JP4207446B2 - 多色表示パネルの製造方法 - Google Patents
多色表示パネルの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4207446B2 JP4207446B2 JP2002098724A JP2002098724A JP4207446B2 JP 4207446 B2 JP4207446 B2 JP 4207446B2 JP 2002098724 A JP2002098724 A JP 2002098724A JP 2002098724 A JP2002098724 A JP 2002098724A JP 4207446 B2 JP4207446 B2 JP 4207446B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- display
- electrode
- color
- cell
- microcapsules
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散媒中に電気泳動粒子、回転粒子を分散させた表示用マイクロカプセルに電界を印加することで電気泳動現象或いは回転現象を利用した多色表示パネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報機器の発達に伴い、情報表示も様々な形態を持ってなされている。可変情報の表示としては、CRT(陰極線管)や液晶ディスプレイ等が主流となっている。CRTやバックライトを使用するタイプの液晶ディスプレイ等の発光型ディスプレイは、長時間にわたる使用においては見るものの目を疲れさせ、文書等を読むのには適さない。
【0003】
一方、バックライトを使用しないタイプの液晶ディスプレイは偏光板の使用による画面の暗さが顕著に現れ、視認性が悪いという問題がある。さらに、これらのディスプレイの表示画像はメモリー性を持たず、電気的なエネルギー供給が停止されると同時に消えてしまうという欠点がある。
【0004】
今後さらに普及するであろう、所謂PDA(携帯情報端末)や電子ブック等の携帯可能な情報機器のディスプレイの他、新聞や本、雑誌、ポスター等の印刷物、さらにはプリンター等から紙へ出力したハードコピーのディスプレイ表示への置き換わりにおいては、長時間にわたる使用においても見るものの目を疲れさせにくく、視認性が良好で、消費電力が少なく、かつ画像のメモリー性を有していることが必要であると考えられる。
【0005】
これらの要求をある程度満足する非発光型のディスプレイとして、従来より、電気泳動表示装置や二色ボール表示装置が知られている。
【0006】
分散媒中に分散された電気泳動粒子の電界の印加による電気泳動現象を利用した電気泳動表示装置は、特公昭50−15115号公報などに示されるように多数報告されている。
【0007】
しかしながら、従来の技術では単色表示は行えるが、多色の表示を行うのは困難であった。これは多色の電気泳動粒子をあらかじめ決められた画素に配置する技術が困難であったからである。
【0008】
このため、単色の電気泳動粒子の上にカラーフィルターを重ねた構造も知られている。
【0009】
この構造ではカラーフィルターを透過した色がマイクロカプセル中で散乱し、迷光として一定の割合で他のカラーフィルターの画素に向かうため、光量が低下し、ひいてはコントラストの低下につながるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、電界の印加により光学的反射特性が変化する複数の表示用マイクロカプセルを所望の位置に確実に設置することにより、高精細且つ高品位な複数色及びカラー表示が可能な表示パネル及びその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、
(a)前面基板の透明基材上に透明導電性の第1電極を設け、該第1電極の上に感光性導電層を設ける工程と、
(b)前記感光性導電層の上にフォトポリマーを塗布する工程と、
(c)前記フォトポリマー層にリソグラフィー法を用いて表示用マイクロカプセルを所定の数収める形状のセル枠を形成する工程と、
(d)前面基板を1色目の顔料または染料と分散媒を最低限含んだ表示用マイクロカプセルを含む電着液に浸漬し、第1電極を介して電圧を加え、前記セルのうちの電着をしたい部分のみにマスク版を通して光を当て、表示用マイクロカプセルを所定のセル内に電着する工程と、
(e)2色目、3色目に関しても同様に(d),(e)を行い少なくとも2色以上の必要な色が全てのセルの中にそろうまで繰り返し行う工程と、
(f)マトリックス電極である第2電極を有する背面基板を、表示用マイクロカプセルが電着されているセルとマトリックス電極との位置関係を互いに対応させて、セルを挟み込むように積層させ一体化する工程と、
からなる多色表示パネルの製造方法である。
【0020】
