JP4204384B2 - レーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザ装置に接続される光ファイバの有無を検出することが可能なレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、レーザ光を出力するレーザ装置のコネクタに、外部から光ファイバが接続されているか否かを確認する方法として、上記コネクタに装着される光ファイバのプラグを挟むように発光素子と受光素子とをコネクタの設置位置付近に配置し、発光素子からの光を受光素子が受光するか否かによってコネクタへのプラグの接続を確認する方法がある。すなわち、受光素子が発光素子からの光を検出しているときには、外部からの光ファイバのプラグがコネクタに接続されていないと判断し、受光素子が発光素子からの光を検出しないときには、光ファイバのプラグによって発光素子からの光が遮断されていることになるので、外部からの光ファイバのプラグがコネクタに接続されていると判断している(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また、レーザ装置のコネクタの基台部に、この基台部とは電気的に絶縁させた2本のコネクタ接続検出ピンを固定し、これらのコネクタ接続検出ピンが、コネクタに着脱される光ファイバの導電性のプラグによって短絡・開放(オン・オフ)となることを利用して、コネクタへのプラグの接続を確認する方法がある(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開昭62−158408号公報(第8〜9頁、第1図)
【特許文献2】
特開平9−281359号公報(第3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光ファイバへ入射するレーザ光は、その100%が光ファイバ内部に導光されるわけではなく、光ファイバ端面で反射光が発生し、周囲の温度上昇を引き起こす。たとえば、数kWクラスの大出力レーザでは、この反射光が数十Wにもなる。このため、光ファイバのコネクタに上述した特許文献2のように配線などを行う場合、光ファイバのコネクタ付近を水冷して周囲温度を下げたり、光ファイバのコネクタの周囲の温度上昇に耐えうるテフロン(登録商標)電線などの特殊な電線を用いたりする必要がある。また、特許文献1に示されるように、光ファイバのコネクタの周囲に発光素子や受光素子を設置する場合には、これらの素子は高温でも使用可能なものにしなければならず高価なものとなってしまう。
【0006】
このように、光ファイバのコネクタ近傍に、配線や発光素子および受光素子を配置する場合には、高温に対するための特殊な部品を使用する必要があり、そのような部品は、構造的に複雑化し、コスト的に高価になってしまうという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、レーザ装置に設けられる光ファイバコネクタ近傍に配線や半導体素子を配置することなく、光ファイバコネクタへの外部からの光ファイバの接続の有無を検出することが可能なレーザ装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかるレーザ装置は、レーザ光出力手段から出力されるレーザ光を、2以上に分岐して、光ファイバを着脱可能に接続することが可能な前記分岐されたレーザ光の数と等しい数の光ファイバ接続手段に導いて出射するレーザ装置において、複数の前記光ファイバ接続手段から出射されるレーザ光が互いに重なる光路上に配置される、レーザ光を吸収するレーザ光吸収手段と、前記レーザ光吸収手段の温度を計測し、その結果を計測信号として出力する温度計測手段と、前記温度計測手段から出力される計測信号に基づいて、前記光ファイバ接続手段への光ファイバの接続の有無を判定し、光ファイバが接続されていないと判定された場合には、前記レーザ光出力手段から出力されるレーザ光を停止する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるレーザ装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明にかかるレーザ装置の実施の形態1の概略構成を示すブロック図であり、図2は、図1のレーザ装置のレーザ光出射口付近の構成を模式的に示す側面断面図であり、図3は、図1のレーザ装置の制御部の構成を模式的に示すブロック図であり、図4は、レーザ装置の制御部内に格納される基準データの内容の一例を示す図であり、そして、図5は、制御部による光ファイバの接続の有無の判定処理の手順を示すフローチャートである。
【0011】
