JP4185819B2 - 車両用シートリクライニング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、座面となるシートクッションに対し、背もたれとなるシートバックを回動自在に取り付けるための車両用シートリクライニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用シートリクライニング装置としては、例えばシートクッション側のベースプレートに取り付けられる機枠と、シートバック側のアームプレートに取り付けられる蓋体とが相互に回動自在に構成され、前記機枠に取り付けられたロックツースの外歯ギヤ(歯)を、前記蓋体の内周面に形成した内歯ギヤに係合(すなわち、噛合)させることによって機枠と蓋体との相互回転を阻止し、前記シートバックを所定の角度位置に支持するように構成したものが知られている。
【0003】
例えば特許文献1においては、機枠には内歯ギヤの近傍に軸部とガイド部(摺動案内部)とが設けられており、ロックツースには前記軸部に揺動自在に係合する凹状の軸受部が形成されているとともに、前記ガイド部のガイド面(案内面)に摺接する前記軸受部と同軸円弧状の被摺動保持面(外周部)が形成されている。このガイド面は、内歯ギヤの近傍から当該内歯ギヤの内方に向けて、前記軸部と同軸の円弧状に形成されている。また、この内歯ギヤの内方には、外歯ギヤを係合させるべくロックツースを外方に駆動するカム状板(カム)が設けられている構成の車両用シートリクライニング装置が開示されている。
【0004】
このように構成された車両用シートリクライニング装置では、シートバックに作用する力が内歯ギヤと外歯ギヤとの係合によってロックツースに作用することになるが、ロックツースを軸部とガイド部とで保持していることから、蓋体が機枠に対して回動することがなく、シートバックを所定の角度位置に確実に支持することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−291563号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、自動車等の車体のほぼ中央の上下方向に設けられるセンターピラがない所謂ハードトップ型車や、ワゴン車等における回転シート等の普及により、シートベルトを車体側(センターピラ等)に設けるのではなく、シートの肩部分に組み込んだ、所謂ベルトインシートが注目されており、様々な車両において採用されてきている。
【0007】
このようなベルトインシートタイプの車両用シートリクライニング装置の場合、車両前方への強度として、例えば3500〔N・m〕程度の荷重に耐え得る要望があり、このような高強度化を実現するべく、板厚や外径の増加、材質や細部形状の変更等が図られている。
【0008】
しかしながら、かかる特許文献1の車両用シートリクライニング装置では、前記シートバックに作用する力が、内歯ギヤからロックツースを介して斜め内方のガイド部におけるガイド面、特にこのガイド面の外周側に集中して作用する。
【0009】
このとき、当該ロックツースには、ガイド面に押し付ける力とガイド面に沿って内方へ押し下げようとする力が作用することになる。そして、ガイド面に押し付ける力は、ガイド面の反力で受けることになる。また、ガイド面に沿って内方へ押し下げようとする力は、カム状板で受けることになる。
【0010】
しかし、前記特許文献1の構造では、ガイド部のガイド面が円弧を有しているため、ロックツースをガイド面に沿って内方へ押し下げようとする力が大きくなるという問題がある。
【0011】
これは、特にロックツースからの力が集中して作用するガイド面の外周側部分において、その面が内方を向いているため、この傾きによってロックツースを内方へ押し下げようとする力が大きくなるためである。
【0012】
そして、このカム状板はほぼ線接触の状態でロックツースに接触しているため、前記内方へ大きな力が作用すると、その接触部におけるカム状板およびロックツースが変形を生じ、これによって内歯ギヤと外歯ギヤとの係合深さが浅くなり、この係合による連結強度が低下するという問題があった。
【0013】
この問題を解決する一つの手法として、前記シートバックに作用する力が、内歯ギヤから前記ガイド面の外周側に集中して作用するのを回避するべく、このガイド部のガイド面における前記シートバックへの力が集中して作用した外周側と、ロックツースの前記被摺動保持面との間に隙間を設けることにより、ガイド面に対してロックツースを略水平に圧接させ、このロックツースの前記内歯ギヤの内方に向かう力、すなわちカム状板を内方に押圧する力を軽減する手法が本出願人によって発明されている(特願2002−289224号)。
【0014】
ところが、この場合、前記シートバックに作用する力(荷重)が大きくなると、前記ガイド面の外周側に隙間を設けるためにロックツースとの接触面が小さくなり、このガイド面に作用する面圧が大きくなるため、外歯ギヤを形成するべく焼入れ加工等の熱処理が施された強度の高いロックツースに比べ、熱処理を施していない生材のままの強度の低いガイド部の変形量が大きくなってしまう。
【0015】
このため、隙間の部分においても、ロックツースをガイド部のガイド面に沿って当接させようとすると、結果として、これらガイド部とロックツースとの間に設けた隙間がなくなり、カム状板を内方に押圧する力が大きくなるという問題が生じてしまう。
【0016】