又請求項2に係る発明は、請求項1記載の表示パネルの製造方法において、フォトポリマーに白色の染料および顔料を含有させたことを特徴とする多色表示パネルの製造方法である。
【0021】
又請求項3に係る発明は、請求項1記載の表示パネルの製造方法において、フォトポリマーに黒色の染料および顔料を含有させたことを特徴とする多色表示パネルの製造方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施の形態においては、加色3原色(R、G,B)により色を再現することでカラー表示可能な表示パネル及びその製造方法を例示することにより本発明を説明する。
【0024】
まず、本発明に係わる多色表示パネルについて説明する。図1は、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の加色3原色による多色表示パネルの構造を示すための断面図である。
【0025】
図1に示した表示パネルは、透明基材(1a)上に酸化インジウムー酸化錫(ITO)、スズ−アンチモン、インジウムースズ酸化物、スズ酸化物等のからなる透明導電性の第1電極(1b)、この第1電極(1b)上に光が照射すると導電性を示す硫化カドミウム、ゲルマニウム、酸化亜鉛、非晶質セレン、非晶質シリコ、チタニルフタロシアン、ポリビニルカルバゾール等の光導電性化合物の感光性導電層(1c)が形成された表面基板(1)と、基材(3a)上にマトリックス電極である第2電極(3b)が形成された裏面基板(3)とが対向配置され、さらにその間に、透明分散媒中にレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の着色電気泳動粒子11、12、13と黒色の電気泳動粒子(14)とを各々封入したR色表示用マイクロカプセル(110)、G色表示用マイクロカプセル(120)、B色表示用マイクロカプセル(130)が高分子樹脂のセル(2)層に保持され、所望の位置にパターン配置された構成である。
なお、第1電極及び第2電極を電界印加手段という。
【0026】
背面基板(3)上に形成された第2電極(3b)は、所望の位置にパターン配置された表示用マイクロカプセルに対応して形成されたマトリックス電極と、図示せぬマトリックス電極との間に画像表示させるスイッチング素子が設けられている。
【0027】
前面基板(1)上に形成された第1電極(1b)は、全面を同一の電位で覆うように設けられて成る。
【0028】
この多色表示パネルは、図1に示すように、電界の印加により光学的反射特性が各々レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)と黒色に変化する表示用マイクロカプセル110、120、130が順番に繰り返し並ぶように隣接してパターン配置され、各パターン毎に印加される電界を制御することで、加法混色によるカラー表示が可能となる。
【0029】
この電気泳動粒子を封入した表示用マイクロカプセルによる多色表示の原理を図2に示す。すなわち、この表示用マイクロカプセル(200)は図2(a)に示すように、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ユリア樹脂、アラビアゴム等をカプセル殻(202)とし、内部にR色の顔料からなる着色粒子(201)と、カーボンブラックからなる黒色粒子(204)が、シリコーンオイル等の粘性の高い分散媒(203)で分散され封入されている。この場合、着色粒子は正電荷を帯びるように、黒色粒子は負電荷を帯びるように作成する。
【0030】
この表示用マイクロカプセル(200)に、前面基板(1)の第1電極を負極、背面基板(3)の第2電極を正極になるように電界を印加すると、図2(b)のように着色粒子(201)は前面基板(1)側に、黒色粒子(204)は背面基板(3)側に電気泳動する。従って観賞者は着色粒子のR色を観察することになる。
逆に、前面基板(1)の第1電極を正極、背面基板(3)の第2電極を負極になるように電界を印加すると、図2(c)のように黒色粒子(204)は前面基板(1)側に、着色粒子(201)は背面基板(3)側に電気泳動する。従って観賞者は黒色粒子の黒を観察することになる。
従って、画素毎に画像データに基づいて電界を印加することで画像を表示することができる。
【0031】
半球の1面をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)でそれぞれ着色し、他の半球を黒色にした回転粒子を封入した表示用マイクロカプセル(300)の場合も、画素毎に電界を印加すると回転粒子が回転し、画像を表示することができる。
【0032】
例えば、図3(a)に示すように半球の1面(301)をR色、他の半球の1面(302)を黒色にし、回転粒子のR色側を正極、黒色側を負極になるように分極させ、前面基板(1)の第1電極を負極、背面基板(3)の第2電極を正極になるように電界を印加すると、図3(b)のように回転粒子のR色が前面基板(1)側、黒色が背面基板(3)側に向くように配向する。従って観賞者はR色を観察することになる。