図1に示されるように、この発明によるレーザ装置は、レーザ光を発振し、外部の光ファイバをレーザ光出射口12に着脱可能な構成を有するレーザ光出力部10と、レーザ光出力部10のレーザ光出射口12に光ファイバが接続されているか否かの検知を行うコネクタ接続検知部20と、レーザ光出力部10の制御を行うとともに、コネクタ接続検知部20から出力される計測信号から、レーザ光出射口12への光ファイバの接続の有無を判定する制御部30と、を備えて構成される。
【0012】
レーザ光出力部10は、レーザ光を発振するレーザ発振器11と、レーザ発振器11から発振されるレーザ光を外部に取り出すためのレーザ光出射口12と、レーザ光出射口12に外部からの光ファイバを着脱可能に接続するために設けられる光ファイバコネクタ13と、光ファイバコネクタ13に接続される光ファイバの端面にレーザ発振器11からのレーザ光を集光させるファイバ入射レンズ14と、光ファイバコネクタ13に光ファイバが接続されていない場合に、光ファイバコネクタ13の貫通孔17からのレーザ光の外部への漏洩を防ぐ開閉可能な遮蔽用部材15と、を備えて構成される。なお、レーザ発振器11とファイバ入射レンズ14は、筐体16内に収められており、レーザ発振器11から発振されるレーザ光Lの光路上にレーザ光出射口12が設けられ、このレーザ光出射口12上に光ファイバコネクタ13が設けられる。また、この図2では、レーザ光出射口12付近の概略的な構成を説明するための図であり、各構成要素のサイズや各構成要素間の距離などは、正確なものではない。さらに、レーザ発振器11は、特許請求の範囲におけるレーザ光出力手段に対応している。
【0013】
レーザ発振器11として、たとえば、固体レーザ発振器、ガスレーザ発振器または半導体レーザなどの公知のレーザ発振器を使用することができる。また、光ファイバコネクタ13として、ねじ(ナット)によって装着するFC形の光コネクタや、プッシュプル挿抜式のSC形の光コネクタなど公知の光コネクタを使用することができる。
【0014】
遮蔽用部材15は、板金などから構成され、光ファイバコネクタ13に光ファイバが接続されていないときに、光ファイバコネクタ13の貫通孔17からのレーザ光が外部に出射されないように、光ファイバコネクタ13の貫通孔17を覆うように設けられる。また、光ファイバコネクタ13に光ファイバが接続されているときには、光ファイバの接続に邪魔とならないように移動させることができる構成を有する。たとえば、上述した特許文献1の第4図に示されるように、光ファイバコネクタ13が設けられる筐体16上の面に垂直な1本の軸によって支持され、この軸を支点として上記光ファイバコネクタ13が設けられる筐体16上の面と平行な面内での移動動作によって開閉する構造を有するものであってもよいし、または特許文献2の第2図に示されるように、遮蔽用部材15の上部に紙面に垂直な方向の軸を介して筐体16に支持されるように構成し、上記軸を支点とした紙面内の移動動作によって開閉する構造を有するものであってもよい。この遮蔽用部材15によって、光ファイバが接続されていない光ファイバコネクタ13から出射されるレーザ光の外部への漏れが防止される。
【0015】
コネクタ接続検知部20は、レーザ光吸収体21と、センサ22とを備えて構成される。レーザ光吸収体21は、レーザ光を吸収する材料から構成され、鉄などの金属板を用いることができる。なお、センサ22は、特許請求の範囲における温度検出手段に対応している。
【0016】
レーザ光吸収体21は、光ファイバコネクタ13と遮蔽用部材15との間のレーザ光Lの光路上に設けられる。これによって、レーザ光吸収体21には、レーザ光が直接照射される。レーザ光吸収体21は、光ファイバコネクタ13から遠く離れて設置されている場合は、温度上昇が鈍くなり、近くに設置されている場合は、温度上昇は急になるため、レーザ光吸収体21と光ファイバコネクタ13の間の距離を調整することによって、光ファイバの光ファイバコネクタ13への接続の有無の検出までの時間を調整することができる。一般的に、光ファイバの接続の有無の判定時間は、短い方がよいため、光ファイバコネクタ13の近傍に配置することが望ましい。ただし、光ファイバを光ファイバコネクタ13に接続したときに、レーザ光吸収体21によって光ファイバが極度に変形されてしまうような位置に、レーザ光吸収体21を設けるべきではない。このレーザ光吸収体21は、遮蔽用部材15に図示しない接続部材を介して支持されるように設けてもよいし、光ファイバコネクタ13が設けられる筐体16上の面に図示しない接続部材を介して支持されるように設けてもよいし、レーザ装置が備えられる図示しない基台上に設けてもよい。
【0017】
