JP4204775B2 - 薄膜磁界センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間中の磁界を測定する磁界センサに関し、巨大磁気抵抗薄膜、例えばナノグラニュラー巨大磁気抵抗効果薄膜を用いて、磁界の大きさと極性を精密に測定するための薄膜磁界センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、本発明者らが出願した特開平11−87804号公報および特開平11−274599号公報に記載された薄膜磁界センサを示す。図中、巨大磁気抵抗薄膜と書かれた部分は、10kOeの磁界の印加に対して、約10%の大きな電気抵抗変化を示す金属−絶縁体ナノグラニュラー巨大磁気抵抗薄膜である。この例のように、巨大磁気抵抗薄膜の場合には、一般の磁気抵抗効果材料に比して印加磁界に対する電気抵抗値の変化幅は大きいが、前記の通り電気抵抗変化を起こさせるための印加磁界は大きいので、巨大磁気抵抗薄膜のみを単独で用いる場合には、一般に磁界センサとして利用されるような100Oe以下の小さな磁界での電気抵抗値の変化は期待できない。図1の構成は、それを補うものである。すなわち、軟磁性薄膜は周辺の磁束を集める役割を担っており、適切な軟磁性薄膜の寸法を選定することにより、原理的には、軟磁性薄膜周辺の磁界の大小に拘わらず、巨大磁気抵抗薄膜部分に対して軟磁性薄膜の飽和磁束密度以内で、いかようにも大きな磁束密度を印加することが可能である。また、図1の構成を電気抵抗の観点から見ると、軟磁性薄膜間の電気抵抗値は、軟磁性薄膜部分と巨大磁気抵抗薄膜部分の電気抵抗値の和になっているが、巨大磁気抵抗薄膜の電気比抵抗の値は、軟磁性薄膜のそれに比して100倍以上大きいため、実質的に軟磁性薄膜間の電気抵抗値は巨大磁気抵抗薄膜部分の値とほぼ等しい。つまり、軟磁性薄膜間の電気抵抗値には、巨大磁気抵抗薄膜の大きな電気抵抗値変化が直接現れる。図2は、このような図1の構成の電気抵抗変化の例を示すものであり、数Oeの小さな磁界において約6%の電気抵抗値変化を実現しており、従来材料である異方的磁気抵抗効果材料に比して2倍以上大きい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、巨大磁気抵抗薄膜の電気抵抗測定値をもとにして、印加された磁界の絶対値および方向を計測する磁界センサを実現する場合には、図1の構成では、大きな問題があることが判明した。
【0004】
第一の問題は、巨大磁気抵抗薄膜の電気抵抗変化が磁界の方向に依存せず、等方的な特性を有することである。すなわち、図2に示されるように、図1の構成では、磁界の正負の2つの極性に対して同じ電気抵抗変化を示し、磁界の極性を特定することが出来ない。図1の構成のままでは、磁界の大きさのみを検出するセンサとしては利用できるが、磁界の極性を特定する必要のある、地磁気の方向を読み取る方位センサや、着磁した磁性体の相対角度を読み取る角度センサなどには用いることが出来ない。
【0005】
第二の問題は、磁界検出精度の一層の向上を図る必要があることである。図1の構成で磁界強度を読み取るには両側の軟磁性薄膜に接続された電気端子間の抵抗絶対値を読み取り、その値から磁界強度を決定する必要があるが、抵抗絶対値には、例えば温度変化、経時的な変化等不確定な要因を含み易く、その結果読み取られた磁界強度には誤差を含み易い。
【0006】
第三の問題は、軟磁性薄膜に残留する磁化にともなう誤差を低減する必要があることである。図1に用いられる軟磁性薄膜には、残留磁化の可及的に少ない磁性材料が選択されるが、磁界中に置かれた場合には、その磁界強度に応じて何がしかの残留磁化が残ってしまう。この残留磁化は、あたかも外部の磁界強度が変化したのと同様の効果を巨大磁気抵抗薄膜の抵抗値に与えるため、結果的に、残留磁化に対応する磁界強度は読み取りの誤差となる。
【0007】