逆に、前面基板(1)の第1電極を正極、背面基板(3)の第2電極を負極になるように電界を印加すると、回転粒子の黒色が前面基板(1)側、R色が背面基板(3)側に向くように配向する。従って観賞者は黒色を観察することになる。
従って、画素毎に画像データに基づいて電界を印加することで画像を表示することができる。
【0033】
また、請求項3〜請求項6に記載の発明は、加色3原色でカラー表示させる場合、3色が重なると白色になり、黒色が表示し難いので他を黒色し、反対に減色3原色でカラー表示させる場合、3色が重なると黒色になり、白色が表示し難いので他を白色にするようにすることが好ましいことを示している。
【0034】
また、請求項8に記載の発明は、液晶ディスプレイのようにセル枠をブラックマトリックスの機能をもたせるために、セル枠を黒色にして黒のしまりを改善しようとするものである。また、請求項7に記載の発明は、白色がくすんで表示される場合には、白色の鮮明さを改善しようとするものである。
【0035】
次に、この様な多色表示パネルの製造方法に付いて説明する。
透明分散媒とレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各々の着色粒子と黒色粒子を用いた表示用マイクロカプセルを利用した多色表示パネルを1例にして、説明する。
【0036】
この表示用マイクロカプセルに用いる透明分散媒は、例えば、シリコーンオイル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素等を単独または適宜混合した溶媒を用いることが出来る。
【0037】
着色粒子としては、公知のアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料や種々の無機顔料、金属粉、ガラスあるいは樹脂等の微粉末を着色したもの、さらにはこれらの複合体などを使用する。
【0038】
黒色粒子は、カーボンブラック等の無機顔料の他、ガラスあるいは樹脂等の微粉末、さらにはこれらの複合体などを使用する。
【0039】
必要に応じて、粒子の表面を種々の界面活性剤、分散剤等を添加することで分散液中での分散安定性を向上させることができる。
【0040】
これらの透明分散媒中に着色粒子と黒色粒子とが分散している分散系に電界を印加し、表示色を変化させる場合には、着色粒子と黒色粒子とを、極性が反対の電荷に帯電させるか、同一の電荷に帯電していても、帯電量の差を十分に設けることで、着色分散媒中に黒色粒子が分散している分散系と同様な色表示が可能となる。
【0041】
これらのR色粒子と黒色粒子、G色粒子と黒色粒子、B色粒子と黒色粒子とが透明分散媒に分散された3種類の分散液は各々、複合コアセルベーション法等の相分離法、界面重合法、in−situ法、溶解分散冷却法等、公知の方法を用いて表示用マイクロカプセルを作成する。
これらの表示用マイクロカプセルは必要に応じて、ふるい分け、比重分離法などの任意の方法により、作成した表示用マイクロカプセルの径の分布を制御する。
【0042】
これら3種類の表示用マイクロカプセルを、各々所定の電解液に分散して、電着液とする。
【0043】
次に前面基板(1)の基材(1a)上に透明導電性の第1電極(1b)、感光性導電層(1c)及びセル(2)を形成する方法について説明する。
透明部材からなる前面基板の基材(1a)は、ガラス基材の他、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等プラスチックフィルム基材等を好適に用いることができる。
【0044】
前面基板(1)の基材(1a)上に形成する透明な第1電極(1b)は、前述したITO(Indium Tin Oxide)のような透明性を有するものが用いられる。必要ならばこの他に水蒸気防止層やアンチグレア層、ハードコート層を基板の両面のどちらかに設けることも可能である。
【0045】
第1電極(1b)上に感光性導電層(1c)を設ける。この感光性導電層(1c)は光が当たることでその部分が導電性となるもので、硫化カドミウム、硫化鉛、セレンなどの無機物や、フタロシアニン、ペリレン、アゾ系などの有機物が用いられる。
【0046】
この感光性導電層(1c)の上にセル(2)層を形成する。このセル(2)層の形成は図4に示すようなリソグラフィー法を用いる。
感光性導電層(1c)上に、ネガ型フォトレジスト(4)材料を塗布し、この上からセルのパターンが形成されているマスク版(5)を密着させ露光する。しかる後、光硬化しない領域を現像で除去され、光硬化された部分がセル枠(4a)となって形成される。(図4(a)〜(c)参照)
【0047】