そこで、本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、蓋体の内歯ギヤとロックツースの歯との連結強度の更なる向上を図ることができる車両用シートリクライニング装置を提供することを課題としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、機枠(10)と、この機枠(10)に回動自在に構成され、内周面に沿った内歯ギヤ(61)を有する蓋体(60)と、前記機枠(10)と前記蓋体(60)の軸方向の間で上記内歯ギヤ(61)の内方に配置され、当該内歯ギヤ(61)に係合可能な外歯ギヤ(21)を有するロックツース(20)と、上記外歯ギヤ(21)を前記内歯ギヤ(61)に少なくとも係合させるべく前記ロックツース(20)を半径方向外側へ押圧するカム(40)とを備え、上記機枠(10)には、上記外歯ギヤ(21)を上記内歯ギヤ(61)に係脱する方向に上記ロックツース(20)を揺動自在に支持する軸部(16)と、上記外歯ギヤ(21)を挟んだ上記軸部(16)の反対側で上記ロックツース(20)の軸部(16)回りの揺動を摺動自在に案内する摺動案内部(11B)とを設け、上記機枠(10)および蓋体(60)の一方をシートクッション(150)側に配設するとともに、他方をシートバック(160)側に配設した状態で、上記ロックツース(20)の外歯ギヤ(21)を上記内歯ギヤ(61)における異なる位置に噛合させることにより、上記シートバック(160)の上記シートクッション(150)に対する傾きを変更する車両用シートリクライニング装置であって、上記摺動案内部(11B)は、上記内歯ギヤ(61)近傍から上記カム(40)近傍まで上記機枠(10)の軸心位置を中心として半径方向に形成されており、この摺動案内部(11B)と上記ロックツース(20)との間には、この摺動案内部(11B)の前記カム側に、上記ロックツース(20)を摺動自在に案内する円弧状の案内面(11b)が形成されると共に、この摺動案内部(11B)の前記内歯ギヤ(61)側に、上記内歯ギヤ(61)側から上記半径方向内側に向かって隙間が形成され、この隙間のうち、上記摺動案内部(11B)の内歯ギヤ(61)側端部(11d)と、当該内歯ギヤ(61)側端部(11d)と対向する上記ロックツース(20)の外周面(28)との間の隙間が、他の上記隙間よりも狭く形成され、上記ロックツース(20)の外周面(28)と対向する上記摺動案内部(11B)の内歯ギヤ(61)側端部(11d)は、上記ロックツース(20)と当接する端面が、上記案内面(11b)に案内されて当該ロックツース(20)が移動する方向に対して、半径方向外側に向かって傾斜するように形成されていることを特徴としている。
【0020】
請求項2にあっては、請求項1において、上記隙間は、上記内歯ギア(61)側から半径方向内側における、上記ロックツース(20)の上記摺動案内部(11B)から最も離れた位置の外歯ギヤ(21)の歯面に直交する内歯ギヤからロックツースに作用する力の作用線(L5)が、上記摺動案内部(11B)に交わる位置まで形成されていることを特徴としている。
請求項3にあっては、請求項1または請求項2において、上記摺動案内部(11B)の上記内歯ギヤ側には、案内面(11b)を形成する円弧を窪ませるようにして隙間が形成されると共に、ロックツース(20)の外周面(28)には、上記摺動案内部(11B)の上記内歯ギヤ側端部に対向する突起部(20a)が突設されていることを特徴としている。
請求項4にあっては、請求項1または請求項2において、上記ロックツース(20)の外周面(28)に、上記摺動案内部(11b)の上記内歯ギヤ側に対向する窪み部(20d)を形成すると共に、この窪み部(20d)と外周面との段差によって、上記摺動案内部(11B)の内歯ギヤ側端部と対向する突起部(20a)を形成したことを特徴としている。
【0021】
請求項1によれば、内歯ギヤ(61)に外歯ギヤ(21)が係合した状態において、機枠(10)と蓋体(60)とを相対回転させようとする力が作用し、ロックツース(20)には、噛合する各外歯ギヤ(21)の歯面と略垂直な方向に力が作用し、当該力がロックツース(20)を介して摺動案内部(11B)およびカム(40)に作用することになる。この場合、ロックツース(20)に作用する力は、摺動案内部(11B)の案内面(11b)に作用する反力およびカム(40)に作用する反力とバランスすることになる。
【0022】
そして、摺動案内部(11B)とロックツース(20)との間に隙間が形成されるため、案内面(11b)に作用する反力が内方へ向くことがなく、ロックツース(20)を内方へ押し下げようとする力を軽減できる。また、ロックツース(20)に作用する力の方向と、摺動案内部(11B)の案内面(11b)に作用する力の方向がオフセットされ、ロックツース(20)には、摺動案内部(11B)側を支点として回転方向のモーメントが作用する。
【0023】
このモーメントは、ロックツース(20)の外歯ギヤ(21)を内歯ギヤ(61)に噛み合わせる方向であるとともに、ロックツース(20)に対するカム(40)側とは反対側の外方に向かっている。
【0024】
つまり、カム(40)に作用するロックツース(20)の力は、前記外方に向かって作用する力の分、軽減されることになるため、カム(40)とロックツース(20)との接触部の変形量を低減することができるとともに、噛合い強度を更に向上することができる。
【0025】
そして、機枠(10)と蓋体(60)とを相対回転させようとする力(荷重)が所定値を超すと、摺動案内部(11B)の案内面(11b)が変形してロックツース(20)の突起部(20a)が対向する摺動案内部(11B)の内歯ギア(61)側端部(11d)に当接して、ロックツース(20)に作用する力を摺動案内部(11B)の端部(11d)でも受けることができるようになる。
【0026】
そして、この場合、ロックツース(20)に大きな力が作用すると、前記ロックツース(20)の外周面が摺動案内部(11B)の案内面(11b)と端部(11d)に圧接されるため、力が分散され、案内面(11b)に作用する力を軽減でき、案内面(11b)の変形を小さくできる。また、案内面(11b)に対して端部(11d)はその受け面が小さく、端部(11d)に生じる反力の方が小さいため、前記回転モーメントは生じ続けることになる。