そこで、本発明は、磁界センサの残留磁化の影響を排除して、磁界の強度と極性を正確に測定することができる磁界センサを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、第一発明は、空隙によって2分割された軟磁性薄膜と、該空隙を埋めるように形成された巨大磁気抵抗薄膜と、2分割された該軟磁性薄膜の各々に電気的に接続された電気端子と、該軟磁性薄膜および該巨大磁気抵抗薄膜を周回して巻かれたコイルと、該電気端子間の電気抵抗値測定手段と、該コイルに所定の電流値を流す手段とを具備し、コイルに、先ず軟磁性薄膜の磁化が実質的に飽和する正方向の電流を流し、続いて飽和に達しない範囲の所定の正の電流を流した時の端子間の電気抵抗値Rppおよび所定の負の電流を流した時の該端子間の電気抵抗値Rpmを計測し、ついで軟磁性薄膜の磁化が実質的に飽和する負の方向の電流を流し、さらに飽和に達しない範囲の所定の負の電流を流した時の該端子間の電気抵抗値Rmmおよび所定の正の電流を流した時の端子間の電気抵抗値Rmpを計測し、これらの電気抵抗値から、((Rpp+Rmp)/2−(Rpm+Rmm)/2)をもって、磁界センサ周辺の磁界強度絶対値および極性を決定することを特徴とする薄膜磁界センサを提供する。
【0009】
第二発明は、電気端子がブリッジ回路の一つのアームを形成してなり、該電気端子間の抵抗値の計測がブリッジ出力電圧の計測により行われることを特徴とする薄膜磁界センサを提供する。
【0010】
第三発明は、コイルが、前記軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜を周回して巻かれた導体薄膜よりなることを特徴とする薄膜磁界センサを提供する。
【0014】
【作用】
本発明の作用は下記の通りである。
第一発明の構成は、図1の構成の磁界センサを周回するコイルおよびそのコイルに所定の電流を流す手段を設けたものである。
【0015】
この様にコイルに所定の電流を流すことによる利点の第一は、正確な値の磁界を軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜に作用させることができることである。つまり、第一発明の様に空芯のコイル中に流れる電流によって生じる磁界は、ビオ・サバールの法則に従うのみであり、コイルの形状さえ安定していれば温度、経時変化を含めて常に一定の磁界を作用させることが可能である。この正確な値の磁界をもとにし、これを参照して周辺の磁界強度を決定することができる。この場合、コイルは線状の導体または薄膜状の導体でも良い。
【0016】
利点の第二は、電流の方向を正負に変えることにより、軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜に作用する磁界の極性を選択できることである。これを参照して周辺磁界の極性判定を行うことが可能である。
利点の第三は、残留磁化による誤差の解消である。コイルに流す電流を実質的に軟磁性薄膜の磁化を実質的に飽和させる値の電流とすることにより、残留磁界の値は強制的に定まった磁化の値とすることができる。
【0017】
第一発明はまた、外部磁界の正確な値と極性を決定すると同時に、残留磁化による誤差の解消を行う具体的構成を示す。つまり、前記コイルには、先ず、軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜が実質的に飽和する様な正方向の電流をコイルに与える。この操作により、軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜中には既に存在していた磁化を解消して強制的に、一つの極性の磁化が与えられる。続いて、前記飽和の電流から飽和しない範囲の所定の正の電流に連続的に電流を減少させ、その状態での端子間の電気抵抗値をRppとする。引き続き、所定の負の電流まで連続的に電流を変化させ、その状態での端子間の電気抵抗値Rpmを計測する。ついで、軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜が実質的に飽和する様な負の方向の電流を与える。この操作により、軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜中には前記磁化を解消して強制的に、逆の極性の磁化が与えられる。続いて飽和に達しない範囲の所定の負の電流を与え、その状態での端子間の電気抵抗値Rmmを測定する。さらに、所定の正の電流まで、電流値を連続的に変化させ、この状態での端子間の電気抵抗値Rmpを計測する。これ等の電気抵抗値から、((Rpp+Rmp)/2−(Rpm+Rmm)/2)をもって、磁界センサ周辺の磁界強度絶対値および極性を決定することにより、磁化の影響を除外した上で、外部磁界の正確な値と極性を決定することが可能である。
【0018】
第二発明は、電気端子間の抵抗値の計測手段として、直接抵抗値を測ることなく、ブリッジ回路の一つのアームにこの電気端子を置いて、ブリッジ出力電圧を計測することにより、抵抗値の計測を、より容易な電圧の計測に置き換えるものである。
【0019】
第三発明は、コイルの実現方法として、軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜を周回して巻かれた導体薄膜技術を適用するものである。この様な導体薄膜技術を適用することにより、軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜に接近した形でのコイルを実現することができる。コイルに、ある電流を流した場合に発生する磁界強度は、コイルとの距離に反比例するので、軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜に所定の磁界強度を与えるに必要な電流の値は、コイルが接近する方が少なくて済む。センサとしての消費電力はコイルに流す電流が支配要因であるので、このコイル技術により、消費電力の少ない、小型の磁界センサの実現が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図3は第一の実施形態を示している。1は例えば、Co77Fe5Si9B 8 の組成を有する軟磁性薄膜である。この材料は飽和磁束密度が12kGと極めて大きく、他方保磁力は0.07Oeと極めて小さい特長を有している。それ等軟磁性薄膜の間には細いスリットが設けられており、そのスリットを埋める様に、例えばCo39Y14O47の成分を持つ巨大磁気抵抗薄膜2が形成されている。軟磁性薄膜1と巨大磁気抵抗薄膜2で構成する部分をセンサ基本素子3と呼ぶ。軟磁性薄膜1の電気比抵抗の値は巨大磁気抵抗薄膜2の電気比抵抗よりも100分の1以下の低い値であるため、軟磁性薄膜1に付けられた端子5、5’の間で測定した電気抵抗の値は、実質的に巨大磁気抵抗薄膜2の電気抵抗値に等しい。6はこの抵抗値の測定部であり、定電流を流した場合の端子間の発生電圧を計測することにより測定される。
【0024】
センサ基本素子3を周回してコイル7が形成されている。コイル7の両端は端子8、8’に接合されている。9は所定の電流を流すための電流発生部(定電流源)である。
【0025】
図4は第二の実施形態を表す。巨大磁気抵抗薄膜2を挟んで2つの軟磁性薄膜1により、全体としてセンサ基本素子3を形成している。センサ基本素子3を周回して例えば、銅の導体薄膜7が形成されている。これ等は一連の薄膜プロセスにより形成される。
【0026】
例えば、基板10の上に、先ずセンサ基本素子の下側部分の導体薄膜7が、適宜フォトレジストおよびスパッタを用いて枕木状に形成される。枕木の間を埋める様に、また枕木の上を覆うように図示しない絶縁膜例えば、SiO2がスパッタにより形成される。SiO2が形成されたままでは、SiO2の上部の面は枕木パターンのままの凹凸が残るので、SiO2の面はラッピングにより平坦化される。その上から軟磁性薄膜1および巨大磁気抵抗薄膜2がフォトレジストおよびスパッタにより形成される。導体薄膜7の端部は柱状に導体膜がスパッタにより積み上げられる。その上から再び図示しない絶縁膜がスパッタ形成される。更にその上に導体薄膜7の上側部分がスパッタ形成される。
【0027】