ネガ型フォトレジストは、カルボキシル基等の酸性官能基を有するアクリル樹脂等の樹脂成分に、感光性モノマーや光重合開始剤等を好適に配合し、光重合若しくは光架橋反応を利用してパターニングものであり、感光性モノマーとしては例えばN−ビニルピロリドン、エチルアクリレート及びプロピルアクリレート等のアクリル酸エステル類、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、及びそのカプロラクトン変成物などの誘導体、スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸等及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0048】
使用量は、前記樹脂成分100重量部に対して1〜100重量部が望ましく、さらに好ましくは5〜80部である。
【0049】
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンなどのアントラキノン類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及びアゾ化合物、トリアジン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物などを単独または2種以上の混合物として好適に使用することができる。使用量は、感光性モノマー100重量部に対して0.5〜50重量部が望ましく、さらに好ましくは1〜30重量部である。
【0050】
また、必要に応じて、溶媒成分を好適に配合する事ができる。溶媒としては、樹脂成分等との相溶性等に応じて、任意に使用することができ、配合量は樹脂成分100重量部に対し、5〜400重量部、さらに好ましくは10〜200重量部である。
【0051】
この透明基材(1a)に第1電極(1b)、感光性導電層(1c)及びセル(2)層が形成され前面基板(1)に、表示用マイクロカプセルを分散した電着液を用いて電着工程を施し、表示用マイクロカプセルを1色づつ付加していく。
【0052】
電着液にここでは18MΩ・cmの超純水に表示用マイクロカプセルを分散したものを用い、表示用マイクロカプセルは純水中で正に帯電させておく。
【0053】
図5は、この表示用マイクロカプセルを前面基板のセル内に電着させる装置の概略図及び図6は、電着方法を説明する図をそれぞれ示している。
【0054】
まず、1色目のR表示用マイクロカプセルを所定のセルに電着させるには、前面基板(1)の第1電極にコネクタを介して電圧がかかるようにする。そしてまず1色目のR表示用のマイクロカプセルを分散した電着液(8)の中に前面基板(1)を浸漬する。対極(7)も既に電着液(8)中に設置しておく。対極(7)にはカーボン電極を用いた。他にもステンレス、チタン、などの不溶性電極が使用できる。
【0055】
電解槽(10)は、図5に示したように、槽の外側から光を照射し、R表示用セルにのみ光が透過するパターンを有するマスク版(6、6r)を通した光が前面基板(1)を通してセル(2)の所定の部分を照らす構造になっている。光が当たったセルの感光層が光を受け、電気伝導性をもつ。逆に光が当たらない部分の感光層では電流は流れない。
【0056】
ここで前面基板(1)と対極(7)の間に電圧をかける。前面基板(1)を負の電位にすることで、正に帯電したR表示用マイクロカプセル(110)が移動し照射されているX部に電着される。電圧のかけ方は直流やパルスの選択ができる。(図6(a)、(b)参照)。
【0057】
充分な通電時間のあと前面基板(1)を電解槽(10)から取り出して純水で洗浄する。
【0058】
次にR色表示用マイクロカプセル(110)の電着と同様の操作をG色表示用マイクロカプセル(120)、B色表示用マイクロカプセル(130)に関しても行う。レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)のマスク版はそれぞれアライメント装置によって調整される。
図6(c)は、G色表示用マイクロカプセル(120)をG色電着用マスク版(6g)を用いて電着させることを示す。
この電着させる順番には規定はない。また同様の操作によって他の色を用いることもできる。
【0059】
そして、第2電極(3b)が形成された背面基板(3)をこれら表示用マイクロカプセルパターン層上に張り合わせることで、図1の構成の表示パネルを製造することができる。
【0060】
以上、説明したように、電界の印加により変化する光学的反射特性が異なる複数の表示用マイクロカプセルを電着法によりパターニングすることで、各々の表示用マイクロカプセルを所望の位置に正確に配置することができるので、その結果、基板上の電界印加手段が形成されている所望の位置に正確に配置することができる。
【0061】
そして、本実施の形態に示した様に、各々の分散媒が3原色に着色され、電気泳動粒子が黒色である3種類の表示用マイクロカプセルや、分散媒が透明で、電気泳動粒子が各々三原色に着色した着色粒子と黒色粒子から構成される3種類の表示用マイクロカプセルを一画素毎の表示部として順番に繰り返し並ぶ様に正確に配置でき、各画素毎にカラー表示可能な高精細で、高品位な表示パネルを製造することができる。
