JP4199135B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
すなわち、可動スクロールのボスに軸受を圧入したことによって可動スクロールの基板が湾曲したときに、可動スクロールの渦巻き状の摺接面が、中央から径方向外側に向かうにつれ、基準面から段階的に離間する複数段の区画域に区画されているので、可動スクロールにおける渦巻き状の摺接面の各区画域と基準面との間隔の偏差を小さくすることができ、これにより、固定スクロールの渦巻きラップの先端面は、スクロールの渦巻き状の摺接面に対して、シール部材を介して径方向全域に亘って密着することができる。
請求項2の本発明では、前記渦巻き状の摺接面は、前記複数段の区画域として3つ以上の区画域に区画されていることを特徴としている。
上記した構成によれば、複数の区画域において隣接する区画域間の段差は、中央から径方向外側に位置付けられるに従い段階的に大きくなっているので、固定スクロールと可動スクロールとの間のシール性が一層向上し、更に良好な圧縮効率を確保することができる。
このスクロール圧縮機はスクロール型流体機械であって、例えば、自動車用空調装置における冷凍回路の圧縮機として用いられる。より詳しくは、冷凍回路は、作動流体としての冷媒が循環する循環管路を備え、圧縮機は蒸発器に循環管路を介して接続され、この循環管路の往路には凝縮器及び膨張弁が介挿される。なお、このスクロール圧縮機は、冷蔵庫及び冷凍庫の冷凍回路にも適用可能であり、又原理的には膨張機としても使用可能である。
回転軸30の大径端部34はニードル軸受36を介して駆動ケーシング22に回転自在に支持されている。ここで、ニードル軸受36は開放型であって、その両側の空間をその内部を通じて自由に流通させることができる。
更に、駆動ケーシング22内にはボール軸受38とニードル軸受36との間に軸封止ユニット、即ち、リップシール40が配置されており、このリップシール40は回転軸30の小径軸部32に相対的に摺接し、駆動ケーシング22内を気密に区画している。
偏心ブッシュ66はクランクピン68に支持され、このクランクピン68は回転軸30の大径端部34から偏心して突出している。従って、回転軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動することなる。
上述したスクロール圧縮機によれば、回転軸30の回転に伴い、クランクピン68及び偏心ブッシュ66を介して可動スクロール54が旋回運動し、この際、可動スクロール54の自転がボールカップリング72の働きにより阻止された状態にある。この結果、可動スクロール54はその旋回姿勢を一定に維持した状態で、固定スクロール56に対して旋回運動し、この旋回運動により、以下の一連のプロセスが実施される。まず、吸込口を通じて吸入室81に外部から冷媒が吸い込まれ、そして、吸入室81内の冷媒は、スクロールユニット52の外周にて吸入室81と連通した圧縮室59内に吸い込まれる。圧縮室59内に吸い込まれた冷媒は、渦巻きラップ54a,56aに沿った渦巻き中心方向への圧縮室59の移動に伴ない、その容積減少により圧縮される。圧縮冷媒は、渦巻き中心近傍にて圧縮室59が吐出孔82に連通したときに、その圧力によりリード弁84が開弁されて吐出室80内に吐出される。この後、圧縮冷媒は吐出室80から送出口を通じて外部に供給される。なお、スクロールユニット52においては、渦巻き方向に沿って相互に離間した複数の圧縮室59が同時に形成され、一連のプロセスにおける各工程が同時に進行する。
図2(a),(b)は、ボス62にニードル軸受64を圧入する以前、即ちスクロール圧縮機を組立てる前の可動スクロール54をそれぞれ示している。この状態において、渦巻きラップ54aの先端面は同一基準面内90にある。そして、渦巻き状の摺接面54cは、中央から径方向外側に向かうにつれ、基準面90から段階的に離間する複数段の区画域92,93,94,95に区画されている。各区画域92〜95は基準面90とそれぞれ平行であり、基準面90と区画域92〜95との間隔をそれぞれH1,H2,H3,H4としたときに、これらH1〜H4の間には、H1<H2<H3<H4で示される関係が成立している。互いに隣接する区画域92〜95は、摺接面54cを横断する段差97,98,99を介して連なっている。段差97〜99は、それぞれ摺接面54cの周方向に凹んだ半円形状をなし、渦巻きに沿って半周おきに設けられている。即ち、段差97〜99は、展開角にして略180度の間隔を存して互いに離間している。段差97〜99の高さは、例えば5〜50μmの範囲にあり、これら段差97〜99の高さをそれぞれS1,S2,S3としたときに、これらの高さS1〜S3は、S1=H2−H1,S2=H3−H2,S3=H4−H3で表される。また、段差97〜99の高さS1〜S3は、径方向外側に位置付けられるにつれ段階的に増大しており、S1〜S3の間には、S1<S2<S3で示される関係が成立している。なお、図2(a)から明らかなように、チップシール57は、渦巻きラップ54aの外端から展開角にして略180度の領域には設けられていない。