図5は第三の実施形態である。この場合には、2個のセンサ基本素子3が用いられている。それ等センサ基本素子の端子間に導体膜11を介して巨大磁気抵抗薄膜12が形成されている。各軟磁性薄膜には端子13、14、15、16が接続されている。これ等端子の中で、端子13、15間には入力端子として一定電圧が印加され、端子14、16間は出力端子として電圧を計測する様になっている。つまり、電気的にはセンサ基本素子3と、巨大磁気抵抗薄膜12を導体膜11で挟んだ素子とをアームとするブリッジ回路が形成されている。
【0028】
巨大磁気抵抗薄膜12は磁気的には軟磁性薄膜1と分離されており、センサ基本素子間の抵抗値変化はそのまま出力端子14、16間の電圧変化として現れる。これ等センサ基本素子を周回してコイル7および端子8、8’が形成されている。図5においてコイル7は薄膜コイルであるが、簡単のため実線で表している。
【0029】
第四の実施形態を説明するのが図6〜8である。図6は、図3の構成について、コイルの電流が零の場合に電気抵抗値が外部磁界強度によってどう変化するかの一例を示したものである。
【0030】
図6の例では、磁界強度零の時の電気抵抗値は約250kΩ、磁界強度を増すに従って電気抵抗値は暫減し、5Oeの場合には約240kΩとなる。
【0031】
一方、図7は外部磁界強度が零の場合にコイルに電流を流した場合の電気抵抗値変化を示している。図6と図7は横軸を1Oe=5mAで置き換えるとほぼ完全に一致する。つまり、外部からの磁界変化とコイルに流す電流の作る磁界はほぼ等価となる。
【0032】
ここで、図8は、外部磁界強度1Oe中に置いて電流を流した場合の電気抵抗値変化を示している。図8によれば、電流が−5mAの時に発生する磁界強度は−1Oeとなり、この場合には外部からの磁界を丁度キャンセルすることが分かる。従って、図8に示す様に、−5mAのバイアスを持った形となることが言える。
【0033】
ここで、仮に正および負方向の電流Im(この場合には8mA)を流した場合には、電気抵抗値は各々Rp、およびRmとなる。このRmとRpの差を取れば、その量は外部から印加された磁界強度がある限界内の場合には磁界強度と比例関係にある。
【0034】
例えば、図9はΔR=(Rm−Rp)と外部磁界強度との関係を示すもので、±2Oeまではリニアな関係になっている。ここで特筆すべきは、Hが±2Oeの場合には、Hが正、負に対応して(Rm−Rp)も正、負となり、符号も含めてリニアな関係になっていることである。つまり、本発明がめざした、磁界強度の絶対値および極性の検出が可能になっている。ここで、磁界強度を検出する時に流す電流値の選択については、図7において、電流値と電気抵抗値がリニアに変化している部分のほぼ中央を狙えば、磁界強度の測定範囲のリニアな部分を最大化することができる。
【0035】
第五の実施形態は、軟磁性薄膜に何らかの原因で残留磁化が残ってしまった場合の対処である。コイルに実質的に軟磁性薄膜を飽和させる様な電流を流すことにより、意図的に軟磁性材料をある方向に磁化させることにより一つの安定状態にすることが可能である。仮に何がしかの残留磁化が残っていても、コイルに強制的にある磁化方向に飽和させる様な電流を流すことにより、一つの安定状態となる。また、飽和させる様な電流を逆に流してやれば、逆方向に磁化されたもうひとつの安定状態になる。つまり、飽和させる電流を流すことは、過去の履歴をすべてキャンセルする効果がある。
【0036】
第六の実施形態は、図10に示される。先ず、軟磁性薄膜を飽和させる電流Isを流す。Isを流した後は、そのまま、飽和に達しない電流+Imに下げる。これは図10において、IsからImに向かう矢印にそって移動することを意味している。ここで、電気抵抗値Rppの測定を行う。続いて、電流値を+Imから−Imまで連続的に変化させる。そこでの電気抵抗値をRpmとする。次に、飽和させる電流Isを逆方向に流す。−Isから今度は徐々に零に向かって電流値を減少させ、−Imの電流値での電気抵抗値をRmmとする。更に、−Imから+Imに連続的に電流を変化させてRmpを測定する。この操作では、いわゆるBHカーブのヒステリシス曲線の丁度境界線上を移動することに相当するので、軟磁性材料がそれ以前に保有していた残留磁化の影響はすべてキヤンセルされる。その様にして得られた電気抵抗値につき、(Rmm+Rpm)/2と、(Rmp+Rpp)/2の差をとってやることにより、残留磁化の影響を除外して純粋な外部の磁界強度の測定が可能になる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、外部磁界の正確な値と極性を決定すると同時に、残留磁化による測定誤差の解消を行うことができる。
