JP4204299B2 - エレベータの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエレベータの制御装置に係り、特に昇降路の終端階において乗りかごが所定の速度を超えていた場合に強制的に減速させる終端階強制減速機能を有するエレベータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータの昇降路内には、乗りかごが何らかの原因で非常止め装置が作動するような速度で異常走行した場合に、昇降路底部に衝突しても乗りかご内の乗客が安全であるように、そのときの衝撃を抑えて停止させる安全装置としてバッファ(緩衝器)が設けられる。また、定格速度の大きい高速エレベータでは、予めバッファに当たる前に強制的に減速させる終端階強制減速装置を主制御装置の制御系とは独立に設けて、定格速度に見合ったバッファを使用してピット深さを短くしている。
【0003】
ここで、終端階強制減速装置を備えた従来のエレベータ制御装置について説明する。
【0004】
図15は従来のエレベータ制御装置の構成を示す図であり、巻上機1の駆動によってロープ2を介して乗りかご3とカウンタウエイト4とをつるべ式に昇降させるロープ式エレベータにおけるエレベータ制御装置の構成が示されている。
【0005】
主制御装置を構成する主制御回路(CPU)11は、巻上機1の軸端1aに設けられた回転センサ5からの出力信号を受けて巻上機1を駆動制御するなどのエレベータの基本制御を行う。また、この主制御回路11とは別系統で、終端階強制減速装置を構成する制御回路(CPU)21が設けられている。
【0006】
この終端階強制減速装置は、乗りかご3が昇降路の終端階に向けて走行中に所定の位置に対して速度が定格速度以内に減速できていない状態を検出して安全に停止させるための安全装置であって、乗りかご3の位置を検出する複数のリミットスイッチ6a〜6fを昇降路の終端階(最上階付近と最下階付近)に所定間隔毎に配置して、これらのリミットスイッチ6a〜6fの状態を監視することで実現される。図15の例では、リミットスイッチ6a〜6cを最下階付近、リミットスイッチ6d〜6fを最上階付近に配設した場合が示されている。この終端階強制減速装置の制御回路21には、上記各リミットスイッチ6a〜6fの出力が接続されており、また、ガバナ(調速機)に設けられたかご速度検出器7の出力が接続されている。
【0007】
また、昇降路ピット内には、乗りかご3用のバッファ8aとカウンタウエイト4用のバッファ8bが設けられている。バッファ8a、8bは、それぞれピット底部に設置されており、乗りかご3やカウンタウエイト4の衝撃を緩和するものである。
【0008】
図16に従来のリレー回路の構成を示す。
【0009】
終端階強制減速装置の制御回路21と終端階強制減速リレー(1SR)31が接続されており、制御回路21が出力をONすれば、終端階強制減速リレー(1SR)31がONする。安全回路リレー(SCR)32の条件に終端階強制減速リレー(1SR)31が入っており、終端階強制減速リレー(1SR)31がOFFすれば、安全回路リレー(SCR)32がOFFする。また、ブレーキ制御回路リレー(BKR)33の条件に安全回路リレー(SCR)32が入っており、安全回路リレー(SCR)32がOFFすると、ブレーキ制御回路リレー(BKR)33がOFFする。ブレーキ制御回路リレー(BKR)33がONしているときには、ブレーキコイル(BK)34が通電され、巻上機1のブレーキが開放された状態(ブレーキOFF)となる。
【0010】
一方、ブレーキ制御回路リレー(BKR)33がOFFすると、ブレーキコイル(BK)34の通電が遮断され、巻上機1のブレーキが釈放された状態(ブレーキON)となる。また、主制御回路11には、モータ駆動制御用のインバータ35が接続されており、インバータ35を制御するゲート出力は、安全回路リレー(SCR)32がOFFすると遮断される。
【0011】
ここで、終端階減速装置の制御回路21は、通常時は終端階強制減速リレー(1SR)31をONしている。これにより、ブレーキは作用せず、乗りかご3は終端位置で通常に停止する。また、乗りかご3が昇降路内のリミットスイッチ6a〜6fを通過したときの乗りかご3の速度が所定値を超えている場合に、終端階強制減速リレー(1SR)31をOFFしてインバータ35を停止させると共に、巻上機1のブレーキをかけて乗りかご3がバッファ8aに当たる時に(上昇運転の時はカウンタウエイト4がバッファ8bが当たる時)の定格速度以下に強制的に減速させて停止させる。
【0012】
図17に終端階強制減速装置による減速特性を示す。
【0013】
図中のaは定常走行時の減速曲線、bは定格速度+余裕10%の減速曲線、cはガバナ動作速度、dはバッファ衝突速度を示す。また、p1〜p3はリミットスイッチによるかご位置の検出ポイントであり、eはこれらの検出ポイントp1〜p3での終端階減速装置の検出特性、fとgはこの終端階減速装置の検出特性に対応した修正後のブレーキ減速曲線と修正前のブレーキ減速曲線を示している。
【0014】
乗りかご3が終端階位置に向かって定常走行しているときの減速曲線はaのようになる。ここで、検出ポイントp1〜p3で乗りかご3の走行速度が所定速度をオーバしていることが検出されると、予め規定されたバッファ衝突速度dを越えないようにブレーキがかかる。
【0015】
上述した終端階強制減速装置の制御回路21には、WDT(watchdog timer)監視回路22が設けられており、制御回路21がWDTトリップした場合(つまり、制御回路21のプログラム異常等により、WDT監視回路22のカウント値が所定値に達しても0に戻らなかった場合)にWDT信号が出力され、リセット回路23がこのWDT信号を受けて制御回路21をリセットしてCPU動作を停止させるようになっている。この場合、制御回路21のリセット状態は保守員が手動操作にて解除するまで保持されている。