【0062】
なお、本発明の表示パネルの製造方法は、本実施の形態例に限られるものではなく、種々の好適な改変が可能である。例えば、本発明の実施の形態においては、カラー表示可能な表示パネルの製造方法を例示したが、例えば、ブラックと白色、レッドと白色とに光学的反射特性が変化する2種類の表示用マイクロカプセルを電着法を用い、パターニングし、所望の位置に配置することで、表示色はブラック及びレッド、白色のみとなるが、3種類の表示用マイクロカプセルを用いた場合よりもより高精細な表示パネルの製造が可能となる。
【0063】
また、本実施の形態においては、各々レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)と黒色に光学的反射特性が変化する3種類の表示用マイクロカプセルによる加色混色3原色を用いた場合を例示したが、減色混色三原色のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の光学的反射特性を有する表示用マイクロカプセルを用いることもできる。また、その他の任意の色の組み合わせにしても良い。加法混色3原色のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の光学的反射特性を有する表示用マイクロカプセルを用いる場合、各々の他方の光学的反射特性は黒が好ましいが、任意の色を用いることもできる。
【0064】
さらには、各パターン内に保持される表示用マイクロカプセルの数は1個以上であれば、特に制限はなく、径の小さい複数の表示用マイクロカプセルにより構成することもできる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の表示パネル及びその製造方法を用いれば、電界の印加により変化する光学的反射特性が異なる2種類以上の表示用マイクロカプセルを電着法によりパターニングすることで、所望の位置に確実に設置することができ、高精細且つ高品位な複数色及びカラー表示が可能な表示パネル及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の表示パネルの断面構成図である。
【図2】電気泳動粒子を用いた表示方法を説明する図であり、(a)は表示用マイクロカプセル、(b)及び(c)は電界を印加した際の状態を、それぞれ示す。
【図3】回転粒子を用いた表示方法を説明する図であり、(a)は表示用マイクロカプセル、(b)は電界を印加した際の状態を、それぞれ示す。
【図4】基板にセル層を形成する工程を説明するものであり、(a)は基板にフォトポリマーを塗布、(b)はマスク版を通して露光、(c)は現像してセル層が形成された状態を、それぞれ示す断面図である。
【図5】表示用マイクロカプセルを電着する装置の概略外観図である。
【図6】セル層に表示用マイクロカプセルを電着させる工程を説明するものであり、(a)は電界を印加しながら、R色電着用マスク版を通してR表示用マイクロカプセルを移動させ、所定のセルに電着させる、(b)はR色表示用マイクロカプセルが所定のセル内に電着された、(c)はB色表示用マイクロカプセルが所定のセル内に電着された状態を、それぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
1…前面基板 1a…透明基材 1b…第1電極 1c…感光性導電層
2…セル 2a…セル枠
3…裏面基板 3a…基材 3b…第2電極
4…フォトポリマー 4a…光硬化部(セル枠)
5…セル形成用マスク版
6…電着用マスク版 6r…R色電着用マスク版 6g…G色電着用マスク版
7…対極
8…電着液
10…電解槽
11…R色粒子
12…G色粒子
13…B色粒子
14…黒色粒子
100…多色表示パネル
110…R色表示用マイクロカプセル
120…G色表示用マイクロカプセル
130…B色表示用マイクロカプセル
200…電気泳動粒子が封入されているマイクロカプセル
201…着色粒子
202…カプセル殻
203…分散媒
204…黒色粒子
300…回転粒子が封入されているマイクロカプセル
301…着色された半球
302…黒色された半球
Claims (3)
- (a)前面基板の透明基材上に透明導電性の第1電極を設け、該第1電極の上に感光性導電層を設ける工程と、
(b)前記感光性導電層の上にフォトポリマーを塗布する工程と、
(c)前記フォトポリマー層にリソグラフィー法を用いて表示用マイクロカプセルを所定の数収める形状のセル枠を形成する工程と、
(d)前面基板を1色目の顔料または染料と分散媒を最低限含んだ表示用マイクロカプセルを含む電着液に浸漬し、第1電極を介して電圧を加え、前記セルのうちの電着をしたい部分のみにマスク版を通して光を当て、表示用マイクロカプセルを所定のセル内に電着する工程と、
(e)2色目、3色目に関しても同様に(d),(e)を行い少なくとも2色以上の必要な色が全てのセルの中にそろうまで繰り返し行う工程と、
