JP4202464B2 - ディスクタンブラー錠 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディスクシリンダー錠に係り、特にピッキングによる不正解錠を不可能にした新規なディスクシリンダ錠に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のシリンダ錠は、ディスクシリンダ錠に限らず、特殊な工具を用いての所謂ピッキングによる不正解錠が不可能ではないことは良く知られている。
【0003】
そこで本出願人は、先に、例えば特願平7−188192号を以て、ピッキングによる不正解錠を有効に防止し得るシリンダ錠を提案した。
【0004】
このシリンダ錠は、内筒を複数の内筒ユニットに分割し、各内筒ユニットの外周に雄ねじを、外筒の内周面にこの雄ねじと螺合する雌ねじを夫々刻設し、これらのねじのねじ切り方向を、内筒ユニットが解錠方向に回動したとき内方に移動するように設定すると共に、各内筒ユニットを夫々の間に隙間が生じないように外筒に螺合させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した本出願人の先の提案に係るシリンダ錠は、ピッキングが原理上不可能であり、しかもディスクシリンダ錠に限らずピンシリンダ錠、或いはレバータンブラー錠等あらゆる型式のシリンダ錠に適用し得るという利点がある反面、構造が少し複雑になる、という恨みが残る。
【0006】
この発明は、従来のディスクタンブラー錠の構造を大きく変えないで、換言すれば僅かな構成の付加のみでピッキングを有効に防止できるようにしたディスクタンブラー錠を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、中心軸に沿って鍵孔を形成した内筒と、この内筒と回動可能に嵌合し、その内周面に、その母線に沿い、かつ中心軸に関し対称的な一対の施錠用係止溝及び一対の解錠用係止溝とを形成した外筒とを有し、夫々シリンダ錠の鍵孔に垂直な複数枚のディスクタンブラーを内筒軸線方向に列設し、合鍵を鍵孔に挿入したとき合鍵の各鍵溝が対応するディスクタンブラーの両端をシアーラインに揃えるようにしたものにおいて、少なくとも1枚のディスクタンブラーの一端の施錠角度位置から解錠角度位置までの移動軌跡内に、当該ディスクタンブラーの一端が係入可能な凹陥部を形成し、以て、ピッキングにより両端をシアーラインに揃えられ、外筒内周面に拘束されつつ解錠方向に回動するディスクタンブラーを凹陥部に落込ませ、以後の内筒の回動を阻止することにより不正解錠を阻止するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、中心軸に沿って鍵孔を形成した内筒と、この内筒と回動可能に嵌合し、その内周面に、その母線に沿い、かつ中心軸に関し対称的な一対の施錠用係止溝及び一対の解錠用係止溝とを形成した外筒とを有し、夫々シリンダ錠の鍵孔に垂直な複数枚のディスクタンブラーを内筒軸線方向に列設し、合鍵を鍵孔に挿入したとき合鍵の各鍵溝が対応するディスクタンブラーの両端をシアーラインに揃えるようにしたものにおいて、上記施錠用係止溝と解錠用係止溝の間にこれよりも浅い落とし溝を外筒内周面の母線に沿って形成し、以て、ピッキングにより両端をシアーラインに揃えられ、外筒内周面に拘束されつつ解錠方向に回動するディスクタンブラーを落とし溝に落込ませ、以後の内筒の回動を阻止することにより不正解錠を阻止するようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1乃至図3はこの発明の第一実施例、すなわち請求項1に記載された発明の一実施例を示している。
【0010】
これらの図において符号1は内筒を示し、図示の実施例における内筒1は、横断面小判形の棒状体にその軸線に沿って複数のスロット2、2を形成すると共にその中心軸に沿って鍵孔3を形成したものである。
【0011】
各スロット2にはディスクタンブラー4が収納されており、夫々内筒1の半径方向に移動可能に案内されると共に、タンブラーばね5の弾力により、その一端(図1で上端)が鍵孔3から離間する方向に付勢されている。
【0012】