【0027】
従って、案内面(11b)の変形を小さくできるとともに、内歯ギヤ(61)とロックツース(20)の外歯ギヤ(21)との係合深さが浅くなるのを確実に回避することができ、これら内歯ギヤ(61)と外歯ギヤ(21)との連結強度の更なる向上を図ることができる車両用シートリクライニング装置を実現することができる。
【0028】
また、摺動案内部(11B)の端部(11d)は、ロックツース(20)と当接する端面が案内面(11b)に案内されてロックツース(20)が移動する方向に対して、半径方向の外側に向かって傾斜するように形成されているので、端部(11d)の端面に垂直な方向に作用する反力は、外方を向いて内方であるカム(40)の方向を向いていないため、ロックツース(20)の外周面が端部(11d)に当接することによってロックツース(20)を内方へ押し下げる方向に力が作用することがなく、しかも、端部(11d)がロックツース(20)の内方への移動を阻止するようになるため、カム(40)に作用する力を軽減することができる。そのため、カム(40)とロックツース(20)との係合部の変形を防止することができ、内歯ギア(61)とロックツース(20)の外歯ギヤ(21)との係合深さが浅くなるのを回避して更なる強度の向上を図ることができる。
【0029】
さらに、ロックツース(20)は、軸部(16)により回動可能に支持される構造であるため、ロックツース(20)の外周面と摺動案内部(11B)との間に隙間を設けてもロックツース(20)が周方向にガタ付きを生じることがない。また、ロックツース(20)は、軸部(16)を中心として回転しようとするため、ロックツース(20)が摺動案内部(11B)を略平行(実際には周方向)へ押圧する。そのため、隙間がある外周側が大きく移動してロックツース(20)が傾いてしまうようなことがなく、外歯ギヤ(21)の噛合いを保護して強度の低下を阻止することができる。
【0030】
請求項2によれば、前記隙間を外周側から、ロックツース(20)における摺動案内部(11B)から最も離れた位置の外歯ギヤ(21)の歯面に直交する内歯ギヤからロックツースに作用する力の作用線(L5)が摺動案内部(11B)に交わる位置の半径方向内側まで形成することで、摺動案内部(11B)の案内面(11b)に作用する反力の位置を半径方向内方側へ移動させ、この案内面(11b)の反力とロックツース(20)に作用する反力が交わることがないようにオフセットされるため、ロックツース(20)に作用するモーメントを大きくすることができ、外歯ギヤ(21)に作用する内歯ギヤ(61)へと噛み合う外方に向かう力を増大させることができる。
【0031】
従って、内歯ギヤ(61)とロックツース(20)の外歯ギヤ(21)との連結強度を請求項1に比べて、より一層向上させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳述する。
【0033】
図1〜図11は、本発明にかかる車両用シートリクライニング装置の一実施形態を示し、この実施形態で示す車両用シートリクライニング装置Eは、機枠10に形成した円形凹部14の内面側に嵌合するとともに、円形凹部14の内周面に沿って同軸状に回転可能な蓋体60を有し、これらの機枠10および蓋体60の軸方向の間に配置された揺動式のロックツース20および回転式のカム状板(カム)40を有している。
【0034】
蓋体60には、内周面に沿う互いに対向する2ヶ所の位置に内歯ギヤ61が形成されている。ロックツース20は、機枠10における2ヶ所の位置に軸部16を介して揺動自在に取り付けられているともに、前記各内歯ギヤ61に対向する位置にその内歯ギヤ61に噛合可能な外歯ギヤ21を有している。カム状板40は、このカム状板40の回転中心孔42を中心にして一方向(反時計方向)に回転することにより、2つの各ロックツース20を半径方向外側に押して外歯ギヤ21を内歯ギヤ61に噛合させたり、他方向(時計方向)に回転することにより、その噛合を解除させたりするようになっている。
【0035】
また、機枠10および蓋体60は、その一方がシートクッション150側に配設され、他方がシートバック160側に配設された状態で、前記ロックツース20の外歯ギヤ21が内歯ギヤ61に噛合することにより、シートバック160をシートクッション150に対して所定の角度に保持するようになっている。なお、この実施形態では、機枠10をシートクッション150側における幅方向の左右両側の各位置にそれぞれ配置して固定するとともに、蓋体60をシートバック160側における幅方向の左右両側の各位置にそれぞれ固定し、左右両側の操作軸30を後述するセレーション(継手部)32を介して円筒状のシャフト50で連結するようになっている。
【0036】
カム状板40の回転中心孔42には、操作軸30が圧入により固定されるようになっており、この操作軸30は、外部との回転力の伝達を行うためのセレーション32、34を有し、このセレーション32、34における回転方向の所定の位置が機枠10の所定の位置に合わされた状態で、カム状板40の回転中心孔42に圧入されるようになっている。
【0037】
なお、セレーション32は、シャフト50の内面に形成したセレーション(継手部)51に噛み合うように形成されたものであり、セレーション34は、操作レバー31の連結孔に形成されたセレーション35に噛み合うように形成されている。また、これらセレーション32、34は、凹凸の位置や形状が周方向において一致したものとなっている。
【0038】