センサ22は、レーザ光吸収体21の温度を測定し、その測定結果を制御部30に出力する。このセンサ22として、たとえば温度スイッチや熱電対などを使用することができ、温度スイッチや熱電対を用いる場合には、レーザ光吸収体21に接触して取り付けられる。ただし、レーザ光吸収体21に接触して取り付ける場合のセンサ22として、レーザ光吸収体21にレーザが照射されてから遮断されるまでのわずかな時間における急激な温度上昇に耐えられるものである必要がある。
【0018】
このコネクタ接続検知部20によって、光ファイバコネクタ13に光ファイバが接続されていない場合に、光ファイバコネクタ13からレーザ光が出力されていることが検知される。
【0019】
制御部30は、図3に示されるように、レーザ装置の使用者による設定、操作や、後述する判定部32から出力される結果に基づいてレーザ発振器11から出力されるレーザ光の出力を制御するレーザ制御部31と、コネクタ接続検知部20のセンサ22によって、レーザ光吸収体21にレーザ光が照射されているか否かを判定する判定部32と、を備えて構成される。
【0020】
この実施の形態1による判定部32は、あるレーザ出力値のレーザ光が照射される場合において、所定の時間内にレーザ光吸収体21の変化する(上昇する)温度によって、光ファイバコネクタ13への光ファイバの接続の有無を判定する方法を採っている。たとえば、所定の温度に達するまでの時間で、光ファイバコネクタ13への光ファイバの接続の有無を判定する方法では、レーザ出力値が高いほど、レーザ光吸収体21の温度上昇は急激になり、所定の温度に早く達するが、レーザ出力値が低い場合には、レーザ光吸収体21の温度上昇はそれほど急激ではなくなる。このように、レーザ出力値によって判定の基準となる時間が変化してしまっては、判定の処理が複雑化してしまう。そこで、時間の変化をなくして(計測時間を所定の値にして)、レーザ出力値に応じて、判定の基準となる判定値(温度変化の値)を変更するように構成した。
【0021】
判定部32は、図3に示されるように、レーザ出力値入力部33、判定基準格納部34、判定基準抽出部35、比較部36を有する。レーザ出力値入力部33は、使用されるレーザ光の出力値(レーザ出力値)を入力する機能を有する。レーザ出力値は、使用者によって設定された指令値、または実際に出力されているレーザ光のモニタ値のいずれかを使用することができる。なお、これらのいずれの値を使用した場合でも、動作は同じであるので、ここでは、まとめて「レーザ出力値」と表現している。
【0022】
判定基準格納部34は、センサ22によって出力される計測信号から、光ファイバコネクタ13に光ファイバが接続されているか否かを判定するための基準データを格納する。この実施の形態1では、図4に示されるように、あるレーザ出力値で出力されるレーザ光がレーザ光吸収体21に、所定時間照射されたときに上昇した温度を基準データとしている。この図4で、「レーザ出力値」は、出力されるレーザ光の出力値であり、上述したようにモニタした値でも、設定値でもよい。そして、「判定温度」は、「レーザ出力値」のレーザによって、所定時間レーザ光吸収体21が照射された場合の温度上昇値が格納される。この判定基準格納部34に格納される基準データは、あらかじめ、レーザ光吸収体21にレーザ光を照射し、判定を行いたい時間までの温度上昇をレーザ出力値ごとに測定して得られる。
【0023】
判定基準抽出部35は、レーザ出力値入力部33に入力されたレーザ出力値に対応する判定基準を、判定基準格納部34から抽出する。たとえば、レーザ出力値入力部33に入力されたレーザ出力値が、「100W」の場合には、図3の判定基準格納部34から、判定温度としてレーザ出力値が「100W」に対応する「100℃」が抽出される。そして、この抽出された判定温度が、判定の基準データとなる。
【0024】
比較部36は、センサ22から出力される所定時間内の計測信号から得られる温度変化の値と、判定基準抽出部35によって抽出された基準データとを比較し、その比較結果に基づいてレーザ光の発振を停止するか、または発振しつづけるかをレーザ制御部31に出力する機能を有する。たとえば、レーザ出力値入力部33に入力されたレーザ出力値が「100W」の場合、基準データである判定温度は「100℃」であるが、所定時間内にセンサ22から出力される計測信号より得られる温度上昇値が、100℃未満であった場合には、レーザ光吸収体21にレーザ光が照射されていないと判定し、レーザ光の発振を続けるようにレーザ制御部31に出力し、100℃以上であった場合には、レーザ光吸収体21にレーザ光が照射されていると判定し、レーザ光の発振を停止するようにレーザ制御部31に出力する。
【0025】