このスクロール圧縮機の組立の際、可動及び固定スクロール54,56は、可動スクロール54の基準面90と固定スクロール56の基準面とが互いに平行となるように、互いに噛み合うように配置される。
これに対して、可動スクロール54においては、ボス62にニードル軸受64を圧入したことによって、その基板54bが固定スクロール56側からみて凹状に湾曲してしまうと、図4に模式的に示したように、摺接面54cと基準面90又は固定スクロールの基準面91とは厳密には平行にはならない。しかし、可動スクロール54の渦巻き状の摺接面54cは、中央から径方向外側に向かうにつれ、基準面90から段階的に離間する複数段の区画域92〜95に区画されているので、基板54bの湾曲に起因する不具合が補償される。つまり、摺接面54cの区画域92〜95は、その渦巻き方向全域に亘り基準面90と平行な面上に実質的に配置されることになり、段差97〜99の存在によって、摺接面54cの各区画域92〜95と基準面90との間隔の偏差が減少される。
本発明は上記した一実施例に限定されることはなく、種々変形が可能であり、例えば、渦巻き状の摺接面54c,56cは、それぞれ3つの区画域92〜95,101〜104に区画されていたが、区画域の数は2つ以上であればよい。ただし、渦巻き状の摺接面54c,56cを、それぞれ3つ以上の区画域に区画すれば、固定スクロール56と可動スクロール54との間のシール性が一層向上し、更に良好な圧縮効率を確保することができるので好ましい。なぜならば、3つ以上の区画域に区画すれば、可動スクロール54における摺接面54cの各区画域92〜95と基準面90との間隔の偏差をより小さくすることができるとともに、可動スクロール54における渦巻きラップ54aの先端面と固定スクロール56における各区画域101〜104との間隔の偏差をより小さくすることができるからである。
更に、上記した一実施例では、段差97〜99,106〜108の形状は、エンドミルを用いて加工することを考慮して半円形状にしたけれども、格別限定されることはなく平面状であってもよい。
54 可動スクロール
56 固定スクロール
54a,56a 渦巻きラップ
54b,56b 基板
54c,56c 摺接面
92,93,94,95 摺接面54cの区画域
101,102,103,104 摺接面56cの区画域
97,98,99 摺接面54cの段差
106,107,108 摺接面56cの段差
Claims (3)
- ハウジング内に設けられた固定スクロールと、
ボスを有し、このボス内に圧入した軸受を介して回転自在に支持され、且つ、前記固定スクロールに対して噛み合った状態で旋回運動する可動スクロールとを備えたスクロール圧縮機において、
前記可動及び固定スクロールのそれぞれは、
基板と、
当該基板の内面に一体的に形成された渦巻きラップと、
前記渦巻きラップにより前記基板の内面に渦巻き状に区画され、他方のスクロールの渦巻きラップが弾性変形可能なシール部材を介して摺接される渦巻き状の摺接面と
を含み、
前記渦巻きラップの先端面はそれぞれ同一基準面内にあり、
前記渦巻き状の摺接面は、その中央から径方向外側に向かう渦巻き方向でみて、前記基準面から段階的に離間する複数段の区画域に区画されている
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記渦巻き状の摺接面は、前記複数段の区画域として3つ以上の区画域に区画されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記渦巻き方向に隣接する区画域間の段差は、中央から径方向外側に位置付けられるに従い段階的に大きくなっていることを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
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