【0038】
又、本発明によれば、軟磁性薄膜及び巨大磁気抵抗薄膜を周回する薄膜コイルを使用するので、消費電力の少ない、小型の磁界センサの実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の薄膜磁界センサの斜視図。
【図2】 図1の従来の薄膜磁界センサにおける電気抵抗変化率と磁界の関係を示すグラフ。
【図3】 第一の実施形態の薄膜磁界センサの斜視図。
【図4】 薄膜コイルを備えた第二の実施形態の薄膜磁界センサの斜視図。
【図5】 ブリッジ回路を形成した第三の実施形態の斜視図。
【図6】 図3の第一の実施形態の薄膜磁界センサにおいて、コイルの電流が零の時の電気抵抗値と磁界の関係を示すグラフ。
【図7】 図3の第一の実施形態の薄膜磁界センサにおいて、磁界が零の時の電気抵抗値とコイル電流の関係を示すグラフ。
【図8】 図3の第一の実施形態の薄膜磁界センサにおいて、磁界が1Oeの時の電気抵抗値とコイル電流の関係を示すグラフ。
【図9】 第四の実施形態において、ΔRと磁界の関係を示すグラフ。ここに、ΔRは、コイルに流す電流が、軟磁性薄膜の磁化が飽和に達しない範囲の絶対値が実質的に相等しく且つ方向が正および負方向の2つの電流であって、正方向の電流を流した時の該電気端子間の電気抵抗値Rpと負方向の電流を流した時の電気端子間の電気抵抗値Rmの差(Rm−Rp)である。
【図10】 第六の実施形態において、6残留磁化の影響を除外して純粋な外部の磁界強度の測定を行う方法を説明するための電気抵抗値とコイル電流の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1、12;軟磁性薄膜
2;巨大磁気抵抗薄膜
3;センサ基本素子
7;導体薄膜
8、8’;コイル端子
11;導体膜
13、14、15、16;端子
Claims (3)
- 空隙によって2分割された軟磁性薄膜と、
該空隙を埋めるように形成された巨大磁気抵抗薄膜と、
2分割された該軟磁性薄膜の各々に電気的に接続された電気端子と、
該軟磁性薄膜および該巨大磁気抵抗薄膜を周回して巻かれたコイルと、
該電気端子間の電気抵抗値測定手段と、
該コイルに所定の電流値を流す手段とを具備し、
コイルに、先ず軟磁性薄膜の磁化が実質的に飽和する正方向の電流を流し、
続いて飽和に達しない範囲の所定の正の電流を流した時の端子間の電気抵抗値Rppおよび所定の負の電流を流した時の該端子間の電気抵抗値Rpmを計測し、
ついで軟磁性薄膜の磁化が実質的に飽和する負の方向の電流を流し、
さらに飽和に達しない範囲の所定の負の電流を流した時の該端子間の電気抵抗値Rmmおよび所定の正の電流を流した時の端子間の電気抵抗値Rmpを計測し、
これらの電気抵抗値から、((Rpp+Rmp)/2−(Rpm+Rmm)/2)をもって、磁界センサ周辺の磁界強度絶対値および極性を決定することを特徴とする薄膜磁界センサ。 - 電気端子がブリッジ回路の一つのアームを形成してなり、該電気端子間の抵抗値の計測がブリッジ出力電圧の計測により行われることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁界センサ。
- コイルが、軟磁性薄膜および巨大磁気抵抗薄膜を周回して巻かれた導体薄膜よりなることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の薄膜磁界センサ。
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