ロックツース20は、機枠10における周方向に180度離れた位置に配置され、カム状板40にはロックカム面41が、回転中心孔(回転軸)42回りに180度離れた位置に形成されている。カム状板40は、各ロックカム面41を結ぶ線L1に対して略直交する線L2上の位置であって、回転中心孔42回りに180度離れた位置に被拘束外周面45を有し、機枠10は、各ロックツース20の被ロックカム面25を結ぶ線L3に対して略直交する線L4上の位置であって、周方向に180度離れた位置に後述する第1ガイド凸部(ガイド部)11Aを有している。
【0039】
この第1ガイド凸部11Aには、各被拘束外周面45に摺接する摺接面11cが形成されている。そして、各被拘束外周面45は、カム状板40の回転中心孔42を中心とする円弧状の曲面によって形成され、当該カム状板40の回転範囲において常に第1ガイド凸部11Aの摺接面11cに摺接するようになっている。なお、摺接面11cは各ロックツース20の被ロックカム面25を結ぶ線L3に対して略平行な平面状に形成されおり、カム状板40が各被ロックカム面25方向に移動するのを許容するようになっている。
【0040】
また、機枠10には、内歯ギヤ61の近傍に、ロックツース20を揺動自在に支持する半円柱状の軸部16が設けられている。ロックツース20には、軸部16に揺動自在に係合する半円状の凹状の軸受部23が形成されているとともに、この軸受部23を挟んで外歯ギヤ21とは反対側の位置に、軸受部23と同軸状に円弧状の被摺動保持面24が形成されている。
【0041】
さらに、機枠10には、この機枠10と蓋体60との相対的な回転力が内歯ギヤ61と外歯ギヤ21との噛合部およびロックツース20を介して軸部16に作用する外力Pを、被摺動保持面24に当接してさらに保持する上述した第1ガイド凸部11Aが設けられている。なお、外力Pは、シートバック160を後方に移動させるような力が作用した際に生じる力である。
【0042】
機枠10は、その外側面がシートクッション150の強度メンバの一部を構成するベースプレート110に溶接やボルト等で固定され、蓋体60は、その外側面がシートバック160の強度メンバの一部を構成するアームプレート120に溶接やボルト等で固定されるようになっている。
【0043】
また、機枠10および蓋体60と同軸状の位置には、アームプレート120をフロント(F)方向に付勢して、シートバック160を前方に倒すためのうず巻スプリング130が装着されている。
【0044】
機枠10は、全体として円板状に形成されたものであって、円形状の内周面14aを外周近傍位置に同軸状に形成することにより、円形凹部14を有するように構成したものであり、その軸心位置に操作軸30を挿通するための回転中心孔17が形成されている。
【0045】
また、円形凹部14の底面からは、第1ガイド凸部11A、第2ガイド凸部(摺動案内部)11B、凸部13、軸部16が2つずつ突設されており、軸部16は、その半円状の外周面をロックツース20の半円状の軸受部23に係合することによって、当該ロックツース20を揺動自在に支持するようになっている。
【0046】
第1ガイド凸部11Aと第2ガイド凸部11Bは、内歯ギヤ61の近傍からカム状板40の近傍まで軸心位置から半径方向に形成されている。第1ガイド凸部11Aは、軸部16回りに揺動するロックツース20の第1外周面27を摺動自在に案内するガイド面11aを有しており、第2ガイド凸部11Bは、同じく軸部16回りに揺動するロックツース20の第2外周面(外周部)28を摺動自在に案内するガイド面(案内面)11bを有している。
【0047】
なお、第1外周面27は、軸部16に対して機枠10の回転中心側に位置しており、上述した外力Pをガイド面11aに作用させることがほとんどない位置に設けられている。つまり、第1外周面27とガイド面11aは、ロックツース20が軸部16回りに揺動するのをガイドするとともに、ロックツース20が軸部16から脱落するのを防止するようになっている。
【0048】
第1外周面27、第2外周面28、ガイド面11a、11bは、軸部16によるロックツース20の回転中心、すなわち軸受部23に対して同軸状の円弧状に形成されている。
【0049】
また、第1ガイド凸部11Aには、回転中心側を向く面に上述した摺接面11cが形成されているとともに、被摺動保持面24側を向く面に上述したバックアップ面11dが形成されている。そして、被摺動保持面24およびバックアップ面11dも軸受部23に対して同軸状の円弧状に形成されている。
【0050】
ガイド面11bは、第2ガイド凸部11Bのカム状板40側に形成されており、内歯ギヤ61側にはロックツース20との間に0.6〜1.3〔mm〕程度の隙間を有するように窪みが形成されている。そして、この隙間は、ロックツース20における第2ガイド凸部11Bから最も離れた位置の外歯ギヤ21の歯面に直交する作用線L5が第2ガイド凸部11Bに交わる位置より半径方向内方まで形成されており、その内側にガイド面11bが形成されている。
【0051】
凸部13は、一方の第1ガイド凸部11Aと他方の第2ガイド凸部11Bとの間、および他方の第1ガイド凸部11Aと一方の第2ガイド凸部11Bとの間に配置されており、ロックスプリング70の基部70aを保持するようになっている。
【0052】
ロックスプリング70は、うず巻スプリング状に形成されており、カム状板40を、図1において反時計方向に回転するように付勢するようになっている。また、ロックスプリング70は、カム状板40を反時計方向に回転させることにより、ロックツース20の外歯ギヤ21を内歯ギヤ61に常時噛合させるように付勢するようになっている。
【0053】
さらに、前記第1ガイド凸部11A、第2ガイド凸部11B、凸部13、軸部16は、プレスを用いたエンボス加工により機枠10に一体に形成されている。
【0054】
蓋体60も、機枠10と同様に円板状に形成されたものであり、機枠10の内周面14aに回転自在に嵌合するリム部60aの内周面に沿って、上述した内歯ギヤ61が設けられている。この蓋体60には、その軸心位置に、操作軸30を挿通するための回転中心孔62が形成されている。
【0055】
これら蓋体60および機枠10は、その外周部がリング状のホルダ80によって挟持するように覆われており、これにより軸方向に分離されることなく相互に回転可能に保持されている。
【0056】
ロックツース20は、軸部16の一方の側であって内歯ギヤ61に対向する部分に上述した外歯ギヤ21を有し、また、この外歯ギヤ21の背面側にカム状板40のロックカム面41から力を受ける被ロックカム面25を有している。すなわち、ロックツース20は、その被ロックカム面25でロックカム面41から力を受けることにより、軸部16を中心にして時計方向に揺動し、外歯ギヤ21が内歯ギヤ61に噛合するようになされている。
【0057】
また、軸部16を挟んで外歯ギヤ21とは反対側の外周面22は、内歯ギヤ61と干渉しないように扁平に切断されている。この外周面22の背面側に、カム状板40のロック解除カム面44から力を受ける被ロック解除カム面26を有している。すなわち、ロックツース20は、その被ロック解除カム面26でロック解除カム面44から力を受けることにより、反時計方向に揺動し、外歯ギヤ21が内歯ギヤ61から離れるようになっている。
【0058】
操作軸30は、機枠10および蓋体60のそれぞれの回転中心孔17、62に遊嵌されており、ベースプレート110およびアームプレート120にそれぞれ形成された支持孔112、122にも遊嵌により挿通されている。また、操作軸30は、そのセレーション34がベースプレート110の外方に突出し、セレーション32がアームプレート120の外方に突出している。なお、セレーション34に取り付けられた操作レバー31には、さらに操作ノブ33が取り付けられている。
【0059】
カム状板40は、その回転中心孔42に操作軸30の圧入軸部30aを圧入により固定するようになっており、外周面には上述したロックカム面41、ロック解除カム面44がそれぞれ2つずつ形成されている。さらに、カム状板40の外周面には、ロックスプリング70の外側端70bが係止する係止部43が形成されている。
【0060】
ロックスプリング70は、その基部70aが凸部13によって保持され、その外側端70bがカム状板40の係止部43に係止している。
【0061】
かかる構成に加えて、本実施形態の場合、ロックツース20の第2外周面28における外歯ギヤ21側に、第2ガイド凸部11Bの内歯ギヤ61側端部11dと対向する突起部20aが突設されている。
【0062】
この突起部20aと第2ガイド凸部11Bの端部11dとの間には、0.2〜0.5〔mm〕程度の僅かなクリアランスが設けられており、内歯ギヤ61に外歯ギヤ21が係合した状態において、機枠10と蓋体60とを相対回転させようとする力(荷重)が所定値(例えば、1000〜2000〔N・m〕程度)を超して作用すると、ロックツース20の突起部20aが、対向する第2ガイド凸部11Bの端部11dに当接するようになっている。
【0063】
ここで、ロックツース20の突起部20aと対向する第2ガイド凸部11Bの内歯ギア61側端部11dは、図11に示すように、ロックツース20と当接する端面がガイド面11bに案内されてロックツース20が移動する方向に対して、半径方向外側に向かって傾斜するように形成されている。
【0064】
そして、この荷重が更に大きくなると、この突起部20aは対向する第2ガイド凸部11Bの端部11dに食い込むようになっている。
【0065】
次に、上述した車両用シートリクライニング装置Eの作用、効果等について説明する。
【0066】
所謂ベルトインシートタイプのシートに組み付けられた車両用シートリクライニング装置Eにおいては、通常時は図1に示すように、カム状板40がロックスプリング70の付勢力により反時計方向に回転しているので、ロックカム面41によってロックツース20の被ロックカム面25が押圧され、ロックツース20が軸部16を介して時計方向に揺動し、外歯ギヤ21が蓋体60の内歯ギヤ61に噛合した状態、すなわちシートバック160の回転が阻止された状態になっている。この状態においては、線L1と線L2、線L3と線L4がそれぞれ図1に示すように、ほぼ重なった状態になる。
【0067】
一方、操作レバー31の操作ノブ33を操作して操作軸30を時計方向に回転させると、カム状板40のロックカム面41とロックツース20の被ロックカム面25との係合が解かれるとともに、ロック解除カム面44がロックツース20の被ロック解除カム面26を押圧することになる。
【0068】
このため、ロックツース20は、軸部16を中心として反時計方向に揺動し、外歯ギヤ21と蓋体60の内歯ギヤ61との噛合が解かれてロック解除状態となり、蓋体60に取り付けられたアームプレート120、すなわちシートバック160がうず巻スプリング130の付勢力によりフロント(F)方向に回転する。
【0069】
このロック解除状態から再びロック状態に復帰させるには、シートバック160の所望する傾動位置で把持している操作ノブ33を放す操作を行う。そうすると、ロックスプリング70の付勢力によりカム状板40が反時計方向に回転するとともに、ロックツース20が時計方向に回転することにより、その外歯ギヤ21が内歯ギヤ61と噛合してロック状態となる。
【0070】
そして、前記車両用シートリクライニング装置Eによれば、内歯ギヤ61に外歯ギヤ21が係合した状態において、この車両の前方衝突により、前方へ移動しようとする荷重が作用した場合、機枠10と蓋体60とを相対回転させようとする力Wが作用する。このとき、ロックツース20には、図10に示すように、噛合する外歯ギア21の各歯の歯面と垂直な方向へ力が作用し、この力がロックツース20を介して第2ガイド凸部11Bおよびカム状板40に作用することになる。
【0071】
この入力された力に対して、第2ガイド凸部11Bのガイド面11bおよびロックカム面41には、図11に示すように、鉛直な方向の反力L6およびL7が作用するため、ロックツース20は噛合いが外れることなくロック状態を保持することができる。
【0072】
ここで、ロックツース20の突起部20aと対向する第2ガイド凸部11Bの端部11dとは当接していないので、入力された力に対して第2ガイド凸部11Bのガイド面11bはオフセットされた位置にあることから、ロックツース20には、外歯ギア21を内歯ギア61に噛合わせる方向のモーメントが作用し、噛合いを強化するとともに、カム状板40に作用する力を軽減することができる。
【0073】
そして、この入力された力が大きくなると、第2ガイド凸部11Bのガイド面11bが変形を開始する。このとき、ロックツース20は軸部16に支持されているため、ロックツース20のみがロックカム面41を支点として回転することがなく、噛合いを保ったまま第2ガイド凸部11B側へ押されて移動する。そして、この力(荷重)が所定値を超すと、ロックツース20の突起部20aが対向する第2ガイド凸部11Bの端部11dに当接する。
【0074】
このため、図11に示すように、第2ガイド凸部11Bのロックツース20と接触する端部11dには、この端部11dに垂直な方向に反力L8が作用する。
【0075】
このように、ロックツース20に斜め内方に向かった力に対する反力が、当該ロックツース20の第2外周面28およびロックツース20の突起部20aと接触している第2ガイド凸部11Bのガイド面11bおよび端部11dに、斜め外方に向かって作用する。また、同様にカム状板40のロックツース20と接触するカム面にも、この接線に垂直な方向に反力が作用する。
【0076】
この場合、ロックツース20に作用する力は、第2ガイド凸部11Bのガイド面11bおよび端部11dに作用する反力並びにカム状板40に作用する反力とバランスすることになる。
【0077】
このように第2ガイド凸部11Bとロックツース20との間に隙間を設けることにより、ロックツース20に作用する力の方向と、第2ガイド凸部11Bのガイド面11bに作用する力の方向がオフセットされ、ロックツース20には、第2ガイド凸部11B側を支点として回転方向のモーメントが作用する。
【0078】
このモーメントは、ロックツース20の外歯ギヤ21を内歯ギヤ61に噛み合わせる方向であるとともに、ロックツース20に対するカム状板40側とは反対側の外方に向かっている。
【0079】
つまり、カム状板40に作用するロックツース20の力は、前記外方に向かって作用する力の分、軽減されることになるため、カム状板40とロックツース20との接触部の変形量を低減することができる。
【0080】
そして、ロックツース20に前記内方に向かった力が大きくなると、前記突起部20aが第2ガイド凸部11Bのガイド面11bに圧接され、このガイド面11bに突起部20aが食い込む。このとき、この突起部20aが食い込んだガイド面11bにおける反力は、斜め外方に向かって作用する。
【0081】
ここで、ロックツース20は、軸部16により揺動可能に支持されているため、カム状板40との係合部を支点として傾くように回動することはなく、ロックツース20は第2ガイド凸部11Bを略平行(実際には、カム状板40を中心とした周方向)に押圧する。
【0082】
この押圧する面積は、端部11dの方が小さいため、ガイド面11bに作用する反力L7よりも端部11dに作用する反力L8の方が小さくなる。そのため、ロックツース20には、ガイド面11bの隙間側端部を支点とするモーメントが外方向に向かって作用し、ロックツース20がカム状板40の方向に押し下げられる力を軽減する。
【0083】
また、第2ガイド凸部11Bの端部11dは、対向するロックツース20の突起部20aとの当接面が、ガイド面11bに案内されてロックツース20が移動する方向に対して、半径方向外側に向かって傾斜するように形成されているため、ロックツース20の突起部20aが端部11dを押圧してもロックツース20を半径方向内方へ押し下げる方向へ力が作用することがなく、しかも、端部11dがロックツース20の内方への移動を阻止するように働くため、カム状板40に作用する力を軽減することができる。
【0084】
従って、ロックツース20に作用する力が大きくなると、ロックツース20と当接する第2ガイド凸部11Bの当接面が増えることで面圧を下げることができ、第2ガイド凸部11Bの変形を軽減するとともに、カム状板40に作用する荷重を軽減してカム状板40のロックツース20との係合部の変形を軽減できるため、ロックツース20の外歯ギア21と内歯ギア61の噛合いを保持してロック強度を向上することができる。
【0085】
なお、更にロックツース20に作用する力が大きくなった場合には、ロックツース20の第2外周面28と第2ガイド凸部11Bとの間の隙間がなくなり、第2ガイド凸部11Bの対向面全体でロックツース20を受けることができ、しかも、突起部20aが第2ガイド凸部11Bの端部11dに完全に食い込むことになるので、第2ガイド凸部11B全体でロックツース20の第2外周面28を受けるようにしても、ロックツース20をカム状板40の方向へ押し下げる力は大きくなることはない。
【0086】
これにより、ロックツース20に作用する力の大きさにより、ロックツース20に当接する第2ガイド凸部11Bの当接面の範囲を変更し、第2ガイド凸部11Bとカム状板40の強度のバランスを調節することで、ロック強度の大幅な向上を図ることができる。
【0087】