ここで、制御部30の判定部32の処理手順について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。まず、レーザ出力値入力部33によって、レーザ出力値が入力される(ステップS1)。判定基準抽出部35は、入力されたレーザ出力値に対応する温度上昇値の基準データを判定基準格納部34から抽出する(ステップS2)。そして、比較部36は、所定の時間内にセンサ22から入力される計測信号によって得られる温度上昇値を、ステップS3で抽出された温度上昇値の基準データと比較する(ステップS3)。計測信号によって得られる温度上昇値が基準データよりも低い場合(ステップS3でNoの場合)には、光ファイバコネクタ13には光ファイバコネクタ13が接続されていると判定し、レーザ光の発振を続ける判定結果をレーザ制御部31に出力する(ステップS4)。その後、処理を続行する場合(ステップS5でYesの場合)には、再びステップS1に戻って判定処理を行い、処理を終了する場合(ステップS5でNoの場合)には、処理が終了する。
【0026】
一方、ステップS3で所定時間内に計測信号によって得られる温度上昇値が基準データ以上である場合(ステップS3でYesの場合)には、光ファイバコネクタ13には光ファイバコネクタ13が接続されていないと判定し、レーザ光の発振を停止する判定結果をレーザ制御部31に出力し(ステップS6)、レーザ制御部31によるレーザ光の出力が停止される。そして、処理が終了する。
【0027】
つぎに、このような構成を有するレーザ装置の動作について説明する。まず、レーザ装置が起動され、レーザ発振器11からレーザが出力される。レーザ光を出力した後、センサ22がレーザ光吸収体21の温度を計測し、その計測信号を制御部30の判定部32に出力する。判定部32は、入力される計測信号に基づいて、レーザ光吸収体21にレーザ光が照射されているか否かを判定する。所定時間以内に所定の温度上昇が測定されない場合には、判定部32は、光ファイバが光ファイバコネクタ13に接続されている状態であると判定し、レーザ制御部31は、そのまま処理を続行する。
【0028】
一方、センサ22によって出力される計測信号が、所定時間内に所定の温度上昇を示す場合には、制御部30の判定部32は、レーザ光がレーザ光吸収体21に照射されている状態、つまり、光ファイバコネクタ13に光ファイバが接続されていない状態、であると判定して、その結果をレーザ制御部31に出力する。その後、レーザ制御部31は、レーザ発振器11から光ファイバコネクタ13へ出力されるレーザ光を停止する。
【0029】
この実施の形態1によれば、レーザ光を吸収するレーザ光吸収体21と、レーザ光吸収体21の温度を計測するセンサ22と、センサ22によって出力されるレーザ光吸収体21の温度変化の計測信号からレーザ光吸収体21のレーザ光の照射の有無を判定し、レーザ光がレーザ光吸収体21に照射されている場合には、レーザ光の出力を停止する制御部30とを備えるように構成したので、発光素子や受光素子などの特別な回路や回路を構成するための特殊な配線を必要とすることなく、簡単な構成で光ファイバコネクタ13への光ファイバの接続の有無を検知することができる。
【0030】
また、センサ22として、レーザ光吸収体21にレーザ光が照射されてから、制御部30によってレーザ光が遮断されるまでの瞬時の温度上昇に耐えることができるものであればよいという性質を持つ材料であればよいので、従来使用していた特殊な配線や発光素子や受光素子などの素子を用いる場合に比して、安価な構成を得ることができる。
【0031】
ところで、レーザ光の照射の有無を受光素子などの半導体素子で構成することは可能ではあるが、受光素子などの半導体素子は小型であるために、熱伝導率がよく、瞬間的に温度が上昇してしまう。また、半導体素子は、通常、使用される最大温度は80度程度であるものが一般的である。このため、この発明のレーザ光吸収体21(一般的には鉄などの金属板)に比べ、熱的に弱く、光ファイバコネクタ13近傍に配置した場合、レーザ光のビーム強度が高くなるため、故障する確率が高くなる。そのため、この発明によるレーザ光吸収体21の設置位置のように、受光素子を光ファイバコネクタ13の近くには配置することができない。したがって、レーザ光が筐体16外に漏れないようにするための遮蔽用部材15の位置を、この発明によるレーザ光吸収体21を用いる場合に比べて、光ファイバコネクタ13から遠ざける必要がある。その結果、レーザ発振器11(レーザ装置)の外形が大きくなってしまい、コスト的に不利となってしまっていた。しかし、この発明によるレーザ装置によれば、レーザ光吸収体21を、光ファイバコネクタ13の近傍に配置することができるので、レーザ発振器11(レーザ装置)の外形が大きくなることを防止でき、しかも、単純で安価な構成で、光ファイバコネクタ13への光ファイバの接続の有無を検出することが可能となる。
【0032】
実施の形態2.
