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JP4205125B2 - 光ファイバおよびこれを用いた光伝送路 - Google Patents

光ファイバおよびこれを用いた光伝送路 Download PDF

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JP4205125B2 JP2006293698A JP2006293698A JP4205125B2 JP 4205125 B2 JP4205125 B2 JP 4205125B2 JP 2006293698 A JP2006293698 A JP 2006293698A JP 2006293698 A JP2006293698 A JP 2006293698A JP 4205125 B2 JP4205125 B2 JP 4205125B2
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Description

本発明は光ファイバおよびこれを用いた光伝送路に関し、特に、偏波モード分散(以下「PMD」と略記する)を低減した光ファイバおよびこれを用いた光伝送路に関する。
インターネットを代表としたデータトラフィックは益々増える方向にあり、通信伝送容量の増大はこのデータトラフィックを支えるために必須となっている。
WDM(波長多重)伝送は、そのニーズに応えた伝送方式であり、既に商用化が始まっている。さらにこのWDM伝送の容量を増大させるためには次のような方法がある。
第1の方法は、多重する波長(信号)数を増やすことによるものである。この方法は、信号波長間隔を狭めたり、利用する波長帯域を増やしたりすることで実現できるが、当然ながら使用する波長ごとに伝送機器が増えることになり、コストや設置スペースなどの問題がある。
第2の方法は、1波長(信号)あたりの伝送速度を上げることによるものである。これは、スペクトル利用効率の観点から最近では注目されてきており、現在は伝送速度2.5Gbit/sから10Gbit/s、さらには40Gbit/sの光伝送システムが研究され、一部商用化されている。
このような10Gbit/s以上の伝送速度になると、光ファイバの波長分散とPMDが問題となってくる。波長分散に関しては、ノン零分散シフトファイバ(以下「NZ−DSF」と略記する)や、分散スロープ補償型分散補償ファイバ(以下「SC−DCF」と略記する)などの使用で解決しようとしており、一定の成果をあげている。
一方、PMDに関しても様々な方法が提案されているが、ここではまず、PMDについて以下に説明する。
PMDとは、光ファイバを伝搬するHE 11モードとHE 11モードとの群遅延時間に差があることによって生じるものである。
PMDは側圧等の外的要因も存在するものの、基本的には、光ファイバに誘起する複屈折が原因である。偏波保持ファイバのように特に意図的に複屈折を増加させようとしない限り、光ファイバに内在する複屈折は、コアの非円によって生じる。複屈折はそのコアの非円そのもの、すなわち屈折率分布の非円に起因するものと、非円から生じる応力の真円分布からのずれに起因するものとに分けられる。
光ファイバのコアには通常GeO2が添加されているため、コアの屈折率は、クラッドの屈折率より増加するとともに、熱膨張係数もクラッドより大きくなる。これにより、コアとクラッドとの境界付近に応力分布ができ、コア側は熱膨張係数が大きいために線引き後の冷却過程においてクラッドより強く収縮しようとするが、クラッド側が収縮しないために、クラッド側に引っ張られ張力が働く。
これに対し、クラッド側の周回方向の応力はコアの収縮によって圧縮応力となり、光弾性効果によって屈折率変化を生じる。
コアが真円の場合には、光弾性効果による屈折率変化は軸対称であるため、互いに打ち消しあってHE 11モードとHE 11モードとの間には伝搬定数の差が生じないが、コアが非円であると、両偏波モードの間に伝搬定数の差を生じる。この応力の非対称によって生じる伝搬定数の差は、非円の度合いと、コアとクラッドの熱膨張係数の差に依存する。
伝送を行う際には、複屈折によって信号の進み方に異方性を生じ、信号パルス形状の劣化がおこることになるため、当然このPMDは小さい方が好ましい。特に、40Gbit/sのような高速伝送では、PMDの影響は顕著である。
PMDの低減については、これまでに幾つかの提案がなされている。例えば、線引き工程でファイバに捻りを加える方法(例えば、非特許文献1参照)や、コアの非円をクラッド部分の外削りによって低減する方法(例えば、非特許文献2参照)などがある。
Apllied Optics,vol20,No.17,p2962−,1981 電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会、C−3−79,1999
しかし、線引き工程でファイバに捻りを加える方法では、伝送速度10Gbit/s、さらには40Gbit/sに対応可能なPMDを持つ光ファイバの製造方法は開示されていない。例えば、伝送速度40Gbit/s、伝送路長10000kmの光伝送路において、PMDの許容上限は0.025ps/√km程度であると言われている。
また、コアの非円をクラッド部分の外削りによって低減する方法に関してもコスト面を考えると非現実的である。さらに、コア非円率の小さなものを選択して利用することも考えられるが、これも歩留まり、ひいてはコスト的に無理がある。