(f)マトリックス電極である第2電極を有する背面基板を、表示用マイクロカプセルが電着されているセルとマトリックス電極との位置関係を互いに対応させて、セルを挟み込むように積層させ一体化する工程と、
からなる多色表示パネルの製造方法。 - 請求項1記載の表示パネルの製造方法において、フォトポリマーに白色の染料および顔料を含有させたことを特徴とする多色表示パネルの製造方法。
- 請求項1記載の表示パネルの製造方法において、フォトポリマーに黒色の染料および顔料を含有させたことを特徴とする多色表示パネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002098724A JP4207446B2 (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 多色表示パネルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002098724A JP4207446B2 (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 多色表示パネルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003295234A JP2003295234A (ja) | 2003-10-15 |
JP4207446B2 true JP4207446B2 (ja) | 2009-01-14 |
Family
ID=29240598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002098724A Expired - Fee Related JP4207446B2 (ja) | 2002-04-01 | 2002-04-01 | 多色表示パネルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4207446B2 (ja) |
Families Citing this family (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4604484B2 (ja) * | 2003-12-25 | 2011-01-05 | 富士ゼロックス株式会社 | 光学素子 |
JP4196912B2 (ja) | 2004-01-07 | 2008-12-17 | セイコーエプソン株式会社 | 電気泳動表示装置の製造方法 |
JP4096880B2 (ja) | 2004-01-13 | 2008-06-04 | セイコーエプソン株式会社 | 電気泳動表示装置及びその製造方法 |
JP4625976B2 (ja) * | 2004-03-02 | 2011-02-02 | カシオ計算機株式会社 | 表示装置およびその製造方法 |
JP2008155067A (ja) * | 2005-04-14 | 2008-07-10 | Toray Eng Co Ltd | マイクロカプセル製造方法、マイクロカプセル製造装置、およびマイクロカプセルシート |
JP5028970B2 (ja) * | 2006-11-22 | 2012-09-19 | 凸版印刷株式会社 | 多色表示パネルの製造方法および多色表示パネルの画像表示方法 |
US7862866B2 (en) * | 2007-05-25 | 2011-01-04 | Xerox Corporation | Method for forming an electronic paper display |
KR20110041859A (ko) * | 2009-10-16 | 2011-04-22 | 삼성전기주식회사 | 전자종이 표시소자 및 이의 제조 방법 |
TWI420216B (zh) * | 2010-05-05 | 2013-12-21 | Long Win Science And Technology Corp | Production method of color chamber unit for display of particle type electronic paper display panel |
US8169691B1 (en) | 2011-03-18 | 2012-05-01 | Toppan Printing Co., Ltd. | Multi color display panel |
US8335035B2 (en) | 2011-03-18 | 2012-12-18 | Toppan Printing Co., Ltd. | Multi color display panel and method for manufacturing the same |
US8064126B1 (en) | 2011-03-21 | 2011-11-22 | Toppan Printing Co., Ltd. | Color electrophoresis type display medium panel |