図6は、この発明にかかるレーザ装置のレーザ光出射口付近の実施の形態2の構成を模式的に示す側面断面図である。このレーザ装置は、実施の形態1の図2のレーザ装置において、互いに近接して配置された2つの光ファイバコネクタ13A,13Bを備えた構成を有している。そのために、レーザ発振器11から出力されるレーザ光が第1のミラー18Aによって、そのまま真直ぐに進む第1のレーザ光L1と、90度進路を変えて進む第2のレーザ光L2の2つに分岐される。第1のレーザ光L1は、そのまま第1のファイバ入射レンズ14Aによって第1の光ファイバコネクタ13Aに接続される光ファイバの端面に集光され、出射される。また、第2のレーザ光L2は、第2のミラー18Bによって第1のレーザ光L1の進行方向とほぼ平行な方向に進路を曲げられ、第2のファイバ入射レンズ14Bによって第2の光ファイバコネクタ13Bに接続される光ファイバの端面に集光され、出射される。
【0033】
コネクタ接続検知部20のレーザ光吸収体21は、図6に示されるように、第1の光ファイバコネクタ13Aからそのまま出射される第1のレーザ光L1の光路と、第2の光ファイバコネクタ13Bからそのまま出射される第2のレーザ光L2の光路とが重なる位置に配置される。このように、1つのレーザ発振器11から分岐して複数の光ファイバコネクタ13A,13Bから出射されるレーザ光L1,L2の光路が重なる位置に、レーザ光吸収体21を配置することによって、いずれかの光ファイバコネクタ13に光ファイバが接続されていない状態を検知することができる。
【0034】
なお、実施の形態1の図2と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略している。また、制御部30の構成も実施の形態1と同様であるので、その説明を省略している。
【0035】
つぎに、このレーザ装置の動作について説明する。まず、レーザ装置が起動され、レーザ発振器11からレーザが出力される。レーザ光を出力した後、センサ22がレーザ光吸収体21の温度を計測し、その計測信号を制御部30の判定部32に出力する。判定部32は、入力される計測信号に基づいて、レーザ光吸収体21にレーザ光が照射されているか否かを判定する。所定時間以内に所定の温度上昇が測定されない場合には、判定部32は、すべての光ファイバコネクタ13A,13Bに光ファイバが接続されている状態であると判定し、そのまま処理を続行する。
【0036】
一方、センサ22によって出力される計測信号が、所定時間内に所定の温度上昇を示す場合には、判定部32は、レーザ光吸収体21がレーザ光に照射されている状態、つまり、少なくとも1つの光ファイバコネクタ13A,13Bに光ファイバが接続されていない状態、であると判定して、その結果をレーザ制御部31に出力する。その後、レーザ制御部31は、レーザ発振器11から光ファイバコネクタ13へ出力されるレーザ光を停止する。
【0037】
なお、上述した図6では、1つのレーザ発振器11から出射されるレーザ光を2つに分岐した場合を例に挙げて説明したが、3つ以上に分岐した場合であっても、光ファイバコネクタ13から出射される分岐されたレーザ光の光路に重なる部分があれば同様にして構成することができる。
【0038】
この実施の形態2によれば、1つの光源から分岐した2以上の光ファイバコネクタ13A,13Bが備えられるレーザ装置において、それぞれの光ファイバコネクタ13A,13Bから出力されるレーザ光L1,L2の光路が互いに重なる位置にレーザ光吸収体21を配置するように構成したので、いずれかの光ファイバコネクタ13A,13Bからレーザ光が外部に出射されたことを検知して、レーザ光の出力を停止することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、光ファイバがレーザ装置の光ファイバコネクタに接続されていない状態において、光ファイバコネクタから出射されたレーザ光が外部に漏れないように遮蔽する遮蔽用部材と、この遮蔽用部材と光ファイバコネクタとの間のレーザ光路上に配置されるレーザ光吸収体と、このレーザ光吸収体の温度を計測するセンサと、このセンサによる出力に基づいて光ファイバコネクタへの光ファイバの接続の有無を判定する制御部と、を備えるように構成したので、光ファイバが光ファイバコネクタに接続されていない場合には、レーザ光出力を速やかに停止することができる。