【0016】
ここで、エレベータの乗りかご3が終端階でないところで、終端階強制減速装置の制御回路21が例えばノイズなどの影響によりWDTトリップすると、エレベータの制御機器や主制御装置側が健全でエレベータの制御が継続可能な状態にあっても、終端階強制減速リレー(1SR)31が投入されずに安全回路が遮断されたままとなり、保守員がリセット解除を行うまで、乗客が乗りかご3内に閉じ込められるといった所謂閉じ込め事故を招く問題がある。
【0017】
なお、このような問題を解消するべく、従来、過速度検出装置(終端階強制減速装置)のCPUの誤動作時に、強制減速停止後の乗りかごの起動の可否を判定し、過速度検出装置が正常なときに強制減速停止後の乗りかごの起動を阻止し、異常のときに乗りかごの起動を可能とすることで、誤動作による乗客の閉じ込め事故を防止するが考えられている(例えば特許文献1)。
【0018】
【特許文献1】
特開平11−246141号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1では、CPUがWDTトリップしたときに、エレベータを一旦停止させ、CPUの自動リセットにより正常に立ち上がれば、エレベータが起動可能となり、WDTがもとで止めた場合には救出運転を行う(公報の段落番号[0044]〜[0047]参照)。したがって、終端階強制減速装置の異常の有無が確認されるまで、エレベータは停止状態となり、エレベータの運転に支障を来す問題がある。
【0020】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、エレベータの運転に支障を来すことなく、終端階強制減速装置の誤動作による閉じ込め事故を防止することのできるエレベータの制御装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1では、乗りかごの運転を制御する主制御装置と独立して、上記乗りかごの速度が終端階付近で所定速度以上にあるときに強制的に減速停止させる終端階強制減速装置を備えたエレベータの制御装置において、上記終端階強制減速装置に、当該装置のCPU動作を監視する動作監視手段と、この動作監視手段によって上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常が検出された場合に、上記CPUをリセットした後、そのリセット状態を解除して再起動する再起動手段とを設け、上記主制御装置は、上記動作監視手段から出力される異常検出信号に基づいて、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認したときに、上記主制御装置に設けられたタイマを起動して、上記タイマが予め設定された時間を計時するまでの間に、上記再起動手段により上記CPUが正常復帰するか否を判断し、正常復帰すれば上記乗りかごの運転を継続的に行い、正常復帰しない場合には上記乗りかごを最寄り階に停止させることを特徴とする。
【0022】
このような構成によれば、終端階強制減速装置の異常が発生した場合に、予め設定された時間内に自動リセットによりリスタートをかけて処理を再開できれば乗りかごの運転が継続されるので、終端階でない位置で不用意に乗りかごを停止させて閉じ込め故障となることを防止できる。
【0023】
また、本発明の請求項2では、上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置との間のハンドシェイクによりCPU動作の異常の有無を検出し、上記再起動手段を制御することを特徴とする。
【0024】
このような構成によれば、終端階強制減速装置との間のハンドシェイクにより異常の有無が検出され、終端階強制減速装置の異常が確認された場合にはリスタートをかけて処理を再開できれば乗りかごの運転が継続される。したがって、終端階でない位置で不用意に乗りかごを停止させて閉じ込め故障となることを防止できる。さらに、終端階強制減速装置の異常時に出力される異常検出信号の監視以外に動作異常の検出機能を追加したことで、より安全性を高めることができる。
【0025】
また、本発明の請求項3では、上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認したとき、上記乗りかごを定格速度以下に減速して運転を継続することを特徴とする。
【0026】
このような構成によれば、終端階強制減速装置の異常時に乗りかごが定格速度以下に減速されて運転が継続的に行われる。したがって、不用意に乗りかごを停止し、閉じ込め故障となることを防止できると共に、終端階強制減速装置のリスタートがかからなかった場合でも乗りかごを低速運転により継続することで、乗客を長時間の間、乗りかごに拘束してしまうことを防止できる。
【0027】
また、本発明の請求項4では、上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認したとき、上記乗りかごの終端階からの距離が所定値と比較して長ければ上記乗りかごの運転を継続し、上記所定値以下である場合に上記乗りかごの運転を停止することを特徴とする。
【0028】
このような構成によれば、終端階強制減速装置の異常時に乗りかごの終端階からの距離が所定値より長ければ乗りかごの運転が継続され、上記所定値以下の場合に乗りかごの運転が停止される。したがって、不用意に乗りかごを停止し、閉じ込め故障となることを防止できると共に、終端階では安全にエレベータを停止させることができる。
【0029】
また、本発明の請求項5では、上記主制御装置は、上記乗りかごの一回の上昇運転中あるいは下降運転中に上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を所定回数以上確認した場合に上記乗りかごの運転を停止することを特徴とする。
【0030】
このような構成によれば、終端階強制減速装置の異常が所定回数以上検出された場合に強制停止され、定格速度以下の低速運転でリレベル運転が行われる。したがって、不用意にエレベータを停止し、閉じ込め故障となることを防止できる。
【0031】
また、本発明の請求項6では、上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認した場合にその旨を外部に発報することを特徴とする。
【0032】
このような構成によれば、終端階強制減速装置の異常時に保守点検が必要である旨が発報されるので、未然に故障停止を防止することができる。
【0033】
また、本発明の請求項7では、上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認した場合に、上記乗りかごを強制停止した後にリレベル動作し、次運転からは最大速度を定格速度に抑えて運転を継続することを特徴とする。
【0034】
このような構成によれば、終端階強制減速装置の異常時に乗りかごがリレベル動作され、次運転からは最大速度が定格速度に抑えられて運転される。したがって、不用意にエレベータを停止し、閉じ込め故障となることを防止できると共に、低速通常運転により乗客輸送のサービスを大きく低下させることがない。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0036】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施形態におけるエレベータ制御装置の構成を示す図である。なお、図1の装置構成において、従来例として図15に示したエレベータ制御装置の構成と共通する部分には同一符号を付して説明するものとする。
【0037】
図1に示すように、巻上機1の駆動によってロープ2を介して乗りかご3とカウンタウエイト4とをつるべ式に昇降させるロープ式エレベータにおけるエレベータ制御装置において、エレベータの基本制御を行う主制御回路(メインコントローラ)11と別に、終端階強制減速装置の制御回路(サブコントローラ)21が独立して設けられている。
【0038】
終端階強制減速装置の制御回路21には、乗りかご3の終端階付近での位置を検出する複数のリミットスイッチ6a〜6fの出力と、乗りかご3の速度を検出するかご速度検出器7の出力が接続されている。図1の例では、最下階側から上方向にリミットスイッチ6a、6b、6cが所定間隔毎に一列に配設されており、最上階側から下方向にリミットスイッチ6d、6e、6fが所定間隔毎に一列に配設されている。これらのリミットスイッチ6a〜6fはそれぞれの位置で乗りかご3に取り付けられた図示せぬ着検板の通過を検知して、その位置信号を制御回路21に出力する。
【0039】
制御回路21は、終端階減速停止装置をソフトウェア的に実現するものであり、マイクロコンピュータ(CPU)からなる。この制御回路21には、上記各リミットスイッチ6a〜6fからの信号と、図示せぬガバナ(調速機)の軸端に設けられたかご速度検出器7からの信号が入力される。これらの信号をソフトウェア的に処理して乗りかご3を終端階付近で減速停止させる。
【0040】
ここで、制御回路21には、WDT監視回路22が設けられている。WDT監視回路22は、制御回路21が正常動作しているときには0〜Nのカウント動作を繰り返し行い、制御回路21に異常が発生し、カウント値が所定値Nになっても0クリアできない状況のときに(これをWDTトリップと呼ぶ)、WDT信号をONにして自動リセット回路24に出力する。このWDT監視回路22は主制御回路11にも接続されており、主制御回路11ではWDT監視回路22の状態を常に監視できるようになっている。
【0041】
自動リセット回路24は、WDT監視回路のWDT信号がONになったときに、制御回路21に対してリセット信号を出力する。この場合、図15に示した従来のリセット回路22では保守員がリセット解除操作を行うまでリセット信号が保持されていたが、この自動リセット回路24は自動リセット解除機能を備えており、例えばタイマにより一定時間後にリセット解除を行うように構成されている。
【0042】
また、昇降路ピット内には、乗りかご3用のバッファ8aとカウンタウエイト4用のバッファ8bが設けられている。バッファ8a、8bは、それぞれピット底部に設置されており、乗りかご3やカウンタウエイト4の衝撃を緩和するものである。
【0043】
図2に本発明のリレー回路の構成を示す。
【0044】
図2において、図16に示した従来のリレー回路と同じ部分には同一符号を付してある。従来と異なる点は、終端階強制減速装置が乗りかごの速度異常を検出した際に安全回路を遮断してエレベータを緊急停止させるリレーをbcon(ON設定)としていることである。
【0045】
終端階強制減速装置の制御回路21と終端階強制減速リレー(1SR)31が接続されており、制御回路21が出力をOFFすれば、終端階強制減速リレー(1SR)31はOFFする。安全回路リレー(SCR)32の条件に終端階強制減速リレー(1SR)31が入っており、終端階強制減速リレー(1SR)31がOFFすれば安全回路リレー(SCR)32がOFFする。ブレーキ制御回路リレー(BKR)33の条件に安全回路リレー(SCR)32が入っており安全回路リレー(SCR)32がOFFすると、ブレーキ制御回路リレー(BKR)33がOFFする。ブレーキ制御回路リレー(BKR)33がONしているときには、ブレーキコイル(BK)34が通電され、巻上機1のブレーキが開放された状態(ブレーキOFF)となる。一方、ブレーキ制御回路リレー(BKR)33がOFFすると、ブレーキコイル(BK)34の通電が遮断され、巻上機1のブレーキが釈放された状態(ブレーキON)となる。
【0046】
また、主制御回路11には、モータ駆動制御用のインバータ35が接続されており、インバータ35を制御するゲート出力は、安全回路リレー(SCR)32がOFFすると遮断される。
【0047】
ここで、終端階減速装置の制御回路21は、通常時は終端階強制減速リレー(1SR)31をONしている。これにより、ブレーキは作用せず、乗りかご3は終端位置で通常に停止する。また、乗りかご3が昇降路内のリミットスイッチ6a〜6fを通過したときの乗りかご3の速度が所定値を超えている場合に、終端階強制減速リレー(1SR)31をOFFしてインバータ35を停止させると共に、巻上機1のブレーキをかけて乗りかご3がバッファ8aに当たる時に(上昇運転の時はカウンタウエイト4がバッファ8bが当たる時)の定格速度以下に強制的に減速させて停止させる。
【0048】
次に図3および図4を参照しながら、本発明の第1の実施形態として動作を説明する。
【0049】
図3は第1の実施形態における終端階強制減速装置の制御回路21の処理を示すフローチャートである。
【0050】
終端階強制減速装置のリセットが解除された後、まず、制御回路21は初期化を行った後(ステップA11)、WDT信号のラッチをクリアして(ステップA12)、速度監視処理を行う(ステップA13)。また、WDT監視回路22のタイマ動作をクリアして(ステップA14)、ステップA13に戻り速度監視処理を繰り返し行う。
【0051】
すなわち、制御回路21がWDTトリップすると、WDT監視回路22からWDT信号が出力されるが、自動リセット回路24によりそのWDT信号の出力に伴うリセット信号を自動的に解除する。このリセット信号の自動解除により、制御回路21が正常に立ち上がれば、速度監視処理が継続的に行われる。この場合、制御回路21がノイズの影響などによって一時的にWDTトリップしたのであれば、リセット信号を自動解除しても正常復帰することができる。一方、プログラムが記憶されたメモリが誤動作しているなどの正常復帰できない異常が生じていれば、WDT信号はクリアされない。
【0052】
図4は第1の実施形態における主制御回路(主制御装置)11の処理を示すフローチャートである。
【0053】
主制御回路11は、WDT監視回路22の出力であるWDT信号(WDT_A)のDIポートをリードし(ステップB11)、そのWDT_Aが“0”か否かを確認する(ステップB12)。この場合、制御回路21がWDTトリップしていればWDT_Aは“1”となり、正常であれば“0”となる。WDT_Aが“0”であれば(ステップB12のYes)、主制御回路11はここでの処理を終了する。
【0054】
一方、WDT_Aが“1”であれば(ステップB12のNo)、主制御回路11は当該主制御回路11に設けられた図示せぬタイマをスタートして(ステップB13)、WDT信号(WDT_A)のDIポートを再度リードする(ステップB14)。そして、上記タイマが予め設定された時間を計時するまでの間に、WDT_Aが“0”になれば(ステップB15のYes)、主制御回路11は制御回路21が正常復帰したものと判断し、タイマをクリアして(ステップB18)、ここでの処理を終える。この場合、乗りかご3の運転は継続的に行われている。また、タイムアウトしてもWDT_Aが“1”であった場合には(ステップB15、ステップB16のYes)、主制御回路11は制御回路21に通常復帰不能な異常が生じたものと判断して、乗りかご3を最寄りの階に停止させる(ステップB17)。
【0055】
以上のように、主制御装置が健全であれば、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に、自動リセット回路24によりリスタートをかけて処理を再開できれば、乗りかご3の運転を継続することができるので、制御回路21の誤動作により終端階でない位置で不用意に乗りかご3を停止させて、乗客を乗りかご3内に閉じ込めてしまうことを防止できる。
【0056】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図5および図6を参照して説明する。
【0057】
図5は本発明の第2の実施形態におけるエレベータ制御装置の構成を示す図であり、図1(第1の実施形態)と同じ部分には同一符号を付してある。なお、リレー回路の構成については図2と同様であるため、ここでは説明を省略するものとする。
【0058】
第2の実施形態において、上記第1の実施形態と異なる点は、主制御回路11と終端階強制減速装置の制御回路21との間に通信手段25が追加されていることである。この通信手段25は主制御回路11が制御回路21との間のハンドシェイクにより異常の有無をソフト的に検出するためのものであり、例えば双方向で書込み/読み込みが可能なデュアルポートRAMやシリアル伝送装置などが用いられる。また、主制御回路11は自動リセット回路24を直接操作して、制御回路21をリセットしたり、リセット解除できるようになっている。
【0059】
図6は第2の実施形態における主制御回路11の動作を示すフローチャートであり、制御回路21の異常を検出する方法としてインクリメントリターンを用いた場合の処理が示されている。すなわち、主制御回路11から制御回路21に対してある値を与えて、それがインクリメントされて戻ってきた場合に制御回路21が正常動作しているものとみなし、インクリメントされていなかった場合に制御回路21が異常動作しているものと見なす。
【0060】
図6に示すように、ます、主制御回路11は自動リセット回路24にリセット解除指令を出して終端階強制減速装置の制御回路21を再起動する(ステップC11)。
【0061】
ここで、主制御回路11は制御回路21と共有のインクリメントリターンエリア(INC_A)のデータをリードすると共に(ステップC12)、前回のインクリメントリターン値(INCOLD_A)をリードして(ステップC13)、INC_AとINCOLD_Aの両者の値を比較する(ステップC14)。その結果、インクリメントリターンエリア(INC_A)のデータが前回のインクリメントリターン値(INCOLD_A)より更新されていれば、主制御回路11は制御回路21が正常動作しているものと判断し、現在のINC_Aの値を主制御回路11のローカルエリアであるINCOLD_Aに格納し(ステップC21)、INC_Aの値に1を加算してINC_Aに格納する(ステップC22)。この間、乗りかご3の運転は継続的に行われている。
【0062】
一方、INC_Aの値が前回と同じ値であった場合には、主制御回路11は当該主制御回路11に設けられた図示せぬタイマをスタートして(ステップC15)、インクリメントリターンエリア(INC_A)のデータを再度リードする(ステップC16)。そして、上記タイマが予め設定された所定の時間を計時するまでの間に、INC_Aの値が前回から更新されないままタイマアウトした場合に(ステップC17、ステップC18のYes)、主制御回路11は制御回路21が異常動作しているものと判断して、乗りかご3を最寄りの階へ停止させる(ステップC19)。
【0063】
このように、主制御装置が健全であれば、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に、終端階強制減速装置の制御回路21との間のハンドシェイクによりソフトリスタートをかけて処理を再開できれば、乗りかご3の運転を継続することができるので、上記第1の実施形態と同様に制御回路21の誤動作により終端階でない位置で不用意に乗りかご3を停止させて、乗客を乗りかご3内に閉じ込めてしまうことを防止できると共に、WDT信号の監視以外に、制御回路21の動作異常を検出する機能を追加することでより安全性を高めることができる。
【0064】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図7および図8を参照して説明する。
【0065】
第3の実施形態では、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に乗りかご3の運転速度を定格速度以下に減速して運転を継続することを特徴とする。なお、装置構成については図1あるいは図5と同じであり、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に制御回路21にリセットをかけた後に、そのリセットを解除することを前提としている。
【0066】
図7は第3の実施形態における主制御回路(主制御装置)11の処理を示すフローチャートである。
【0067】
主制御回路11は、上記第1あるいは第2の実施形態の方法によって終端階強制減速装置の制御回路21の異常検出処理を行う(ステップD11)。上記第1の実施形態の方法とは、主制御回路11がWDT信号を監視することで制御回路21の異常の有無を検出する方法であり、上記第2の実施形態の方法とは、主制御回路11と制御回路21との間のハンドシェイクにより制御回路21の異常の有無を検出する方法である。
【0068】
この異常検出処理により終端階強制減速装置の制御回路21の異常を確認すると(ステップD12)、主制御回路11は乗りかご3の速度(V)をバッファの定格速度(VBF)以下に設定されたVL(VL<VBF)に減速制御する(ステップD13)。そして、着床制御を行い、乗りかご3を最寄りの階に停止させる(ステップD14)。
【0069】
このときのエレベータの運転パターンの例を図8に示す。通常時は、乗りかご3を定常速度VHで運転しているが、終端階強制減速装置の制御回路21に異常が生じた時点で、定格速度VBF以下のVLに速度を落として最寄り階で停止させる。
【0070】
以上のように、主制御装置が健全であれば、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に、乗りかご3の運転速度をバッファの定格速度以下に減速して運転することにより、不用意に乗りかご3を停止して閉じ込め故障となることを防止できると共に、終端階強制減速装置のリスタートがかからなかった場合でも乗りかご3を低速運転により継続することができるので、乗客を長時間の間、乗りかご3に拘束してしまうことを防止できる。
【0071】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施形態について図9を参照して説明する。
【0072】
第4の実施形態では、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に、終端階からの距離が所定値以下であれば乗りかご3を強制停止し、バッファの定格速度以下の低速運転でリレベル運転することを特徴とする。なお、装置構成については図1あるいは図5と同じであり、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に制御回路21にリセットをかけた後に、そのリセットを解除することを前提としている。
【0073】
図9は第4の実施形態における主制御回路(主制御装置)11の処理を示すフローチャートである。
【0074】
主制御回路11は、上記第1あるいは第2の実施形態の方法によって終端階強制減速装置の制御回路21の異常検出処理を行う(ステップE11)。上記第1の実施形態の方法とは、主制御回路11がWDT信号を監視することで制御回路21の異常の有無を検出する方法であり、上記第2の実施形態の方法とは、主制御回路11と制御回路21との間のハンドシェイクにより制御回路21の異常の有無を検出する方法である。
【0075】
主制御回路11は乗りかご3の位置を常に監視しており、上記異常検出処理により終端階強制減速装置の制御回路21の異常を確認すると(ステップE12)、そのときの乗りかご3の位置から終端階までの距離(Le)を演算より求める(ステップE13)。
【0076】
ここで、主制御回路11は終端階までの距離(Le)と予め設定された距離(Lim)を比較し、Le>Limであった場合には(ステップE14)、ステップE11に戻って、定常速度のままで乗りかご3の運転を継続する。一方、乗りかご3が終端階から所定の距離(Lim)以下にある場合(Le≦Lim)には、主制御回路11は乗りかご3を強制停止を行い(ステップE15)、バッファの定格速度を超えない低速運転によりリレベル運転を行って最寄り階に停止させる(ステップE16)。
【0077】
以上のように、主制御装置が健全であれば、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に、終端階からの距離が所定値以下であれば強制停止し、バッファの定格速度以下の低速運転でリレベル運転することにより、不用意に乗りかご3を停止し、閉じ込め故障となることを防止できると共に、終端階からの距離が所定値より長ければ、定常速度のままで継続運転することができる。この場合、終端階強制減速装置に異常が生じていても、乗りかご3が終端階から離れていれば問題はなく、乗りかご3が終端階に近づいたときにバッファの定格速度以下の低速運転でリレベル運転して乗りかご3を最寄り階に停止することで安全性を確保することができる。
【0078】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施形態について図10を参照して説明する。
【0079】
第5の実施形態では、乗りかご3の上昇運転中あるいは下降運転中に終端階強制減速装置の制御回路21の異常が所定回数を超えて検出された場合に、乗りかご3を強制停止して、バッファの定格速度以下の低速運転でリレベル運転することを特徴とする。なお、装置構成については図1あるいは図5と同じであり、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に制御回路21にリセットをかけた後に、そのリセットを解除することを前提としている。
【0080】
図10は第5の実施形態における主制御回路(主制御装置)11の処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態の処理は乗りかご3の上昇運転中と下降運転中の両方で行われるものであるが、以下では乗りかご3の上昇運転中に終端階強制減速装置の制御回路21の異常が検出された場合を想定して説明する。
【0081】
まず、主制御回路11のローカルエリアに終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした回数を格納するカウンタエリア(WDTCNT_A)を0クリアしておく(ステップF11)。
【0082】
ここで、乗りかご3の上昇運転中に(ステップF12、ステップF13のNo)、主制御回路11は、上記第1あるいは第2の実施形態の方法によって終端階強制減速装置の制御回路21の異常検出処理を行う(ステップF14)。上記第1の実施形態の方法とは、主制御回路11がWDT信号を監視することで制御回路21の異常の有無を検出する方法であり、上記第2の実施形態の方法とは、主制御回路11と制御回路21との間のハンドシェイクにより制御回路21の異常の有無を検出する方法である。
【0083】
ここで、制御回路21の異常が検出された場合(ステップF15)、主制御回路11はその回数をカウントするべく上記カウンタエリア(WDTCNT_A)のデータを+1更新する(ステップF16)。そして、主制御回路11は更新後のWDTCNT_Aの値と所定値WDTLMを比較して(ステップF15)、WDTCNT_Aの値が所定値WDTLMに達していなければ(WDTCNT_A<WDTLM)、ステップF13に戻って乗りかご3の運転を継続して行う。
【0084】
一方、更新後のWDTCNT_Aの値が所定値WDTLを越えた場合に(WDTCNT_A≦WDTLM)、主制御回路11は乗りかご3を強制停止させて(ステップF18)、バッファの定格速度を超えない低速運転によりリレベル運転を行う(ステップF19)。
【0085】
以上のように、主制御装置が健全であれば、乗りかご3の1回の走行中に終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップして所定数を越えて何度も制御回路21の異常が検出された場合に、乗りかご3を強制停止してバッファの定格速度以下の低速運転でリレベル運転することにより、不用意に乗りかご3を停止し、閉じ込め故障となることを防止できる。
【0086】
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施形態について図11および図12を参照して説明する。
【0087】
第6の実施形態では、終端階強制減速装置の制御回路21の異常が検出された場合に、その旨を発報することを特徴とする。
【0088】
図11は本発明の第6の実施形態におけるエレベータ制御装置の構成を示す図であり、図1(第1の実施形態)と同じ部分には同一符号を付してある。なお、リレー回路の構成については図2と同様であるため、ここでは説明を省略するものとする。
【0089】
第6の実施形態において、上記第1の実施形態と異なる点は、主制御回路11に対し監視装置26が接続されていることである。この監視装置26は、終端階強制減速装置の制御回路21の異常が検出された場合に、例えば警報ランプの点灯やブザー音の発生などにより、その旨を保守員に警告するものである。
【0090】
図12は第6の実施形態における主制御回路(主制御装置)11の処理を示すフローチャートである。
【0091】
主制御回路11は、上記第1あるいは第2の実施形態の方法によって終端階強制減速装置の制御回路21の異常検出処理を行う(ステップG11)。上記第1の実施形態の方法とは、主制御回路11がWDT信号を監視することで制御回路21の異常の有無を検出する方法であり、上記第2の実施形態の方法とは、主制御回路11と制御回路21との間のハンドシェイクにより制御回路21の異常の有無を検出する方法である。
【0092】
ここで、上記異常検出処理により終端階強制減速装置の制御回路21の異常を確認すると(ステップG12)、主制御回路11は監視装置26に対して終端階強制減速装置の制御回路21に異常が生じたことを示す信号を出力し、監視装置26ではこれを受けて例えば警報ランプを点灯したり、ブザー音を発報するなどして保守員に異常発生を通知する(ステップG13)。この場合、乗りかご3の運転は継続的に行われている。
【0093】
以上のように、主制御装置が健全であれば、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に不用意に乗りかご3を停止して閉じ込め故障となることを防止できると共に、保守点検が必要であることを監視装置にて発報することで未然に故障停止を防止することができる。
【0094】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施形態について図13および図14を参照して説明する。
【0095】
第7の実施形態では、終端階強制減速装置の制御回路21に異常が生じたことを検出した場合に、乗りかご3を強制停止してリベラル運転した後、次回からバッファの定格速度以下で運転することを特徴とする。なお、装置構成については図1あるいは図5と同じであり、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に制御回路21にリセットをかけた後に、そのリセットを解除することを前提としている。
【0096】
図13は第7の実施形態における主制御回路(主制御装置)11の処理を示すフローチャートである。
【0097】
主制御回路11は、上記第1あるいは第2の実施形態の方法によって終端階強制減速装置の制御回路21の異常検出処理を行う(ステップH11)。上記第1の実施形態の方法とは、主制御回路11がWDT信号を監視することで制御回路21の異常の有無を検出する方法であり、上記第2の実施形態の方法とは、主制御回路11と制御回路21との間のハンドシェイクにより制御回路21の異常の有無を検出する方法である。
【0098】
ここで、上記異常検出処理により終端階強制減速装置の制御回路21の異常を確認すると(ステップH12)、主制御回路11は乗りかご3を強制停止し(ステップH13)、バッファの定格速度を超えない低速運転により最寄り階へリレベル運転を行い乗客を降ろす(ステップH14)。その後、主制御回路11は乗りかご3の運転速度設定をバッファの定格速度VBF以下のVLに設定し(ステップH15)、さらに自動リセット回路24に対しリセット出力指令を出力して終端階強制減速装置の制御回路21を切り離す(ステップH16)。そして、次回運転からは、上記バッファの定格速度VBF以下の速度VLで低速通常運転を開始する(ステップH17)。
【0099】
図14に運転パターンの例を示す。通常時は、乗りかご3を定常速度VHで運転しているが、終端階強制減速装置の制御回路21に異常が生じた場合には、その時点で乗りかご3を強制停止してVRの速度でリレベル運転を行って最寄りの階で乗客を降ろす。その際、終端階強制減速機能を停止させて、以後、定格速度VBF以下のVLで低速通常運転を行う。この場合、運転速度をVLとしているので、終端階強制減速機能が働いていなくとも安全に運転を継続することができる。
【0100】
以上のように、主制御装置が健全であれば、終端階強制減速装置の制御回路21がWDTトリップした場合に不用意に乗りかご3を停止して閉じ込め故障となることを防止できると共に、次回から低速にて通常通り運転を再開することで、乗客輸送のサービスを維持でき、乗客を安全に運ぶことができる。
【0101】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1によれば、主制御装置が健全であれば、終端階強制減速装置の異常が検出された場合に、予め設定された時間内に自動リセットによりリスタートをかけて処理を再開できれば、乗りかごの運転を継続することができ、終端階でない位置で不用意に乗りかごを停止させて閉じ込め故障となることを防止できる。
【0102】
また、本発明の請求項2によれば、終端階強制減速装置との間のハンドシェイクにより異常の有無を検出して、終端階強制減速装置の異常が確認された場合にはリスタートをかけて処理を再開できれば乗りかごの運転を継続することで、終端階でない位置で不用意に乗りかごを停止させて閉じ込め故障となることを防止できると共に、終端階強制減速装置の異常時に出力される異常検出信号の監視以外に動作異常の検出機能を追加したことで、より安全性を高めることができる。
【0103】
また、本発明の請求項3によれば、終端階強制減速装置の異常が検出された場合に、乗りかごを定格速度以下に減速して運転するようにしたため、不用意に乗りかごを停止し、閉じ込め故障となることを防止できると共に、終端階強制減速装置のリスタートがかからなかった場合でも乗りかごを低速運転により継続することができるので、乗客を長時間の間、乗りかごに拘束してしまうことを防止できる。
【0104】
また、本発明の請求項4によれば、終端階強制減速装置の異常が検出された場合に、乗りかごの終端階からの距離が所定値と比較して長ければ乗りかごの運転を継続し、上記所定値以下である場合に乗りかごの運転を停止するようにしたため、不用意に乗りかごを停止し、閉じ込め故障となることを防止できると共に、終端階では安全にエレベータを停止させることができる。
【0105】
また、本発明の請求項5によれば、終端階強制減速装置の異常が所定回数以上検出された場合に強制停止し、バッファの定格速度以下の低速運転でリレベル運転するようにしたため、不用意にエレベータを停止し、閉じ込め故障となることを防止できる。