従って、内歯ギヤ61と外歯ギヤ21との係合深さが浅くなるのを確実に回避することができ、ベルトインシートタイプにおける車両前方への高強度にも耐え得る車両用シートリクライニング装置Eに対し、これら内歯ギヤ61と外歯ギヤ21との連結強度の更なる向上を図ることができる。
【0088】
また、この場合、ロックツース20における第2ガイド凸部11Bから最も離れた位置の外歯ギヤ21の歯面に対し、略垂直な方向に作用する内歯ギヤ61からの力の作用線L5が、第2ガイド凸部11Bに交わる位置から、半径方向外方における突起部20aが突設される位置、すなわち第2ガイド凸部11Bの内歯ギヤ61側と対向する位置まで、第2ガイド凸部11Bのガイド面11bとロックツース20の第2外周面28との間に隙間が形成されるので、ガイド面11bに作用する反力とロックツース20に作用する反力が交差することなくオフセットされるため、ロックツース20に作用するモーメントを大きくすることができ、外歯ギヤ21に対し内歯ギヤ61側となる外方へ向かって作用する力の増大を図ることができる。従って、内歯ギヤ61とロックツース20の外歯ギヤ21との連結強度をより一層向上させることができる。
【0089】
なお、本発明の車両用シートリクライニング装置Eを上述した一実施形態を例に取って説明したが、本発明はこれに限ることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種実施形態を採用することができる。
【0090】
上述した実施形態においては、ロックツース20の第2外周面28における外歯ギヤ21側に、第2ガイド凸部11Bのガイド面11bにおける内歯ギヤ61側と対向する突起部20aを突設するようにした場合について述べたが、例えば図1との対応部分に同一符号を付した図12に示すように、ロックツース20の第2外周面28における外歯ギヤ21側に、第2ガイド凸部11Bのガイド面11bにおける内歯ギヤ61側と対向する窪み部20dを設けるようにしてもよい。
【0091】
この場合、この窪み部20dを設けることで、第2ガイド凸部11Bとロックツース20との間に隙間を形成することができるとともに、ロックツース20の第2外周面28における外歯ギヤ21側に、第2ガイド凸部11Bの内歯ギヤ61側と対向する突起部20aを形成することもできる。
【0092】
このように、第2ガイド凸部11Bとロックツース20との間に隙間を設けることにより、ロックツース20に作用する力の方向と、第2ガイド凸部11Bのガイド面11bに作用する力の方向がオフセットされ、この実施形態においても、前記実施形態とほぼ同様の効果を得る利点を有することができる。
【0093】
【発明の効果】
請求項1記載の発明においては、ロックツース(20)の外周面(28)と摺動案内部(11B)との間に隙間を形成し、案内面(11b)が摺動案内部(11B)のカム(40)側に設けられていることから、ロックツース(20)に内歯ギヤ(61)と噛み合う方向のモーメントを生じさせることができる。
【0094】
これに加え、ロックツース(20)に案内面(11b)を変形させるような大きな力が作用すると、ロックツース(20)の外周面(28)が対向する摺動案内部(11B)の端部(11d)に圧接されて食い込むことで、ロックツース(20)から作用する力が分散され、案内面(11b)の変形を小さくできる。また、この状態でも前記モーメントが作用することにより、ロックツース(20)に対して外歯ギヤ(21)を内歯ギヤ(61)に噛み合わせる方向に力が作用し、ロックツース(20)を内方へ押し下げる力を軽減するため、ロックツース(20)の外歯ギヤ(21)が内歯ギヤ(61)から外れ難くなる。
【0095】
従って、案内面(11b)の変形を小さくできるとともに、内歯ギア(61)とロックツース(20)の外歯ギヤ(21)との係合深さが浅くなるのを確実に回避することができ、これら内歯ギヤ(61)と外歯ギヤ(21)との連結強度の更なる向上を図ることができる車両用シートリクライニング装置を実現することができる。
【0096】
また、摺動案内部(11B)の端部(11d)は、ロックツース(20)と当接する端面がロックツース(20)の内方への移動方向に対して半径方向の外側に向かって傾斜するように形成されているので、ロックツース(20)の外周面(28)が端部(11d)に当接してもロックツース(20)を内方へ押し下げる方向の力が作用することがなく、カム(40)に作用する力を軽減することができる。そのため、カム(40)とロックツース(20)との係合部が変形して、内歯ギア(61)とロックツース(20)の外歯ギヤ(21)との係合深さが浅くなるのを回避して更なる強度の向上を図ることができる。
【0097】
さらに、ロックツース(20)は、軸部(16)により回動可能に支持される構造であるため、ロックツース(20)の外周面(28)と摺動案内部(11B)との間に隙間を設けてもロックツース(20)が周方向にガタ付きを生じることがない。また、ロックツース(20)に摺動案内部(11B)側への力が作用してもロックツース(20)が隙間側へ傾いてしまうことがなく、外歯ギヤ(21)の噛合いを保護して強度の低下を阻止することができる。
【0098】
請求項2記載の発明においては、ロックツース(20)における摺動案内部(11B)から最も離れた位置の外歯ギヤ(21)の歯面に直交する内歯ギヤからロックツースに作用する力の作用線(L5)が摺動案内部(11B)に交わる位置より半径方向内方まで隙間が形成されているので、当該案内面(11b)に作用する反力の位置を半径方向内方側へ移動させ、この案内面(11b)の反力とロックツース(20)に作用する反力が交わることがないようにオフセットされるため、ロックツース(20)に作用するモーメントを大きくでき、内歯ギヤ(61)と噛み合う外方に向かう力の増大を図ることができる。従って、内歯ギヤ(61)とロックツース(20)の外歯ギヤ(21)との連結強度をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る車両用シートリクライニング装置を示す要部正面視説明図である。