そして、光ファイバコネクタの近傍に、光ファイバの接続の有無の確認を行うための配線や半導体素子を配置する必要がないため、光ファイバコネクタ部の水冷や、特殊な電線を用いる必要がないという効果を有する。その結果、構造的に単純化され、コスト的に安価になった光ファイバコネクタへの光ファイバの接続の有無を確認することが可能なレーザ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかるレーザ装置の実施の形態1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のレーザ装置のレーザ光出射口付近の構成を模式的に示す側面断面図である。
【図3】 図1のレーザ装置の制御部の構成を模式的に示すブロック図である。
【図4】 レーザ装置の制御部内に格納される判定基準データの内容の一例を示す図である。
【図5】 制御部による光ファイバの接続の有無の判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】 この発明にかかるレーザ装置のレーザ光出射口付近の実施の形態2の構成を模式的に示す側面断面図である。
【符号の説明】
10 レーザ光出力部、11 レーザ発振器、12 レーザ光出射口、13,13A,13B 光ファイバコネクタ、14,14A,14B ファイバ入射レンズ、15 遮蔽用部材、16 筐体、17 貫通孔、18A,18B ミラー、20 コネクタ接続検知部、21 レーザ光吸収体、22 センサ、30制御部、31 レーザ制御部、32 判定部、33 レーザ出力値入力部、34 判定基準格納部、35 判定基準抽出部、36 比較部。
Claims (2)
- レーザ光出力手段から出力されるレーザ光を、2以上に分岐して、光ファイバを着脱可能に接続することが可能な前記分岐されたレーザ光の数と等しい数の光ファイバ接続手段に導いて出射するレーザ装置において、
複数の前記光ファイバ接続手段から出射されるレーザ光が互いに重なる光路上に配置される、レーザ光を吸収するレーザ光吸収手段と、
前記レーザ光吸収手段の温度を計測し、その結果を計測信号として出力する温度計測手段と、
前記温度計測手段から出力される計測信号に基づいて、前記光ファイバ接続手段への光ファイバの接続の有無を判定し、光ファイバが接続されていないと判定された場合には、前記レーザ光出力手段から出力されるレーザ光を停止する制御手段と、
を備えることを特徴とするレーザ装置。 - 前記制御手段は、
前記レーザ光の出力を入力するレーザ出力値入力手段と、
レーザ光の出力と、この出力のレーザが前記レーザ光吸収手段に所定時間照射された場合の前記レーザ光吸収手段の温度変化と、を含む判定基準を予め格納する判定基準格納部と、
前記レーザ出力値入力手段によって入力されたレーザ光の出力値に対応する判定基準を前記判定基準格納部から抽出する判定基準抽出手段と、
前記温度計測手段からの計測信号を、前記判定基準と比較して、前記光ファイバ接続手段への光ファイバの接続の有無を判定する比較手段と、
前記比較手段によって、光ファイバが接続されていないと判定された場合に、前記レーザ光出力手段から出力されるレーザ光を停止するレーザ制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
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