本発明はこれらの事情を考慮してなされたもので、コアとクラッドの熱膨張係数を調整することで複屈折を減少させて、高速伝送に適したPMDを持つ光ファイバを提供し、この光ファイバを用いた光伝送路を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る光ファイバは、1層のコアと2層のクラッドとを持ち、外側クラッドの屈折率が内側クラッドの屈折率よりも高く、石英ガラスを主たる構成材料とする光ファイバであって、前記コアの非円率は5%以下であり、前記クラッドの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、前記コアがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、前記クラッドの各部位のうち添加したゲルマニウムの最も少ない部位のゲルマニウムの濃度をC2とし、前記コアに添加したゲルマニウムの最も多い部位のゲルマニウムの濃度をC1としたときに、C2−C1≧−0.5wt%であり、前記コアを構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−2.5×10-7/℃≦α1−α2≦1.0×10-7/℃であり、その偏波モード分散が0.03ps/√km以下であり、前記コアと前記外側クラッドとの比屈折率差Δが0.25%〜0.7%であることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る光ファイバは、本発明の請求項1に係る光ファイバにおいて、前記コアを構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−1.5×10 -7 /℃≦α1−α2≦0/℃であり、その偏波モード分散が0.015ps/√km以下であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る光ファイバは、本発明の請求項1または2に係る光ファイバにおいて、波長1550nmにおける伝送損失が0.22dB/km以下であることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る光ファイバは、3層のコアと2層のクラッドとを持ち、外側クラッドの屈折率が内側クラッドの屈折率より高いかもしくは同じであり、センタコアの屈折率がリンググルーヴの屈折率よりも高く、リンググルーヴの屈折率がリングコアの屈折率よりも低く、リングコアの屈折率がクラッドもしくは内側クラッドおよび外側クラッドの屈折率よりも高く、石英ガラスを主たる構成材料とする光ファイバであって、前記コアの比円率が5%以下であり、前記クラッドの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、前記コアの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、前記クラッドの各部位のうち添加したゲルマニウムの最も少ない部位のゲルマニウムの濃度をC2とし、前記コアに添加したゲルマニウムの最も多い部位のゲルマニウムの濃度をC1としたときに、C2−C1≧−0.5wt%であり、前記コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−2.5×10-7/℃≦α1−α2≦1.0×10-7/℃であり、その偏波モード分散が0.03ps/√km以下であり、前記センタコアと前記外側クラッドとの比屈折率差Δが0.25%〜0.7%であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る光ファイバは、本発明の請求項4に係る光ファイバにおいて、前記コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−1.5×10 -7 /℃≦α1−α2≦/℃であり、その偏波モード分散が0.015ps/√km以下であることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る光ファイバは、本発明の請求項4または5に係る光ファイバにおいて、波長1550nmにおける伝送損失が0.25dB/km以下であることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る光ファイバは、4層のコアと2層のクラッドとを持ち、外側クラッドの屈折率が内側クラッドの屈折率より高いかもしくは同じであり、センタグルーヴの屈折率が内側リングコアの屈折率よりも低く、内側リングコアの屈折率がリンググルーヴの屈折率よりも高く、リンググルーヴの屈折率が外側リングコアの屈折率よりも低く、外側リングコアの屈折率がクラッドもしくは内側クラッドおよび外側クラッドの屈折率よりも高く、石英ガラスを主たる構成材料とする光ファイバであって、前記コアの比円率が5%以下であり、前記クラッドの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、前記コアの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、前記クラッドの各部位のうち添加したゲルマニウムの最も少ない部位のゲルマニウムの濃度をC2とし、前記コアに添加したゲルマニウムの最も多い部位のゲルマニウムの濃度をC1としたときに、C2−C1≧−0.5wt%であり、前記コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−2.5×10-7/℃≦α1−α2≦1.0×10-7/℃であり、その偏波モード分散が0.03ps/√km以下であり、前記内側リングコアと前記外側クラッドとの比屈折率差が0.25%〜0.7%であることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る光ファイバは、本発明の請求項7に係る光ファイバにおいて、前記コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−1.5×10 -7 /℃≦α1−α2≦0/℃であり、その偏波モード分散が0.015ps/√km以下であることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る光ファイバは、本発明の請求項7または8に係る光ファイバにおいて、波長1550nmにおける伝送損失が0.30dB/km以下であることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る光ファイバは、本発明の請求項1からまでのいずれか1項に係る光ファイバにおいて、前記コアに添加したゲルマニウムの濃度を最も多い所でも1.5wt%以下とし、フッ素の濃度も同じく1.5wt%以下としたことを特徴とする。
本発明の請求項11に係る光ファイバは、本発明の請求項1から10までのいずれか1項に係る光ファイバにおいて、光ファイバプリフォームに対して捻りを加えて紡糸し、偏波モード分散が0.01ps/√km以下となるようにしたことを特徴とする。
本発明の請求項12に係る光伝送路は、本発明の請求項1から11までのいずれか1項に係る光ファイバと、この光ファイバの波長分散、分散スロープを補償する光ファイバを組み合わせて形成されていることを特徴とする。
本発明によると、クラッドの熱膨張係数とコアの熱膨張係数を調整して、コアを構成するガラスの熱膨張係数をα1、クラッドを構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−2.5×10−7/℃≦α1−α2≦1.0×10−7/℃となるようにして光ファイバを作製することにより、偏波モード分散を0.03ps/√km以下とすることができ、複屈折による信号パルス形状の劣化を防止して、高速高品質伝送が可能な光ファイバを実現することができる。
また、−1.5×10−7/℃≦α1−α2≦0/℃となるようにして光ファイバを作製することにより、偏波モード分散を0.015ps/√km以下とすることができ、さらに高速高品質伝送が可能な光ファイバを実現することができる。
また、コアがほぼ純粋な石英ガラスからなり、クラッドがフッ素を添加した石英ガラスからなるようにして光ファイバを作製することにより、クラッドの熱膨張係数を相対的に上げることができ、好適なPMDを持つ光ファイバを実現することができる。
また、コアがゲルマニウムおよび/またはフッ素を添加した石英ガラスからなり、クラッドがフッ素を添加した石英ガラスからなるようにして光ファイバを作製することにより、コア内部に屈折率分布を持つ場合や、耐水素特性の点からコアにドーパントが必要になる場合にもおいても、これらの光学特性や水素特性を十分に満足しつつ、PMDとその他の特性を同時に満足することができる光ファイバを実現することができる。
また、クラッドにフッ素に加えてゲルマニウムを添加することにより、耐水素特性を向上させることができるため、長期的な信頼性を高めた光ファイバを実現することができる。
また、クラッドに添加したゲルマニウムの濃度をC2とし、コアに添加したゲルマニウムの濃度をC1としたときに、C2−C1≧−0.5wt%となるようにすることにより、屈折率制御と熱膨張係数制御の両方の条件を満たしつつ、PMDを低減した光ファイバを実現することができる。
また、コアに添加したゲルマニウムの濃度を1.5wt%以下とし、フッ素の濃度を0.5wt%以下とすることにより、レイリー散乱損失を小さくして低損失の光ファイバを実現することができる。
また、光ファイバプリフォームに対して捻りを加えて紡糸することにより、偏波モード分散を0.01ps/√km以下にまで低減することができる。
以上の効果は、1層のコアと1層のクラッドとを持つ光ファイバに限らず、1層のコアと2層のクラッドとを持つ光ファイバ、3層のコアと1層または2層のクラッドとを持つ光ファイバ、4層のコアと1層または2層のクラッドとを持つ光ファイバについても、上述のパラメータを上記と同様に設定することで得ることができる。
また、本発明の光ファイバと、この光ファイバの波長分散、分散スロープを補償する光ファイバを組み合わせて光伝送路を形成することにより、分散補償光ファイバで許容されるPMDの条件を大きく緩和することができ、分散補償光ファイバの設計に余裕を持たせることができる他、光伝送路全体のPMDを下げて高速高品質伝送が可能な光伝送路を実現することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の光ファイバの一例を示すもので、(a)は、光ファイバの長手方向に対する断面の最も単純な一例を示すものであり、図1(a)中、符号1はコアであり、符号2はコア1の周囲に形成されたクラッドである。図1(b)は、この光ファイバの屈折率分布を示すものであり、コア1はクラッド2に対して屈折率が大きくなるようにして形成されている。本発明の光ファイバの他の例の断面構造及び屈折率分布も同様に図2ないし図6に示す。
光ファイバの複屈折は、コア1が非円であることによる屈折率分布の非円に起因するものと、コア1の非円から生じる応力の真円分布からのずれに起因するものの2つからなることは前述した通りである。このうち、伝送用光ファイバで常用されるようなレベルのコア1とクラッド2との屈折率差、具体的には比屈折率差△で0.25%〜0.7%程度の場合には、応力の真円分布からのずれによる寄与が大きい。応力の真円分布からのずれによる複屈折は、同じ非円を持つ場合を比べると、コアとクラッドの熱膨張係数の差が大きいほど大きくなる。
そのため、この例の光ファイバでは、PMDを低減するにあたり、従来のゲルマニウムが添加されたコアを有するシングルモードファイバにおいて、比屈折率差△が0.3%程度である場合でのコア1とクラッド2との熱膨張係数の差が約3×10−7/℃であるのに対して、熱膨張係数の差を十分に小さくしている。
また、コア1の非円から生じる屈折率分布の非円に起因する複屈折と、非円から生じる応力の真円分布からのずれに起因する複屈折の符号を反対にすることによっても、PMDを低減できることができる。すなわち、クラッド2の熱膨張係数をコア1の熱膨張係数よりも大きくすることによってPMDの低減を図ることができる。
これらの方針に基づき、PDMを低減することを目的として検討を行った。現在の非円に関する歩留まりを悪化させないために、非円率の上限を従来の光ファイバと同程度である5%程度とすることを条件とすると、コア1を構成するガラスの熱膨張係数をα1、クラッド2を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、PDMを0.03ps/√km以下にするためには、−2.5×10−7/℃≦α1−α2≦1.0×10−7/℃の範囲に制御し、PDMを0.015ps/√km以下にするためには、−1.5×10−7/℃≦α1−α2≦0/℃の範囲に制御すればよいことが分かった。
ここで、熱膨張係数は軟化温度近傍から室温までの数値を用いている。この軟化温度とは、ガラスの状態を示す指標として用いられるものである。軟化温度は材料、添加物の種類および濃度、製造方法によって変化する。石英系ガラスにおいては、添加物が増えると軟化温度が下がっていく。なお、一例としてあげると、発明者らが作製した、フッ素を1重量%程度添加した石英ガラスであれば、軟化温度はおよそ800℃程度である。
次に、コア1とクラッド2の熱膨張係数を上記の範囲とするための具体的な方法について説明する。
熱膨張係数は、その構成材料の組成によって大きく影響される。例えば、ゲルマニウムを1重量%ドープした石英ガラスでは、石英ガラスに対して約1×10−7/℃程度熱膨張係数が大きくなることが知られている。そのため、熱膨張係数を調整するためには、コア1とクラッド2を構成する材料およびその組成比についての精査が必要になる。さらには、そのときに、一般的な伝送用ファイバとしての基本的な条件、例えば、光学特性、伝送損失、対環境特性、機械特性、製造コストなどの条件を満たしていることにも注意を払って材料およびその組成比を検討する必要がある。
種々の検討の結果、コア1とクラッド2の熱膨張係数差および一般的な伝送用ファイバとしての基本的な必要条件を満たしたコア1とクラッド2の材料およびその組成比の組み合わせは次の通りとなった。
まず、第1の組み合わせは、コア1にはほぼ純粋な石英ガラス、すなわち意図的に不純物を含まない通常使用される石英ガラスを用い、クラッド2にフッ素を添加した石英ガラスを用いるものである。フッ素は屈折率を下げる作用があり、また、フッ素を添加すると仮想温度近傍では熱膨張係数が大きくなる。従って、コア1の屈折率を相対的に高くすることができるため、導波構造として問題なく、また、クラッドの熱膨張係数を相対的に上げることによって好適なPMDを持つ光ファイバを作製することができる。
第2の組み合わせは、製造性、耐水素特性、光学特性などを考慮して、コア1にゲルマニウムとフッ素の一方または両方を添加し、クラッド2にフッ素を添加した石英ガラスを用いるものである。光学特性からの要求によって、コア1内部に屈折率分布を持つ場合や、耐水素特性の点からコア1にドーパントが必要になる場合にも、これらの光学特性や水素特性を十分に満足しつつ、PMDとその他の特性を同時に満足することができる。
以上のような組合せにより、波長1550nmにおける伝送損失を0.20dB/km以下とすることができる。
耐水素特性向上のためのドーパント添加の場合、コア1に一律にドーパントを添加しても問題ないが、光学特性からの要求でコア1内部に屈折率分布を持たせる場合、添加物が熱膨張係数のほかにも屈折率にも影響を及ぼすので、光学特性の要求を満たす屈折率分布を作る必要がある。そのため、熱膨張係数および屈折率分布の両方を満足するようなドーパントの分布を実現する必要があるが、屈折率分布は、要求される光学特性によって変わってくるので、そのたびに熱膨張係数も含めたドーパント分布の設計が必要になる。
また、耐水素特性を考慮してクラッド2にゲルマニウムを共添加することも、より長期信頼性の重要度が高い海底用ファイバ等の場合にはより好ましい。
さらに、ゲルマニウムに関しては、石英ガラスに添加した場合、熱膨張係数の変化(上昇)が大きいので、ドーパントとして使用するときには特に注意が必要である。すなわち、ゲルマニウムを屈折率制御のために使用する場合は、コア1のゲルマニウムの添加量がクラッド2のゲルマニウムの添加量に比べて大きくかけ離れて大きいと、コア1の熱膨張係数が大きくなってしまい、問題となる。
低PMDを実現するために、コア1のゲルマニウムの添加量とクラッド2のゲルマニウムの添加量との差の上限を見積もったところ、クラッド2に添加したゲルマニウムの濃度をC2、コア1に添加したゲルマニウムの濃度をC1としたとき、C2−C1≧−0.5wt%であれば、PMDが0.03ps/√km以下となり、良好なPMDの値をとることが分かった。なお、コア1のゲルマニウム濃度が0.5wt%以下の場合には、クラッド2に対するゲルマニウムの添加は不要である。
さらに、ゲルマニウムおよびフッ素は伝送損失の主要因であるレイリー散乱損失を増大させることから、伝送損失を低減するためには、ゲルマニウムの濃度を最も多い所でも1.5wt%以下とし、フッ素の濃度も同じく1.5wt%以下とすることが好ましい。
さらに、これらの光ファイバを線引きする際に、光ファイバに捻りを加えて線引きを行うと、更にPMDを低減することができ、具体的にはPMDを0.01ps/√km以下にすることが可能となる。
この例の光ファイバによると、クラッド2の熱膨張係数とコア1の熱膨張係数を調整して、コア1を構成するガラスの熱膨張係数をα1、クラッド2を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−2.5×10−7/℃≦α1−α2≦1.0×10−7/℃となるようにして光ファイバを作製することにより、偏波モード分散を0.03ps/√km以下とすることができ、複屈折による信号パルス形状の劣化を防止して、高速高品質伝送が可能な光ファイバを実現することができる。
また、−1.5×10−7/℃≦α1−α2≦0/℃となるようにして光ファイバを作製することにより、偏波モード分散を0.015ps/√km以下とすることができ、さらに高速高品質伝送が可能な光ファイバを実現することができる。
また、コア1がほぼ純粋な石英ガラスからなり、クラッド2がフッ素を添加した石英ガラスからなるようにして光ファイバを作製することにより、クラッド2の熱膨張係数を相対的に上げることができ、好適なPMDを持つ光ファイバを実現することができる。
また、コア1がゲルマニウムおよび/またはフッ素を添加した石英ガラスからなり、クラッド2がフッ素を添加した石英ガラスからなるようにして光ファイバを作製することにより、コア1内部に屈折率分布を持つ場合や、耐水素特性の点からコア1にドーパントが必要になる場合にもおいても、これらの光学特性や水素特性を十分に満足しつつ、PMDとその他の特性を同時に満足することができる光ファイバを実現することができる。
また、クラッド2にフッ素に加えてゲルマニウムを添加することにより、耐水素特性を向上させることができるため、長期的な信頼性を高めた光ファイバを実現することができる。
また、クラッド2に添加したゲルマニウムの濃度をC2とし、コア1に添加したゲルマニウムの濃度をC1としたときに、C2−C1≧−0.5wt%となるようにすることにより、屈折率制御と熱膨張係数制御の両方の条件を満たしつつ、PMDを低減した光ファイバを実現することができる。
また、コア1に添加したゲルマニウムの濃度を最も多い所でも1.5wt%以下とし、フッ素の濃度も同じく1.5wt%以下とすることにより、レイリー散乱損失を小さくして低損失の光ファイバを実現することができる。
また、光ファイバプリフォームに対して捻りを加えて紡糸することにより、偏波モード分散を0.01ps/√km以下にまで低減することができる。
本発明の光ファイバの屈折率分布は、図1に示す1層のコアと1層のクラッドによる屈折率分布に限定されるものではない。
図2は、1層のコアと2層のクラッドとを持ち、外側クラッド2bの屈折率が内側クラッド2aの屈折率より高い、石英ガラスを主たる構成材料とする光ファイバであって、この場合には、コアを構成するガラスの熱膨張係数をα1、クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2として、α1とα2とが上述の関係を満たすようにする。
この光ファイバでは、クラッドが少なくともフッ素を添加した石英ガラスからなり、コアがほぼ純粋な石英ガラス、またはコアがゲルマニウムおよび/またはフッ素を添加した石英ガラスからなることによって、その波長1550nmにおける伝送損失を0.22dB/km以下とすることができる。
図3、図4は、3層のコアと1層または2層のクラッドとを持ち、外側クラッド2bの屈折率が内側クラッド2aの屈折率より高いかもしくは同じであり、センタコア1aの屈折率がリンググルーヴ1bの屈折率よりも高く、リンググルーヴ1bの屈折率がリングコア1cの屈折率よりも低く、リングコア1cの屈折率がクラッド2もしくは内側クラッド2aおよび外側クラッド2bの屈折率よりも高い、石英ガラスを主たる構成材料とする光ファイバであって、この場合には、コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2として、α1とα2とが上述の関係を満たすようにする。
この光ファイバでは、クラッドが少なくともフッ素を添加した石英ガラスからなり、コアがほぼ純粋な石英ガラス、またはコアがゲルマニウムおよび/またはフッ素を添加した石英ガラスからなることによって、その波長1550nmにおける伝送損失を0.25dB/km以下とすることができる。
図5は、4層のコアと1層または2層のクラッドとを持ち、外側クラッド2bの屈折率が内側クラッド2aの屈折率より高いかもしくは同じであり、センタグルーヴ1aの屈折率が内側リングコア1bの屈折率よりも低く、内側リングコア1bの屈折率がリンググルーヴ1cの屈折率よりも高く、リンググルーヴ1cの屈折率が外側リングコア1dの屈折率よりも低く、外側リングコア1dの屈折率がクラッド2もしくは内側クラッド2aおよび外側クラッド2bの屈折率よりも高い、石英ガラスを主たる構成材料とする光ファイバであって、この場合には、コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2として、α1とα2とが上述の関係を満たすようにする。
この光ファイバでは、クラッドが少なくともフッ素を添加した石英ガラスからなり、コアがほぼ純粋な石英ガラス、またはコアがゲルマニウムおよび/またはフッ素を添加した石英ガラスからなることによって、その波長1550nmにおける伝送損失を0.30dB/km以下とすることができる。
次に、本発明の光伝送路の例について説明する。
本発明の光伝送路は、上述した光ファイバと、この光ファイバの波長分散、分散スロープを補償する光ファイバを組み合わせて形成されたものである。
長距離伝送のために、伝送用光ファイバの波長分散や分散スロープを補償するための分散補償光ファイバを用いることによって、信号歪みを低減した複合光伝送路を実現することができるが、このような光伝送路に本発明の光ファイバを使用すると、本発明の光ファイバのPMDが小さいために、分散補償光ファイバで許容されるPMDの条件が大きく緩和され、分散補償光ファイバの設計に余裕を持たせることができる。また、分散補償光ファイバのPMDを従来どおりの大きさにして、光伝送路全体のPMDを下げることもできる。
以下、具体例を示す。
(実施例1)
図1に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、コアにゲルマニウムを添加した光ファイバ(試作1)と、コアはほぼ純粋石英のままで、クラッドにフッ素を添加した光ファイバ(試作2)を作製し、そのPMDを比較した。
試作1はコアに約2.7wt%のゲルマニウムを含み、クラッドには脱水のためのごく微量の塩素以外、意図的な不純物を含まないシリカである。また、試作2はクラッドに約1.1wt%のフッ素を含み、コアには脱水のためのごく微量の塩素以外、意図的な不純物を含まないシリカである。どちらの光ファイバもコアとクラッドの比屈折率差は約0.33%である。
試作1ではPMDは約0.065ps/√kmであったが、試作2ではPMDは約0.012ps/√kmであり、さらに試作2についてスパン紡糸で光ファイバを作製すると、さらにPMDは約0.004ps/√kmにまで低減される。この時、熱膨張係数の差α1−α2は−0.8×10−7/℃(試作1では3.3×10−7/℃)と見積もられた。また、PMD以外の光学特性は試作1と同等のものが得られた。
(実施例2)
図1に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、クラッドに約2.2wt%のフッ素を含み、コアには脱水のためのごく微量の塩素以外、意図的な不純物を含まないシリカである光ファイバを試作した(試作3)。
コアとクラッドの比屈折率差は約0.69%である。PMDは約0.026ps/√kmであり、スパン紡糸で光ファイバを作製すると、PMDは約0.010ps/√kmであった。
この時、熱膨張係数の差α1−α2は−1.7×10-7/℃と見積もられた。
(実施例3)
図1に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、クラッドに約0.9wt%のフッ素を添加し、コアに約0.4wt%のゲルマニウムを添加した光ファイバを試作した(試作4)。
コアとクラッドの比屈折率差は約0.33%である。PMDは約0.009ps/√kmであり、スパン紡糸で光ファイバを作製すると、PMDは約0.006ps/√kmであった。
また、光学特性及び水素特性にも問題はなかった。
(実施例4)
図1に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、クラッドに約1.1wt%のフッ素を添加し、コアに約0.4wt%のゲルマニウムと約0.14wt%のフッ素を添加した光ファイバを試作した(試作5)。
コアとクラッドの比屈折率差は約0.34%である。PMDは約0.015ps/√kmであり、スパン紡糸で光ファイバを作製すると、PMDは約0.006ps/√kmであった。
(実施例5)
図1に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、クラッドに約1.3wt%のフッ素と約0.4wt%のゲルマニウムを添加し、コアに約0.4wt%のゲルマニウムとを約0.2wt%のフッ素を添加した光ファイバを試作した(試作6)。
コアとクラッドの比屈折率差は約0.33%である。PMDは約0.021ps/√kmであり、スパン紡糸で光ファイバを作製すると、PMDは約0.008ps/√kmであった。
(実施例6)
図2に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、外側クラッド2bに約1.0wt%のフッ素と約0.4wt%のゲルマニウムを添加し、内側クラッド2aに約1.2wt%のフッ素と約0.4wt%のゲルマニウムを添加し、コアに約0.4wt%のゲルマニウムとを約0.2wt%のフッ素を添加した光ファイバを試作した(試作7)。
コアとクラッドの比屈折率差は約0.25%である。PMDは約0.011ps/√kmであり、スパン紡糸で光ファイバを作製すると、PMDは約0.005ps/√kmであった。
(実施例7)
図4に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、外側クラッド2bに約1.4wt%のフッ素と約0.8wt%のゲルマニウムを添加し、内側クラッド2aに約2.0wt%のフッ素と約0.8wt%のゲルマニウムを添加し、リングコア1cに約0.8wt%のゲルマニウムと約0.7wt%のフッ素を添加し、リンググルーヴ1bに約1.4wt%のフッ素を添加し、センタコア1aに約1.2wt%のゲルマニウムを添加した光ファイバを試作した(試作8)。
中心コアと外側クラッドの比屈折率差は約0.50%である。PMDは約0.027ps/√kmであり、スパン紡糸で光ファイバを作製すると、PMDは約0.009ps/√kmであった。
(実施例8)
図5に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、外側クラッド2bに約1.6wt%のフッ素と約0.8wt%のゲルマニウムを添加し、内側クラッド2aに約1.8wt%のフッ素と約0.8wt%のゲルマニウムを添加し、外側リングコア1dに約0.8wt%のゲルマニウムと約0.7wt%のフッ素を添加し、リンググルーヴ1cに約1.4wt%のフッ素を添加し、内側リングコア1bに約1.3wt%のゲルマニウムを添加し、センタグルーヴ1aに約1.2wt%のフッ素を添加した光ファイバを試作した(試作9)。
中心コアと外側クラッドの比屈折率差は約0.53%である。PMDは約0.026ps/√kmであり、スパン紡糸で光ファイバを作製すると、PMDは約0.009ps/√kmであった。
(比較例1)
図4に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、外側クラッド2bに約1.2wt%のフッ素と約0.7wt%のゲルマニウムを添加し、内側クラッド2aに約1.7wt%のフッ素と約0.7wt%のゲルマニウムを添加し、リングコア1cに約0.7wt%のゲルマニウムと約0.6wt%のフッ素を添加し、リンググルーヴ1bに約1.4wt%のフッ素を添加し、センタコア1aに約1.8wt%のゲルマニウムを添加した光ファイバを試作した(試作10)。
中心コアと外側クラッドの比屈折率差は約0.50%である。PMDは約0.054ps/√kmであった。
(比較例2)
図3に示されたような屈折率分布を持つ光ファイバであって、クラッド2に約1.1wt%のフッ素を添加し、リングコア1cに約0.4wt%のゲルマニウムと約0.3wt%のフッ素を添加し、リンググルーヴ1bに約0.4wt%のゲルマニウムと約1.5wt%フッ素を添加し、センタコア1aに約2.4wt%のゲルマニウムと約0.2wt%のフッ素を添加した光ファイバを試作した(試作11)。
中心コアとクラッドの比屈折率差は約0.60%である。PMDは約0.090ps/√kmであり、スパン紡糸で光ファイバを作製すると、PMDは約0.060ps/√kmであった。
光ファイバの長手方向に対する断面と、屈折率分布の一例を示す図である。 光ファイバの長手方向に対する断面と、屈折率分布の一例を示す図である。 光ファイバの長手方向に対する断面と、屈折率分布の一例を示す図である。 光ファイバの長手方向に対する断面と、屈折率分布の一例を示す図である。 光ファイバの長手方向に対する断面と、屈折率分布の一例を示す図である。
符号の説明
1…コア、2…クラッド。

Claims (12)

  1. 1層のコアと2層のクラッドとを持ち、外側クラッドの屈折率が内側クラッドの屈折率よりも高く、石英ガラスを主たる構成材料とする光ファイバであって、
    前記コアの比円率は5%以下であり、
    前記クラッドの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、前記コアがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、
    前記クラッドの各部位のうち添加したゲルマニウムの最も少ない部位のゲルマニウムの濃度をC2とし、前記コアに添加したゲルマニウムの最も多い部位のゲルマニウムの濃度をC1としたときに、C2−C1≧−0.5wt%であり、
    前記コアを構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−2.5×10-7/℃≦α1−α2≦1.0×10-7/℃であり、その偏波モード分散が0.03ps/√km以下であり、
    前記コアと前記外側クラッドとの比屈折率差Δが0.25%〜0.7%であることを特徴とする光ファイバ。
  2. 前記コアを構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−1.5×10-7/℃≦α1−α2≦0/℃であり、その偏波モード分散が0.015ps/√km以下であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ。
  3. 波長1550nmにおける伝送損失が0.22dB/km以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ。
  4. 3層のコアと2層のクラッドとを持ち、外側クラッドの屈折率が内側クラッドの屈折率より高いかもしくは同じであり、センタコアの屈折率がリンググルーヴの屈折率よりも高く、リンググルーヴの屈折率がリングコアの屈折率よりも低く、リングコアの屈折率がクラッドもしくは内側クラッドおよび外側クラッドの屈折率よりも高く、石英ガラスを主たる構成材料とする光ファイバであって、
    前記コアの比円率が5%以下であり、
    前記クラッドの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、前記コアの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、
    前記クラッドの各部位のうち添加したゲルマニウムの最も少ない部位のゲルマニウムの濃度をC2とし、前記コアに添加したゲルマニウムの最も多い部位のゲルマニウムの濃度をC1としたときに、C2−C1≧−0.5wt%であり、
    前記コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−2.5×10-7/℃≦α1−α2≦1.0×10-7/℃であり、その偏波モード分散が0.03ps/√km以下であり、
    前記センタコアと前記外側クラッドとの比屈折率差Δが0.25%〜0.7%であることを特徴とする光ファイバ。
  5. 前記コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−1.5×10-7/℃≦α1−α2≦0/℃であり、その偏波モード分散が0.015ps/√km以下であることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ。
  6. 波長1550nmにおける伝送損失が0.25dB/km以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の光ファイバ。
  7. 4層のコアと2層のクラッドとを持ち、外側クラッドの屈折率が内側クラッドの屈折率より高いかもしくは同じであり、センタグルーヴの屈折率が内側リングコアの屈折率よりも低く、内側リングコアの屈折率がリンググルーヴの屈折率よりも高く、リンググルーヴの屈折率が外側リングコアの屈折率よりも低く、外側リングコアの屈折率がクラッドもしくは内側クラッドおよび外側クラッドの屈折率よりも高く、石英ガラスを主たる構成材料とする光ファイバであって、
    前記コアの比円率が5%以下であり、
    前記クラッドの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、前記コアの各部位のいずれかまたは全てがゲルマニウムおよびフッ素を添加した石英ガラスからなり、
    前記クラッドの各部位のうち添加したゲルマニウムの最も少ない部位のゲルマニウムの濃度をC2とし、前記コアに添加したゲルマニウムの最も多い部位のゲルマニウムの濃度をC1としたときに、C2−C1≧−0.5wt%であり、
    前記コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−2.5×10-7/℃≦α1−α2≦1.0×10-7/℃であり、その偏波モード分散が0.03ps/√km以下であり、
    前記内側リングコアと前記外側クラッドとの比屈折率差Δが0.25%〜0.7%であることを特徴とする光ファイバ。
  8. 前記コアの各部位のうち最も熱膨張係数が大きい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα1、前記クラッドの各部位のうち最も熱膨張係数が小さい部位を構成するガラスの熱膨張係数をα2としたときに、−1.5×10-7/℃≦α1−α2≦0/℃であり、その偏波モード分散が0.015ps/√km以下であることを特徴とする請求項7に記載の光ファイバ。
  9. 波長1550nmにおける伝送損失が0.30dB/km以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の光ファイバ。
  10. 前記コアに添加したゲルマニウムの濃度を最も多い所でも1.5wt%以下とし、フッ素の濃度も同じく1.5wt%以下としたことを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の光ファイバ。
  11. 光ファイバプリフォームに対して捻りを加えて紡糸し、偏波モード分散が0.01ps/√km以下となるようにしたことを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の光ファイバ。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の光ファイバと、この光ファイバの波長分散、分散スロープを補償する光ファイバを組み合わせて形成されていることを特徴とする光伝送路。
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