのコイルバネが圧縮状態で嵌装されており、その弾発力を介して操作レバー13の前部側を下方に回動させて、水平縁部30に水平状に圧接させることにより、前記係止部27を係合縁26の前面に当接させる進出位置に付勢するようにしている。そして、このように該係止部27を係合縁26の前面に当接させることにより、制動アーム9を待機位置に保持するようにしている。また、操作レバー13の後部側には、操作ノブ32が配設されており、該操作ノブ32に対する下方向の押圧操作を介して操作レバー13の前部側を上方に回動させることにより、係止部27を係合縁26から離脱させる後退位置に変換し得るようになっている。さらに、操作レバー13の後部寄り位置には、ビスを螺着して下方に突出させてなる係止ピン33が配設されており、該係止ピン33を水平縁部30に形成した前後方向の長孔34に遊嵌することによって、操作レバー13の水平方向の回り止め作用を得るようにしている。
【0020】
また、支持フレーム6から下方に延出された延出杆35の下端部には、引張バネ36の一端が止着されており、該引張バネ36の他端は制動アーム9の先端部に止着されている。そして、該引張バネ36によって制動アーム9の先端部をタイヤ輪5の方向に付勢するようにしている。ここで、保持手段24を備えた後退防止装置1をタイヤ輪5の上部位置に配設して、制動アーム9を略水平状態で待機位置に保持させていることにより、待機位置での保持が解除されると、制動アーム9の先端部側が自重により下方に回動して稼動位置に変換されるので、前記引張バネ36は必ずしも必要ではないが、このように、制動アーム9の先端部と支持フレーム6間に引張バネ36を介装すれば、その付勢力によって制動アーム9を稼動位置に確実に変換することができる。
【0021】
かかる構成にあって、図7に示すように、制動アーム9を保持手段24によって待機位置に保持した状態では、タイヤ輪5の前転及び後転が自由となるため、車椅子2を前進させたり、後退させたりすることができる。一方、車椅子2の登坂時に、操作レバー13の操作ノブ32を下方向に押圧して、係止部27を係合縁26から離脱させると、引張バネ36の付勢を介して制動アーム9の先端部がタイヤ輪5の方向に回動して稼動位置に変換され、図6に示すように、先端部の鋸歯状突条16がタイヤ輪5の前転方向Fからタイヤ輪5の外周面に斜めに当接する状態となる。この時、操作レバー13の係止部27は制動アーム9の基端部の回動によって、該基端部の外周に形成された円弧状担持面25上に乗り上げた状態となる。そして、坂路上で車椅子2を前進させると、鋸歯状突条25がその当接状態でタイヤ輪5の前転方向Fに傾斜していることにより、タイヤ輪5の外周面が鋸歯状突条16との当接状態を維持したまま前転方向Fに摺動するため、支障なく坂路を上ることができる。
【0022】
また、坂路上において、介助者や使用者本人が車椅子2を前進させる力を緩めたり、車椅子2を止めたりした場合にあって、タイヤ輪5が後転しようとすると、比較的緩い勾配の坂路上においては、制動アーム9の稼動位置でタイヤ輪5の外周面と鋸歯状突条16との間に生じる摩擦力によってタイヤ輪5の後転が阻止され、車椅子2の後退を防止することができる。また、比較的急勾配の坂路上においては、タイヤ輪5の外周面と鋸歯状突条16との間に生じる摩擦力によって、図8に示すように、制動アーム9が回動阻止手段としてのストッパー片23に当接するまで稼動位置からタイヤ輪5の後転方向に回動し、鋸歯状突起16がタイヤ輪5に食い込んでさらに強大な摩擦力が生じることとなる。これにより、タイヤ輪5の後転が阻止され、車椅子2の後退を確実に防止することができる。
【0023】
また、図8に示すように、鋸歯状突起16がタイヤ輪5に食い込んだ状態にあって、車椅子2を前進させると、タイヤ輪5の前転に伴って制動アーム9がタイヤ輪5の前転方向Fに回動し、稼動位置に復帰する。これにより、上述したように支障なく再び坂路を上ることができる。
【0024】
また、坂路を上り切って制動アーム9を待機位置に変換する場合には、操作ノブ20aを把持して手動操作により、制動アーム9の先端部側を上方に引き上げて待機位置まで回動させると、それまで円弧状担持面25上に乗り上げていた係止部27が該円弧状担持面25から外れ、付勢手段29の付勢力によって進出位置に押し出されて係合縁26に係合される。これにより、自動的に制動アーム9を待機位置に保持させることができる。
【0025】
尚、制動アーム9の待機位置を保持する保持手段24にあって、係合縁26の前面に当接可能な係止部27を備えた操作レバー13と、該操作レバー13に付設されて係止部27を進出位置に付勢する付勢手段29の構成は、上記実施例以外にも種々提案される。図9イ,ロ,ハにその一部を示す。ここで、図9イは、ブラケット14の水平縁部30に支軸37を介して操作レバー13を上下方向に回動可能に枢結するとともに、支軸37に巻装した捻りコイルバネからなる付勢手段29によって、操作レバー13の前端部に下方突成した係止部27を係合縁26に当接させる進出位置に付勢するようにしたものである。また、図9ロは、ブラケット14の水平縁部30に支軸37を介して操作レバー13を上下方向に回動可能に枢結し、該操作レバー13の前部と水平縁部30の後部に端部を夫々固定した板バネからなる付勢手段29によって、操作レバー13の前端部に下方突成した係止部27を係合縁26に当接させる進出位置に付勢するようにしたものである。また、図9ハは、ブラケット14の水平縁部30に支軸37を介して操作レバー13を上下方向に回動可能に枢結するとともに、該操作レバー13をブラケット14の水平縁部30に下端部を螺着して立設した長ビス31に遊嵌し、該長ビス31に圧縮状態で嵌装したコイルバネからなる付勢手段29によって、操作レバー13の前端部に下方突成した係止部27を係合縁26に当接させる進出位置に付勢するようにしたものである。そして、これらの操作レバー13の前端上面には操作ノブ32が配設されており、該操作ノブ32を付勢手段29の付勢に抗して上方に引き上げることにより、係止部27を係合縁26から離脱させる待避位置に変換し得るように構成されている。
【0026】
また、上記実施例にあっては、複数の鋸歯状突条16を円筒体17の外周面の全周に亘って一体形成するようにしているが、該鋸歯状突条16は、少なくともタイヤ輪5に当接可能な位置に配設されていればよく、さらに円筒体17を用いることなく保持軸19の外周面に形成したり、制動アーム9の先端部に一体形成したりすることも可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、車椅子の後退防止装置を、車体の側部に取り付けた左右一対の支持フレームと、先端部にタイヤ輪との当接状態で該タイヤ輪の前転方向に傾斜する複数の鋸歯状突条を備え、基端部が前記支持フレームに夫々回動可能に軸支されて、前記鋸歯状突条がタイヤ輪の前転方向からタイヤ輪の外周面に斜めに当接する稼動位置と、タイヤ輪の前転方向側に回動してタイヤ輪から離れる待機位置とに変換される左右一対の制動アームと、前記制動アームの待機位置を保持する保持手段とを備えてなる構成としたから、車椅子の登坂時に、保持手段による保持を解除して制動アームを稼動位置に変換すると、比較的緩い勾配の坂路上においては、制動アームの稼動位置でタイヤ輪の外周面と鋸歯状突条との間に生じる摩擦力によってタイヤ輪の後転が阻止され、車椅子の後退を防止することができるとともに、比較的急勾配の坂路上においては、タイヤ輪の外周面と鋸歯状突条との間に生じる摩擦力によって、制動アームが稼動位置からタイヤ輪の後転方向に回動し、鋸歯状突起がタイヤ輪に食い込んでさらに強大な摩擦力が生じることにより、タイヤ輪の後転が阻止され、車椅子の後退を確実に防止することができる。
【0028】
また、前記保持手段を、制動アームの基端部の外周に形成された円弧状担持面と、該円弧状担持面の前縁に、稼動位置への回動方向に臨ませて形成された係合縁と、該係合縁の前面に当接可能な係止部を備え、該係止部を係合縁に当接させる進出位置と、係合縁から離脱させる後退位置とに変換可能に設けられた操作レバーと、該操作レバーに付設されて前記係止部を進出位置に付勢する付勢手段とによって構成したから、操作レバーによる係止部の後退位置への変換操作を介して係止部を係合縁から離脱させることにより、制動アームの待機位置での保持を簡単に解除することができるとともに、手動操作を介して制動アームの先端部側を待機位置まで回動させると、それまで円弧状担持面上に乗り上げていた係止部が該円弧状担持面から外れ、付勢手段の付勢力によって進出位置に押し出されて係合縁に係合されるので、自動的に制動アームを待機位置に保持させることができる。
【0029】
さらに、鋸歯状突条が後転するタイヤ輪に食い込むことにより、稼動位置からタイヤ輪の後転方向に回動する制動アームの、その回動位置を規定してそれ以上の後方回動を阻止する回動阻止手段を具備させることにより、制動アームの最大回動位置が規定され、鋸歯状突条をタイヤ輪に確実に食い込ませて、タイヤ輪の後転を阻止することができる。
【0030】
また、上記回動阻止手段を、後方回動した制動アームに後方から当接する、支持フレームに突成されたストッパー片としたから、簡単な構造で制動アームの最大回動位置を確実に規定することができる。
【0031】
さらに、制動アームの先端部と、支持フレーム間に介装されて、制動アームの先端部をタイヤ輪方向に付勢する引張バネを備えた構成としたので、待機位置において制動アームの保持を解除した場合に、引張バネの付勢力によって制動アームを回動させて稼動位置に確実に変換することができる。
【0032】
そして、本発明にあっては、後退防止装置をこのような構成としたことにより、従来構成のものに比して、構造が極めて簡単化され、部品点数が大幅に減少し、これによって低コストで製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる後退防止装置を備えた車椅子の側面図である。
【図2】同上の車椅子の正面図である。
【図3】車体への取り付け状態を示す左側の後退防止装置の裏面図である。
【図4】本発明にかかる後退防止装置の要部の横断面図である。
【図5】制動アームが稼動位置から後方回動した状態の後退防止装置の背面図である。
【図6】制動アームを稼動位置に変換した状態を示す使用状態の側面図である。
【図7】制動アームを待機位置に変換した状態を示す使用状態の側面図である。
【図8】制動アームが稼動位置から後方回動した状態を示す作用説明図である。
【図9】保持手段の他の構成を示す部分側面図である。
【符号の説明】
1 後退防止装置
2 車椅子
3 車体
5 タイヤ輪
6 支持フレーム
9 制動アーム
13 操作レバー
16 鋸歯状突条
23 ストッパー片(回動阻止手段)
24 保持手段
25 円弧状担持面
26 係合縁
27 係止部
29 付勢手段
36 引張バネ
F 前転方向
Claims (2)
- 車体の上端に把手が設けられる両側の垂直な後部パイプに夫々固定されて、タイヤ輪の上方に位置させて取り付けた左右一対の支持フレームと、
先端部にタイヤ輪との当接状態で該タイヤ輪の前転方向に傾斜する複数の鋸歯状突条を備え、基端部が前記支持フレームに夫々回動可能に軸支されて、前記鋸歯状突条がタイヤ輪の前転方向からタイヤ輪の外周面に斜めに当接する稼動位置と、タイヤ輪の前転方向側に回動してタイヤ輪から離れる待機位置とに変換される左右一対の制動アームと、
左右一対の制動アームの待機位置を夫々保持する左右一対の保持手段と
を備え、
該保持手段が、制動アームの基端部の外周に形成された円弧状担持面と、該円弧状担持面の前縁に、稼動位置への回動方向に臨ませて形成された係合縁と、該係合縁の前面に当接可能な係止部を備え、該係止部を係合縁に当接させる進出位置と、係合縁から離脱させる後退位置とに変換可能に設けられた操作レバーと、該操作レバーに付設されて前記係止部を進出位置に付勢する付勢手段とによって構成され、
さらに、制動アームの先端部と、支持フレーム間に介装されて、制動アームの先端部をタイヤ輪方向に付勢する引張バネを備えている
ことを特徴とする車椅子の後退防止装置。 - 鋸歯状突条が後転するタイヤ輪に食い込むことにより、稼動位置からタイヤ輪の後転方向に回動する制動アームの、その回動位置を規定してそれ以上の後方回動を阻止する回動阻止手段を備え、該回動阻止手段が、後方回動した制動アームに後方から当接する、支持フレームに突成されたストッパー片であることを特徴とする請求項1に記載した車椅子の後退防止装置。
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