JP4183316B2 - 吊荷の振れ止め制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はクレーンによって吊荷を運搬する際に吊荷の振れ止め制御を行うために前記クレーンに備えた吊荷の振れ止め制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に示すクレーンでは、トロリー12からロープ13が垂れ下がっており、このロープ13の下端に吊荷14を取り付けた状態でトロリー12がレール11上を走行して吊荷4を運搬するようになっている。
【0003】
このようなクレーンにおいて自動運転を行う場合には、トロリー12を走行させて吊荷14を指示された目標位置まで運搬するのと同時に、トロリー12の走行終了後に吊荷14の振れが残らないようにする吊荷14の振れ止め制御機能をクレーンに組み込む必要がある。
【0004】
そこで、従来はバンバン型の制御装置による吊荷の振れ止め制御が提案されている。即ち、上記のようなクレーンは台車・振り子系としてモデル化することができ、このような台車・振り子系モデルについては、トロリー12の走行加速度を切り替えるバンバン型制御装置により吊荷の振れ止め制御が可能であることが示されている(参考文献「トロリーの最大速度に注目したクレーンの最短時間制御方法」、美多 勉 他、計測自動制御学会論文集VOL.15 No.6 pp.125-130 1979)。
【0005】
このバンバン型制御装置の出力特性を図8に示す。バンバン型制御装置では、図8(a)に示すような走行速度パターンを予め計算しておき、この走行速度パターンにしたがってトロリー12を速度制御することにより、吊荷14の振れ止め制御を行う。図8(b)と図8(c)には、図8(a)に示す走行速度パターンに対応したトロリー12の走行加速度と、ロープ13と吊荷12とからなる振り子の振幅(振れ角)とを示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のバンバン型制御装置によって吊荷の振れ止め制御を行う場合には、図8(b)に示すようにトロリー12の加速途中及び減速途中にトロリー12の走行加速度を急激に変化させる不連続点が存在する。このため、トロリー12の走行駆動系の応答に遅れが生じ、この応答遅れが誤差要因となって、トロリー12が走行速度パターンにしたがって走行した後に吊荷14の振れが残留するということがしばしば発生する。
【0007】
このことから、上記従来のバンバン型制御装置では走行速度パターン終了後に吊荷14の残留振れを止めるための制御が付加されているが、このことが吊荷14の運搬時間を長くする要因となって荷役効率を低下させるという重大な問題を有していた。
【0008】
従って本発明は上記従来技術に鑑み、トロリー等の走行体の加速途中及び減速途中で走行加速度に不連続点を持たない走行速度パターンを得ることができ、この走行速度パターンに基づいて走行駆動系の追従性に起因する吊荷の残留振れが少ない高精度な振れ止め制御を行うことができる吊荷の振れ止め制御装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1発明の吊荷の振れ止め制御装置は、走行体から垂れ下がったロープの下端に吊荷を取り付け、この吊荷を前記走行体の走行により目標位置まで運搬するよう構成されたクレーンにおいて、このクレーンにより前記吊荷を運搬する際に前記吊荷の振れ止め制御を行う吊荷の振れ止め制御装置であって、
前記ロープの長さlを検出するロープ長検出装置と、
前記走行体の現在位置xOを検出する走行体位置検出装置と、
速度指令値に基づいて前記走行体の走行速度を制御する機能を有する走行体駆動装置と、
この走行体駆動装置へ前記速度指令値を出力する制御装置とを備え、
この制御装置では、
基準ロープ長l O に基づいて、次式により基準周期T計算し、
【数29】
この基準周期Tと走行最大速度V max とに基づいて、次式により前記走行体の加速時の基準走行加速度a ko を計算し、
【数30】
この基準走行加速度a ko と、前記基準ロープ長l O と、前記ロープの長さlと、重力加速度gと、振り子の振れ角φと、振り子の振れ角速度ωと、ロープ長変化率ν l とに基づいて、次のような前記走行体の加速時の走行加速度a k の式を求め、
【数31】
この走行加速度a k を次式のように積分して、前記走行体の加速時の走行速度V a ( t ) を計算し、