KR101307199B1 (ko) * | 2011-12-30 | 2013-09-11 | 엘지디스플레이 주식회사 | 컬러 전기영동 입자 및 이를 갖는 컬러 전기영동 표시 장치 |
CN112596304B (zh) * | 2020-12-30 | 2022-12-27 | 京东方科技集团股份有限公司 | 显示装置的背光模组和显示装置 |
CN115877613B (zh) * | 2021-09-28 | 2025-04-18 | 京东方科技集团股份有限公司 | 显示面板的制作方法、显示面板及显示装置 |
-
2002
- 2002-04-01 JP JP2002098724A patent/JP4207446B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003295234A (ja) | 2003-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4207446B2 (ja) | 多色表示パネルの製造方法 | |
US8159636B2 (en) | Reflective displays and processes for their manufacture | |
TW550529B (en) | An improved electrophoretic display with dual-mode switching | |
EP2299318A2 (en) | Surface texture parameters (Ra, Sm) of a substrate in a dry-toner type coloured particle display | |
JP2004020818A (ja) | カラー電気泳動表示装置 | |
US7224510B2 (en) | Reversible image display sheet and image display | |
KR100900108B1 (ko) | 정보 표시용 패널의 제조 방법 | |
JP4797282B2 (ja) | 表示パネルの製造方法 | |
JP2007298894A (ja) | 表示装置とその製造方法および表示システム | |
TWI644154B (zh) | 多色顯示面板及其製造方法 | |
US20100033801A1 (en) | Light modulator | |
JP2003280044A (ja) | 電気泳動表示パネル用前面基板及びその製造方法 | |
Lenssen et al. | Novel concept for full‐color electronic paper | |
JP4637747B2 (ja) | 画像表示用パネルの製造方法 | |
US8064126B1 (en) | Color electrophoresis type display medium panel | |
WO2007048096A2 (en) | Components for electro-optic displays | |
JPH05119209A (ja) | カラーフイルタ製造方法およびカラーフイルタ製造用の電着基板 | |
JP2008186009A (ja) | 光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート | |
CN102681281A (zh) | 多色显示板 | |
JP2011065034A (ja) | 多面付けカラーフィルタ電気泳動方式前面板及びその製造方法、並びに、多色表示パネルの製造方法 | |
JP2011065032A (ja) | 多色表示パネル及びその製造方法 | |
JP4458743B2 (ja) | 画像表示装置 | |
JP2011065033A (ja) | 多面付けカラーフィルタ電気泳動方式前面板及びその製造方法、並びに、多色表示パネルの製造方法 | |
JP2011065037A (ja) | カラー電気泳動方式表示媒体パネル | |
TWI515499B (zh) | 多色顯示面板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050314 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080408 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080514 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080930 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081013 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |