JP4213001B2 - 垂直磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置 - Google Patents
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Description
低ノイズ化とともに高い熱揺らぎ耐性を両立させるために、従来から様々な磁性層および下地層の組成、構造、材質等が提案されてきた。特に近年、結晶粒子を、非磁性の酸化物や窒化物などの粒界相で包囲したグラニュラ磁性層を用いた磁気記録媒体が提案されている。(例えば、特許文献1、2参照)
本発明の第1の目的は、磁気記録層の結晶粒界相を2種類以上の酸化物で形成することで、安定な結晶粒界相を提供し、磁性粒子間の相互作用を低減することで低ノイズ化を実現し、より高密度記録が可能な垂直磁気記録媒体を得ることにある。
また、本発明の第2の目的は、磁気記録層に安定な結晶粒界相を提供し、磁性粒子間の相互作用を低減することで低ノイズ化を実現し、より高密度記録が可能な磁気記録再生装置を得ることにある。
(1)非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層と磁性層と保護膜とが順次積層されてなる垂直磁気記録媒体であって、
前記磁性層は、強磁性の結晶粒と非磁性の結晶粒界相とからなり、
該結晶粒界相が2種類以上の酸化物からなり、
前記結晶粒界相を形成する酸化物が、Y, W, Mg, Al, ZrおよびHfからなるA群から選ばれる少なくとも一つの酸化物と、Ti, Ce, Si, Cr, NiおよびTaからなるB群から選ばれる少なくとも一つの酸化物とから構成され、
前記結晶粒界相を形成する酸化物のうち、A群から選ばれる酸化物の含有量(モル百分率)が、B群より選ばれる酸化物の含有量(モル百分率)より少ないことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
(2)前記A群から選ばれる酸化物が、
YおよびWから選ばれる酸化物から構成されることを特徴とする前項1記載の垂直磁気記録媒体。
(3)前記B群から選ばれる酸化物が、
Si, CrおよびTaから選ばれる酸化物から構成されることを特徴とする前項1または2に記載の垂直磁気記録媒体。
(4)前記結晶粒界相を形成する酸化物のうち、
B群から選ばれる酸化物の酸素濃度が、化学量論比から算出される濃度比より少ないことを特徴とする前項1ないし3に記載の垂直磁気記録媒体。
(5)結晶粒界相における全ての被酸化元素に対する酸素の濃度比が、全ての酸化物の化学量論比の和から算出される濃度比より少ないことを特徴とする前項1ないし4に記載の垂直磁気記録媒体。
(6)前記結晶粒界相を形成する酸化物が、
併せて0.1ないし30mol%磁性層中に含有されることを特徴とする前項1ないし5に記載の垂直磁気記録媒体。
(7)前記結晶粒界相を形成する酸化物が、
併せて1ないし20mol%磁性層中に含有されることを特徴とする前項1ないし6に記載の垂直磁気記録媒体。
(8)前記磁性層に含まれる結晶粒子が、CoPt合金を主成分とすることを特徴とする前項1ないし7に記載の垂直磁気記録媒体。
(9)前記非磁性下地層が、Ruを主成分とすることを特徴とする前項1から8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(10)前記非磁性基板と非磁性下地層の間に、少なくとも一層の軟磁性層を有することを特徴とする前項1から9のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
(11)前項1ないし10のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、
該垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、
該垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、
該磁気ヘッドを該垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリと、を具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
(12)前記記録再生ヘッドは、単磁極記録ヘッドである前項11に記載の磁気記録再生装置。
本発明は、第2に、上記垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、該垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを該垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリとを具備することを特徴とする磁気記録再生装置を提供する。
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板、該非磁性基板上に順に形成された非磁性下地層、及び磁性層を有する。この磁性層は、結晶粒子及び該結晶粒子を分離する結晶粒界相とを含み、この結晶粒界相は、2種類以上の酸化物を含有する。本発明の磁気記録再生装置は、上述の垂直磁気記録媒体を適用した装置であって、この垂直磁気記録媒体と、記録再生ヘッドとを含む。
一般に、化合物の標的物質からスパッタリング法などの蒸着法により基板上に薄膜を作製する際、標的物質は原子状態となって基板上に飛来し、その後、再結合を経て化合物を形成する。この時、磁性層における結晶粒界相を形成する物質として1種類の酸化物を用いた場合、製膜中に一部が酸素として気化、あるいは膜中で原子単位に分解してしまい、化合物中に酸素欠損が発生しやすくなる。この時、分解した元素が拡散することで、結晶粒子中に取り込まれ、結晶配向性の乱れや結晶磁気異方性エネルギーの低下をもたらす。
図1は、本実施形態における垂直垂直磁気記録媒体の一例を表す断面図であり、図において、符号10は垂直磁気記録媒体である。
シード層としては、例えばTi,TiCr,Hf,Pt,Pd,NiFe,NiFeMo,NiFeCr,NiAl、NiTaおよびNiNbを使用することができる。
磁性層3の結晶粒子を構成する物質として、CoPt系合金、CoCr系合金、CoCrPt系合金、CoCrPtB系合金、及びCoCrPtTa系合金等を使用することができる。 これらの合金は、結晶配向性が良い、磁気異方性が大きい、熱ゆらぎ耐性に優れているという利点を有する。
さらに好ましくは、磁性層3の結晶粒界相を構成する物質が、Y, W, Mg, Al, Zr,およびHfからなるA群から選ばれる少なくとも一つの酸化物と、Ti, Ce, Si, Cr, NiおよびTaからなるB群から選ばれる少なくとも一つの酸化物とから構成されることができ、これらの組み合わせの酸化物を用いることにより、酸化物生成標準自由エネルギー(ΔG0)の差が大きくなり、酸化物間に酸化還元反応が起こりやすくなり、その発生したエネルギーによって拡散が促進され、結晶粒界相がさらに成長して、磁性粒子(結晶)間の磁気的相互作用を低減することができる。
また、これらの酸化還元反応は、磁性層3の粒界相構成時に、結晶粒界相を構成する酸化物にいくらかの酸素欠損を生じていたほうが反応が促進されやすい。すなわち、結晶粒界相における全ての被酸化元素に対する酸素濃度比が、それら全ての酸化物の化学量論比の和から算出される濃度比より少なくなっているほうが、酸化還元反応は促進され、拡散のエネルギーを得ることができる。
ここで、化合物の化学量論比とは、スパッタリング等の蒸着法に用いられる標的物質を構成する化合物の組成比を指している。また、酸素ガス雰囲気中で被酸化元素を飛ばして酸化物を形成する反応性スパッタリング法等を用いる場合には、その元素の化学的に最も安定な組成比のことを指している。
また、磁性層3中における結晶粒界相を形成する酸化物の含有量が、0.1ないし30mol%であることが好ましく、より好ましくは、1ないし20mol%であることができる。磁性層3中における結晶粒界相を形成する酸化物の含有量が0.1mol%未満であると、結晶粒界相の形成が不十分で磁性層3の磁気的相互作用が強くなる傾向があり、30mol%を超えると、結晶粒界相物質の一部が結晶粒子内に拡散し、磁性層(垂直磁気記録層)3の結晶配向性を低下させる傾向がある。結晶粒界相を形成する物質(酸化物)が0.1から30mol%の範囲内であると、充分な結晶粒界相ができると同時に、結晶粒界相物質の磁性粒子(結晶)内への拡散が起こりにくくなり、磁性層3の結晶配向性および磁気的特性を良好とすることができる。
図2は、本実施形態における垂直垂直磁気記録媒体20の一例を表す断面図である。
本実施形態において、上述の第1実施形態と異なるのは、図2に示すように、非磁性基板1と非磁性下地層2との間に、軟磁性層5が形成されている点であり、それ以外の相当する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
軟磁性層5における軟磁性材料としては、飽和磁束密度が高く、軟磁気特性が良好なCoZrNb、CoTaZr、FeCoB、FeCoN、FeTaC、FeTaN、FeNi、及びFeAlSiなどが用いられる。
図3は、本実施形態における垂直垂直磁気記録媒体30の一例を表す断面図である。
本実施形態において、上述の第2実施形態と異なるのは、図3に示すように、非磁性基板1と軟磁性層5との間に、バイアス付与層6が形成されている点であり、それ以外の相当する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
バイアス付与層6材料としては、CoCrPt、CoCrPtB、CoCrPtTa、CoCrPtC、CoCrPtCuB、CoCrRuB、CoCrPtWC、CoCrPtWB、CoCrPtTaNd、CoSm、CoPt、CoPtO、CoCrPtO、CoPt−SiO2、及びCoCrPtO−SiO2が挙げられる。
図4に示されるように、本発明の垂直磁気記録装置は、上面の開口した矩形箱状の筐体61と、複数のねじにより筐体61にねじ止めされる筐体の上端開口を閉塞する図示しないトップカバーを有している。
このように、垂直磁気記録装置60の磁気記録媒体62に、本発明の各実施形態に係る垂直磁気記録媒体10を用いることができる。
本実施形態の垂直磁気記録再生装置によれば、上記の垂直磁気記録媒体10を用いることで、垂直磁気記録層3に安定な結晶粒界相を提供し、磁性粒子間の相互作用を低減することで低ノイズ化を実現し、より高密度記録が可能な磁気記録再生装置を得ることができる。
<実施例1>
2.5インチ磁気ディスク用のガラス基板からなる非磁性基板を用意した。
1×10−5Paの真空度の真空チャンバー内に非磁性基板を設置し、基板温度を250℃まで加熱して、ガス圧0.6PaのAr雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリングを行った。
まず、非磁性基板をターゲットに対向するように配置し、DC500Wをターゲットに放電し、裏打ち非磁性層として、Cr層を厚さ40nm形成した。その上に厚さ25nmになるようにバイアス付与層として、CoCrPt強磁性層を製膜した。得られたCoCrPt強磁性層上に、厚さ200nmのCoZrNb軟磁性層を形成した。
最後に、C保護層を7nmの厚さで製膜した。
このように真空容器内で連続して製膜した基板を大気中に取り出した後、ディップ法によりパーフルオロポリエーテル系潤滑膜を1.5nmの厚さに形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
図示するように、この垂直磁気記録媒体40は、非磁性基板1上に、Cr非磁性膜18、CoCrPt強磁性層16、CoZrNb軟磁性層15、NiTaシード層19、Ru下地層12、CoPtCr−Y2O3−SiO2垂直磁気記録層(垂直磁性層)13、C保護層14、及び図示しない潤滑層を順次積層した構造を有する。
また、透過型分析電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分光装置(TEM−EDX)を用いて、垂直磁気記録層13に対して局所的な元素濃度分布を調べたところ、Coを主成分としたCo系磁性結晶粒子と、各Co系磁性結晶粒子の周りにYやSi、O2を主成分とした結晶粒界相が存在する構造を確認することができた。
着磁された垂直磁気記録媒体40について、米国GUZIK社製リードライトアナライザ1632及びスピンスタンドS1701MPを用いて、記録再生特性の評価を行った。記録再生ヘッドは、記録部に単磁極、再生素子に磁気抵抗効果を利用した、記録トラック幅0.25μm、再生トラック幅0.15μmのヘッドを用いた。また、測定はディスクの回転数は4200rpmで、中心より半径位置22.2mmと一定の位置で行った。
比較例の垂直磁気記録媒体として、(Co−16at%Pt−10at%Cr)−8mol%SiO2のコンポジットターゲットを用い、垂直磁気記録層としてCoPtCr−SiO2層を12nmの厚さで形成した以外は、上記の実施例1の垂直磁気記録媒体40と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
得られた比較例1の垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層が異なること以外は、図5に示す垂直磁気記録媒体と同様の層構成を有する。
実施例1と同様に比較例1の垂直磁気記録媒体における記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが18.5dBであった。
粒界形成相として、1種類の酸化物を用いた比較例1の従来の媒体よりも、2種類の酸化物を用いた実施例1の本発明の媒体の方が、良い特性を示すことが分かった。
実施例2の垂直磁気記録層として、Co−16at%Pt−10at%Crと、下記表1に示すような様々な元素の酸化物の組み合わせからなるCoPtCr−4mol%A−4mol%Bコンポジットターゲット(ここで、Aは、Y2O3,WO3,MgO,Al2O3,ZrO2,HfO2から選択された少なくとも一種以上、Bは、TiO2,CeO2,SiO2,Cr2O3,NiO,Ta2O5から選択された少なくとも一種以上)を用意した。CoPtCr−3mol%Y2O3−5mol%SiO2のコンポジットターゲットの代わりに、これらの様々な酸化物コンポジットターゲットを使用する以外は、実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作成した。
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして記録再生特性評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例3の垂直磁気記録層として、下記表2に示すような様々な組成比からなるCoPtCr−x mol%A−y mol%Bコンポジットターゲット(ここで、Aは、Y2O3,WO3から選択された少なくとも一種以上、Bは、SiO2,Cr2O3,Ta2O5から選択された少なくとも一種以上)を用意し、CoPtCr−3mol%Y2O3−5mol%SiO2のコンポジットターゲットの代わりに、これらの様々な組成比の酸化物コンポジットターゲットを使用した以外は実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作成した。
得られた垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層が異なること以外は、図5に示す垂直磁気記録媒体と同様の層構成を有する。
図6ないし図11に、CoPtCr−x mol%A−y mol%B(A=Y2O3,WO3, B=SiO2,Cr2O3,Ta2O5)垂直磁気記録層に関する粒界相形成物質の含有量とSNRmとの関係を表すグラフ図を示す。
また、図6ないし図8において、曲線102、112、122は、粒界相形成物質がWO3のみであるとき、すなわち組成量x=z,y=0(0≦z≦40mol%)のときのグラフ図を表している。
さらに、図6ないし図8において、曲線103、113、123は、粒界相形成物質がSiO2,Cr2O3あるいは、Ta2O5のみであるとき、すなわち組成量x=0,y=z(0≦z≦40mol%)のときのグラフ図を各々表している。
また、図9ないし図11において、曲線202、212、222は、粒界相形成物質がY2O3のみであるとき、すなわち組成量x=z,y=0(0≦z≦40mol%)のときのグラフ図を表している。
さらに、図9ないし図11において、曲線203、213、223は、粒界相形成物質がSiO2,Cr2O3あるいは、Ta2O5のみであるとき、すなわち組成量x=0,y=z(0≦z≦40mol%)のときのグラフ図を各々表している。
また、図6ないし図11から、粒界相形成物質の含有量が併せて0.1ないし30mol%でより良い特性を示すことが分かった。また、粒界相形成物質の含有量が1ないし20mol%の場合において、さらに良い特性を示すことが分かった。
実施例4の垂直磁気記録層として、表2に示すような様々な組成比からなるCoPtCr−x mol%A−y mol%Bコンポジットターゲット(A=Y2O3, WO3, B=SiO2, Cr2O3, Ta2O5)を用意し、CoPtCr−3mol%Y2O3−5mol%SiO2のコンポジットターゲットの代わりに、これらの様々な酸化物コンポジットターゲットを使用した以外は実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作成した。
得られた垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録層が異なること以外は、図5に示す垂直磁気記録媒体と同様の層構成を有する。
その結果、Y,W,Si,Cr,Taは、主にY2O3, WO3,SiO2, Cr2O3, Ta2O5の化学量論比で存在することがわかった。一方で、B群(Si,Cr,およびTa)のピークを調べると、A群(Y,W等)に比べて、酸化物のピーク積分強度が弱く、被酸化物質(単体)のピーク積分強度が強いことが分かった。これは、B群の酸化物の一部がA群の酸化物によって、還元されていることを示している。以上より、結晶粒界相の酸素濃度は、酸化物の化学量論比より算出される濃度比より減少していることがわかった。
また、実施例4の得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして記録再生特性評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例5の垂直磁気記録層として、表3に示すような様々な粒界相構成物質からなるCoPtCr−a mol%A−b mol%B−c mol%C−d mol%D−e mol%Eコンポジットターゲット(A=Y2O3,WO3,MgO,Al2O3,ZrO2,HfO2,B=SiO2,C=Cr2O3,D=Ta2O5,E=CeO2、かつ、a=b=c=2mol%,d=0,2mol%,e=0,2mol%)を用意し、CoPtCr−3mol%Y2O3−5mol%SiO2のコンポジットターゲットの代わりに、これらの様々な酸化物コンポジットターゲットを使用した以外は実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作成した。
次に、比較のために、比較例2の垂直磁気記録媒体として、(Co−16at%Pt−10at%Cr)−xmol%SiO2(x=6,8,10mol%)のコンポジットターゲットを用い、垂直磁気記録層としてCoPtCr−SiO2層を12nmの厚さで形成した以外は、実施例1の垂直磁気記録媒体と同様にして垂直磁気記録媒体を得た。
以上得られた実施例5の垂直磁気記録媒体、および、比較例2の垂直磁気記録媒体に対して、実施例1と同様にして記録再生特性評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例6の垂直磁気記録媒体として、Cr非磁性層、CoCrPt強磁性層、及びCoZrNb軟磁性層を製膜しない以外は、実施例1と同様にして、垂直磁気記録媒体を作製した。
図12に、本発明の垂直磁気記録媒体のさらに他の例の構成を表す断面図を示す。
図12に示するように、実施例6の垂直磁気記録媒体50は、非磁性基板1上に、NiTaシード層29、Ru下地層22、CoPtCr−Y2O3−SiO2垂直磁気記録層23、C保護層24、及び図示しない潤滑膜を順次積層した構成を有する。
この垂直磁気記録媒体について、磁気抵抗効果を用いた記録トラック幅0.25μm、再生トラック幅0.15μmのリング型ヘッドを用いて、記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが21.5dBであった。
比較例3における垂直磁性層として、CoPtCr−SiO2のターゲットを用いて、CoPtCr−SiO2垂直磁性層を厚さ12nmの厚さで形成した以外は、実施例5と同様にして従来の垂直磁気記録媒体を得た。
得られた垂直磁気記録媒体は、垂直磁性層が異なる以外は、図12と同様の層構成を有する。
得られた垂直磁気記録媒体に対して、実施例6と同様にしてTEM測定を行った。その結果、垂直磁気記録層は9〜12nmの粒径分布を持つことが分かった。
この垂直磁気記録媒体について、磁気抵抗効果を用いた記録トラック幅0.25μm、再生トラック幅0.15μmのリング型ヘッドを用いて、記録再生特性の評価を行ったところ、SNRmが16.8dBであった。
Claims (12)
- 非磁性基板上に、少なくとも非磁性下地層と磁性層と保護膜とが順次積層されてなる垂直磁気記録媒体であって、
前記磁性層は、強磁性の結晶粒と非磁性の結晶粒界相とからなり、
該結晶粒界相が2種類以上の酸化物からなり、
前記結晶粒界相を形成する酸化物が、Y, W, Mg, Al, ZrおよびHfからなるA群から選ばれる少なくとも一つの酸化物と、Ti, Ce, Si, Cr, NiおよびTaからなるB群から選ばれる少なくとも一つの酸化物とから構成され、
前記結晶粒界相を形成する酸化物のうち、A群から選ばれる酸化物の含有量(モル百分率)が、B群より選ばれる酸化物の含有量(モル百分率)より少ないことを特徴とする垂直磁気記録媒体。 - 前記A群から選ばれる酸化物が、
YおよびWから選ばれる酸化物から構成されることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録媒体。 - 前記B群から選ばれる酸化物が、
Si, CrおよびTaから選ばれる酸化物から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体。 - 前記結晶粒界相を形成する酸化物のうち、
B群から選ばれる酸化物の酸素濃度が、化学量論比から算出される濃度比より少ないことを特徴とする請求項1ないし3に記載の垂直磁気記録媒体。 - 結晶粒界相における全ての被酸化元素に対する酸素の濃度比が、全ての酸化物の化学量論比の和から算出される濃度比より少ないことを特徴とする請求項1ないし4に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記結晶粒界相を形成する酸化物が、
併せて0.1ないし30mol%磁性層中に含有されることを特徴とする請求項1ないし5に記載の垂直磁気記録媒体。 - 前記結晶粒界相を形成する酸化物が、
併せて1ないし20mol%磁性層中に含有されることを特徴とする請求項1ないし6に記載の垂直磁気記録媒体。 - 前記磁性層に含まれる結晶粒子が、CoPt合金を主成分とすることを特徴とする請求項1ないし7に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記非磁性下地層が、Ruを主成分とすることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 前記非磁性基板と非磁性下地層の間に、少なくとも一層の軟磁性層を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
- 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、
該垂直磁気記録媒体を支持および回転駆動する機構と、
該垂直磁気記録媒体に対して情報の記録を行うための素子及び記録された情報の再生を行うための素子を有する磁気ヘッドと、
該磁気ヘッドを該垂直磁気記録媒体に対して移動自在に支持したキャリッジアッセンブリと、を具備することを特徴とする磁気記録再生装置。 - 前記記録再生ヘッドは、単磁極記録ヘッドである請求項11に記載の磁気記録再生装置。
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