なお、通常相互に隣接するディスクタンブラー4、4は逆向きに付勢されるので、図1に示すディスクタンブラーに隣接する他のディスクタンブラーはその下端が鍵孔4から離間する方向に付勢される。
【0013】
そこで、ここではタンブラーばね5に付勢されて鍵孔4から離間する方の端部をディスクタンブラーの一端というものとする。
【0014】
ディスクタンブラー錠は、その施錠状態では、タンブラーばね5の弾力により、各ディスクタンブラー4の一端が外筒6の内周面の施錠用係止溝7に係入している。
【0015】
この施錠状態では内筒1を回すことができないので、例えば扉の解錠ができず、一方、合鍵(図示せず)が鍵孔3に挿入されたときは、合鍵に形成された鍵溝が対応する各ディスクタンブラーと係合してその一端及び他端をシアーライン9に整合させて解錠するのは周知の事項である。
【0016】
なお、通常ディスクタンブラー錠は合鍵を鍵孔に挿入してから180度回す型式が多いから、施錠用係止溝7と解錠用係止溝8とは重なり合う。
【0017】
この発明の特徴的な構成事項は、少なくとも1枚のディスクタンブラー4の一端の施錠角度位置(図1で時計盤面に換算して12時の角度位置)から解錠角度位置(図1で時計盤面に換算して6時の角度位置)までの移動軌跡内に、当該ディスクタンブラー4の一端が係入可能な凹陥部11を形成したことである。
【0018】
この凹陥部11は、図1に示すように外筒6を貫通する開口であってもよいし、或いは外筒6を貫通しない(図4参照)有底のものであってもよい。
【0019】
また、この凹陥部11の外筒軸線方向の寸法は複数枚のディスクタンブラー4、4に跨がるものであってもよいし、或いは1枚のディスクタンブラー分の短いものであってもよい。
【0020】
更にまた、この凹陥部11の外筒6の軸線回りの角度位置は、一箇所であってもよいし、鍵孔に関し対称的に設ける場合も含め、複数箇所であってもよい。
【0021】
上記のように構成されたこの発明の第一実施例によるディスクタンブラー錠は、所謂ピッキングにより全ディスクタンブラー4、4の両端をシアーラインに整合させることができ、図2に示すように、鍵孔3に合鍵を挿入しない状態で、内筒1を解錠方向(図2で反時計方向)に回動させることができる。
【0022】
しかしながら、更に解錠方向に内筒1を回動させると、ディスクタンブラー4の一端と凹陥部11とが整合したとき、図3に示すように、ディスクタンブラー4の一端が凹陥部11内に係入し、内筒1をそれ以上解錠方向に回動させることができない。
【0023】
つまり、ピッキングにより全タンブラーの一端をシアーライン9に揃え、内筒1を解錠方向に回動可能にしても、すぐに内筒が回らなくなるので、不正解錠が防止される。
【0024】
不正解錠を試みた者の内事情を知らない者は吃驚して更なるピッキングを諦めてしまうし、事情を知っている、すなわちこのディスクタンブラー錠の原理を知っている者でもその角度位置で再度ピッキングをする意欲を失い退散する。
【0025】
凹陥部11を係止溝7(8)のように全ディスクタンブラーに跨がるように形成した場合には、不正解錠を試みた者が退散した後合鍵を以て解錠し、以後ピッキングが無かったかのように通常の施解錠を行うことができる。
【0026】
一部のディスクタンブラー4のみが凹陥部11と係合した場合には、他のディスクタンブラー4はその両端がシアーライン9に揃った状態にあるので、不正解錠を試みた者の退散後合鍵を鍵孔に挿入できない。
【0027】
このような場合にはディスクシリンダ錠を交換する要領で扉から錠を取り外し、工具で凹陥部11と係合しているディスクタンブラーをシアーライン9に揃え、内筒1を施錠角度位置、又は解錠角度位置に戻して再度扉に装着する。
【0028】
なお、そもそもシリンダ錠がピッキングに遭うということは滅多に無いことであるし、上記のようにピッキングによる盗難等を防止できたシリンダ錠を元の状態に戻すことが少し面倒であってもそれは仕方がない。
【0029】
図4はこの発明の第二実施例、すなわち、請求項2に記載の発明の一実施例を示し、この第二実施例においては、施錠用係止溝7と解錠用係止溝8との間に、これらより浅い落とし溝12が全ディスクタンブラー4、4に跨がるように形成されている。
【0030】