【数32】
この走行速度V a ( t ) を次式のように積分して、前記走行体の加速に要する加速部走行距離D a を計算するステップ1と、
【数33】
前記基準ロープ長l O に基づいて、次式により基準周期T計算し、
【数34】
この基準周期Tと前記走行最大速度V max とに基づいて、次式により前記走行体の減速時の基準走行加速度a ko を計算し、
【数35】
この基準走行加速度a ko と、前記基準ロープ長l O と、前記ロープの長さlと、重力加速度gと、振り子の振れ角φと、振り子の振れ角速度ωと、ロープ長変化率ν l とに基づいて、次のような前記走行体の減速時の走行加速度a k の式を求め、
【数36】
この走行加速度a k を次式のように積分して、前記走行体の減速時の走行速度V d ( t ) を計算し、
【数37】
この走行速度V d ( t ) を次式のように積分して、前記走行体の減速に要する減速部走行距離D d を計算するステップ2と、
【数38】
前記走行体の走行目標位置P O と前記現在位置x O とに基づいて、次式により前記走行体の全体の走行距離Dを計算し、
D=PO−xO
この全体の走行距離Dと前記加速部走行距離D a と前記減速部走行距離D d とに基づいて、次式により前記走行体が前記走行最大速度V max で走行する距離D max を計算し、
Dmax=D−Da−Dd
この距離D max と前記走行最大速度V max とに基づいて、次式により前記走行体が前記走行最大速度V max で走行する距離T max を計算し、
【数39】
前記加速時の走行速度V a ( t ) と前記減速時の走行速度V d ( t ) と前記走行最大速度V max とをつなげることによって、次式のような走行速度パターンv ( t ) を計算するステップ 3とを実行し、
【数40】
この走行速度パターンv(t)に基づいて前記速度指令値を前記走行体駆動装置へ出力することを特徴とする。
【0010】
また、第2発明の吊荷の振れ止め制御装置は、第1発明の吊荷の振れ止め制御装置において、
前記ロープ長検出装置の代わりに、前記実際の振り子の振れ周期もしくは振動数を検出する装置を備えたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態に係る吊荷の振れ止め制御装置を備えたクレーンのモデル図、図2は前記吊荷の振れ止め制御装置のブロック図、図3は前記吊荷の振れ止め制御装置の処理を示すフローチャート、図4は前記吊荷の振れ止め制御装置における走行速度パターンの加速部分の計算方法を表す説明図、図5は前記吊荷の振れ止め制御装置における走行速度パターンの減速部分の計算方法を表す説明図、図6は前記吊荷の振れ止め制御装置における走行速度パターンの一定速度部分の計算方法を表す説明図、図7は前記吊荷の振れ止め制御装置の出力特性を表す説明図である。
【0013】
<構成>
図1に示すクレーンでは、トロリー12からロープ13が垂れ下がっており、このロープ13の下端に吊荷14を取り付けた状態でトロリー12がレール11上を走行して吊荷4を運搬するようになっている。
【0014】
そして、このクレーンにはロープ13の長さ(ロープ長)lを検出するロープ長検出装置17と、トロリー12の現在位置xo を検出するトロリー位置検出装置16と、速度指令値uに基づいてトロリー12の走行速度を制御する機能を有するトロリー駆動装置15と、トロリー駆動装置15へ速度指令値uを出力する制御装置18とを備えており、これらのロープ長検出装置17、トロリー位置検出装置16、トロリー駆動装置15及び制御装置18によって本実施の形態に係る吊荷の振れ止め制御装置が構成されている。
【0015】
図2に示すように、制御装置18には振れ止めパターン演算部21が設けられており、この振れ止めパターン演算部21では、詳細は後述するが、ロープ長検出装置17で検出したロープ長l及びトロリー位置検出装置16で検出した現在位置xo と、前もって制御装置18に与えられたパラメータである任意の基準ロープ長lo 、トロリー12の走行最大速度Vmax 及びトロリー12の走行目標位置Po とに基づいて、吊荷14の振れ止めに必要なトロリー12の走行速度パターンv(t) を計算し、この走行速度パターンv(t) に基づいて速度指令値uをトロリー駆動装置15へ出力する。
【0016】
ここで、図3のフローチャートに基づき、振れ止めパターン演算部21で実行される処理について具体的に説明する。図3のフローチャートにおいて、ステップ1〜ステップ3は吊荷14の振れ止めのための走行速度パターンv(t) の計算方法を示しており、ステップ4〜ステップ7はステップ1〜ステップ3において計算した走行速度パターンv(t) にしたがってトロリー12を駆動する手順(速度指令値uを出力する手順)を示している。
【0017】
従って、まず、ステップ1〜ステップ3における走行速度パターンv(t) の計算方法について説明する。
【0018】
[ステップ1]:走行加速時の走行速度パターンの計算
ステップ1では走行速度パターンの加速部分を計算する。
【0019】
まず、ロープ長検出装置17によって現在のロープ長lを検出する。なお、ロープ長を可変とする場合、例えば、トロリー12の加速時にロープ13を図示しない巻き取り装置により巻き取って吊荷14を上昇させるような場合には、このときのロープ長の時間的な変化が予めわかっているものとする。また、計算に使用するパラメータとして、基準ロープ長lo と走行最大速度Vmax とを設定する。
【0020】
計算手順は次の▲1▼〜▲6▼の通りである(図4参照)。
【0021】
▲1▼ トロリー12が走行して吊荷14を運搬するとき(加速時)にロープ長が固定の場合には、ロープ長検出装置17で検出したロープ長lを用いる。トロリー12が走行して吊荷14を運搬するとき(加速時)にロープ長が可変の場合には、時間的に変化するロープ長lを予め計算しておく。
▲2▼ 一方、基準ロープ長lo に基づいて、次の(1)式により基準周期Tを計算する。
【0022】
【数1】
【0023】
▲3▼ 上記▲2▼で計算した基準周期Tと走行最大速度Vmax とに基づいて、次の(2)式によりトロリー12の基準走行加速度akoを計算する。その結果、図4(a)に点線で示すような一定の基準走行加速度akoが得られる。
【0024】
【数2】
【0025】
▲4▼ ここで、ロープ13と吊荷14とからなる実際の振り子(ロープ長lを持つ振り子)とトロリー12とに関する運動方程式は、次の(3)式のように求められる。但し、(3)式において、φは振り子の振れ角、ωは振り子の振れ角速度、gは重力加速度、ak はトロリー12の走行加速度、νl はロープ長変化率である。なお、ロープ長変化率νl はロープ長を可変とした場合のロープ長の単位時間当たりの変化率であり、ロープ長が固定の場合にはゼロとなる。
【0026】
【数3】
【0027】
従って、基準ロープ長lo を持つ仮想振り子とトロリー12とに関する運動方程式は、トロリー12を基準走行加速度akoで基準周期Tだけ加速する場合、次の(4)式のようになる。
【0028】
【数4】
【0029】
この(4)式で基準ロープ長lo を固定とし、基準走行加速度akoを一定とすると、(4)式から、基準ロープ長lo を持つ仮想振り子の振れに関して、次の(5)式のような解が求められる。
【0030】
【数5】
【0031】
即ち、基準ロープ長lo を持つ仮想振り子の基準周期Tの間の振れ角φ及び振れ角速度ωの時間的な変化は図4(c)、図4(d)に示すようになり、基準周期Tが経過した時点では振れ角φ及び振れ角速度ωは何れもゼロとなっている。従って、ロープ長lを持つ実際の振り子の基準周期Tの間の振れ角φ及び振れ角速度ωが上式(5)となるようにトロリー12の走行加速度ak を決めてやれば、吊荷14(実際の振り子)に対して期待通りの振れ止め制御ができるはずである。そこで、上記の(3)式と(4)式の右辺どうしが等しいとして走行加速度ak を求めると、次の(6)式が得られる。
【0032】
【数6】
【0033】
従って、この(6)式により、時間tが0からTまでの加速時の走行加速度ak を求めることができる。即ち、図4(a)に実線で示したように、時間tの経過とともに連続的に変化する加速時の走行加速度ak が得られる。
【0034】
▲5▼ そして、時間tが0からTまでの走行加速度ak を次の(7)式のように積分して、トロリー12の加速時の走行速度va (t) を計算する。かくして、図4(b)に実線で示すような走行速度パターンの加速部分が得られる。つまり、走行速度パターンの加速部分が図4(b)に実線で示すようなパターンに設定されれば、加速時の走行加速度ak は図4(a)に実線で示すように滑らかに変化することになる。
【0035】
【数7】
【0036】
▲6▼ 更に、この走行速度va (t) を次の(8)式のように0からTまで積分して、トロリー12の加速に要する走行距離Da を計算する。
【0037】
【数8】
【0038】
[ステップ2]:走行減速時の走行速度パターンの計算
ステップ2では走行速度パターンの減速部分を計算する。
【0039】
計算に使用するロープ長としてステップ1で検出したロープ長lを用いる。なお、ロープ長を可変とする場合、例えば、トロリー12の減速時にロープ13を図示しない巻き取り装置により巻き戻して吊荷14を下降させるような場合には、このときのロープ長の時間的な変化が予めわかっているものとする。また、ステップ1で設定した基準ロープ長lo と走行最大速度Vmax とをパラメータとして使用する。
【0040】
計算手順は次の▲1▼〜▲6▼の通りである(図5参照)。
【0041】
▲1▼ トロリー12が走行して吊荷14を運搬するとき(減速時)にロープ長が固定の場合には、ステップ1においてロープ長検出装置17で検出したロープ長lを用いる。トロリー12が走行して吊荷14を運搬するとき(減速時)にロープ長が可変の場合には、時間的に変化するロープ長lを予め計算しておく。
▲2▼ 一方、基準ロープ長lo に基づいて、次の(9)式により基準周期Tを計算する。
【0042】
【数9】
【0043】
▲3▼ 上記▲2▼で計算した基準周期Tと走行最大速度Vmax とに基づいて、次の(10)式によりトロリー12の基準走行加速度akoを計算する。その結果、図5(a)に点線で示すような一定の基準走行加速度akoが得られる。なお、同図に示すように、減速時であるため基準走行加速度akoはマイナスとなっている。
【0044】
【数10】
【0045】
▲4▼ 基準ロープ長lo を持つ仮想振り子について、トロリー12を基準走行加速度akoで基準周期Tだけ減速する場合の振れに関する解は、ステップ1と同様の計算により(ステップ1の計算手順▲4▼参照)、次の(11)式のように得られる。
【0046】
【数11】
【0047】
即ち、基準ロープ長lo を持つ仮想振り子の基準周期Tの間の振れ角φ及び振れ角速度ωの時間的な変化は図5(c)、(d)に示すようになり(減速時であるため振り子の振れ方向が図4(c)、(d)に示す加速時の振れ方向とは逆になっている)、基準周期Tが経過した時点では振れ角φ及び振れ角速度ωは何れもゼロとなっている。従って、ロープ長lを持つ実際の振り子がこのような振れとなるために必要なトロリー12の走行加速度ak を、ステップ1と同様の計算により(ステップ1の計算手順▲4▼参照)、次の(12)式のように求める。
【0048】
【数12】
【0049】
この(12)式により、時間tが0からTまでの減速時の走行加速度ak を求めることができる。即ち、図5(a)に実線で示したように、時間tの経過とともに連続的に変化する減速時の走行加速度ak が得られる。なお、同図に示すように、減速時であるため走行加速度ak はマイナスとなっている。
【0050】
▲5▼ そして、時間tが0からTまでの走行加速度ak を次の(13)式のように積分して、トロリー12の減速時の走行速度vd (t) を計算する。かくして、図5(b)に実線で示すような走行速度パターンの加速部分が得られる。つまり、走行速度パターンの減速部分が図5(b)に実線で示すようなパターンに設定されれば、減速時の走行加速度ak は図5(a)に実線で示すように滑らかに変化することになる。
【0051】
【数13】
【0052】
▲6▼ 更に、この走行速度vd (t) を次の(14)式のように0からTまで積分して、トロリー12の減速に要する走行距離Dd を計算する。
【0053】
【数14】
【0054】
[ステップ3]:走行速度パターンの結合(加速部分+減速部分)
ステップ3ではステップ1で計算した走行速度パターンの加速部分(図4(b)参照)と、ステップ2で計算した走行速度パターンの減速部分(図5(b)参照)とを結合して、走行速度パターンv(t) を計算する。
【0055】
入力として、ステップ1で計算した加速側走行速度パターンの時系列データva (t) 、ステップ2で計算した減速側走行速度パターンの時系列データvd (t) 、走行最大速度Vmax 、全体の走行距離D、加速部走行距離Da 及び減速部走行距離Dd を使用し、出力として、走行速度パターンv(t) (速度指令値uの時系列データ)を求める。
【0056】
計算手順は次の▲1▼〜▲4▼の通りである(図6、図7参照)。
【0057】
▲1▼ トロリー12の全体の走行距離Dは、次の(15)式のように、トロリー12の走行目標位置Po と現在位置xo との差より求まる。
【0058】
D=Po −xo ・・・(15)
【0059】
トロリー12が一定の走行最大速度Vmax で走行する距離Dmax は、次の(16)式のように、全体の走行距離Dから加速部走行距離Da と減速部走行距離Dd とを引いた値である(図6参照)。
【0060】
Dmax =D−Da −Dd ・・・(16)
【0061】
▲2▼ トロリー12が走行最大速度Vmax で走行する時間Tmax は、次の(17)式より求めることができる。
【0062】
【数15】
【0063】
▲3▼ 加速側走行速度パターンの時系列データva (t) と減速側走行速度パターンの時系列データvd (t) とを走行最大速度Vmax でつなげることによって、次の(18)式のような走行速度パターンv(t) を求めることができる。即ち、図7(a)に示すような左右の加減速部と中央の一定速度部とからなる走行速度パターンv(t) が得られる(図4(b)、図5(b)、図6参照)。図7(b)と図7(c)には、図7(a)に示す走行速度パターンv(t) に対応したトロリー12の走行加速度ak と、ロープ13と吊荷12とからなる実際の振り子の振幅(振れ角)φとを示す(図4(a)、図4(c)、図5(a)、図5(c)参照)。
【0064】
【数16】
【0065】
▲4▼ 走行速度パターンv(t) の所要時間は次の(19)式となる。この所要時間2T+Tmax は後述する走行速度パターンの終了判定に用いる。
【0066】
走行速度パターン所要時間=2T+Tmax ・・・(19)
【0067】
以上のように、ステップ1〜ステップ3の処理により、吊荷14の振れ止め制御を行うための走行速度パターンv(t) を計算することができる。
【0068】
次に、この走行速度パターンv(t) にしたがってトロリー12を駆動する手順(速度指令値uを出力する手順)について説明する(ステップ4〜ステップ7)。
【0069】
[ステップ4]:走行速度パターン出力の準備
ステップ4では走行速度パターン出力の準備、即ち、トロリー駆動装置15へ速度指令値uを出力する準備として、時間カウントの初期化を行う。
【0070】
振れ止めパターン演算部21では、刻み時間Δtごとに演算処理が行われるものとする。そして、時間カウントiを用意し、この時間カウントiを増加することにより、次の(20)式に示すように時間tを刻み時間Δtずつ増加させて、時間tの経過を表す。そこで、まず、初期化処理として、次の(21)式に示すように時間カウントiを0に初期化する。
【0071】
t=Δt*i ・・・(20)
i=0 ・・・(21)
【0072】
[ステップ5]:時間カウントを進める
ステップ5では、次の(22)式に示すように、時間カウントiの前回値に1をたすことによって時間カウントiを進める。
【0073】
i=i+1 ・・・(22)
【0074】
[ステップ6]:速度指令値の出力
ステップ6では走行速度パターンv(t) に基づいて速度指令値uをトロリー駆動装置15へ出力する。
【0075】
走行速度パターンv(t) の開始からの経過時間tは上記(20)式のようにt=Δt*iで表されるため、この経過時間tに対応した走行速度パターンv(t) の値を、次の(23)式のように、トロリー12に対する速度指令値uとしてトロリー駆動装置15へ順次出力する。
【0076】
u=v(t) ・・・(23)
【0077】
[ステップ7]:走行速度パターンの終了判定
ステップ7では走行速度パターンv(t) の出力(速度指令値uの出力)の開始からの経過時間tが、走行速度パターンv(t) の所要時間2T+Tmax を超えているか否かを判定する。経過時間tが所要時間2T+Tmax を超えている場合には、走行速度パターン出力を終了させる。経過時間tが所要時間2T+Tmax を超えていない場合には、ステップ5に戻って時間カウントiを進めるとともに、走行速度パターン出力を継続する。
【0078】
なお、具体的には、ステップ1〜ステップ7の処理プログラムを、制御装置18を構成するマイクロコンピュータなどに実装し、このマイクロコンピュータで連続して処理することにより、上記のような走行速度パターンv(t) の計算と、この走行速度パターンv(t) に基づくトロリー12の駆動制御(走行速度制御)、即ち、吊荷14の振れ止め制御とを行うことができる。
【0079】
<作用・効果>
以上のように、本実施の形態に係る吊荷の振れ止め制御装置では、制御装置18の振れ止めパターン演算部21において、ロープ長検出装置17で検出したロープ長l及びトロリー位置検出装置16で検出した現在位置xo と、前もって与えられた任意の基準ロープ長lo 、走行最大速度Vmax 及び走行目標位置Po とに基づいて、基準ロープ長lo を持つ仮想振り子の1周期分の時間でトロリー12を加減速させたときの前記仮想振り子の状態を計算し、ロープ長検出装置17で検出したロープ長lを持つ実際の振り子が前記仮想振り子の状態に一致するようにトロリー12の走行速度パターンv(t) を計算するとともに、この走行速度パターンv(t) に基づいて速度指令値uをトロリー駆動装置15へ出力する。
【0080】
従って、本実施の形態に係る吊荷の振れ止め制御装置によれば、図7に示すようにトロリー12の加速途中及び減速途中で走行加速度に不連続点を持たない走行速度パターンv(t) を得ることができ、この走行速度パターンv(t) に基づいて走行駆動系の追従性に起因する吊荷14の残留振れが少ない高精度な振れ止め制御を行うことができる。
【0081】
なお、上記の吊荷の振れ止め制御装置ではロープ長検出装置17を有し、このロープ長検出装置17で検出したロープ長lを用いて走行速度パターンv(t) を計算しているが、走行速度パターンv(t) を計算するためには吊荷14(実際の振り子)の振れ周期もしくは振動数がわかればよい。
【0082】
即ち、具体的な数式は省略するが、吊荷14の振れ周期に基づいて、同振れ周期とロープ長lとの関係式からロープ長lを計算することができ、もしくは吊荷14の振動数に基づいて、同振動数と振れ周期との関係式及び同振れ周期とロープ長lとの関係式からロープ長lを計算することができるため、この計算したロープ長lを上記(3)式に用いればよい。このため、ロープ長検出装置17の代わりに、吊荷14の振れ周期もしくは振動数を検出する装置を備えるようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上、発明の実施の形態と共に具体的に説明したように、第1発明の吊荷の振れ止め制御装置は、走行体から垂れ下がったロープの下端に吊荷を取り付け、この吊荷を前記走行体の走行により目標位置まで運搬するよう構成されたクレーンにおいて、このクレーンにより前記吊荷を運搬する際に前記吊荷の振れ止め制御を行う吊荷の振れ止め制御装置であって、
前記ロープの長さlを検出するロープ長検出装置と、
前記走行体の現在位置xOを検出する走行体位置検出装置と、
速度指令値に基づいて前記走行体の走行速度を制御する機能を有する走行体駆動装置と、
この走行体駆動装置へ前記速度指令値を出力する制御装置とを備え、
この制御装置では、
基準ロープ長l O に基づいて、次式により基準周期T計算し、
【数41】
この基準周期Tと走行最大速度V max とに基づいて、次式により前記走行体の加速時の基準走行加速度a ko を計算し、
【数42】
この基準走行加速度a ko と、前記基準ロープ長l O と、前記ロープの長さlと、重力加速度gと、振り子の振れ角φと、振り子の振れ角速度ωと、ロープ長変化率ν l とに基づいて、次のような前記走行体の加速時の走行加速度a k の式を求め、
【数43】
この走行加速度a k を次式のように積分して、前記走行体の加速時の走行速度V a ( t ) を計算し、
【数44】
この走行速度V a ( t ) を次式のように積分して、前記走行体の加速に要する加速部走行距離D a を計算するステップ1と、
【数45】
前記基準ロープ長l O に基づいて、次式により基準周期T計算し、
【数46】
この基準周期Tと前記走行最大速度V max とに基づいて、次式により前記走行体の減速時の基準走行加速度a ko を計算し、
【数47】
この基準走行加速度a ko と、前記基準ロープ長l O と、前記ロープの長さlと、重力加速度gと、振り子の振れ角φと、振り子の振れ角速度ωと、ロープ長変化率ν l とに基づいて、次のような前記走行体の減速時の走行加速度a k の式を求め、
【数48】
この走行加速度a k を次式のように積分して、前記走行体の減速時の走行速度V d ( t ) を計算し、
【数49】
この走行速度V d ( t ) を次式のように積分して、前記走行体の減速に要する減速部走行距離D d を計算するステップ2と、
【数50】
前記走行体の走行目標位置P O と前記現在位置x O とに基づいて、次式により前記走行体の全体の走行距離Dを計算し、
D=PO−xO
この全体の走行距離Dと前記加速部走行距離D a と前記減速部走行距離D d とに基づいて、次式により前記走行体が前記走行最大速度V max で走行する距離D max を計算し、
Dmax=D−Da−Dd
この距離D max と前記走行最大速度V max とに基づいて、次式により前記走行体が前記走行最大速度V max で走行する距離T max を計算し、
【数51】
前記加速時の走行速度V a ( t ) と前記減速時の走行速度V d ( t ) と前記走行最大速度V max とをつなげることによって、次式のような走行速度パターンv ( t ) を計算するステップ 3とを実行し、
【数52】
この走行速度パターンv(t)に基づいて前記速度指令値を前記走行体駆動装置へ出力することを特徴とする。
【0084】
従って、この第1発明の吊荷の振れ止め制御装置によれば、走行体の加速途中及び減速途中で走行加速度に不連続点を持たない走行速度パターンを得ることができ、この走行速度パターンに基づいて走行駆動系の追従性に起因する吊荷の残留振れが少ない高精度な振れ止め制御を行うことができる。
【0085】
また、第2発明の吊荷の振れ止め制御装置は、第1発明の吊荷の振れ止め制御装置において、
前記ロープ長検出装置の代わりに、前記実際の振り子の振れ周期もしくは振動数を検出する装置を備えたことを特徴とする。
【0086】
従って、この第2発明の吊荷の振れ止め制御装置によれば、ロープ長検出装置の代わりに、実際の振り子の振れ周期もしくは振動数を検出する装置を備えることにより、上記第1発明の吊荷の振れ止め制御装置と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る吊荷の振れ止め制御装置を備えたクレーンのモデル図である。
【図2】前記吊荷の振れ止め制御装置のブロック図である。
【図3】前記吊荷の振れ止め制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図4】前記吊荷の振れ止め制御装置における走行速度パターンの加速部分の計算方法を表す説明図である。
【図5】前記吊荷の振れ止め制御装置における走行速度パターンの減速部分の計算方法を表す説明図である。
【図6】前記吊荷の振れ止め制御装置における走行速度パターンの一定速度部分の計算方法を表す説明図である。
【図7】前記吊荷の振れ止め制御装置の出力特性を表す説明図である。
【図8】従来の吊荷の振れ止め制御装置の出力特性を表す説明図である。
【符号の説明】
11 レール
12 トロリー
13 ロープ
14 吊荷
15 トロリー駆動装置
16 トロリー位置検出装置
17 ロープ長検出装置
18 制御装置
21 振れ止めパターン演算部
Claims (2)
- 走行体から垂れ下がったロープの下端に吊荷を取り付け、この吊荷を前記走行体の走行により目標位置まで運搬するよう構成されたクレーンにおいて、このクレーンにより前記吊荷を運搬する際に前記吊荷の振れ止め制御を行う吊荷の振れ止め制御装置であって、
前記ロープの長さlを検出するロープ長検出装置と、
前記走行体の現在位置xOを検出する走行体位置検出装置と、
速度指令値に基づいて前記走行体の走行速度を制御する機能を有する走行体駆動装置と、
この走行体駆動装置へ前記速度指令値を出力する制御装置とを備え、
この制御装置では、
基準ロープ長l O に基づいて、次式により基準周期T計算し、
D=PO−xO
この全体の走行距離Dと前記加速部走行距離D a と前記減速部走行距離D d とに基づいて、次式により前記走行体が前記走行最大速度V max で走行する距離D max を計算し、
Dmax=D−Da−Dd
この距離D max と前記走行最大速度V max とに基づいて、次式により前記走行体が前記走行最大速度V max で走行する距離T max を計算し、
- 請求項1に記載する吊荷の振れ止め制御装置において、
前記ロープ長検出装置の代わりに、前記実際の振り子の振れ周期もしくは振動数を検出する装置を備えたことを特徴とする吊荷の振れ止め制御装置。
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