【図2】 同車両用シートリクライニング装置を示す図であって、図1のII−II断面図である。
【図3】 同車両用シートリクライニング装置を示す図であって、図1のIII−III断面図である。
【図4】 同車両用シートリクライニング装置のロックツースを示す正面視拡大説明図である。
【図5】 同車両用シートリクライニング装置を示す図であって、図4の一点鎖線で囲んだ部分の拡大図である。
【図6】 同車両用シートリクライニング装置の要部分解斜視説明図である。
【図7】 同車両用シートリクライニング装置の正面視説明図である。
【図8】 同車両用シートリクライニング装置を示す図であって、図7のVIII−VIII断面説である。
【図9】 同車両用シートリクライニング装置を示す図であって、図8のIX−IX矢視図である。
【図10】 同車両用シートリクライニング装置を示す図であって、内歯ギヤからロックツースに作用する力の作用説明図。
【図11】 同車両用シートリクライニング装置を示す図であって、内歯ギヤからロックツースに作用する力の作用説明図。
【図12】 本発明の他の実施形態に係る車両用シートリクライニング装置を示す要部正面視説明図である。
【符号の説明】
10・・・機枠
11B・・・第2ガイド凸部(摺動案内部)
11b・・・ガイド面(案内面)
11d・・・端部
16・・・軸部
20・・・ロックツース
20a・・・突起部
20d・・・窪み部
21・・・外歯ギヤ
23・・・軸受部
28・・・第2外周面(外周面)
60・・・蓋体
61・・・内歯ギヤ
150・・・シートクッション
160・・・シートバック
E・・・車両用シートリクライニング装置
L5・・・作用線
Claims (4)
- 機枠(10)と、この機枠(10)に回動自在に構成され、内周面に沿った内歯ギヤ(61)を有する蓋体(60)と、前記機枠(10)と前記蓋体(60)の軸方向の間で上記内歯ギヤ(61)の内方に配置され、当該内歯ギヤ(61)に係合可能な外歯ギヤ(21)を有するロックツース(20)と、上記外歯ギヤ(21)を前記内歯ギヤ(61)に少なくとも係合させるべく前記ロックツース(20)を半径方向外側へ押圧するカム(40)とを備え、上記機枠(10)には、上記外歯ギヤ(21)を上記内歯ギヤ(61)に係脱する方向に上記ロックツース(20)を揺動自在に支持する軸部(16)と、上記外歯ギヤ(21)を挟んだ上記軸部(16)の反対側で上記ロックツース(20)の軸部(16)回りの揺動を摺動自在に案内する摺動案内部(11B)とを設け、上記機枠(10)および蓋体(60)の一方をシートクッション(150)側に配設するとともに、他方をシートバック(160)側に配設した状態で、上記ロックツース(20)の外歯ギヤ(21)を上記内歯ギヤ(61)における異なる位置に噛合させることにより、上記シートバック(160)の上記シートクッション(150)に対する傾きを変更する車両用シートリクライニング装置であって、
上記摺動案内部(11B)は、上記内歯ギヤ(61)近傍から上記カム(40)近傍まで上記機枠(10)の軸心位置を中心として半径方向に形成されており、
この摺動案内部(11B)と上記ロックツース(20)との間には、この摺動案内部(11B)の前記カム側に、上記ロックツース(20)を摺動自在に案内する円弧状の案内面(11b)が形成されると共に、この摺動案内部(11B)の前記内歯ギヤ(61)側に、上記内歯ギヤ(61)側から上記半径方向内側に向かって隙間が形成され、
この隙間のうち、上記摺動案内部(11B)の内歯ギヤ(61)側端部(11d)と、当該内歯ギヤ(61)側端部(11d)と対向する上記ロックツース(20)の外周面(28)との間の隙間が、他の上記隙間よりも狭く形成され、
上記ロックツース(20)の外周面(28)と対向する上記摺動案内部(11B)の内歯ギヤ(61)側端部(11d)は、上記ロックツース(20)と当接する端面が、上記案内面(11b)に案内されて当該ロックツース(20)が移動する方向に対して、半径方向外側に向かって傾斜するように形成されている
ことを特徴とする車両用シートリクライニング装置。 - 上記隙間は、
上記内歯ギア(61)側から
半径方向内側における、
上記ロックツース(20)の上記摺動案内部(11B)から最も離れた位置の外歯ギヤ(21)の歯面に直交する内歯ギヤからロックツースに作用する力の作用線(L5)が、上記摺動案内部(11B)に交わる位置
まで形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の車両用シートリクライニング装置。 - 上記摺動案内部(11B)の上記内歯ギヤ側には、案内面(11b)を形成する円弧を窪ませるようにして隙間が形成されると共に、
ロックツース(20)の外周面(28)には、上記摺動案内部(11B)の上記内歯ギヤ側端部に対向する突起部(20a)が突設されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用シートリクライニング装置。 - 上記ロックツース(20)の外周面(28)に、上記摺動案内部(11b)の上記内歯ギヤ側に対向する窪み部(20d)を形成すると共に、
この窪み部(20d)と外周面との段差によって、上記摺動案内部(11B)の内歯ギヤ側端部と対向する突起部(20a)を形成した
ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用シートリクライニング装置。
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