この第二実施例によるディスクタンブラー錠は、前記第一実施例によるディスクタンブラー錠において浅い凹陥部11を全ディスクタンブラー4、4に跨がるように形成した場合に相当し、ディスクタンブラー4、4が落とし溝12と整合した状態で全タンブラーが落とし溝12と係合するのでそれ以上の不正解錠が不可能になる。
【0031】
また、その作用効果も第一実施例のそれと同様であるから更に詳細な説明は省略する。
【0032】
この第二実施例によるディスクタンブラー錠の不正解錠防止機構は、落とし溝12を全タンブラーに跨がるように形成するので、比較的製造が容易である、という別の利点が生じる。
【0033】
なお、図示の実施例では凹陥部11又は落とし溝12を係止溝7(8)に関し線対称に設けてあるが、これはディスクタンブラー錠の解錠方向が扉の開き勝手によって変るからその変化に対応できるようにした迄で、この発明の必須の構成ではない。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この発明は、施錠用係止溝と解錠用係止溝との間に、少なくとも1枚のディスクタンブラーと係合する凹陥部、或いは落とし溝を形成する、という簡単な構成の付加で、ピッキングによる不正解錠の途中で内筒の回動を止めてしまい、それ以上の回動を許さずに結局不正解錠を防止できる、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例によるディスクシリンダ錠の線図的断面図で、施錠状態を示す。
【図2】この発明の第一実施例によるディスクシリンダ錠の線図的断面図で、ピッキング後の初期の回動時を示す。
【図3】この発明の第一実施例によるディスクシリンダ錠の線図的断面図で、ピッキング後ディスクタンブラーが凹陥部に落込んでそれ以上の回動が不可能になった状態を示す。
【図4】この発明の第二実施例によるディスクシリンダ錠の線図的断面図で、ピッキング後ディスクタンブラーが落とし溝に落込んでそれ以上の回動が不可能になった状態を示す。
【符号の説明】
1 内筒
3 鍵孔
4 ディスクタンブラー
5 タンブラーばね
6 外筒
7 施錠用係止溝
8 解錠用係止溝
9 シアーライン
11 凹陥部
12 落とし溝
Claims (2)
- 中心軸に沿って鍵孔を形成した内筒と、この内筒と回動可能に嵌合し、その内周面に、その母線に沿い、かつ中心軸に関し対称的な一対の施錠用係止溝及び一対の解錠用係止溝とを形成した外筒とを有し、夫々シリンダ錠の鍵孔に垂直な複数枚のディスクタンブラーを内筒軸線方向に列設し、合鍵を鍵孔に挿入したとき合鍵の各鍵溝が対応するディスクタンブラーの両端をシアーラインに揃えるようにしたものにおいて、少なくとも1枚のディスクタンブラーの一端の施錠角度位置から解錠角度位置までの移動軌跡内に、当該ディスクタンブラーの一端が係入可能な凹陥部を形成し、以て、ピッキングにより両端をシアーラインに揃えられ、外筒内周面に拘束されつつ解錠方向に回動するディスクタンブラーを凹陥部に落込ませ、以後の内筒の回動を阻止することにより不正解錠を阻止するようにしたことを特徴とするディスクタンブラー錠。
- 中心軸に沿って鍵孔を形成した内筒と、この内筒と回動可能に嵌合し、その内周面に、その母線に沿い、かつ中心軸に関し対称的な一対の施錠用係止溝及び一対の解錠用係止溝とを形成した外筒とを有し、夫々シリンダ錠の鍵孔に垂直な複数枚のディスクタンブラーを内筒軸線方向に列設し、合鍵を鍵孔に挿入したとき合鍵の各鍵溝が対応するディスクタンブラーの両端をシアーラインに揃えるようにしたものにおいて、上記施錠用係止溝と解錠用係止溝の間にこれよりも浅い落とし溝を外筒内周面の母線に沿って形成し、以て、ピッキングにより両端をシアーラインに揃えられ、外筒内周面に拘束されつつ解錠方向に回動するディスクタンブラーを落とし溝に落込ませ、以後の内筒の回動を阻止することにより不正解錠を阻止するようにしたことを特徴とするディスクタンブラー錠。
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JPH11315654A JPH11315654A (ja) | 1999-11-16 |
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1998
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