【0106】
また、本発明の請求項6によれば、終端階強制減速装置の異常が検出された場合に、保守点検が必要である旨を発報することで未然に故障停止を防止することができる。
【0107】
また、本発明の請求項7によれば、終端階強制減速装置の異常が検出された場合に、低速通常運転を行うようにしたため、不用意にエレベータを停止し、閉じ込め故障となることを防止できると共に、乗客輸送のサービスを大きく低下させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるエレベータ制御装置の構成を示す図。
【図2】本発明のエレベータ制御装置に設けられたリレー回路の構成を示す図。
【図3】本発明の第1の実施形態における終端階強制減速装置の制御回路の処理を示すフローチャート。
【図4】本発明の第1の実施形態における主制御回路(主制御装置)の処理を示すフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるエレベータ制御装置の構成を示す図。
【図6】本発明の第2の実施形態における主制御回路(主制御装置)の動作を示すフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施形態における主制御回路(主制御装置)の処理を示すフローチャート。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるエレベータの運転パターンを説明するための図。
【図9】本発明の第4の実施形態における主制御回路(主制御装置)の処理を示すフローチャート。
【図10】本発明の第5の実施形態における主制御回路(主制御装置)の処理を示すフローチャート。
【図11】本発明の第6の実施形態におけるエレベータ制御装置の構成を示す図。
【図12】本発明の第6の実施形態における主制御回路(主制御装置)の処理を示すフローチャート。
【図13】本発明の第7の実施形態における主制御回路(主制御装置)の処理を示すフローチャート。
【図14】本発明の第7の実施形態におけるエレベータの運転パターンを説明するための図。
【図15】従来のエレベータ制御装置の構成を示す図。
【図16】従来のリレー回路の構成を示す図。
【図17】終端階強制減速装置による減速特性を説明するための図。
【符号の説明】
1…巻上機
2…ロープ
3…乗りかご
4…カウンタウエイト
5…回転センサ
6a〜6f…リミットスイッチ
7…かご速度検出器
8a,8b…バッファ
11…主制御回路(主制御装置)
21…終端階強制減速装置の制御回路
22…WDT監視回路
24…自動リセット回路
25…通信手段
26…監視装置
Claims (7)
- 乗りかごの運転を制御する主制御装置と独立して、上記乗りかごの速度が終端階付近で所定速度以上にあるときに強制的に減速停止させる終端階強制減速装置を備えたエレベータの制御装置において、
上記終端階強制減速装置に、当該装置のCPU動作を監視する動作監視手段と、この動作監視手段によって上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常が検出された場合に、上記CPUをリセットした後、そのリセット状態を解除して再起動する再起動手段とを設け、
上記主制御装置は、上記動作監視手段から出力される異常検出信号に基づいて、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認したときに、上記主制御装置に設けられたタイマを起動して、上記タイマが予め設定された時間を計時するまでの間に、上記再起動手段により上記CPUが正常復帰するか否を判断し、正常復帰すれば上記乗りかごの運転を継続的に行い、正常復帰しない場合には上記乗りかごを最寄り階に停止させることを特徴とするエレベータの制御装置。 - 上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置との間のハンドシェイクによりCPU動作の異常の有無を検出し、上記再起動手段を制御することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
- 上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認したとき、上記乗りかごを定格速度以下に減速して運転を継続することを特徴とする請求項1または請求項2記載のエレベータの制御装置。
- 上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認したとき、上記乗りかごの終端階からの距離が所定値と比較して長ければ上記乗りかごの運転を継続し、上記所定値以下である場合に上記乗りかごの運転を停止することを特徴とする請求項1または請求項2記載のエレベータ制御装置。
- 上記主制御装置は、上記乗りかごの一回の上昇運転中あるいは下降運転中に上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を所定回数以上確認した場合に上記乗りかごの運転を停止することを特徴とする請求項1または請求項2記載のエレベータの制御装置。
- 上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認した場合にその旨を外部に発報することを特徴とする請求項1または請求項2記載のエレベータの制御装置。
- 上記主制御装置は、上記終端階強制減速装置のCPU動作の異常を確認した場合に、上記乗りかごを強制停止した後にリレベル動作し、次運転からは最大速度を定格速度に抑えて運転を継続することを特徴とする請求項1または請求項2記載のエレベータの制御装置。
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